運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1948-03-26 第2回国会 参議院 本会議 第24号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十三年三月二十六日(金曜日) 午前十時三十九分
開議
━━━━━━━━━━━━━
議事日程
第二十二号
昭和
二十三年三月二十六日 午前十時
開議
第一
國務大臣
の
演説
に関する件(第六日) 第二
自由討議
━━━━━━━━━━━━━
松本治一郎
1
○副
議長
(
松本治一郎
君) 諸般の報告は御異議がなければ朗読を省略いたします。
—————
・
—————
松本治一郎
2
○副
議長
(
松本治一郎
君) これより本日の
会議
を開きます。この際御報告いたします。一昨日の本
会議
において
石坂豊一
君から御
発言
がありました事柄につきましては、
議長
は、一昨日直ちに
各派交渉会
に諮り、その
決定
に基きまして、昨日
松岡衆議院議長
を訪ねましたところ、
衆議院議長
は、十分遺憾の意を表明せられました。
—————
・
—————
松本治一郎
3
○副
議長
(
松本治一郎
君)
内閣総理大臣はり発言
を求められております。この際許可いたします。
芦田内閣総理大臣
。 〔
國務大臣芦田均
君
登壇
、
拍手
〕
芦田均
4
○
國務大臣
(
芦田均
君) 一昨二十四日、私は目下來朝中の
アメリカ陸軍次官ドレーパー
氏の一行と会見いたしまして、
各種
の問題について
意見
を交換いたしました。 私は
終戦
後
日本國民
が
平和世界
の
建設誠意
を以
つて
邁進する決心を持
つて
いることを申述べ、又この際
日本
の
経済再建
が如何なる方法によ
つて
行わるべきかについて
政府
の
所見
を説明いたしました。そうして今日、我が國が当面しておる難関の打開について、でき得べくんば
連合國
がこれに格別の援助を與えられんことを要望いたしました。その際
ドレーパー
氏より廳き得たことは、
日本
が
自立自存
を念として
再建
せられることは、ひとり
日本
の
利益
ばかりでなく、
アメリカ
の
利益
であると信じておるから、
日本國民
がみずからの運命を自分の手によ
つて
開拓する
意氣
と
努力
を示すにおいては、
アメリカ國民
は從来よりも一層の
熱意
を以て、
日本経済
の
再建
に寄與し得るであろうとの
言明
を得たのであります。(
拍手
) 私は以上の事実を御報告申すと共に、我々が好意ある
連合國
の信頼に背かないように、
祖國再建
のために今後一層奮励する決意を新たにいたしたいと思います。
—————
・
—————
松本治一郎
5
○副
議長
(
松本治一郎
君)
日程
第一、
國務大臣
の
演説
に関する件(第六日)、昨日に引続き
質疑
を許します。
高田寛
君。 〔
高田寛
君
登壇
、
拍手
〕
高田寛
6
○
高田寛
君 私は今日先ず最初に
観光事業
のことについて御質問をいたしたいと思います。終戦後三年、我が國は今や
経済
の再建と
國際信用
の回復に全力を挙げておるのであります。敗戰の結果、領土はせまばまり、資源は著しく減少したのでありますが、而もここに八千万の
國民
が生きて行かなければならないのであります。國を挙げて
生産増強
を叫び、又
食糧増産
が
計画
されておるのでありますが而もなお食糧を始め、その他の
生活物資
は年々この供給を
外國
に仰がなければ我々は生きて行かれないのであります。幸いにして
連合國
の御好意によりまして、食糧の輸入は順調に運び、又周囲の情勢が好轉いたしまして、
重要物資
の輸入の曙光が見え始めて來ておるのであります。併しこれが対價はどこまでも我が國から
外國
に支拂わなければならないのであります。このために
輸出貿易
の振興に向
つて
大いなる努力が拂われておるのでありますが、而もなお貿易の収支についてこれを見ますると、昭和二十一年度、昭和二十二年度両方とも大掴みにして約二億ドルずつの
輸入超過
を見ることにな
つて
おるのでありますが、今後と雖も、我が
國情
からいたしまして、この
輸入超過
の趨勢は決して恐れることができないと思うのであります。ここにおいて
輸出貿易外
に外貨を獲得する途を講ずるにあらずんば、我が
國民
が生きるための
物資
は引続いてこれを
外國
から購入することはできないわけであります。戰前においては、
海運収入
、或いは
海外移民
の送金、或いは
海外投資
の収益というようなものにも大きな
外貨獲得
に期待を持つことができたのでありますが、今日の状況におきましては、全くその望みを
失つたの
であります。そのために、
輸出貿易
以外に
外貨獲得
の途は唯
一つ観光事業
があるのみと申しても敢て過言ではないと信ずるものであります。第一次大戰の後
財政窮乏
を救いますために、欧州の各國、つまり
フランス
、ドイツ、イタリーなどは相
挙つて観光事業
に着目いたしまして、
從來民間事業者
に委ねられておりましたこれらの
事業
を
国家的事業
として
坂上げ
、これによ
つて
積極的に
外貨獲得
を
図つたの
もむべなるかなと存ずるのであります。今後我が國が
國際信用
を回復して
國際連合
に加入し、
國際社会
の一員として立
つて
行くにも亦この
観光事業
の振興が必要であると考えるのであります。できるだけ多くの
外國人
を我が國に迎えまして、
平和國家
、
民主國家
となつた我が國に対する認識を深からしめ、又我が
國民
に接して日本に対する親しみを持たせることが
国際信用回復
の最も近道であるからであります。かくして
國際的信用
の回復があ
つて
、初めてここに今後我が國より廣く海外に移民を送り出すこともその途が開けて來ると思うのでありまして、又
観光事業
の振興に伴いまとて、
國民
の
文化
や教養を
國際的水準
に引上げることになり、又
國際文化
の交流によ
つて
我が
國文化
の向上を図ることも亦できるのであります。なお又、
國内観光
の面を見ますると、健全な旅行の奨励によ
つて國民生活
の
明朗化
を図り、又
一般勤労者
に健全な慰安を與えて、
勤労意欲
の高揚を図ることができるのであります。幸いにして我が國は
氣候温和
にして風景に恵まれ、豊富な温泉があり、特異な
文化
や芸術を持
つて
、一面戰争を通じて諸
外國
の我が國に対する関心は非常に高ま
つて
おることも見られるのであります。この際我が國にして適当な
外國
の
観光客受入れ態勢
を整えまして、又
観光宣傳
その
宣しき
を得ましたならば、
海外旅行熱
の高い
米國人
を始めといたしまして、多くの
観光外客
を迎えることは期して俟つべきものがあると思うのであります。聞くところによりますると、
米國人
の
海外旅行熱
は戰後とみに高ま
つて
おりまして、昨年中に
米國人
が
海外旅行
に費した金は約六億九千万ドルであり、この二、三年後には恐らくこの金額が一年間に十六億ドルに上るであろうということが言われておるのであります。今次大戰の終了後、欧州各國は
競つて活發
に
観光事業
に力を注いでおるのであります。
英國
は戰勝國ではありますが、相当の
財政的打撃
を蒙りましてその
経済回復策
といたしまして大々的に
観光事業
を取上げまして、政府の
観光局
を作り、
民間國体
である
英愛旅行協会
と協力いたしまして、来
國民
を
観光客
の第一目標として最も活發な活動を展開いたしております。その他
フランス
、スイス、オランダ、ベルギー或はデンマーク、ノルエー、スエーデンという各國も
競つて米人観光客誘致
に活發な
宣傳活動
を開始しておるのであります。戰爭中数年間我が國は、
国際交通路
から全く遮断された
状態
にあつたのでありますが、昨年の
夏以來米國
の
航空会社
はその
航空路
を我が羽田を経て、或いは
マニラ
に、或いは又
カルカツタ
に延ばしておりますし、又
アメリカ
の
汽船会社
は、その航路を我が横浜港を経て或いは
マニラ
に、又世界一
周航路
に延ばしております。
英國
の
航空会社
も亦最近ロンドンを発しまして、
カルカツタ
、香港を通り、我が岩國の飛行場までその
定期航空路
を延ばして來ておるのであります。
貿易関係者
の往來も漸く繁くな
つて
参り、殊に又最近は
アメリカ
ン・プレジデント・ラインの船が横浜に碇泊中に、その乗客はバスを連ねて、或いは鎌倉或いは東京などの見物を始めて來ております。
講和会議開催
の時期は延びましても、日米間の
平和的交通
は日に日に繁くなり、
観光客
の
大々的來訪
も近くこれを迎え得る情勢が窺われるのであります。この時に当
つて
我が國の
観光客受入態勢
はどうな
つて
おるのでありませうか。
観光道路
は
戰爭以來修理
の行届かんものが多く、又鉄道の
旅客輸送状態
も未だ戰前の
状態
に遠く及んでおりません。
ホテル
の数も
外國観光客
を迎える余裕ほ殆んどないような有様であります。
戰後観光事業
に対する一般の関心が高まりまして、民間の
観光事業推進
の機関として
全日本観光連盟
の創立を見、又各地方に
観光会社
というようなものが数多く設立されて、或いは
國民
に
観光訓練
をなすとか、或いは又各種の
観光施設
の充実に力を致しておるのでありますが、何分資金及び
資材面
において隘路が多く、
観光客受入
の
施設充実
の面は遅々として進んでおりません。これは結局のところ我が國においてはいまだ
観光事業
を
國策
として取上げ、積極的にこの
事業
を推進して行くという方策がはつきりしておらないということに原因があると思うのであります。須からくこの際
観光事業
を
重要國策
の一つとして取上げ、外客を迎えるに
必要最小限度
の設備は急速にこれを充実いたしまして、一方又積極的に
観光宣傳
に乗出して、大々的に
観光事業
の振興を図り、以て我が
國経済再建
の一翼を担当せしむべきものと思うのであります。この際
総理
におかれましては、この
観光事業
を
重要國策
の一つとして取上げて、強力にこの
事業
の振興を図る御意思があるかどうか、この点をお伺いしたいのであります。 尚又
片山内閣時代
に、昨年十一月
文化委員会
におきまして、
片山総理
から、
観光事業関係事務
が各省に跨り仕事が区々にな
つて
おる実情に鑑み、総合的にその
基本方策
を決定するため、内閣に
観光委員会
をできるだけ速かに設置するよう図ることにいたしたい。こういう御答弁があつたのでありますが、
芦田内閣
におかれては、速急にこの内閣に
観光委員会
を設置する御意思があるかどうか、この点も併せてお尋ねしたいのであります。 次に
運輸大臣
にお尋ねいたします。
観光事業
の根幹をなす
交通
問題を見まするに、鉄道はその
輸送力
において、又
旅客待遇施設
において誠に遺憾の点が多いのであります。旅行の
利便増進
、殊に
外國
の客に対する
輸送
の改善につきましては、如何なる
計画
を持
つて
おられるか、この点をお示しを願いたいのであります。又
國際観光事業
に必要欠くべからざる
ホテル事業
につきましては、
運輸省
が長年に亘りこれが助成に当
つて
おられるのでありますが、今後の
ホテル整備計画
について如何なる御
計画
を持
つて
おられるか、併せてお尋ねいたしたいのであります。 次に、
建設院総裁
にお尋ねいたしたいのでありますが、今日
道路
、殊に
観光道路
というものは
観光事業
に最も大きな関係を持
つて
おるに拘わりませず戰後その修理は行届かず、主要な
國際観光地
におきましても、その
道路
は惨怛たる
状態
のものが多いのであります。今後の
観光道路整備
について如何なる
御許画
を持
つて
おられるか、この点お尋ねいたしたいのであります。 最後に、
安本長官
にお尋ねいたしたいと思いますが、只今我が國の
経済
の点から見て、
ホテル
その他の
観光施設建設
に資金や
資材
を集中することは、相当困難な問題もあると思うのでありますが、併し
観光事業
が
國家経済
の再建に及ぼす影響を考える時、外客を迎えるに
必要量
小限度の
観光施設
については、速急にその建設が可能となるように
資金資材両面
において特別の配慮がなくてはならないと思います。
安本長官
におきましては、
外客誘致
に必要な
ホテル
その他の
観光施設
に対して、その
資金資材面
について特別の考慮を拂われる御意思があるかどうか、この点をお尋ねいたしたいのであります。 次に
海陸交通
の問題につきまして
運輸大臣
にお尋ねいたします。先ず
國有鉄道
でありますが、申すまでもなく
國有鉄道
は、我が
國陸上交通機関
の大宗であり、
経済
の動脈であり、これが健在であるかどうかということは、
國民生活
に至大の関係があるのであります。
戰後國鉄
の
輸送力
はやや回復して來たとは思われるのでありますが、依然として
鉄道沿線
の滞貨は山を成しております。木材の百万トンを初めといたしまして、滯貨の総量は現在実に三百万トンに達しておりまして、而も日日の
発送トン数
は滯貨の一割にも及んでおらない
状態
であります。これでは何蒔滯貨の山が崩れるか見通しが付かないのであります。駅頭がかように詰
つて
おりますから、その
背後地
の
生産物資
は駅に持込むことすらできません。その
背後地滯貨
は実に千五百万トンぐらいに及ぶと推算されるのであります。現在最も貴重な
生産物資
が、
國鉄
の
輸送力
不足のため空しく
生産地
において腐
つて
行く
状態
が見られるのであります。又
國鉄
に対する
貨物輸送
の請求と、
國鉄輸送
の引受の関係を見ますると、
輸送
の請求に対してその引受は僅か六割でありまして、四割は折角生産があ
つて
も
輸送
を拒絶されておるのであります。
重要物資
以外の
普通品
につきましては、
輸送
の請求に対して僅か四割を鉄道において引受けておるに過ぎないのであります。かような
状態
でありまして、これでは
物資需給
の円滑を阻むものは
國鉄輸送力
の不足にあり、
日本経済
の復興の隘路は、
國鉄
の
輸送力
不足にありと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)私は二十三年度における
石炭増産分
の六百万トン、これに基く各種の
工業生産品増産分
の
輸送
を、
國鉄
では他の
物資
の
輸送
を切らずに純増送分として引受けられるかどうか、衷心より危惧するものであります。一方又
旅客輸送方面
を見ますると、戰前に比しまして
乗客人員
は四倍に上り、而も一方
旅客列車
の
運輸キロ
は逆に半分にな
つて
おります。これでは
殺人的混雑
の起るのは当然なのであります。客車は
不足勝ち
でぎりぎりの運轉をしておるため、
整備
の暇もなく、窓は破れ、腰掛は壞れ、乗客は押し合いへし合い、
喧嘩口論
の絶え間がない有様でありまして、これでは
國民
の
勤労意欲
を低下させるばかりでなく、
國鉄
は
國民
の
道義頽廃
の温床であると言われてもいたし方がないと思うのであります。(拍手)これは勿論
資材不足
のために車輛の修繕が追い付かない、新車もできない、
石炭不足
で運傳の増加もできないという理由もありましようが、何とかして改善しなければならない問題であります。
陸上輸送
の根幹である
國鉄
がこのような
状態
のままで推移するならば、
國民
はこれ以上黙視することができないと思うのであります。 次に
自動車
の問題でありますが、
自動車
は貨物の集配なり、バスの
輸送
なりで、鉄道の
補助的交通機関
として重要であるのみならず、
近代國家
におきましては、鉄道の從属性を離れて、独自の
交通機関
としての使命を持
つて
いるのであります。從いまして
自動車
の輛数は、一
國文化
の水準を示すと申しましても過言ではないのであります。我が國の
自動車
の
保有量
は、人口五百人について一輛にも達せず、正に四等國以下の
状態
であります。而もその僅かの車輛が修理できない、燃料が足りない、タイヤの補充がないというような有様で、誠に
自動車関係
は
隘路だらけ
でありまして、
自動車事業
は破滅の一歩手前まで來ておると思われるのであります。聞くところによりますと、
運輸省
は
自動車整備
五ケ年
計画
を立てて、五年後の
保有量
を三十万輛に置いておるということでありますが、三十万輛の
自動車保目標
はむしろ少きに過ぎると思うのであります。何とかして
自動車
の
急速増備
を図らなければならんのであります。又我が國は
自動車
の走る
道路
が極めて悪い。
道路
を改修しなければ
自動車事業
は決して発達しないのであります。
自動車
を発達せしむることは、
経済復興
に必要なばかりでなく、
文化
の向上、外客の誘致に寄與するところ極めて多大なるものがあると信ずるのであります。 次に
海上輸送
でありまして、
海上輸送
は最近順次その成績を挙げつつあることは認められるのでありますが、何分にも戰災の被害が誠に多く、
海國日本
の姿は今日どこにも見られない。即ち
修繕材料
の不足と
修繕費
の法外に高いことが原因にな
つて
、常に不
稼動船
が多いのであります。
燃料不足
のため稼行率が悪い。ポート・チャージが高いために荷物が出ない。これらの諸点を改善しなければ、海運は決して発展しないと考えるのであります。 以上を通じまして、我が國の
交通機関
は戰後著しくその機能を失い、これが回復は非常な困難が伴
つて
容易なことには立直らないのであります。このままで推移するならば、
日本経済復興
の
最大隘路
たらんとしております。
差当り
二十三年度において、
石炭増産
六百万トンを、他の
物資
の
輸送
を切らずに
輸送
し得るかどうか、緊急にこの手を打たなければならんと考えるのでありますが、この点についての
運輸大臣
の具体的の御方策をお伺いしたいのであります。 次に我が國の
経済復興
を五年乃至七年の間に達成すべく諸
計画
が進んでおりますが、亡こに対應する
交通機関
の
復旧整備計画
はまだ御発表がないのであります。
國有鉄道
、
自動車
、
道路
、港湾、船舶、それぞれに確たる資金と
資材
の裏附をいたしまして
長期計画
を早く立てなければならないのであります。
交通機関
の
整備
は
一朝一夕
にできるものではありません。長年の時日を要するものでありますから、今にして具体的の
計画
を樹立しなければ、
生産増強
に後れを取ると思われろのであります。又
交通機関
はそれぞれの分野があると同時に、相互相関連し、一体とな
つて
一國の
輸送力
を形成するものでありますから、各別の
長期計画
を綜合した
総合輸送計画
の確立が必要であります。
綜合輸送計画
に関する重要な諸点は、
海陸輸送分野
の決定、或いは運賃の調整とか、
資材
、
燃料等
の配分とか、いろいろあるのでありますが、要するに、
物資
の
生産数量
の増加と睨み合せて、
交通機関
を
整備
するために有効に金と物とを使
つて
行くことにあると考えるのであります。政府は一日も早く
各種交通機関
の
復興計画
と、その
綜合輸送対策
とを確立して、これを
國民
に示し、國会に提示すべきものであると考えるのでありますが、この点についての
運輸大臣
の御所見を承わりたいのであります。 次に
安本長官
に御質問いたします。
輸送
が我が國の
経済復興
に極めて重要な役割を占め、而も今日最も危惧されておりますことは、申すまでもないのであります。何故
輸送
が振わないかというに、いろいろの原因もありましようが重要な
りつ原因
は
資材
の不足であります。車輛や船舶を動かしたくとも燃料がない。故障が生じても、
修理補修
の材料がない。新造いたしたくても
資材
がないというのが、今日の
状態
であります。これでは決して
輸送力
は伸びない。
資材
の窮屈な点はよく分るのでありますが、たとえ無理をしても
交通機関
に
必要最小限度
の
資材
の供給をいたさなければ、せつかく生産された
物資
も徒に滯貨となるばかりであ
つて
、これでは何のための
生産増強
かと言いたくなるのであります。又特に注意して頂きたいのは、
運輸從事員
の必要とする
最小限度
の
作業用品
であります。
作業衣
や、地下足袋や軍手や、その他の
作業用品
は、無理をしても配給しなければ、能率の増進も
勤労意欲
の向上も期待されないのであります。
運輸事業
が
重要産業
の一つに指定されたのでありますから、
石炭関係
と同様に、これらの
物資
の支給を確保して頂きたいと思うのであります。これらの諸点について
安本長官
の御所信を承りたいのであります。 最後に
総理
に御答弁を煩わしたいと思います。文明は
交通
よりという諺がありますが、我が國の
交通機関
が現状のようでは、
國民文化
の水準は決して向上いたさない。
経済
も復興しない。須らく政府は格段の努力を以て、
各種交通機関
の
整備
を速急に図るべきであります。然るに
交通施設
の
整備改善
は
一朝一夕
にできるものではございません。短きも半年、長きは数年を驚要するのであります。今から最
重要國策
の一つとして
交通整備
を取上げ、
輸送力増強
の
具体的方策
を採らなければ、我が
國産業復興
の
最大隘路
となることは、火を見るより明かであると思うのであります。
只今運輸大臣
や
安本長官
に対して、
輸送力
の問題についていろいろ御質問いたしたのでありますが、要は
総理
が内閣の首班として、熱意を持
つて
輸送
の問題に対処されるかどうかということに係
つて
おるのであります。この点に関する
総理
の御所見を承りたいのであります。(拍手) 〔
國務大臣芦田均
君登壇、拍手〕
芦田均
7
○
國務大臣
(
芦田均
君)
高田
君の
質疑
にお答えいたします。
高田
君は多年
國際観光事業推進
の重要な
仕事
を取
つて
おられまして、又我が國の
交通事業
に半生を捧げられた方でありますから
只今
この壇上でお述べにな
つた
御
意見
は誠に適切にして、我々を啓発するに足る御
意見
であ
つた
ものと深く敬意を表する次第であります。
質疑
の第一は、
観光事業
を私が
國策
の
一つ
として取上げる
意思
があるかどうかという点であります。私個人のことを申上げては甚だ恐縮でありますが、私多年
海外
に
生活
をした
経験
と、
衆議院議員
として
観光委員会
の
一員
として、先に
國際観光委員会
が廃止せられるまでその末席を汚してお
つた体験
を持
つて
おるのであります。我が國が今後諸
外國
に
國情
を十分了解せしめる
方策
としても、亦
経済再建
のための
外貨獲得
の重要な
部門
としても、この際
観光事業
は是非これを
國策
の重要なる一
部門
として取入れなければならないと信じておるのでありまして、昨年十一月に当時の
片山総理
が、
文化委員会
において
意見
を発表した点は、私そのままにこれを継承して、同じ方向に向い極力
國策事業発展
のための必要な
施策
を行いたいと
考え
ております。
観光委員会
を設ける
意思
があるかどうかという点についても、
片山総理
の
言明
と同一でありまして、私がみずから
國際観光委員会
の
一員
としての
体験
から申しますと、旧來の
観光委員会
はその
委員
の選択においても、亦その
活動
の権能においても、この際再検討をする必要があるかに
考え
ておるのでありまして、
政府
は遠からず
観光委員会
を設置すると同時に、その
機能
においても、亦人選においても
十分考慮
を拂いたいと
考え
ております。 第三に御
質疑
は、我が國の
交通
及び
輸送
の
部門
が
現状
のままであ
つた
は、我が
國経済再建
は單に
空念佛
に
終つて
、実際の効果は挙げ得ないと思うが、
政府
はどの程度まで
熱意
を持
つて
この
方面
の
施策
を行うのであるかというお尋ねであります。至極御尤もな御
意見
でありまして、今日の
経済再建
の
一つ
の大きな
隘路
が
交通機関
の不備にあることは諸君もすでに十分御承知の通りでありまして、
重要産業
の
復興
は先ず以て
輸送
の
復興
から
考え
られなければならないということは、何人も異論のないところであると信じます。
政府
はこの問題を急速に取上げて、
石炭
その他の
重要産業
の
復興
と同時に、
輸送交通
の
改善
に万全の力を致したいと
考え
ておる次第であります。簡単にお答えいたします。(
拍手
) 〔
國務大臣
一松定吉
君
登壇
〕
一松定吉
8
○
國務大臣
(
一松定吉
君)
高田議員
の御
質問
の中で、
建設院
の
事業
に関しまする点を要約してお答えを申上げたいのであります。
高田議員
の御主張の中で、我が國の現在の
財政状態
を緩和し、その
方策
の重要な
施策
としては、
観光事業
を強化
推進
する。
從つて外貨
の
獲得
を
考え
るということが最も優良なる政策の
一つ
であるとの御
意見
に関ししましては、私に全然同感でございます。殊にあなたの
観光事業
に関しまするその豊かなる御
経験
御
識見等
に関しましては、私は常に蔭ながら敬服をいたしておる一人であります。その
観光事業
の
推進
によ
つて外貨
の
獲得
をすることに関して、先ず
國立公園
だとか、或いは
道路
の新築、改良、
補修
、
港湾
の新設だとか、こういうような点につきまして、最も意を用いなければならないことは言うまでもないのでありまして、これらの
事業
が完成することによ
つて
、
觀光事業
の殷賑を極めるに到るのであります。この
意味
におきまして、この
觀光事業
に関しての
道路計画
というものについては、どういうような
考え
を持
つて
おるかという御趣旨の御
質問
であ
つた
ように承知いたしておるのでありますが、先ずこれらの
道路
の
計画
に関しましては、いわゆる
都市
並びに
國立公園
及び
港湾
、こういうようなものを連繋する一連のいわゆる
幹線道路
を作成するということが一番必要であろうと思うのであります。これらの
道路
の如何が
文化
、
経済
、教育その他の
事業
に、最も重要なる
仕事
であることも言うまでもございません。こういう
意味
におきまして、
政府
といたしましては、先ずこの十五ケ年
計画
を以てこれを達成しようと、こういう
考え
を持
つて
おりまして、その中の
最初
の五ケ年間は、先ずごの
生産増強
に必要なる
路線
、而してこれが
公園
、
都市
、
港湾等
と連繋する
一大幹線
に結び付けて
計画
をするということを一番に先ず
考え
ております。あとの十ケ年をこれに準ずべき
路線
を選出いたしましてその
工事
をやろう。その
工事
のやわ方に関しましては、今我が國の財政等を勘案いたしまして、先ず既設の
道路
を
補修
し、次に新設改良に手を伸ばしたい。こういうような
考え
を持
つて
おります。而してその
道路
の場所は今申上げましたような目的に副うように、その土地、その土地の特異な専情を
考慮
いたしまして、これらの
道路
の場所を決めよう、こういうような
考え
を持
つて
計画
を立てておるのでございます。これらの
道路
が十分に完成することによりまして、即ちこれらの
観光事業
というものが目的を達成することに容易になることになり、從
つて
外客
の
誘致
、
外貨
の
獲得
を思う存分にすることができる。從
つて
それが我が國の財政の補強の一端に資するということになろうと思うのでございますが、これらの点に対しまして、私実は厚生大臣として、この
國立公園
の
事業
に余程
関心
を持ちまして、殆んど西半分を視察して見たのでありますが、あなたの仰せになりまするように、
道路
は実に悪いのです。又汽車等も非常によくない。
自動車
にしても、或いは電車にしても、或いは
ホテル
にしても、マそれらの從業員の訓練にしても、或いは娯樂場、土産物というようなものに思いを致たしますると、実に不十分極まる。で、これらの点を
政府
としては、
只今
総理
がお答え申上げましたように十分
整備
いたしまして、そうしてこの目的を達成いたしたいと、かように
考え
ておるのであります。これに関しまして
委員
会を設けてやるというようなことも、大いにやらなければならんことであろうと思いますが、將來は或いは観光院若しくは観光省くらいまで行かなければならんのではないかと私は思
つて
おるのであります。あなたは特にこういう点について豊富なる知識御
経験
を持
つて
いらつしやるお方でありますから、一層
一つ
政府
に御協力あらんことを特に私からもお願い申上げて置きます。(
拍手
) 〔
國務大臣
岡田勢一君
登壇
〕
岡田勢一
9
○
國務大臣
(岡田勢一君)
高田
君の御
質問
に対しましてお答えいたします。 第一に
観光事業
の発展のために
輸送
施設の
改善
をどういうふうに
考え
ておるかという御
質問
でございます。
高田
君の仰せられました通り、
外貨獲得
の重要なる一部面といたしましても、
運輸省
といたしましては、この
観光事業
なるものを非常に重要視しておるのであります。つきましては近く
アメリカ
の二大
航空会社
及び
汽船会社
の企画によりまして、相次いで本邦を訪れることにな
つて
おります
アメリカ
人の訪日
観光客
の接遇上からいたしましても、或る程度の
外客
輸送
施設は急速に
整備
せなければならないのでありまして、
國有鉄道
におきましては、取敢えず現有施設の傳用改修によりまして緊急の需要に應じまする一方、近き將來における外人
観光客
の來訪に備えまして、過般優等車増備五ヶ年
計画
というものを樹立いたしまして、五年間に優等車約七百八十輛を建造することにいたしておる次第であります。勿論これは
資金
資材
の面から多大の掣肘を受けざるを得ないのでありまして、來年度
計画
には遺憾ながら計上をいたしておりませんが、
関係
方面
の了解と協力を得まして、できるだけ速かにその実現を期したいと
考え
ております次第であります。 尚かかる
鉄道
輸送
施設の
整備
と並行いたしまして、
外客
の
誘致
上重要な
港湾
及び観光船の
整備
につきましても目下研究中でありまして、
差当り
明二十三年度におきましては、別府、宮島等四遊覧港の緊急
整備
を図るために、その所要予算の確保につきまして、
関係
市町と
只今
種々折衝中であります。又
自動車
につきましても、優秀な
車輛
を提供する必要がありまして、そのためには、
外國
産の優秀車の
輸入
に俟つことが最も適切であると
考え
られますので、目下商工省と連絡しまして、
関係
筋の了解を得まして、或る程度の乗用車の
輸入
を実現いたすべく
努力
をしておるのであります。次に
ホテル
につきましては、これが
観光施設
の
根幹
をなしております
関係
もありまして、当省といたしましてもその
整備
に腐心いたしておるのであります。 最近における
ホテル
の動向を見ますと、
戰前
におきましては全國に亘
つて
百十二を数えたのでありますが、戰時中に或いは戰災を被り、又は轉廃業いたしました結果、終戰時には僅かに七十二に減
つて
おりました。その後新設乃至復業しましたものを含めましても、僅かに八十四ヶ所にしか過ぎないのであります。而もその多くは特殊用務に当てられておりますので、來るべき日における
外客
來訪の動向を
考え
合せまするとき、その
整備
は急速を要することにな
つて
おるのであります。かような
情勢
に鑑みまして、当省におきましては、各
方面
の意向をも参酌いたしました上、過般全國
ホテル整備計画
案というものを策定いたしまして、十ケ年六次に亘りまして、全國に百三十五の
ホテル
を
建設
すべく
努力
を傾けることといたしました次第であります。そういたしましてその内特に緊急
整備
を要する全國の十一
ホテル
につきましては、公有地に國家の経費を以てこれを
建設
いたしまして、
民間
業者をして経営せしめる建前の下に、その所要予算額九億二千万円を明二十三年度の
一般
会計に計上するよう、
建設院
を通じまして
経済
安定本部に要請中であります。尚
ホテル
につきましては、固定資本に極めて多額を要する
関係
もありまして、特に外資の導入により緊急設備を図るべく、所要の調査研究を進めております次第であります。又他方、
ホテル事業
の健全且つ急速なる発達を図るために、
ホテル事業
の保護育成を主眼といたしました法案の作成についても、目下鋭意
努力
中でございます。 次に海陸
輸送力
の増強の
具体的方策
如何という御
質問
でございますが、
高田
さんの言われましたごとく、
輸送力
の
不足
が今日
生産
経済
の
復興
の最大の
隘路
をなしておるといふ御
意見
は、全くそれは私も同感でありますし、これ亦否まれない事実でございます。
國有鉄道
の
関係
におきましては、
昭和
二十二年度における
貨物輸送
は、
資材
の
不足
による施設、
車輛
の老朽荒廃、及び労需用
物資
の
不足
、並びに從事員の
生活
不安の問題、更にその間に発生いたしました水害、雪害等のいろいろの悪条件に禍いいたされまして、年間の
輸送
量推定は約一億一千万トンでありまして、当初の
計画
に対しまして九四パーセント程度の成績しか挙げておらない
状態
にな
つて
おります。本年度におきましても、これらの悪条件の緩和排除はなかなか容易ではございません。このままでは年間に一億一千五百万トン以上の
輸送
量を確保いたしますことはなかなか困難であると言えるのであります。そういたしましてこの程度の
輸送力
では国家
経済
の
再建
計画
に重大な齟齬を來しますことは明らかであります。それで万難を排しまして年間一億三千万トンを
輸送
いたしますことを
目標
といたしまして諸種の
計画
を樹立して、この
目標
達成のためには
鉄道
輸送
を
石炭
の
生産
と同様に最重点産業として取扱うことを実行に移しまして、強力に各般の措置を実施するつもりであります。即ち一、諸施設の
整備
充実
を図り、特に
輸送
用の通信設備の
機能
回復
及び
運轉
用諸施設の
整備
強化に努める。二、從事員の
生活
の安定、労需用
物資
の確保、職場の整理を図り、積極的に働き得る態勢を醸成する。三、所要の
資材
、
石炭
、電力の確保を図る。四、
石炭
、鉱石等大量
貨物
の
海運
への轉移に努める。五、荷役、小運送力の
整備
強化を図る。六、
輸送力
の合理化及び経営の能率化に努める。こういうことを、今後におきまして実行に移して参る
考え
であります。 それから次に、御指摘になりました旅客
輸送
の問題でありますが、最近の旅客
輸送
は誠に不十分なものでありまして、
高田
君の御指摘になられましたような大変な迷惑を
國民
におかけしておりますことは、誠に恐縮をいたしております。最近の旅客
輸送
は、
戰前
に比しまして約量が四倍にな
つて
おるのでありますが、
旅客列車
の
運轉
キロ数は、
戰前
に比較いたしまして、僅かに五七パーセントにしか過ぎないのであります。その結果先に申上げましたように、各線の混雑が甚だしくなりまして、誠に御迷惑をかけております。
只今
の
國情
では
貨物輸送
に重点を置かなければならないことは当然でありますが、このような旅客
輸送
の姿では、
経済
社会
活動
に必要な
國民
の動きが不均衡に抑えられておると言わなければならんのでありまして、何とかいたしまして、少しでも
旅客列車
を増すように
努力
いたしまして、
國民
の
生産
生活
活動
を円滑ならしめたいと
考え
ております次第であります。それから
自動車
産業進展のためにも、あらゆる
隘路
條件を克服いたしまして、諸般の施設を講じなければならないと
考え
ております。
燃料
及びタイヤその他の諸
資材
の健保につきましては、先ず極力國内で解決を図りますと共に、一方
輸入
の量の増大を
只今
懇請することに
努力
をしております。これらの諾
方策
の実現を期しまして、五ヶ年
計画
を立てた次第であります。國家産業の
再建
を急速に実現いたしたいと思
つて
おる次第であります。御指摘になりましたように、五ヶ年後に三十万輛ということでは少ないと私も
考え
ておりまして、この点はできるだけ大量の
車輛
の
増加
を実現をいたしたいと
考え
ておる次第であります。 その次に
海運
の方でございますが
高田
さんの御指摘になりましたように、
船舶
の
修繕
料が誠に高價に
なつ
おりますことは事実でありまして、大体
昭和
十年頃に比較いたしまして、その値上力率は九十乃至九十五倍にな
つて
おるのであります。又労賃はこの間約七十倍に高騰を示しておりますにも拘わりませず、その造船所におきまする能率は甚だしく低下をしております。そこへ持
つて
参りまして、鋼材或いは副
資材
等の公定價格が高くな
つて
おりまする上に、誠に今日
資材
の
獲得
が困難な
状態
とな
つて
おりまして、このために造船所におきましても、現在のような高い
修繕
料を
請求
せざるを得ない止むを得ない
状態
にな
つて
おりますことは、誠に不幸でございます。それがために
海運
業者の今日の経営が誠に困難に陷
つて
おりますのは、何とかいたしてこれを好轉せしめなければならんと
考え
ております。この
修繕
料の低下ということにつきまして、運営会などにおきましては、最近に入札制を採用いたし、又
船舶
公團におきましては、過般制定されました法律第百七十一号によるマル公及び標準賃金計算の励行による規正を図
つて
おりますわけであります。同時に又集中排除法及び
再建
整備
法によりまする企業の健全な合理化を行わしめまして、間接費の切下げを図りますと共に、或いは船價の審査
委員
会を設けましてその審査に当らしめる等、
各種
の
方策
を講じております次第であります。 それから
燃料
につきましては、これ亦誠に不自由でありまして、御承知の通り、
石炭
が
海運
に廻りますもの途切れがちでありまして、それがために船を無
意味
に繋船させております事実が頻繁であります。これらも
石炭
の増産が進んで参りますと同時に、増産が予定の通りにできません場合におきましても、運輸当局といたしましては、この
輸送
の
隘路
を打開いたしますために、汽船の
石炭
の優先的配給を、
関係
方面
に対しまして強く懇請をいたしております次第であります。それから
港湾
作業料、いわゆる荷役賃が高過ぎるということでありますが、
一般
物價に比較いたしますと、決して
只今
港湾
荷役料のみが高いと言うことではないのでありまして即ち
昭和
八年を一〇〇といたしますると、
一般
物價におきましては九一四八という数字が出ますのでありますが、これに対しまして
港湾
作業料におきましては、四五六九ということにな
つて
おります。むしろ
港湾
荷役料の方が他に比較して安いという
現状
にな
つて
おります。 次に
海運
の恒久的の
復興
対策如何というお尋ねに対しましては、
只今
日本
の
海運
は、御指摘になりましたごとく、
戰前
の約五分の一に
船舶
が減少しておりまして、全く壊滅的打撃を蒙
つて
おりますわけであります。
只今
重量トン数にいたしまして約百三十万トンの
船舶
が運行をいたしておりますが、かようなことでは、御指摘のごとく、
日本
の重要
生産
を
復興
いたしまする任務を達成することができないのでありまして、これは急速に新造船の建造、それから沈没船の引揚、
修繕
ということを國内的に大いに
努力
をいたしたいと
考え
ておりますが、最近新聞に現われておりまするストライク報告書を見て見まするとき、我々の
海運
及び陸運の
輸送
事業
に対しまして、大きな曙光を望み得るというこが言えると思うのであります。承わるところによりますると、
アメリカ
におきましては、戰時中に造られました汽船が余りまして、相当に繋船が殖えて來つつあるということを承わ
つて
おります。今後私共といたしましても
関係
各所と相談をいたしまして、これらの過剰船腹の大量借入れを実現いたしますと同時に、
燃料
におきましても重油の轉入を大量に懇請をいたしまして、そうして急速に
海上輸送
力の増強を図りたいと
考え
ております次第であります。かたがた似ちまして、何とかいたしまして、困難なる
現状
を
高田
さんを初め皆さん方の有力な御協力、御支援を受けまして、そうしてこの今日の
生産
、
経済
の
復興
を急速に刺戟いたしますような
輸送力
の増強、並びに
輸送力
の完全なる
長期計画
を確立したいと、鋭意
努力
中でございます。以上お答え申上げます。(
拍手
)
松本治一郎
10
○副
議長
(
松本治一郎
君) 栗栖
國務大臣
は、
関係
方面
と打合せのため本日御出席にな
つて
おりません。後日適当な機会に
答弁
される趣きであります。これにて
國務大臣
の
演説
に対する
質疑
の通告者は全部終了いたしました。本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
松本治一郎
11
○副
議長
(
松本治一郎
君) 御異議ないと認めます。次会の
議事日程
は
決定
次第公報を以て御通知申上げます。本日はこれを以て散会いたします。 午前十一時四十二分散会