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1948-06-21 第2回国会 参議院 予算委員会 第35号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月二十一日(月曜日)    午前十一時三十三分開会   —————————————   委員の異動 六月十九日(土曜日)委員鈴木安孝君 辞任につき、その補欠として大島定吉 君を議長において選定した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十三年度一般会計予算内閣  送付) ○昭和二十三年度特別会計予算内閣  送付)   —————————————
  2. 櫻内辰郎

    委員長(櫻内辰郎君) 只今より開会いたします。前回に引続き質疑を行います。中西君。
  3. 中西功

    中西功君 商工大臣が見えておりますから、先に一つ質問いたします。それは実は、この前ここで問題になりましたガリオア・フアンド球済物資日本で賣捌いて、その資金が何百億かあるわけでありますが、その資金貿易資金特別会計に繰入れて処理しておるのかと思つたら、実際はその資金会計の中に出ていない。これは性質として当然一應は政府収入になる資金なので、これをどういうふうなところに、どういう恰好で資金として処理しておるのか、それをお聴きしたいと思います。
  4. 渡邊喜久造

    説明員渡邊喜久造君) お答えいたします。貿易資金特別会計関係からいたしますと、現在におきましては、御承知のように、國際物價國内物價との間の開き相当ございまして、そのために輸出の方は、円でみますと、割合に割高になつておりますし、輸入の方は割安になつております。従いまして、ドル貨の方で以て計算しますと、御指摘のように、相当の大きな赤が出ておりますが、円の計算において見ますと、結局輸出輸入との関係が大体パーパーなつておりまして、現在のところ円貨としてそこに剰余が出ない、こういう状態なつております。
  5. 中西功

    中西功君 円貨として剰余が出ないから、何も会計処理してないというわけですか。
  6. 渡邊喜久造

    説明員渡邊喜久造君) 円の関係で見ますと、結局こういうことになります。輸出の方は円の方で以て割合に割高になつておりますが、円で買いました品物代金が、そのまま支出の方に立つております。それから輸入の方は、輸入されました品物を賣りましたその円の價格がそのまま収入なつております。それで収入支出関係が成立つております。その関係は、ドルの方で見ますと、一本レートなつておりませんために、円の輸出が割高になつておる、輸入が割安になつておる。その関係ドルの方で見ますと、相当赤字が出來ますが、円の方で見ますと支出収入との間に剰余というものが出ない、こういうことになつております。
  7. 中西功

    中西功君 そういうふうな収支関係を聴いておるのではない。そういう資金をどの会計で、どういうふうに組んでおるのか、我々に渡されたこの予算書の中の、どこで処理しておるのかということを聴いておるのです。
  8. 渡邊喜久造

    説明員渡邊喜久造君) その関係は、貿易資金特別会計に全部出ております。今申しましたような関係が、貿易資金特別会計の、輸出関係支出になり、輸入関係収入になる、こういう関係なつうえおります。
  9. 中西功

    中西功君 それならば、その特別会計数字を見せて我々に説明して貰いたい。
  10. 河野通一

    政府委員河野通一君) お答えいたします。貿易資金特別会計歳入歳出によります数字は、御手許に差上げてありまする特別会計予算書に載つております。十七億ばかりのバランスなつておりますが、その外に、先日も申上げましたように、貿易資金の運用として、大きな数百億に上がるバランスが出ております。そのバランス内訳は、先日申上げたのではないかと思いますけれども、御手許にも或いはございますかも知れませんが、貿易廳で作成いたしました貿易資金計画表は、御手許に参つておりますでしようか、どうでございましようか。
  11. 中西功

    中西功君 知つております。
  12. 河野通一

    政府委員河野通一君) これは現行物價で実は計算しておりまして、輸出物資買上げについて幾ら加工賃幾ら輸入商品幾らというような、輸出輸入資金出入りを、一應の、現在私供が手に入れておりまする見透しに基きまして計算をいたしておりますが、その計算で参りますると、大体円資金収入になりまする方が五百四十億ばかりになつております。それから円資金支出になりまする方、つまり収入になりまする方は、輸入物資の賣拂代金でありまするとか、貿易外収入でありまするとか、あるのでありまするが、支出になります方輸出物資買上げ、或いは繊維の加工賃等を支拂います金額、それらを合わせますと、現行物價で一應計算いたしました数字が六百二十億ということになります。その差額の八十数億というものが、円資金として金額上赤になつている、こういうことに相成つております。この八十数億というものは、それに見合うべきものは年度末における輸入物資の、或いは輸出物資手持品、つまりインヴエントリーと申しておりますが、インヴエントリーを以て見合つているこの八十数億の赤字というものは、純粹の赤字ではなくして、運轉資金の、何と申しますか、手持なつておりまする物資に見合うべきものとして、運轉資金としてそれだけの金が要る、こういうことに相成つておるわけであります。この金を如何にして調達いたしておるかと申しますると、貿易資金特別会計によりまして、現在百億の借入れ限度が決まつております。これを國会において今御審議を頂いておりますように、百五十億に拡張いたしますように相成つておりますが、この資金で賄つて行くことになつておるのであります。こういうふうに相成るわけであります。これは純粹の赤字ではなくして、その手持物資に見合うべきものと、こうご了承頂きたい。八十二億という数字に対して、現在百五十億の借入限度國会にお願いいたしておりまする理由は、二十二年度末における借入金の残高が約七十億、これに今年度の、今申上げました輸出入計画から出て参ります資金不足八十億を加えまして、百五十億という数字貿易廳において計算いたしておるわけであります。尚今後の物價騰貴、物價改訂等に基きます計画変更等につきましては、一應私どもは試算いたしたものがございますので、まだ政府部内におきましても、はつきりした檢討を遂げておりませんけれども、若し御必要であれば申上げます。尚最近新聞紙等で拜見いたしておりますが、米國援助資金関係等につきましては、一昨日も政府委員の方から申上げました通り、今のところではそれを算入いたしておらんと、こう申上げざる得ないわけであります。これがはつきり確定いたして参りました場合には、円資金収支といたしましても、相当変化を來たすということは申上げられると思いますけれども、現在のところでは、私共として入手いたしております材料といたしましては、これを加味して、貿易資金収支計算を変更いたしまするまで、具体的なものを持つておりませんので、一應この点は今般の貿易資金収支計画表の中からは、大体私共は予想し得る程度のものだけが入つておりますので、十分には織込んでないと、こう申上げざる得ないと思うのであります。
  13. 中西功

    中西功君 私はそういう説明を聴いておるのじやないのであります。そういうことは私は知つておるのであります。問題はそうじやなくて、この貿易資金特別会計の立て方には、これは必ずしも資金特別会計だけじやない。商工省の、会計の立て方に根本的な欠陥があるということを私は考えているのであります。それはここにある十七億なんぼのこの支出関係は、これは確かに貿易資金特別会計法從つて内訳かも知れないけれども、併し実際に先つき言われましたように、一方に五百億、一方には六百億というふうな実際の資金出入りがある。而かもその出入りが、単にこれがいわゆる民間的な貿易で、一應この会計を素通りしておる。例えば銀行で個人の貯金を持つておる。それとは別個に、貯金勘定とは別個に銀行としての収支損益関係があるという関係で、そういう輸出入関係資金が素通りしておるというのなら、これは分かると思うのであります。併しガリオア・フアンドによつて送られた物資は、こに処理については少なくとも日本政府としてはまだはつきりしてない。将來これが負債になるのか、それともならないのか、どうなるのかはつきりしていないというふうな資金だと思うのであります。少なくとも一應連合軍の方から渡された物資なんでありまして、その物資政府は賣つて資金を取つておるわけであります。それは窮極において誰の資金かということについて、今後いろいろな問題があるにしても、とにかくも政府資金に入つておる、こうい政府資金でなければならないと思います。そういうものがともかくもどの会計の中にも現われて來ないということなんであります。それは決してこの輸出業者商品を一應買つてつて、そうしてそれを輸出した後又返してやる。こういうふうな、いわゆる銀行における現金見たような勘定ではないと思うのです。質が違つておると思う。ところが実際には会計が何処にも現われていない。これは私はこればかりでないと思う。こういうふうな不明朗なことでは非常に困る。これは将來我々國民の恐らく負担になる金だと思う。併し実際そういう不明朗な結果、どういうふうな結果になつておるかと言えばこの三百億以上の円資金が、一部輸出業者の勝手な自由に任されておると言つても過言ではないのである。それは輸出業者に対して、特に輸出品を非常に高く買上げておるという結果、そういう資金をとにかく非常に使つておる。若しこういう資金がなかつたならば、現在の貿易資金特別会計というものは非常に赤字だと思うのです。少なくとも数百億に上る赤字だと思う。その赤字を、即ち赤字だということは、別の言葉で言えば、如何に、いわゆるまずいといいますか、まずい貿易をしておるのかということを非常に示すものだと思うのです。ただそういうふうな不明朗な資金を、これにぶち込むことによつて、一應これはとんとんでございます。こういうふうなことを言つておりますが、現実には物凄い赤字だと思う。ですからそこに欠陥がある。この資金をどういうふうな会計で組んで入れておるのか、処分しておるのか、若ししていないとすれば、これは全く宙に浮いた、実に怪しからん、いわゆる資金操作をしておるということになると思う。それでとにかく、それについての政府委員でもよい、或いは商工大臣より責任ある答弁をして頂きたいと思う。
  14. 水谷長三郎

    國務大臣水谷長三郎君) 只今中西さんの何ですが、詳細の点は今貿易長官が來ておりませんので、お答えはできないのがありますが、御指摘の点は決して輸出業者が勝手にやつておるというような不明朗なことはいたしておりません。貿易廳におきまして、責任を以てその点は衝に当つておるのでありまして、御心配のようなことは絶対にございません。それに関する数字的な説明は、後刻貿易廳から参りますれば、御納得の行くように御説明することにいたします。
  15. 中西功

    中西功君 実は貿易長官についてはこれは質問した。質問をして貿易長官は、私の質問に対して結論して出て來たことは、これは大体ガリオア・フアンド、これを貿易会計円資金会計一緒にぶち込むのは怪しからん。ここからいろいろな、僕が言うようなことが現実に出て來ると指摘した。そうしたら貿易長官はそれは認める。これは会計制度を改めなければならんと自分も思う。こういうふうな結論だつたと私は記憶しておる。で商工大臣もそこで、これはもうすでに貿易長官もそれを認めておると私は思う。速記録をみれば分かりますが、そういうふうな事情なので、これは日本の、今後こういうふうな意味で実は外資導入とか、何とかいう問題を、非常に重大な、いろいろの会計上の問題が起つて來ると思うのです。如何にもこれは私はいい例だと思う。こういう点を極めて明瞭にして貰いたい。ですからその点についても、商工大臣がはつきり、これはともかくも公的な資金だ、ですから、その点ではつきりした会計の上の基礎を、公明正大を期するというふうにやつて貰いたい。そういうふうなことをお願いしたいと思うのです。
  16. 水谷長三郎

    國務大臣水谷長三郎君) 中西さんのそういう御質問に対しまして、直接責任の衝に当つておる貿易長官が、そういうような御答弁をいたしましたといたしますならば、商工大臣といたしましても、その件に関しては篤と研究して善処したいと思うのです。
  17. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ガリオア・フアンドのことにつきまして一昨日、それと國民経済バランス及び國民所得との関連をお伺いしたのですが、それに対して大蔵省福田主計局長は、全然その関係は、この國民経済バランス國民所得の中には含まれていないというお話つたにですが、これについて又よく檢討して答弁するというお話もありましたので、この点についてどなたか御答弁を願えましようか。
  18. 渡邊喜久造

    説明員渡邊喜久造君) 先日の主計局長お答えを補足してちよつと申上げたいと思います。國民所得計算いたします場合におきましては、一應我々の方では円建の建前をそのまま突き通して考えております。從いまして例えば或る品物輸出する、その輸出に必要な生産が國内における國民所得として計上してございます。それから品物が、例えば綿花のように原料が入つて來る、その入つて來ました原料を加工しまして、そうして製品としてこれを輸出する場合におきまする加工費から生れる國民所得、これも一應國民所得として計上してございます。恐らく問題の焦点は輸入輸出との間に、ドル貨で以て考えて見ますと相当大きなドル赤字がある筈だ、これを國民所得の尻ではどういうふうに見て行くかという点が御議論の中心ではないかと思います。お尋ねのようにドル貨におきまして相当大きな赤がございます。併しこの関係をどういうふうにして現すかということにつきましては、現在まだ一本の爲替レートといつたような問題もはつきりしておりませんので、今後の研究の問題だと思つております。円の方で見ますと、先程もちよつと申上げましたように、輸出の方が円高なつておりまして、輸入の方が円安なつておりますので先程もここで御説明申上げましたように、貿易関係におきましては、円の立場で計算いたしますと、輸出輸入との間は大体パーパーのような関係なつておりまして、そこに特別の國際出支尻という項目を特に設ける程の数字が見えませんので、現在申上げました計算におきましては、その輸出入貿易の尻から來る國民所得と、予算バランス関係というようなものは特別に計上していない、こういう結果になつております。
  19. 岡田宗司

    岡田宗司君 この貿易資金計画表の中にありますところの輸入物資却代金五百二十九億円となつておりますが、この中におきましてガリオア・フアンドによるところの輸入物資の賣却代金をどのくらいに置いておるか、その点を一つ聽きしたい。それからもう一つは、ガリオア・フアンドによるところの輸入物資の國内で拂さげる價格は、如何なる基準によつて、如何なる方法によつて決められたか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
  20. 河野通一

    政府委員河野通一君) お答え申上げます。輸入物資の賣却代金の中に、今般のガリオアの関係がどのくらい入つておるかという御質問でありますが、この点は、從來大体予想できる程度のものを貿易廳において計算に入れておるわけでありまして、具体的には私は実はよく分かりませんので、詳しくは貿易廳の方からお答え願いたいと思いますが、少なくとも今般の米國援助費増加によりまする分は入つておらん、こう申上げざるを得ないと思います。詳しいことは尚貿易廳の方から内話についてお願いしたいと思います。  それから輸入物資の賣却代金は、政府部内におきましても、これを如何に計算すべきかということにつきましては、たびたび論議が交されております。併し只今他政府委員から申上げましたような、國際物價國内物價との開きが必ずしもないというわけではありませんが、一挙にこれを同じレベルに持つて行きますということは、國内の経済に対しまして非常に大きな影響を與える点もありますので、現在といたしましては、この輸入物資は大体原則といたしまして、國内の同種のものの生産者價格を以て輸入物資拂下代金といたしております。但しこれは特殊のものにつきましては必ずしもその原則を執つておらんのでありまして、ここで申上げてもよろしゆうございますが、輸入物資円ドルの、つまり何と申しますか、内地の國内で輸入物資を賣拂いたしております代金を、ドル價格に直した場合の相場でありますが、これは高いものに至りましては百八十円くらいになつております。それから低いものでは六十円から五十円、四十数円というような極めて大きな開きがございますので、ドル價格で大体どの程度に切つておるかと申しますと、一律にはちよつと申上げ兼ねる、こういう状態なつております。尚詳しいことが若し御必要でありまするならば、尚詳細申上げることにいたします。
  21. 岡田宗司

    岡田宗司君 輸入物資の國内賣却の場合における物價決め方というものは、今後の物價改訂によりましても相当大きな変化が來ると思います。その変化の場合におきまして、それの決め方如何によりましてはこの貿易資金計画表における全体のバランスが非常に変わつて参りますし、それがやはり貿易資金の繰入の問題等に関しまして、相当予算の面にも大きな変化があると思うのでありますが、この輸入物資の今後の賣却に関しまして、政府の方では、物價の騰貴、つまり七割増加になるわけでありますが、その場合における輸入物資の賣却代金変動はどういうふうに扱われるのか、それをお伺いしたい。
  22. 河野通一

    政府委員河野通一君) 今般の物價改訂に伴いまする貿易資金輸出入計画資金収支変動につきましては、先程ちよつと申上げましたように、まだ貿易廳といたしまして公式に決定した計画ではございません。併し私共まだ政府部内の一應の檢討を経ておりませんもので、言わば何と申しますか、大蔵省といたしまして一應の試算をいたしたものがございますので、御参考までに申上げます。その計算によりますと、先程現行物價計算いたしました貿易廳予想表で、資金収入と申しますか、収入が五百四十億となつておりまするものが、大体八百四十億程度に相成ります。それから支出拂出でございますが、拂出六百二十億という数字が八百七十億という数字に相成ります。この内訳は、こういうふうに計算いたしておりますが、これは良し悪しはいろいろまだ議論があると思いますけれども、輸出物資につきましては、今般の七割値上げとか、全体の何と申しますか、一般物價水準引上になるわけでございますが、輸出物資の中には相当実効價格的な、つまり何と申しますか、公定價格引上というようなものでなくして、実効價格的な面も相当含んでおるというような観点から、これを一應五割増計算いたしております。纎維の加工賃につきましては、大体これを六割乃至七割程度増加と看做しております。それからC・P・〇の貨幣價格、これは例のP・X等の納品でありますが、これは輸出物資と同様に大体五割程度増加であるというように見ております。輸入諸掛り、これは拂出になるわけでありますが、輸入諸掛りにつきましては大体運賃、衝運送等諸掛りが高いのでありますから、これは大体倍額100%増ぐらいに見ております。それから貿易外支出は、やはり同じように五割程度増額するのであろうというふうに考えております。輸入物資につきましては、今申上げましたには拂出のほうでありますが、受入れの方におきましては、こう大宗をなします輸入物資の賣拂代金でありますが、これは御承知通り食糧とか、そういうものが大部分を占めております。又石油とか、石炭とか、そういう原材料等もありまするが、大体主食は八割程度上るであろう、それから石油等は大体九〇%上るであろう、その他は大体七割、全体の計画に基きまして、七割程度上るだろうというような計算をいたしまして、これらの加重平均をいたしまして、大体七〇%程度増額になるという見透しを立てております。それから國内におきまする支出の面におきまするC・P・〇と同じものに当る自動車であるとか、医薬品の拂下等につきましては、これはやはり実効價格的な部面が多いというので、五割程度増額と抑えております。貿易外収入につきましては、同じように五割程度増額を見込んでおります。一應こういうような資産に基きまして、先程申上げましたような数字を出したのでありますが、この点はくれぐれもお断りして置きたいのは、まだ内部で檢討を遂げておりませんので、甚だ申せば自信のない数字でありますけれども、御了承頂きたいと思います。右のような計算をいたしますと、恐らく貿易廳で作られました結果の数字が八十二億ばかりの収支不足ということに相成つておりますが、これがやはり約二十八億、二十九億ばかりの収支不足ということに相成つて参ります。これで行きますると、貿易資金借入れ限度百五十億というのが、大体百億程度で、年度末は越し得るのではないかと、こういうように見ております。甚だまだ自信もございませんので、その点はお含み置き願いたいと思います。
  23. 岡田宗司

    岡田宗司君 只今の点で貿易資金計画の帳尻は、大体見透しが付いたようでございますが、これは現在の状況においての話でありまして、更に今後アメリカからの援助物資が、いろいろ今度のアメリカにおける法案の通過によりまして実現されて参りますというと、恐らく輸入物資の賣却代金というものは更に大きな額になつて参りまして、逆にマイナスでなくプラスになるであろうという予想も私共考えられるのでありますが、そういうふうに予想して差支えないでありましようか。
  24. 河野通一

    政府委員河野通一君) その点は貿易廳の方からお答え願う方がよいと思いますが、今後の情勢の変化によつて、どういうふうになりますかということは、いろいろ予想の下に立ちますので、少くとも私といたしましては、十分はつきりしたことを申上げられませんので、私共の手許にあります材料としては、先程申上げました程度にとめたいと思つております。尚ちよつと誤解がありませんように申上げて置きたいと思いますのは、先程申上げました数字は、年度末における数字を大体雜な計算でそういうように一應出したのでありますが、資金繰りの関係で、輸出入の時期的な「ずれ」、つまり輸出が先に出まして、輸入が後に入るということもありますが、その時期的な「ずれ」等から考えますと、必ずしも年度末には資金不足がこのくらい、借入れ金資金不足の最高のピークになるということは申上げられないので、輸出入計画その他から見ますると、資金不足年度末でなくして、或いは年度末等において、資金不足ピークが來るかも知れない。この点につきましては、年度末に大体今申上げましたようなことで、百億程度は、若し万一入れるといたしましても、当然借入金限度が百億でよろしいということに相成らんのでありまして、御参考までに申上げておきます。
  25. 中西功

    中西功君 次に私は特別会計と、それから各種公團との関係について、これはこの前もちよつと述べたのでありますが、われわれに出された予算の中におきましても、貿易公團を初め、その他の公團、或いは食糧配給公團交付金は合計九十三億四千万円程度でありますが、政府のこの処理の仕方を見ますと、大体収入において納付金額がこれだけ、それから支出において納付金がこれだけと、大体額面は全部最後の一銭まで一致しておるわけであります。それで、これはそればかりじやなくて、こういういろいろな特別会計においても同じなんであります。その点が、我々として常識的に考えて非常に不思議なんであります。と申しますのは、公團法從つて公團は、政府剰余金があれば納付するということになつております。この剰余金が出て來る。いわゆる利益金が出て來る。この根源は公團の手数料とか、そうしたものの収入に外ならないのであります。その部分について政府に納付する。ところが政府は今後はやはり公團法とか、いろいろな関係から、これを公團の職員の給料その他の支出については、政府交付金の形で交付するということになつておる。ところがその額が現実の場合においては当然いろいろ出入がある筈であります。ところがこの会計面では、もうどれもこれも皆、交付金も一銭一厘も違わない、同じになつておる。こういうことは決して現実ではないと思う。ですからこれはどう考えても我々はおかしい、少しぐらいは違えておつた方がごまかすにしてもごまかし易いのじやないかと思う。余り一緒になつておることは、やはりごまかしにならんと思う。それで私は政府公團に対して本当の監督をしておるのかどうか。又交團が自分の収支決算について本当の記述をしておるのかどうかということさえ、我々は怪しまざるを得なくなる。まあ直ぐというわけではありませんが、そういうふうな関係に対して、商工大臣は一体どんな監督をしておるのかという問題と、更に各種公團のそういう収支決算というようなものを、やはりはつきりここへ出して貰うことが必要じやないかと私は考えます。
  26. 水谷長三郎

    國務大臣水谷長三郎君) 収支バランスがきつちりと取れているのは、ひとり公團だけでなく、他の産業においても、或いは予算においても、皆収支がきちんと合うようにというのが一つの方式で、敢えて公團だけのことじやないと思います。公團の監督に関しましては、商工省に関する限りは私の方で上手にやつております。
  27. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) 事柄が商工大臣の御関係のみならず、財政全般に亘ることのようでございますから、多少大蔵省の立場におきまして補足的に申上げたいと思います。一昨日主計局長からも申上げたことと存じますが、私共の公團の経理、公團予算に対しまする大体処理の方針は、こういうふうにいたしております。公團の必要なる経費の中、事業費の関係と事務費の関係とに分ちます。國の予算に現れて参りますのは事務費の面でございます。事務費の面を申しますのは、人件費とそれに伴います旅費とか、そういう事務費であります。それで人件費とか、只今申しました事務費をどういう方法でやつているかと申しますと、これは一般官廳と同様の査定方針を以ちまして、関係官廳と相談いたしまして、この公團ではこれだけの人員が要る、又これに必要な旅費はこの程度であろう、或いは備品、消耗品はこの程度のものが要る。先づ以て歳出の面につきまして、政府の監視と同様に厳格な方針を以て私共の方では先ず査定をいたします。そういたしまして年間を通じて見れば、或る公團の人件費、事務費はこの程度のものが掛かるという査定をいたしまして、金を決めるわけであります。この金額只今指摘ありました歳出の方の公團交付金であります。國の監視に関しまして、いろいろと物價廳とか、その他の関係で経費の不足を生じます場合におきましては、追加予算であるとか、予備金支出であるとか、そういう手続きが必要であります。と同様に、私共の現在のやり方におきましては、公團の経費がその交付金以上の不足を見ました場合におきましては、同様の予算上の手続きがいるわけであります。右申しましたように、公團の経費面につきましては、厳格に査定の上で、金額を決めましたものが交付金であります。公團からの納付金はどうやつて決めるかということでありますが、これにつきましては、一昨日主計局長から申上げましたように、大体或る公團について、これだけの金がどうしても要るのだ、なぜならば、交付金から逆に、その公團から幾ら納付すべきかということを決めますときに、その財源が今御指摘通り、手数料その他から出したのでありますから、物價廳その他から、或いは当該公團のとるべき手数料は幾らであるか、マージンが幾らであるかということを決めます場合に、今申しました、國から出ました交付金というものの計算を頭に置きまして、大体この程度の事務取扱であれば、この程度のものだから納付金ができるだろう、出るものと入るものと見合つて決めるわけであります。ぴたつと合うのはおかしいじやないかというお話でありますが、公團本來の性格から申しまして、公團をして特に経費以上の不当なるその手数料が出まして、一般のいろいろの取扱物資價格引上げる必要はないのでありまして、我々といたしましては、この経費をペーするに必要な手数料を公團が中間において取ればよろしい。取扱分量がいろいろ違いますから、場合によりましては、政府から交付した金額以上に多少は上廻ることもありましようし、或いはそれに及ばないということもありますが、これは将來の取扱の数量というものを目安にいたしまして、手数料を決める以上は、当然出てくる実際のことなんです。予算の上で、どうしてぴたつと合せて置くのだということでありまするが、今申上げますように結局におきまして上廻るか、下廻るか、現実の実数はどうなるか分かりませんが、とにかく予算上におきましては、それ以上であつても、それ以下であつてもならないという原則を以て決めまする以上は、最も適格な予算の、この歳入の見積りといたしましては、歳出は同額を公團から取るということで、一應予算上の見積りは立てる外にないのであります。実績んいおきましても上廻るか、下廻るか分かりませんが、経済上の変動がございますから、先ず交付金を決定し、それを大体収支償うように納付金を決める。又その基礎になつているところの手数料を決めるということでありまして、今申上げましたように、公團交付金或いは納付金につきましては、私共といたしましては事務的にも相当厳格に突込んで見ております。又御指摘になりました公團のいろいろ予算書なり、決算書につきまして、いろいろ資料がないじやないかというお話につきましては、いろいろと準備をいたしております。印刷でき次第御覧に供しまして、又御参考の供したいと、こう思つている次第であります。
  28. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 私今のに関連した問題について申上げたいのですが、大蔵省としては帳面尻を合わせるために、入るものと出るものをピタツと合せて置く方が簡単でありましようが、これはやはりその間に収支の違つて來るのが当然なのです。中西君の言われた点、御尤もの御質問であります。併し予算を計上するに、そういうことは無見当でやるわけに行きますまいから、交付するものと更に入るものとを取つて、國の方では別に補充する必要はないことになさることは、これ亦一應考えられないではないのでありましようけれども、併し成るべくこの実際の計数に合うようにして、國はその間において公團の方に不当な利益を與えることのないようにすることが当然であろうと思う、私はかようなことからして、今日清算時期に入りました各府縣の食糧営團の手違いがあるのは、そこじやないかと思います。それでありますから、私はこの場合において政府にお願いしたいのは、各公團の輸送費、収支バランス計算書、それと今まで各府縣で清算しております食糧営團の収支、これを全部國会に、我々の調査資料として提出せられんことを希望いたします。これを要求いたします。
  29. 中西功

    中西功君 それで今大蔵省の方から、とんとんになつておる理由についての話があつたのですが、それも一つの考え方、やり方と思う。併しですね。私がそういうふうなやり方だからですね、やはり公團に対しましては、一應こつちから交付金をやる程度で適当に収支をとれということになるんです。そうでなくてやはり一定の公團に対して諸情勢を勘案し、いろいろ自給関係を勘案して、一定の手数料というものは決めて置いて、そうしてこれは、それに基いて公團がよく言われるような独立的な一つ会計をやつて、そうしてこれを実際に見合わすようにした方が、公團に対しての厳格な監督が会計の上からでも私は行くと思う。それの方が正しい。そうじやなくて、一應適当にこの交付金に見合うていどに手数料を勝手に決めてやれとなれば、これはどうやつてもできるのです。併し極めてこれはルーズなやり方だと思う。そこに現在更に石坂さんから指摘されました、いろいろ公團のおかしな問題が出て來る。これはまあ政府一つも監督していない。監督しておるのは交付金の範囲で監督しておるということに過ぎない。これは怪しからんと思うから、私はこれを指摘したのです。そういう意味において、一つ今後の商工大臣の考えについて一應答弁して頂きたいと思います。
  30. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) 御説明がたりませんでしたので、ちよつと補足させて頂きたいのでありますが、手数料の決定は公團だけに任せておるのではありません。これはすべて物價廳の認可事項と相成つております。私が申上げましたように、その物價廳の認可を受けるに当りまして、どういうものが目安になつて参るかと申しますと、研究査定の上に決まる。つまり公團の人件費において、必要となればその金額を考慮の上で物價廳で一々認可をしておる。こういうふうに申上げます。
  31. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 関連してお尋ねしますが、貿易関係のことですが、年度末が八十億ぐらい赤字があつて、今後見透は尚何百億加わるか、或いは五十億加わるという予算を立てるようですが、先程政府委員からインベントリーによつて貿易の趨勢が分かるという話があつた。そのインベントリーによつて國内に放出される輸入物資の総額はどの位になつておるか。この際御発表願いたいということが一つ、もう一つ輸出物資についても同様の関係にありまして、ドル資金が非常に赤字、アンバランスなつておる。それに対しましても輸出物資が、買上代金ドルに直せば、どの位の程度になるかということを御発表願つて、國全体の貿易の趨勢ということを明らかにして頂きたいと思いますが、これに関して関係政府委員の回答を求めます。
  32. 村岡信勝

    政府委員(村岡信勝君) それでは只今のお尋ねに対しまして、簡単に昨年末におきまする貿易資金の円の方の側の状況がどうなつておるかということを申上げたいと思います。確かに円の側で資金の上からは相当年度としても不足するのでありますが、損益の上から申しますと、必ずしもそうではないのでございまして、御指摘のように輸入物資のインベントリー、それから輸出物資のインベントリー等のあります関係上、円の側においても相当な黒字が出て参るような事情になつております。終戰後、昨年末までの集積されたものとして、昨年末の財産状況を申上げて見ますと、資産の方の側に属しまするものとしては、貿易公團に対する貸付金、それから輸出品手持、それから輸入品の手持、それから輸入品で物を賣りまして、まだ金が入つておりませんいわゆる未収金、そういうものが大きな金額でございますが、概略の数字を今の順で申しますと、貿易公團に対しまする貸付金が百三十四億、輸入品の手持が約二十三億四千八百万円、未収金が八十億六千七百万円、その他輸入綿花の手持、これは市價取引品も含めまして相当な数量に達しておりますが、先ず綿花の評價でございますが、これは御承知のように、政府が終始タイトルを持つてつて民間に拂下げない、それを加工委託いたしまして、加工のうえ輸出するのでありますが、それの評價は実は原綿等について相当の問題がございますが、現に内地に放出する部分についての評價、現在で行きますと一ポンド当り十四円九十銭でありますが、そういう評價方法によつて申しますと、綿花勘定で約八十三億六千八百万円の資産を擁しておる関係になります。その他資産面に属しまするものとして若干ございますが、そういうものを含めまして、昨年末における総資産の額は概略三百三十四億五千七百万円というものが資産面に現われております。これに対しまして負債の方の勘定といたしましては、例えば輸出品の買上でまだ金を拂つておらないきんがくであるとか、又輸入諸掛りで未拂になつている金とか、そういうものが負債になるわけでありますが、そういう負債の総額が昨年末現在で概略百二十七億円でございます。從いましてこの資産と負債とを差引いたしました約二百七億というものが円の側における一應利益勘定、利益と言うことができます。これに対しまして、すでに先程長官から申上げましたように、昨年末におけるドルの支拂勘定が約五億一千万ドルということに相成つておるとすれば、この五億一千万ドルに対應する円の側の利益が幾許であらねばならないかということが考えられるのでありますが、今申しましたように、現実には約二百七億程度のものが円の側の利益になつておりますので、こういう工合に五億ドルの支拂債務に対して、僅かに二百七億しか円の側の利益がないということは、何のために來るか、結局これは輸出品輸入品の値段の問題に帰著する、さようなことが一般論として言えることであろうと思います。簡単に貿易資金の円の側の昨年末の状況を申上げました。
  33. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 只今の御説明で昨年末五億ドルという数字を挙げられておるが、我々発表願いましたのは、確か五億二千万ドル輸入代金で、輸出代金が約一億七千万ドル、差引三億五千万ドル承知したのですが、今日は大分数字が違いますが、間違いないのですか。
  34. 村岡信勝

    政府委員(村岡信勝君) 今おつしやいました数字は、実は昨年中だけの数字であります。  私が先程申しましたのは終戰後、昨年末までの総期間に亘る数字であります。
  35. 奥むめお

    ○奥むめお君 いつも財政全般に亘る大きな問題の御質問で時間がなくなつてしまうのですが、今日は幸い商工当局の方もおいでになりますので、私共も一番國民が一番聽きたがつておる纎維製品のことの見透しを伺いたいと思うのですが、農村に行きましても、報奨物資として渡される纎維製品は高くて、そうして実用にならないからといつて買わないで、農業会あたりが随分手持で困つている筈です。又都会の方でも配給物資が大変高くて、実用にならないものが多くて、随分残つていて困つておるのでありますが、これが凡そどのくらい残つておるか、御調査が進んでおると思いますが、聽かして欲しい、又そういうふうなものをどう処分なさるおつもりかということ、それから纎維製品が非常に配給品も高くなつておるのですが、これから尚値上げをして、いろいろ税金が掛かつてつたら非常なものになると、消費者は予想して心配しておりますけれども、そちらの見積りではどういうふうになつておるか、又第三点として、この輸出向に予定されていたメリヤスや木綿のものが、國内の浮動購買力を吸収するために自動販賣にするとか、いやこれは労務者の方へ廻すとかいうことが新聞に出ておりましたけれども、それがどういうふうな扱いに決つたのでございますか、それも伺いたいと思います。  即ち國民としては、食物の次に衣料はどん詰りになつておりまして、今までこそ日本の家庭内には箪笥の肥しがあると言われておりましたが、勤労者と言わず、家庭にある者と言わず、纎維製品では非常に窮屈で無理しております。而も去年あたりから、市場には沢山並べられておるが、去年の一年の配給は商工大臣の御声明にも拘わらず、殆んどなかつた。去年受けなかつた分を今年廻して貰つても足りないくらいですから、是非去年の足りない分だけは、今年はそれだけ加えて配給して貰わなかつたら、それだけでも大変な問題になるぐらいに個人の家庭の纎維生活は困つておるのであります。要求しますと同時に、当局の御答弁を願いたいと思います。
  36. 鈴木重郎

    政府委員(鈴木重郎君) 大体の今年の見透しにつきましては、現在のところ、この國民衣料の配給になります原料計画等が、まだ安定本部を中心にして檢討中でありますし、又我々としては、昨年度に比べまして或る程度増加をいたすように努力をいたしておりますが、この輸入原料の國内放出量に関する決定が、まだ関係方面と了解が付きませんので、まだはつきりしたことは申し上げ兼ねますが、大体において特に一般の農村向け、或いは工場、鉱山その他の方面の報奨用であることか、労務者用といつた方面について、昨年よりも或る程度増加をいたすように考慮をいたしておりますし、又その物質的な点から申しましても、特に綿製品を充当いたしまして、その品質的な改善を図るように目下懇請中でありますから、いずれ近い機会に決定する見込であります。昨年の配給の結果につきましては、只今お話もございましたように、一般家庭配給その他労務者配給、困窮者用配給その他学童、妊産婦といつたような特殊配給を相当いたしたのでございますが、只今指摘にもございましたように、その品質が希望に合はない、或いは値段が高過ぎるといつたような関係から、昨年の配給物資がやや残つておるのは事実でございまして、特に不足いたしましたものはタオルであるとか、足袋とかいつたようなものでございまして、一般的に人絹製品、或いは補修布といつたようなものは、全國的に見ますと、相当つておるような状況でございまして、これに対しましては、昨年の切符をそのまま今年の九月までに有効に使用できるようなことといたしましたし、又本年の配給方法につきましても、只今指摘のように、成るべく需要家の選択して希望する物資の買い得るような制度に改めようといたしております。即ち昨年の配給は、いわゆる指定品目配給をいたしたのでございますが、実際問題といたしましては、必ずしも引揚民の方が全部が全部毛布がいるわけでもなく、又一般家庭にいたしましても、全部が縫糸、足袋或いは補修布が要るわけではございませんので、これからの程度を見まして纎維製品、いわゆる点数制度によつて選択して買うというような制度にいたしまして、從つて年度配給いたしました一般の物資も、今回点数制に切り替えまして、昨年度の衣料切符の点数と、及び今年度七月以降発行発行されます衣料切符の点数によつて買えるようにいたしたいと考えております。ただ價格問題につきましては、一般的なこの原料生産コストが、綿布にいたしましても、或いはスフにいたしましても、人絹その他にいたしましても、或る程度の改訂を見ようといたしておりますので、それに関連いたしまして、最終製品である衣料品も、或る程度價格改訂が行われると存じます。ただ併しながら、一般最終商品の衣料品の價格につきましては、消費者の立場も考えまして、一般の原料のような原價計算主義の計算もいたさないで、極力中間経費を軽減いたしまして、その値上限度を最小限に止めるように考慮中でございます。從いまして本年は、数量的には更に今申上げましたように、大体昨年の一ポイント八分に比べまして、どの程度増加し得るかということは、まだ申上げ兼ねるのでありまするが品質的には相当改善されて参りますということ、又数量的にもでき得る限り輸入原料國内放出の増加を懇請いたしまして、御相談中でございます。尚新聞紙上等に報ぜられました輸入品の國内放出問題は、メリヤスの問題にいたしましても、綿布の問題にいたしましても、これはもとより輸出を目的に作つたものでございまして、これが直ちに國内に放出されるというところまでは現在まだ行つておりませんが、國内の衣料計画を編成いたしまする関係から、原料の國内放出をいたしましても、これが製品化するには相当の時間を要しまするので、私共といたしましては、でき得る限り、これらの滞貨を振替えて頂きまして、國内の供給を時間的に早くするように目下御相談をいたしておりまして、これも近く或る程度の決定を見る状況であります。大体概況はその通りであります。
  37. 奥むめお

    ○奥むめお君 ちよつと重ねてお尋ねしたいのですが、切符だけ貰つても、去年賣れ残つた物を又今年買えといわれても、消費者として非常に困ると思う。使いものにならないから買わなかつたわけですから、それでは私答弁にならないと思います。その賣れ残つた物を、これはどうするのですか、それからもう一つは規格を役に立つものを拵える。家庭には人絹布も材料原料も要るし、こういうものを、消費者の要求というものをどの程度に、註文をお附けになるときに入れるような途を作つていらつしやるのかどうか。私共婦人としては、こんなに配給が遅れるくらいなら、原料を貰つたら自分達で拵えるということを、あちらこちらで聞くのでありますが、役人仕事として任せて置くには余りに問題が重大だと思うのでありますが、その点を……。
  38. 鈴木重郎

    政府委員(鈴木重郎君) お答え申し上げます。昨年の配給に引き当てましたものは、可なり粗製品等も多くございましたし、又原料関係から申しましても、只今指摘のように、必ずしも輸入原料のみによりません関係から、比較的粗悪品がが多うございました。從つて今日残つておりますものは、今お話し、一應切符によつて割当てたのでありますが、或いは品質の点、或いは價格の点、或いは需要家の、実際の需要者の立場において購入しなかつたというのが今日残つておるのであります。併しながらこれは先程申し上げましたように、いわゆる品目を指定して配給をいたしたい。他の品物ならば欲しいが、割当てられたものは要らないという物件も可なりある。例えば補修布にしても一ヤールという制限がございましたので、その一ヤールだけでは何ら利用價値がない。仮に三ヤールなり、四ヤールなり買えるならば、適当な利用方法があるという方もございまするし、或いは製品の代わりにシヤツが欲しい。こういうような方もあるわけで、こういうような点を考えまして、昨年度配給されましたものの残品を、昨年度の切符に点数切符がついておりますが、その点数切符によつて自己の希望するものを買取つて頂けるようにしたのでありますが、本年度は成るべくその上に自分の希望されるものを選択できるように、品目の指定を極力制限いたして、需要者の希望に副うように改善したい。こういう心掛けで進んでおるわけであります。特に問題は、今御指摘もございましたように、消費者の希望が果たして生産計画にうまく反映しておるかどうかという点でございまして、この点はでき得る限り一般の需要の調査もいたしておりまするが、大体におきましては、点数切符で選択して買い得るようになりますると、どういう商品が点数によつて消化されて行くかということが漸次分つて参りまして、その消化された物件、即ち重要の品目に対しまして、実際の生産割当を進めて行くというようなやり方によりまして、極力需要者の希望を、製品の生産計画に反映せしめるように努力をいたしております。又今お話もございましたように、その補修布、その他等の配給方法が、昨年は一ヤールというような制限もございましたために、必ずしもシヤツ或いはその他足袋が欲しくないに拘わらず、布地として買えなかつたということもございますが、その点も今回は布地につきましても点数制を施行いたしますので、製品の代わりに布地でお買い願うこともできるのでありますが、成るべくは実際の需要に合うような製品だけを出し、その他のものは極力消費者の需要が判明して参りますものをリンクして、新らしい原料を配給し、それによつて必要な製品を作つて行く、こういうふうにいたしまして、需要と生産を成るべく合致せしめるようにやつて行きたい、こう考えております。
  39. 櫻内辰郎

    委員長(櫻内辰郎君) 午後一時まで休憩いたします。    午後零時三十九分休憩    —————・—————    午後一時四十九分開会
  40. 櫻内辰郎

    委員長(櫻内辰郎君) これより午前に引続き委員会を開きます。速記を止めて……。    午後一時五十分速記中止    —————・—————    午後四時五十五分速記開始
  41. 櫻内辰郎

    委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて下さい。本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     櫻内 辰郎君    理事            木村禧八郎君            西川 昌夫君            岡本 愛祐君            村上 義一君            中西  功君    委員            岡田 宗司君            カニエ邦彦君            小泉 秀吉君            中村 正雄君            村尾 重雄君            石坂 豊一君            小野 光洋君            大島 定吉君            佐藤 義詮君            入交 太臓君            油井賢太郎君            木内 四郎君            小畑 哲夫君            田口政五郎君            飯田精太郎君            岡部  常君            奥 むめお君            河野 正夫君            西郷吉之助君            島津 忠彦君            島村 軍次君            姫井 伊介君            渡邊 甚吉君            池田 恒雄君            藤田 芳雄君   國務大臣    文 部 大 臣 森戸 辰男君    商 工 大 臣 水谷長三郎君    労 働 大 臣 加藤 勘十君    國 務 大 臣 野溝  勝君   政府委員    総理廳事務官    (地方財政委員    会事務局長)  荻田  保君    大藏事務官    (主計局第一部    長)      東條 猛猪君    大藏事務官    (主計局第二部    長)      河野 通一君    商工事務官    (貿易廳経理局    長)      村岡 信勝君    商工事務官    (纎維局長)  鈴木 重郎君   説明員    総理廳事務官    (経済安定本部    財政金融局長次    長)      渡邊喜久造