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前田(種)
委員 どうも今
労働大臣の話を聞いておりますと、
公務員法の
改正案はもうすでに施行されておるような感があるのです。この
改正案が施行されますならば、名実ともに人事院に移るのでありますが、
現行法で行きますと、労働省にまだ相当の権限が残
つておると思います。私はこの
臨時國会中におけるところの、
給與の問題をどうするかという問題について、労働相の
責任のある
決意を促したわけです。しかも何もかも人事院が一切や
つているから、労働省ではわれ関せず、ということまでではありませんが、そういう印象を強く受けたのです。私ははなはだ心外だと思います。かりに人事院にある
程度の権限が移
つたといたしましても、少くとも
勤労大衆の
給與の問題につきましては、
ベストを盡すという役所は労働省以外にないのであります。その点に対する
労働大臣の熱意、あるいは
決意を、
追加予算案を
國会に出すのについての、ほんとうの
氣持を聞きたいというのであります。その点についてもう一ぺん
労働大臣の積極的な態度も要望もします。またそれだけの心構で、ぜひとも一日も早く
追加予算を出すように努力するという
決意を、この
委員会を通じて天下に発表するということは、これはただ單にわれわれ
委員が聞くだけでなくして、全國の
勤労大衆が
労働大臣のそういう
決意を待
つていると私は考えます。ぜひともその点については
労働大臣の重ねての
答弁を願
つておきたい。
それからもう
一つは、先ほど
吉田さんの
答弁した中で、
マツカーサー書簡が七月に出まして、数箇月経ました今日、國際的にも非常な
情勢の変化があるということを申し上げまして、
総理大臣の
答弁が簡單にあ
つたのであります。私は國際的な問題は、今
総理大臣がおりませんから掘り下げて申し上げませんが、國内的にも、あの
書簡が出たときと今日は非常な相違が現われて來ておると思います。直接
公務員法の
関係にあるところの官公労の中におきましても、いろいろな角度から批判檢討はされておりますが、反省の色濃いものもございます。その反省の色濃いものを、さらにけつからむちを打
つて、そうして突き倒すようなことをすることが、國の
労働政策の上からい
つていいか惡いかという点を考えてみました場合に、どんなに弱い者でもやけくそにしてしまえば反撥が恐ろしいものでございます。反省の色濃い
現状において、二百七十万の
官公吏の團結権の問題、健全なる
労働組合運動の問題をどうして今日善処するかということが、本
委員会に課されたところの重要な役目でもありますし、また今日政局を担当するところの
吉田内閣としても、最善の方策を盡さなくてはならない重要な使命だと考えます。
書簡は一指もまげることはできないというものではございません。いろいろな國の今日の
情勢、あるいは
労働組合運動の見通し、官公労の
労働組合運動の今後の
あり方、あるいは今後の目安、いろいろな点を勘案いたしまして、今日官公労の團結権の問題、
労働組合運動の
あり方については、どうしてもここで十分檢討する時期が今來ておると私は考えます。この時期に開かれておりますところの
議会でありますから、この点については十分の檢討がなされなくてはならぬと思いますが、この点につきまして
労働大臣の見解を、できるだけはつきりとひとつ示していただきたいと考えます。