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1948-06-25 第2回国会 参議院 本会議 第53号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月二十五日(金曜日)    午前十時三十二分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第五十一号   昭和二十三年六月二十五日    午前十時開議  第一 会社配当する利益又は利息支拂に関する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第二 減額社債に対する措置等に関する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第三 保險募集取締に関する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第四 輸出入植物檢疫法案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第五 農業災害補償法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第六 興行場法案内閣提出)(委員長報告)  第七 公衆浴場法案内閣提出)(委員長報告)  第八 旅館業法案内閣提出)(委員長報告)  第九 消防團用資材配給に関する請願委員長報告)  第一〇 地方財政自主性強化樹立に関する請願委員長報告)  第一一 地方議会で創設した独立税許可に関する請願委員長報告)  第一二 地方財政確立に関する請願委員長報告)  第一三 地方自治体の起債許可促進に関する請願委員長報告)  第一四 仙台高等裁判所郡山支部設置に関する請願委員長報告)  第一五 札幌高等裁判所釧路支部設置に関する請願委員長報告)  第一六 教員の恩給増額に関する請願(四件)(委員長報告)  第一七 恩給並びに扶助料増額に関する請願(七件)(委員長報告)  第一八 恩給増額に関する請願(五件)(委員長報告)  第一九 兒童福祉事業に関する請願委員長報告)  第二〇 兒童福祉法事業予算増額に関する請願委員長報告)  第二一 元鹿兒島縣指宿海軍航空隊用水道拂下げに関する請願委員長報告)  第二二 海産物移入に要する金融措置変更に関する請願委員長報告)  第二三 旧光海軍工しよう用地拂下げに関する請願委員長報告)  第二四 煙草耕作者に対する塩特配に関する請願委員長報告)  第二五 庶民銀行設立促進に関する請願委員長報告)  第二六 野澤町外八ヶ村を喜多方税務所管下に管轄を変更することに関する請願委員長報告)  第二七 中小商工業者更生所得税制刷新に関する請願委員長報告)  第二八 耕地整理中の土地を物納として認むることに関する請願委員長報告)  第二九 い製品上敷、ござ等の免税に関する請願委員長報告)  第三〇 教育映画フイルム物品税免除に関する請願委員長報告)  第三一 廣島市内の旧軍用地償拂下げに関する請願委員長報告)  第三二 地方財政確立に関する陳情(四件)(委員長報告)  第三三 地方財政制度改正に関する陳情(二件)(委員長報告)  第三四 壱岐対馬福岡縣轉縣に関する陳情(二件)(委員長報告)  第三五 地方公共團体財政確立に関する陳情委員長報告)  第三六 町村公用必要物資廉價優先配給並びに確保に関する陳情委員長報告)  第三七 東京高等裁判所長野支部設置に関する陳情委員長報告)  第三八 刑務所の設備充実に関する陳情委員長報告)  第三九 教職員の恩給増額に関する陳情委員長報告)  第四〇 恩給及び扶助料増額に関する陳情(二件)(委員長報告)  第四一 税務行政執行妨害に伴う対策に関する陳情委員長報告)  第四二 盛岡日本銀行出張所支店昇格に関する陳情委員長報告)  第四三 農村金融措置合理化に関する陳情委員長報告)  第四四 電力復興問題に関する調査に関する件(委員長報告)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 諸般の報告は御異議がなければ朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) これより本日の会議を開きます。日程第一、会社配当する利益又は利息支拂に関する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長報告を求めます。商業委員長一松政二君。    〔一松政二登壇拍手
  4. 一松政二

    一松政二君 只今議題となりました会社配当する利益又は利息支拂に関する法律案につきまして、商業委員会審議経過並びに結果について御報告をいたします。商業委員会におきましては、財政金融委員会連合委員会を開き、又東京証券協会証券処理調整協議会等証券関係やその團体責任者及び銀行又は会社責任者意見を徴し、慎重に審議をいたしたのであります。  先ず本法律案提案の理由及び法案内容を御紹介いたしますると、証券を廣く民衆に持たせるということは、経済政策の重要な一環でありまするから、政府におきましては、これが目的の逹成のために証券取引所法改正を初め、投資者の保護に万全を期しておるのであります。然るに近來配当支拂に伴う郵便料等費用は著しく増加しておりまするし、殊に今回値上げの実現を見た場合には、その費用は思い半ばに過ぎるものがあると思うのであります。ところが今後増加すると思われる小株主に、この配当支拂費用負担させますることは、株式を廣く國民大衆の間に分散させる上から見て、甚だ望ましからぬことであります。そこで株主、特に新投資者であると思われる小株主を保護し、証券民主化に資するために、利益配当に要する費用会社負担させるため、本法律案提出することになつたのであります。即ちその第一項におきましては、会社配当する利益又は利息支拂債務持参債務であるということを明かにすると共に、その第二項におきまして、この費用会社負担するのであるということを明白にしたのであります。即ち現在配当を行なつている大多数の会社は、領收書拂制度を採つており、株主送金を依頼したときは、その送金費用株主負担することになつておるのでありまするけれども、今後は特約によつても、株主配当支拂費用負担させることはできなくなるのであります。但しこの規定は、日本國に住所を有しない株主に対する支拂につきましては、会社負担する費用が非常に大きくなると考えられるので、その方面には適用しないことにいたしてあるのであります。戦後経済変態的情勢のために、配当を行つている会社は現在非常に少いのでありまするが、会社利益配当等臨時措置法の制定、その他会社及び金融機関債権整備進捗等によりまして、今後適正利潤配当が可能となる会社も次第に増加することと考えられるのであります。この際この法律株主負担を軽減することによつて株式大衆化に貢献し得ると信ずるというのが、大体この法案趣旨及び内容なのであります。  この法案それ自身は非常に簡單でありますが、その影響するところは大きいのでありまするし、審議も慎重を重ねておつたのでありまするけれども、御承知通り速記録が殆ど取られておりませんので、ここに質疑應答の二三について御紹介いたしたいと存ずる次第であります。第一は、株主が非常に多くなることである。殊に十株以下の小株主が多くなる結果として、配当支拂に多額の費用を要し、会社負担に堪えないことはないかという質問に対しまして、現在の配当支拂の場合には、領收書拂制度を採つているものが多いけれども、拂込制度を採つている会社においては、その負担は比較的少いのである。尚この費用の軽減につきましては、技術的に種々研究を要する点もあり、銀行郵便局等の協力も必要でありまするので、関係者と十分に協議して、最善の処置を講じたいという答弁があつたのであります。第二は、証券取引の現状は百株単位で、株主民主化ということも程度によることであり、インフレの今日、むしろ十株を最低とし、端株を整理する必要があるではないかとの質疑に対しまして、株式民主化建前から言つても、或いは株主権利建前から言つても、このような制限を附することは困難でありまするが、新株式を発行する場合に、一株式單位價格を引上げるということについては考えられるという答弁があつたのであります。第三は、株式民主化のためには証券金融が最も必要であるのに、今日の融資順位は丙であり、株式による金融は殆ど不可能の状態にあるのであるが、これでいいと思つておるのであるか、どうであるかという質問に対しまして、これに対しては決していいと思つておるのではないけれども、止むを得ざる事情でそうなつておるのであるけれども、尚今後証券金融の改善については、最善の努力を盡したいという答弁があつたのであります。その四は、配当支拂いを今日の状態において、原則として封鎖支拂を要求しておるのでありまするが、今日わざわざ配当するために、封鎖の金を拵えなければならんということは、手続が煩瑣であり、その必要はないではないかという質疑に対しましては、この封鎖支拂制度は、目下法制を準備して、今國会中にこれを廃止する法律案提出したい。その暁には、直ちに公布の日から封鎖支拂制度を撤廃したいのだと、こういう答弁があつたのであります。以上の外にいろいろ御審議の参考になる質疑應答、或いは業者意見があつたのでありまするが、時間も長くなりまするので、只今質疑の外に、これらの点は省略することにします。  そうして、討論に入つたのでありまするが、別段発言者もなく、全会一致を以て本法律案は原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。以上甚だ簡單ではございまするが、本法律案につきまして、委員会審議経過並びに結果を御報告申上げる次第であります。(拍手
  5. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を請います。    〔総員起立
  6. 松本治一郎

    ○副議員(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつて本案全会一致を以て可決せられました。      ——————————
  7. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 日程第二、減額社債に対する措置等に関する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長報告を求めます。財政及び金融委員長黒田英雄君。     —————————————    〔黒田英雄登壇拍手
  8. 黒田英雄

    黒田英雄君 只今上程されました減額社債に対する措置等に関する法律案につきまして、委員会におきまする審議経過並びに結果について御報告をいたします。  この法律案は、企業整備法特別経理会社整備計画認可を受けまして、特別損失の一部を債権者負担せしめまして、債券の打切りを行いまする場合に、その結果といたしまして、社債券の全部若しくはその一部が消滅いたします。即ち社債券の券面が減額される、又は社債償還とか、利息支拂等條件変更されることになりましたとき、又過度経済力集中排除法指定会社の発行いたしました社債につきましても、同様に決定指令に從いまして、権利変更があるのでありまするが、この場合権利変更をされました社債債券、又登録いたしております登録簿をそのままにいたしまして、轉々賣買されるようなことがありますときは、社債取引の安全を害する虞れがあるのであります。社債権利変更があつた場合には、社債を発行した会社は、社債権者に対しまして、債券及び登録済証提出を求めまして、記載事項所要の修正を加えました上に、これを返還し、又は登録機関社債登録簿記載事項を修正する等の措置を講じようというのが本案内容であります。  次に、特別経理会社過度経済力集中排除法指定会社が、第二会社設立いたしまして、その持つておりまする債券を、第二会社出資又は讓渡いたしまする場合に、民法一般規定によつて処理しますというと、非常に手数を要しまして、第二会社設立に時日を要することとなりまするので、その手続を簡易にしようとするのであります。その内容簡單に述べますれば、第一に、特別経理会社は、整備法規定によりまして認可があつた後に、遅滯なく所要公告、即ちどういうふうに減額なつたかというような公告をいたしまして、且つ社債権者又は質権者は、一定期日までに、これは二ヶ月以上、三ヶ月を下らない期間において定めました一定期日までに、債券特別経理会社、第二会社社債募集の委託を受けました会社とか、又は担保附社債信託法受託会社提出いたしまして登録をしておるものは、登録証登録機関提出して貰いたいということを公告しなければならんのであります。そうして更にこれらの費用負担についても規定を設け、これは特別経理会社負担するのでありまするが、又公告した期日までにとか、又は登録をするとか、又はその債券若しくは登録済証提出までは、償還又は利息支拂いを延期することができる。次に、会社登録機関に対しまして、これらのことを通知いたしまして、登録機関は職権を以て所要記載をする、又会社が第二会社出資又は讓渡しました場合に、その旨を公告いたしますれば、民法規定によりまする確定日附のある証書を以て通知があつたことと看做すというふうなことを規定しておるのであります。先程申しました通り、これらは過度経済力集中排除法による指定会社社債の場合にも準用をいたしておるのであります。  これにつきまして審議をいたしましたが、本案につきまして討論採決の結果、全会一致を以て、原案通り可決すべきものなりとの決定をいたしたのであります。これを以て報告を終ります。(拍手
  9. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。本案賛成諸君起立を請います。    〔総員起立
  10. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 総員起立。よつて本案全会一致を以て可決せられました。      ——————————
  11. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) この際日程順序変更し、日程第三を後に廻し、日程第四、輸出入植物檢疫法案内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。農林委員長楠見義男君。    〔楠見義男登壇拍手
  13. 楠見義男

    ○楠見義男君 只今話題となりました、輸出入植物檢疫法案につきまして、農林委員会における審議経過並びに結果を御報告申上げます。  御承知のように、我が國における輸出入植物檢疫は、大正三年以來輸出入植物取締法によりまして実行せられて参つたのでありますが、爾來この法律に基く檢疫の励行によつて、海外から輸入又は移入せられまする植物に附着する病菌又は害虫の侵入を防止いたしまして、國内生産安全確保の上に極めて大きな効果を挙げますると共に、輸出農産物等につきましては、この檢疫によりまして、我が國の信用を保持し、その輸出振興に寄與するところ亦決して少くなかつたのであります。然るところ戰爭の勃発に伴う貿易の杜絶、人員の欠乏、檢査設備荒廃等は、この檢疫機能を一時停止状況に陷れておつたのでありますが、最近における貿易の再開と共に、再びその機能、活動の重要性を生じて参つたのでありまして、かたがた新事態に即應して、從來法律の不備を補つて檢疫徹底を期するために、ここに現行の輸出入植物取締法を全面的に改廃し、新たに輸出入植物檢疫法を制定せんとするものであります。  而して本法案の主なる内容で、且つ從來取締法に比して取立てて御説明を必要とする二三の点について概要を申上げますると、第一に、輸入せられる植物の中一定のものにつきましては、原則として外國における公の機関檢査証明書がなければその輸入を認めないこと、第二に、輸入場所は、檢疫を行う海港又は飛行場に限定しておること、第三は、我が國から輸出いたしまする、例えば蜜柑でありますとか、或いは百合根等につきまして、外國の要請にも應じて予めそれらのものの栽培地で、植物檢疫官の檢査を受けさせること、第四に、病菌害虫の認定或いは輸入禁止植物の範囲を定める等、本法案実施上の重要事項調査審議に当るために、新たに輸出入植物檢疫審議会を設けるごと等であります。  本法案提案趣旨及び内容は、大体以上の通りでございますが、その審議に際しての質疑應答につきましては、專門的且つ技術的のことが多く、從つて特にここに皆様の御注意を喚起する程のこともございませんので、すべて省略させて頂きたいと存じます。  而して本法案は、討論を省略し、採決に付しましたるところ、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました次第であります。以上報告を終ります。(拍手
  14. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 別に御発言もなければこれより本案採決をいたします。本案賛成諸君起立を請います。    〔総員起立
  15. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつて本案全会一致を以て可決せられました。      ——————————
  16. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) この際日程順序変更し、日程第五を後に廻し、日程第六、興行場法案日程第七、公衆浴場法案日程第八、旅館業法案内閣提出)以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。厚生委員長塚本重藏君。     —————————————    〔塚本重藏登壇拍手
  18. 塚本重藏

    塚本重藏君 只今上程になりました、興行場法案公衆浴場法案旅館業法案厚生委員会におきまする審議経過並びに結果について御報告申上げます。  從來旅館ホテル下宿等のいわゆる旅館業及び公衆浴場並びに映画館、劇場、その他興行場に対します取締りは、警察命令に基きまして、各都道縣知事がこれを行なつて参つたのでありますが、それらの取締りは、指導の方針及び方法等が、各都道府縣によつて一定していないために、取締り徹底指導の適正を図ることが困難である実情でありましたので、今回これが公衆衞生の見地から、支障なく行われるために、三法案提出された次第であります。  六月二十二日、厚生委員会に本審査に付託と相成りまして、六月二十四日審議をいたしました。各委員から熱心な質疑が行われたのでありますが、その主なるもの二三を申上げますと、旅館業法第二條第四項に、「不宿」とは、一週間以上の期間を單位とする宿泊料又は室料を受けて人を宿泊させる施設」とありますが、一般素人下宿についても。この法律による下宿であるかどうかとの質問がありました。政府はこの法律目的は、業として旅館業を経営する者に対して、公衆衞生目的から、取締りを行うものであるから、たまたま部屋が空いていたので、特定の人に貸す場合などは業とはしませんので、このようなものに対しましては、本法は適用されないとの答弁がありました。第四條第二項の、営業上の施設基準は、全國を統一する必要があると考えるが、どうかとの質問に対しまして、政府も、最低限度基準を示して、成るべく全國を統一的に取締りたいとの答弁がありました。更に、三法案共に、営業許可の際の手数料額はどういうふうに定めるのかとの質問に対しまして、これは、地方自治法第二百二十二條により、政令でこれを定めることになつており、この額は大体五百円を予定しておるとの答弁があリました。更にホテル旅館との相違等について細かしい質問があつたのでありますが、これを省略いたします。尚この三つの法案共に、都道縣知事が、営業許可取消又は営業の一時停止等行政処分をなす際に、公聽会を開かなければならんという民主的な新しい規定を挿入しておるのでありますが、そうしてこの場合におきまするこの聽聞は一体誰が行うかとの質問に対しまして、これは都道縣知事の委任を受けた委員であるとの答弁がありました。  その他数点に亘りまする質疑を終了いたしまして、討論を省略し、採決に入りましたところ、全員一致を以て三案とも原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。以上簡單に御報告申上げます。(拍手
  19. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 別に御発言もなければこれより三案の採決をいたします。三案全部を議題に供します。三案に賛成諸君起立を乞います。    〔総員起立
  20. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつて三案は全会一致を以て可決せられました。      ——————————
  21. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) この際日程順序変更して日程第九より第十三の請願、及び日程第三十二より第三十六までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。治安及び地方制度委員長吉川末次郎君。    〔吉川末次郎登壇拍手
  23. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 只今議題となりました請願及び陳情につきまして我々の委員会における審議経過並びに結果につきまして御報告申上げます。これらの陳情請願をここに便宜上三種に分けまして御説明申上げたいと存ずるのであります。  第一は地方行政に関するものでございまして、陳情第九十八号及び第百三十二号の杉山長崎縣知事、及び大橋長崎長等提出にかかります壱岐対馬両島福岡縣に轉縣することに関する陳情でございます。その趣旨といたしまするところは、壱岐対馬というものを福岡縣に轉縣しようとするところの運動は、ただ一部の者のみが試みているところのものであつて壱岐対馬両島の全体の島民の意思ではなく、又長崎縣においても右両島とは米、木炭、水産物等に関して重大なつながりがあるのみでなく、同島の轉縣によつて縣財政は非常な困難に立ち至るから、本問題については特に愼重に研究をして貰いたいというのでございまして、治安及び地方制度委員会におきましては、審議の結果、その趣旨は大体了解することができますので、この問題につきましては十分檢討せらるべきものであると考えまして、その陳情採択いたしまして、内閣送付すべきものと決定いたしました次第でございます。  第二は請願第二十三号地方財政自主性強化確立に関するところの、徳島懸議会議長でありまする富田美信君外七名の提出にかかりますところの請願外三件、及び陳情第三十号地方財政確立に関する陳情神奈川縣議会議長堀内萬吉提出外六件はいずれも地方財政の窮迫を訴えまして、その自主強化方策実現を希望するものでございまして、本委員会はこれら請願陳情趣旨採択の上、内閣送付を要するものと決定いたしました次第でございます。  次に第三といたしましては、請願第七百十八号鹿兒島市議会議長増田靜提出消防團用資材配給に関する請願、並びに宮城縣町村長会長高橋清提出町村公用必要物資廉價優先配給並びに確保に関する陳情の二件について申上げます。これらはいずれも必要物資確保に関するものでありまして、本委員会はその趣旨を諒とし、政府当局におきまして、その線に沿うて努力せらるべきものと考えまして、採択の上、内閣送付すべきものと決定いたしました次第であります。以上請願五件、陳情十件につきまして本委員会審議の結果をば御報告申上げました次第であります。(拍手
  24. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 別に御発言もなければこれより採択をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告通り採択し、内閣送付することに賛成諸君起立を請います。    〔総員起立
  25. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情全会一致を以て採択し、内閣送付することに決定いたしました。      ——————————
  26. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) この際日程順序変更して、日程第十四、第十五の請願、及び日程第三十七、第三十八の陳情を一括して議題といたすことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 御異議ないものと認めます。先ず委員長報告を求めます。司法委員会理事岡部常君。    〔岡部常登壇拍手
  28. 岡部常

    岡部常君 只今議題になりました請願の第三十四号外一件、陳情の第四号外一件、計四件の委員会における審議経過並びにその結果を御報告申上げます。  請願第三十四号、仙台高等裁判所郡山支部設置に関する請願は、郡山市長本間善庫君の提出でございまして、その趣旨は、裁判所法によつて裁判所の構成と事件の管轄が変更されましたため、交通不便な地方の者には、経済事情や交通難から控訴の申立を取止めることになりまして、憲法第三十二條の趣旨にも反しますので、地理的に見て東北の要地であり、発展的必然性として訴訟件数も増加の傾向にある郡山市に、仙台高等裁判所の支部を設置せられたいというのであります。  それから同じく請願第七百十一号、札幌高等裁判所釧路支部設置に関する請願は、釧路市長佐熊宏平君外十九名の提出でございまして、現在の裁判制度では、罰金刑以外の事件の控訴はすべて高等裁判所に属するのですが、東北海道地方は札幌市から遠隔の位置にありまして、交通が不便のため上訴権を放棄する者が多いから、当地方の中心都市であり、現在地方裁判所の所在地である釧路に高等裁判所支部を設置されたいという趣旨であります。  次に陳情第四号、東京高等裁判所長野支部設置に関する陳情は、長野市会議長笠原十兵衞君の提出でありまして、新裁判所法の制定のため、從来の区裁判所が廃止され、控訴裁判は長野地方裁判所で取扱われていましたのが、東京の裁判所まで出向かなければならなくなりまして、現今の物價、食糧並びに交通の諸事情より、長野縣民二百余万人の不利不便は甚大で、その上東京との地理的な関係及び過去における縣下の取扱い件数から考えまして、長野市に東京高等裁判の支部を設置せられたいという趣旨であります。  最後に陳情第三百三十一号、刑務所の設備充実に関する陳情は、三重縣議会議長小切間重三郎君の提出でありまして、戰災刑務所の復旧がはかどらない上に、犯罪人は増加の状態で、相当期間收容しなければならない惡質の犯罪人も收容ができないようなことがあり、その結果としまして、社会の治安に甚だしく悪影響を與えているのでありますが、これは刑務所の不足から生ずるものでありまするから、速かに適当な措置を講ぜられたいとの趣旨であります。  委員会におきましては、これらにつきまして愼重な審議をいたし、同時に政府関係者からの意見も参考に聽取いたしました結果、それぞれ意見を附してこれを議院に報告して内閣送付するのが至当であるということに全会一致可決いたした次第であります。以上御報告申上げます。(拍手
  29. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告通り採択し、内閣送付することに賛成諸君起立を請います。    〔総員起立
  30. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつてこれからの請願及び陳情全会一致を以て採択し、内閣送付することに決定いたしました。      ——————————
  31. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) この際日程順序変更して、日程第十六より第十八までの請願、及び日程第三十九、第四十の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。厚生委員長塚本重藏君。    〔塚本重藏登壇拍手
  33. 塚本重藏

    塚本重藏君 只今上程になりました請願並びに陳情に関しまする厚生委員会における審議経過並びに結果を御報告申上げます。  その一、請願文書表第二十四号、教員の恩給増額に関する請願外同じく第三十九号、第五百十八号、第七百九十八号及び陳情文書表第四十九号、その二、請願文書表第五百十九号、恩給増額に関する請願外同じく第七百七十六号、第七百九十八号、第八百三十号、第八百七十九号、その三、請願文書表第三百二十三号、恩給並びに扶助料増額に関する請願外同じく第六百四十四号、第六百四十七号、第六百八十一号、第七百五十三号、第七百七十七号、第七百八十五号、及び陳情文書表第八十一号、第二百二十六号、以上の請願並びに陳情内容は、恩給増額の問題に関するものでありまして、ほぼ同一の趣旨のものでありまするから、ここにこれを便宜一括してその概要を申上げます。  終戰後の経済界の変動は著しく物價の高騰を來しまして、恩給を以てその生活を立てて来た恩給受給者にとつては、現在の支給額では最低限度の生活さえ困難な状態であるのみならず、これらの受給者の大多数というものは蓄積を持たないものであり、且つ別途の收入を得ることのできない立場に置かれておりまして、一層その生活に困窮しておる者が多いのであります。從つて恩給乃至扶助料増額せられたいとの趣旨であります。  委員会におきましては、去る六月の三日、五日、十日の三回に亘りまして愼重に審議を行つたのであります。教員の恩給増額につきましては、政府より実情の説明を聽取いたしましたところ、文部当局においても同樣の請願をしばしば受けておりまして、恩給局ともたびたび折衝を重ねて、教員恩給増額に努力しておりますが、文部省としては、教員は薄給であるので、恩給に対しても優遇するようにし、少くとも給與のベースに比例して増額いたしたいとの答弁があつたのであります。更に内閣恩給局より対策についての説明を聽取いたしましたところ、國家財政の現状から、今俄かに増額し得ると言明はできないが、恩給に対する根本方針としては、不慮の事故による傷病不具等で、生活能力の急激になくなつた者、又は老年になつて徐々に生活能力のなくなつた者については、経済能力の減損を補填してやるようなふうにしたいと考えておるのである。併し今直ちにこれを増額し得るようにはまだなつていないとの答弁がありました。委員会におきましては、この総予算と恩給額との割合を、昭和五年乃至九年当時と現在とを比較しました場合に、比率の点では現在財政面において恩給額を相当引上げなければならないことが明らかになつたのであります。本問題を現状のままに放置することは許されざるところであり、且つ將來思想上、國民感情の上におきましても、重大なる問題を惹起することなきように、速かに何らかの適正な対策を講ずることの必要なることも認めました。これがためには可及的速かに社会保障制度確立を図りまして、現在の恩給受給者のみならず、全國民の老後の生活保障の方途を講ぜなければならないということに意見の一致を見たのであります。  かくて、以上の請願十六件並びに陳情三件は、極めて妥当なものと認め、且つこれが解決は焦眉の急務とするところであり、これを採択いたしまして、内閣送付すべきものと決定いたした次第でございます。以上御報告申上げます。(拍手
  34. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより採択をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告通り採択し、内閣送付することに御賛成諸君起立を請います。    〔総員起立
  35. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、内閣送付することに決定いたしました。      ——————————
  36. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) この際日程第二十一号より第三十一までの請願及び日程第四十一号より第四十三までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。財政及び金融委員会理事伊藤保平君。    〔伊藤保平君登壇拍手
  38. 伊藤保平

    ○伊藤保平君 只今上程に相成りました請願及び陳情につきまして、委員会審議経過及び結果を御報告申上げます。  請願第三十八号、元鹿兒島縣指宿海軍航空隊用水道拂下げに関する請願であります。これは鹿兒島縣指宿町は國立公園指定候補地の中心都市でありまして、古來有数な温泉郷でありましたが、近來その泉源が枯渇し始めまして、よつて山の手方面から別に湧泉を誘導する必要に迫られておりまするが、鉄管の入手に困つております。幸いにも同地には元海軍航空隊用の水道設備が終戰後使用不能のまま放置せられておりますので、その水道施設を無償で拂下げられたいとの趣旨であります。併し無償拂下げということは、現在の場合では甚だ他に影響があつて、困難が伴いますので、能う限りの低價で拂下げ、且つ発掘費の負担等の点をも考慮して、願意の逹するように利用の途を開くのが妥当であると認めたものであります。  次に請願第九十一号、海産物移入に要する金融措置変更に関する請願、これは大藏省告示、金融機関金融通準則によりますると、山形縣の荷受資金は丙となつておりまするが、同縣の海産物はその七〇%は他府縣から移入によつておりますので、資金は常に梗塞を極めますので、これを緩和するために資金貸出の順位を甲の取扱にせられたいとの願意であります。  次に請願第百号、旧光海軍工廠用地拂下げに関する請願の要旨は、山口縣熊毛郡島田村開作、二軒屋及び島田市の三部落を包含いたしておりまする約百万坪の土地は、昭和十五年光海軍工廠建設地として強制買收されたものでありまして、同工廠は終戰直前空襲によつて廃墟と化しており、今以て何の利用もされておりませんので、右土地を前所有者に拂下げられたいとのことであります。  次に請願第百八十二号、煙草耕作者に対する塩特配に関する請願煙草耕作者は炎天下の労働でありまして、その労苦は炭鉱内におきまする労働に比しても、質的に匹敵する重労働でありまして、從つて塩分に対する生理上の必要が絶対なのであります。從つてこれを得んがため、ややもしますと、原料葉煙草横流しの弊がありまするから、これの防止の意味におきましても塩を特配されたいとの趣旨であります。  次に請願第二百六十七号、庶民銀行設立促進に関する請願趣旨は、最近二十億円の政府資金を基金として、庶民銀行である國民金融金庫設立案が立てられておるが、この企画は資金的背景の乏しい引揚者等に取りましては、その企業体の再建、産業復興の上に寄與するところが甚だ甚大でありますので、一日も速かに実現せしめられたいとの請願であります。  次に請願第一号、野沢町外八ヶ村を喜多方税務署管下に管轄を変更することに関する請願でありまするが、これは福島縣河沼郡野沢町外八ヶ村組合は、地理的その他の関係で、耶摩郡喜多方町所在の官公廳に所属しておりますが、ひとり税務署だけが耶摩管内に属しておるために、不便不利を生じておりましたところ、この度、喜多方税務署が復活いたしましたので、地方民の要望を容れて同税務署の管下に変更せられたいとの趣旨であります。  次に請願第百二十号、中小商工業者の更正所得税制刷新に関する請願でありまするが、今回決定を見ました更正所得税は実情に副わない高額のもので、この重税を強行いたしますると、多数商工業は経営不可能に陷ることになるから、中小商工業者を持続せしめるためには、財源を他に求めて、課税の軽減を図つて、所得決定又は更正に際しましては、農業や勤労の所得者と同樣に、中小商工業者負担衡平を図るように、税制の刷新を期せられたいとの趣旨であります。  次に請願第三百五十四号、耕地整理中の土地を物納として認むることに関する請願であります。これは昭和二十二年三月財産税として物納いたしました田地及び畑地の内、耕地整理中のものは物納を認めないとのことでありますが、かくては地主の納税不能を來すことになりますので、耕地整理中の田畑も組合の評價額に基いて物納を認められたいとの趣意であります。  次に請願第四百十七号、い製品上敷、ござ等の免税に関する請願、い製品上敷は、昭和二十二年十一月から課税されることになつておりますのでありますが、い製品上敷は中産階級以下の疊代用品であり、下級大衆の必需品であるから、い製品の縁附上敷、糸掛上敷及びござ長物に限り免税されたいということであります。現行法でも免税点は設けられておりますが、実際の市場價格が著しく高騰いたしましたため、下級品までも免税点以上に上廻つてしまつたからであるのであります。  次に請願第五百一号、教育映画フイルム物品税免除に関する請願、現在教育映画の持つ使命が甚だ重大であるにも拘わりませず、映画用のフイルムには、娯樂映画と同樣に八割の物品税が課せられております。一面には製作費の高騰のために、著しくその発逹を阻害しておるので、適当機関、例えば文部省教育映画審査委員会の認定したものには、フイルム税を免除されたいとの趣旨であるのであります。  次に請願第七百九号、廣島市内の旧軍用地償拂下げに関する請願、この請願は、原子爆彈被災都市でありまする廣島市の復興計画が、財政の窮乏その他いろいろの関係からいたしまして、意のごとく進捗しないのであります。中にも市内に残存する百八十余万坪の旧軍用地拂下げが計画遂行上最も必要であり、先決問題であるが、財政上の点で行詰つてどうにもならないから、これを無償で拂下げられたいと、の趣旨であります。無償拂下げの特例は、他に影響いたしまして大いに難点があるのでありまするが、幸いに新らしく國有財産法、同特例法案が近く上程され、公共團体に対しましては無償貸付をなすことができるようになりますので、願意は逹せられるものと考えるのであります。  陳情第六十二号、税務行政執行妨害に伴う対策に関する陳情であります。この陳情は、大衆課税の欠陷と徴税機構の弱体化のために、納税者の税務行政執行妨害が増加しておるので、大衆課税の欠陷是正、徴税機構の拡充強化、徴税に伴う税務官吏の危險保護等の措置を講ぜられたいとの趣旨であります。  次に陳情第八十九号、盛岡日本銀行出張所支店昇格に関する陳情、これは盛岡日本銀行出張所を、企業経営上の利便と岩手縣産業経済復興のために、これを支店に昇格して、その業務上の権限拡張を図られたいとの趣旨であります。  次に陳情第二百八十四号、農村金融措置合理化に関する陳情、この陳情は、農村の電化、機械化は絶対に必要でありまして、これには多額の資金を必要としますので、貯蓄増加額四〇%の融資限度を一〇〇%に拡張されたいとの趣旨でありまして、限度引上げは、現在の実情下では困難と思われまするが、本陳情に基いて可能範囲の処置をなすことは極めて適当と認むるものであります。  以上いずれも請願並びに陳情の願意を妥当と認めまして、財政及び金融委員会全会一致、これを議会の会議に付し、且つ内閣送付するを要するものと審査決定いたした次第であります。以上御報告申上げます。(拍手
  39. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 別に御発言もなければこれより採決をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告通り採択内閣送付することに賛成諸君起立を請います。    〔総員起立
  40. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情全会一致を以つて採択内閣送付することに決定いたしました。      ——————————
  41. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 日程第四十四、電力復興問題に関する調査に関する件、委員長報告を求めます。電氣委員長佐々木良作君。    〔佐々木良作君登壇拍手
  42. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 電力復興問題に関する調査報告をいたします。最初調査経過簡單報告いたしますが、電氣委員会昭和二十二年、昭年の十二月十日に電力復興並びに開発に関する施策の樹立に資し、以て現下の経済復興並びに民生安定に寄與する目的を以ちまして、電力復興問題に関する基本調査を行うことを決定し、議長の承認を得て直ちにこの調査に着手した次第であります。以後現在まで他の付託事件の審議と並行いたしまして、本調査を進めましたが、本年の三月三十一日、右調査を完了いたしまして、四月七日附を以て多数意見者の署名を附して議長調査報告書を提出した次第であります。その後現在まで約二ヶ月半に亘る日数を、印刷にとりましたために報告が遅れた次第でありますが、やつとでき上りましたので今日報告さして頂くわけであります。  内容報告書にあります通りでありまして、皆さんのお手許にこういう電力復興問題に関する調査報告書と、それから同様の報告書の別表とが各文書函に配付してありますから御覧を頂きたいと思います。約百頁、全部で十三章からなり、統計数字は統計表として約八十頁を附加してありますから御覽願いたいと思います。  尚実際上本調査の一部をなしますところの電力不足の原因に関しましては、第一回國会におきまして電力復興問題の第一回調査報告書を提出しておきましたから、その内容は御承知通りであります。尚本調査は現在電氣関係で最も問題になつておりますところの、電氣事業の再編成に関する問題につきましては、直接の調査対象にいたしませんでしたが、本調査自体が電氣事業の過去及び現状についての基本調査であり、將來の施策樹立に資することを目的としておる関係上、再編成問題を判断するに必要なる基本的な諸問題は、殆ど網羅されております。この点を附加えておきたいと思います。内容に関してでありますが、時間の制約もありますので、極めて簡單調査の結果と、その要点だけを御報告しておきたいと思います。  最初に、第一は現在の電力設備の状態でありますが、詳しいことはこの中に全部細かく記載してありますから御覽願いたいと思います。大ざつぱに申しますと、電力の設備は最大電力で六百三十万キロ、常時といいます一番少いときで二百七十万キロでありまして、火力が三百九十五万キロ約四百万キロでございます。水力と火力の比重は水力が約六八%となつております。七、三の割合でありますが、ちなみに申しますが、アメリカにおきましてはちようどその逆になつておるのでありまして、火力約七〇%、水力が三〇%、こういう見当になつております。その設備水力六百三十万キロ、並びに、火力の三百九十五万キロ、全部が動いて電氣になつておるのでありますが、この電氣になつておる状態は、この設備が動いてどれだけの電氣をどのように配給されたかということは、この統計表の中に詳しく入つておりますから御覽願いたいと思いますが、ただ附加えておきたいことは最近の電氣事情から申しまして、この設備が非常に現在劣悪な状態になつておる。発電の能力が低下しておるということでございます。最近の特に一番大きな原因は山林の濫伐による蓄水力の減退でありますが、これは特に七月八月の夏季、ちようど今頃ですが、夏の水の足りない時期及び、九月十月の秋の豊水期と称せられる時分に一番顯著に現われております。將來非常に大きな問題として國土計画その他におきまして、お考えを頂かなければならない問題がここにあると考えます。  尚次の問題は設備が非常に老朽化しておりまして、同時に補修が不完全であるために事故が非常に頻発し、能力が低下しておるという現状であります。ちなみに申上げますが、昨年、二十二年の猪苗代の十万キロというのが停電しておつた事実も御承知通りであります。  なおここでちよつと申上げて置きだいと思いまするのは、発電機の事故が統計で一番多くなつておりますのは、発電所を作りましてからの経過年数が十九年乃至二十年この近所が一番多くなつておるわけであります。ところが現在ある水力の発電所におきましては、特に日発関係の水力発電、大体日発が殆ど七、八〇%の水力発電所を持つております。この七、八〇%持つておる水力発電所の個数にして五三%、出力にして三五%、これはすでに二十年以上の建設の経過年数を経ておる発電所であります。火力におきましては個数にして五〇%、出力にして約四〇%が二十年を経過しております。発電所の耐用年限と申しますか、減價償却の対象になる年数は綜合的に、一つ一つ違いますのではつきりと申上げられませんが、平均しまして大体二十年から二十五年であります。二十年から二十五年が大体平均の発電所の壽命と見なければならない際におきまして、個数にして五〇%程度、出力にして三、四〇%程度がすでに二十年間も経過している発電所であることを篤と御承知を願いたいと考えます。將来の電氣事業の問題として非常に大きな問題を投げかけておると考えます。  尚出力の低下している直接の原因につきましては、特に火力の場合におきましては火力用の石炭の絶対量の不足と炭質の低下がありますが、これにつきましてはいろいろ問題が出ております。例を挙げますと、昨年の一番ひどい状態の場合に、火力の発電所の能力といいますか、設備の能力は百十万キロ以上あつたわけであります。それにも拘わらず、実際に出ましたのは五十万キロ乃至六十万キロであります。それは石炭の絶対量の不足及び炭質の低下が直接の原因になつておる。非常に設備の問題がやかましくなつておりますけれども、いざという場合の、冬の一番渇水の場合におきましては、昨年の例から見ましても、約その設備の半分しか運轉ができなかつたという状態を御承知置きを願いたいと思います。カロリーの低下も同樣でありまして、カロリー低下から昨年の場合に約四十万キロくらいの出力の低下を來しておつたというふうに感じられるわけであります、今年も恐らく同樣の状態が起ろうと思つておりますから、その点もこの調査報告書から内容をキヤツチされまして十分な御注意をお願いしたいと考えます。  更に配電設備も同樣の原因によりまして非常に能力が低下しておりますが、これは特に送電損失、いわゆるロスの増加、非常にロスを多くし、同時に事故の停電であるとか、電圧の低下等の、いわゆるサービスを非常に惡くし、同時に感電と出火等の原因になつていることを御注意願いたいと思います。  二番目には電力の需給の問題でありますが、これもこの報告書に詳しく書いてありますから、このポイントを一つ十分に御承知願いたいと思います。それは現在の電力不足ということは、全エネルギー源の絶対量の不足が今のところ電力だけで以て殆んど補われておるという実情であつて、従つて電力としましては、生産が非常に殖えているにも拘わらず、いわゆる電力不足ということになつていることを御承知置きを願いたいと思います。これがいわゆる電力制限の原因になり、そうして生産力を減退せしめ、民生を不安ならしめている。非常に大きな電力不安の原因となつている次第でありまして、この電力制限の影響につきましても詳しく述べてありますから、御承知置きを願いたいと思います。この綜合エネルギー対策の必要な点につきましては、第一回國会におきますところの電力危機突破の決議の中心点的な内容なつたものでありますが、ここに重ねてこの問題を提起しまして、報告の一つの一番大きな要素として皆さんの御参考に供したいと考える次第であります。特に附加えて置きますが、電力不足というのは、常に從來電力の生産面からだけが非常に大きく取上げられておるわけでありますが、この問題を現在考える場合には、電力の需要面からも十分に考えなければならんという問題を提起しているということを御承知置きを願いたいと思います。  次に経営状態でありますが、経営が非常に惡くなつていることは外の事業と同樣でありますが、特に資金と料金の問題につきまして、経営状態が惡くなるという問題ではなくて、これが直接に電力供給を惡くしている原因になつていることを御承知置きを願いたいと思います。資金の調逹難が一つの非常に大きな問題であり、もう一つは電力料金の相対的な低廉が一つの大きい原因になつているわけでありますが、要するに金がうまく廻らないために、あらゆる常時の運轉資金が料金との関連でうまく廻らないために、電力の供給力に非常に大きな支障を來しつつあるということを報告されておりますから、御覽置きを願いたいと思います。外資の問題にも触れてありますから、時節柄ちよつと御覽置きを願いたいと考えるのであります。  ちよつとここに述べて置きますが、電力建設の問題が非常にやかましくなつておりますが、料金の問題と関連してちよつと附加えますのは、水力の建設、水力一キロワツトの建設費は昭和六年の時は二百九十六円、ざつと三百円單位。この指数を百といたしますと、二十二年には三万六千円、指数にして一万二千百というふうな数字になつております。これは料金問題及び資金面から考えられまして、將來の建設の上に現在のインフレ状態が與えつつある影響をお察し頂く点において重要かと思います。この通り資料も載つておりますから御承知置きを願いたいと思います。  第八章以下は説明を省略したいと思いますが、最近労働問題がやかましくなりました場合に、粗雑になりました施設について、第八章の從業員の項については、現在電氣労働者の現状を報告いたしまして、電力供給の上に考慮さるべき諸点を明らかにしております。又農事電化、鉄道電化の問題及び自家用及び特殊発電所の問題につきましては、問題の所在点のスケツチをするに止めました。  更に十二章、十三章においては、我が國現在の電力、特に水力ですが、電力のあらゆる面からの建設能力をスケツチしてありますから、電力対策の樹立の参考に供して頂きたいと考えておる次第でありますが、特にその結論を簡單に申上げますと、一般國民の経済的の問題を別といたしますれば、電力建設の一番大きいネツクになつておりますのは、恐らくセメントとなるであろう、そうして年間の現在の工事能力、工事能力と申しますのは、発電機の生産能力から、土木工事能力すべてを含めたそういう生産が全部かかつております。そういう綜合工事能力全部を含めまして、大体年間に最大限が四十万キロワット、これが現在の状態における最大の開発の能力の限界であると考えます。未開発が現在まだ千四百万と言われておりますが、その点も考慮して頂きまして十分のお考え置きを願いたいと思います。  以上極めて簡單にこの問題の調査報告をなしたわけでありますが、特にこの調査報吉書の内容を十分に一つ御承知置きを願つて、現在の電力問題に深い関心を持つて頂きたいと特にお願いする次第であります。電力問題は目下再編成問題を繞つて非常に大きな政治問題となりつつありますが、この再編成問題が恐らく解決の付かないうちに、又必ず昨年と同樣の電力危機が押寄せて來ること、これを私はここに断言することができるような氣がする次第であります。電力危機の到來と、更に今被さつている電力の再編成の問題、これらを引つ括めまして、電力の諸問題、産業の再建と民生安定の鍵である電力問題の解決を、衷心からこの議場に私お願いするわけでありますが、この電力問題の解決の延びております一番大きな原因と私考えますのは、問題の中心点、問題の所在点が、國会議員の皆樣におそらく十分に理解されていない、或いは重要度が十分に理解されていない、この点が一番大きな原因のように思います。私の言い過ぎであつたらお許しを願いたいと思いますが、そういう氣がするわけであります。本報告書は現在の電力問題の所在点を殆んど網羅しております。同時にその対策のこれはサジエスト程度でありますが、殆んど十分にサジエストしてあります。どうかこの内容を、問題の所在点を御覽になり、その対策のサジエストを受取られまして、本問題の解決に國会が非常に大きな足踏みを一歩踏み出して頂きたいというのが、私共の調査をいたしました結果と、その結果に基く大きな希望であり、期待であるわけであります。  非常に簡單で要を得なかつたかと思うのでありますが、内容はこの報告書を熟読玩味されることに讓りまして報告を終りたいと思います。(拍手
  43. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 御異議ないと認めます。次会の議事日程決定次第公報を以て御通知をいたします。本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十八分散会