○岡本愛祐君 運輸大臣に質問いたします。
独立採算制を
國有鉄道事業においても十分採り入れるために、いろいろ御苦心をなさ
つておることについては敬意を表しますが、ぞの
独立採算制を採るためには
運賃の
値上げをしなければならん。それは必ずしも第一にそうお
考えになるべき事柄ではないと思います。その前に
はつきりした合理化をなさらなければならない。それには
行政整理をなさらなければならないと思います。そこで運輸大臣は、冗員があるならば
行政整理をしなければならん。冗員があるならばという御答弁をなさいましたが、果して冗員があると感じておられるかどうか、その点我々には甚だ納得が行かない。八月我々に配付された國有
鉄道の
現状という國有
鉄道実相報告書、これを読むと
昭和十一年に二十二万七千人の
従業員があ
つた。それが二十一年には五十七万三千人にな
つておる。それから
人員がどうしてこんなに殖えて來たか、殖やさなければならないかということについて段々書いてありますが、それを総計して見ると、先程
お話のあ
つた労働
條件の改善とその
人員の
増加、それを、ここに書いてあるものをプラスしても十三万人ぐらい
増加すればよろしいということになる。その外に九州の福岡懸の志免という
炭鉱を
運輸省に移管したために五千人の從業員が殖えて來ておる。それから輸入
鉄道の運営のために六千人を配置した。そういうのを寄せても精々十五万人か、多く見積
つて二十方人殖えたと
考えて上いのであ
つて、そうすると今申した二十二万七千人の当時の運轉キロ数を現在のキロ数とそう大差はないというふうに書いてあるので、四十万人ぐらいの人数でよいのじやないかというふうに実相報吉書から印象を受けるのであります。これは読み方が悪いかも知れませんが、そう思えるのであります。そうすると十万人乃至十五万人ぐらいがやり方によ
つては浮いて來るのではないかと思う。先程冗員があるならばという
お話があ
つて、我々は甚だ不満に思うのですが、そういう点をもう少し我々によく分るように、どうして
行政整理ができないかということを表にとて
出して頂きたい。この実相報告書は本当のことが書いてあるのでしようからそれと違
つた数字を出されては困りますが、それを
根拠にして、我々がよく納得の行く表を見せて頂きたい。それから
独立採算制ということを言われるならば、この
旅客運賃は、
旅客に対して、コストは、どのくらい掛か
つておるかということを第一調べねばならんだろうと思います。私は聞いておる。実相報告書にも書いてあります。
値上げしない現在の料金、それで
旅客の方は、殆んどとんとんにな
つておるのじやないか。そういすると、これを倍に
値上げすれば、その方が非常にコストより上廻
つて來る。非常な得が行く。この額については、そういうふうになりはしないかと思うのであります。それからでは
貨物の方ではどうなるか。
貨物は非常にこれはコストを割
つておる。何か三割ぐらいしか
貨物運賃は料金が当
つていない。そうすると、これは
上げないのだということになれば、
独立採算制から言えば、非常におかしなことになりはしないか。
貨物運賃の方を
旅客の方でうんとカーバするということになるのでしようが、それは
独立採算制から
考えれば、非常におかしなことになりはしないか。その点の
説明をもつと納得の行くようにして頂きたい。この
貨物の方は、千八百円ペースの方に、
物價の方に大いに影響するということだろうと思いますが、先程北村運輸大臣から御
説明のありました三・五倍に
引上げた時に、四十八倍に
旅客運賃を
上げられた……間違いました。三・五倍の
引上げの、時に
上げ方がもつと
上げるべきだ
つたのが足らなか
つた。つまり六十五倍ということに対して、今度
上げたのでも四十六倍くらいにしか当らない。もつと
上げてもよいんだという
お話がありましたが、併し御
承知の
通り、六十五倍というのは、これは
物價の平均の六十五倍であ
つて、千八百円ぺースの片一方で賃金が決められ、片一方で平均六十五倍の
物價ぶ決められた。そういう時に、この
旅客運賃は、大体このくらいでよかろうというのが、現在の料金だろうと思うのでありますが、それをもつと
上げられるのだと、千八百円ペースを崩さずしてもつと
上げられるという、この
説明は私はどうも納得が行かない。これを
上げて行かれれば、実質賃金といいますか、その方をもつと増さない限りは、千八百円ペースが崩れる、こう見なければならない。
旅客運賃の方は、大して千八百円ぺースの方には
値上げしても響かない。こういうふうにお
考えかも知れませんが、それは大いに誤りだと私は思う。先程左藤君から御質問のあ
つたように私も感ずるのです。
政府みずから
國有鉄道事業の
旅客運賃の
値上げによ
つて、千八百円ペースを崩していらつしやる。こういうふうに私は見なければならんと思う。この点について、もう一度御
説明を願いたい、と思います。それから大藏大臣がおられませんが、大藏省の方に御質問いたします。一昨日
委員長から報告がありましたように、労働組合の方からは、必ずしも一月の末日に〇・八ヶ月の
手当を貰わなくてもよいから、その
手当を貰うために、こういう
旅客運賃を
値上げすることは反対だ。だから延ばしてもよいから、もつとよく
審議して呉れという陳情がありました。それで私どもは余計に
考えるわけでありますが、この上体
運賃値上げということは、恒久的の
財源にな
つている。ところがこの〇・八ケ月の
手当というのは、」時的の給與である。そこの
関係が又甚だ割切れない。これは連絡がないと言われますが、こういうような連絡をつけて、要求をしておられるのでありますから、
提出をされておるのでありますから、関連がないどころでない。大いに関連がある。その点がどうしても割切れない。
職員組合の方へそういうように感ぜられるのは当然であります。できるならば、これは
政府の方でもいさぎよく一度撤回されて、そうして一時的のなんかいい
財源を見付けられて、そうして
予算をもう一度
出し変えられるということが必要だろうと思いますが、そういう御研究の余地がないのがあるのか、又研究していらつしやるのかどうか、見込があるかどうか、それについて伺いたい。