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1948-03-04 第2回国会 参議院 本会議 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年三月四日(木曜日)    午後四時五十一分開議     —————————————  議事日程 第十五号   昭和二十三年三月四日    午後二時開議  第一、國家公安委員会委員の任   命に関する件     —————————————
  2. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 諸般の報告は御異議がなければ朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) これより本日の会議を開きます。日程第一、國家公安委員会委員任命に関する件を議題といたします。  二月二十六日、内閣総理大臣から警察法五條雰二項の規定に基き、植村環君、生方誠君、金正米吉君、清瀬三郎君、辻二郎君を國家公安委員会委員任命することについて、本院の同意を求めて參りました、本件に関し同意を與えることに賛成諸君起立を請います。    〔起立者多数〕
  4. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 過半数と認めます。よつて本院国家公安委員会委員任命同意を與うることに決しました。      ——————————
  5. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) この際日程に追加し警察法施行に伴う關係法律の整理に関する法律案内閣提出衆議院送付)(委員会審査省略要求事件)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 異議ないと認めます。      ——————————
  7. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 本案につきましては、内閣から委員会審査を省略せられたい旨の要求に接しております。内閣要求通り委員会審査を省略し、直ちに本案審議に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 異議ないと認めます。よつてこれより本案提出趣旨説明発言を許します。内事局長官林敬三君。    〔政府委員林敬三登壇
  9. 林敬三

    政府委員林敬三君) 警察法施行に伴い關係法律の一部を改正する法律案について、提案理由並びに敗正の主なる点について申上げたいと存じます。  本法律案警察法が近く実施になりますので、これに伴いまして、關係法令の一部に必要なる改正を行わんとするものであります。即ち從來警察権限の内、警察法趣旨に照し、警察にその責務として残すべきものにつきましては、これを警察法によるどの機関の事務とすべきかを定めますと共に、この際警察から他に移譲すべきものにつきましては、これをそれぞれ他の機関に移譲せんとするものであります。  この改正の主なる点を申上げますと、その第一は、從前これらの警察関係法律主務大臣と申しますのは、御承知のごとく、警察主務大臣として曾ての内務大臣、現在の内閣総理大臣を言うのでありますが、警察法施行後は主務大臣では不明確でありますので、これを内閣総理大臣と明記せんとするものであります。  第二点は、これらの法律中、從來警視総監又は道府縣知事権限に属しておりました事項を、警察法趣旨によりまして、新たに警察運営監理責任者たる都道縣公安委員会、特別区公安委員会市町村公安委員会権限に改めんとするものであります。  第三点は、從前これらの法律中、警察官署と書いてありますのを、國家警察及び自治体警察の双方において今後は取扱うこととなりますため、これを單に警察署長と改め、又警察官吏とありますのを、同様の理由によりまして警察官又は警察吏員と改めんとするのであります。  第四点は、從來警視総監又は都道縣知事警察署長警察官吏権限となつておりましたものの内、他に移譲するを適当と認められますものにつきましては、その内容に應じ、都道縣知事市町村長文は他の官吏等と改めんとするものでございます。  以上を以ちまして本改正法律案提案理由とその主なる点を申述べた次第でございます。何とぞよろしく御審議を願う次第でございます。
  10. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を請います。    〔起立者多数〕
  11. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ——————————
  12. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) この際日程に追加し、これより自由討議会議を開きます。本日の自宙討議は前会の続きでございます。各発言者はそれぞれ発言時間を遵守せられんことを望みます。これより発言を許します。    〔西川昌夫発言者指名の許可を求む〕
  13. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 西川昌夫君。
  14. 西川昌夫

    西川昌夫君 日本自由党小林英三君を指名いたします。
  15. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 小林英三君の発言を許します。    〔小林英三登壇拍手
  16. 小林英三

    小林英三君 私はこの機会におきまして、中小工業の我が國の産業の上におきまする重要性を考えまして、官民共認識を新たにいたしまして、そうしてその振興策を講じたいというような意味を以ちまして、討議を続けて行きたいと存じます。  中小工業の問題は、これは古くから問題になつておる問題でありまして、その社会的の意味におきましても、或いは政治的の意味におきましても、あらゆる政党、あらゆる内閣が常に政策として取上げておる問題でありまして、片山内閣におきましても、昨年の十一月でありましたか、中小工業振興対策を整備しておるのであります。中小工業昭和十七年におきまする工業統計を見まするというと、百人以下の從業員を持つておりまするところの工業は約五十一万軒でありまして、これは全國の我が國の工業数の九九%強を占めておるのでありまして、如何に中小工業が我が國におきまする産業上の重要なる地歩を占めておるかということが、よく相分るのであります。我々は無謀なる戰爭によりまして、朝鮮、或いは台湾、或いは南方或いは南樺太を失いまするし、又一方におきましては推定七百五十万人の海外引揚同胞の帰還、或いは從來我が國におきましてその勢力範囲でございましたるところの中國、或いは満州、南方、これらの勢力範囲から優先的に食糧その他重工業用資材でありまするとか、その他の資源を獲得することを失つたのであります。從いまして今日我が國の國民生活して行く上におきましては、食糧の上におきましては約二割の食糧が足りないことは御承知通りであります。これらのものはどういうようにしたらよろしいかということになりますると、從來はこれらの旧勢力範囲食糧その他どんどんと仕入れまして間に合つてつたのでありますけれど、今日におきましてはそれもできないことになつておる。而して日本の國といたしましては、これらの二割の食糧の不足を補いまするには、どうしても外國から食糧その他の資源を輸入してこれを間に合せる。而も今日の貧困なる國内の状態におきましては、日本の國の資源を以て、この足りないところの二〇%の食糧見返り物資を償うということはできないのでありまして、どうしても外國からこれを仕入れなければならない。こういうことに相成つておることは御承知通りであります。而も今日におきましては、財閥は解体され、又独占禁止法でありまするとか、或いは経済力集中排除法施行でありますとかいうような工合に、経済民主化によりまして大きな工業は殆んどその機能を発揮することができないというような状態でありまして、而も我々がこの食糧の補充のために外國から仕入れまするところの食糧資源の代償といたしましては、何によつてやるかということが一つの大きな問題であります。而も戰前におきまする中小工業の分野はどうであるかと申しますると、食糧にいたしましても、或いは鉄鋼にいたしましても、或いはゴムにいたしましても、石油にいたしましても、これらの資源というものを獲得いたしまするには、戰前におきまして外國品輸入いたしまして、綿花でありまするとか、或いはその他の外國品を輸入いたしまして、そうしてこれを加工して再輸出をして初めてこれを間に合せておつたのでありまして、それらの戦前の貿易品の主なるものを見ましても、殆んどその大部分はむしろ中小工業が六割を占めておつたというような現状に今日相成つておるのであります。從いまして中小工業の今日のこの地位、今日の責任というものは國内産業の非常に有力なる位置を占めておるのでありまして、この中小工業食糧の二〇%の見返り物資を稼がせますためには、この振興育成ということにつきましては、我々は頭を新たにしてこの振興策を講じなければならんということに追られておるのであります。而も今日の状態といしましては、いわゆる労働三立法の施行によりまして、労働條件であるとか、或いは雇傭條件であるとかいうようなことから考えまするというと、我我輸出という問題につきましては、昔のような低賃金によつて、又ソシアル・ダンピングによつて日本貿易上の地位を獲得するということはできないのでありまして、どうしても高賃金で低コストで、而も経営能率化と優秀なる技術によつて國際貿易に打勝つということが、これは当然のことでありまして、この上におきまして中小工業日本国民生活、又日本経済を双肩に担わして、そうして今後大いに日本のために活躍さすという意味におきましては、我々は中小工業というものに対して認識を新たにする必要があると私は存ずるのであります。而も今日までその中小工業に対する歴代の内閣の方針はどうであつたかと申しまするというと、御承知のごとく、或る場合におきましては中小工業育成、或る場合におきましては阻止、或る場合におきましては振興、或いは助成、こういうような單なる厄介扱いをいたしますような法を以ちまして中小工業を断じておつた。今日中小工業が眞の意味におきまする日本産業に役立ちますためには、私は官民共中小工業振興対策を一変しなくてはならん。こういうように考えております。從來中小工業に対しまして大工場は大資本で大規模であるが故に良いものを作る。又能率がよいのだ。こういうように從來考えられておつたのであります。併しながらこれは大きな過ちでありまして、中小工場と雖も、経営能率の上におきましても、或いは技術の上におきましても、信用の上におきましても、若しこれがスケールの小さいものでありましても、これが優秀なるものでありますれば、大工場と同じようにこれを待遇し、(「そうだ」と呼ぶ者あり)(拍手資金の上におきましても、資材の上におきましても、これを十分に振興させるということが、これが今日におきまする國家の大きなる問題であろうと考えておるのであります。今までは官吏でも、資金或いは資材の面に携つておる末端の官吏、或いはその上の官吏におきましても、或いは先入主的に、或いは事大主義的に、資本が大きくて、そうして規模の大きいところの大工場は必ず良い物を造るだろうという先入主があつた。これが私は大きな過ちであると思います。米国におきましても、スケールの小さい工場であつても、これがよいのだ、優秀な物を造つて、そうして能率もよいのだというような業種は約五十あるそうであります。例えば工作機械組立というようなものにつきましては、十四五人から四十人ぐらいが一番能率上つて一番良い物ができるのだ。つまり各労働者が固有の技術を活かしましてそうして一致團結して、その工作機械組立に從うという上におきまして、何百人の工場よりもむしろその方が良い物ができるということの例がある。そういうような小企業の方が能率的であるし、小企業の方がより能率がよいというような業種別が五十あるそうでありまして、ただ大資本、大工場によらざれば能率が上らないというものは僅かに十八九であるそうであります。つまり紡績工業でありますとか、或いは製糸工業でありますとかいうようなものは、これは大企業によらなければ技術も、或いは能率も上りませんが、その他の場合におきましてはむしろ中小企業の方がよい。大資本制國家でありますアメリカにおいてさえそういうような記録があるのであります。日本におきましては何でも彼でも大資本であつて、大規模であればそれがよいのだ、能率的だというような誤まられた考え方は、全然この際一擲いたしまして、而も今日日本の國におきましては、中小工業でなければ國家経済國民生活を担つて行くものがないという現状におきましては、私はこの際須らく今までの事大思想を擲つて、こういう方向國家國民共にこういう方向に進んで行かなければならないと深く考えておるのであります。政府は第二國会中小企業廳の法案を出すそうでありまするが、私はこの中小企業によりまして、或いは技術その他経営の問題を振興する上におきましては、從來のように官吏からこれを採用するにあらずして、長官初め重要なるポストは全部有能なる民間人の手によつてこれを本当に民主的に運営しなければ、その効力がないと思います。尚資金資材の問題につきましても、從來考え方を一擲いたしまして、大工業中小工業とは機会均等いたしまして、この中小工業のために育成するということでなくちやならんと考えておるのであります。尚將來におきましては、貿易の上におきましても、日本の昔からの手工業に堪能なる特徴を活かしまして、例えば工藝指導者におきましても、そういうようなものを増強いたしまして、貿易の本当に自由に再開される時代を前提といたしまして、世界の各地方の趣味或いは嗜好に合うような新らしい貿易品を、前以て研究して置くというようなことも大きな問題であろうと考えております。私はこの機会におきまして、日本のすべての官民中小工業振興対策につきましては、この際頭の切換えをして、今までの助成とか、救済とか、或いは指導とかいうことでなしに、本当の意味におきまして中小工業を以て國家の再建の基礎である、こういうような精神を以ちまして、頭の切換えをして、これを振興して行くということを主張いたしたいのであります。簡単でありますが……。(拍手)(「うまいぞ」「名論だ」と呼ぶ者あり)
  17. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 御異議ないと認めます。次会議事日程は決定次第公報を以て御通知致します。本日はこれにて散会いたします。    午後五時十二分散会