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1948-11-17 第3回国会 衆議院 建設委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十三年十一月十七日(水曜日) 午後一時五十一分
開議
出席委員
委員長
柏原
義則君 理事
松井
豊吉君
鈴木
明良君
鈴木
仙八君
松浦
東介
君 梁井 淳二君 足立 梅市君 土井 直作君
村瀬
宣親
君 坪川 信三君
長谷川政友
君 大神 善吉君
大瀧亀代司
君
只野直三郎
君
委員外
の
出席者
議 員
馬越
晃君
建設事務官
伊藤 大三君
建設事務官
賀屋
茂一君
地理調査所長
武藤
勝彦
君
参考人
愛媛縣会議員
井原
岸高
君 專 門 員 西畑 正倫君 ――
―――――――――――
十一月十二日
委員大森玉木
君辞任につきその補欠として
村瀬
宣親
君が議長の指名で
委員
に選任された。 十一月十五日
番匠川改修工事施行
の
請願
(
梅林時雄
君
紹介
) (第一一六号)
國道
三号線中一部
改修
の
請願
(
前田郁雄
君紹 介)(第一一七号) 越智町及び黒岩村
地内仁淀川治水工事施行
の請 願(
長野長廣
君
紹介
)(第一二五号) 下サロベツ、
音類間開拓道路開設
の
請願
(
坂東
幸太郎
君
紹介
)(第一三九号) 古
佐川砂防工事施行
の
請願
(
松浦東介
君
紹介
) (第一五一号)
椋梨川改修費補助
の
請願
(大原博
夫君紹介
)( 第一六六号)
市川改修工事施行
の
請願
(
堀川恭平
君
紹介
)( 第一六七号) 女満別、
開陽間國営トラツク道路改修
の
請願
(
飯田義茂
君
紹介
)(第一七三号)
前川改修工事施行
の
請願
(
松浦東介
君
紹介
)( 第一七五号)
石狩川護岸工事促進
の
請願
(
河口陽一
君
紹介
) (第一七六号)
賽満川改修工事施行
の
請願
(
中島茂喜
君
紹介
) (第一七七号)
大渕橋
及び
福島橋修築工事施行
の
請願
(
柳川定
秋君
紹介
)(第一八五号)
忠別川護岸工事施行
の
請願
(
坂東幸太郎
君紹 介)(第一八九号) 眞野川
改修工事施行
の
請願
(
内海安吉
君
紹介
) (第一九五号)
頓別川治水工事施行
の
請願
(
坂東幸太郎
君紹 介)(第一九七号) 沼ノ端、早
來間道路開設
の
請願
(
三好竹勇
君紹 介)(第二〇三号)
苫小牧
、
支笏湖間道路開設
の
請願
(
三好竹勇
君
紹介
)(第二〇四号)
苫小牧
市第一、第二両
幹線排水溝改修工事施行
の
請願
(
三好竹勇
君
紹介
)(第二〇五号)
安平川河口復旧工事施行
の
請願
(
三好竹勇
君紹 介)(第二〇六号)
洞爺國立公園予定地帶
の
改修
並びにその
道路
を
バス路線
として
使用認可
に関する
請願
(
三好竹
勇君
紹介
)(第二一一号) 新田川及び
升形川改修工事施行
の
請願
(圖司安 正君
紹介
)(第二二〇号)
矢作川改修工事完成促進
の
請願
(
千賀康治
君外 三名
紹介
)(第二二一号)
昭和町地先小櫃川堤防補強工事施行
の
請願
(冨
田照
君
紹介
)(第二二三号) の審査を本
委員会
に付託された。 同月十六日
土木建築請負制度確立
の
陳情書
(第一五 八号)
道路
並びに
河川愛護思想奨励
に関する
陳情書
(第一五八号)
道路法改正
に関する
陳情書
(第一五九 号)
國道
並びに
河川改修工事費
に対する
地方分担金
軽減の
陳情書
(第一六〇号)
戰災都
市
復興
に関する
陳情書
(第一六四号)
建築行政
の
事務移管
に関する
陳情書
(第一七一号) 國府
縣道補修費國庫補助
の
陳情書
( 第一七四号)
公共土木事業費
の
起債全額國庫負担等
に関する
陳情書
(第一七六号)
水防費国庫補助
の
陳情書
(第一七七号)
土木事業
の
啓蒙運動
に関する
陳情書
(第 一八〇号)
國道
の管理並びに
維持改良費
の單一化に関する
陳情書
(第一八一号)
地方綜合開発調査費國庫負担
の
陳情書
( 第一八二号)
水道敷設費國庫補助
の
陳情書
(第一八四 号)
災害防除施設工事費国庫補助増額
の
陳情書
(第一八五号) 國府懸
道補修費國庫補助
の
陳情書
(第一八九号)
民間住宅建設資金融通
に関する
陳情書
(第一九三号)
地すべり対策
に関する
陳情書
(第二〇四号)
群馬縣
の
水害復旧
に関する
陳情書
(第二〇七号)
井田川改修
に関する
陳情書
(第二一八号)
千歳橋架換
に関する
陳情書
(第二二三号)
群馬縣
の
水害復旧
に関する
陳情書
(第二二六号) 甲府より西八代郡を経て富士宮に至る
道路開設
の
陳情書
(第二 三一号)
市川改修工事施行
の
陳情書
(第二三二号)
富士川綜合調査
に関する
陳情書
(第二三四号)
山形縣
の
水害復旧費國庫補助
の
陳情書
(第二四八 号)
鹿兒島縣
の
戰災都
市
復興事業費増額
の
陳情書
(第二五〇号)
山川
、
枕崎間道路改修
の
陳情書
(第二五一号) を本
委員会
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した事件 中國、四
國地方
の
地盤沈下対策
に関する件
請願
一 妻、
人吉間縣道
を
國道
に
編入
の
請願
(
川野
芳滿
君
紹介
)(第四号) 二 大夕張、
清水澤間道路開設
の
請願
(
岡田春
夫君紹介
)(第五号) 三
小名濱
、
新潟間道路改修
の
請願
(
小澤專七郎
君
紹介
)(第二〇号) 四
茨城縣
の
水害復旧対策
に関する
請願
(山崎 猛君
紹介
)(第三八号) 五
木曽川改修工事促進
の
請願
(
江崎真澄
君外
二名紹介
)(第四一号) 六 五ヶ瀬川の
國営
による
治水調査
並びに
改修
工事施行
の
請願
(
川野芳滿
君
紹介
)(第五 〇号) 七
小丸川改修工事國宮施行
に関する
請願
(川
野芳滿
君
紹介
)(第五四号) 八
牛朱別川改修工事施行
の
請願
(
河口陽一
君
紹介
)(第五五号) 九
延岡国道改修工事促進
の
請願
(
川野芳滿
君
紹介
)(第五六号) 一〇
久根別川溢流溝開設
に関する
請願
(
冨永格
五郎
君
紹介
)(第五七号) 一一 上磯町所在の
排水溝切替工事施行
の
請願
(
冨永格五郎
君
紹介
)(第五八号) 一二
天龍川堤防復旧費國庫補助
の
請願
(
川合彰
武君
紹介
)(第九四号) 一三 伊作川
改修工事施行
の
請願
(
上林
山
榮吉
君
紹介
)(第一〇〇号) 一四 丹野川
改修工事継続施行
の
請願
(
竹山祐太
郎君
紹介
)(第一〇一号) 一五
迫川沿岸改修工事施行
の
請願
(
中野寅吉
君 外六名
紹介
)(第一〇二号) 一六
基北川
及びアイヌ川
改修工事施行
の
請願
(
坂東幸太郎
君
紹介
)(第一〇三号) 一七
美瑛川護岸工事施行
の
請願
(
坂東幸太郎
君
紹介
)(第一〇四号) 一八 宮崎、八代
間縣道
を
國道
に
編入
の
請願
(押 川定秋君
紹介
)(第一〇六号) 一九
山川
、
枕崎間道路改修
の
請願
(
上林
山
榮吉
君
紹介
)(第一一〇号) ――
―――――――――――
柏原義則
1
○
柏原委員長
これより
会議
を開きます。 中國、四國の
地盤沈下対策
に関する件を議題といたします。中國、四
國地方
における
地盤沈下
につきましては、その
被害
きわめて甚大でありまして、
前回
の
委員会
におきましても、溝渕、
村瀬
両
委員
より
本件
につきまして
発言
もありまして、本
委員会
といたしましては、ぜひともその
対策
を検討すべき必要を認めまして、本日特にこれを取上げた次第でございます。これより
本件
につきまして検討いたしますが、まず最初に
政府当局
より、
災害状況
の
説明
並びに
当局
の御
意見
を聽取いたしたいと存じます。御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
柏原義則
2
○
柏原委員長
御
異議
なしと認めます。
賀屋防災課長
。
賀屋茂一
3
○
賀屋説明員
中
國地方
及び四
國地方
、それから
南海
、
紀南方面
の
地盤変動対策
の件につきまして概況を申し上げます。
昭和
二十一年に
南海震災
がございまして、その当時は
南海震災
は
災害復旧
として実は
緊急措置
をしたわけでございます。それで当時の
被害
は、一應縣の提出されましたものは二十一年の
南海震災
として全部採用してあるわけでございます。ところがその後地震の
影響
で、逐次
地盤
が
沈下
して参りまして、そのために二十二年
災害
の
國庫補助規程
は適用いたしかねるので、別途に
地盤変動対策
として
——
当該縣が新しく起つたと認められて、
——
お出しに
なつ
たものにつきまして、
地盤変動対策
として再び
査定
をしたわけであります。この額は大体十一億六千百万円ばかりございます。これを提出されました縣は、
愛知縣
、
三重縣
、
和歌山縣
、それと四國四縣でございます。この七縣なのでございます。これについて
國庫
は大体
災害
の
國庫補助規程
に準じて検査もし
補助
も出したということで、三分の二の
國庫補助
を要請して現に
実施
してあるわけでありまして、昨年の十一億六千百万円に対しましては三分の二の助成をいたしますと、八億三千五百万余になるわけでございます。ところが本
年度
に
予算
化せられましたものは三億でございまして、この三億を各
府縣
に配付して三期まで来ておるわけであります。ところが
震災
の
影響
はさらに続発いたしまして、この四國四縣、それから和歌山、
三重
、
愛知方面
ではさらに
地盤変動
の事実がありますので、来
年度
の
要求
といたしまして、
——
大体
工事費
が七縣で十八億四千四百万円出ております。これは
申請
された
金額
でございますが、
——
十二月の上旬から各縣を檢査いたそうと思
つて
おりまして、大体二十日ごろには
決定
した
数字
を出し得ると考えております。とりあえず二十四年の
予算
といたしましては、この縣から
申請
されたのを元にしまして、一應概算の
予算要求
を実はしておるわけでございます。さらに
申請
のあつたものを檢査しまして
決定
になりましたら、その
数字
を訂正しよう。こう考えておる次第であります。
柏原義則
4
○
柏原委員長
当局
の
説明
に対する
質疑
はございませんか。
村瀬宣親
5
○
村瀬委員
ただいま来
年度
は十八億余円の
工事費
を見ているという
お話
でありましたが、実は來
年度
を待てない
状態
に、
被害
が日々進んでいる
箇所
が非常に多いのでありまして、四國四縣、
岡山
、廣島、
山口
、大阪、
兵庫等
も放任しておけないというので、各
議員
寄り寄り特殊の
議員連盟
をつく
つて
、これが
対策
を早く
決定
していただきたいという方向に進んでいるのであります。ついてはこの第三
國会
にその
追加予算
を御
要求
になるための御
調査
は、まだできておらないのでありますか。
賀屋茂一
6
○
賀屋説明員
今のところでは第三
國会
には、四
國方面
のは今年
要求
されます前に七、八月ごろにわかりましたものがあるのでありまして、これは
申請
に
なつ
たものでございますから、
安定本部
の方に
要求
をし、今度の
追加予算
のうちには大体四千八百万円の
補助
にな
つて
おりますが、これは実は
次期要求
として考えているわけであります。
追加予算
は私の方といたしましては、百二十九億も出しておりますが、とりあえず五十億円程度を緊急として出し、さらに
次期
の
追加予算
の
要求
として、四千八百万円が
地盤変動対策
の
追加
として出ているわけであります。
村瀬宣親
7
○
村瀬委員
前回
の本
委員会
におきまして、
岩澤次官
の御
答弁
の中に、五十一億二千万円の
追加予算
をとりあえず
要求
しているので、
地盤沈下
等緊急やむを得ないものがあるならば、それが通過すればその五十一億二千万円のうちから、流用をしたいというような御
答弁
があ
つたの
でありますが、この五十一億二千万円の中には、
地盤沈下対策費
も含まれているのでありますか。
賀屋茂一
8
○
賀屋説明員
この
地盤変動
の
災害
の
國庫補助
を普通の
風水害
の
災害費
と切り離しているわけは、
災害復旧
は
当該年度
の
風水害
で、緊急に起つたものを採用することにな
つて
いるのであります。ところが鉱害とかあるいは
地盤変動
というものは逐次起
つて
來るものでありまして、その
災害規程
の適用にははまらぬものでありますから、それで
地盤変動
という項目を設けたのであります。但し
地盤変動
でありましても、今
年度
に突然起つたものは、これは当然
災害
でございますので、
原因
がどうでありましても
災害
として採用するのであります。それで先般も
次官
が申されましたその
運用
といいますのは、今年の
災害
のうちに、いわゆる
地盤
の
沈下
というものが出ております。これは
愛媛
、高知、香川、
徳島方面
には、今年の
風水害
の
災害
の
申請
の中に
地盤変動
が含まれております。これはにわかに起つたということでその分は入
つて
おるわけであります。そうしますと、今年
査定
をいたしますと、この
査定
の中にそれも含まれることになるのでありますから、もしそれが緊急なものでありましたならば、そしてその
補助
が行きましたならば、縣はその
補助
で
仕事
はでき得るのであります。それで、今年の五十一億が
通り
ましたならば、その
運用
で
地盤変動
の
対策
の
仕事
もなし得るというわけなのであります。
村瀬宣親
9
○
村瀬委員
現在四國四
縣並びに岡山
、廣島、
山口
七縣のみについて
調査
を地元でいたしましたものによりますと、今ただちに
工事
としてや
つて
いただかねばならないものが、八億数千万円あるということにな
つて
おるのであります。これは
河川
の
堤防
が切れたというような場合にももちろん急を要するのでありますが、さればとい
つて
全部の
河川
を一度にすぐに
改修
してしまう能力もないというのは、先ほどの御
説明
にもありました
通り
でありまして、これは何
年度
かに分割するということはやむを得ないかとも思うのでありますけれ
ども
、この
地盤沈下
によります
被害
は日々大波が押寄せておるのであります。何とか今ただちにいたしませんことには、
河川
の
堤防
が切れたという
災害
とは趣を異にするのであります。日々が家を脅かされ
道路田畑
を脅かされておるのでありまして、これはどうしても
年度
を待
つて
や
つて
よろしいという性質のものと違うのでありますが、その点につきましてどこまでの御
調査
が行
つて
おるのでありましようか。また、大体今申しました
通り
八億円を要するのでありますけれ
ども
、大体の
金額
はどのくらいまで、この五十一億二千万円からおさきいただける予想がつくのでありましようか。
賀屋茂一
10
○
賀屋説明員
これは今度の
災害
のうちに
地盤変動
の
箇所
がいくら入
つて
おるかということは、実は今わからぬのでございますが、もし五十一億余万円の
追加予算
が
通り
ました際に、
地盤変動
の
箇所
のみが最も重要であると縣でお考えになるならば、配付された金を全部
地盤変動
に持
つて
おいでにな
つて
もかまわぬのであります。これはたくさんの
箇所
を
査定
しておるのでありまして、その実際の選定は
府縣知事
がおやりになるのでありますから、
補助
の範囲においておやりになることはかまわぬのであります。これは、
道路
とかその他を直すのをあとまわしにして、
地盤変動
に持
つて
行くということを全部おやりにな
つて
も結構なのでありまして、その五十一億のうち
地盤変動
の
方面
にどれだけ行くだろうということは、今のところわれわれの方ではわかりかねるのであります。それから
地盤変動
のものが今年の
申請
のうちにいくら入
つて
おるかということもまだわからないのであります。
実情
はそういうわけであります。
実施
はそうなし得るわけであります。
村瀬宣親
11
○
村瀬委員
五十一億余万円と申しますものは、おそらく各
府縣
で現在やむを得ない
地盤沈下
以下の
災害復旧
の
工事
について、
申請
をしたものと思うのでありまして、それが
割当つて
行つたとき、その方をやめて
地盤沈下
にまわせと言われましても、
府縣
では相当困るのじやないかと思うのであります。それで、これは至急
実情
を御
調査
いただきたい。これはとうてい来年三月を待
つて
やり得る
状態
ではないと思うのでありまして、これを放任しておきますと、
農民等
の
思想
上にも相当危險な
影響
を與えますし、重大な社会問題化する傾向もぼつぼつ見えておりますので、ぜひこの問題は、ない袖は振れぬというようなことでなしに、
眞劍
に
地方民
の不安と焦燥を解消するような方策を、講じていただきたいと思うのであります。それにつきまして、いま少し具体的に、御
調査
の陣容とかあるいはその時期等について承
つて
おきたいと思います。
賀屋茂一
12
○
賀屋説明員
実はこの
原因等
につきましては、
地理調査所
にお願いして、あるいは
地盤沈下
とか、潮位の変化とか、そういう
方面
についての
調査
はしてもら
つて
おります。それで、本年の
地盤変動
につきましては、実は
予算
が御承知の
通り
のわくでありますので、はなはだ少いのでありますが、それでも、
地盤変動
による
影響
は御説のように毎日のことでありまして、出水のごときそのときだけの問題じやないのでありますので、この点は十分考えておりまして、今度の配分につきましても、この点は重大に考えてもらうということは考えております。 それから檢査に行く時期でございますが、今
風水害
の方を全員かか
つて
や
つて
おるわけでありまして、ほとんどからにな
つて
おります。これが大体
來月四日
ころには全部済むわけであります。それで、これが帰りましたらすぐに行く準備をいたします。終了は大体二十日ころには終了したいと考えておりますから、なるたけ急いでやります。
柏原義則
13
○
柏原委員長
ただいま
地理調査所
の
武藤勝彦
氏がお見えになりましたから、
速記
をとめて懇談の形で
状況報告
を
伺つて
、続いてまた
質疑
を願うことにいたしたいと思います。 〔
速記中止
〕
柏原義則
14
○
柏原委員長
速記
を始めてください。 この際お諮りいたします。
議員馬越
君より
委員外
の
発言
の申出がありますが、これを許可するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
柏原義則
15
○
柏原委員長
御
異議
なしと認めます。
馬越
君。
馬越晃
16
○
馬越晃
君 特に
委員外
の者でありまけれ
ども
、事重要でございますのでお許しを得まして
一言意見
を申し述べ、かつ
政府
の所信をただしたいと思うのでございます。
南海震災
が
原因
いたしました、のか、ただいま
政府当局
におかれましても、
お話
のございましたように、なおかつ
委員諸君
からも、
お話
がありましたことく四國並びに
和歌山縣
、中國の
山陽等
一面にわたりまして、
地盤
の
沈下
であるか、あるいはまた
高潮
の結果であるか、その結果は私
どもしろうと
でわからないのでありますけれ
ども
、とにも
かく
にも
地盤
が
沈下
したもののごとく、非常な
高潮
が生じまして、四
國沿岸
、またただいま申し上げた
関西方面
におきましては、非常に大きな
地盤
の激変が生じておりますことは、私から詳細申し上げる必要はないと思うのでございます。ところがただいま
村瀬委員
からも
お話
がありましたことく、この
地盤沈下
と目せられる
変動
は、順次激烈をきわめておるかのごとく考えられておるのでありまして、昨年から本年の春にかけましては、まだ
愛媛縣
のごときは
南予方面
、いわゆる宇和島、
八幡浜方面
におきましては、かような現象は見られていなか
つたの
でありますが、最近におきましては、この
方面
にまでも波及いたしまして、十月上旬における
滿潮時
におきましては、非常な
海水浴入
の
被害
を受けたのであります。ここにおきまして、四國四縣の縣
当局
並びに中
國山陽方面
の縣の
方々
が相つどいまして、この
地盤沈下
に対するいろいろな
研究
をせられまして、何とかしてこの
被害
を今のうちに
最小限度
に食いとめたいということを、御
研究
になられたのでありますけれ
ども
、いかんせん、現在の
地方
自治体の財政の現状をも
つて
いたしましては、とうてい
かく
のごとき大きな天災を防止することは不可能なのでございまして、これは一に国家の強力なる御援助なくしては困難なのであります。こうした事情は私
ども
その
地方
の
出身議員
といたしましても十分に目撃し認識いたしてお
つたの
でありますけれ
ども
、今日のこの大きな
被害
は順次生じて参つたものでございまするし、だんだんにわが國におきまする
災害
というものは、昨年の
関東
の大
水害
から続きまして
福井縣
の
震災
となり、また
東北
の先般の
風水害
のごとく、一口で申しますればはでな
災害
が生じまして、
天下
の
耳目
はこうした
方面
にのみ吸收せられまして、長時日にわた
つて
だんだんと
沈下
して、その
被害
またはかり知れざるものがあるという
関西
における
地盤沈下
は
天下
の
耳目
からだんだんと遠ざか
つて
しま
つたの
であります。さよういたしまして、
政府当局
におかれても、先ほど申し上げたようなはでな
災害
につきまして、いろいろ緊急の
対策
が講ぜられつつあるようでありますが、このような
関西
における
地盤沈下
のごとき、目に見えることの非常にじみな
災害
につきましては、顧みられないような
状態
にある。その結果遂に今回の
予算
の上に、何らの
数字
が呪われていないというようなことによりましても、
政府自体
がすでにこの問題を等閑に付しておるのではないかというようなきらいがありまして、私
ども関係地方選出
の者といたしましては、非常な遺憾な氣持を持
つて
おるのであります。ただいま
地質研究所
の
方々
の御
説明
を承りましても、いまだにその
眞相
を把握していられない。今から
調査
をや
つて
行かれるのだということでありまして私
ども
は実に遺憾に存じておるのであます。私
ども
は
しろうと
でありましてその
原因
がどうしてもわからない。今日はすでに
原因
は
政府当局
が突きとめられて、これに対する恒久並びに
臨機
の
処置
が、打立てられておらなければならぬと思うし、また私も打立てられつつあるだろうと期待してお
つたの
であります。ただいまの御
説明
を承りまして、はなはだ遺憾に存じておるのであります。
政府
はまずこれが
研究
をすみやかに完了せられまして、その
研究
の結果に基いて
臨機
の
処置
並びに恒久的な
対策
をお立てになることを、切に希望いたすのであります。なおまたこの
地盤沈下
の
災害
に対しましては、
ひとり建設省
のみがよくこれが
立案実施
をなすことはできないと思うのであります。これは農林省なりその他経済
安定本部
なり、
大藏省
なり、いろいろ
関係省
が相
集つて
、これが
対策
を樹立せられることが一番緊要なことであると思うのであります。
衆議院
内に
災害対策特別委員会
が設けられてありますが、その
特別委員会
の
委員
の顔ぶれを見ましても、ほとんど
関東
、
東北
、北海道の
出身議員
でも
つて
構成されておつたし、現在もそうであります。これは
関西
における
地盤沈下
が、一つの大きな
災害
であるというふうに見られていないきらいが、ここにもまた如実に現われておるのであります。今
衆議院
内における
災害対策特別委員会
の
委員
を変更することは、なかなか困難であると思うのでありますが、幸いに本
建設委員会
におかれましては、
委員長
はこの
関係方面
の
出身
の方でもございますし、また
委員
の
方々
におかれましても、
関係地出身
の
委員
の
方々
がおられますので、私
ども
はこの
建設委員
の今後の御活動に、非常な大きな期待を持
つて
おるのであります。そこで
委員長
並びに
委員
の
方々
にお願いをいたすのでありますが、この
関西
におきまする
地盤洗沈下
に対しまする特別の
対策
の小
委員会
を御設置くださいまして、そうして專門的に、また積極的にこの
地盤沈下
の
対策
について何らかの方途を講じていただきたいことを、
委員会
に切にお願いいたすのであります。私
ども関係地方出身
の
衆参両院議員
は、この
地盤沈下
を非常に重大視しまして、
関係
府縣
と相
連絡
をとりまして、議院内におきましては
地盤沈下
の
対策議員連盟
というようなものを設立いたしまして、
各党各派
からそれぞれ
代表者
を出し、各
府縣
からも世話人を出しまして、そうして
関係地方出身
の
衆参
両
時議員
が一致協力して、この
災害復旧
に全力をあげたいと、今やそうした
運動
かほうはいとして起
つて
おります。近いうちにこうした
議員連盟
が創立されることであろうと思うのでありますが、こういう
連盟
ができますれば、この
連盟
はこの
建設委員会
と密接な
連絡
をとりながら
政府
に向
つて
この
対策
を樹立し、しかもこれが救済の道を講じられるように責極的に呼びかけて行きたい、かように考えておるのであります。
建設省
の
方々
はただいま
防災課長等
の
お話
を承りましても、いろいろと御心配をしていただいておるようてありますが、どうかその他の
関係
の
方面
とも十分な御
連絡
をと
つて
いただくように、ひとつ
委員長
にも格段の御配慮を要望いたしまして私の
発言
を終ります。
柏原義則
17
○
柏原委員長
ほかに
質疑
はございませんか。
松井豊吉
18
○
松井委員
一番重大である
災害
対策
問題については、
片山内閣
当時から、昨年の九月十六日の大
災害
に伴いまして、私たちは
委員
の一人といたしまして、当時
委員長
を通じて
予算
の御
決定
を願うべく、あらゆる努力を進めて参
つたの
であります。
片山内閣
当時には、最低五十億を要するとして
予算
を
要求
されたが、そのうち二十数億円内外しか
決定
されておらない。そこで重点的に
工事
の進行ができなかつた。さらにどうしても残つた三十億円の
予算
をとろうというときに
片山内閣
が瓦解して芦田内閣の出現を見、さらにその
運動
を続けて参
つたの
でありますが、遺憾ながら
予算
の
関係
上、遂に
政府
もわれわれの希望する
予算
を
決定
されなかつた。そこでいろいろの
関係
がございまして、遂に暫定
予算
を続けられまして、二十二
年度
も必要なだけの、われわれの希望の
予算
を
決定
されなかつた。今まで三十数億円しか出ておりません。少くとも有数十億円の金がなければ重点的に
工事
が完成できなかつた。そういう
関係
で、本年たまたまアイオン台風におきましても、昨年の
災害
工事
が資金窮乏のために中止されており、それに伴
つて
大体同じような場所が今回大きな
災害
を受けた。これはもう取返しがつかぬ。こういう
関係
を見て実に損の上塗りをして、
被害
甚大なことは、
政府
委員
も
調査
の結果御承知の
通り
である。それに本年も四百数億の損害をしております。これらの
関係
については、
政府当局
に責任があると申し上げて過言でない。そこで今日大きな
予算
を
要求
することは当然でありますけれ
ども
、片山、芦田内閣を通じて、ただいま申し上げた微々たる
予算
によ
つて
工事
が準進行できなかつた。そういう
関係
で大きな損害をしている。われわれは長いことこの
災害費
に対する
要求
をして参つた一人でありますが、この問題に対しては重大であることをよく御了承願いたい。院議も通
つて
おるのに、大体重点的に施行する程度の
予算
がどうしてもとれなかつたか、ふしぎなくらいである。芦田さんが暫定
予算
にも、微々たる
予算
しかとられない。こういう
関係
から過ぎたことはやむを得ませんが、今回は、いかに財政が何であろうとも、これは重点的に
予算
を御
決定
願
つて
、少くとも
被害
地の急を要する
箇所
を
工事
に着手して完成しなければ、また再びこれを繰返すような状況になると私は思う。
政府
の
方々
にも
予算
を御
決定
されるには、少くとも
調査
研究
した資料を持ち、あらゆる部面から努力を願いたい。また
委員会
においても、
委員長
を中心に、いろいろの
関係
を除いて、
予算
をとるこに重点的に御努力を願いたいと思う。簡單ながら一言申し上げておきます。
村瀬宣親
19
○
村瀬委員
最後にはつきりもう一つ
伺つて
おきたいのでありますが、先ほどこれは経済
安定本部
の建設局からお出しに
なつ
たかと思うのでありますが、二十三
年度
の
追加予算
要求
額二百六十三億円、実際はこれが百十億円、こういうふうな專門
調査
員の御
説明
でありましたが、これと
前回
岩澤次官
の
お話
になりました五十一億二千万円という
関係
を一應伺いたい。それからもう一つ先ほど來各
委員
並びに
委員外
のあの熱烈な希望並びに
意見
に対しまして、この
地盤沈下
問題が一日も放任できないということは、
委員
も、また
政府
委員
も十分おわかりに
なつ
たと思うのでありまして、それがためには五十一億二千万円と一應
岩澤次官
が
お話
になりましたその
金額
を、一億か五億かお加えにな
つて
これから
要求
をするという御意思があるかどうか、それを伺いたい。
伊藤大三
20
○伊藤
説明
員 五十一億幾らというのは私ははつきりわかりませんですが、実は私の方から今
年度
の
災害復旧
費といたしまして安本の方へ
要求
いたしましたのは、緊急な
対策
費といたしまし大体五十億
——
河川
局の
関係
としまして本
年度
内とりあえずの必要として五十億、それからなおあとに
要求
いたしますものとして約八十億、しめて約百三十億という
要求
を出しておるわけであります。それで先ほどの百十億の安本の案とかいろいろのものは、安本から大蔵省の方への交渉でありまして、その内訳がわれわれの方へ配当になると思いまするが、これはまだはつきりきま
つて
おらないわけであります。それから先ほど防災課長から
お話
いたしました
地盤沈下
を、どれだけこれへまわすかという
お話
でありますが、先ほど防災課長が言われましたのは、
地盤沈下
の中にも今年の
災害
として、理由のつく限りとれるものがあればと
つて
來るかもしれないが、そういうように緊急にと
つて
來られますれば、この中でそれがや
つて
行けるのでありまして、いわゆるこのごろいろいろと
お話
を承
つて
おりまする徐々に下りつつありまする問題につきましては、現在
災害復旧
の
関係
の
調査
にみんな出ておりまして、その
関係
の人がございませんものですから、早急に帰りましたる者から、來月の初旬からでもすぐさま
調査
にやりまして、そうしてその
実情
を
調査
の上、何とか考えたい、こう思
つて
おる次第であります。
村瀬宣親
21
○
村瀬委員
とれるようになれば多くとりたいという
お話
でありますが、実はとれるようにいたすという、そのもとをおつくりにな
つたの
はことしの八月ごろでないかと思うのであります。ところが今実は八月でない、この十月の三日のあの大潮でひどい目にあ
つたの
でありますが、その後十一月初句ごろに各縣では
調査
を大騒ぎでや
つて
おるのであります。その各縣の方の事務所を丸ビルの香川縣の出張所においておりますので、電話一本でいつでも詳細な
調査
があなたの方へ提出できると思うのでありまするから、八月ごろの
調査
を基本にしないで、これらの
調査
によ
つて
この御
要求
を五十一億二千万円とあるのを、五十五億とか、六十億にしていただけないないかというのであります。
伊藤大三
22
○伊藤
説明
員 この五十一億とおつしやるその一億というのは、
道路
の
災害費
も入
つて
いるのかと私は思いますが、これは除きまして、この五十億のものにつきましては、これは今まで起りましたる緊急の
災害
にとりあえずいるものとして、大まかな見当で出しておるわけでありまして、今
調査
に行
つて
おりまする
——
愛媛縣
あたりにも
調査
に行
つて
おりまするが、その中で現に
災害費
として緊急にとり得るものがあればと
つて
來るかと思いまするが、そういうものが入る、こういう防災課長の
お話
であります。根本的に今後どれをとるかという
調査
につきましては、來月の初めから二十日ぐらいの間にひとつ資料をまとめまして、その様子によりましては、あるいは
追加予算
によりますか、来
年度
の
予算
によりますか、それは検討いたしたい。こう存じておる次第であります。
柏原義則
23
○
柏原委員長
この際お諮りいたします。本日地元の方がお見えでございますが、
愛媛縣会議員
の井原
岸高
君より、本
委員会
におきまして
発言
いたしたき申出がございます。
参考人
といたしまして特にその
発言
を許すに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
柏原義則
24
○
柏原委員長
異議
なしと認めまして
発言
を許します。井原
岸高
君。
井原岸高
25
○井原
参考人
地盤沈下
によりまする
災害
地元の縣会代表といたしまして、本
委員会
にお列席をお許しをいただきまして、一言お願いできることを非常に光栄とするものであります。 御承知のように二十一年の十二月の
震災
によりまして、当時特に香川縣、高知縣に非常な隆起
沈下
の状況が現われまして、
政府当局
におかれましても、應急
工事
として多額の御出費をいただきまして、地元の者も一應安心をした次第であ
つたの
でございます。ところがその後
昭和
二十二年の五月、大月ごろに至りまして、
愛媛縣
も同様、
村瀬
、
馬越
両先生から先ほ
ども
お話
がありましたような地域の
沈下
状況が非常に進行いたしまして、現在なおだんだんと
沈下
をいたしているような状況でございます。地元の住民といたしましては、農業協同組合あるいは地元銀行から個人または国体で金を借入れまして、一應
建設省
の御
査定
をいただきました分につきましては、できるだけの労力をいたしまして、これが
対策
に奔走いたしているようなわけでありますが、ただいま
村瀬
先生からも
お話
がございましたようなふうに、何と申しましても
地方
財源の非常に困難な状況におきましては、根本的な
対策
を立てることはでき得ないのであります。幸いさいぜん防災課長から御報告くださいましたように本年八億なにがしの
補助
査定
をいただいておりますけれ
ども
、これもわずかに三分の一を本
年度
で頂戴するというような
状態
でございますので、これまた
地方
といたしましては
予算
化する方法はなく、
災害
に対して手をこまねいているような
状態
でありますので、本
委員会
におかれましては、
査定
を急ぐことと同時に、
政府
へ早急に
予算
化するようひとつ力強くお運びをいただきたいことを地元としては特にお願いいたしたいと思います。
柏原義則
26
○
柏原委員長
この際
委員長
より一言申し上げます。本日は
安定本部
当局
も呼んでおりますが、まだ見えませんし、まだ先ほど
地理調査所長
より御
説明
もありましたが、その
調査
もまだ結論に達しておりませんし、本
委員会
としては今のところその
対策
を檢討するに不十分な点がございますので、今後はこれら
関係方面
と緊密に
連絡
の上、さらに檢討いたして参りたいと思うのであります。
本件
はこの程度にとどめます。
大神善吉
27
○大神
委員
何にしても
予算
がなくちや話にならないので、
予算
のとれることに
政府当局
、まして
建設委員会
においては
予算
をとることに重点的に頭を持
つて
行かなければいけない。
予算
がなくていくら騒いだ
つて
何にもならないから、
予算
をとることに力を入れなければいけない、先ほどから聞いておりますと、來月二十日ごろまとまるだろうという
お話
のようでありますが、それをもつと一日も早く資料を集めていただいて、強硬に
予算
をとるということが一番必要じやないかと思いますので、今もうすでに努力しておられるでしようが、より以上の努力をお願いしたい。そうして
予算
をむりやりに、名
委員会
に負けぬように十分とらなければ、ほんとうの
仕事
はできないんだと思うのであります。それは
委員長
の腰の一つであろう。
委員長
は相当どつしりしておられるから、その腰でひとつ十分
予算
をと
つて
もら
つて
、われわれの意思を遂行するように御盡力願いたい。
柏原義則
28
○
柏原委員長
ただいまの御
発言
に対しまして、
委員長
は了承いたしました。大いにその
方面
に努力いたしたいと思います。次に本日の日程の
請願
につきましては、都合によりましてその審査を次会に延期いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十分散会