○
伊藤保平君 只今上程されました
製造たばこ「
新生」の
價格の
改定に関する
法律案につき、
委員会の
審議の経過と結果を御
報告いたします。
本法案は、
製造たばこ「
新生」が昨年十一月一日から十本
当り四十円の定價で新発賣せられましたが、当初から割で高あつたために賣行が甚だしく不振に陥つたので、本年二月初旬からは福引券附賣
出しを実施し、極力これが賣
廣めに努めたが、四十二億本の
販賣計画に対し、辛うじてその約六〇%の
販賣成績を収め得たに止まりまして、尚二十億本に近い賣残りを抱えておる状態で、而も福引券附賣
出しの
期間もすでに過ぎましたので、これを現行のままの
價格で普通の
販賣方法を続けていたのでは、全部を賣り
盡すまでには相当長い時日を要し、その
期間が延びれば延びるだけ
闇たばこの
跳梁暗躍を蔓延させることになり、氣候の関係から申しまして、
梅雨期を控えまして
品質劣化の虞れが多分にありますので、
政府は從來の行きがかりを一擲いたしまして、この際定價を十本
当り二十円に値下げを断行し、以て短
期間内に一挙に賣り盡し、
專賣益金の確保を図りますと同時に、
闇たばこの防止にも役立たせたいとの
目的を以ちまして、
財政法第三條の規定により、この
法律案を提
出した次第であると説明されたのであります。
これにつき
委員から、二十円という
價格はどういう標準によつて決めたのかという
質問があり、これに対し
政府委員からは、これは
闇たばこへの対抗上からと、
品質の
劣悪化を恐れて、一日も早く賣り盡したいため、半値の二十円を適当として定めた次第であるとの
答弁があつた次第であります。又本年度の
販賣計画はどうするのか、「
新生」は依然とし続けて賣つて行くのか、又はこれで打切るのかという
質問がありましたが、これに対しまして
政府委員は、「
新生」は現在の手持ちを賣り盡したら一應これを廃止いたしまして、その代りに新らしい製品の
自由販賣を計画しておる、そうして昨年度の四百七十億本を五百三十億本程度に増産して、これを
自由販賣三五%、
家庭配給六五%とする
目的で計画を立てておるとの
答弁がありました。
かくて討論に入り、
採決いたしました結果、
全会一致を以て
委員会は
政府原案通り可決すべきものと決定いたしました次第であります。以上御
報告申上げます。(
拍手)