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細川(隆)
委員 ソ連抑留同胞六十万は
敗戰以來すでに三年、
酷寒その他の諸
事情によ
つて、われわれの想像以上の困難と闘いつつあるのでございまして、遠くシベリヤの僻地より家郷を思い
帰心矢のごとき明け暮れに骨身を削りつつあるのを思うとき、われわれは一刻の晏如も許さないものがあるのでございます。異郷の
同胞を一日も早く
祖國に迎え、あたたかき家に復帰さすことは、
戰いのあとに残されたるわれわれの責務であり、また絶対の
國民感情であると考えるのでございます。
われわれはここに全國に先がけて
帰還促還促進運動を展開し、一方
留守家族、遺族の援護に強力積極的に愛情のすべてをささげんとするものであります。本日上程せられましたこの
請願の
趣旨に対しましては、
連合軍最高司令官並びに
ソ連大使あての
陳情書も提出しておるのでございますが、
國会におきましても、全
國民の意のあるところを了とせられて、從來のごときなまぬるい手段をやめ、積極的に
帰還促進の御高配をお願いし、
國民の信頼に沿うよう努められたいと存じまして、ここに六万人連署のもとに提出されました本
ソ連滯留同胞帰還促進に関する
請願を、何とぞ満場の御賛成を得まして、御採択相なるようにお願いいたす次第でございます。