運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1948-04-27 第2回国会 参議院 予算委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年四月二十七日(火曜日)    午後二時三十七分開會   —————————————   本日の會議に付した事件 ○昭和二十三年度一般會計暫定豫算補  正(第二號)(内閣送付) ○昭和二十三年度特別會計暫豫算補  正(特第一號)(内閣送付)   —————————————
  2. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 只今より開會いたします。最初に西郷委員から發言を求めておられます。
  3. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 從來本委員會理事竝びに第一分科主査を勤めさして頂いておりましたが、今回地方財政委員會の政務次官に就任いたしましたので、皆様のお許しを得まして、理事竝びに第一分科主査を辭任さして頂きたいと思います。本日就任の御挨拶かたがたお許しを得る次第であります。どうぞよろしくお願いいたします。
  4. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) これより質疑に入ります。左藤義詮君。
  5. 左藤義詮

    左藤義詮君 昨日暫定豫算説明を頂いたのでありますが、現内閣ができましてから、相當の日数が經つておりますが、四月、続いて五月、大藏大臣は六月は決してしないとおつしやつておりますが、私共は若しかすると六月もそうなるんじやないかと思う。かようないわゆる暫定豫算、ただ数字を竝べただけで、現内閣としての強力な政策を盛り込んでいない豫算で、二ヶ月以上空費しなければならんということは、私共としては非常に残念に思うのであります。殊に總理が熱心に主張されております外資受入態勢の確立ということから申しましても、早く本豫算を、あらゆる政策根本問題を解決して本豫算を出さなければ、私は受入態勢ができないと思うのであります。昨日運營委員會で大體の御方針を伺いましたが、もう一度この豫算委員會において、本豫算をどういうような方針で今御編成になつておるか、いつまでにお出しになるか、その點を先ず一つ伺いたいと思います。
  6. 芦田均

    國務大臣芦田均君) 左藤君の只今の御質問にお答えします。本豫算編成は、目下關係當局において夜を日に繼いで事務の進捗を圖つておるのでありますが、豫算に織り必む種々の問題の中で、一番大きな問題は價格改訂の問題であります。それが決定しない場合には、國家の歳入においても、歳出においても非常な影響を與える問題でありますから、本豫算編成することができないことは御承知通りであります。従つて先ず價格改訂行つて、それに必要とする諸般の法律を起草して、これを國會に提案するということが、本豫算國會に提出する先決問題になるのでありますから、實際手數からといいますか、事務的の手續きとしては、豫算編成よりも、むしろ價格改訂による影響考えて、それを豫算の上に表すことが非常に複雑になり、手数がかかるという實情であります。從つて目下安本、大藏當局の間において、價格改訂最後決定を急いでおるのであります。できるだけこれを進捗いたしまして、何とか十日前後には國會に必要な法律案を提出いたしたいと考えております。豫算については、これに次いで國會に提案いたす豫算でありますが、できるだけ早いことを努めておりますけれども、恐らく來月の中旬よりも以前には提案することは困難かと考えるのであります。
  7. 左藤義詮

    左藤義詮君 四月十八日でありますか、總理内閣記者團に、本豫算編成の際には三黨協定内容を相當實現できると思うと、かようにお話になつて治るようでありますが、總理大藏大臣も先月の暫定豫算の審議の際には、軍事公債利拂停止はこれをやる、利拂停止前提として委員會と申しますか、懇談會を持つ、その委員會結論というものは、未だに明確になつていないように了承いたすのでありますが、十九日に總理が大阪の中央公會堂民主黨大阪支部役員會で、さきに發表した施政演説を噛み締めて貰えば分ることだが、社會黨政策考えていない、飽くまでも我々の考えでやつておるので、軍事公債利拂停止も、第三次農地改革もやる意思はないと仰せられたと、これは日本經濟新聞に載つておるのでありますが、又一方西尾總理は、岸和田において、北村君の言うように、今となつて軍事公債利拂停止は全く無意味であり、政府としてもこれを行う意思はない。この問題を繞つて黨内が混亂しても解決する確信は十分あると、かように記者團に言明をしておられるのでありますが、社會黨といたしましては、黨大會決定せられ、政策協定も、利拂停止的な處置ということで話を進められておる。總理も、大藏大臣も、この前の豫算委員會においては、大體やることを前提として委員會を作ると、かようにおつしやつてつたのでありますが、だんだんその間に喰い違いができて來ておる。これに對して政府としては、どういうような現在方針で進んでおられるのでありましようか。
  8. 芦田均

    國務大臣芦田均君) 左藤君の御指摘になりました新聞記事の話、及び西尾君の話の問題でありますが、西尾君には、その後新聞記事の正確であるかどうかを確かめて見ておりませんから承知いたしません。私の話として只今御引用になりました新聞記事は、少し違つておるように思いますが、まあ新聞記事の問題を取り上げて、かれこれ言つても結末のつかんことでございますから、政府考えておることを率直に申上げた方がよかろうと思うのであります。三黨政策協定の定めたところに從つて委員會を作りまして、この委員會には、相當問題の性質に鑑みて、朝野の經驗、學識のある人を委員に依頼して、そうして種々研究を進めて參りたいと思うのであります。無論この委員會性質上、多く政策的な傾向に立ち入ることは好まない。純粹の財政經濟の技術の觀點から意見を纏めたいということで、數囘の會合を開いて來たのでありますが、恐らくここ數日の内には、委員會報告内閣の方に提出せられる豫定であります。内閣としては、これを實際豫算面に取り入れ、今後の財政の上にその政策を實施するのでありますから。それぞれの手續を經て最後決定をしなければならんわけであります。今日のところでは、その委員會報告内容は正確には無論分りませんが、軍事公債利子支拂の停止についての根本の見解に對しても、委員會の内部に必ずしも意見の統一がないというふうに傳えられております。從つて政府としては、これらの權威ある人々の意見報告書によつて承知した上で、至急最後決定をいたしたい、こういう態度に出ておるわけであります。
  9. 左藤義詮

    左藤義詮君 そういたしますと、委員會答申そのままを政府方針となさるのでありますか。或いは答申如何に拘わらず三黨政策協定精神に沿うてお進みになるのでありましようか。もう一遍申し直しますと、委員會決定というものが、この問題を解決する最後責任を負うのでありましようか。それとも委員會はただ政府の諮問をなさるので、責任はどこまでも政府立場において、三黨の協定に立つておる。政府責任において處置なさるのでありましようか。
  10. 芦田均

    國務大臣芦田均君) もとよりこの軍事公債利拂を停止するには、必要な法律を出さなければなりませんし、又その決定従つて豫算編成も決まるのでありますから、責任はもとより政府にあります。併し政府がこの決定をなすには、十分委員會意見を尊重することが、三黨協定ができ上つた當時精神である、かように承知しておるわけであります。
  11. 左藤義詮

    左藤義詮君 それでは、若し委員會利拂停止に對して反對の答申を出されたら、政府利拂停止はおやめになる御意思でありましようか。
  12. 芦田均

    國務大臣芦田均君) 實はそこまでまだ閣議では問題を決定しておりません。委員會報告を見た上でその點をはつきり決めたいと思つております。
  13. 左藤義詮

    左藤義詮君 大藏大臣がお見えになつておりますが、大藏大臣は十八日ですか、京都の驛で記者團と會見されまして、軍事公債利拂停止の穴埋めを、第二封鎖預金で行うことは全然無意味である。この問題を押しつめれば憲法違反の疑いも出て來る。又利拂停止によつて軍事公債全體として非常に値下りを見るから、外資導入の重大時期に際して、國家債務支拂わんという印象を與えるということは面白くないという御意見を表明しておられるのでりますが、この前の四月の暫定豫算豫算委員會において、特に衆議院の豫算委員會において、利拂停止をやることを前提として委員會を持つというふうに御説明なつた。その當時から、こういうようなことは御承知になつてつたのであるか、或いはその後御研究の結果、只今のような不都合が生じて來るというようなことを御發見になつたのでありましようか。
  14. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 只今の御質問にお答え申上げます。實は三黨の政策協定というのは、三黨で何といいますか、歩み寄つてできたと申しますか、ものによれば完全に一致したものもあれば、相當練りに練つて到達點に達したものもあるわけでありまして、これはまあ一應三黨が連立の内閣を作つている以上は、お互いにできるだけのことを協調してやるという精神から、政策協定ができたのでありますが、私は極く率直に申しますというと、只今のお聞きになりました話の前提に、こういうことをいつておるのであります。これはまあ極く率直に申すわけであります。三黨の中、社會黨利拂停止ということを黨大會で御決議になつておる。從つてこれはまあ社會黨立場から言えば、非常に重大な問題として扱われておるけれども、ドレーパー・ミツシヨン來朝したことを契機として、その後日本情勢というものは可なり大きな變化をしておる。例えば外資導入具體化の問題、その他日本金融機關再建整備を促進するということについての示唆、その他各般の情勢というものが、ドレーパー・ミツシヨン來朝契機として著しく變化しておるのであります。或いは社會黨は、これはまあ私の一つ私見でありますけれども、ドレーパー・ミッシヨンが來て後に黨大會があつたならば、或いはああいう決議をされなかつたのじやなかろうかと想像するということを前提として、今ちよつとお聞きになつた例と多少違うかも知れませんが、そういう意味の話をしたのでありますが、これは現在においては、私の偽わらざる、極めて率直な考え方でありまして、外資を導入しなければならんという今の段階においては、これは今少し再檢討を要するのじやないかと、そういうふうに私は考えているのであります。それから只今お述べになりました憲法云々のことは、これはまあ利拂を打切るべし、こういう打切ることを可とするという御意見の中に打切つてどうするか、そうすると打切らるべき公債所有者の九十何パーセントは金融機關である。金融機關預金利拂影響するから、預金利拂を停止するのかというと、それをやつたんでは金融機關全體に非常に大きな波動を與えるから、それはいけない。それでは貸出利率を上げて、それでカバーするかということになると、これはむしろ物價を高くする原因になりますから、インフレ対策として、公債利拂打切りということには少し縁が遠くなつて來る。どうしたらよいんだというようなことで、多少論議をした際に、打切るべしと言われる方の方の御意見として出たことは、第二封鎖預金を以てこれに充てるんだ、こういうような御意見ちよつと出たのであります。これは極く率直に申上げるわけでありますが、そうすると、若し假に第二封鎖預金というものを以てこれに充てるということになると、国家国家の當然拂うべき債務を一應ちよつと停止する。これじや現にこれを所有しておる人が損をする、その所有しておる人が損をしてはならない。たまたま第二封鎖預金を持つておる人から、その第二封鎖預金切つて、一方の方を埋めるということになると、これはやはり相當法律的に問題になるのではないかというようなことを私は氣附きまして、或る席でそういうことを言つたこともあるので、それは決まつたわけではありませんが、假に一つ意見として第二封鎖を以て處理したらよろしいという意見がありとすれば、そのことは法律問題としては尚相當に問題になり得る、こういうふうなことを成る席で述べたことがあるのでありまして、そういう意味のことをお聞きになつたんじやないかと思いますが、これは現在私思つておることは、そういうふうなことを考えておる。  それは先程總理が申述べましたように、このことについては折角御研究を煩わしておる委員會のまだ結果についての御報告がありませんので、その御報告中心として考えなければならんのでありますけれども、私一個の考えとしては、殊にドレーパー・ミツシヨン來朝後、内外の情勢變化伴つて、そういうふうな意味考えておるというような意味のことを述べたのであります。
  15. 左藤義詮

    左藤義詮君 社會黨黨大會決定しましたのがドレーパー・ミツシヨン來朝前でありますが、三黨協定を行なつたのドレーパー・ミツシヨンが來られた後であります。前の豫算委員會で、大藏大臣利拂停止前提として委員會を持つと言われたのも、ミツシヨン來朝の後なのであります。そうしますれば、三黨協定常時、尚軍事公債利子の問題をどこまでも強行しようという社會黨は、大藏大臣の所見を以てしますれば、甚だ時局を認識しないと申しますか、惡く言えば一旦言い出したことだからというので、それにこだわつておる。今日の情勢變化では、それを社會黨としては捨てるべきだ。西尾總理なんかの言動にも、そういうふうに我々には受取れるのでありますが、大藏大臣としては、只今社會黨は今大藏大臣考えられまするような御意見をよく社會黨お話になつて社會黨としてこの問題を引込ませると申しますか、この問題は打切りにする、こういうような政府としては確信をお持ちになつておるかどうか。
  16. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 今左藤君のお述べになつたようなことを考えておるというわけではないのでありまして、たまたま京都記者團との懇談のときに、お前はこういうことを言つておるじやないかという御質問がありましたので、その言うた意味は、こういう意味のことであつたということを表明したのであります。先に總理が申述べましたと同様であつて、これは折角權成あるそれぞれエキスパ—トが、今專門の立場々々によつて研究を願つておるのでありまして、その結論もまだ出ておりませんが、それを中心として、政府政府責任としてこれを處理する、こういうことは今總理が申上げられた通りであります。
  17. 左藤義詮

    左藤義詮君 私共の漏れ聞いておるところによりますれば、委員會としては贊否兩論が對立して結論が出ない。贊否兩論をそのまま竝行して政府答申すると、さような空氣であると伺つたのでありますが、そういう場合には、委員會責任に轉嫁させることはできませんので、政府としては自主的にこれを解決せなければならない。只今お伺いしましたような大蔵大臣の所信に待つて進まれるのであるかどうか。
  18. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 私は只今申上げたような考え方をいたしております。併しながら政府政府責任においてこれを處理するという場合には、これはいわゆる三黨それぞれから出ておる閣僚でありますから、どういう結論が出ますかまだ分りません。又委員會結論もまだはつきりいたしておりませんので、御説のごとく兩論があつたことは事實でありますが、そのままで出るか、或いは二つのものとして出るか、まだはつきりいたしておりませんので、出た上でそれに善處をいたしたい。どういう方向に持つて行くかということは、到底ここで申上げ得ることでありません。私一個の私見は、たまたま先程の記事を掲げられたので、こういう意味のことを話をしたということを申上げた次第で、政府としての根本方針は今後決定すべきである。かように考えております。
  19. 左藤義詮

    左藤義詮君 尚總理に澤山お尋ねしたいことがあるのでございますが、總理は御退席になりましたので、改めて御出席を待つて質疑を繼續したいと思います。
  20. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 島村君。
  21. 島村軍次

    島村軍次君 緊急に、大藏大臣出席でありますから、お尋ねいたしたいと思います。  先般本會議におきまして、私の金融債券處理に關する質問に對する大藏大臣の御答辯は、このことによつて生じた赤字をそのまま新たに發足いたしまする協同組合の負擔とすることは如何にも無理である。從つてこの點に關しては政府において補償することにいたしたい、かように考えておる次第であります。こういう御答辯であつたのであります。よろしゆうございますか…。
  22. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) どうぞ。
  23. 島村軍次

    島村軍次君 ところがこの問題は事務的に……。お話中でありますから、ちよつと質問を保留します。
  24. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) よろしうございます。どうど。
  25. 島村軍次

    島村軍次君 その情勢及び内容については、よく大藏大臣承知のことだと思うのでありますが、その後の處置を如何に考えておられますか。その具體的な問題についてはつきりと承わつて置きたいと思います。すでに今度の農業國體整備法によりまする農業協同組合は、協同組合法によつて設立後、この整備法にはつて最終處理を行なつておるのでありますが、問題は、新舊勘定が合併をしたものが、更に舊勘定に移るということのために生ずる積立金及び出資金が、最終處理後において損失になると、こういう結果になるのであります。そこでその問題に對する協同組合におきましては、赤字をそのまま新たに發足する協同組合の負擔とすることは無理であるという御解釋に對して、具體案をお立てになつておりますが、事務當局お話ではなかなか至難のようでありますので、むしろこれは大藏大臣政治責任において、はつきりして頂きたいと思うのでありまして、農村といたしましては、この問題に對しては、非常な關心を持つておるのでありまして、一應その點を伺つて見たいと思います。
  26. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 新たに發足いたします農業協同組合に、古傷を負わしてはならないというような建前は、これは、そういう方針で行くことになつておりますが、尚農業會と、それから農林中央金庫との關係がありまして、これに對する政府の補償の枠が決まつておりますから、その關係は、具體的にはどういうことになるかということについては、只今銀行局長を呼んでおりますから、銀行局長から具體的お話を申上げます、それからこれについて、私よりも御答辯申上げたいと思います。それまで留保いたします。
  27. 島村軍次

    島村軍次君 それでは、この問題を保留いたしまして、一應打ち切ります。
  28. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 外に御質疑はありませんか。
  29. 中西功

    中西功君 私の質問は、非常に細かい點が多いのであります。  一つは、これは簡單でありますが、鐵道公債を、その筋との話し合いで、借入金に振替えるというような説明を受けておるわけでありますが、これは、どんな理由で振替えられるか。又それが鐵道の今日の經營にどんな作用をなすか。どんなことにつきまして作用をなすのか。それを聽きたいと思います。
  30. 河野一之

    政府委員河野一之君) 鐵道公債發行額の問題でございますが、これは今回本豫算を提出いたします時に現われて来る問題でありますが、いわゆる獨立採算制ということで、いわゆる新べースで以て立てて行く財源に當てる公債について、相當な移動が生ずる。そういう関係もありまして、鐵道會計における公債發行額というものは、暫定豫算におきまして、確定的に移動するのは如何かと思われるというような意見もございまして、その決定に至るまで、一時借入金で繋いで行つては如何なものか。こういうようなお話がありました。
  31. 中西功

    中西功君 分りました。もう一つ、これも簡單でありますが、今、國家行政組織法というものが問題になつておりますが、この諸官廳の職員の定員は、大體それがいつ頃決められれるのか、又大蔵大臣政府の意向としてどんな見込みを持つておられるのか、それを少し聽きたいと思います。
  32. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) これは、行政全般について、刷新をしなければならんというふうなことを非常に強く言われておりまして、從つて先ず以て地方への中央官廳出店です。中央官憲というものを先ず整理したい。それことについては、可なり具體的な案が立てられておりまして、これは餘り遠くない内に、皆さんに諮りすることができるのではないかと考えておりますが、その點から少しこれも整理をして行きたいと思います。それから前片山内閣の終り頃に、豫算定員の二割五分を先ず減すらというような考え方行政整理をしようとしたのでありますけれども、これはどうも多少抽象的の憾みがある。そういうような考え方よりは、能率本位行政官廳のあるべき姿というものを再検討して行くべきぢやないかというような考え方から、先にも申しました出店出先官憲整備等合せ考えたわけでありまして、行政組織法が出ますような場合には、一應の人員等も分ると思うのでありますが、これは只今のところまだ具體的にその官吏の員数というようなものについて、具體的に申上げる段階ちよつと入つてゐないのです。
  33. 中西功

    中西功君 二割五分天引きという原則は大體今持つておられないのでありますね。
  34. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 一應それを引込めた形になつています、
  35. 川上嘉市

    川上嘉市君 新聞にこの間發表になりました勤勞所得税改訂、それから法人税改訂、それによりまして、どれだけ收入が減りますか、それをちよつとお伺いしたいと思います。
  36. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) その點につきましては、無論勤勞所得税輕減、並びに法人税輕減は今可なり具體的研究いたしております。それでこのことに物價改訂等と重大な關係がございまして、全體を見渡したところで押え方が變つて參りますので、只今そういうことを全體として物價の又一般としての税の考え方をするというような面かちも檢討いたしておりまして、只今ここで具體的に數字を申上げることはちよつと暫らく御猶豫願いたいと思います。
  37. 川上嘉市

    川上嘉市君 極く大體は分りませんか。
  38. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 全體に非常に關係を持ちますので、今暫らく御猶豫を願います。
  39. 川上嘉市

    川上嘉市君 それではお尋ねいたしますが、そのための減少は幾ら程になるか分りませんか、その埋合せ財源はどこからお求めになるのですか。
  40. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) まあ當然その埋合せをしなければなりませんので、これは只今相當檢討を加えておるのでありますが、これは先程總理が申しましたように、成るべく早く本豫算を出しますので、その時まで一つ御猶豫を願いたい、かように考えております。
  41. 川上嘉市

    川上嘉市君 お尋ねいたしますが、この新らしい健全財政をやるためには、結局は闇をどう取締るかと、こういう問題に歸著すると思います。殊にインフレを破綻に導くか、導かんかということも、大部分それに影響するように感じます。實は前内閣時分物價政策は非常な失敗と、世間で考えられるその最も主なる理由一つは、闇を取締らずして、一方において或る價格安定帶、六十五倍という價格まで引上げたけれどもそれは闇を取締るという前提の下に初めて正當化されるものが、それがいけなかつたために、却つて物價を上げるということだけで、下げるという方の效果は一つもなかつたというようなふうになつたように考えております。又今の政府が闇を取締るということについて、どんなふうな具體的に決意をお持ちになつておりますか又その方法をどんなふうにおやりになりますか、そこらの具體的お話を少し承わりたいと思います。
  42. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) これは闇が非常に横行いたしますことは、一面においては物がそれ程缺乏しておるということがあるようでありまして、從つて物が殖える方向努力しなければならんということと、といつても俄かに生産が増強するわけでもございませんし、實際現に退藏されておる物を一一正常なルートに乘せるというようなととが必要であると考えまして、從つて物資の所在を明らかにいたしまして、そういう點から物資を追い出して來るというふうな點に可なり努力を今いたしておるのであります。  それから一面闇になるべき購買力を資本化する、資金化するという面も努力しなければなりませんので、新らしい年度の貯蓄目標を三千億圓といたしまして、その面から購買力化を、むしろ資金化に廻すというような努力も極力いたしておるわけなんであります。それでかような面と、それから今の健全金融主義と申しますか、そういうことから來る通貨を抑えておりますことが、やがてこれは退藏の期間が長くなると堪え難いようになつて來る。そうして金に換えなければならん。金融的な關係から金に換えなければならんというような方向も現に現われつつありますので、即ち申しますように、物が足りないということについての、増産は急に間に合いませんけれども、あらゆる方面に退藏されておる物を追い出して來るというような面について努力する。そうしながら闇を一面徹底的に取締るというので、五月一日から經濟監視廳というものが新たに設けられまして、それが專ら經濟の流通秩序を確保する、闇退治をするという方面に、今までよりは格段の努力をする。こういうふうな點を併せて行ないまして、川上さんのお話の闇を抑えるという點に相當力を入れて、これがお話の如くインフレを抑える重要なる一つの途として努力を傾倒したい、かように考えておる次第であります。
  43. 川上嘉市

    川上嘉市君 例えば二、三例を申上げまするけれども、料理屋でありますが、これは全國にどれだけの……或る議員がこの前委員會質問に、六千軒ぐらいある。それらが只今はみんな表面上禁じられておるに拘わらず、殆んど公然の秘密と申しますか、料理屋が依然としてあつた。而も旅館という看板で以て大部分やつている。その拂いが非常に高いということは周知の事實でありまするが、そういつたものが料理が表面で許されておらん。從つて料理屋としても税を拂わん。それにも拘わらず、普通の料理屋以上の收入をみんな上げているというのが實情だと思います。これらはもつと何とか方法を講じて、みんな現實に毎晩廻つて見れば、仕事をやつておるということが分ろうと思います。何か方法はございませんか。
  44. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) そのことに關しましても、これは取締りの官憲がどうも廻つてみると、地方によつて違うのでありますが、非常に徹底的にやつておるところもありますし、お話のごとく裏口營業をやつているところもあります。これではいけないということを痛感しておりますから、これはもう少し統一のある方法を正しく行なうということになるようにいたしたいと思いまして、このことについても取締りの強化に努力したい。こう考えている次第であります。
  45. 川上嘉市

    川上嘉市君 只今の税源として考えましても、可なり澤山になると思いますけれども、それが殆んどみんな逃れておつて、そうして而も脱法でもつて商賣をしているということになります。もう一つ旅館でありますが、旅館の税が幾らですか、あります筈ですが、今幾らになつておりますか。これは政府委員からでも……。
  46. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 今のお話は、とにかく裏口營業であれ、何であれ、所得があれば把握する。所得税においては把握する。その他の旅館税とか、料理屋税とがいうようなものがあると思いますけれども、基本的な税としての所得税は、苟くも所得があれば抑えて行くということで、この方面に努力をいたしておりまして、そのために大分お小言を受けておりますけれども、その方は徹底的にやるという方針でやつております。
  47. 川上嘉市

    川上嘉市君 實は旅館が、特に熱海だとか、ああいつた盛り場の旅館などは、みんな非常に脱税をしておると私は考えております。つい最近私も熱海で泊ろうといつて斷わられた一人でありますが、大抵お客さんが一人で行くと斷わります。そうして一つの部屋へ持つて行つて三人も五人も入れて、餘計取ろうというような實情であります。みんなマル公の十倍以上ぐらいの料金を取つておりながら、殆んど皆一人のお客は斷わるという状況で、今私は静岡縣の警察署に言いまして、すつかり資料を集めるように頼んでおりますけれども、こういつたものをもう少しやりますれば、税源としても可なりなものになると考えております。もう少し嚴重に一つつて頂きたいと思います。
  48. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) たまたま今お話が出たのでありますけれども、私の知つておる一例を申上げたいと思いますが、これは熱海の或る旅館で、この間やつて來られまして、今囘所得税を百八十萬圓課けられた。それで實に怪しからんというわけでお見えになつたのですが、これは地元の税務署がやはり裏口營業というか、旅館で料理屋のようなことをやつておるということを大體抑えまして、或る一軒の旅館に百八十萬圓の税を課けた。こういう例があるので、どういうことをやつても、所得があるところへは追かけて行くということに非常に努力しております。これはたまたま私の知つた一例であります。尚今後それを捕捉するためには十分努力したい、かように考えております。
  49. 川上嘉市

    川上嘉市君 それから或いはこれは總理大臣にお尋ねするのが本當かも知れませんが、今おられませんから、お尋ねいたしますが、官吏の綱紀肅正、これは闇とか、いろいろの問題に全部關係いたしますが、今行政の方の監査委員會制度がありまして、その方で監査をする。この間委員會事務局長に來て貰つて、我々が或る會合で懇談會をやつたのですが、いろいろの報告をするけれども、大體報告し放しで、實行しなければならんというふうな義務はないというので、その局長の話を聞いておると、非常は我々齒痒いように感ずるのでありますが、もう少し官紀肅正ということをやりませんというと、或いは大藏關係も、すべての關係が皆そうでありますが、結局今の財政の問題、國家再建の問題、或いはインフレの問題も皆解決することがむずかしいと思いますが、それらについて、もう少し政府は眞劍に綱紀肅正ということについて乘り出して頂きたいと思います。
  50. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 只今お話行政監査委員會の御報告というものは非常に浩瀚なものでありまして、微に入り細に亙つて非常に丁寧な監査になりておるのであります。これは先般その報告と共に、事務局長から丁寧に説明等を聽きまして、私共が行政監査委員制度の非常に有効適切に御活動願つておるごとに對して非常に感謝いたしました。これをこのままにしては相済まんというので、官房長官名とか、或いは總理大臣の名において、御指摘になつたそれぞれの所へ、お前の方ではこういうふうなことが行き過ぎがある、こういう點において尚肅正すべき點があるというふうなことについて、その要領を申し送つて、これに對して答をさせる。今後はどうするつもりかというこうなことについて、答をさせるということを先般の閣議で決定いたしまして、すでにそういう書面を出したかと思います。行政監査制度の效果を空しくしてはならんという點については、十分考えておりますし又かような具體的な方法を通じて官紀の肅正ということも可能である。こういうふうに考えておる次第であります。
  51. 川上嘉市

    川上嘉市君 それから食料品については、主食の取締りということは可なり嚴重に行われておりますが、一方繊維製品の取締りということは非常に寛大だと思つております。そのために例えば銘仙一反が三千圓するとか、或いは洋服の生地が一萬圓以上するとかいうようなことが、これは物價を刺戟する上に最も大きいフアクターだと考えます。それで實はこの前の四月の暫定豫算のときにもお話を申上げましたけれども、闇織物をしておる織布工場などは非常な利益がある。例えば十臺ぐらいの織機があれば約千萬圓ぐらいの利益があるというふうに、我々が考えて見てそう儲けなくてもよい。つまり普通の利益を取つて滿足すべきものだと考えるのですが、その利益の擧げ方が他の仕事に比べて、殆んど一桁ぐらい違うくらいにやつておるのであります。それは而も皆分つておる、分つておるということは、織物屋が夜中に織機を動かしておるのでなく晝間やつておる。どこでやつておるということを調べて見れば直ぐ分ることであります。それが無謀に高いために、農家などでは、もつと高く闇で賣らなければ、我々はこんな高い衣料を買うのだからと、いつでも口實に使われることになります。而もその税は織機一臺についての收入が幾らという査定が、恐らくは利益の約二%とか、三%しか税を出しておらん程度だと考えております。これらは少し調べれば直ぐ分るのでありまして、ただ肩書きの付いたお役人さんの名刺を持つて行くと話しませんけれども、我々が行くと全部話して呉れます。ですから、これは國民全體の生活の安定のために、是非共もつと嚴重にやつて頂きたいと考えております。
  52. 中西功

    中西功君 所得税の免税點の問題ですが、今當局の方で鋭意調査中だというお話でしたが、當局としては一體どんな考え方で、この免税點を考えておられるのかという點を少しお聽きしたい。と申しますのは、それは普通勞働組合などで賃金の問題を計算するとか、或いは今度の給與審議會なんかで、指數なんかを用いて大體計算しておるわけでありますが、そういうふうな科學的な指數を以てされるのか、それとも何か他との釣合いで決められるのか、そういう點を少し聽いて置きたいと思います。
  53. 河野一之

    政府委員河野一之君) 私の直接の關係ではないのでありますが、税制の改正に關する案につきましては、いろいろな案がございまして、まだ最終的な結論を得るに至つておらないのでありますが、勤勞所得税の問題につきまして、最近における生計費の騰貴の點、交通費その他の騰貴の點、それから各種の物價の上りの状況とかいつたような點を考えまして、これを合理的にするという線に副つて考えておる次第であります。
  54. 中西功

    中西功君 それで若し物價騰貴の結果というふうなことを考慮し、又よく政府が得意にお使いになる消費者價格指數というふうなものを若し考えれば、私達が計算して見ますれば、若し昭和九年、十年における免税點を月に百二十圓乃至百五十圓といたしますと、現在の消費者價格指數は百十倍になつておると思います。正確に言うと百九倍になつておりますが、そういうふうにしてこれをかけますと、月額一萬三千八十圓、即ち年間では十五萬圓以上という數字になるわけであります。實際國民の生活水準という點を考えて貰えば、今日このぐらいの免税點が至當であるというふうな意味の理論的の基準は出て來ると思うのであります。こういうふうな點は一體考慮されるのかされないのか、それを聞きたいと思います。
  55. 河野一之

    政府委員河野一之君) 勤勞所得税の免税をやります場合におきまして、單に物價の指數なり、生計費指數なりでこれを算定してやるということも如何なものかと思われるのであります。中西さんのおつしやつた昭和九年頃を基準といたしましてとりますと、或いはそういうことになるかも知れません。當時のような生活状況を現在においても續けるということは到底不可能なことでもありますし、それで國民としても相當忍ばなければならん點もあるのであります。又一方財政の現況からいたしましても、この點について勤勞者のことも考えて自制をして頂くというふうなことも、國民の一人といたしまして考えて頂かなければならん點でありまして、これは生計費の騰貴その他の面と併せ、又財政の状況、國民生活の現状というようなものを併せて、いろいろ噛み合せて合理的に決めるのが妥當ではないこということで、目下そういうことで檢討しておるわけでございます。
  56. 中西功

    中西功君 次は農業所得税の問題ですが、この度農業所得税の問題については可なり廣汎な、何といいますか、不正な、不公平な査定を是正する大衆運動が起つた所もあるのです。私もこういう税金の是正問題には親しくタツチしたのであります。そのときには今の税務署の査定のやり方が非常に非科學的でありまするし、又一面において公正を缺いたという點は十分私も知つたわけであります。詳しいことは申しませんが、税務署が使つておつた資料自體も非常にこれはよくないと言いますか、正確でない資料を随分使つて、例えば税務署は農業センサスというものを金科玉條のごとく思つて、これでやれば間違いないと考えておられることも澤山あつたのであります。實際には農業センサスは不十分で間違つておるところが澤山ある。それよりもむしろ今食糧調整委員會で使つている供出に關する資料の方が遥かに確實なのであります。そういう點でセンサスを使つて非常に農民から反撃を受けておつた所も私よく知つておるのですが、こういう問題で問題があると思いますのは、農業所得というものと法人所得との考え方が、或いは又取扱方が全く違つておりまして、法人所得の場合には純利益が問題になつている。併し農業事業所得の場合は、自家勞力が差引いてないだけでなくて、その他雜多な生産費という支出も、政府側においては殆んど必要經費に算えて總收入から引いていない。今後この農業所得の把握に對しては、政府側としてはどんな正確を期するために努力するのかという點が一つと、それからもう一つは、これは今度なんか實際農業所得を把握するということは實際むずかしいのでありまして、一番よく知つておるのは農民自身がよく知つておるわけであります。ところがその農民の協力を得るということが殆んどなされなかつたと思うのです。現在の日本の農民は終戰後のあの供出に關するいろいろの問題によりまして、自分の收穫を正確に捉えるというふうなことについては非常に慣れております。併しながら食糧調整委員會というのは、いろいろ勿論不十分な點もありますけれども、ともかくも供出の量を成るたけ公平に割當てるという點では、農民は一應これに参加して是正しておるということが言えると思うのです。この際そういうふうな體制、即ち食糧調整委員會と似たような税金委員會というようなものを、即ち農民と協力して作る意圖があるかどうか。若し私はそうしたものができれば非常に負擔の公平を期する上において役立つと思う。そういう體制を考えられているかどうかということ、この二點なのです。
  57. 河野一之

    政府委員河野一之君) 元來所得の把握ということは非常に困難なことでありまして、國會あたりにおきまして、闇所得についていろいろ御議論のあるのも理由のあることでありますが、所得把握の方法について、現在のやり方が相當非科學的であるという點は、私共としても或る程度是認せざるを得ないかと思うのでありますが、事柄の困難性によるのでありまして、從來のごとく税務官吏が相當熟練の者であり、且つ資料その他についても、信頼し得る資料の非常に多かつた時代におきましては、從來の方法も相當效果は擧けておつだと思うのでありますが、最近のごとく税務官吏は、相當不熟練者が多くなりまして、又隠れたる經濟の動きというようなものの捉え方も不十分であるというふうな状況でありますので、御承知通りのようなことも相當多かつたと思うのでありますが、この點につきましては調査をいたしまして、できるだけの措置を取つておる次第であります。農業所得の把握の方法につきまして、食糧調整委員會というふうなものを作つてつてはどうかというふうなお話なのでありますが、これはまあ從來所得調査委員會というような制度がございまして、それから署によりましては、營業税その他につきまして、同業者の團體と團體的な交渉をやつておる所もあります。最近でも或る程度そういうような處置を取つておるような所もあるようでありますが、全面的に税務署の課税權を、かくのごとき委員會において左右されるのも如何かと存ぜられるのでありまして、各業種間の權衡、或いは農業所得なら農家間の權衡を取るというような意味で、こういうような委員會事實上利用して行く。法制化するということはいろいろ問題がありましよう。事實上利用し、その意見は參考に徴するというのは相當考えられていいことじやないかと私は考えております。
  58. 中西功

    中西功君 それで實際は第一の算定の問題ですが、農業所得を正確に把握しようということになりますと、實際は現行の所得税法を變えなければならんと思うのです。御存じのように家畜でありますとか、小農機具というようなもの、光熱費、動力費、或いは調整費、或いは役畜の借入料だとか、土地の改良設備、特に重大な問題は償却費であります。そしたものは、今の所得税法では総收入金額より控除するという經費の中に入つていない。尚根本的な問題として、もう一つ自家勞力の問題があるのであります。こういう議論は今度實際農村へ行つて税金の問題にタツチして見れば、もう當然のこととして起つて来ておるし、廣く起つて來ておると思う、それで現今の所得税法を變えるという、その改革される意思が今あるのかどうかという點をお聽きしたいと思います。
  59. 河野一之

    政府委員河野一之君) 所得税法につきまして、いろいろ不備の點もあろうかと思われるのでありますが、特に農業所得について、御承知のような、おつしやいましたような點について改正するというような考え方は現在のところ持つておりません。農業所得も一種の事業所得であります。資産と勤勞の結び付いた所得でありまして、これを一般の勤勞所得のような、自家勞力を控除するというようなことは、一般の他の事業所得との關係もありまして、相當愼重に考慮を要するものではないかと思います。これは税法の建前の問題でありますが、そういう問題について根本的な檢討をして、税率も或いは直して行くというような考え方も、これは、成り立つ考え方もあろうかと思うのでありますが、只今のところ、この點について特に改正するような考えは、持つておりません。
  60. 中西功

    中西功君 實際の問題として現在各地方で農民の組織のある所は、農民組織が自發的に自分の收入經費を非常に詳細に書きまして、そうしていわば自分で作りまして提出しておると思うのであります。その中には所得税法に書いていない所得も恐らく皆入れておる。所得や或いは經費も入れておると思うのであります。そういうふうに實際に農民自身が自發的に非常に正確なその経費を作つておる。或いは又表を作つておるというふうな場合、これは事實つておるのでありますが、そういうときに、税務署の方で所得税法にこれは規定していないからだめなんだというふうな意味で、個々の農民が自分で作つた非常に正確な表を無效にされる氣が、積極的に見て無效にされる氣があるかどうかという點と、もう一つさつき協力態勢の問題で税金委員會お話しがあつたんですが、この税金委員會に課税權を任してしまうというのではなくて、食糧調整委員會も、實際はあれは一つのまあ半分協力機關みたいなことになつておると思うのですが、まあ法制化するということは、むずかしいが、實際上まあそういうふうなことで、それがうまく運營されて行けばいいというようなお話です。それで實際問題として、ここではつきりして貰いたいのは、若し各地の税務署で、自分の自發的な意圖でそういう税金委員會というふうなものを作つてつておる場合に、それは結局今の政府委員答辯では、一應政府としてはまあ見逃しておくといいますか、見ておる。むしろそれは構わない、放つて置くというふうな意見なんですが、法制化しないんだというふうな意見であ際たんです。そう受取つていいかどうか。
  61. 河野一之

    政府委員河野一之君) 農民から正確なる、又良心的な申告が出て来た場合に、これを信頼するかどうか、正確なる且つ良心的な正しい申告でありますならば、税務署としては當然これを信頼して決定すべき筋合のものだと私は考えます。ただ問題は中西さんのおつしやいました、各納税者が申告する場合に、こういうものは税法に書いてあるとか、ないとかいうことでありますが、これは結局必要經費というものの範囲の問題だと思うのであります。これは納税者側といたしまして、所得を得るに必要な經費と見ましても、税を課ける方の立場の勝手なことを主張するわけではありましせんが、必ずしも必要經費と認められないものが相當多いのじやないか、實際上多いのじやないかと實は考えます。例えば光熱費のごときものでありましても、これは本當は農家あたりにおきましては、籾摺の電氣代も、それから灯りにつける電氣代も一緒にしておるというようなこともあろうと思われるのでありまして、實際の生計の上に使う分と、それから農業に使う方の区別があろうと思うのであります。その他の燃料費についても同様でありましようし、そういつた關係から必要經費の見方、及びその範囲、規模といこたような點について、いろいろ税務署と、實際問題として異なるといつたような點で問題があらうと思われます。なかなか所得の申告制度も非常に複雜になつて參りまして、申告自身も相當まあ素人と申すと何でありますが、なかなかむずかしいといつたような點もあらうと存じます。  それからもう一つの協力態勢の問題でありますが、これは各税務署において、税務署長の見るところによりましてやつておると私は思つております。税務署だけの、自分だけの唯我獨尊的な考え方で税金を押付けるというのは、これは現在の民主化の態勢においては通常でないと考えるのでありまして、勿論税務署長がこれを決定をいたしますにつきましては、各方面の資料を調べ、或いは權威者の意見を聽いてやつておることと思います。殊に標準率、所得を算定する基礎となる標準率というようなものにつきましては、各方面の資料を調べ、又關係の業者の意見を聽き、そうして財務局において各地方に適用すべき標準率を決めるというようなことをやつておるのでありまして、税務行政について或る程度民間の意見を入れてその意見を尊重してやつて行くという方法、そういう方向は非常に好ましいことだと私としては考えております。
  62. 中西功

    中西功君 大臣、それでよろしいのですね。各税務署で、そういう自發的に協力、態勢を作つて行くのは、それは所得の正確を期すというような目的をはつきり持つておればですね。
  63. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) それはなんですね。農民自身の中に何か極めて自然な、そういうものができた場合はこれを否定することはしないと思うのですがね。ただ問題は一黨一派の、例えはこれは露骨に言うと、政黨の擴張運動みたいなもので、納税反對運動とか、納税是正運動というような、俺たちの力で大いに税を輕減してやるぞといつたようなことで、一種の團體交渉をやられた場合には、それは困るだろうと思いますので、そこは各事實について具體的に判定をしなければならんと、こう考えるのですが、昨今至る所でいろいろ税を繞つて一つの大きな大衆運動的なものがあつて、この中には私はどうも今のような状態でこのまま行くんじやないかと、率直に言うと思われる節もありまして、如何なる團體でも集團的にそういうことが行われてよいとは思つておりません。それはおのずから判定すべきものだと、こういうふうに考えております。
  64. 中西功

    中西功君 それは非常に重大な點なんだと思うのであります。さつき大臣のあれでは、黨勢擴張に使うようなものでに困ると言われたんですが、本當に今或る部落で、お互いの村の中の均衡を十分圖りたいというふうな意向から、そこで各部落から民主的に委員を擧げるというふうなことにして、この委員會が税務署の役人と協力する態勢として税の均衡を圖る、こういうふうないわばこれは下から本當に民主的にでき上つて來たものならば、それはいいというわけなんですか。
  65. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 一面には税のやはり祕密性というものがございます。お前のところは一體いくら税を納めておるか。それから所得を算定する、財産を測ると、こういうことになるので、從つて何かこう指導者というようなものがあつて、そうして税が高いじやないか。一つ一緒になつて何とか運動しようというようなことで、お前の所は幾らだというようなことで、皆が極めて民主的な、極めて自由な方法で、おのずから行われた場合はいいと思いますけれども、何か團體の一つの目的というようなものがはつきりして、そうして團體交渉的に一本のものとなつて税務署長に働くというようなことになると、やはり弊害があるんじやないか。元來今の税の建前が申告制を取つておる。申告制を取つておるというのは、個々自由に、極めて民主的に、みずからの所得を申告して行くという建前なんでありまして、從つて元あつた税務署の調査機関とか、税務署の所得税調査委員というようみものが廃止せられたのは、そういうところから來ておる。從つて私は税に關する團體ができるということに反對ではありませんけれども、その團體、その集團の性質等によつては、これはどうも是認すべきものと、是認すべからざるものとが起つて來るだろう、こういうふうに考えられるのです。その判定を、ここでどういうものを認めるかということになると、お答えがしにくいしことになるのでありますが、中には一黨一派が大いに……、こういうと語弊があるかも知れんが、大變御努力なつたそうで、おやりになつて活動されているのがあるということを耳にするのであります。これは耳にするだけで、眞相はよく知りませんけれども、そういうことになると、實は税の圓滿なる納入に對して、狙いは皆同じかも知れんが、結果としてはどうも違つたように出て來ることもあるのじやないか、そういう點を恐れますので、これはまあ抽象的に、一概に集團的な税交渉がよいかと、こう言われると、私はそのままよろしいということをお答えし難いように思うのです。
  66. 中西功

    中西功君 何か別の目的というふうなお話がありますが、その目的ははつきりと税の公正な負擔を期するという目的以外ではないと思うのです。それで又實際正直に申しましても、これはもうはつきりしていることでありますが、我々日本共産黨は實際に税の運動をやつております。非常に廣くやつております。それは明らかにこの度の政府の更正決定、それが非常に不公平である。或いは又不合理である。實際に今政府自身が認められたように、その基準には科學的な……必らずしも十分科學的なものがあるとは言えないという點も認めると言われる通り實際に私達自身は非常に不合理な、そういう實際の場面にぶつかつた。だからこの負擔の公平を期すると同時に、實際に拂えない状態にある人かち滅茶苦茶に取つてしまえば、それはどうにもならないわけです。そういう點の公平も含めて負擔の公平を期するという意味で、非常に大きな活動をやはりやつたのであります。そのときに我々としては、我々共産黨だけがやるという意味じやなくて、個々に部落の人、或いは村の人、皆いろいろ相談して税務署と掛合つている譯であります。その場合、その中で實は私達非常にこの問題を考えて、今の税制を、殊に農業所得税なんかをどういうふうにしたら公平なものになるかといふことを考えて、實のところを言いますと、今質問しているわけであります。それで實際に普通でありましたならば、若しそういう大衆運動がなかつたならば、決して今の農民は正確な自分の所得を正しく正直に書くということは殆んどないと思うのです。必らずどこかに隠してある。これは相當、そういうお互いが協力して行こうというふうな自覺を持つた農民でなければ、自分の所得を正確に書くというようなことは絶對に今ないと思います。從つて又税務署も、大體において農民の申告が、これが割引されておるということを考えて更正決定をしている、そこで政府と農民との間に欺し合いが現にあるわけです。こういう欺し合いは、これは民主主義でも何でもない。非常におかしなことだと思うのです。從つてそういうふうな現状において我々が實際政府、それから一般の農民との間で、どうすれば正確な正しい申告ができ、正しい課税ができるかという問題として、方法として、私はそういう税金委員會という問題を出したわけです。事實これは私がある所で税務署と掛合つて委員會を作りました。そうして作つたけれども、成績は非常によかつたのであります。まあそういう事情でありますが、もう一つ土建勞働者の税金の問題について一言お聞きしたいと思うのです。これは大きな經營者ではなくて、一人親方の大工さんとか、左官屋さんだとか、そういう人ですが、この人にはいわゆる農民と同じような事業所得税が掛かつて來る。農民の場合は、御存じのように營業税は掛かつて來ないと私は記憶しているのですが、土建勞働者の場合は、農民並の事業所得税が取られて、尚營業税か掛かつて來る、現實にそういう結果から非常におかしな状態が出て来ておると思うのです。  尚この問題にはもう一つある。或る土建勞働者によりますと、土建勞働者、いわゆる一人親方、或いは又職人の場合も、これに又勤勞所得税が掛かつて來る。勤勞所得税と營業税が掛かつて來た。いろいろ同じような一人の人と變りない環境に、状況にある人が、別々のいろいろ變つた税金が掛かつて来るというのであります。私は政府として、こういう問題はどういう範圍が、これは事業所得税だけでよろしい。どういう範圍は農民並の事業所得税だけでよろしいということを、はつきりさせなければいけないと思います。が、現實にこれはがちやがちやでありまして、二重三重に掛かつておるというのが現状であると思います。そういう點を一つまあ政府として調査があるかどうか、お聽きしたいのですが、若し對策があつたら、考えられておつたら、ここで言つて貰いたい。
  67. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 只今お尋ねのことは、實際問題としてどうなるか、はつきり分りませんが、建前といたしましては、一人の土建關系の勞働者、例えば大工さんが勤勞者であれば勤勞所得税が掛かつて、勤勞者として扱う。併しみずからも勤勞するけれども、何人か、これは語弊があるが、子分を持つてつて、營業と認むべきものであるというならば、勤勞所得税と共に營業税が掛かる。こういう建前になつておりまして、今お尋ねの場合が後者の場合ではないかと思います。
  68. 中西功

    中西功君 問題は一人親方、何も子分のない親方に勤勞所得税と營業税が掛かつて來た。農業的な事業所得税と營業税が掛かつて來るというのです。
  69. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 今の場合は一人の人でも特定の雇主かあつて、勤勞關係があるというばかりでなしに、それは仕事の注文に應じて仕事をやつておる。一個の勤勞者的大工さんだが、又同時に請負によつて仕事をする。こういう場合には二つの面が考えられる。不特定の人から收入を得ておるというので、やはり一つの營業であると考えられる場合がある。その場合を指しておると思います。
  70. 中西功

    中西功君 それは農業も營業である。結局ですね、併し農民の場合は營業税が掛からないのです。
  71. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 農業に關しては、その原始産業及び自由業は營業税掛からないのですけれども、これはまだ不確定な案ではありますが地方財政調査會では、原始産業の水産、農業等も、商工業者等が營業税を拂つておつたが、そういう人も或る營業税を負擔して貰う。或いは自由業であるところのお医者さん、辯護士、そういう人にも營業税を負擔して貰おうじやないか。これは決つたことではないけれども、そういう議が起つておる。そういう場合には、農業にはそういうものがなかつたと言われるけれども、將來掛かるかも知れない。まだ確定ではありませんが、そういうことが起ると思います。
  72. 中西功

    中西功君 あとまだ新賃金べースについてお聞きしたいのですけれども、これは非常に詳細な、ややこしい内容になりますので、明日又……。
  73. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 岡部君。
  74. 岡部常

    ○岡部常君 私は前内閣時代に總理大臣に對しまして、刑務所に入つておりまする囚人の勞働力を利用することを提唱いたしたのであります、その際に片山首相は、そのことを考えておるが、只今のところでは、その用意ができておらないからというお答えがあつたのであります。輕く扱われたわけでありますが、今囘の暫定豫算におきましては、北海道開拓のための豫算が計上せられておりますのであります。私は大變喜んでおるのでございます。これはどういう、何年計畫でおやりになりますつもりか、或いその全體の豫算はどういうふうになつておりますか、伺つておきたいと思います。
  75. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 前段の刑務所におる人達の勞働化といいますか、生産化といいますか、そのことは可なり大事な問題でございまして、實行いたしたい、又一部實行いたしております。今囘北海道においても、それを實行するのじやないかと思います。ちよつと具體的なことは私覺えておりませんが、實行する筈になつております。それから後段の御質問の、どういう計畫であるかという御質問でございますが、これは今囘の分は暫定豫算でございますので、一應五月分を算定いたしました。本豫算において具體的な案を出したいと、かように考えておるわけであります。本豫算の問題になりますと、先程來申上げますように、税制の問題がまだ的確に決まつておりません。それから物價問題等もございまして、豫算全體が少しまだ決まり兼ねておりますので、ここで申上げることは暫くお待ちを願いたい、かように思いまする
  76. 岡部常

    ○岡部常君 その點は、政府委員が御承知でございましたら、大略でも大まかなところでよろしうございますから……。
  77. 河野一之

    政府委員河野一之君) 刑務所の囚人を生産化するという問題は、前からございますのでありますが、これは戰時中に非常に利用せられたのでありますが、最近の状況におきましては、非常な過剰拘禁に實はなつております。從いまして、これを構外に出しましてやります場合には、看守が構内におります上りは非常に要りますので、なかなかそういつた實情から、最近まで實現が困難な點があつたわけであります。最近この問題につきまして、法務廳方面は相當力をお入れになりまして、國家收入の上から言いまして又生産化する上から言いましても、又囚人の矯正の上から言いましても、非常によいことでありますので、いろいろ具體案考えておられるようでありますが、北海道の開拓の問題につきましては、暫定豫算につきましては、構外作業に關することにつきましていろいろな施設が要りまして、テント張りをいたしますとか、假の宿舎を作るとか、そういつた施設といたしまして、四千五百萬圓を計上しておるのであります。これは全體の計畫と、先程大臣も仰せになりました通り、本豫算の方との關系を睨む必要がありますので、差當りその程度のものは、今考えて置きませんと間に合いませんので、暫定豫算としてお願いしておるような次第であります。
  78. 岡部常

    ○岡部常君 只今のは、恐らく官企業形式、こう承知してよろしいと思います。從つて刑務所の官の事業としてやしる官企業でありますか。
  79. 河野一之

    政府委員河野一之君) そうであります。
  80. 岡部常

    ○岡部常君 それですと、相當財政上に影響があることだと思いますが、これは形態によりましては、豫算面に現われない方法も取り得るのではないかと思います。例えば民間の請負にするというような方法もあろうと思います。從前の民間の請負にいたしますと、民間の企業との競爭というようなことで、相當やかましい問題があつのでありますが、私はこれはやり方一つによりましては、むしろ民間と共に、というようは、民間のやりにくいところを、率先して刑務所の方面の勞働を利用することができる、こういう方法があるのではないかと思いますが、そういうような點についてはまだ御檢討ございませんか。
  81. 河野一之

    政府委員河野一之君) 從來は官企業の方とそれから民間の、例えば造船のごときにつきましては、民間に勢力を出すという恰好になつておりますか、只今のところでは、多少お話もございますが、いわゆる看守と申しますが、これを警備いたしまする人員の不足の關系から今そこまで手がまだ延びでおりません。又民間におきましても、現在の作業の状況から行きますと、相當な作業を考えておるといつた向もありまして、勞働問題その他の關係からう必ずしも歓迎を受けないといつたような關係がございますので、そこまで現在の段階では進んでおりませんが、いずれそういうようなことになるのではないかと考えております。
  82. 岡部常

    ○岡部常君 今囘の豫算は官企業と承知いたしますが、それの囘收というようなことについては、どういうようなお考えがありますか、この點私は政府委員にお伺いいたしますが、これは大臣にも篤と聞いて置いて頂きたいことなのであります。どういうような囘收歩合でおやりになりますか。
  83. 河野一之

    政府委員河野一之君) 囘收歩合と申しますと、これに對して掛けた金に對して幾らの收入を見るか、こういうことでございますが、これは從來は支出金額に對して、確か十二割五分とかいうような收入を見込んでおつたのでありますが、一年の豫算の頃から、必ずしも一定の囘收歩合を見てやるということが妥當でない、と申しますのは、公定價絡の關係もございますし、それから賃金のベースも相當動きます。殊に囚人なるが故に、從來は相當一般に賃金が安かつたのでありますが、そういうことをやつておりませんので、一般的に必らず十五割というものを囘收するという建前では、現在實行上進んでおりません。大體併し最近までの實績を見ますると、從來考えておりました程度の囘收歩合にはなつております。ただ從來のごとく施設も多く、取締も相當樂であつた時代と違いますので、これに掛ける經費というものが相當掛かりますので、多少状況は違つておりますが、大體從來考えておりました程度の囘收歩合を持つております。
  84. 岡部常

    ○岡部常君 只今例に擧げました北海道開拓につきましては、恐らく十何割というようなことは、當然できないと思います。公の土木事業であり、又それに附随します農業というような方面になりますので、恐らく澤山の囘收は要求せられておらないと思いますが、私はこの序でに、全刑務所の作業力に對しまして就業費と申しておりますが、この就業費に對する囘收率の要求が三十何割に増嵩されたということを私は聞いておるのであります。從前は、先程政府委員のおつしやいましたように、私の記憶するところでは、十五割までになつておつたかと思います。が、それでも相當に重荷であつたのですが、それが更に三十五割というふうになりましたならば、果してこれはどういうふうなことになつて行くか、甚だ懸念されるのであります。御承知のように、刑務所におきまする勞働力というものは、あらゆる部面の勞働を含んでおります。私はよく例えて申すのですが、デパートメント・オブ・ワークシヨツプというようなことを常に申しておりますが、各種の勞働を含んでおり事ので、普通の官業とは餘程違つて、利益の上げにくい點があると思うのであります。又そもそも利益というものを考えてはいけない、教化的意味を大いに含めなければならん作業なのでありますから、これに對して徒らに二十割囘收しろ、三十割、三十五割をやれということになりましては、そこに非常な無理が生ずると考えるのでありまして、この點は餘程大藏當局といたしましてもこれは勿論行刑當局としては最大の考慮を拂わなければならないところでありますが、財政當局としてもその點はお考え願いたいと思います。實はそれで申上げたような次第であります。
  85. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 島村委員質問に對しましては、磯田特殊金融課長が説明員としてお見えになつておりますから、この際御説明願います。
  86. 磯田好祐

    説明員(磯田好祐君) 御説明申上げます。先程島村委員から金融債券の舊勘定戻し入れによりまして、農業會出資金積立金等で相當の影響を被るものがあるから、これらに對して損失補償、その他何らかの救濟的な措置を講ずるあれはないかという御質問があつたそうでございます。この金融機關再建の問題が起りましたときに、すでに最終處理を官僚しておる農業會、或いはそれまでにすでに中間處理を完了しておりまするところの金融機關等につきましては、何らかの措置で特別の例外を設けたいということも考えたのでございまするが、各般の事情によりまして、先般すでに決定を見たように、これをやはり一般原則と同じように、舊勘定に戻入れるということに相成つたのでございます。從いまして、それから又、この根本方針が決まりましてからも、政府におきましては、できるだけこれら最終處理を完了したところの農業會、或いは中間處理を完了したところの金融機關に對して、何らかの救濟措置を發見しようということで、各方面共折衝もいたしまするし、いろんな研究もいたしたのでございまするが、結局いずれの案も實行不可能だということに相成りまして、今日に至つておるわけでございます。尚先程農業會の手持ちの金融債券について、現在農林中央金庫に保護預けをいたしておるものについて、それを農林中央金庫の負擔において、農林中央金庫に集中して救濟する方法はないかという御質問があつたそうでございまするが、現在農林中央金庫におきましては、最終處理の結果、一應豫定されておりまするところでも、三十數億圓という政府補償を要するということが豫想されておるわけでございまして、更にこの農林中央金庫に、現在そのバランス面に乘つておりません金融債券を農林中央金庫の負擔にして、これを農中において政府補償をするという形にすることは、今のところ非常に實行困難ではないか、さように思われます。以上御説明申上げます。
  87. 島村軍次

    島村軍次君 大體政府委員の御説明は分りましたが、先般の大藏大臣の私に對する答辯と、それでは矛盾したことの結果になるように思うのであります。何となれば、先きにも讀上げました通りに、農業協同組合に移管した場合に、このことによつて生じた赤字をそのまま新たに發足する協同組合の負擔とすることは、これはむずかしい。從つて政府において補償するのだ、補償するというこの事柄は法律上當然のことでありますから、ただこの場合問題になるのは、先程申上げましたように、途中で舊勘定に移した結果、すでに最終處理を終つて、新勘定で何ら補償を政府の方から受ける豫定でなかつたものが、補償を受けるようになつて、そのためには積立金出資金が飛んでしまうという結果になる。そこで恐らく、恐らくじやありません、それは協同組合へそのまま持つて行くと思います。協同組合にそのままに持つて行くものに對しては、それはそれによつて生ずる赤字政府で補償すると、こういうふうな御答辯でありまして、これは全く國民に大藏大臣が本會議におて答辯されたのと、今政府委員との答辯とは全く矛盾した結果になる。これはもう少しお打合わせになつて具體的な問題についてはつきりと御認識をされませんというと、農村の資金については、御承知のように、八月十一日に切つた時分には、麥代或いは甘藷の代というものが振替で入つてちよつとよく聽いて下さい。政府委員の人はよく聽いて下さい。事業資金といふものは、この打切られた時分には、甘藷の代金、麥代というものが、それが政府資金が八月十一日で切られた。その結果、農業會の持つてるものは振替貯金のものが、いわゆる舊勘定に属しておるものもあるわけなんであります。そういう貯金が土臺になつてそれにもつて行つて興業債券というものが加わつておる。そのものが切られる結果は、やがて協同組合へそのものを、そのまま持つて行くという結果になる。そこで農民の立場から言へば、すでに準備總會において、こういうふうな新勘定で、これこれの計算になつて來たのだということを天下の農民に公表しているわけであります。その公表はつまり政府の指導によつて公表したわけで、從つて農業會それ自身の問題ではない。農民それ自身の問題になつて來る。天下に公表した問題に對して、今更事務的にできんということでは、これは非常に大きな問題になつて來る。即ち貯金の奬励も、政府は一體何を言うているのだ、こういうことになり、たまたまその意味大蔵大臣質問を申上げましたところが、ここにはつきりと御答辯になつているその事柄と、只今の御答辯になつておる其事柄と全く矛盾している。これは非常に大きな重大な農村に影響を及ぼす問題でありまして、その問題に對して御答辯なつたことは、これはこの大蔵大臣の御答辯をよく雄讀みになつておらん結果だろうと思います。もう一つそれに對して御意見をお伺いいたします。
  88. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 只今島村委員の御質問は非常に重大な意味を含んでおると思いますので、これはもう少し十分に検討いたしまして、改めて御答辯いたしたいと思います。暫らく留保をして置きたいと思います。その點お含み置きを願います。
  89. 島村軍次

    島村軍次君 これは甚だ失禮でありますが、事務當局の方へ陳情いたしますというと、只今政府委員の御答辯になりましたような御答辯で、甚だ埒があかんのであります。農民それ自身は、天下に公表されたこの問題と、そうして天下に公表された最終處理の準備委員會において、はつきりそのものを認識している。そのこと自身を一つこれは大藏大臣が政治的に十分解決をつける、何らかの方法で解決をつけるという御熱意をお持ちにならんというも、農民の問題としては非常に大きな政治的問題に移つて來るということを特に附加えまして、御善處を願いたいと思います。改めて一つ何かの機會に、この問題に對してはつきりした御答辯を願い、且つでき得れば、望むらくは何らかの方法で、それらに關する問題を積極的に善處して頂くように、政府委員の方にもお願いをいたします。
  90. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) もう一言附加えることをお許しを願いたいと思いますが、これは實は農業會のみならず、金融機關全般に亙りまして、一應最終處理が濟みまして、それから大藏省に射して金融機關再建整備に關する認可を得て、農業會としては最終處理の承認を得て、そうして後に誠に突發的な困つた事件が起りまして、このことを解決いたしますために、私は實は關系方面に折衝すること數囘で、相當これは努力を傾倒したのでございますけれども、少しどうしても解けぬものがありまして、それがために農業會のみならず、全國の金融機關に可なり、一應例えば資本は幾ら切る、それから第二封鎖を幾ら切るというようなことで、整理が完了してからあと、變つたことをしなければならないということに追られて、そのために相當金融機關に迷惑をかけたのでありますが、只今島村委員のおつしやいました、このことが及ぼすところも非常に大きうございますから、尚十分検討いたしました上でお答え申上げます。
  91. 西川昌夫

    ○西川昌夫君 四月の暫定豫算のときの、政府の一時借入金は百二十億という御説明を承わりましたが、今囘の何は二百億ということで、八十億の増加に相成つておりますが、これの算出の内容を詳細に御説明願います。
  92. 河野一之

    政府委員河野一之君) 歳入の暫定豫算につきましては、現行制度の下におきまする一年間の收入金額を見込みまして、それに對してそれの十二分の一の金額を原則として計上してあるわけです。併し實際收入の状況はその通りに行かないのでありまして、從いまして收入と歳出の差額につきましては、大藏省證券を發行いたしまして、これを補填する。こういう一時の收支を合せる。收支を合せると申しては失禮でありますが、大藏省證券を發行し國庫金の融通を受ける。こういう恰好になつておるわけでありますが、これは大體四月分の收入金額が、現在のところ見込まれますところによりますと、大體專賣益金の流用現金というのも合せまして、大體百三十數億であります。それから五月分といたしましては、租税その他合せまして大體百六十億程度でありまして、從つて歳出との差額が大體二百億程度に相成つております。その金額を見まして、大藏省證券の發行を受けることにいたしたいと考えている次第であります。
  93. 木下源吾

    ○木下源吾君 私のこれから申すことを聞いておつて一つお答えをして頂きたいと思いますが、暫定豫算でこれは止むを得ないとしても、一番困るのは東北、北海道であります。殊に北海道など豫算を貰つて、そうして仕事をするのが、第一四半期でやる仕事の量は全年度の四〇%も、五〇%もやつてしまうのです。これは氣候の關係で直ぐお分りだと思います。ところが今のように、この大事な時期にちびちび小出しにされたのでは、全く東北、北海道の……北海道の北の方などは仕事にならない。政府もお分りになつておるだろうと思うのでありますが……。さて今日四月分、五月分で公共事業費などが幾らかずつ出るということになつてからが、このちびちび出る金は何を目標として出しておるのか少くも本年度はこれくらい最小限度やらせよう、やろうという一つの目安があつておやりになつておるのかどうか。そうであるとするならば、どのくらいの仕事をこの第一四半期においてやつてよいというように、一つ大藏大臣からお示しを願いたい。どうもそうでないというと、折角の金は活きて來ない、北海道あたりの事業では……。だから事務の方々はそれは到底できますまいと思うのであります。大臣、一つ肚で、これくらいの仕事は、寒くなれば仕事のできない所は無理はないから、今春先からこの期間においては、これくらいはやつてよいという一つ肚を聞かして頂きたい。これは私共お願いです。それからもう一つは開拓の場合において、私はこう思つておる。今開拓はどうも實積が舉らないから、差控えようという空氣があるということを聞いておりますが、この開拓はいや應なしにやらなければならない仕事であつて、從來のような行き方では、これは効果が餘り舉らん。もつと工夫すべきである。一口に言えば、私は入植などでは、接ぎ木入植、つまり接ぎ木開拓、北海道あたりで「りんご」がならなくなれば、若木と接ぎ木して旺盛にして生らせる。三年も五年も經たなければ生らない。實を結ばない。桃、栗何年とか言いますが、そういうので何年も經たないでも、直ぐいきなり生る。この開拓にも既存の農家、既存一の耕地、それと新たなる開拓地とを接ぎ木をして一つうまく工夫してやつたならば、直ちに私は效果が舉がると思うのだが、大藏省はただ金の面から、歳入がないから歳出はこれはできない。財源がないからと一口によくそういわれるのだが、もう少し、新時代でこの苦難なときだから、一つ新らしい考えを以つて御苦心を願いたいと思うのですが、これらについては開拓についてどういうような御所見であるか、これは一つ大臣にお伺いしたいと思うのです。
  94. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 只今の御質問は、大體暫定豫算が持つ矛盾というものを、極めて剴切に御指摘になつたものと、かように考えるのでありまして私共又暫定豫算というものが、緊急止むを得ざるものに限つて小刻みに出すという點に非常な欠陷がございまするし、一應全分野においてものを眺めて、そうして全農の施策を立てるという面において、暫定豫算というものが極めてよくないという點は、もう實に痛感いたしておるのでありまして、何とかしてそのような方法によらずして、最初から本豫算を提出いたしまして御審議を願うことにいたしたいというような念願は、常に切に持つておるのでありますけれども、これはまあいいろいろ接觸すべき方面等がございまして、思わしく行かないというようなことから、萬止むを得ずして、又々暫定豫算で御審議願わなければならんということになつたことは極めて残念な點でありまして、從つて暫定豫算でございまするが故に、どうも全體の中から十二分の一を大體取つて、そうしてこれだけは緊急止むを得ざるものであるというような仕方にしなければならん、こういうことでは季節的な關係、或いは事業の性質等によつて、御指摘のように非常に矛盾と、又不利益が來るということも痛感いたしておるのであります。それでございますから、本豫算を早くやりたい、かように考えたのでございますけれども、いろいろ折衝等に時間を要しましたことと、それからどうしてもこれは現在の物価のままでは、どうも本豫算が出せないという事情から考えまして、物価そのものにまで手をかけるということになりまするというと、これはいろいろむずかしい問題が起りまして、國家財政の負擔において、物価政策をどの程度までやるか、或いは物価に國家財政の困難なる點をおぶさつてつて、殆んど多くのものを価格差補給金等によらずして、物価におんぶして貰うかどうかというような問題があり、鐵道運賃等についても、これは物價との關係、並びに國民經濟全體の關系を見渡さなければなりませんので、そういうことのために實は非常に遅れまして、今日暫定豫算を又御審議を願わなければならんということになり、從つて只今御指摘のような矛盾が生じたことは誠に遺憾に堪えん點でありましてこの點は御指摘の通りなんであります。それで開拓等についてどう考えるかというようなお話でございましたが、これは申すまでもなく、食糧の絶對量が不足しておる今日でございまするし、我々は何をおいても現在の日本インフレというものの大半は、食糧が充實すれば、食生活においてもう少しよくなりさえすればこれは解決が著しく早くなつて、勞働不安等も、恐らくそういうことによつて除去せられるというような観點から、このことを重要視すべきことは仰せの通りでありまして、今後は本豫算においてはできる限り、只今お話がございましたが、我々は財政一つの枠を持つておるものでございますから、それがために思い切つた施策ができないという點は遺憾でございますけれども、その範囲において、できるだけ御希望に副うようにいたしたい。かように存じておる次第であります。ただ御希望に副うように申しましても、どんどん必要な仕事については通貨が増發されても、思い切つてやつたらいいじやないかというような考え方もあるかも知れんと思うのでありますけれども、今日は我我はどうしても今のインフレーシヨンの段階においては、通貨の收縮に努めまして、物価の昂騰をできるだけ抑えて行くというような態勢をとらなければならん。どうしても健全財政主義で收支の均衡をとるということに力點をおいて財政を立てて行かなければならん。そういう限りにおいて、できるだけのことは、私は今の重要なる御指摘のようなことには振り向けるように努力いたしたい。かように考えておる次第でございまして、その點御了承願いたいと思います。
  95. 木下源吾

    ○木下源吾君 もう一つお願いしておきたいのは、北海道の「にしん」は、凡そ二十萬石ぐらい今まで獲れておらなければならない。それが最近ではその半分までも獲れておりません。この十萬石の金額は直ぐお分りのように一億というような金額になると思うのでありますが、從つて漁村は非常なつまり經濟的な困難を豫想せられるのでありおます。こういう場合に一つ私は適当な継続、今日まで繼續して來ておるような漁業事業、例えば海岸であるならば漁港の修築をやるというようなことは、一つ是非おやりを願いたいと思うのであります。それと關連いたしまして、このような天災的な場合に當りましては、一つ思い切つたということは當らないかも知れませんが、異例として、繼續事業は本年度の見通しはこれこれだからして、今から仕事の四〇%、五〇%は、できる時期に一つやつたらよかろうというくらいのことを、閣議で一つお決めを願つておやりを願いたい、こういうような希望を一つ申上げて置きます。
  96. 左藤義詮

    左藤義詮君 先程總理質疑の最中に、衆議院の方で緊急質問があるというので席をお立ちになつたのでありますが、今緊急質問は濟んでおるようでありますが、こちらの質問の最中でありますから、こちらにお帰りの筈でありますのに、官邸の方にお引取になつた。私共としては、この暫定豫算が甚だ切迫した時に出されたことに對して非常に遺憾に思つておるのでありますが、それにも拘わらず何とか勉強いたしまして、今月中に間に合わせなければならんと思つておりますのに、昨日も總理はお待ちしておつて、おいでにならない。今日おいでになつても雨夜に月のように、ちよつとおいでになつて直ぐお帰りになつた。又おいで下さらない。かようなことでは私共としては審議の責を果すことはできんと思うのでありまして、大藏大臣がおいででございますから、一つお傳えになつて、本日どうしておいでにならなかつたのか、そこをはつきりして頂きたい。又明日は何時においでになるか。私共こうして忙しい中を、國會議員はずぼらだと言われておる際に出て來ておる。總理ちよつと來られますが帰つてしまつて、おいでにならない。こういうことでは、この豫算に對して、私共は五月一日から實行しなければならん豫算に對して責任を持つことはできないのでありまして、その點は一つ責任を明かにして頂きたいと思うのであります。
  97. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 私よりこの際お答え申上げ、尚希望を申上げてお許しを願いたいと思うのであります。總理は今日四時にどうしても開かなければならん緊急の閣議がございまして、私も四時にはその閣議に出なければならんことになつてつたのでありますけれども、こちらの委員會に出ましたので、その間に度々衆議院の豫算委員會からも早く來いという招集があつたのですけれども、それは體一つというわけで參り兼ねた。それと本日衆議院の本會議において、朝鮮人騒擾事件等につきまして緊急質問がありまして、總理は本會議に、こちらから參りまして、直ぐその後四時の閣議に出て、未だ閣議はやりつつあるのであります。そういう關係で出ることができませんでしたので、その點は御了解を得たいと思うのであります。尚この際許されますならば、今日衆議院の方も再三早く來いということでありましたけれども、こちらで御熱心なる御質疑を承わつてつたのでありますが、それがために衆議院の方は明日に持越されたということでありますので、明日はそのの方に又出なければならんことになつております。幸にと申しますか、政務次官の制度が又置かれまして、二名の政務次官が出ておりますので、政府委員も必ず出ますのでありまするが、お差支えない限り、私が衆議院に參つております際は、政府委員も確実に出られる限り、無論出ましようけれども、大藏大臣に關する限りは、政務次官も一つ罷り出ますから、政務次官の答辯もお聽き願うことにいたしたい。かようにいたしますることによつて、甚だ勝手な言い分でありますけれども、能率化もできるのではないかと思つております。そういうような希望を持つておりますので、希望としてお聽きを願いたいと思います。
  98. 左藤義詮

    左藤義詮君 御事情了承いたしましたが、總理豫算根本の問題について、本豫算等の見通しにつきまして暫定豫算を審議いたしまするには、どうしてもお尋ねしなければなりませんので、その點明日は必ず定刻に御出席下さいますように、大藏大臣からお傳え願いたいと思います。
  99. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 傳えることは傳えます。
  100. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) ちよつと申しますが、先程總理から使いがありまして、私のところへ、今日はちよつと差支があるとかいうことで、それでは止むを得ませんから、明日の朝十時からやりますから、是非御出席願いたいといつて置きました。  お諮りいたします。總理の御出席は、只今申上げたようなわけでありまして、明日でないと御出席がむずかしいと思います。それから西尾國務大臣に對する出席の要求がしてありますが、まだお見えになりませんので、止むを得ないと思いますから、今日はこの程度で打切りまして、明日午前十時から質疑を再開するということで御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 御異議ないと認めて、それでは本日はこれで散會いたします。    午後四時四十一分散會  出席者は左の通り。    委員長     櫻内 辰郎君    理事            西川 昌夫君            西郷吉之助君            中西  功君    委員            カニエ邦彦君            木下 源吾君            波多野 鼎君            石坂 豊一君            小野 光洋君            左藤 義詮君            鈴木 安孝君            寺尾  豊君            木内 四郎君            小畑 哲夫君            飯田精太郎君            岡部  常君            岡本 愛祐君            川上 嘉市君            島村 軍次君            鈴木 直人君            東浦 庄治君            姫井 伊介君            渡邊 甚吉君            池田 恒雄君            藤田 芳雄君   國務大臣    内閣總理大臣    外 務 大 臣 芦田  均君    大 藏 大 臣 北村徳太郎君   政府委員    大藏政務次官  森下 政一君    大藏事務官    (主計局次長) 河野 一之君   説明員    大藏事務官    (銀行局特殊金    融課長)    磯田 好祐君