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1948-03-20 第2回国会 参議院 予算委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年三月二十日(土曜日)    午前十一時四十六分開會   —————————————   本日の會議に付した事件 ○昭和二十二年度一般會計豫算補正 (第十五號)(内閣提出衆議院送 付) ○昭和二十二年度特別會計豫算補正 (特第九號)(内閣提出衆議院送 付) ○昭和二十二年度特別會計豫算補正 (特第十號)(内閣提出衆議院送 付)   —————————————
  2. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 只今より開會いたします。昨日に引續き質疑を行います。木村禧八郎君。
  3. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 大藏大臣にお伺いしたいのでありますが、昨日大藏大臣は私の質問に對する御答辯において二千九百二十圓の給與は、これは組合が呑んだ上で一齊に支拂いたいということをはつきり答辯なすつたのでありますが、併しこの御答辯はこれまで大藏大臣がしばしば言われましたところの、この給與條件附で與えるものではないという御言明と全く違つておるのでありまして、昨日の御答辯によりますと、はつきり條件附支給であるということになるわけであります。その點が我々としては納得行かないのでありまして、その點に封ずる御答辯を求めたところが、大藏大臣はそれは木村君の判斷に任せるというだけで、親切な御答辯がないのであります。これは非常に重要な問題になつておるのでありますから、大藏大臣はもう少しその點を我々に納得行くように親切に御答辯願いたいと思うのであります。更にこの全官公、全遞の組合等情勢は昨日と大分違つて來ておるように見受けられますし、若し参議院においてこの問題に對する處理を誤つた場合、どういう事態が起るか分らないような状態になつておることを考えますと、我々は輕率にこの問題を取扱えないと思うのであります。愼重に審議し、我我の十分納得行くように、我々ばかりでなく國民の本當に納得行くように大藏大臣の御答辯を煩わして、そうしてこの問題に對する態度を決めたいと思うのであります。従いまして昨日の御答辯、即ち呑んだ上で一齊に支拂いたいということは、明かにこれは條件附支給でありますので、この前の大藏大臣の御答辯と食い違つておりますが、この點について御所見を伺いたいのであります。
  4. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 只今の御質問にお答え申上げたいと思うのであります。これは昨日來度々繰返しました通りでありまして私共といたしましては全部受諾を受けるものと期待して、又そのことを願つて、今の内外の情勢から是非呑んで頂きたい。こういうことを以て呑んで頂くように努力を續けるということを申上げておるのでありまして、これ以上重ねて詳しいことを申上げることはできませんのであります。
  5. 岡田宗司

    岡田宗司君 昨日私は加藤勞働大臣の出席を要求して置きましたが、まだお見えになりませんでしようか、
  6. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 見えるそうです。
  7. 川上嘉

    川上嘉君 今の大藏大臣答辯に對して、更に質問いたしますが、御承知通り三月の上旬に官公吏給與支給したきり、その後支給されていない。そうして、そういつた土壇場に追詰められてこの二千五百圓の暫定給與を……、爭議態勢を解いたらこれを支給するといつたようなやり方はどうも非紳士的であり、欺瞞である、かように考えるのでありますが、これに對する大臣の見解を求めます。
  8. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 政府は各勞働團體に對しましても呼びかけまして、二千九百二十圓の受諾を希つておるのであります。今度とりました方法欺瞞であるとは考えておりません。
  9. 川上嘉

    川上嘉君 それでは同時に支給して貰いたい。若しそれができなければ、少くとも二十四五日頃までに全官公吏に對して、無條件で、この二千五百圓の暫定給與支給して貰いたい。これに對する大臣の御意思を發表して貰いたい。
  10. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 御答え申します。同時に支給ができますように努力しておるのでありますが、全然無條件で一切の勞働團體に同時に拂うということは考えておりません。
  11. 中西功

    中西功君 豫算委員會と、それから財政金融委員會とがかち合つておりまして、豫算委員長の方針では、先ずこの豫算委員會財政金融の方の質問も集中したいというふうな意向でありましたので、私最初この政府職員俸給等に關する法律案というものについて、質問したいと思います。  第一は、この俸給等に関する法律案のこの提案理由を見ますと、この際、差當りの措置として、職員に對し、一月以降當分の間、暫定給與支給することとする必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。こう書いてあります。又從つてこの法律案に伴う豫算も、そういう趣旨から組まれておるものと我々は了解するものであります。それで、私は、第一にお聽きしたいのは、この法案竝びに豫算案が提出された差當りの措置として職員に對し云々と、この暫定給與支給する必要があるというのはそもそも如何なる必要で以て支給するのか、その點をはつきり聽きたいと思います。
  12. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 給與水準引上げることは極めて急務であると考えておりまして、從つて今囘の措置を取つたのであります。又、從つて、一日も早くできれば一齊に支拂ができるように受諾を願いたいということで、昨日から繰返して申上げておる通りであります。
  13. 中西功

    中西功君 そうすると提案理由の中には、そういう受諾を願いたいということは書いてないわけですが、これはどうして書かなかつたのですか、とにかく差當りの措置として支給するというのは……、今まで法律案に關して政府が出したものには、提案理由には書いてあるが、それの一番大きな理由は何といつても、政府職員が、今やはり物價高の下で困つておる。だから差當りこの暫定給與支給することが必要であるということは、普通常識として考えられておることと思います。今までもそうであつたと思います。この提案理由の中に差當りの措置としてということの必要が、本當に政府職員實際に困つておるから、それを救濟ずる意味でやるというのか、それとも新給與水準を呑んで貰うために、又その手段としてこの二千五百圓を暫定支給するのか、そのどちらかをはつきりつて貰いたい。
  14. 北村徳太郎

    國務大臣北村徳太郎君) 二千九百二十圓を給與することは、呑んで貰うことの手段ではございません。これは給料です。それから提案理由の中に呑んで呉れということを書いてないじやないかという御指摘がございましたけれども、これは國會議員提案理由を申上げたのでありまして、勞働團體提案ではございません。左様に御承知を願います。
  15. 服部教一

    服部教一君 どうもさつきからの問答を聽いておるというと、まだはつきりせん點があるのです。私は政府を攻撃するとかそういう意味は毛頭ないのです。早く日本勞働運動靜かにつて外國の信用を得て、外國から資本を日本に入れなければ日本インフレを防ぐことができない、そうだから勞働者側も無理なことを言うて貰つては困る。誰も懐中に金があつて出すのじやないのですから……、豫算というものがあつて堂々これを決めて行くのでありますから、無理なことを言うて貰つては困る。金を出さないからあつちでもこつちでもストをやる、電話を掛けたら電話が通じない、電車に乗ろうと思つてもいかんとか、残業をやろうと思えば四時退廳とか實に下らないことを勞働者はやつておるのです。そういうことをやらせるということが又政府の大責任だと思います。それだからこれをやつたら呑むとか呑まないということでなしに……、それから私委員長にもお聽きしたい。先程あすこで陳情しておりましたが、それはどういうことを陳情したのでありますか、一應それを聽きたいのであります。
  16. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 陳情の趣旨は同時に支拂つて貰らいたいという御趣旨であります。
  17. 服部教一

    服部教一君 子供じやあるまいし、やるというものはやるんだし、又そういう不秩序ストをやらんといえばやらないだろう、それだから二千九百二十圓に今度ともかく決めた、あと又それを増加するについては互いに相談して、勞働者生活しなければいかんのです。インフレが進むからお前達は食わずにおれというわけに行かん、やはり増してやるものは増してやらなければならん。勞働者も餘計欲しいことは欲しいだろうけれども、そう勝手なことを言われても、要するに國民から税を取らなければならん。誰も個人が出すのぢやないのでありますから、税を取るには税を取る順序があるのです。やはり耐乏生活をやる必要があるときには耐乏しなければならん。勞働者に限らない、我々も亦そうです。足らないところを不自由して辛抱しておるのです。そこをもう少し政府勞働者の間で都合好くやつて貰らいたい。日本の國内で騒ぐということは非常に損です。又勞働者側も騒がなければならんときには騒がなければならんことになるでしよう。食うことができないときにはやはり訴えなければならんでしようけれども、秩序を立ててやるときにはやるがよかろうと思う。けれどもむちやくちやにやられては困る。ここを一つ今度私は勞働大臣にもよく聽こうと思う。勞働大臣勞働者に對する理解は餘程あるのだろうと思う。勞働大臣は見えておるのですか。
  18. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 今呼びに行つておりますから……。
  19. 服部教一

    服部教一君 ともかくも二千九百二十圓を部分的にはやるの何のということはどこからそれが出て來るのか。その局に當つておらるるお方はどういうやり方をしておられるのですか。それをはつきり聽きたい。決して誰を攻撃するという意味ぢやないのです。そこは相談です。豫算委員會は相談しておるのです。喧嘩するところじやないのですから、はつきりと聽きたいのであります。どこでそういう行詰りが來ておるのか。又各官廳官廳によつて今日は遞信省の官吏がやつておる、今日は文部省の官吏がやつておるというような、そういうようなことは一體どこから出て來るのですか。實に秩序が立つておらんと思うのです。これは日本の恥さらしになるのであります。我々は互に勞働者勞働者、又内閣内閣、各官廳局長とか課長とかいうような人は個々別々に自分の感情によつてやらずに、堂々とやつて行かなければならんと思うのです。その點どうもはつきりせんのです。私はこの豫算を通さないとか通すとかいうのじやないのです。これをはつきりしてやらんというと我々の責任が立たんと思うから申上げるのであります。
  20. 中西功

    中西功君 次に私は第二條の問題について少し質問したいのですが、「この法律の本則第三項の規定による俸給等の額及びその支給に關する事項を定める法律規定が適用せられるまでの間、」という前提があるわけであります。その適用せられるまでの間職員に對しては暫定給與をするということになつておりますが、この適用せられるまでの間という、この問題を實際政府はどういうふうに具體的に考えておるのかという點でありますが、これについては私二つの問題があると思うのです。一つは即ち新らしい給與體系の問題として、國會に對しても政府法律を出さなければならないだろうし、政府自身としてもいろいろ立案しなければならないだろうし、そういうふうな問題があるということと並んで、政府自身官公廳勞働組合團體交渉によつて、それを組合側に承認して貰うとか、して貰わないとか、そういう問題も含まれておると思う。で、これをもつと具體的に言うならば、大きな給與體系の問題として問題があると共に、二千九百二十圓と二千五百圓との差額についても、給與體系關係するところ多いからして、これについては時間がかかるからという意味もあると思う。そういう中には給與體系全體について政府當然官公廳勞働組合團體交渉しなければならん。これは舊來の要求からそうなつておる。同時に又二千九百二十圓と二千五百圓との差額四百二十圓についても、これをどういうふうに支給するかについては、やはり組合側との間に團體交渉しなければならん。そういうまでの期間として、要するに國會に對しての承認の問題もあり、又組合側との團體交渉の問題もある。そういうために時間がかかるから暫定給與二千五百圓を内金として支給する、こういう意味に取れると思うのです。そういう意味なのか、その點大臣答辯を求めたいと思います。
  21. 今井一男

    政府委員今井一男君) 二條趣旨は大體只今の御指摘通りでございます。ただ二千五百圓というものも、これは前提といたしまして、二千九百二十圓の臨時給與委員會報告書、その報告書プリンシプルというものが適用されることを前提にいたしております。その點御了承願います。
  22. 中西功

    中西功君 そのプリンシプル、二千九百三十圓の。プリンシプルが承認される、されないということは、これは政府勞働組合との關係の問題であつて、これは團體交渉によつて當然政府は善處すべきだと思う。で、それは我我が、この國會が二千五百圓を内金として支給するということについては實際關係がない。特に昨日全遞の代表或いは宮公廳代表が新らしい要求として、二千五百圓を即時支給せよ、並びに新らしい次の問題、残つておる他の問題については、團體交渉によつて解決したいということを申入れたのに對して、政府はこの要求を蹴つておる。要するに頭から二千九百二十圓を呑め、こういうような態度に出ておる。團體交渉をなぜ否定しておるのか、現實の問題として、なぜそういうようなことに感じないのか、この點、局の囘答を願いたいのであります。當
  23. 今井一男

    政府委員今井一男君) 申上げます。團體交渉を否定する考え方は、全然持つておりません。ただ現在の給與體系が相當亂れておるので、これをこういつた形に直すのがよかろうというような大體の枠が、臨時給與委員會報告書の中に出ております。これを實現いたします、これを本位に考えますというと、これの支障とならない範囲内において内拂いをするという考え方に立ちますというと、實は二千五百圓という数字は出て參りません。もつともつと低い数字であります。ただそれでは只今の全官公廳職員生活實態から考えまして適當でございませんので、それでこれを成るべく高く引上げろ、そこに給與體系を本格的に實現するための要請と現實とのいわば妥協線のようなものが、この二千五百圓という数字でございます。これは委員會報告趣旨にもその通り見えております。従いまして二千五百圓というものが今回のこの報告書に謳われましたゆえんも、やはり全體のあるべき體系というものとの關連性が十分含まれておりますので、それと全然切り離しまして、二千五百圓の問題だけを議するというわけには行きにくいと思います。
  24. 中西功

    中西功君 第二條を適用せられるまでの間ということに對して、私が二つの問題が含まれておる、國會に對する政府の問題と、勞働組合側團體交渉によつていろいろ解決して行くという問題、この二つの問題が含まれておる、その間内金として二千五百圓を支給するというのがこの第二條精神であるということは、政府委員は承認され、その通りだと言つた。ところがそれに含まれておる團體交渉實際の問題としては否定しておるわけであります。即ちはつきりいえば、二千九百一十圓を受入れなければ、二千五百圓もやらないということなんで、結局は第二條精神をここに書いてある法文通り我々理解しても、政府の言つておることと合わない。團體交渉をやるということが適用せられるまでの間ということに含まれておるならば、當然未解決の問題が澤山あるだろう。これは全遞だけでなく國鐵にもあると思う。そういう問題が當然あるわけであります。やつていいわけであります。團體交渉は當然やるべきであります。續けられて差支えない、この法文に関する限りそう思う。そう政府も言つておる。だのにその團體交渉を打切らなければ、爭議態勢を解かなければ二千五百圓をやらないということは自分自身の言つておるのと矛盾しておる。全く矛盾しておると思うのです。それでこれはまあ一應止しまして、次はもう少し具體的な問題について言いますが、實は昨日政府は、いや政府じやない大藏省給與局長は「政府職員俸給等に關する法律」による暫定給與支給準則というものを昨日の午後、正午頃すでに各官廳會計課長その他關係者を集めて訓示しておる、通達しておる。その通達の中に、第二條として「暫定給與は、臨時給與委員會の第一報告書及び第二報告書による給與水準及び給與體系の諾否に關する昭和二十三年三月十三日附政府通告書に對する囘答給與局において滿足なものと確認した勞働組合に所属する職員に對し、これを支給する。」、政府の今までの態度がここに非常にはつきり出ておると思う。問題は、一つの問題は、國會においてまだ何らこれが通過していない、通過していないというときに、今井給與局長がこういうふうなことをやつていいかどうか。更に或る箇所からまだ國會を通過していないじやないか。こういうことが指摘された場合に、いやそれはもう今日中に通過するのだからそれでいいのだというような返答を大藏省官吏がしたということも言われておる。更にもつと由々しき問題は、私これはこういうふうな或る噂があるということなんでありますが、衆議院財政金融委員會は極めてぼやぼやしておつて、殆んど質疑らしい質疑もせずにこの法案を通した。衆議院財政委員會というのはいい氣なものだというふうなことを或る官僚が言つておるということも我々の耳に達しておる。そういうふうに一つ問題としては、まだ國會において殆んどこれが全然通過していないことが明白なときに、こういうふうな訓示、準則を堂々と發表するということが越權行爲でないかどうか、國會を無視した行爲でないかどうかということであります。それについては昨日勞働組合側勞働大臣に追及した。追及した結果、勞働大臣自身もそれは少し出過ぎであるということを言明したそうでありますが、この中にも、給與局において滿足なものと確認した勞働組合云々、それには職員に對してはこれを支給してもいいというふうなことが書いてある。ここに政府條件附ではないと言つて置きながら、又大藏大臣は同時に支拂れるように努力するのだ、単なる努力であると言つて置きながら、はつきりこの準則の中には書いてある。給與局の意見、考え方滿足させない者には支拂わない。こう書いてある。一體こうしたことが、これが實際大藏大臣が今まで言つておることの内容なのかどうかということも問題になる。だから一つの問題は、これは大藏大臣にもお聽きしたい。これはそういうふうなことは國會を通つていない。通つていないのにこういうことを給與準則として通達することが越權でないかどうか。これは加藤勞働大臣もこれは越權であると言つたそうでありますが、これに對して一體大藏大臣はどう考えるか。更に又大藏大臣がいうところの同時的支給ということは、要するにこの第二條に書いてある内容そのままなのかどうか。それについては、「勞働組合に所属しない職員には、本條の規定の適用はないものであるから、當然法により暫定給與支給する。」、全くこうなりますと、勞働組合に入つていない方が支給に非常に有利だということにもなるわけでありまして、政府勞働組合に對する考え方が更にここによく出ておる。その點大藏大臣責任ある答辯要求したい。
  25. 今井一男

    政府委員今井一男君) 大藏大臣への御要求でございますが、私に関係しておりますので、私に先に一言喋らして頂きます。準則等國會を通過前に決めるといつたような形式……。
  26. 中西功

    中西功君 決めるのじやない。通達したのだ。
  27. 今井一男

    政府委員今井一男君) こういつたようなことが國會を無視した越權行爲であるかどうかという問題、最近の官公廳職員生活状態、それに對する給與關係から申しますというと、國會の承認あり次第即時支給しなければならんような場合が、現に毎月と申してよろしい程起るのであります。例えば昨年以來その例は幾らも毎月擧げられるのでりますが、そういつた際に國會の最終的な決定がありましてからそれの案を起す、それから各省に通達いたしましたのでは支給期日に遅れまして、そのために非常に全官公廳職員に迷惑をかけることが多いのでございます。勿論、論理的に申せば、國會最終確定がありましてから準備に著手することが正しいことでありましようが、準備手續を進めますことは、從來慣例上幾多この方法を取つております。ただそれがその後國會の再検討によりまして變つた場合には即時修正手續を取つておるのでありまして、例えば昨年七月、八月、九月の三ケ月間の六百圓の差額支給豫算につきましては地域の問題で議論がございまして、これなども一應通達いたしましたものを事後において取消しております。又昨年の十二月に二・八の問題と、そういつたようなことを繰返しております。從いまして私達事務上の手續を豫め用意して置くということは組合員の諸君の御要望に應えるゆえんでこそあれ、決してそれが國會を無視したといつたことには解決して頂かないで濟むのではなかろうか。勿論これは單なる用意を示したものでありまして、正式な發效は勿論國會の最終的な決定があつて法案が公布されました以後において生ずるものであることはこれは明瞭であります。さように一つ御了承を願いたいと思います。
  28. 中西功

    中西功君 それで準備をするということ、それは私よいと思う。大いにやつて貰いたいと思う。唯問題は昨日或る箇所から、まだ國會が通過していないじやないかといわれた反問に對して、いや今日中に通過するのだというふうな軽い答辯をしたということもありますが、それよりももつと問題は、これは私はここで、この委員會大藏大臣に對して、具體的政府はどんな支給手續、或いは準備をしておるのかということを聽いたときに、大藏大臣は答えなかつた。或いは政府委員の人も答えなかつた。昨日も我々に對して具體的準備をどんなことをするのだと聽いても答えなかつた。答えなかつたのに、今日は、一生懸命で國會意思に副うために大いに準備しておるのだということをいつて、こういう問題が出されればそういうことに返答するのだ。昨日一つも答えなかつた。ここにこの點が問題だと思う。私は具體的のことはどんなふうに支給準備をしておるのか。國鐵と全遞に對しては、或いはその他の組合に對して具體的にどんな準備をしているのかというときには答えなかつた。答えずにおいてこういうものを實際準備しているじやないか。準備していてこの中にさきに言つたようなことが書いてある。それを言わなくて、そうして我々に言わなくて、而も今日この問題が衝かれれば、これはこうでございます。これは言葉は幾らでも私は使えると思います。問題はそういうふうな態度が、果して國會を尊重しているかどうかということだと思うのです。この點については昨日池田委員からも、大藏大臣答辯振りに對しては相當の不滿があつたと思います。でそのことを私は申しておるのでありますけれども、ああこの問題は質疑を私は保留しておきます。  では文部大臣一つ……。それは簡單なんであります。六三制なんであります。昨日文教委員會からの代表もここで發言されたと思いますが、六三制の豫算がこの度の豫算に編入されなかつたということについては、非常に多くの人が不滿を持つておる。又猛烈な運動もやつておると思いますが、そのこともよく文相は御存じだと思うのです。ただ私がお聽きしたのは、曾てこの六三制の豫算について非常にいろいろの經緯があつた。ここに二十二年度の追加豫算において、追加豫算編成過程において、文相絶對我々はこの三十一億は通するというふうな話であつた。ところが追加豫算にさへ載らなかつた。でその追加豫算に載らなかつたときも、これは自分責任を以て次の追加豫算、或いは豫備金支出によつてこれは支給するというふうな言明があつた。更に私は日にちを忘れましたが、以前の片山總理大臣がたしか何かの教育関係の大會の席上において、この問題は職を賭してもやるというふうなことで言われた。要するに我我は今まで何回か職を賭してこの問題はやりますというふうな言明を聞いておる。而もこの度の追加豫算にはそれは載らなかつた。でこれについてはいろいろの問題があるということは私は知つておる。先日も大藏大臣から聞いておる。併し如何に困難があつたとしても、政治家として今までのそういうふうな言明をどういうふうに理解しておられるのか。どういうふうに思うのか。この度森戸文部大臣は再び芦田内閣文相として同じ椅子に坐られたわけでありますが、文相としての今までの言質に對し、或いは今後の行き方に對し、はつきりした、それこそはつきりした決心を聽いておきたい。そう思つたので實はこの二、三回に亙つて文相の出席を要求したわけであります。
  29. 森戸辰男

    國務大臣(森戸辰男君) 中西君からの御質問でありまして、前段の六三制の追加豫算六億四千萬圓が最終今年度の追如豫算に繰入れられなかつたことはことに文教に對して特別な關心を持つておいでになると思われる委員會の皆さんと共に、非常に私の遺憾といたしておるところであります。既にこの問題については、過ぐる委員會においても御説明にあつた通り、又文教委員會においても政府としては御説明申上げたのでありまして、私前内閣文相の職を奉じ、新らしい内閣においても同じ職に留まつたものと致しましては、この事態は極めて遺憾に存じておるのであります。實際両院に昨年請願された署名者は約百五十萬であります。私の手許に來た歎願十三萬人の署名者があるのであります。國民意思は更にかような人々のみならず父兄會、教員組合又生徒達その他一般の輿論も強くこれを要望いたしておるのでありますけれども、而もこの豫算が、私共最善の努力をいたしましたが、これは單に私だけではなく、新らしい内閣の總理初め、あらゆる努力をいたしましたけれども、財源について十分なところが得られませんので、遺憾ながら追加豫算には組み入れることができなかつたのであります。今日の事態におきましては、二十三年度當初の暫定豫算にこれを繰入れるということに全力を盡しておるという実態にあることを御了承を願いたいと思うのであります。  第二の點、この六三制の追加豫算の問題につきまして、總理大臣並びに私が言明したところについての責任を如何に考えるかということであります。芦田内閣は片山内閣ではなく、新らしい内閣でありまして、從つてこの政策が悉く踏襲されておるとは申されない。寧ろ一段の進歩をしておる點もあるのであります。併し大體の政策においては、前内閣の政策を進歩的に踏襲いたしておる。殊に政策協定において、六三制の完遂と定時制高等學校その他による勤勞者の教育の實施ということが一項として掲げられ、初めての閣議においてこれを現内閣の政策として承認をいたすことに相成つたのであります。この點におきましては、前内閣と同じ或いは更に進んだ熱意を以てこれを實施するような方向に進んでおるのであります。この點におきまして私新内閣におきましても、前内閣と同じような心持でこの問題の實現を期するように努力いたしておるのであります。ただ私のしばしば席上において申上げたことは、一番私の大きな責任は、この窮乏の日本において、六三制をできるだけの形において實現をして行くということに、私は最大の責任を置いてある。私は曾て私の地位を特殊の事態でできなければすぐに放棄すると、こういうふうな意味のことは一言も申したことはないのであります。併しこれをすることが目標の貫徹についての最もいい方法である時には、少しも私はその地位に戀著をもつておる、執著をもつておるのではないのであります。私の最大の重きを置いておるところは、あらゆる責任を以て、この窮乏日本の間に、殊に若き世代の要求しておる教育制度の實現を圖つて、それについての道義的に竝びに深い政治的の責任をも持つておるのであります。簡単でありますけれども……。
  30. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 勞働大臣に出席を求めておりまするが、未だ御出席がございませんから、午後一時まで休憩をいたします    午後零時二十九分休憩    —————・—————    午後二時四十五分開會
  31. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 休憩前に引續き會議を開きます。岡田宗司君。
  32. 岡田宗司

    岡田宗司君 昨日來暫定給與の問題につきまていろいろ論議を重ねられたのでございますが、中西委員或いは木村委員よりの質問に對しまして北村大藏大臣は昨日、この暫定給與政府において支拂うことになつております。この給與案を呑込まない勞働組合に所属するものに對しましては、支拂わないというような意味のお答えがあつたのであります。併しながらこの給與類は全面的に支拂うようには政府努力をしておる、こういうお話もあつたのでありますが、その政府のなさる努力内容については何らお答えがなかつたのであります。これは北村大藏大臣としては所管違いのことでありまして、恐らくさようなことは主としておやりになつておらないので、政府といたしましては當然加藤勞働大臣がその職に當つておられると思うのであります。私は加藤勞働大臣に對しまして、この問題につきまして即ち全遞或いはその他の勞働組合が本案について滿足なる、いわゆる政府のいう滿足なる囘答をせずして今日爭議状態に入つておるのでありますが、この問題についての政府側の取りました態度につきまして御説明を願い、更に昨日來特に全遞におきましては、この問題について政府と見解を異にするという見地からストライキ宣言なるものをすでに發しておるような有様であります。かような職から見て、今後この問題が更にこじれて参りますならば、全體に及ぼす影響も非常に重大なのでありますが、先ず私は加藤勞働大臣に對しまして、従来取つて参りました政府努力竝びに昨日から本日へかけてのいろいろな動きに對しましての、政府努力竝びにその方針につきまして先ずお伺いしたいのであります。
  33. 加藤勘十

    國務大臣(加藤勘十君) 只今岡田君から御質問がございました點についてお答えいたします前に、政府といたしましてもこの二千九百二十圓の臨時給與委員會報告に基く案を承認してこれを勞働組合側の諸君に御了承を願うということに極力努力をする考え方につきましては、大藏大臣も私も少しも變りはないのであります。ただ給與委員會に参加されました國鐵の側においては、ともかくも一應これが了承されたのでありますが、給與委員會に参加されなかつた他の組合においては容易に了承を得ることができないのでございまして、この點は甚だ政府といたしましても遺憾の極みでありまするが、この點については具體的に一々御説明を申上げることのできない點から、内外諸般の情勢を考慮されまして、組合側において大局の上に立つて是非一つ政府に御協力を願いたい、このことが今當面しておる日本のすべての事情を打開する上においても必要なことであるし、日本の全體としての勞働運動の將來のためにも是非とも必要なことであると考えられますので、重ねてこの點については組合側の御了承を得ることに政府としては極力努力をいたしたいと考えております。尚今岡田君の御質問の御趣旨に經濟的要求に関するものと、經濟的要求以外に關するものとの問題などにつきましても、又將來の問題につきましてもどうするかということの御趣旨が含まれておると存じまするが、政府といたしましては、經濟的要求に關する限りは御不滿であろうが、ともかくも今申しますような事情によつて組合側に御了承願い、そして經濟的・要求以外の問題につきましては、これはいつでも團體交渉の途が開かれておるわけでありまするから、團體交渉方法によつて話を纏めて行きたい。そして經濟的要求を主眼とする爭議態勢は、御了承を願うと同時に、そういう態勢が解かれることをお願いしたいと思うのでありまして、勿論將來の問題につきましては、この二千九百二十圓の問題が、一月の物價を基準として、一月から三月までのものとして給與委員會において決定されたものでありまするから當然次の年度における新らしき事態へは、又別な構想が持たれること言うまでもないのでありまして、それがいつ如何なる方法によつてというような、時期や具體的方法につきまして、かれこれ今ここでまだ私申上げる用意を持つておりませんが、給與委員會報告の中には、新たにこういう給與委員會と同様の性質を持つた機關を作つて對處して欲しいということが述べられておるのであります。政府といたしましてはこの給與委員會報告を承認いたしました以上は、当然これらの點についてもこの意見を尊重して、そういう大體構想を持つて、新らしき事態には應じて行きたいと考えられまするが、具體的に時期とか、方法については尚今申しまする通り、申上げる用意を持つておりません。どうかこういうような事情によつて皆さんも尚甚だ政府の説明が齒がゆい、もの足らないものをお感じであらうとは存じますが、どうか一つ大局から皆さんの御判斷によりまして、政府の意のあるところを御了承願つて、願わくばこの問題について御承認をお與え願いたいと存じます。
  34. 岡田宗司

    岡田宗司君 第二にお伺いいたしたいことは、昨日北村大藏大臣よりいたしまして、この給與は承認しない勞働組合に對しては直ちに支拂はない旨の御答辯があつたのであります。これは只今の重大な問題になつているわけでありまして、このために却つて全遞その他を刺戟いたしまして爭議が悪化するような懸念さへ感ぜられるのであります。むしろこの給與なるものは、當然物價騰貴に伴つて支拂うべき性質のものでありますので、この問題はそれと切離しまして、先ず政府の方から進んでこれを全面的に一齊に三月二十日乃至二十五日の間において支拂う、そうしてこの問題は爭議の問題とは切離して行くということを政府の方からそういう態度をお取りになるというような御意思がないのかどうか、この點を勞働大臣にお伺いしたいのであります。
  35. 加藤勘十

    國務大臣(加藤勘十君) 御尤もな御質問だと思います。この點は衆議院におきましても、亦昨日の財政委員會においても繰返し申上げました通り、この際はどうしても一つ爭議態勢を解くということについて、組合側の御了承を得たいということをひたすら冀つておるのでありまして、それ以外に全く他意はないのであります。この點は一つ若しこれ以上にお尋ね願いましても、御答えとしてはどうしてもこれ以上述べることができない事情にありますので、この點は一つ御了承を願いたいと存じます。
  36. 岡田宗司

    岡田宗司君 三月十九日に大藏省給與局長が内示いたしました政府職員俸給等に關する法律による暫定給與支給準則なるものがあるのでありますが、それの第二條におきまして、「昭和二十三年三月十三日附政府通告書に對する回答を給與局長において、滿足なものと確認した勞働組合に所属する職員に對し、これを支給する。」こういう項があるのでございます。この給與局において滿足なるものと確認した云々という、この滿足なるものとは政府は如何なる意味を持つておるのであるか、政府においてのお答えを願いたいと思うのであります。
  37. 加藤勘十

    國務大臣(加藤勘十君) 事務的な點につきましては給與局長がお答えすると存じますが、政府といたしましては、若し二千九百二十圓で生活滿足であるか、或いは不滿足であるかというだけの點までお尋ねになりますれば、私は率直に今日の物價状況において二千九百二十圓では生活は困難である。從つて二千九百二十圓の問題だけを切離して見ますれば到底滿足を得るということはむずかしいと存じます。それにも拘わらず、尚且不滿足であつても御了承を願いたいという所に政府の苦心の存する所があるわけでありまするから、この點は一つそのように御了承を願いまして、給與局長からそういう通牒が出たという事務的な點などについて、若し組合側で何か誤解される點がありますれば、これは私共もそういう誤解を是非お解き下さるようにお願いしますると同時に、今申しまする通り滿足か不滿足かという端的のお尋ねであつたならば、恐らく何人と雖も不滿足である。これは當事者ばかりでない。第三者と雖もそれでいいとは恐らく言われないと思うのでありますが、それにも拘わらず尚且今申しまする通り御了承を願いたいというこの政府の眞意を一つ御了承願いたいと存じます。
  38. 今井一男

    政府委員今井一男君) 勞働大臣の御答辯を若干補足いたします。午前中中西委員からもこの問題につきまして御質問ございましたが、従来から成るべく確定次第拂いますために、いろいろ我々の方で事務的な準備を進めるのが慣例でありまして、これの法律的効果は勿論確定後でありますが、準備といたしましては、從來から一應原案で通過するという見通しの下に條件附で各省へ連絡をいたしております。その書面の條文でございますが、今囘の問題は極めて微妙な點もございますので、從來二・八可決等の場合におきましても、各省それぞれ區々に亙つたような實際の例もございます關係から、一應一ケ所に纏めて貰つた方がよかろうという各方面の御意向によりまして、一應私共の方でその回答を皆拜見さして頂くという事務的なことを謳つたものでございます。
  39. 岡田宗司

    岡田宗司君 只今給與局長のお答えは、私の質問に對する答辯にはなつておらん。私はこの第二條の中において、「通告書に對する囘答給與局において、滿足なものと確認した云々」とあるので、どの程度を給與局において滿足と確認するのかという點についての御質問をしたわけです。
  40. 今井一男

    政府委員今井一男君) 失禮しました。十三日の通告書をこちらから差上げておりますが、これに對する内容はそれぞれ相當區々に亙つた回答になる、事實なつております。従いまして、その中出ておらない部分が大部分である。結局精神は、この通告書に對する政府の示しましたものとの關連性から生れて参りますので、具體的に個個に今どういつたものがどうという式にはお答えしがたいことを御了承願いたいと存じます。
  41. 岡田宗司

    岡田宗司君 併しながら「給與局において滿足なものと確認し云々」という條文がある以上、それの標準というものがなければならんと思うのですが、その標準についてお示し願いたいと思います。
  42. 今井一男

    政府委員今井一男君) こういつた特に從來の組合政府側との團體交流の文書のやり取りの慣例から申しますると、一概に今ここでこの線以上、この線以下ということは申上げがたいのでありまして、具體的に問題が出て來た場合に、それぞれそこで一應の原案を作り、最終的には又各自へ御連絡すると思いますが、その具體的な問題になりませんと、どうもお答えしがたい點、甚だ遺憾でありますが、御了承願いたいと思います。
  43. 岡田宗司

    岡田宗司君 只今政府のお答は甚だ不滿足なのでありますが、さような場合には、勞働組合の方から回答がありましても、恐らく政府としてはこれに對してこうという基準なしで滿足なりや否やということはなかなか確定できないだろうと思います。殊にこの問題につきましては、二千九百二十圓の問題が問題になつておるのでありますから、これをどういうような方法において組合で承認するかということが問題になるのです。例えば二千九百二十圓の支給についてそのままよろしいという場合にはこれは問題はないと思うのでありますが、例えば、これは今一應認めるが、尚これについて更に新たなる給與基準を立てるようにせよというような場合もありましようし、或は又、二千九百二十圓はこれは内拂いとして認めるのだというような場合もありましようし、更に全面的にこれでは足りないから別な基準から支給せよというような回答をするものもあろうと思うのでありますが、その點どの程度までが滿足すべきものと確認されるのか、それについてのお答えを願いたいと思います。
  44. 今井一男

    政府委員今井一男君) 通告書にございますように、「一應昨年以來の經濟的の要求はここで打切りにして」という文句がございますが、これが中心になつて勘案されて行くものと考えます。
  45. 岡田宗司

    岡田宗司君 そういたしますと、二千九百二十圓を全面的に無條件に承認した場合のみが滿足なるものと認められるわけですか。
  46. 今井一男

    政府委員今井一男君) 只今申上げた通りでございます。
  47. 岡田宗司

    岡田宗司君 只今の問題につきまして、私共は給與局長答辯で了解するわけには参りませんが、このくらいといたしまして、然らば現實にすでに各勞働組合に對しましてなされた政府通告に對しまして、給與局において滿足なものと認められる囘答はいかなる勞働組合から寄せられておるか、その點についてお答え願いたい。
  48. 今井一男

    政府委員今井一男君) 國鐵勞働組合の外に數ケ所の組合がございます。一々名前は申上げませんが、敷ケ所の組合は完全に滿足な案が出ております。その他の組合で私共の方に御連絡頂きましたもので、その間の意味につきまして今組合側といろいろと各省でお話合をしておられる向が非常に澤山ございます。
  49. 岡田宗司

    岡田宗司君 只今の御答辯によりますと、國鐵以外に數組合はすでに滿足なるものが出ておる。その他の各省の勞働組合については、それぞれの省において話合をしつつある、こういうお話でありましたが、その各省との話合の勞働組合においては、大體においてこの二千九百二十圓を、この問題については了承するというような方向に向つておるのかどうか、その點についてお伺いしたいと思います。
  50. 今井一男

    政府委員今井一男君) 各省におきましては、極力政附の意のあるところを了承して貰うように努力を重ねておりまするし、又その方向に近ずきつつあると、かように觀測いたしております。
  51. 岡田宗司

    岡田宗司君 そこで問題になりますのは、この全官公勞の方から昨日出されました要求につきまして、二千九百二十圓の問題と、それから他の問題とを切離して、そうして團體交渉に移るというような申出があつたと思うのでありますが、それに對しまして政府は、この二千九百二十圓の問題を切離して、それについては至急に支拂うというような態度をお決めになり得るかどうか、近くそういう態度を決められるかどうか、それをお伺いしたいと思います。
  52. 加藤勘十

    國務大臣(加藤勘十君) 今の岡田君の御質問は、昨日夕方出された全官職員組合協議會の名によつて出された三ケ條の問題ですね。この點につきましては、政府としては、今日まで申上げましたる通り一つ是非この際は政府の意のあるところを御了承願うように努力したいと、こういうこと以外にはちよつとお答えができないと思います。ただ將来の給與の問題につきましては、今申しまする通り臨時給與委員會報告に基いてそういう態勢をとつて新事態に對處する方針である。こういうことははつきり申上げることができます。それから尚これは飽くまでも經濟的要求に關する點でありまするから、經濟的要求以外の問題につきましてはおのずから團體交渉等によつて話は進められて行くものである。こういうように御了解願いたいと存じます。
  53. 岡田宗司

    岡田宗司君 全遞從業員組合からいたしましてストライキ宣言が出ておりまして、その中に、我々は全官公廳勞働者生活權擁護のために血涙を呑んで三月二十三日以降斷乎ストライキを敢行する云々、とあるのであります。これは相當重大な問題であろと思うのでありますが、これに對しまして政府としては然らば如何なる他の對策を以てこのストライキが起らないようにする努力をしておるか、この點についての御答辯を願いたいと思います。
  54. 加藤勘十

    國務大臣(加藤勘十君) 全遞の只今お讀みになりましたストライキ宣言の點につきましては、政府といたしましては實に何とも遺憾の極みでありましてできれば爭議が實際に移される以前に何とか組合側と話合つて、そういう状態でなき状態一つして頂きたい、こういうように考えておりまして、この點に對して具體的にどうこうするという點については尚こうしたがいい、こうするという具體的なものはまだ考えておりません。とにかく全體としてこれは餘りにも問題が明白でありまするだけに、殆んど問題自體についてこの部分はどうする、この部分はどうするという殆んど餘地がないのであります。そこで全體として一つ全遞の諸君においても組合自體のそういう爭議行爲は重大であるとお考えになると共に、これが國民生活に及ぼす事態の影響ということも政府と一緒に一つ御心配願いまして、共々に解決して行く方向へ話合つて進んで行きたい、政府が一方的にかれこれするというのでなく、十分に組合の意向と話合いつつそういう事態を回避するように努めたい、こういうように考えております。
  55. 岡田宗司

    岡田宗司君 私はこれを以て質問を終ります。
  56. 川上嘉

    川上嘉君 これは財政金融委員會質問すべき事項に當るかも分らないのでありますが、勞働大臣大臣に就任早々から勞組關係法規の改革も改定もしないといつたようなことも言明しておられるのでありますが、本豫算法律案で見ますと、大體第二條、第四條、第七條、これは組合の民主的發展を阻害するかのごとくに見える、して見ますと直接には勞組關係法律を改革しなくても、こういった面で法律化するということは明らかに勞働組合の民主的な發展を阻害するものである、かように解釋するのでありまするが、これに對する勞働大臣の見解をお伺いします。
  57. 加藤勘十

    國務大臣(加藤勘十君) 私の申上げましたのは、勞働者の基本的權利に關する事項を規定した勞働組合法なり、勞働基準法なり、勞働關係調整法なりの點を主眼としておるものでありまして、私の決意においては今申しましたような主要なる勞働者の基本的權利義務に関する方面の法案意味しておるのであります。こういう全くこれは今度の新給與に伴う臨時的な措置としての法案でありまして、これは私は專ら事務的な問題に属すると思いまするから、この點については給與局長から御説明して頂くことにしたいと思います。
  58. 今井一男

    政府委員今井一男君) 補足いたします。特に今囘のこの法案の中で、第七條等が非常に一部に誤解を受けておる嫌いがあるのでありますが、第七條におきまして、執務しないときに特に承認のあつた場合の外は減額を行うといつた規定は、別に實體的に現在の取扱を全然變更しようという點は少しも含まれておらないのであります。單にその引き方を從來は日割で引いておりましたものを、時間外手當の關係から、一時間當りの金額が簡單に算盤に乗る事態になりましたので、これを時間割で引くということを規定したものであります。ここに承認のあつた場合という意味はいろいろの法令によりまして、或いはその他の取扱例によりまして承認のあつた場合を一切含むのでありまして、別に上司の許可を受けたとか、何とかいう場合だけを指すものではございません。その點御了承願いたいと思います。  それから四條におきまして勤務時間の割合によつて給與が違う建前を取りましたのは、從來の官公吏給與というものが、全然勤務時間というものを殆んど考慮に入れないで立てられておりました關係、而もそれが一般に事務職員には時間外働きましても、全然時間外給を附けない。現業職員には附けると、こういう建前でありましたものを、勞働基準法の施行によりまして建前が變りまして、事務職員にも時間外手當を給するということに相成りました關係から、非常な不權衡が起る問題を生じたのであります。即ちこれを具體的に申上げれば現業職員は八時間勤務しなければオーヴアー・タイムが貰えない。而もそれは八時間後におきまして八分の一・二五、二割五分増になりますが、事務職員方面におきましてはその八時間内におきましても尚六分の一というものが附く。而も時間外においては大分の一・二五というものが附く、といつた要するに單位時間當りの金額が非常に差等も生じますので、ここでこれを勞働基準法の精神と合わせるために、かような是正をいたしたものでありまして別に他意ございません。二條關係は單に用語例に從つたものでございます。
  59. 中西功

    中西功君 加藤勞働大臣質問いたします。加藤勞相はこの新らしい水準が決して滿足なものではないということは、政府と雖も皆認めておるというふうなはつきりした言明があつたわけでありますが、それについてその不滿足である、或いは新水準が十分でないということはこれは一月乃至三月の物價、或いは一般經濟状態と照し合せて十分でないと考えておるのか。それともこの二千九百二十圓の水準が四月頃になればいろいろの物價昂騰の關係から不十分であるというふうに考えるのか。如何ような見解かということ、これが一つ。  更にこの度この政府職員俸給等に關する法律案提案理由の中に書いてあります暫定給與、これを暫定措置としてという言葉で表現されておるが、如何なる理由の下にこの暫定給與二千五百圓を成るたけ早く支給するというふうな見解に達しておるのか。その點二點。即ち最初の一點は、十分でないということの客観的根據竝びに暫定給與の根本趣旨、その二點をはつきり聽きたいと思います。
  60. 加藤勘十

    國務大臣(加藤勘十君) 只今の中西君の御質問に對しましてお答え申上げます。第一の滿足なものでない、不滿足であるという點は、この臨時給與委員會報告書の全面を通じても、そういう意味は現われておるわけでありまして、二千九百二十圓というものが一月の物價を水準として、一月から三月までの分として決められたという點から見まして、この物價状況の下において満足なものでない、こういうことに私は理解いたしております。だがそれにも拘わらず、それならば一體その不足をどうする、こういう次いでの御質問が出るかと存じますが、そういうことは一應誰でもが今日滿足した生活にあるということは、大部分の人はないと思うのです。極く或る特殊の人々はいざ知らず、勤勞大衆はいずれも不滿足状態であることは、恐らく爭えない事實だと思うのであります。そういう點から行きまして、お互に敗戰國家の國民としては、現在の状態としては、この不滿足状態であるが、これを一應我慢して、そうして次の新らしき段階へ、生活水準の向上と同時にそれは生産の増強を期す、生産の増強は同時にそれが勞働者への生活の向上を意味するものである。こういうふうな方向に順次展開されて行くようにお互が努力したい、こういう考え方を持つておるということを合せて附加えたいと思います。又待つて四月云々ということは、これは全く將來のことでありまして、そういうことは今私の念頭にはありません。  それからこの臨時給與の問題がどうすれば急速に支拂われるようになるか、こういうことについての見通しはどうかという御意見のようにお伺いいたしましたが、私共といたしましては、今申しまするようないろいろな事情を綜合いたしまして、不満足ではあつても、一應とにかくこの點を御了承願つて政府の意圖するところに御協力を願つて、そうしてお互に一つ話合つて進めて行きたい。一日も早く全面的な支拂ができるようにお互に……、これは先程岡田君の場合に申上げましたと同じように、お互が協力して努力して行きたい。政府としても組合側の協力を得るために、できるだけの努力をしたい、こういうふうに考えております。
  61. 中西功

    中西功君 今の答辯は、もつとはつきり申しますと、まあ私に對するあれは十分でないと思うのでありますが、私が申しましたのは、新給與水準か十分でないという意味は、一般的に皆日本國民が困つておるから、そういう意味で十分でないというふうなことではなくて、現實にここに給與委員會の數字として、こんなに麗々しく數字を擧げられておる。この數字から見て、この數字に基礎を置いて、どこが不滿であるか、不十分であるかと考えておるかということを聽きたかつたのでありますが、一般的に日本國民が全部困つておる、そういう意味で不滿だというならば、これは別の言葉で言えば、國民がそれ程困つておるのだからそれで十分じやないかということにもなるわけであります。私の聞いておるのは、そういうことじやなくて、政府委員の説明によりますれば、以前の千八百圓水準よりは實質的に少しはよくなつておるのだというふうな説明が今までなされておつたわけであります。若し以前の千八百圓よりも實質的にいいということでありますれば、それは確かにこれは不十分どころか非常にいいわけなんであります。加藤勞相は一體どんな趣旨で以て不滿だ或いは不十分だと自分も思うというようなことを言われておるのかを聽きたかつたのであります。それと關連して、この暫定給與支給するということにも當然關連が出て來る、即ち今政府職員の人々の生活が非常に困つておるわけで、そういう意味で一應二千九百二十圓を決定したけれども、差當り皆困つておるからやろうというような意味で、この暫定給與というものが決定された、こう思うのであります。それならばそういうものとして、はつきり私は言つて貰いたい。序に申しますれば、この臨時給與委員會報告の中には、二様の方法によつて算出がなされておりますが、この内、一般消費者價格から來る算定がいろいろ七面倒臭くなされておる。政府委員の人に聽きたいのですが、若し、千八百圓じやなくて以前の千六百圓を決定したときの消費者價格水準というものと、それからこの新らしい水準が決定されました今年の一月乃至三月というものの消費者價格の水準、その二つの水準を比較した場合に、どんな比率が出るか、そうしてそれとこの第二の算定方法との間の差異はどれくらいかという數字を一つ示して貰いたい。
  62. 今井一男

    政府委員今井一男君) 千六百圓の水準は、昨年の三月の消費者價格をスタートにいたしまして、但しこれは推定でございますので、その間に若干の數字の問題がございますが、それを基礎といたしましてこれをはじく場合に、絶對額で行きます方法と、實效價格で行きます方法とございますが、いずれを以ちましても、今囘の水準より若干下廻つて數字をはじき出した記憶がございます。ただ具體的数字は今ちよつと持つておりませんので、取り寄せまして後程お目にかけます。
  63. 中西功

    中西功君 この間豫備懇談會で私達が聽いた範囲では、昨年の三月の水準が大體三千百三十一圓、本年の一月が六千百八十一圓、大體において二倍、二倍の増加、二倍の騰貴率だと思うのであります。その二倍というものを考えて見ると、千八百圓と比べて見れば、可なり下廻つておるということはいえると思うのであります。まあそれは一應後で聽くといたしまして、そういうふうに實質的に我々はもつとよくこの根據を衝いて見れば、現實に千八百圓と比べた問題が出て來る。私は、加藤勞働大臣が不十分であるということを言つておるのはこういうことを言つておるのかと思つた。決して国民一般が、日本國民が困つておるから、皆が十分でないからまああれは不十分だという気持は皆當然持つだろうというふうな簡單なことで勞働大臣自分の發言をしておるとは思わなかつた。それでもう一つ聽きしたいのは。これは午前中にもお聽きしたのでありますが、加藤勞働大臣はつきりつて置きたいのは、そういうふうに政府自身がこれは十分でないということを認めておる。ところがそういうふうに自分自身も認めて、置いて、勞働組合の中でこの水準はまだ自分達としては納得が行かん、こういうふうに考え、又意思表示をする者に對しては二千五百圓をやらんと、こういうことを言つた。一體どういうことなんですか。自分自身も十分でないということを認めて知つておる、知つておるのにそれを納得して呉れというふうに政府努力するのは、私別に何とも言わないのであります。その點は問題じやなくて、個々の組合にしろ、或いは大きな組合にしろ、組合としてこの水準が納得できないのだということを意思表示することによつて、この二千五百圓の内金をやらんと、こういうふうなことは一體政府の権限をとにかく執行しておられる人々の道義心として、そういうことはできるかどうか。自分自身がこれが非常にいいと、これを呑まない奴は實に國賊であると、こういうふうに考えたのなら又別です。併し自分もそれが不十分であるということを知つておる、尤もだと、こう言つて置きながら、尚そういうふうな意思表示をする連中に對しては内金支拂わないというふうなこと、こういうことがいわゆる政治家の良心として、自分自身の言葉に對する責任の問題として、そういうことが言えるかどうか。昨日の官公廳側の要求にいたしましても、内金としての二千五百圓を即時支給するのだということと、その残りの問題については團體交渉に入つて解決したい、團體交渉に移したい、こういうことを言つておるのに對して、政府はその團體交渉を受付けない、それが現状だと思うのです。で、向こうは相當委曲を盡しておる。だからその水準が問題があるし、不滿があると認めておるならば、何故に向こうから提案された團體交渉に應じられないのか。ともかくも不滿だということを言つて置きながら、頭からこれを納得しろと、こうはつきり強制しておる。而もその強制する場合において、政府自身の力でやるよりも、むしろ問題を國會に轉嫁しておる。國會が承認しておるからお前達こういうふうにするより外ないだろうというふうな國會の權威を濫用しておるというふうな點が我々ははつきり見えるわけであります。でありますから、この外いろいろ問題がありますが、この法案の第二條を見ましても、「法律規定が適用せられるまでの間、」という字句があります。これは午前中に私申しましたが、その「適用せられるまでの間」ということの中には、國會自身が新らしい給與體系を認めるや否やという問題も含まれるし、又同時に勞働組合自身が團體交渉の問題としてそれを受諾するや否や、という問題も含まれておる。そういう二つの問題を解決する前に内金として二千五百圓を給與するという趣旨はつきり謳われておるのに、そういう第二條の「この適用せられるまでの間、」という範圍内において、この中において團體交渉の面だけは完全にオミットしておる。そうしてそれを受けかければ、そういう闘爭態勢を解かなければやらないということに實際になつておると思う。ですから私は加藤勞働大臣實際自分の言葉、そうしたものに責任を持つなら、この自分の言葉に對して本當に責任を十分に持つて痛感して、はつきりとこの點を考えて貰えれば、そういうふうな馬鹿氣たこと、條件においてやる、前提條件とするというようなことは言えないのじやないかと思う、その點勞働大臣に簡單でよろしいから答えて貰いたい。尚私は後質疑があります。
  64. 加藤勘十

    國務大臣(加藤勘十君) 第一の一般の国民か窮乏下にあるから、從つてこの二千九百二十圓の問題もそういう意味において不滿である。こういうように私は一般論として言つておるのではなく、この點は中西君と恐らく同じだろうと思いますが、具體的な問題としての二千九百二十圓の私は算定の基準なり、具體的な問題をよく知りません。從つて端的に二千九百二十圓で食えるか食えんかという、こういうデマが出されたならば、それを不満足である。そういう意味であります。その點は私は若しあなたが前のように理解されたならば訂正して置きたいと思います。それから他の點については、多少見解も違うところもありますが、意見に亙るところは暫く止めまして、具體的な點として二千九百二十圓の問題について、これが先程も申しまする通り、どうしても今日の内外諸般の情勢から御了解を得なければならん。こう極力申上げておるゆえんのものは、一應今日の段階においては經濟的要求による爭議態勢というものが何とかしてこの際解かれるということが最も望ましい状態であるということから、こういうように申上げておるわけでありまして、私が若し自分の言葉に責任を持たんというならば、どんなことでも言えるかも知れません。併し私は、自分の言うことに對して責任を強く感じまするそれだけに言い得ることは言い得られまするし、言い得ないことは言い得られないわけであります。又そんならば二千九百二十圓の問題を納得しなければ支拂わない。そういうような條件があるかというようなことになりますれば、決してこれはしばしば繰返されておりまする通り、決してそれは條件ではない。そんならば結果においては結局同じに支拂うということになつてしまうのではないかというふうに問い詰められますれば、三段論法式な理論體系を以てしますれば、そういうことになるかも知れません。そんな法律的な解釋でなく、今日のいろいろな情勢を綜合判斷して、非常に弾力性のある解釋としてのこの點は一つ御了承を願いたいとこういう意味でありまして、それを條件だから呑まなければどうとか、或いはどうとかという意味では決してありません。ただ實際我々の前に迫られておる問題は、どうしてもこの際そういうことについても御了承を願つて、それから團體交渉の點でありますが、ともかく差當つて内金として支拂つて、後の交渉は團體交渉として支拂うということで、ちつとも問題の解決處理にはならんと思うのであります。そこでそういうような問題と、いずれにしても來年度になれば新事態がありまするから、そういう新事態に對處するための適切な機構が整えられると思いますから、そこで十分に團體交渉の方途がある。そういう機構についても、十分組合側の意見を基礎にして構成すべきであるという考えを持つておるわけでありまして、決して團體交渉を無視するとか、なんとかいうことは微塵も考えておりません。又私共の心持においてもそれが條件であるというようなことは微塵も考えていないわけであります。ただ今日の我々の前に迫る諸般の情勢は何とかしてこれを一つ組合の側に御了承願いたい、こういうことに専念する理由であります。この點は一つ中西君においても御了承を願いたいと思います。
  65. 中西功

    中西功君 それでもう一つ序でに…序でにと言いますが、その問題に關連しておるのですが、今度のこの豫算案並びにこの法律案に關しまして一番大切なことは、暫定給與二千五百圓を支給する、先に暫定給與として支給するという點がこれは眼目でありますが、私は今朝からも大藏大臣にも聴いておるのですが、暫定給與を二千五百圓先に與えるということの根本的な趣味と言いますか、どういう理由でそれを與えるのか、提案理由の中には暫定措置としてということしか、差當りの措置として、としか書いてない。以前はこんなふうな曖昧な提案理由もなかつたと思います。以前は經濟状態の逼迫のためとか、いろいろのことが書いてありました。でこの際は非常にその點が漠然としておる。なんのために前金として二千五百圓を與えるか。その趣旨ですね。これがはつきりしていないと、又これを實際に與える場合の處置、そうしたものもはつきりして來ないのです。これがこの點をはつきり大藏大臣の方からどういう意味でどういう理由で、こういう根據があるから、二千五百圓を暫定的にやるのだという點をはつきり答えてもらいたいのです。
  66. 今井一男

    政府委員今井一男君) 委員會報告にもございますように、政府といたしましてもでき得れば一擧に本格的な改正を望みたいのでございますが、それが現在の……それには若干の手續きを要しまするし、又それまで組合員の窮迫せる状況を放置することが適當でないと考えまして、ただ二千五百圓の数字そのものは今朝程も申上げましたように、本格的改正だけを本位に考えますというと、この金額はできるだけ少い方があとの支障にならない。ところがそれでは組合員生活に非常に支障を及ぼす恐れがある。両方の點から睨み合わして委員會において出された結論をその儘政府が採用した次第でございます。
  67. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 問題は非常に重大になつて來たのでありますが、私はこの今の政府職員生活の現状に鑑みまして、この豫算は一日も早くこれを通過さしたい。この豫算案自體については私はなんら反射するものではないのであります。ただその支給方法につきまして、これは條件附であるかのごとくどうしても受取れるのであります。それについて大藏大臣が最初に言われたことと、あとで言われたことと食違つており、又初めにおいては大藏大臣の言われたことと、勞働大臣の言われたこととの食違いがあるように思われましたので、そのためにその點を確めるために我々は納得行くまで御説明を求めたのであります。段々御答辯を伺つてみますと、問題は割合にはつきりして来たと思うのであります。先程の加藤勞働大臣のお話によりますと、この今問題になつておりますストに入らないように極力努力する、ストを囘避するように努力すると言われておるのでありますが、我々としてもこの豫算案を無條件で通過さして、その結果として重大な事態に立至ることを非常に憂えているものであります。從つて何とかこのストを回避するように、勞働大臣においても、政府においても極力善處される必要があると思うのでありますが、それについては、二千九百二十圓の給與については、これを呑むとか呑まないとかいうことは一應別問題としまして、そうしてこのストの解決の構成において、解決の見通しがつき次第、二千九百二十圓を呑む呑まないは別問題としてこれを差別しないで支給する。そういうようなことを今ここで勞働大臣においてはつきり言明されることができるかどうか。その點を御伺いしまして、そうして私はこの豫算に對する態度を決めたいと思います
  68. 加藤勘十

    國務大臣(加藤勘十君) 今の木村君のお話、ちよつとあれで濟みませんでしたが、御趣旨としては二千九百二十圓の問題を呑む呑まんに拘わらず、爭議體系を解かれるという見通しがつけば一様に支拂うかどうか。こういう御意見ですね。
  69. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうです。
  70. 加藤勘十

    國務大臣(加藤勘十君) お答えいたします。私共としては前から屡々同じことを申上げまして、殆んど餘り諄い程申上げて、或いはお耳觸りであつたかも知れませんが、どうしてもそれ以上のことが答えられないという點に政府としての苦慮も存するわけであります。従つて只今木村君のお話になりました爭議を囘避するという具體的な見通しがつきました場合において、一律に拂うかどうかと、こういう御質問に對しまして、私共としてはそうあり得るように極力したいと、こういうように考えております。ちよつとそれ以上に、今私としても申上げにくい點を御了承願いたいと存じます。
  71. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) この際お諮りをいたします。まだ御質疑のある方もあると存じますが、この程度で質疑を終局といたし、討論に移るごとにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」「異議あり、まだあるよ、委員長々々々」「採決々々」と呼ぶ者あり〕
  72. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 委員長の發議に御贊成の方は御起立を願います。    〔起立者多數〕
  73. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 多数と認めます。直ちに討論に移ることにいたします。討論は贊否を先にお述べになりましてお願いいたしたいと存じます。
  74. 中西功

    中西功君 委員長、僕は退席いたします。
  75. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 私は緑風會といたしまして、本委員會に付託されております豫算案三件に對して意見を述べます。この豫算案三件につきましては、過般衆議院政府原案通り通過いたしておりまするし、更に今日の内外の情勢に鑑みまして、私はこの政府原案に對しまして無條件に贊成の意を表します。
  76. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 他に御發言はございませんか。
  77. 西川昌夫

    ○西川昌夫君 民主自由黨においては本案に對して贊成するものであります。もとより我々もこの額において十分とは思えないのでありますが、現下の情勢で、一日も早く官公職員に對して支拂いしたいと思いますので、この案に賛成であります。
  78. 大島定吉

    ○大島定吉君 民主黨を代表いたしまして、本案に賛成の意を表するものであります。西郷君並びに只今民主自由黨からいろいろ御希望がありましたが、それによりまして私も賛成をいたすものであります。
  79. 川上嘉

    川上嘉君 本員は差別なく支給しろということを、支給するという前提と、更に本案の第七條だけを削除する。これは既に去る二月十七日の閣議決定によつて決まつておるので、今更法文化する必要がない。第七條削除、更に第二條を差別なく支給せよということを申入れて、それができるなら贊成するということにいたします。
  80. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私はこの際動議を提出いたしたいと思います。この動議が決定されますれば、この豫算案に贊成いたしたいと思います。動議の内容は、「政府職員の生計の現状に鑑み、且官公勞働爭議を刺戟し、激化することを防止するため、中央勞働委員會の裁定に基き、二千九百二十圓の新給與額の中、二千五百圓の一時手當の支給に際しては、その支給期日につき差別的取扱をなすことなく、可及的速かに(昭和二十三年三月二十二日乃至三月二十五日)一齊にこれが支拂をなすよう政府は萬般の措置を講ずべし、右決議す。」そういう内容であります。提案理由は長く申すまでもなく、政府職員の生計が逼迫しておるそういうことと、それから爭議が重大化しようとする際であるから、これを極力防止するということであります。これについて皆さんの御贊成を得たいと思うのであります。
  81. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 木村君の動議に對してお諮りをいたします。木村君の動議に對して賛否を決定いたしたいと存じます。動議に對して賛成の方の御起立を願います。    〔起立者少數〕
  82. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 少数と認めます。外に御發言がありませんければ、討論終局したものと認めて採決いたすことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 御異議ないと認め採決いたします。昭和二十二年一度般會計豫算補正(第十五號)、昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第九號)(昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第十號)につきまして原案の通り可決することに賛成のお方の御起立を願います。    〔總員起立〕
  84. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 全會一致と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。尚本會議における委員長の口頭報告は豫め多数意見者の承認を經なければならぬことになつておりますが、これは委員長において本案の内容委員會における質疑應答竝びに計論の要旨及び表決の結果を報告することとし、御承認を願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  85. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。  これより委員長が議院に提出する報告書に、多數意見者の御署名を願います。    〔多數意見者署名〕
  86. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 御署名洩れはございませんか、……なしと認めます。これにて散會いたします。    午後二時五十八分散會  出席者は左の通り。    委員長     櫻内 辰郎君    理事            木村禧八郎君            西川 昌夫君            西郷吉之助君            中西  功君    委員            岡田 宗司君            中村 正雄君            波多野 鼎君            村尾 重雄君            森下 政一君            小串 清一君            小野 光洋君            左藤 義詮君            寺尾  豊君            伊東 隆治君            大島 定吉君            木内 四郎君            鈴木 順一君            飯田精太郎君            岡本 愛祐君            奥 むめお君            河野 正夫君            島津 忠彦君            島村 軍次君            高田  寛君            服部 教一君            姫井 伊介君            渡邊 甚吉君            川上  嘉君   國務大臣    大 藏 大 臣 北村徳太郎君    勞 働 大 臣 加藤 勘十君    運 輸 大 臣 岡田 勢一君    文 部 大 臣 森戸 辰男君   政府委員    (主計局長)    大藏事務官   福田 赳夫君    (主計局次長)    大藏事務官   河野 一之君    (給與局長)    大藏事務官   今井 一男君    貿易廳長官   永井幸太郎君