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1948-11-08 第3回国会 衆議院 議院運営委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年十一月八日(月曜日)     午後二時二十二分開議  出席委員    委員長 山口喜久一郎君       石田 博英君    稻田 直道君       今村 忠助君    木村 公平君       佐々木秀世君    淺沼稻次郎君       笹口  晃君    島上善五郎君       細川 隆元君    山下 榮二君       吉川 兼光君    小島 徹三君       櫻内 義雄君    椎熊 三郎君       坪川 信三君    長谷川政友君       内藤 友明君    成重 光眞君       榊原  亨君    田中 久雄君       岡田 春夫君    中野 四郎君  出席國務大臣         内閣総理大臣  吉田  茂君         國 務 大 臣 小澤佐重喜君  出席政府委員         内閣官房長官  佐藤 榮作君  委員外出席者         議     長 松岡 駒吉君         副  議  長 田中 萬逸君         議     員 鈴木彌五郎君         議     員 徳田 球一君         事 務 総 長 大池  眞君 十一月八日委員安平鹿一辞任につき、その補欠 として山下榮二君が議長指名委員選任され た。 同日石田博英君、吉川兼光君及び椎熊三郎君が理 事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事互選に関する件  國会法第五十五條の二による小委員選任に関  する件  特別委員長選任に関する件  全國選挙管理委員会委員補欠に関する件  議事進行係の件  福利小委員選任に関する件  両院法規委員会規程改正案取扱いに関する  件  会期延長に関する件  明九日の本会議議事に関する件     —————————————
  2. 山口喜久一郎

    山口委員長 これより運営委員会を開きます。  最初に本委員会理事互選する件を議題に供します。石田博英君。
  3. 石田博英

    石田(博)委員 本委員会理事委員長指名によつて決定されんことを望みます。
  4. 山口喜久一郎

    山口委員長 石田君の動議に御異議ありませんか。
  5. 山口喜久一郎

    山口委員長 御異議がないようでありますから、委員長より御指名申し上げます。            石田 博英君            吉川 兼光君            椎熊 三郎君  以上の三名を本委員会理事にお願いすることにいたしたいと思います。御異議ございませんか。
  6. 山口喜久一郎

    山口委員長 さよう決定いたします。     —————————————
  7. 山口喜久一郎

    山口委員長 お手元に配付いたしました議院運営委員会の本日の協議事項について順次これを付議いたしたいと思います。  まず特別委員長互選の件でありますが、不当財産取引調査特別委員会、並びに引揚同胞及び災害地対策特別委員会両院法規委員会訴追委員会特別委員長互選の件はいかようにいたしましようか。御意見があれば、この際承りたいと思います。
  8. 石田博英

    石田(博)委員 この不当財産取引調査特別委員会海外胞引揚及び災害地対策の三特別委員会につきましては、休会前の本委員会におきまして、私どもの方から不当財産取引調査特別委員会は、この委員会の特別の使命、性格に鑑み、委員長委員会互選によつて決定するが、他の二つの委員会與党にお渡しを願いたいという私どもの方の最後的の提案をいたしたわけでありますが、これに対して社会党の方から強く反対の意思表示があつたのであります。そこでこの際約旬日を経過いたしましたので、これに対する各党態勢がその間において、変化したことがないとも限りませんので、あらためて各党態勢を一應表明を願いまして、それから審議を願いたいと思うのであります。
  9. 山口喜久一郎

    山口委員長 ほかに御意見はございませんか。
  10. 細川隆元

    細川(隆)委員 社会党としては從來の方針通り、何らの変化もありません。本日の役員会におきましても從來通り互選によつて決定すべしという意見であります。
  11. 山口喜久一郎

    山口委員長 他に御意見はありませんか、しばらく速記を止めてください。
  12. 山口喜久一郎

    山口委員長 速記を始めてください。いろいろ各党において御意見があるようでありますが、議事運営上これを最後にまわしたいと思います。  続いて全國選挙管理委員会委員補欠のことでありますが、これは今ただちに御決定もできまいと思いますから、ここに提示してあることを各党においてお諮りを願いまして、また後日決定いたしたいと思いますが、この取扱いについて御異議ありませんか。
  13. 小島徹三

    小島委員 これを拝見いたしますと、岡正雄君は民主党から推薦した方であるように思われるのでありますが、そうしますと、今度出てくる委員の人もやはり民主党から推薦すべきことは当然と思われますが、いかかですか。
  14. 山口喜久一郎

    山口委員長 さようです。     —————————————
  15. 山口喜久一郎

    山口委員長 それでは次の議事進行係のことでありますが、從來與党、第一党たる社会党の方で議事進行係をなされておりましたが、與党野党その地位がかわりましたので、現在の與党たる民主自由党の方から議事進行係出したいと思いますが、これに御異議はありませんか。
  16. 山口喜久一郎

    山口委員長 しからば私からこれを指名することにも御異議はありませんか。
  17. 山口喜久一郎

    山口委員長 御異議がないようでありますから、議事進行係石田博英君にお願いいたします。     —————————————
  18. 山口喜久一郎

    山口委員長 次に両院法規委員会規程改正案、これは先般の運営委員会において決定いたしましたから、運営委員長から本八日提出し、明日これを本会議に上程することに御異議はありませんか。
  19. 山口喜久一郎

    山口委員長 御異議がないようでありますから、さように決定いたします。     —————————————
  20. 山口喜久一郎

  21. 大池眞

    大池事務総長 これは大体きまつておりましたが、文書にしたものがありますから、御配付いたします。
  22. 中野四郎

    中野(四)委員 きまつたかきまらぬか知らぬが、ひとつ私の方の意見も聽いていただきたい。議院運営委員会というものは、出発の初めから各党の代表を一人ずつ入れるということにきまつてつたんだが、聞くところによりますれば、共産党を除外して、これをオブザーバーとして出席せしめたいということになつておるが、特に小委員会運営の問題ですが、これは交渉会にかわる一つの型を踏まねばならぬので、小委員選出を十五名とか、十名とか切るということは、非常に穏やかでないと思うんですが、これはあくまでも議院運営委員会委員出しているその派から、一人の小委員選出するという行き方が私は望ましいと思う。これは決定したかどうか知りませんが、一應小委員選出については、考えてもらわねばならぬ大事な問題であると思うのであります。
  23. 山口喜久一郎

    山口委員長 これは案文に明示されております通り、この小委員議院運営委員会委員から選ぶということになつておりますので、從つて共産党の方が除外されておる次第です。その点は前回にも相当に議論されたのですが、一應決定された事項でありまするので、御了承を願います。
  24. 徳田球一

    徳田球一君 わが党は責任を負いません。何でもやるがいい。相当あばれるつもりですから、それはそのつもりでやつてください。
  25. 山口喜久一郎

    山口委員長 ではまだ事務局の方に小委員の名前を御提示なつていないところがあるようですが、明日からいよいよ本会議も行われる次第ですから、至急事務局の方に御提示を願いたいと思います。なお福利小委員選任でありますが、福利小委員各党各派から一名出るということになつておりますから、これを各派から一名ずつお出しを願いたいと思います。     —————————————
  26. 山口喜久一郎

    山口委員長 次に明日の議事でありますが、明日の議事については別紙のこどく会期延長の件が議題に供せられるのですが、これが取扱い方について御意見があれば承りたいと思います。
  27. 石田博英

    石田(博)委員 会期延長の件については、政府の説明を聽取する必要がありますので、他の議題が済んだのちにまわされんことを望みます。
  28. 山口喜久一郎

    山口委員長 石田君の御動議に御異議ありませんか。
  29. 山口喜久一郎

    山口委員長 しからばさように決定いたします。
  30. 細川隆元

    細川(隆)委員 明日の議事予定を見ますと、前回の最終の旧議会運営委員会において、再開劈頭施政方針演説は大体可能であろうという了解のもとに散会をいたしたのですが、この議事予定表を見ますると、施政方針演説予定が載つておりません。それは当然のこととして載つていないのか、あるいはその後、何らかの事情によつて変更した結果載つていないのか、その点を委員長より明らかにしていただいて、これが根本ですからそれに基いて論議をいたしたいと思います。
  31. 山口喜久一郎

    山口委員長 お答えいたします、政府の方においてただいま細川君のおつしやつた方針とまたその後において多少方針変つたのではないかと想像される節もありますが、これもあわせて政府の方が当委員会に出席されたのちに、ひとつ論議を進めたいと思いますが、さしつかえありませんか。
  32. 細川隆元

    細川(隆)委員 了承しました。
  33. 山口喜久一郎

    山口委員長 それではさようにいたします。     —————————————
  34. 山口喜久一郎

    山口委員長 続いて逓信省設置法案外七件撤回承諾の件、これは前回から継続審査なつておつたのが、内閣更迭されたので一應撤回しようというのでありますが、御異議はありませんか。
  35. 山口喜久一郎

    山口委員長 しからばさように決定いたします。     —————————————
  36. 山口喜久一郎

    山口委員長 次に内閣委員長工藤鐵男君及び図書館運営委員長伊藤郷一君辞任の件、これも決定するに御異議ありませんか。
  37. 吉川兼光

    吉川(兼)委員 これは反対じやありませんが、この間きまつたばかりの委員長がまたすぐかわるというのはどういう理由によるのか。ちよつとお伺いいたしたい。
  38. 山口喜久一郎

    山口委員長 おそらく私の想像するところでは、いわゆる内閣員及び政務次官更迭によるところの辞任の件であろうと思います。
  39. 吉川兼光

    吉川(兼)委員 後任の推薦などはまだきまりませんか。
  40. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 取扱い本人から辞表が出れば、かりに委員会できめなくても辞表提出とともに内閣の方に就任ができるというようなことになるのか。あるいはこれを本会議できめなければ、本人からの辞表があつても官につくことができないのか。議会開会中ならば問題はありませんけれども議会が開かれていないときに委員長をやつてつた者内閣閣僚に入つていくというようなことがあつた場合において、本人から辞表提出された。しかし本会議を開なければ決定されないということになれば、通常國会なら通常國会に至る間に、そういう問題が起きたときには結局閣僚にはなれないということになるんですか。
  41. 大池眞

    大池事務総長 その点はこの前伊藤郷一さんが政務次官に発令される予定なつているように承つておりました際に、当委員会に一應お諮り申し上げたのでありまして、その際はたとえて申しますれば、参議院の方では当時議院運営委員長をやつておりました今の文部大臣が、文部大臣にただちに発令されてしまいましたために、あらかじめ運営委員長辞任ということの許可を院議でとつてございません。從いましてこの際参議院運営委員会においては、國会法によりますと、議会役員官吏を兼ねることができないということに相なつております関係上、兼任できない職務にあとから本人が御承諾なつ選任されておれば、その前に持つてつた役目は当然に解職となるという解釈をいたしまして、そういうような取扱いに相なつております。從いまして、本委員会においても、たままた参議院でも、そういう先例もあることであるから、さように御解釈になつてお願いをしたらば、それも一つ解釈として十分成り立つことだと思いまして、そういうようにお諮りをしてはどうであろうかということをお話し申し上げました。その際たしか小島さんが、それには多少の疑義があるんじやなかろうかという御意見がありまして、当委員会としてはそういう取扱いをしてよろしいというところに行つておりません。そういう関係でやむを得ず当時政務次官の発令をそういうように発令したいからどうであろうか、一種の許可でございますが、承認方議長まで内閣からお求めになりました際に、議長といたしましては伊藤郷一君のその問題は当然退職だという議論をここで一應おきめを願いますれば、ただいま淺沼さんからお話休会中のような場合、閉会中は議長辞任を承認できますが、休会中のような場合には総理大臣が閣員を選考するという場合に支障を來すようなこともあろうかと思います。從いまして、当時は、議長といたしましては、伊藤郷一君の問題はまだ委員会として確定していないから、休会明けまで待つて、その件を辞任許可が事前にいるかいらないかをここで御決定願つた上で、発令していただきたいということで、一時お延べを願つておるわけであります。
  42. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 その問題は本人意思表示がなくて、委員長をやつている者が政府役員になる。從つてなつたときに、委員会委員は消滅する。それは参議院考えのようだけれども本人から辞表が出た場合においては、辞表の効力はどうなるか、辞表が出れば自然役職から退くということになるのか、本人辞表提出とともに、官職に就任ができるという結果にならうと思うが、その関係はどうですか。
  43. 大池眞

    大池事務総長 今の場合は参議院の場合と違いまして、官吏に任命されておりませんために、この問題があり得るのであります。從いましてまだ官吏なつていないうちに、本人から辞表が出てまいつております関係上、その辞表提出だけで済むということには相ならないのであります。たとえば議員辞任の件を議長出しましても、院議によつてこれが認められるまでは、議員たる身分を取得しているのと同様に、辞表提出があつても、ただちに役員地位を去つてしまうとは言えないと思います。
  44. 小島徹三

    小島委員 今事務総長お話では、参議院においては下條さんの場合は、当然退職したものとみなして就任したということをおつしやつたが、私は実は参議院運営委員会で調べましたが、やはり下條さんは本会議で認めておると思います。いずれにしても、一應はやはり通常國会から通常國会までといえば閉会中ですから、議長ができるわけですが、國会再開中は本筋としては議院の認可をとつた上で指名するということが本筋であろうと思います。私のは、この退職に賛成することには異議はありません。
  45. 山口喜久一郎

    山口委員長 ほかに御意見はありませんか。——では右の補欠選挙これまた当然であります。
  46. 大池眞

    大池事務総長 伊藤郷一さんのあと本間俊一さんが候補者にお申出があります。工藤さんがおやめになりましたあとは、たしか小川原政信さんが内閣委員長としての御推薦があります。     —————————————
  47. 山口喜久一郎

    山口委員長 続いて両院法規委員選挙の件でありますが、この数とかその他については御異議がないようでありますから、これもさように決します。  それから檢察官適格審査委員会委員選挙、これは御承知通り檢察廳法の二十三條に基くものでありまして、これについて何か御意見はありませんか。
  48. 大池眞

    大池事務総長 これは明日上程したいのですから、両院法規委員候補者氏名並びにこの審査委員候補者氏名各党からお申出をいただきたいと思います。
  49. 山口喜久一郎

    山口委員長 大体以上をもちまして特別委員長互選の件、及び会期の件以外の問題は、本日の協議事項は議了されました。     —————————————
  50. 山口喜久一郎

    山口委員長 次に特別委員長互選の件を議題に供します。しばらく速記をやめてください。
  51. 山口喜久一郎

    山口委員長 先般來問題になつておりました特別委員長互選の件は、與党側からは、各常任委員会委員長同様この際與党に渡すべきものであるという主張がありました。これに対して野党、特に社会党側からは、この問題は常任委員会の問題と取扱いを異にして、各委員会互選するよう委員会に一任すべきものであるという強い意見がありました。また中には民主党椎熊委員から、不当財産取引調査特別委員会だけは、この委員会の性質上委員会において互選をするということにいたして、海外胞引揚委員会災害地対策委員会、これらのものは與党に渡してもいいではないかという妥協案が一應出たのでありましたが、その後各派意見がまとまらず、今日に至つておるような次第でありまして、今日の委員会空氣から見ますと、むしろ委員会が数によつてこれを決することなく、各特別委員会互選をするようにいたしたいという空氣が相当強いようでありまするから、これを本委員会において採決というようなことを行わずして、このまま各特別委員会互選するようにいたしたいと思いますが、これに対して御異議はありませんか。
  52. 石田博英

    石田(博)委員 若干字句の訂正を求めたいと思います。それはただいま野党側、特に社会党という御言葉があつたのですが、野党側の全体の御意見ではなくて、最も強硬に互選を主張せられたのは社会党である。民主党は党議は互選であるけれども、円満に行くなら妥協していいということを言われた。他のすべての会派の諸君はこの法律におきまして、私どもの方から出し妥協案に賛成をせられたのであります。從つてこれは野党側全般の御意見ではなく、社会党の御意見であつたということをつけ加えておきたいと思います。
  53. 徳田球一

    徳田球一君 共産党は、常任委員もすべてこの規定通り互選であるべきだ。だからいまのやり方は誤つておるということを主張しておるのであつて、何も特別委員会を特別に扱うというのではありませんから、これだけ特につけ加えておきます。
  54. 山口喜久一郎

    山口委員長 御異議ありませんか。
  55. 山口喜久一郎

    山口委員長 しからば特別委員長互選の件は当該特別委員会において、おのおの互選することに決定いたします。     —————————————
  56. 山口喜久一郎

    山口委員長 続いて、先ほどから問題になつておりました会期延長の件でありますが、ただいま政府側がお見えになつたようでありますから、これを議題に供します。速記をやめてください。
  57. 山口喜久一郎

    山口委員長 速記を始めて……。それでは吉田総理大臣
  58. 吉田茂

    吉田國務大臣 会期延長その他の問題については、いろいろ議会のこれまでの慣習、運営慣例等があつて、私もあまりよくのみ込めないところもありますから、官房長官から詳細申し述べることにいたします。どうぞ御了承願います。
  59. 佐藤榮作

    佐藤(榮)政府委員 それでは政府考え方を申し上げてみたいと思います。  御承知のように第三國会は、前内閣時分公務員法、その他マツカーサー元帥書簡に基く法案緊急審議ということを第一の目的といたされたのであります。その途中におきまして、御承知のように内閣更迭を見た次第でありますが、第三國会そのものといたしましては、当初からの予定されました法案審議が第一のように考えられるのであります。この点につきましては関係方面からの御要望もあり、私どもといたしましても、この法案が前内閣時分から相当審議も進んでおるので、まずこれを取上げまして、第一に御審議を願い、短期間のうちにこの審議を終了していただきたい、かように考えるのであります。大体マツカーサー元帥書簡に関する法律案といたしまして、本國会に提案いたしたいと考えますものは、國家公務員法の一部を改正する法律案並びに國家公務員法の一部改正に伴う法人たる労働組合存続等に関する法律案、次に日本專賣公社法案日本國有鉄道法案公共企業体労働関係法案、この五法案を提案して御審議をいただく予定なつております。なお法律案といたしましては、このほか期限の関係があるものが約十二件ばかり同時に議会に提案いたしまして、御審議をいただく予定にしております。なお國家公務員法裏づけとでも申しますか、職員の給與その他災害復旧等緊急予算につきましては、ただいまこれを急ぎ提案すべく関係筋目下折衝中であります。かようなことを考え、同時にまた第四通常國会は十二月上旬に開会されることになつておりますが、これを私どもといたしましては、上旬の、できるだけ早いところで召集をいたしたい、かように考えております。第四通常國会と、今回の臨時國会と、これらをにらみ合せて見ますとき、また提案されます法律案等予定して見ますとき、大体会期は十日程度で以上申し上げますような法案その他の御審議をお願いいたしたい、かように政府当局といたしては考えておる次第であります。
  60. 笹口晃

    笹口委員 ただいま官房長官から、政府のいろいろな都合を伺つたわけであります。この場合、官房長官に一言お伺いしたいことがあるのであります。  今朝の日本経済新聞紙を見ますと、官房長官の談として、会期は十日にきめた。これに対しましては、あえて決戰も辞せないつもりであるから、そういうふうに決定するであろう、こういう意味の談話が載つているのであります。官房長官はいうまでもなく、一行政官でありますが、この長官國会意思までも、こうなるであろうということを決定したような談話が、もし事実であるとするならば、私どもはこれを非常に重大に考えます。議院に対する侮辱であるとさえ考えているのでありますが、まずこの点官房長官眞意をお伺いいたします。
  61. 佐藤榮作

    佐藤(榮)政府委員 日本経済新聞にさような記事が出ておるということを実はただいま初めてお伺いする次第であります。もし私がかような言辞をいたしたといたしますならば、ただいまの御意見通り、これは重大な発言だと思つております。私は昨日新聞記者諸君会見をいたしましたが、かような声明をした覚えは毛頭ありません。他の新聞等においても、全部共同会見をいたしているのでありますから、一新聞だけがかようなことを申しておるということは、私自身が責任を負えない記事のように思つております。なおその点につきましては、私その記事が出ております新聞もはつきりしているようでありますから、その責任は私からも追究してみたいと考えております。
  62. 笹口晃

    笹口委員 一應その点は新聞の誤報ということで了承いたしますが、ただいまお話を伺つておりますと、公務員法改正裏づけになる給與の問題、あるいは災害復旧等予算をただいま御折衝中であると承つております。かような問題もこの会期中に必ず出されるというお見通しを持つておられますか。また持つておられるとするならば、いつごろお出しになる予定であるか、この点ちよつとお伺いしておきたい。
  63. 佐藤榮作

    佐藤(榮)政府委員 ごもつとものお尋ねでございます。私ども大体会期を十日と予定しておりますが、いかに簡單な予算といたしましても、数日の審議はもちろん必要なことだと思います。どこまでも議会におきまして審議を願う、かような建前でおりますので、審議期間をある程度予定いたしまして、できるだけ早く法案予算案を上程いたしたい、かように考えて、ただいま準備を急いでおるような次第であります。
  64. 中野四郎

    中野(四)委員 この際ちよつと総理大臣にお伺いしたい。新内閣性格を表現しその施政方針を発表すべきことは過去の議会運営の上においては当然行われるべきものだと私は信じております。從つて今、第三國会におきまして内閣総理大臣施政方針の回避のうわさが立つておりますが、これに対して明確なまだ態度がきまつておりませんが、内閣総理大臣は新内閣性格を表現する施政方針演説開会劈頭になさる意思があるかないか、この点を明確に承つておきたいと思います。
  65. 吉田茂

    吉田國務大臣 これは國家公務員法をなるべく早く通す必要があるために、公務員法をなるべく早く議会において審議をしていただきたいという希望があるために、公務員法を先にいたしますが、いわゆる施政方針演説なるものは時機をみていたすつもりでおります。決してこれを特に避けておるとか、避けたいとかいう考えではないのであります。ただ前後いたすだけであります。私の了承するところでは、施政演説議会の冒頭においてしなかつた例は、前内閣等においてもあるそうでありますから、決して異例ではないと了解しております。
  66. 中野四郎

    中野(四)委員 そうするとこういうふうに了承してよろしいんですか。國家公務員法審議はマツク・レターによつて重大であり、特に時局重大な折柄、これをすみやかに審議する上において、総理大臣施政方針演説あとまわしにするということになれば、國家公務員法のいわゆる審議というものは、過去の與党であつた芦田内閣において臨時國会を開いても、これを審議しなければならぬという過程にあつたのだから、言いかえれば、これはあくまでも前政府の継続的事務引継ぎ延長と見てこれを先に審議するので、しかるのちに適当な時機を見て、施政方針演説を行うという意味ですか。
  67. 吉田茂

    吉田國務大臣 必ずしも前内閣の引継ぎという理由のもとに先決を望むわけではありません。現内閣としても、この問題を早急になるべく早き機会において審議をしてもらいたいという必要のもとに、先決を希望するわけであります。
  68. 中野四郎

    中野(四)委員 それならばです、施政演説を行い、各党の質問演説を継続中に、國家公務員法審議も不可能ではないでしよう。
  69. 吉田茂

    吉田國務大臣 あなたは不可能とお考えにならぬでしようが、われわれはなるべく早く審議してもらいたいという希望から、先決を望むものであります。
  70. 細川隆元

    細川(隆)委員 ただいまの総理大臣お話は、ことごとくわれわれの了解に苦しむところであります。占領下において、かかる國家公務員法等の重要な法案内閣として出される上は、その審議を急がねばならぬことは、政府としても、議員としても当然のことですが、それを出す主体である内閣性格が、國会を通じて施政方針に現われて、その方針の上に立つた提案であるということに基いて、われわれが審議すべきものであると思う。單に急ぐというだけのことで、いかなる性格内閣であり、またいかなる方針をもつて今後政治を運用するということを、何ら國会に表明せずして、ただ急ぐという理由のみによつて施政方針演説を遲らせるということは、われわれは絶対に了解が行かない点であります。先例のことを言われましたが、しからば総理大臣に伺いたい。旧憲法以來、また新憲法以後、かかる例が一体幾たびありますか。私らの調べたところによりますと、わずか政友会の田中内閣において、経済の大混乱に陥つたときの收拾策の臨時國会、しかもわずか十一日間の会期臨時國会において一回、施政方針演説を行わずして、いきなり本会議提出したことがございます。しかしこの場合におきましても、前の民政党の方では、齋藤隆夫、松田源治君等から、緊急質問、議事進行等において、施政方針をなさずして法案を上提した非立憲的やり方に対して、非常な論難が議会においてされておる。世論もまた政府の非立憲の態度に対して、相当の論難を加えております。しかもこれが旧憲法時代である。この國会において指名議決された総理大臣のもとにおける新内閣において、こういつたわずかな、しかも旧憲法時代の先例によつて施政方針演説をやらないということは、われわれからいたしますれば、政府はことさらに施政方針演説を回避して、私ども國会における論議を封鎖するような印象すら、われわれは受けるのであります。さらに総理大臣に御質問いたしますが、われわれの要望にもかかわらず、公務員法等の審議が相当進むまでは絶対に施政方針演説はやらないというのか、一應そうは考えられたが、衆議院意思が要望するならば、まだ再考の余地があるという程度の意味であるのか、この点をもう少し明瞭にしておきたいと思います。
  71. 吉田茂

    吉田國務大臣 今申し上げた通りに、現内閣としては、公務員法議事を先決する必要を痛感しているのであります。また前内閣等関係を、必ずしも考慮はしませんが、前内閣当時の交渉の経過等から考えて見ましても、現内閣としてはこれを先決しなければならぬ必要のものとにあるのでありますから、この法案の先決を希望するわけであります。決して施政方針演説を避けるわけでは毛頭ありません。時機を見ていたします。その時機をいずれにするかということは、政府にお任せを願いたいと思います。
  72. 細川隆元

    細川(隆)委員 いかにも現内閣の政策とまつたく別個の問題であるような御発言ですが、これは私どもから見ますと、いかなる内閣がこれを出しましても、やはりその内閣施政と一体不可分の政策として、私どもは扱わざるを思ない。しかもこの法案委員会において審議される。施政方針演説は本会議において行われ、またこれに対する質問が行われるわけでありますから、委員会と本会議関係というものは、またこれは併立的に行われ得るものでありますから、本会議施政方針演説が行われるからといつて審議が非常に長引くというようなことは考えられないことであります。だから再び総理大臣にお伺いいたしますが、いかにわれわれの要望があつても依然として絶対にやらないというかたい方針、御決意であるかどうかということを再度お伺いしておきたいと思います。
  73. 吉田茂

    吉田國務大臣 ただいまわれわれの考えとしては國家公務員法をまず先決していただきたい。こういう方針で進んでまいりたいと思います。
  74. 徳田球一

    徳田球一君 公務員法を先決したいと言われますけれども、國際的の情勢から言いますと、今度の公務員法性格はよほどかわらねばならぬ重大なる時期に再会しておる。アメリカにおきましては、御承知通りタフト・ハートレー法案を支持している議員は皆落選しておりますし、かつこれに対して不明確な態度をとつた共和党は少数になつて、トルーマン大統領の選挙のスローガンとしてはタ法案廃止ということになつております。ですから國際的に言いましても、この公務員法の問題は前内閣の引継ぎでは済まない。これを今すぐ直接行わなくても何もさしつかえない。現に私達がこれは違法と認めておる政令が行われている。実際上はこの政令でずいぶんひどいことをやつて公務員法ができようができまいが政府のやりたいことをやつている。何も早くこれをやらなければならないということはない。なおかつ問題はこのマツカーサー元帥書簡によりまして、これができるというのでありますが、その書簡によれば、劈頭考えているのは、給與の問題と生活の安定の問題である。この給與の問題を解決することなしに、これに関する費用、予算については後日やる。しかも今新聞などに傳えられているところによれば、この給與水準というものはきまつていないようです。この予算というものは、ずいぶんいい加減なものらしい。膏藥張りらしい。こんな予算など出たところで問題になるものではない。だからしてもし公務員法を眞に提出するならば、もつと政府はこの給與の水準を決定して、財政上の均衡も十分とれるという確信を持つて出さない限り、公務員法論議する余地はないのである。これがきまらない前に、公務員法を出すということそれ自体が、すでに間違いだ。間違いのことを最初にどうしても強行しなければならぬというのには、よほどの魂胆がなければならぬと思う。それゆえにさらに施政方針演説を先にやらないということになりますと、相当これは疑問でありまして、これをやらずに逃げる危險が十分ある。またやつても今度は反対討論を十分やらせない危險がある。いわんやわれわれ小会派においては、その機会を與えられない危險は十分ある。だからしてまずこれは急げば急ぐほど、われわれとしては施政方針演説を先にやつてもらつて、これで十分討議した上で、そろそろ出していただかんと、國会審議上、きわめて不適当と思いますから、もう一ぺん一考してもらいたい。
  75. 椎熊三郎

    椎熊委員 吉田総理は在野党時代から、新憲法下における憲政の常道を確立したいのだ、そのためには自分はあらゆる努力をつくすという悲壯な発言をたびたび繰返して來られた。私どもはまことに殊勝なる御心掛であると感服していた。しかるに今度第三國会にあたつて施政方針演説劈頭にやらぬということは、新憲法下における非常な悪例になると思います。どうか総理は常日ごろ憲政常道論をもつてつている人なんだから、この際そういう惡例を残さないように、ぜひとも施政方針國会を通じて國民に明らかにしていただきたい、こういうことを強く要望しておるのであります。ですから今の総理のお考えは御反省を願つて明日でもよろしうございます、やるということに御決定を願いたい。
  76. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 もう少し具体的に聞かしていただきたいと思うんですが、先ほど佐藤官房長官からのお話の点で、私が不思議に思うのは、慣例その他は現議員である総理大臣がよくわかつてつて官房長官議員をやつたことはないから慣例は知らないはずだが、そつちの方が中心になつ議会の慣例のお話をなさつて、それに通じておられるはずの総理大臣佐藤君にそれをゆだねているのはどうも解せないと思う。しかしそれはそれとして、第四國会をなるべく早い機会に開きたいということでありますが、われわれは審議の内容、あるいは審議計画を立てるについては、憲法の規定によると、臨時國会以後、十二月上旬には必ず通常國会を開かねばならぬことになるんですが、政府としてはなるべく早いという期間でなくして、いつからこれを開きたいのか、これが明確にできればわれわれ審議計画を立てる上においても相当考えも出てくる結果になろうと思います。  それから総理大臣は時機をみて施政方針演説をやりたいと言われるけれども佐藤官房長官お話では、会期は十日間にしたいという要求があつて、それから施政方針演説は時機を見てやる。会期は十日間ということになれば、おのずから時期が過ぎてしまうという結果になることを私どもは予想せざるを得ないのであります。從つてそういう点においては、演説は時機を見て、会期は十日間というなら、一面において、國家公務員法は必ず全部議了しなければならぬのか、あるいは議了しなくても政府が用意ができればやるのか、そういう点をある程度明らかにしてもらわなければ、ただ時機を見てやるなどといつても納得ができないことになろうと思う。会期の問題を決定する場合においては、第四國会は大体において十二月上旬ということは、これは憲法上の規定にはそうなつているが、それを開くのは一日に開くのか、五日に開くのか、そういう点を明確にしてもらえれば非常にいいと思います。
  77. 佐藤榮作

    佐藤(榮)政府委員 第四國会は十二月一日に開きたいということで、ただいま手続中でございます。明日中にはこれを公布する考えでおります。
  78. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 演説は時機を見て、会期は十日間だということになると……。
  79. 佐藤榮作

    佐藤(榮)政府委員 さように考えますと、公務員法の成立は最短期間ということで、いろいろ関係の筋とも相談をいたしているわけであります。しかしながらこれは運営委員会で、また御意見もあることだと思いますが、政府当局といたしまして一應考えますことは、この十日の短かい期間のうちにできるだけこの御審議を願いたい。しかも審議終了によつてこれが成立をみたい。かように考えておる次第であります。
  80. 成重光眞

    成重委員 吉田総理大臣にあらためてお尋ねいたします。総理のお考えなつている公務員法改正を、國会に上程されることをお急ぎになつておるお氣持はよく了承いたします。しかし私どもは、この新しい憲法下において、將來にできるだけ惡例を残したくない。そこでこの公務員法改正國会に上程されるとともに、それと並行して施政方針演説をやられることは、時間的にいつても何等支障はないと考える。つとめてこの施政方針の御演説を先にやることを避けられることが私どもはどうしても納得が行かない。この公務員法改正に関する点は、國会に御提案になりましたならば、ただちに委員会において審議されることと思います。何等施政方針演説をやられることが、公務員法改正審議を遲らすことにはならないので、われわれとしては、ぜひこの施政方針演説國会再開劈頭においておやりになることが妥当であると信じますので、これを実行されんことを切にお願い申し上げておきます。
  81. 吉田茂

    吉田國務大臣 御希望は伺つておきます。
  82. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 それで先ほど演説は時機を見てやると言われ、また大体十日間でなるべく公務員法を上げてもらいたいというようなお話も伺つたわけでありますが、しかし出ている法案をずつと考えて見れば、十日間ではとても議了のできるような案件ではないと思います。なおかつこの賃金ベースの問題が出て來なければ、これは裏づけのない結果になりますから、自然それができるまで会期は延長しなければならぬと思う。しかしこれは政府が十日間といつても、政府の要望は要望として承つて、それに対して衆議院としてはいかようにきめるかということは、われわれ自身がきめればいいことでありますから、これ以上のことは、政府の希望は十日間として伺つておき、ただわれわれの方として十日間ではなかなか議了しがたいという考えであること、もう一つ國家公務員法案その他の法案が出て來ることは、これは前内閣の引継ぎの法案には違いはないけれども吉田内閣ができた限りにおいては吉田内閣の政策の一環として出て來るときに、今度の内閣性格を規定すべき施政方針演説を延ばして、それだけをやるということは、どうしてもわれわれとしては腑におちない。それで政府にお考えを願いたいことは、先例にもあつたように、もし政府がどうしても施政方針演説をやらないと言えば、齋藤隆夫君や、松田源治君のやつたように、やはり本会議で一ぺん問題にいたしまして、政府にやれという発言の要求ができる。自然緊急質問ができるわけでありまして、もし今吉田さんの考えているようにやるとすれば、施政方針演説は本会議でやらぬでもいいことになる。これは將來のために惜まなければならぬと思う。從つて議会の要求が非常に強ければ、一つ政府でもお考えを願つて、この際施政方針演説をやる。しかしいろいろの審議を進める上において、質問を一週間もやられたのでは困るというならば、それはわれわれの方でも考えて能率を上げて行く、そういうような点で一つ話合いをつけるようにぜひ願いたいと思う。きようここできめずに、話わかれになつてしまうことは、私はいかがであろうかと思う。  それからもう一つ聞きたいことは、われわれは議院運営の上において、最も重大な問題は議会解散を政府が言つておる現実であります。われわれが議会運営をやつている場合において、一体議会の解散を政府が言われておるときに、われわれはどういう態度で議会運営に臨んで行くかということは、議会人として非常に関心の強い点でありまして、この点について政府のお考えを伺つておきたい。政府の方では初め冒頭解散ということを言つておられたようであります。しかし最近になりまして、冒頭解散でなくて、あるいは早期解散と言われておりますが、議会の解散ということは、憲法の規定に基いて行われることと私どもは者える。憲法の規定からいけば、天皇の大権の中にあります。天皇の大権といつても天皇のなし得る仕事の中に、内閣の助言と承認によつて議院を解散するという規定があります。これは明治憲法時代も同様でありまして、明治憲法時代には内閣議会解散の策を決定して、天皇に奏請する。天皇はこれを拒否することなく、やはり議会の解散をやつているのでありますから、規定の点から言えば明治憲法も今度の憲法もかわりはないと言える。しかしその時代においては主権は天皇にあつた。今日は主権在民となつて、人民が主権を持つようになつて、議会を解散するような場合においては当然輿論に問わなければならぬと思う。この点は佐藤官房長官新聞報道に現われた言葉の中に、輿論に問うてこれをやると言つておるが、それならば輿論に問うところは一体どこであるかということになりますれば、自然私はこの議会の輿論に問わなければならぬことになつて來ると思う。そこで憲法の第六十九條の規定に從つて、いわば不信任案が通過したとき、あるいは信任案が否決になつたとき、さらに他の條件を加えて見れば、われわれの方から議会の解散を要求してこれが通過したとき、あるいは政府の重要施策が否決になつた場合、こういう場合に議会を解散する。それによつて初めて議会意思、いわば人民の意思というものが出てまいつて、それで議会を解散するという結果になろうと思う。しかし政府としてはこの形式から行けばやつてやれぬことはないと思います。要するに天皇に助言及び承認を現内閣がやつて議会の解散をやる。しかしもしそういうようなことをあえてやることになれば、これは私は明治憲法のやり方に返るということになつて、この問題は非常なフアツシヨ的な傾向を持つということが生れてくる結果になろうと思う。從つて政府としてはこの解釈のいずれをとるのであるか、この点を私としてはよく伺つておきたいと思うのであります。このいずれをやるかということを、われわれに理解させておくことが、政府が將來政治を立憲的に運営していくゆえんであると考えるのでありまして、私らがこの解釈について質問をいたしましても、答弁がないということで、結果から見て、政府の行動は非立憲的になろうという憂いを抱く結果になろうと思うのでありまして、この際総理大臣からこれに対する答弁を伺つておきたいと思うのであります。
  83. 山口喜久一郎

    山口委員長 総理は答弁をされないそうです。今淺沼君に発言を許しました——淺沼君。
  84. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 國務大臣ならどなたでもけつこうです。これは議会運営の上に最も重大な問題だから私は質問する。
  85. 小澤佐重喜

    ○小澤國務大臣 淺沼君の御質問にお答えいたします。  第一点は解散をする意思があるかどうか、あるならばいつやるかという御質問でありますが……。
  86. 小澤佐重喜

    ○小澤國務大臣 それは憲法第六十九條によつて、いわゆる輿論に基いてやることが適当だと思うが、それについては政府はどういう考えをもつているか、この二点と僕は考えておつた。その問題につきましては、もちろん政府がただいまの段階におきましては、ただちに解散ということは決定いたしておりません。從つて今私どもはその解釈について、憲法上意見は持つておりますが、ただちに六十九條によるものだというような考えは持つておりません。むしろこの六十九條という問題は政府に対して一つの不信任案が出た場合、あるいは信任案が出て、しかもこれが否決された場合における政府の処置を規定したものであつて、解散の根本を規定したものではないと考えておりますが、しかしこれによつてただちに解散の問題を処置するということは、今お答えしませんが、もし解散する場合におきましては、淺沼君の意見等も十分考慮いたしまして、きわめて民主的な方法によつて、解散をしたい、こう考えております。
  87. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 國務大臣としての小澤君から答弁があつたのでありまして、総理大臣から答弁がないことは私は非常に遺憾に考えるのであります。というのはいろいろ解散論については議論があろうと思うが、民主自由党の單独政権ができてから解散論が唱えられるゆえんの中に、いわゆるこの解散をある意味においては党略あるいは政略的に行うのではなかろうかという疑心を國民の一部が持つておることを私は指摘したいのであります。すなわち解散をしなければならない時期に到達せりということは、私どももこれを認めるのでありまして、それは政党はある意味から再編成をするということと、もう一つの点から行けば吉田総理大臣が強く主張しておるように、政界浄化のために当然議会は解散さるべきだと思うのであります。しかし今の小澤君の答弁によりまして、大体今すぐやらないということは私はわかりましたが、しかし先ほど議会運営をどうやるかということで政府にお尋ねいたしますと、政府の方としてはなるべく施政方針演説は先に延ばしたい、しかもその施政方針演説は、いわば十日間近くのところでやりたいという。私どもはこれは一歩誤まれば、議会解散というものと関連があるのではなかろうかと思うのであります。というのは民主自由党はいわゆる單独政権としてでき上つたけれども、公約せるものを果す上においては、議会における多数工作に成功しておりません。從つて公約せるものをこの議会にやろうとすれば、時間が長ければ長いほどできない結果になつて、民衆に対して公約を裏切る結果になる。もう一つ言えば、いろいろ組閣工作の途上において議論もされて、大臣たるべき人も大臣たらなかつたというような結果になつているのでありまして、そのことをなるべく早くやることによつてこれを解決するにあらずやといつたような印象を與えていることも、私どもは卒直に申し上げます。從つてそういう政治的な解散というようなことになつてはいかぬということを憂えるがゆえに、私どもはそうでないという明確な論拠を與えていただいて、われわれも納得する、政府の方でも当然國民を納得させるだけのもので、議会を解散するという態度をとつてほしいということを申し上げたのでありまして、このことについて吉田総理大臣から、何か御心境のほどを伺えれば非常に幸いだと考えるのであります。
  88. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 なお総理大臣及び政府に、私はもう一言申し上げておきますが、答弁がないというならば、これまた答弁をする、しないは政府の自由でありますから、やらぬというのをやれというのはむりだと思います。しかし私は日本の再建、なおかつ議会運営をほんとうに考えて、憲政の常道、政治を立憲的に運営して行こうということになれば、総理大臣としておれの心境はかくのごときものであるということの説明があつてしかるべきだと思うのでありまして、たとえば憲法上の解釈を一國務大臣に説明させて、総理大臣はそれを拒否するということは憲政の中心、政治の中心にある総理大臣として、私はどうも理解ができない。何といたしましても、私ども議会を尊重して、大いにやつていただきたいと思うので、ぜひとも私は総理大臣から懇切なる答弁をいただきたいと思うのであります。
  89. 吉川兼光

    吉川(兼)委員 私は淺沼君の質問に関連するので、私の質問と淺沼君の質問とあわせて、簡單でよろしいから、ぜひ吉田総理大臣の御答弁をお願いします。  先日來多くの委員から御質問がありまして、もはやそれほど深くお尋ねしなければならないこともないのでありますが、ただ私が多少重複するかもしれないことを、なおここで申し上げるのは、ぜひ吉田総理大臣の答弁を煩わしたいためであることをつけ加えておきます。  佐藤官房長官お話を聞いておりますと、このたくさんの法案審議すべき第三國会会期が、十日間で十分であるというようなお話である。しかるにこのたびの第三國会が召集されましたのは、お断りするまでもなく、國家公務員法を初め、緊急欠くべからざる重大な議案を國会が持つておる。見方によりますと、この法案審議する、その事案を解決するために第三國会は召集されたという見方も私はできると思う。そうして第三國会は開かれまして、いまだ吉田さんが民主自由党の総裁として在野の当時に、この運営委員会におきまして、第三國会会期はどのくらいにするのが適当かということが論議されたのであります。その当時の委員も今ここにお出ででありますが、民主自由党委員諸君会期三十日と言う、これは速記録にもありますが、ここではつきり申し上げますと、今委員長をしておられます山口喜久一郎君が、一月となると、二十九日でも一月であり、三十一日でも一月であるから三十日とするのがよろしいと、特にはつきりと発言されて三十日の会期がきまつているのであります。そうきまつておりますから、明日まで会期があるわけであります。その民自党は在野時代におきましては、第三國会会期は三十日を適当として、特に民主自由党を代表した委員の発言が速記録にとどまつておるにもかかわらず、一旦これがところをかえまして、政府側に立ちますと、それは十日でよろしいのだということは、どうも私は論議の矛盾のように響くのであります。口を開きますと吉田総理は民主政治の確立を呼号し、いわゆる官界、財界、政界等の粛正をお話しになつておるのでありまして、その点私ども大いにその御発言を多としているのでありますが、ただ会期の点になりますと、在野時代には三十日だつたのが、朝に立ちますと、これが十日で十分である。佐藤官房長官の話によりますと、なかんずく公務員法はその十日の中の数日で片づけようというようなことでありますが、私どもはこのような大きな問題は、少くとも公聽会だけでも一週間や十日は費して、國民の意向を議会が聞くという努力がもたれてしかるべきではなかろうかと考えるのでありますが、これを十日の中の数日でやろうなどということは、われわれはどうも考えがつかぬのであります。從つて在野時代の会期の三十日の御趣旨が、朝に立つた場合に十日にしなければならぬ。しかもその十日の中の数日間で公務員法を片づけようとするお考えの変化は、何のためであるのかということを、総理大臣に直接にお伺いしたいのであります。  最後に総理大臣に特に申し上げておきます。申し上げるまでもないのでありますが、あなたがこういううるさいところでお話をすることはあまりお好みではないかに伺うのでありますが、民主政治を説かれる以上は、民主政治はある意味においては、多少うるさいものであるということを、お考えなつていただきたいと思うのであります。
  90. 山口喜久一郎

    山口委員長 ただいま吉川君から私を引合いに出しお話になりましたが、多少当時の事情と、今日の事情とはかわつておることも、吉川君自体が御存じのはずでありまして、それをもつて今日を律することは、吉川君のためにぼくはとらざるところであるということを一言申し上げておきます。
  91. 吉田茂

    吉田國務大臣 しきりに私の答弁をお迫りになるようでありますが、私は解散については冐頭解散はしないと言つた以外に、早期解散とか何とかいうことは言つておらないのであります。また解散をする場合には、お話通り民主的に憲法に從つていたすつもりでおります。この点を申し上げておきます。
  92. 佐藤榮作

    佐藤(榮)政府委員 会期の点につきましては、吉田内閣ができましてから、國家公務員法、その他の法案審議にいろいろの折衝を続けているのでありますが、関係の筋におきましても、これの急速成立を強く要望しておられます。また私ども考えましても、この内閣ができましてから、その法案に重大なる修正も、実は加わつておらないような現状でありますので、在來の法案が骨子になりまして提案される。かようになりますならば、各党の御協力も比較的得やすいのではないか、かように考えまして、これらの審議がわれわれに要望されるような短期間のうちに審議が終るのではないかとも考えるわけであります。先ほどから申しますように、会期は十日となつておりますが、その間にできるだけ早く、これらの法案の成立を希望してやまないのであります。
  93. 山口喜久一郎

    山口委員長 お諮りします。総理大臣は御多用のようでありますから退席されてよろしゆうございますか。御質問があれば総理大臣の御質問を先にお願いいたします。
  94. 椎熊三郎

    椎熊委員 総理大臣にお伺いしますが、民主自由党が在野党時代に、第三國会の召集を文書で当時の政府に要求しておられたのでございます。その際の内容は、國家公務員法提出、取引高税の全廃、これを民主自由党の案として出し、しかも取引高税の全廃に対しましては、財源等が文書に明記してある。そういうことで第三國会の召集を請求しておられたのであります。いまや時代はかわつてあなたの内閣ができた。この際持論である國家公務員法の提案、もとよりこれを出すことは結構でございます。同時に取引高税の撤廃——あれほど強く要求しておつた案は、本日の官房長官の説明では何ら触れておられないのですが、これを出すのであるかどうか、総理大臣にお伺いしたい。
  95. 吉田茂

    吉田國務大臣 それは出したいと思います。出したいと思いますが、財源の関係がありまして、その財源がいわゆる関係筋との交渉が調わないのであります。それが実際の話であります。
  96. 椎熊三郎

    椎熊委員 在野党時代のあなた方の考えの財源はだめなんですか。この議会に間に合いますか。
  97. 吉田茂

    吉田國務大臣 間に合うか間に合わないか、今折衝中でありますから、ここで確答はできません。
  98. 中野四郎

    中野(四)委員 政府側会期に関する希望意見は大体聞いたのだから、あと國会できめるべき問題だ。もう総理大臣並びに官房長官に聞くことはこの程度で打切つてあと運営委員会審議して行こうじやありませんか。私は質問打切りの動議出します。
  99. 小島徹三

    小島委員 私は総理大臣に必ずしも憲法上の解釈をお聞きするつもりはないが、総理大臣のお氣持をひとつ聞きたい。それは明治憲法において規定されておつた天皇の大権と、新憲法に規定されている天皇の大権の中には共通のものがあると思います。しかし旧憲法時代において、時の東條内閣がしたように天皇に奏請して、天皇がなされたその結果が、いろいろの点において間違いのもとになつておるという点からいつて、今度の新憲法においては、なるほど天皇が大権事項としてできるようになつているが、これをただ総理大臣の助言だけによつて天皇に解散権を行わせるということが、はたして憲法の精神であるかないかということについての総理大臣の御感想を承りたい。
  100. 山口喜久一郎

    山口委員長 総理大臣は緊急やむを得ざる要務がありますから、退席になられました。
  101. 山口喜久一郎

    山口委員長 靜粛に願います。——淺沼君に発言を許しました。
  102. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 いま総理大臣はお帰りになつたようでありますから、念のために官房長官に伺い、さらに小澤君及び工藤さんの両君にお伺いしたいと思います。  それは國家公務員法は明日の議題に出て來るのかどうか、これが一点、もう一つは、先ほど私どもの方から政府に一般施政方針演説をやつてもらいたい、やることが議事を円満に運営するゆえんだと、申し上げたのでありますが、政府に大いに考えてもらいたいと言つて、その返事を伺わぬうちに総理大臣が帰つてしまつたんですが、政府に考慮の余地があるものでしようか、全然ないものでしようか、あるいは一日は遲れるけれども、明後日あたりは施政方針演説をやる。そうして議会と円満なる形において議事を進めるというお考えがあるのか。そういうことはないと言つて、一方的にきめておれはやらぬという態度で來るのか、それをお示し願いたい。
  103. 小澤佐重喜

    ○小澤國務大臣 淺沼君の御質問の第一点ですが、明日は公務員法改正案だけは出す順序がついております。但しあとの三法案は明日か明後日になると思います。  第二点の施政方針演説のお問いでありますが、先ほどからのいろいろの御意見は私もまつたく同感であります。從つて内閣といたしましてもできるだけ適当にやりたいという念願のもとにいろいろ準備を進めてまいつた。ところが追加予算等もまだ結論に到達しないうちに施政方針演説をして、それと食い違うことがあつてはいかぬので、適当の時期、なるべく早い時期にやりたいというのが現内閣考え方でありまして、いろいろ巷間傳えられているように、この施政方針演説をやらない方針だというようなことは毛頭ございませんから、この点だけはどうぞ御了解を願いたいと思います。
  104. 吉川兼光

    吉川(兼)委員 佐藤君に聞きたいんですが、要するに給與の問題、それはあなたの説明を聞いていると、公務員法裏づけとしてとおつしやつたが、その通り裏づけであつて、これは離すべからざるものでありますが、それを提案すべく折衝中であるという御説明だつたのですね。そこでその折衝の見通しを聞きたい。それはあなたが言つてつた十日とか幾日とかいう短期の会期中に裏づけとして、あなたみずから認めるような、そういう重大なものが一緒に提案されるという見通しがついておりますか、どうですか。
  105. 佐藤榮作

    佐藤(榮)政府委員 ただいま給與についてのお尋ねがありましたが、もとよりこの法案予算案一緒に提案することができれば、実は問題はないのでありますが、法案のみ先行せざるを得ない事情下におかれております。一方予算の方はできるだけ早く、追つかけてまいりたいと考えて、いろいろと審議を進めておるのでありますが、まだその方の最終的な決定を見ていないというのが現段階であります。その間の事情は皆さん方におかれましても、おそらく一應御了承がいただけることではないか、特に私からその間の詳しいいきさつを申し上げることは必要はないじやないかと思うのであります。なお予算の問題につきまして、次にお尋ねになることは、萬一非常に遲れたらどうかという点だろうと思うのでありますが、(「そうじやない」)もしそうでなければこの辺で……。
  106. 吉川兼光

    吉川(兼)委員 今あなたの方で折衝中の案は、全面的な賃金の改訂になるものであるか、暫定的のものであるかということをお聞きしたい。
  107. 佐藤榮作

    佐藤(榮)政府委員 これは当方から出したい案はあるのでありますが、御承知のように人事院というものが別にできまして、その方で給與審議する、そうしてその結果を政府に報告する、かような建前になつております。ところがまだ人事院の方から給與の問題が出てまいつていないのであります。それで政府といたしましては、予算の全貌のうちには新給與を当然盛り込まなければならない、予算の総体をつくります上から見まして、どうしてもそれを明らかにしなければならないのでありますが、ただいまそれがきまらないため予算の総額のつくり方に、非常に苦しんでおるというのが現状であります。
  108. 徳田球一

    徳田球一君 大体それは非常にけしからぬと思う。公務員法を先にしなければならない事情はどれなんだ。それをひとつ聞きたい。一体給與は前内閣はどうであろうと、吉田内閣吉田内閣だ。前内閣出したんじやない。ただ出そうと思つていただけだ。思つてるうちにつぶれてしまつた。だからこれは給與がくつつかなければ無意味だ。その無意味のものを出して何になるんだ。今至急にこれを上程しなければならない理由は一つもない。しかも給與をくつつけないで出すとは不届きな話だ。一体これはどうなるのか。
  109. 小澤佐重喜

    ○小澤國務大臣 徳田君からいろいろ意見がありましたが、そういう意見公務員法の実体に触れる問題であつて、この運営委員会よりは委員会に移つたときに、大いに徳田君の御意見を拜聽したいと思います。
  110. 椎熊三郎

    椎熊委員 小澤君にお聞きしますが、この施政方針演説あとまわしにするというあなたの理由の中に、予算編成がまだ完全に行つていないから、予算の組み方と施政方針と食い違いがあつては困るというお話であつたが、総理大臣施政方針演説というものは、こまかい予算などを言う必要はない。政府の大方針を言つてくれればいい。あなたは議会におつて運営委員会にも長くおられて、よくわかつておられるが、しかも社会党の方々の意見にもまつたく同感だと言つておられるんだから、きようただちに総理大臣と懇談をして、臨時閣議でも、何でも開いて、とにかく議会というものは冐頭に施政方針演説をやらなければならぬという点を、議会人としてあなたが閣内で主張して、あす劈頭にやらせるようにやつて見たらどうですか。それがほんとうじやないでしようか。
  111. 小澤佐重喜

    ○小澤國務大臣 椎熊さんの御意見にも私賛成しております。しかしながら御承知通り予算関係なくしてこの施政方針演説なり、経済演説ちよつとできない。またやればいいんですが、それではあなた方がせつかく聞いても雲をつかむようなもので、あまり反響がないと思います。できるだけ予算の実際に触れたものに基いて、施政方針演説をやりたいというのです。最後の結論ですが、あなた方の忠告通り、そういう方向に向つて協力いたします。
  112. 椎熊三郎

    椎熊委員 政府は十二月一日に通常國会を召集するんでしようか。
  113. 小澤佐重喜

    ○小澤國務大臣 それは閣議で決定いたしました。
  114. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 もう一ぺん念のために申し上げておきます。みなもういいといつております。あす政府議会の間に話がつかずにやつてもいいと言つている。これは私は政府のためにとらないところで、もう話はこれ以上しないということは、すなわちわれわれは独自の行動を議会内部で持つということなんだ。そうなれば今議論していることと同じことをまたあす本会議で繰返えさなければならぬこととなる……。
  115. 山口喜久一郎

    山口委員長 淺沼君にお答えします。あす議会内で独自の行動を起すということは、ずいぶん飛躍しすぎると思う。独自の行動に入るということの前に、なおまだ委員会が閉じられたわけではないのであつて、まだ常任委員長との合同懇談会もあるし、その過程を経てわれわれの行動がきまるのでありますから、政府に対する質問はこれでよろしいかどうかというわけなんですね。
  116. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 それではもう一ぺん念のために、私申し上げます。それではいいという心持ちの中には、眞から政府の態度を支持してそれでいいという人もあるし、そうでない大部分の人はあす本会議において施政方針演説をやらなかつたときに、われわれはいかにするかということを決定しなければならない立場に迫られている党派があるということを御了承を願いたい。もし今適当の機会ということでわかれてしまえば、結果においては本会議劈頭において政府に対して質問をするか、あるいはなぜ施政方針をやらぬかということをここで同じことを繰返えすことになる。それでも政府はいいというならば、これでお別れにしてもよろしいけれども、そうでなく、幾分か話合いの余地があるということになれば、われわれが今度議論するときにそれでは政府もああいうふうに出て來ているのだから、それならこうしようじやないかということになるから、それを念のために聞いておるのです。
  117. 小澤佐重喜

    ○小澤國務大臣 これは椎熊君のお考えと同じ趣旨のことを言われておりますから、同じ答弁でいいと思いますが、具体的なお考えをすれば、私どもとしては、一日もすみやかに施政方針演説をやりたい希望ですから、從つてもし政府考えようによつては、委員会の方でも考えるということであれば、これは結構でありますから、そういうようなお考えのもとにお進めを願いたいと思います。
  118. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 今小澤君の答弁はやはり一歩も讓歩していない。あすの午前中なら午前中までに政府ももう少し考えて見て話合いをしようというならば、本会議はあすの午後だから、われわれも考えようということになる。ところが政府が言つているのば適当の機会にやつて、それ以上は進められぬというならば、これでお別れするよりほかはない。
  119. 山口喜久一郎

    山口委員長 おはかりいたしますが、これからの委員会審議、進行方針はいかがいたしましようか。
  120. 椎熊三郎

    椎熊委員 会期の問題は……。
  121. 山口喜久一郎

    山口委員長 各常任委員長がお見えになつておりますから、委員長諸君と合同審議をして、その上できめるか、あるいは運営委員会独自の立場に立つてきめるか。こういうことをお諮りしたいと思います。
  122. 中野四郎

    中野(四)委員 各常任委員長は新任早々でして、また審議すべきすべての案件に対してそう触れてはおらぬと思います。從つてここでは常任委員長においでを願つて運営委員会との合同懇談会を開いても意味がないわけではないけれども、きわめて稀薄だと思う。從つて少くともこの議会運営委員会において十分論議を盡して、しかるのちにまた考慮するという方法をとられてはどうでしようか。
  123. 山口喜久一郎

    山口委員長 それならば中野君の御主張のごとくいたします。さらに会期について審議を進めます。
  124. 細川隆元

    細川(隆)委員 社会党におきましては、ただいま政府から議案を提案する内容、あるいは今後の提案の見通しを伺いましたが、これを総合して考えまして、社会党においては三十日間の会期の延長でもまだ足らないくらいに考えるわけでありまして、三十日間の会期の延長を私どもは要望いたすものであります。結論だけを最初に申し上げます。
  125. 山口喜久一郎

    山口委員長 細川君にお尋ねしますが、三十日間の会期の延長ということは、政府がただいま十二月一日に第四國会を開くということを明言された。それを越えての要求ですか。
  126. 細川隆元

    細川(隆)委員 あしたの國会において三十日の延長をすれば、自然に政府はその延長に基いて、國会の召集を遲らせなければならぬ。
  127. 山口喜久一郎

    山口委員長 それでは議論が違います。
  128. 山下榮二

    山下(榮)委員 ただいま細川君から三十日と申しましたが、先ほど官房長官は十二月一日に通常國会を召集したいということを言われました。しかし國家公務員法、その他の重要法案が山積しておる。その審議が、十二分に盡されないのに、通常議会があるからこの会期を縮める。重要法案を十分審議しなくてもいいというわけにはいかぬのである。殊に吉川君が先程言いますように、國家公務員法というような法律につきましては、わが党は非常に重大視しまして、公聽会その他につきましても十分審議を盡したい。こういう決意をいたしているのでありますから、三十日にしていただいて、政府の方では都合もいろいろあろうけれども通常國会はそれに應じてずらしていただきたい。これくらいの決意を社会党はしているのであります。
  129. 山口喜久一郎

    山口委員長 細川君のお話は憲法に示されている政府の権限を侵すようなことに牴触すると思いますので、やはり政府が一旦十二月一日に第四回國会を召集すると決定した以上は、最大限度は十一月末までということではないかと思います。そういうことに一つ制約して論議を進めたらどうかと思います。
  130. 山下榮二

    山下(榮)委員 先ほどのお話では決定とは伺つておらぬ。
  131. 山口喜久一郎

    山口委員長 もう意思を明白にしたわけであります。
  132. 細川隆元

    細川(隆)委員 召集の詔書の手続が今からあしたの本会議で院議で決定する前に済めば別ですが、院議が先に決定すればこれが有効で、当然そうならなければならぬが会期中に法案を議了するだけの会期は與えなければならぬと思う。詔書はまだ出ていないでしよう。
  133. 石田博英

    石田(博)委員 政府はすでに閣議において十二月一日に召集するという意思決定をやつて、その手続中なのであります。從つてそれをあしたの午前、あるいは議院会期の延長を決定する以前に、その政府意思決定を当然技術的な操作によつて、この召集の詔書を出させて、実行することが可能になる。そうなればその議論は消えてしまう。政府としては意思決定をした以上は、当然その意思決定に基いてやるに違いないから、詔書をあしたのうちに院議の決定前に出すことは、十分また必ずやり得ることだから、そういうことはここで議論をする必要はないと思う。
  134. 山口喜久一郎

    山口委員長 だから政府決定したことを中心にお話を進められた方が現実的だろうと思う。
  135. 小島徹三

    小島委員 それでは社会党から三十日の会期延長論を出した。政府の方では十二月一日に召集したいというのだから、結局これから交渉して運営委員会として三十日にきめておいて、詔書が交渉前に出てしまつたということになつたら、そのときはやむを得ないということになる。
  136. 石田博英

    石田(博)委員 先をおもんばかる意味ではないが、現実的に政府はその意思決定いたしました以上は、議院の決議以前にその意思決定を実行に移す手続をとるのは当然です。そうすると三十日と交渉して、あらためてそういう議論をすることは現実的でないわけです。從つて一日に召集るすという意思決定があつて、その手続も行われて、それが実現される現実の前提の上に立つた御議論を願いたい。
  137. 山口喜久一郎

    山口委員長 そうすると一應三十日ときめておくことは、そうきめておいても、議院運営委員会決定がただちに覆えされるような見込みのあることを、この権威ある運営委員会においてきめるということは、少しくおかしいと思う。
  138. 中野四郎

    中野(四)委員 私は会期の三十日というのは少し議会運営の上において無理があると思う。そう言うとお腹を立てられるかもしれないが、少くとも十一月三十日までの会期の延長をして、しかる上に必要があればさらに延長するのもいいと思う。一應政府側は十二月一日という氣持がある。しかも手続中だということを聞いていて、しかもなお会期を三十日ときめようということは正しい運営論ではないと思う。從つてもし延長するならば、私は政府の言う十日と三十日の間をとつて十一月三十日まで延長するのが正しいと思う。
  139. 木村公平

    ○木村(公)委員 大体通常國会は十二月上旬に開くということは御承知通り、その規定はお互いがきめたんです。十二月の一日から十日までの間に開けばよろしいということはわれわれがきめたことだ。國会がきめたことを政府が遵奉したまでだ。政府法律に則つてつているんだから、何もここで文句はないはずだ。
  140. 山口喜久一郎

    山口委員長 しばらく速記をとめて懇談をいたします。
  141. 山口喜久一郎

    山口委員長 それではこのままの状態において約二十分間休憩いたします。     午後四時三十六分休憩      ━━━━◇━━━━━     午後五時二十二分開議
  142. 山口喜久一郎

    山口委員長 それでは休憩前に引続き会議を開きます。
  143. 大池眞

    大池事務総長 先ほど休憩前にお話の、内閣の方との事務的の打合せでありますが、通常國会の召集の手続はどういうぐあいになつて、どういう経過をたどつておるかというと、その結果は、昨日の閣議で十二月一日に通常國会を召集するということに決定し、関係方面の了承を得まして、從つて明日中には官報号外をもつて公布でき得るように、手続を進行中だということの答弁がまいりました。一應その点だけ申し上げます。
  144. 中野四郎

    中野(四)委員 大体今の御報告を聞けば、先ほどからの議論もおのずからおちつくところへおちつくと思います。十日間では無理だから、これを二十日間なり二十一日というふうにして、十一月三十日までを会期にするといういき方で皆さんの御賛成を得たいと思いますが、いかがですか。
  145. 石田博英

    石田(博)委員 ごもつともな御議論なんですが、私どもの方といたしましては、やはり理由は先ほどからるる申し上げたところで、その理由について御納得のいかないことはやむを得ませんが、建前といたしましては、やはりできるだけ早く審議を終りたいという建前をとつておるわけでありまして、今のような御意見にわれわれ出先としてただちに賛成いたすわけにまいりません。しかしこの大体の委員会空氣議長が了承せられて、適当におはからいをいただきたい。私どもはそう考えるわけであります。
  146. 中野四郎

    中野(四)委員 それはやはり両院の協議もいりますから、從つてこちらで大体反対がなければ、最大限の十一月三十日なら三十日ということにして一應向うへお話を願う。それがどうしてもいかぬ。短い方がよいということになれば、これはおのずから別といたしまして、きようは早速向う側と相談いたしまして、最大限の十一月三十日とするか、あるいは都合が惡ければ二十日間ということにしたらどうか。民自党もしんぼうしていただきたい。十日延びても五日延びても仕方がないでしよう。
  147. 石田博英

    石田(博)委員 おつしやる意味は十分了承できるわけです。ただ私どもの党の建前といたしましては、先ほども申した通りなつておりますので、全体の空氣議長が十分了承せられて、参議院の方と御交渉願いたい。
  148. 内藤友明

    ○内藤委員 ただいま中野さんから御発言がありましたが、そのようにおきめを願いたいと思います。
  149. 松岡駒吉

    ○松岡議長 この間に、ちよつと先ほどの常任委員会委員長会の情勢を、参考のために御報告申し上げます。委員長諸君は、ここにおつて傍聽されておつたので、詳しくお話を申し上げる必要がなかつたのですが、やはり二十日延長が、内閣の方で手続が完了しておる際には実行不可能であるが、様子を見ておると、民自党の方でも、十一月いつぱいという御意向があるやに私は見ておりましたから、そういうことを申しました。その二つの中のいずれかであろうと思うが、皆さんの御意見はいかがであろうと尋ねたわけであります。申し上げるまでもなく、與党委員長各位でありますから、自分たちはできるだけ短い期間にやつてもらいたい。だから積極的に賛意を表するわけにいかない。こういうことでありました。けれども大体申し上げた通りであるから、そういうことにきまつたら御異議がないように、またお集まりを願うこともめんどうだから、あらためて常任委員長にお集まりを願うことは、会期問題に関する限りいたしませんから、御了解を願いたいということにしておきました。それで常任委員諸君は、なるべく短かくやつてもらいたいということでありました。
  150. 中野四郎

    中野(四)委員 どうです石田君、あなた方の心はよく見えておるが、それは十分顔をお立て願つて、圧倒的に多かつたからやむにやまれずという御報告をしていただきたい。二十日でも結構、十一月三十日でも結構です。
  151. 山口喜久一郎

    山口委員長 これは委員長として私が申すことはどうかと思いますが、私が民自党員であります関係上、やはり民自党の役員会なり機関にかかつたことをここで覆えすことは、非常に出先として苦しい次第であります。でありますから、あるいは意見がまとまらなければ、討論とまではいかなくても、採決をしておきめ願うか。それとも各党の御意見がこうして委員会に反映されたのでありますから、この御意見に基いて議長が独自の行動をされるということにするか。この二つの途があると思います。もう現在こうしてお話を承つておりますと、われわれの方がどうしても数的に劣勢であることは、私もよくわかつております。採決をするか、しからずんば先ほど申した議長一任の形式をとるかという問題であります。
  152. 中野四郎

    中野(四)委員 私は議長のいわゆる大体の空氣を見てということは、ちよつと考えなければならぬ。なぜかといえば、大体議長は現在大体野党から出ておる議長なんだ。あなた方が與党という立場から、非常に変則的な國会運営上において、議長にとかくの論評を加えることは穏かならざることであるから、むしろこの機会に採決をしておきめ願つた方が、あなた方が立場がよければ採決をし、採決をせずとも、賢明なる委員長はわかつておるから、もうこの辺でほこを收めるとおつしやればそれもよし、なるべく議長責任においてということでない方がよいのではないでしようか。
  153. 石田博英

    石田(博)委員 では採決の方法をおきめ願いたいと思います。
  154. 山口喜久一郎

    山口委員長 採決を行うことに御異議ありませんか。
  155. 山口喜久一郎

    山口委員長 しからばさように決定いたします。  会議の延長については、一應意見も盡きたようでありますから、これから採決いたしたいと思います。会期を十一月十日から三十日まで、二十一日間延長することに御賛成の方の御起立を願います。
  156. 山口喜久一郎

    山口委員長 起立多数、よつて会期は二十一日間、本月三十日まで延長することに決し、この旨議長に答申することにいたします。  運営委員会はこれにて散会いたします。     午後五時三十分散会