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降旗國務大臣 ただいまの御
質問について
逓信省の
立場を申し上げたいと思います。この万國の條約に
加盟することは、今度の
國際電氣通信條約が初めてでないのでありまして、御存じの
通りに、本年多分六月の末だと思いますけれ
ども、万
國郵便條約に
加盟しておるのであります。
先ほどお話のありましたように、
連合軍総
司令部側から
勧奬を受けて、何らの
用意なしに率爾としてこれに
加盟するというようなことでは絶対ないのでありまして、この
國際電氣通信條約に
加入するということは、
日本の國際的の位地を高からしめ、万國のお仲間入りができる。こういう
意味からい
つて、私は
連合軍側の御
好意に非常に感謝すると同時に、わが國としてもありがたいことだと思
つているわけであります。そこで実際的の問題について申しますと、これは名目上の
加盟でないのでありまして、御存知の
通りに、万
國電氣通信の條約というものは、一九三二年
マドリツドにおいて行われました。この條約が引続いて今日にまで及んだのでありますが、昨年七月から十月の間において、これを更改するという
立場にな
つたのであります。そしてこの條約は五年
目ごとにまた改めて行こうということにな
つているのでありまして、この條約の重要なる要点は、この
電氣通信のために使われる
電波を、各國に
割当てるというところに大きな
必要度があるのであります。そこでもしわが國が今日
加盟しないと、その
割当について非常な不利を受ける。
敗戰國で、まだ
独立の体形をなさないものであるということは御説の
通りでありますが、
司令部からの御懇篤なる御
協力によりまして、入
つたらどうか、こう言われたのは、私
どもとしては非常に幸いなことでありまして、この機会に、
司令部の御
好意とともに
加盟するならば、
電波の
割当を受ける。これが
現実の大きな問題なんです。それで今
電波の
割当を受けますと、それは
國際通信の問題のみでなくて、國内の
通信にも利用することができる。その大きい問題を解決するためにはどうしても條約に
加盟したい、かように思
つています。技術的のことについてはそれぞれ
事務当局が
檢討しておりまして、決して無準備、無調査に
加盟するわけでありませんから、その点だけは御了承願いたいと思います。