○吉次
政府委員 ただいまの御
質問に対する答弁を申し上げます。仰せの
通り昨年度の轍を本年度は何としてもふみたくない、こういうような決意から、
國有鉄道の從事員に対する労需物資の輸送、特にそのうち北海道その他東北地方の雪害地帶における從事員に対する対策は、年度当初から主力を注いでと
つております。先ほど正木
委員からも
お話がございましたが、
國有鉄道從事員に対する労需物資は、石炭あるいは供米等々と同樣の重点的処置を講ずる、こういうような閣議決定の処置をとられる
段階にございましたが、実際問題としては、御承知の
通り供米あるいは漁業の
関係、あるいは石炭産業、これらの
関係については、配給上について特殊な切符制度を
関係筋の指示によ
つてと
つております。
從つて現品の流れになりますると、どうしても現在と
つている
國有鉄道從事員に対する現品の流れというものは、先ほど申し上げました石炭とか供米
関係が優先的に動いておるというのが、過去上半期
経驗した実情でございます。
從つて今年度の國鉄從事員に対する労需物資の割当並びにこの割当を現品化する措置については、あらゆる努力を傾倒いたしておりますが、なかなか思うような結論というものが、必ずしも出ていないというのが現状でございます。過般開かれましたこの
委員会でも、その状況等につきましては資料によ
つて御
説明申し上げ、あるいは資料をお配りいたした次第でありますが、しかし結論的に、札幌
鉄道局、北海道の國鉄從事員に対する冬を控えての労需物資の配給の現状は、大体ただいま
お話がございましたが、外套あるいは制服、あるいはさらに特にズボン等の毀損が非常に多いのであります。ズボンの特別の配給、あるいははきものの
関係で地下たび、ゴム長ぐつ、ズツクぐつ、軍手、こういうようなものについては、規定上屋外の作業に從事し、もしくは列車乘務に從事しておるとか、その他規定上どうしても配給の裏づけをしなければならぬという、
從來からや
つて來たものに対しては、すでに現品の配給がほとんど全部完了いたしております。制服についても、外套についても、あるいは地下たびについても、ゴム長ぐつについても、ただ規定の裏づけができなかつたものは、昨年度もこれが非常に大きな問題で、また輸送能率の向上の点からも、きわめて遺憾な結果を招來したのでありますが、軍手については年度当初から、先ほど申し上げたいわゆるリンク制配給との関連において、思うような措置が十分にとられておりません。
從つて北海道地区に対してもまだ完全な体制がとられていない、こういうような現状にな
つております。しかし昨年度と比較いたしますと、大分事情は違
つておりますが、北海道地区も從事員に対する軍手の配給は年間完全配給をするのには二十九万三千双を必要とする、こういうことに私どもの観測ではな
つております。しかし年度当初から過船の
委員会で申し上げましたが、本年度の軍手の配給は、
國有鉄道の要望二百五十万双に対しまして、供給が不如意のために閣議で決定された結論の数字は七十九万五千双、約三分の一、こういうようなことにな
つております。二百五十万双配給しないと完全配給はできないのでありまして、
從つて札幌
鉄道局の二十九万三千双を配給するのには全体的には二百五十万双入らなければできない。それが閣議決定で七十九万五千双ということになりました。それで私どもの初めとりました手段は、早期に代用の手袋を、これを非常に單價も高くなりまして、使う方でも本物の軍手に対しては非常に使いにくいと思いますが、古被服を材料として手袋をつくる、こういうような措置をと
つて参りまして、上半期にできましたものが五十二万六千双、この中から札幌
鉄道局に五万九千五百双を配給しております。しかも本來の軍手については七十九万五千双が閣議で決定され、安定本部で計画されましたが、現実にはその後第一・四半期、第二・四半期とまだ遺憾ながら一双の切符も発行されておらなかつたというのが過般の
委員会までの経過でございます。過船当
委員会においても、いろいろと安本当局、あるいは商工省に対して御
質問等がありました。かねて商工省当局とは事務的な折衝を再三や
つておりましたが当時の本
委員会のこの席上で商工省と
運輸省側で話をまとめまして、急遽四十五万双の軍手を至急に今月中に現品化するようにしようということで、今日までの運びで、あの
委員会の翌々日実は発券事務を完了しております。当時商工省は、四十五万双の現品はもちろん裏づけされるというような前提で出されましたが、その後現品確保のため、実際に各メーカーに当りました。供米の
関係、あるいは石炭
関係、供出
関係のリンクの現品が優先されておりまして、つまりひもがついておりまして、四十五万双のうち、おおむね半分くらいは、現品がどこにあるかということがまだわか
つていない。こういう
状態で、毎日実はこの現品の割当を商工省にせつついて、一日も早く現品のあり個所を商工省から教えていただいて、現品確保によ
つて配給したい。こういう
状態に相な
つております。
從つて本年度の
関係のものについては、発券七十九万五千双に対して、四十五万双、ごく最近、今月の十日だつたと思いますが、発券はされましたが、現品確保については、まだ半分ぐらいのものには配給いたしかねておるという
状態でもあります。そこで特に雪害地帶、あるいは寒い地帶に対する初めからの対策として、大体年間の計画は、要望に対して三分の一程度ですから、上半期、暖かい時期においては――もちろん軍手は必要なのでありますが、やむを得ざる手段として、九月末までは各局に軍手を配給しない。特殊なものだけについては約十一万双ほど配給いたしておりますが、それ以外は原則として配給しない。こういうような特殊な対策をとり、下半期の
関係については、札幌
鉄道局と仙台、新潟の雪害地帶については、私どもの目標としては所要量の百パーセント配給しよう、その他の地区に関してはおおむね五〇%で本年度は満足していただいて、上半期は使
つておりませんから、下半期だけは雪害地に対してはその上半期分も含めた数量を、今ここで降雪期にあた
つて全部配給しよう。こういうふうに努力をして参
つております。現品化の
関係が先ほど申しましたような事情にあります
関係上、二十九万三千双の私どもの配給したい数字に対して、ただいままでに配給を完了しておりますものは十二万双、半分以下ということにな
つております。ただいま申しました四十三万双の、今年度の上半期分の発券と現品確保ができたら、このうちから北海道地区に対しては十七万三千双、合計二十九万三千双になるが、百パーセントの配給をしたい、その現品化が今若干ひつかか
つております。しかし今の商工省の操作によ
つては、年末までには北海道地区に対しては百パーセントの配給が可能であるというぐあいに見通しをいたしております。本年度も軍手が一番まずい
関係にな
つておりますが、北海道地区に対してはすでに十二万双、昨年度当時の状況は、おそらくこの数字の二割程度しか配給をしていなかつた。こういうぐあいに思
つておりますが、その他にさらに昨年度の
経驗にかんがみ、年度当初からこの冬季に対する対策を、他にいろいろ防寒用の
目的をも
つて、すでに準備をして、目下配給指示を出したことにな
つております。現品はまだおそらく各個人にわた
つていないと思いますが、それらのものについては、たとえば外套のずきんは北海道地区に対して約五千、地下たび、これは今まで貨與していない職名に対しても、雪害地帶に対しては出そう、こういうことで特に札幌
鉄道局には二万五千双、これも特配として指示を目下出しております。そのほかズツクぐつが一万足、さらに防寒チヨツキとして、これも年度当初早く手配をしておきました。人工毛皮と眞綿のチヨツキ、両方合せて二万着、これを北海道地区に特配をする、こういうような措置を講じております。なおまた最近ゴムの長ぐつを、年度当初よりも、特に
國有鉄道の冬季必要なる地区に対して何とか特配しよう、こういうような措置かまとまりました。特に二万足、これは北海道その他東北地帶を含めて特配をする、こういう財源が出ましたので、その特配の指示も目下出しておる現状であります。大体全体的に見まして、昨年度に懲りておりますので、特に年度当初から割解の確保と同時に、現在の早期配給に目途を置いてや
つて参りましたが、全般的に昨年度時期遅れで、しかも特殊手段をとられて、実際の現品配給は、ほとんど雪の期間が過ぎてから各個人に渡るというような結果になりましたので、今年は総計した数字よりも、さらに上まわつた数字が、雪に入る前に現品化ができておる。ただ一部軍手のごとき百%配給を下期に集中してやりたい、こういう決意が、若干今事務的に支障を來しておりますが、これも年末までには解決がつくであろう、こういうぐあいに見通しをいたしております。さらに特配
関係等につきましては、
運輸省予算の
関係からいたしまして、有償の配給をいたしておりますが、
趣旨としてはこれも相当の量に相なるので、有償額支弁――有償費の支弁等についても、非常に生活の苦しい際、困難な問題はあろうとは思いますが、單價はいずれも公定價格もしくは公定價格以下で入手しておりますので、一般の市中にぶら下さておるような物に比べると、三分の下もしくはそれ以下の單價に相な
つておるということは、申し上げられると存じます。大体以上の
通りであります。