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1948-11-28 第3回国会 衆議院 外務委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年十一月二十八日(日曜日)     午前十一時二十二分開議  出席委員    委員長 生越 三郎君    理事 若松 虎雄君 理事 安東 義良君    理事 多賀 安郎君       竹尾  弌君    中村 嘉壽君       加藤シヅエ君    竹内 克巳君       戸叶 里子君    馬場 秀夫君       細川 隆元君    園田  直君       並木 芳雄君    松本 眞一君  出席政府委員         外務政務次官  近藤 鶴代君  委員外出席者         外務事務官   高野 藤吉君         厚生事務官   田島 俊康君         專  門  員 佐藤 敏人君         專  門  員 村瀬 忠夫君 十一月二十七日  委員中山マサ君辞任につき、その補欠として山  口喜久一郎君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 十一月二十五日  ソ連領よりの復員促進に関する請願細川隆元  君紹介)(第四一六号) の審査を本委員会に付託された。 同日  ソ連領よりの引揚促進の陳情書  (第四三七号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件   請願  ソ連領よりの復員促進に関する請願細川隆元  君紹介)(第四一六号)   陳情書  ソ連領よりの引揚促進の陳情書  (第四三七号)     ―――――――――――――
  2. 生越三郎

    生越委員長 これより会議を開きます。  本日は請願陳情書について審査いたします。まずソ連領よりの復員促進に関する請願細川隆元君紹介文書表第四一六号について審査いたします。紹介議員説明を聽取いたします。細川君。
  3. 細川隆元

    細川(隆)委員 ソ連抑留同胞六十万は敗戰以來すでに三年、酷寒その他の諸事情によつて、われわれの想像以上の困難と闘いつつあるのでございまして、遠くシベリヤの僻地より家郷を思い帰心矢のごとき明け暮れに骨身を削りつつあるのを思うとき、われわれは一刻の晏如も許さないものがあるのでございます。異郷の同胞を一日も早く祖國に迎え、あたたかき家に復帰さすことは、戰いのあとに残されたるわれわれの責務であり、また絶対の國民感情であると考えるのでございます。  われわれはここに全國に先がけて帰還促還促進運動を展開し、一方留守家族、遺族の援護に強力積極的に愛情のすべてをささげんとするものであります。本日上程せられましたこの請願趣旨に対しましては、連合軍最高司令官並びにソ連大使あて陳情書も提出しておるのでございますが、國会におきましても、全國民の意のあるところを了とせられて、從來のごときなまぬるい手段をやめ、積極的に帰還促進の御高配をお願いし、國民の信頼に沿うよう努められたいと存じまして、ここに六万人連署のもとに提出されました本ソ連滯留同胞帰還促進に関する請願を、何とぞ満場の御賛成を得まして、御採択相なるようにお願いいたす次第でございます。
  4. 生越三郎

    生越委員長 次に政府の御所見を承りたいと存じます。
  5. 近藤鶴代

    近藤政府委員 まさに酷寒の季節を迎えまして、わずかに残つておりますところの最後在留者に対しましては、私どもも非常に憂慮いたしておるのでございます。從いまして政府といたしましては、今日までもあとう限りを盡して参つたのではございますが、最後に残つたいわゆる貧乏くじを引かなければならない人の立場に立ちまして、十分今後ともに努力をいたしまして、御期待に沿いたいと存じております。
  6. 生越三郎

    生越委員長 本請願は去る二十五日議決いたしました第二一三号とまつたく同一の趣旨のものでありますから、前会同樣採択の上内閣に送付いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 生越三郎

    生越委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。     —————————————
  8. 生越三郎

    生越委員長 次にソ連領よりの引揚促進の陳情書滋賀縣議会議長河原伊三郎外七名、文書表第四三七号について審査いたしたいと存じますが、これも前回決定した第六三号と同一内容でありますから、その趣旨を十分了承するに決したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 生越三郎

    生越委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。     —————————————
  10. 生越三郎

    生越委員長 政府委員より引揚げに関する状況を聞きたいと存じます。
  11. 高野藤吉

    高野説明員 御参考までに最近の引揚問題に関する事情及び今後の見通しを御説明申し上げたいと思います。終戰直前におきまして海外に同胞が、軍人軍属を含めまして約六百六十万おりまして、現在までに約六百十万帰還いたしたことは御承知通りでございます。残つているのは、ソ連邦地域に約四十四万及び満洲方面中共地区に約六万残つておりまして、從つて全部で約五十万まだ未帰還者がある次第でございます。  現在焦眉の問題となつておりますのは、ソ連地区からの引揚げでございまして、特にこの冬継続して引揚げを行われるようにということは、御承知通り政府より総司令部にお願いしてあり、司令部といたしましても、ソ連政府冬季引揚げ継続に関して碎氷船堤供などを提議いたしまして、冬季継続方を提議いたしておる次第であります。この冬はたして継続されるかどうかということは、一にソ側日本政府の希望をいれられるかどうかということにかかつている次第であります。政府といたしましても、このため近藤次官を初めとしまして、関係方面にあらゆる手を盡して懇請いたしておる次第でございます。もしも冬季引揚げが昨年のごとく中絶いたしまして、また來年の四、五月から始まつて月五万ということになりますと、また來年も全部完了するには相当かかるのじやないかと思つております。  次に御参考までに、最近ソ連政府から引揚げに関して、その費用を拂えということを言つて來ておるのでございますが、これは司令部発表にありますように、この費用というのはすでに日本政府において負担されていて、これを拂うということは米ソ協定上その理由がないということでございます。ソ連邦政府は新聞によりますと、この問題について総司令部と協議したいということを申し出ておりますが、これはどういうことか政府としてもはつきりわかりませんし、どういうふうに発展するか、今からちよつと予測することができないような次第であります。  あらましの現状並びに今後の見通しとしては、そのぐらいで御了承を願いたいと思います。何か御質問がございましたら、お答えいたします。
  12. 生越三郎

    生越委員長 ほかに御質疑はありませんか。  それでは本日はこれにて散会いたします。     午前十一時三十六分散会