運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1948-04-02 第2回国会 参議院 予算委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年四月二日(金曜日)    午後二時四十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十三年度一般会計暫定予算補  正(第一号)(内閣送付)   —————————————
  2. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 只今より開会いたします。本日の議題は昭和二十三年度一般会計暫定予算補正第一号案であります。政府より提案理由の御説明を願います。
  3. 河野一之

    政府委員河野一之君) 今回提出いたしました昭和二十三年度一般会計暫定予算第一号について御説明申上げます。  この暫定予算補正第一号は、昭和二十三年四月分暫定予算追加するものでありまして、歳入歳出追加額はおのおの六億四千七百万円であります。その歳出追加額は、新制中学校校舎建築のために必要な経費に関するものであります。  次に、歳入暫定予算追加額の内訳は、所得税六千百万円、國立病院收入五千八百四十余万円、住宅復興資材拂下代二千七百三十余万円、薬品拂下代千六百余万円、公共團体工事費納付金及び分担金七千百万円、各種公團納付金三億三千九百三十余万円、競馬会納付金三千四百余万円、運輸建設本部納付金二千十余万円、電力超過加算料金受入千九百五十余万円、合計六億四千七百万円と相成つておりまして、いずれも昭和二十三年度年間收入見込額月割額が、すでに成立いたしました四月分暫定予算に計上いたしました金額に対して、増加する見込額によつたものであります。  新制中学校校舎建築費に関しましては、財政現状等愼重研究を重ねました結果、ここにその予算を提出いたすことと相成つた次第でありますが、諸般の事情によりこの予算案の提出が遅延いたしましたことは甚だ遺憾に存じておりますが、何分この予算新制中学制度の実施のため、緊急必要といたすものでありますので、早急御審議をお願い申上げる次第であります。
  4. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) これより質疑に入ります。御質疑はございませんか。
  5. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 伺いますが、昨日議決しました二十三年度一般会計暫定予算、その收入の御説明のときに所得税も一年間月割額だというふうに伺つたんですが、そうすると又今度今ここで拜見しますと所得税がありまして、これも年間月割額増加ということになるのですか。その間の関係を御説明願いたいと思います。
  6. 河野一之

    政府委員河野一之君) 暫定予算に計上いたしました所得税收入は、大体年間現行税制による收入見込額の千四百五十億円と考えまして、その十二分のを計上いたした次第でございます。然るところ政府職員給與水準引上げが月に遡つて行われることになりました関係上、この月分月分については当初の年間收入見込みました金額の中にこれに相当するものが入つておりませんでした関係上、この分を考慮いたしまして合計いたしまして十二分の一にいたしました結果この金額が殖えるという計算に相成つた次第でございます。
  7. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 そうしますと、昨日の暫定予算、本予算のその時の所得税月割額は誤つてつたということになりますが、二千九百二十円ベースによつてやられたということなんですか。
  8. 河野一之

    政府委員河野一之君) お答え申上げます。誤つてつたと申しまするか、その分の所得秘計算上におきまして、尤も四月以降につきましては二千九百二千円べース、これは勤労所得についてでありますが、官公吏勤労所得につきましては、そういう計算をいたしたのでありまするが、その時の計算におきましては、今度の給與引上げに伴う給與が三月中に支拂われるのであろうといつたような関係も考慮し、当初暫定予算を組みまするときには、その分を特に考慮いたしておらなかつた次第であります。從いまして更にこの六億四千七百万円という追加を出しますにつきまして、更に年間收入をいろいろと考慮いたしまして、租税ばかりではありません、その他のものにつきまして更に再念査いたしました結果、この程度金額見込み得るということで出した次第であります。ちよつと速記を止めて頂きまして…。
  9. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 速記を止めて。    〔速記中止
  10. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 速記を始めて。
  11. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 大体了承しましたが、これだけの支出増加になりますと、又その前に百二十億であつたこの時の大藏省證券ですか、その発行が百二十億より殖えるということになるのですか。
  12. 河野一之

    政府委員河野一之君) 昨日御議決を頂きました暫定予算におきましては、大藏省證券発行限度を百二十億円、といたしておるのでありまするが、大体その百二十億円の計算をいたしまする場合においては、一応四月における國庫金の金繰り上、一時的に資金の不足を生ずるものは大体百億円程度ではないかというように一応予想したのであります。併し御承知通り政府職員給與が四月に入つて支拂われる向きもございまするし、即ち昭和二十二年度の一般会計出納整理期間中における歳出歳入とのずれというようなこと、も考慮いたしまして、他の余裕を見て、実は百二十億円といたしました関係もありまして、更に六億円の追加がございましても、この百二十億円の限度内で支弁できる、こういう見込みで特に大藏省證券発行増加についてお願いいたさなかつた次第でございます。
  13. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 尚別に配付されました昭和二十二年度水害復旧費予算処理というもの拜見しますと、この六三制の残りの予算、今度追加になりましたもの、これは一連託生の問題として、復旧費何億円というものの問題があつたわけでありますが、これは六三制の方が追加になりますにも拘わらず、この昭和二十二年度の公共事業費予算の未使用額の中から差繰つて支出をするというような不徹底なことになりました理由、それからこの未使用額が果して出るかどうか、出る見込みが確実なのかどうか。聞くところによりますと、未使用額が出ると言われておられるけれども、それはすでに当てのある金であつて、そういうものは出る筈がないのだというふうにも聞いておるのでありますが、この点を明らかにして頂きたい。
  14. 河野一之

    政府委員河野一之君) 昭和二十二年度の公共事業費百四十七億でございまするが、その内、第三四半期分といたしまして、未だ使用しておらない金額が十八億円程あつた次第でございます。それは勿論災害復旧、それから河川治水造林住宅、開拓その他いろいろあつたわけでありまするがその未使用額の内を組み替えまして、他の方を削減いたしまして、災害関係に二億円を増加する、こういう措置を取つた次第であります。即ち公共事業費につきましては、一本で公共事業費となつておりまして、これを経済安定本部におきまして、その実際の使用に当りまして、その計画を定めて認證する、そうして使用する、こういうことに相成つておるのでありますが、そのすでに一応内部的に決まつておりました分を変えまして、そうして二億円分だけをこの災害の方に追加する、こういう措置を取つた次第でございます。速記を止めて頂きます。
  15. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 速記を止めて。    〔速記中止
  16. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 速記を始めて。
  17. 河野正夫

    河野正夫君 二、三伺いたいと思うのでありますが、今回の予算は、先に閣議で六億四千七百万円でしたか、決定されたものの内政府からの支出が約十億円、その残額だと了承いたすのでありますが、その際に三十一億と決まる場合に、私共総理にも、乃至は文部省にも、安定本部にもいろいろと交渉して聞いた時には、この三十一億というのは当然それに建築用材とかその他の物資裏付けを持つが故に、それ以上は増加困難である。財源というばかりでなくして、そういう物資裏付けという面からも、それ以上殖やすことはできない、こういうようなことを聞いておつたのであります。今回の暫定予算補正が出るまでの間に、この金額相当する物資は、すでに地方建築公共事業として新制中学建築のために地方に廻してあるのか、或いはこの予算が通過した後にその物資が廻るのであるか、その点を最初に伺いたい。
  18. 河野一之

    政府委員河野一之君) この六億四千七百万円の補助を計上することによつて新らしく物資を要する面は恐らく少いのではないか、実は大体済んでおる工事が多いのではないかと私は考えております。ちよつと速記を止めて下さい。
  19. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 速記を止めて。    〔速記中止
  20. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 速記を取つて
  21. 河野正夫

    河野正夫君 次に、先程申上げました三十一億の問題の、地方債に任せるという十七億の問題が、地方では大藏省からの六・三諸費というものの成績と見合せて、許可が來れば起債するというようなことで、相当困難をしておつたかと思いますが、只今までのところ、この地方債十七億の限度はどういう進行状況を示しておるか、その点について伺いたいと思います。
  22. 河野一之

    政府委員河野一之君) 地方債の十七億の金額についてでありますが、これは地方債全体といたしまして、いろいろ窮屈な状況になつておりまして現在までのところ学校の分として特に調査をしておらないのでありますが、二十二年度の計画といたしましては、当初の計画は五十七億円程でありました。外に予備的なものとか進駐軍の命令工事でありますとか、災害関係等を合せまして合計六十七億、その外に六三その他の関係で四十億程追加いたしまして、大体百十億見当が二十二年の地方債の予定であつたわけであります。併しながらこれはなかなか思う通りに参りませんで、大体二分の一程度しか地方債としては消化ができなかつたというような状況に相成つております。勿論この外に一時借入金その他で動いておるものもあろうかと思いますが、一般的に実情は非常に苦しい状況になつておるのであります。この中に幾ら学校関係として認められておるかどうかということにつきましては、只今資料を持合せておりませんので、御了承願いたいと思います。
  23. 櫻内辰郎

  24. 姫井伊介

    姫井伊介君 國立病院收入についてでありますが、御承知通り戰爭犠牲者の、殊に結核患者などの入院者費用につきましては、たとえそれが負担し得る事情における者でも、長期治療を要しまする関係上、到底その費用の支弁に堪えないということは、かねてからの声でありまして、殊に生活保護法によつて療養を受けております者達は、一ケ月に少くとも千円乃至二千円の自腹を切らなければ、その栄養、並びに治療が保つて行かれないという状態にあります。そういう点からいたしまして、この追加收入につきましてはその辺のことも十分に考慮されまして、無理のない程度にお見込みになつておりますかどうかということをお伺いいたします。  次に、公共團体納付金及び分担金各種公團納付金等のことでありますが、公共團体に関するものは、河川改良費納付金、或いは治水事業費分担金、或いは港湾整備費分担金國土改良費分担金農業水利費分担金でありますが、こういうものはそれぞれの施設におきまして、その会計が運営されるべきであつて、それ等の特別施設会計に属するものの收入をこの新制中学校校舎建築費に充てて、それが正しいやり方であるかどうかということであります。又各種公團納付金にいたしましても、それは公團経営收支会計において処理されるべきものではないでしようか、この点をお伺いいたしたいと思います。
  25. 河野一之

    政府委員河野一之君) 病院收入につきましては、現在藥品の値上り、或いは食費の値上り等を考慮いたしまして、併し國営であるということの趣旨をも入れまして、できるだけ低廉にする配慮をいたしておるのであります。結核患者などにつきましては、相当長引くために負担に堪えないというようなこともお話通りでありまして、元の陸海軍軍人等につきましては、この点におきまして、相当な減免の措置を取つております。生活保護法関係におきましても、そういう方面についての考慮は、十分にいたしておるつもりであります。  それから六・三制の経費財源として、或いは公共團体工事費納付金、或いは分担金公團納付金というようなものを充てるのは如何かというお話でございまするが、予算といたしましては、特にこのものを財源といたしておるというふうに考えておるのではないのでありまして、予算全体として歳出を見、歳入全体として歳入を見るといろ建前に相成つておりまして、たまたま六・三の経費といたしまして、かくのごとき歳入予算面の上においては出ておりますが、これを目的的に考え予算を編成いたした次第ではないのであります。
  26. 小野光洋

    小野光洋君 先程政府委員の御説明によつて歳出歳入バランス健全財政建前で立てなければならないから、今歳入予算としてここへかような数字で書き上げておるというふうな御説明であつたように思いますが、そうだとすれば、ここにいろいろな費目が並べ立てられておるのは、必ずしも六・三制予算のためにこれを立てたのではないということに相成るわけでありますが、結局六億四千七百万円の六三予算を何とか歳出歳入バランスの合つたような工合に拵えるために、特にこういつた歳入費目を挙げたのだ、実際はこれは本質的には赤字財政になつて大藏省證券か何かの発行というようなことに相成らなければ賄えない中味を貰つておるものであるとか、かように了解してよろしいのかということと、それからもう一つは、水害復旧費の二億円の問題でありますが、未使用額が大凡そ十八億、その十八億円の中の二億円だけをこちらの方に廻すことの大体了解ができたのだと、こういうお話でございますが、公共事業費の中から特に二十二年度の未使用額十八億円できたということは、その中味はどういうものであるか。未使用額が十八億円もできたのかということについて、詳細に御説明を願いたいと思います。
  27. 河野一之

    政府委員河野一之君) 私のお答えのしようが惡かつたと存ずるのでありますが、予算面の上では一應六・三の財源としてかくのごときものを取つたということに相成つておることには間違いないのでありますが、歳入自体從來考え方といたしまして、これのためにこれというふうな、目的的な歳入は実はないのでありまして、たまたま六・三の経費を支弁いたしまするために、いろいろと歳入を探してかくのごときものになつた。こういう意味合い場のことを申上げた次第であります。  それから公共事業費の点でありまするが、これは先程申上げました通りでありまして、十八億ほどの未使用額というものはこれは各四半期ごと経済安定本部におきましてその使用計画を立てまして、それにはどこの川は幾らでやる、或いは補助率はどうであるといつたようなことにつきまして、一定の計画を立てまして閣議の決定を経まして関係方面の了承を得るわけであります。そういう手続で支出いたしておるのでありますが先程申上げましたような事情によりまして、未使用額がそれだけ残つてつたわけであります。勿論その十八億の中には災害関係の分もあつたわけであります。確か四、五億円程度つたかと存じますが、災害以外のものが十数億円あつたわけであります。それの災害以外のところを更に、十二、三億のところでありますから一割以上も減らして、そうして災害の方をそれだけ殖やした、こういう処理をいたしたと、こういう意味合でございます。
  28. 小野光洋

    小野光洋君 そうしますと、この歳入予算の上げられた費目は、事実これはこれだけの増收があるのですか、若し事実これだけの増收が、昨日可決したところの暫定予算と、日ならずして今日又出たこの予算に、これだけの増收が事実あるとすると甚だおかしなことになりはしないかと思うのですが、これはバランスを合わせるために出したとすればこれも止むを得ない、今の説明だとこの收入が事実ある。ただ、それをこれに使うかどうか分らんのだけれどもということですけれども、事実あるとするならば、何故今までの暫定予算のときにこれを出さなかつたか。
  29. 河野一之

    政府委員河野一之君) これは、年間としてありまするものの十二分の一をとつたわけであります。年間として、現行税制なり或いはその他の歳入に関する制度におきまして二十三年度の年間を通じてありまするものの十二分の一をとりました。歳出の方もそういつたものもございますが、なお從いまして十二分の一の金額といたしますると、暫定予算にありました四百五十六億、この金額まで、年間收入の十二分の一を取つた場合、計上する必要はなかつたものでございますから、それだけの金額がなお予算の計上の上においては、それだけを超過して出す程のこともなかろうというので出さなかつた次第であります。更に六億幾らというものが出て來ました結果、再檢討いたした点もございますが、年間の全体の收入見込みまして、その十二分の一をずつと、あらいざらいやつて行きますとこの程度のものが出た。又その收入見込み得る、こういうことになつたわけであります。
  30. 木下源吾

    木下源吾君 ちよつとお伺いしますが、この水害復旧についてのあなたの方の関係一つお分かりの点だけでよろしいが、どの程度復旧しておるか、それからもう一つは、いろいろの予算外契約などをやつておるのだが、地方公共團体がこれが処理について、今日どういう実情にあるか、これを一つつておる程度説明を願いたいと思うのです。
  31. 河野一之

    政府委員河野一之君) 昭和二十二年即ち昨年の災害復旧費は、総額が大体三百八億程度考えられております。これは建設院関係河川都市計画農林省関係農業、山林、水産、運輸省の港湾文部省学校関係、厚生省の上下水道関係ということに、これを合計いたしまして三百八億、これを從來の行き方で國がどの程度補助するか、或いは國が負担するかという計算從來の例によつてやりまするというと二百三十二億程度に相成るわけであります。その中二十二年度に支出いたしましたものが二十四億、これは國庫負担におきまして二十四億、從いまして二十三年度以降二百億以上のものが実は残つておるわけでありまして、國の二百億以上の國庫負担残つておる。これも事業費で申上げまするならば、二十二年度三十四億、二十三年度以後二百七十五億という数字が出ておるのでありますが、國庫負担としては先程申上げました通りでありまして、まだ二百億以上の國庫負担残つておるという計算になるのでございますが、実際の問題におきましては、先程六三の例もあるのでありまするが、或る程度地方において、その負担においてやつておるという部面が相当あろうかと存じております。この前も十億の予算外契約をいたしたのでありますが、その分につきましては、十分金融の途を考えて、金資について相当に斡旋いたしまして、事実地方團体において自己の資金も加えて相当できたところがあるのではないか、こう考えております。ただ最近のような資金の詰つておる状況におきまして、從來まだ物資も不足しておりまする現状におきましては、十分なことはなかなかできないのも止むを得ないかと存ずるのでありまするが、ただこの際におきまして國として重点を置きまして、災害復旧を促進いたしました面は、この春水に際しまして植付け等に困るといつたような所を重点的に施行させることにいたしました。まだ造林、森林、治水何かにつきましても、雪解けの水が來て急に破壊せられる、河川、堤防が破壊せられるといつたようなところをピックアップしたりしまして、僅かな少い金ながら重点的にそこらのところを優先的に施行するということにいたしましたので、金の使用せられる割合に比較いたしましては相当な効果を挙げておるのではないかと考えます。勿論災害を受けました地方の方々に取りましては、勿論不満足ではあろうかと思いまするが、できるだけその配慮はいたしたつもりでおります。
  32. 木下源吾

    木下源吾君 どうもこれは実際のことを申上げるのですが、水害復旧は、第一回の國会でも非常に重要視せられて、大臣から第二回國会の劈頭に早速報告をするということを言つておる。ところが今日まで何もないのですな、実際地方においでは非常に困つておる。地方財政公共團体財政が困つておるばかりではなく、実際においても復旧ができないで、増産なぞ幾ら言うても、これは不可能だという面も多々あるのですが、あなたにお聽きしてもしようがないかも知らんが、政府は一体これはこんなことでいいと思つておるのかどうか、思うておるならば、もう少し関係方面へでも適当に合理的に実情を本当に合理的に説明をせにやいかんと思うのですが、そういうことが非常に怠慢じやないかと思うのです。誠に二百三十億からのものに対してその一割くらいのものより少ない二十四億くらいのもので、誰が見ても水害復旧などできつこはないのです。実際において地方公共團体では自腹を切つたり、いろいろ金を借りたり、それがために外の方の金融もすつかり詰まつておるのです。非常にこれは地方では困つておるのだが、一体あなた方は二十三年度の年次予算に、本当に今度の予算には相当力を入れる考えを持つておられるかどうか、これはあなた方は行政の中心だから一つ聽きして置くのですが、これができないということになるならば、我々は考えがあるのです。これは不熱心だと思うのです。これをどうしてもやらなければならないということは、誰人でも認めておるのです。勿論急用もあるだろうしその他にも追われるだろうが、災害復旧をやらなければ肝腎なものが取れないのです。何をやるにしても災害復旧が一番根本なのです。これを忘れたかのごとくやつておる。大臣達は変る度に忘れてもいいけれども、恐らくあなた方は忘れることはないと思うのですが、この点について一つ忌憚のないことを言つて聽かして下さいませんか。我々は又これから地方へ大いに責任を以て言わなければならんのですから一つお願いします。
  33. 河野一之

    政府委員河野一之君) 只今仰しやいます通り災害復旧が現在の段階に最も緊急を要するものであることは御指摘の通りでありまして、明年度予算を編成する上におきましても、先ず第一に、災害復旧を第一次的に公共事業費の積算について考えたいと思つて、現在仕事を進めております。  それから災害復旧及び災害復旧に準ずる治水事業、即ち現在はいたんではおらないけれども、相当荒廃して一旦水が出るならば大きな美田も台なしになつてしまうというような、この際ちよつと手を掛けて置けば、その後大きな災害は未然に防ぐことができるといつたような工事を第一次的に優先的に考えて行くという考え方をいたしております。
  34. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 速記を止めて。    〔速記中止
  35. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 速記を始めて。
  36. 河野一之

    政府委員河野一之君) これは國、地方といい、これは結局煎じ詰めるところ、全部が國の行政でありまして、ただ法令上どれを國の事務とし、どれを地方事務とするか、法令上の分け方だけに過ぎません。勿論本質的なものもありますけれども、そういうふうに考えられます。それと地方財政と國の財政関係は、財源をどういうふうに配分するかというだけの問題であろうと私は思うのであります。從いまして從來いろいろのことも言われましたけれども、國の財政が立ち、地方財政が立つて始めて國家全体としての行政運営がうまく行くのでありましてそれには國と同様、地方も十分な財源を持たねばならないということは当然であろうと私は考えるのであります。最近におきましては、地方財政が非常に窮迫いたしました原因はこれは相当理由があろうかと思います。  それには勿論國の方の積極的な原因もあつたろうと思います。即ち補助率が低くて実際上施行できないような予算單価でこれを補助するといつたような面もなくはなかつたかと思いますが、その根本原因は、地方財政の窮迫に至りました根本原因は、最近における水害、殊に連年大水害が続いたというようなことが、やはり大きな原因をなしておるのではないかと思います。明年度は目下地方財政委員会におきまして、地方財政の基礎を確立するためのいろいろな案を考えておられるのでありますが、それも同じく國が健全財政を取るならば、地方も同じく健全財政ということを考えて行くべき筋合のものでありまして、現在國といたしまして赤字を出さないという方針は、地方財政においても嚴に守らなければならないと思うのです。地方財政歳出の中に占むる割合というものは、役場の経費とそれから警察、学校関係及び災害土木費を入れまして大体八割程度になるというような地方財政というものは、どうしてもこれは國から或る程度財源を與えて解決をしなければならんというふうに考えるのでありまして、從來災害復旧は固より、土木費というものは國からの補助金を除いては全部地方公債で仰ぐというような制度は、國が公共事業費についても公債財源をもつて当てていない以上、相当考え直す必要があるのではないか、勿論大災害がありました時には、これは或る程度、公債、地方債財源を仰ぐのも止むを得んと思うのでありますが、過去の一定の期間を平均いたしまして、地方全体を通じて毎年起るであろう程度災害復旧経費というものは、一般の地方復旧財源としてこれを組込んでやつてやるのが、正当と申しますか、眞の地方健全財政を維持させるゆえんではないか、こう考えておるのでありまして、本年度以降の地方財政の確立につきましては、地方財政委員会大藏省とにおきまして、いろいろと具体案を練つておるような次第であります。決して災害復旧経費をどんどん地方に押し付けるようなことは絶対に考えておらない次第でございます。
  37. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。そういたしますと、衆議院から案の回付を受けまするまで暫時休憩をいたします。    午後三時三十一分休憩    —————・—————    午後七時十分開会
  38. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 只今より開会いたします。來たる五日の午後一時に開会することとして、本日はこれにて散会いたしたいと存じますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 御異議なしと認めます。それでは本日はこれにて散会をいたします。    午後七時十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     櫻内 辰郎君    理事      西郷吉之助君    委員            木下 源吾君            中村 正雄君            村尾 重雄君            森下 政一君            小野 光洋君            寺尾  豊君            深水 六郎君            大島 定吉君            木内 四郎君            小畑 哲夫君            鈴木 順一君            飯田精太郎君            岡部  常君            岡本 愛祐君            河野 正夫君            島津 忠彦君            高田  寛君            服部 教一君            東浦 庄治君            姫井 伊介君            藤田 芳雄君   政府委員    大藏事務官   (主計局次長)  河野 一之君