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田中(松)
委員 そういう御
都合であ
つたならば、
厚生省の
関係当局にそういう点をお尋ねし、意見を述べることはあるいは妥当でないかもしれませんが、
日本には
嚴然としていわゆる
警察権というものがあります。今までの欠点を補うて、今日では
國家警察、
地方警察、こういう今までよりも進歩した
警察制度ができておる。ところが一方におきましては、すでに既存のものとして
鉄道公安官、あるいは
経済査察官というような、どう
説明いたしまするか、
屋上屋を重ねるというか、あるいはせつかく一方において
嚴然たる
警察制度があるのに、同じような
性格を持
つたものを並べるというか、そういうかつこうにな
つておるところに、またここに
麻藥取締員、次いではこれは
厚生省には
関係外のことでありますが、
逓信関係の方でもあるいは
逓信監察官というものができるとかなんとか言
つております。そうすると、將來これが例になりまして、いろいろな
方面にこんがらが
つた複雜な
弊害を起すようになるのではないか。これも
厚生省とは直接
関係はありませんけれ
ども、
税務官吏に
警察権を持たせるというような問題も起
つて來るでありましようし、特にそういう点を考えますと、今受動的にこれをかえなければならぬように
なつたとおつしやるのでございますから、その点についてはやむを得ぬとも思いますけれ
ども、この
法律を改めるにあた
つて、われわれの意のあるところだけを
はつきりとしておきたいと思うのでございます。ややもすると、こういう場合いろいろな
弊害を伴う。そういう
警察権を持たした
ほんとうのねらいをはずれて、別な
方面にこれを使う。直接
麻藥取締りにあた
つて申し上げることは、いろいろな誤解も起しますので控えますが、たとえば不正な手段をや
つている大きな勢力を持
つている者のところに
税務官吏が行く場合、何かそういう
警察権的なものを持
つていないと、どうにも捕捉のしようがない。そういう面に向けて使うのはよろしゆうございまするが、ややもすると、それがそういう
方面に向わずに、大衆の弱い者の方に、いわゆるおどし文句として使われるという
弊害が起
つて來がちである。この
麻藥取締員の問題につきましても、ともすると、そういう
弊害が起るのではないか。こういう点を憂慮するものでございます。一方において
警察制度が
嚴然としてあるのに、この問題だけにこういうものをつくらなければ、どうしても
麻藥取締りの実をあげることができないのかどうか、
質問は長くなりましたけれ
ども、お答えはその
最後の一点だけでよろしゆうございます。こういうような
制度を別に持たなければ、
ほんとうに
取締りの実をあげ得ないのか、いわゆる
現行警察制度のままでは
十分取締りができないのか、この一点だけをお答え願いたいと思います。