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1948-06-22 第2回国会 両院 両院法規委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月二十二日(火曜日)     午後二時二分開議  出席委員    委員長 樋貝 詮三君    理事 松澤 兼人君 理事 降旗 徳弥君    理事 藤井 新一君       佐藤 通吉君    原 彪之助君       中井 光次君    鈴木 安孝君       大野 幸一君    羽仁 五郎君       新谷寅三郎君  委員外出席者         衆議院参事   小泉  弘君         衆議院参事   福原 忠男君         衆議院参事  岸川 法次君         参議院事務次長 近藤 英明君         参議院法制部長 川上 和吉君 六月十九日委員西園寺公一君辞任につき、その補 欠として羽仁五郎君が参議院議長の指名で委員に 選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  内閣に送付した請願取扱に関する勧告案     —————————————
  2. 樋貝詮三

    委員長樋貝詮三君) それではこれより両院法規委員会を開会いたします。  お手もとへ配付した「内閣に送付した請願取扱に関する勧告案」これを議題に供したいと思います。  朗読は省略いたしますけれども、その要旨は、今まで請願がほとんど形式的に流れておるような樣子がありまして、たくさんの請願が、しかも全然内容を同じくするような請願が、相次いでなされるような状態であります。その請願処理をどうしたかということを議会報告しない——次の会期までに報告するということになつているのであるが、時が経つてから報告があるというような事実上のありさまでありましたので、これを何とかしなければいけないであろうということから、相当期限内にこれを処置して國会の方に報告する。もとよりその処置は肯定の場合もあるし、否定の場合もあるし、いろいろありましようけれども、そういうものについての回答を誠実にやつてもらわなければ困る。そういたしませんと、アメリカ等によく行われておるように、個人が非常に頻繁に法案を出すということになつて請願の代りに法律案をもつてするという状態になり、議会がこれをこなせないような状態になるのではなかろうか、こういうことははなはだ好ましくないことだと思いますので、これについて御考慮を願いたいというような次第であります。一つ御審議願います。     〔委員長退席委員長代理松澤兼人君着席〕
  3. 松澤兼人

    委員長代理松澤兼人君) 委員長の御都合が惡く中座せられましたので、私代つて委員長仕事を代理いたします。     —————————————
  4. 藤井新一

    藤井新一君 この議題に入る前にこの際新しく法規委員になられたお二人の方の御紹介をしてはいかがですか。
  5. 松澤兼人

    委員長代理松澤兼人君) それではただいま藤井君の御発言がありましたので、参議院両院法規委員に新しくはいられた方がございますから御紹介いたします。  民主自由党所属奧主一郎君の補欠としまして、鈴木安孝君が出席せられております。
  6. 鈴木安孝

    鈴木安孝君 私、鈴木でございます。よろしく。
  7. 松澤兼人

    委員長代理松澤兼人君) それから無所属懇談会西園寺公一君の補欠として羽仁五郎君が出席せられております。
  8. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 私、羽仁五郎であります。今まで両院法規委員会の御活動に対しては感謝いたしております。私の部屋からは西園寺君が出ておつたのでありますけれども、健康が不十分のために十分活動ができなかつたのであります。それで今度私が選ばれましたので、皆さんの御指導をいただいて微力を盡したいと思います。
  9. 松澤兼人

    委員長代理松澤兼人君) なお衆議院両院法規委員であります松永義雄君が辞任せられておりますが、これはまだその後任が選挙せられておりません。これも併せて御報告申し上げておきます。     —————————————
  10. 松澤兼人

    委員長代理松澤兼人君) それではこの問題について御審議を願います。
  11. 佐藤通吉

    佐藤通吉君 この勧告案要旨の第一項と第二項は、別に私も意見はありませんが、この第三項によりますと「請願内容予算立法措置等関係があるために前二項の期限によることが困難なときは、その期限内に成るべく中間的な報告をなし」ということが書いてあるようであります。この「期限内に成るべく中間的な報告をなし」ということ、これをやはり、はつきりしておかなければいけないのではないか。しかもこの中間的報告を省略しても、あとの方に書いてありますように、請願の送付を受けた日から一年を超えない日において、受理した請願の結末を報告するということでありますが、おそらくこういうことが、ずるずるべつたりになりはしないかと思うのであります。そこで「期限内に成るべく中間的な報告をなし」という、この文句を使うことを避けて、やはりこの第二項に書いてあるように、三箇月目ごとにというような意味にでも、ここに強く書いておくことが必要ではないかと思うのでありますが、これはどんなものでありましようか。
  12. 川上和吉

    參議院法制部長川上和吉君) ただいまの御質問でありますが、前回のこの委員会でいろいろ御議論がありまして、私が案文を整理した意味から、便宜御説明を申し上げます。  先ほどの御意見まことに、ごもつともでありますが、実際問題としてここにありますように、予算立法措置等の伴います場合に、必ずしも三箇月というようなことで、機械的にそうした処置が順序よくやれるとは限らぬだろう。むろんそういう場合にはまだ調査中だという回答一つ回答かもしれぬと存じますが、しかしながらそういつた形式的な回答ではなしに、請願処理をなるべく実質的に進めるという意味合におきまして、あまり形式的に三箇月ということで切ることもどうであろうかという点が、前回委員会でいろいろ御指摘があつたのであります。いろいろな場合を考えますと、なかなか書きにくいことになるのでありますが、要はある程度以上は、やはり内閣の方の誠意に信頼するというよりしかたがないじやないか、まず最もおもな点をこの三項目あたりで押えて、それも前会に御意見がありました通りに、國会法を改正するという形でいきますれば、非常にその間の関係がぎこちなくなりますので、現行法の運用はこの程度にしてやつてつたらどうかというのが、前会の皆樣方の御意見であつたようであります。もつともその御意見趣旨をそのまま字句にするのはなかなかむずかしいのでありまして、いろいろな場合が考えられますので、この程度にいたしたのであります。なお御指摘の点について適当な表現があれば、さらにお指図を願つてやりたいと思いますが、大体そういう趣旨でこの案を整理いたしました。一應御説明いたします。
  13. 佐藤通吉

    佐藤通吉君 了承いたしました。
  14. 松澤兼人

    委員長代理松澤兼人君) ほかに御意見はございませんか。——それでは御意見もないようでございますし、すでにこの問題につきましては、前会十分に審議しておりますから、両院法規委員会におきましては、ただいまお手もとに差上げております通り決定してはいかがかと存じます。  それでは採決いたしますが、皆さんいかがでありますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 松澤兼人

    委員長代理松澤兼人君) それでは全員賛成と考えまして、可決されました。     —————————————
  16. 松澤兼人

    委員長代理松澤兼人君) ちよつと速記をやめて……。     〔速記中止
  17. 松澤兼人

    委員長代理松澤兼人君) 速記を始めて……。
  18. 藤井新一

    藤井新一君 國会議事録があまり遅延するので、内閣に向つてもつと早く議事録がわれわれの手に入るようにということを勧告してはどうだろうか、こういうのであります。参議院のごときは第一國会議事録がまだ出ない、大分残つておる。それではどうも読む氣にもなれぬから、ひとつこれは何日以内くらいにわれわれの方へ配付するように鞭撻する勧告案を出してはいかがでありますか。
  19. 松澤兼人

    委員長代理松澤兼人君) 結構ですね。
  20. 大野幸一

    大野幸一君 それは非常に結結ですが、一体これは政府に勧告するのが至当かどうか、あるいは議院自体仕事なのか、ちよつと研究を要すると思います。
  21. 藤井新一

    藤井新一君 私は内閣に向つて鞭撻するようにも思います——現在の法規の上では内閣のようでありますが、改正になると、それができなくなるように思います。そこのところは私、疑義があるのですが、とにかくそういうものを勧告してはどうだろうかというのが、われわれの考えておる意味でございます。
  22. 松澤兼人

    委員長代理松澤兼人君) お諮りいたします。前会御相談の場合に、事務当局の話を聽きたいということで、参議院事務次長とそれから衆議院記録部長が見えておりますから、事務的の問題につきまして御説明を聽いたらいかがでありますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 松澤兼人

  24. 近藤英明

    参議院事務次長近藤英明君) 速記のことでございますが、ただいま藤井さんからお話がございました通り、第一國会速記は非常に遅延いたしまして、殊に参議院の方の速記がはなはだしく遅れまして、今月にまでもち越されたのでございますが、すでに今日におきましては、参議院の方も全部完了いたしました。それで全部完了にはなつておりますが、今日まですでに遅れましたということにつきましては、私どもといたしましても、過去の速記の、翌日には必ず見られたというような実情に比較して、あまりにその差の大き過ぎることに実は何とかしなければならぬのではないかとは考えております。  まず現在まで遅れました原因そのものにつきまして、それはなぜかということを追究することも、今後をどうするかということの対策を立てるもとにもなるかと存じますので、申し上げますが、第一國会がはなはだしく遅れました原因は、まず第一には、印刷能力というものが非常に落ちておる。殊に東京大手町にある印刷局工場が、はなはだしく戰災を受けた。その後市ケ谷工場というものが相当拡充されましたが、市ケ谷工場は場所的に狹いということで、あまり拡充ができない。そこで東京では十分に印刷ができないので、長野縣にもつてつて印刷をしておるということが、まず印刷そのものが遅れておる原因一つになつておるように聞いております。なお最近におきましては、印刷局においては印刷機械の整備を順次急いでおりますが、印刷機械とそれから活字製造機械、こういう点を今朝も專門の人に詳しく聞いてみますと、活字機の形式には二種類機械があるそうでありまして、一種類復興した方の活字製造機によつて製造した活字印刷する機械の方が少いというような関係があつたりして、印刷そのものの点から相当の無理が來ておつたということがまず一つであります。  それからもう一つは、昨年から始まりました極東國際軍事裁判の方の印刷物というものも印刷局が引受けておりました関係——これは速記録でございますが、それの方に相当能力を割いておりますことが、第一國会における印刷能力を非常に落した原因のまた一つとも聞いております。  それでは衆議院参議院両方とも一緒に同じ状況で遅れるべきじやなかつたかということに対して、特に参議院の方がはなはだしく遅れたという原因につきましては、参議院速記が、もと帝國議会時代衆議院並びに貴族院速記を引継いできました関係から申しまして、貴族院速記の方は、過去には仕事分量も少いし、定員も少かつたのであります。その少い定員を引継いできた参議院におきましては、速記分量に対して、速記者の数が非常に少い。これは御承知の通り、必要であるからといつて、普通の職員をとるように、募集してすぐその日から間に合うというわけにまいりませんし、また一定の養成期間を経なければ、十分なる速記人員ができないというような関係で、参議院側速記陣営の方が特に不十分でありましたという原因もありまして、第一國会の終了の当時、速記原稿そのものが完全に訳されて向うへ送られるということができなかつたのであります。殊に速記校閲事務をやりますには、相当速記に練熟した者が從來当つておりましたが、速記者の数が少くなつておりましたために、人をその面に十分に充てることができなかつたというわけで、第一國会の終了しました昨年の十二月の上旬におきましては、相当分量委員会速記原稿参議院留まつておつたという状態でございます。  それから第二國会に入りましてから、正月の休会中にとりまとめて、参議院側が一氣に整理をつけて、それを印刷局へ一氣に送りつけたということが、印刷局といたしましては一遍に原稿がたまつてしまつて、なおさら印刷局能率がつかえてしまつた。そういうことが参議院側衆議院に比べてさらに遅れた原因であるというように聞いております。その後第二國会が引続いて行われましたが、この第二國会の方があとあとと出てまいりまして、從つて今日では第二國会のものがつかえておるというような状況を來しております。  最近印刷局の方で調べてもらつたところによりますと、極東國際軍事裁判速記印刷も終了いたしましたので、印刷能力の方は第一國会の時よりも少し余力が出てきた。それからもう一つ印刷機械復興という面も、大手町工場の方が昨年の第一國会の当時よりも相当復興が早められたということで、印刷能力の面におきましては大分よくなつてきております。  それから速記陣営につきましても参議院速記そのものにつきましては、第一國会の終りから順次充員に努力をいたしますし、また養成にも努力いたしております。また市中にあります速記技能者採用試驗をいたしまして、補充的に採用してきたのでありますが、これも待遇の関係、あるいは市中には相当技術者が少いというような関係から、十分な補充はできませんでしたが、ぽつぽつこれもとつてきております。また一方校閲事務については、專門校閲者というものも配置するということによりまして、今期國会におきましては原稿を送ります面においては、委員会の済んだあと——会議は特に早いのでありますが、委員会におきましても、早いときには翌日、相当つかえた場合にも、必ず数日後には印刷局に送りつけるという態勢に今日はなつております。あとは再び印刷能力の問題ということになつてくるわけであります。  そこで印刷能力の問題といたしましては、何としても印刷局拡充ができて、これが十分活動をして、こちらから送つたものは必ずその日のうちに処分ができるというふうな、もと態勢にまでもどつてもらわなければならぬのであります。さらに、この議事堂地下印刷局工場がございますが、この地下印刷局工場は非常に小規模なものでありまして、現在は主として公報等、緊急なもので殊に小さなもの、こういうものだけを印刷いたしております。ここは場所の面積の関係からいたしましても、速記録そのもの印刷できるように、十分な拡充をいたしますことは、場所的にも非常に困難がございますので、地下相当拡充してもらいましても、これだけでは十分でありませんから、印刷局側では、今後拡充するといたしますれば、依然として大手町工場拡充と、さらに印刷局の特に希望しておりますのは、この議事堂の近くに適当な土地を配慮してもらえるならば、そこに適当な工場を設置して、ここの近くの工場で早く印刷して間に合わすようにしたい、こういう希望も印刷局ではもつておるようであります。  なお本年度の本予算編成準備をいたします際に、私どもといたしましては、衆議院側とも相談いたしまして、なかなか印刷局だけでやつてもらおうといつても、容易なことでないから、われわれとして場合によつて國会自身相当印刷機をもつて印刷するようなふうにやつたら、もつと能率を上げることができるだろう、そういう方面努力してみようじやないかというので、そういう方面予算的に相当努力を拂つたわけでありますが、残念ながら今年度の予算におきましては、この予算がうまくいかなかつたのであります。  その当時私どもの考えましたところを御参考までに申し上げますれば、大体片院が二十台程度の簡單な印刷機械をもつておるだけで、少くとも速記録をさばくぐらいなことはできるのではなかろうか、かように考えたのでありますが、予算的には一應今のところそれも認められなかつたために、國会がただちに印刷工場をもつということは、今のところまだその踏み出しに至つておらないような状況でございます。できますならば、將來は印刷局が十分な拡充をせられるか、あるいはまた國会自身相当印刷設備をもつて國会印刷の用を十分にそこで專属的にやるようになるか。その後段で申し上げました國会自身がもつということが、最も理想的な形であろうかと考えますが、それができないといたしましても、少くとも印刷局を十分に拡充するということは非常に必要なことぢやないかと考えております。
  25. 松澤兼人

    委員長代理松澤兼人君) ちよつとあと速記をやめて……。     〔速記中止
  26. 松澤兼人

    委員長代理松澤兼人君) 速記を始めて——それではただいま議題となつております速記録及び各種印刷物のことでありますが、皆さんの御意見は大体一致して、これを早急に以前と同じような能率にまで引上げるということが、中心のお考えのように承つたのであります。つきましては、大体三日ぐらいで速記録ができ上るという見透しのもとに、各種の方策を研究していただく。それについてどの程度経費が必要であるかという具体的な問題につきましては、法制部中心にいたしまして、あるいは参議院衆議院等のそれぞれ事務当局にお調べを願いまして、この次の両院法規委員会会議の席上で、さらに重ねて檢討するということにしたらいかがでございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 松澤兼人

    委員長代理松澤兼人君) それではさように決定いたしまして、この問題を次会にもう一度協議することにいたします。  それでは本日はこれをもちまして、両院法規委員会を散会いたします。     午後三時五分散会