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1948-01-30 第2回国会 参議院 本会議 第9号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十三年一月三十日(金曜日) 午前十時三十九分
開議
━━━━━━━━━━━━━
議事日程
第七号
昭和
二十三年一月三十日 午前十時
開議
第一
賠償廳臨時設置法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)(
委員長報告
) 第二
連絡調整局臨時設置法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)(
委員長報告
) ━━━━━━━━━━━━━
松平恒雄
1
○
議長
(
松平恒雄
君)
諸般
の
報告
は御異議がなければ朗読を省略いたします。 —————・—————
松平恒雄
2
○
議長
(
松平恒雄
君) これより本日の会議を開きます。
岡元義人
3
○
岡元義人
君 本員は
引揚者受入
及び
厚生対策
について
緊急質問
の
動議
を提出いたします。
下條恭兵
4
○
下條恭兵
君
只今
の
岡元
君の
動議
に賛成いたします。
松平恒雄
5
○
議長
(
松平恒雄
君)
岡元義人
君の
緊急質問
の
動議
に賛成の諸君の
起立
を請います。 〔
総員起立
〕
松平恒雄
6
○
議長
(
松平恒雄
君)
総員起立
と認めます。(
拍手
)
岡元義人
君。 〔
岡元義人
君
登壇
、
拍手
〕
岡元義人
7
○
岡元義人
君 私は
在外同胞特別委員会
を代表いたしまして、
政府当局
に四五点に亘りまして
質問
いたしたいと思うのであります。 極寒三年目の冬を迎えまして、シベリアに残されております五十八万の
同胞
と、中
國中共地区
に残されております十数万の
同胞
とを除いて、
一般引揚者
四百万、
復員者
二百六十万の
人たち
が、本國にいた
同胞
の曾て体験したことのない困難と、窮乏と、全
財産喪失
という貴重な
体驗
を味いまして、傷心の姿をば
日本内地
に運んで來たのであります。改めて申すまでもなく、残されておる
人たち
はひたすら望郷の念にかられながら、
敗戦國民
の
誰か
が負担せねばならんところの尊い
代償
といたしまして
労働
に服しておるのであります。又
帰つて來
た者も、
祖國
の土を踏んだその瞬間から最も悲惨な
生活
苦と戰わなければならない運命を喫しておるのであります。誠にこれら七百万の
犠牲者
の姿こそ、最も
敗戰
の姿を強く描き出しておるものと言わねばならんと思うのであります。併しながら如何なる苦しみにも堪えまして、一切の未練を捨てて立上らんと
努力
はいたしておるのでありますが、ものには
限度
がありまして、先に
片山総理
が述べられました
通り
、
日本
の破局一歩手前の
経済状況下
にありましては、一部の者を除いて、
大半
の者が精魂盡き果てた姿をば随所に露呈しておるのであります。かかる
状態
の中から第一回
國会
は、これら
犠牲者たち
にと
つて
あらゆる生きる
希望
と
期待
を以て終始見守られたのであります。併しながら僅かに未
復員者給與法
の
解決
を見たのみでありまして、
在外資産
の一部も
解決
付かず、
失業保險法
には除外され、全く
期待
は裏切られて再び失望のどん底に突き落されたりであります。今ここに第二
國会
の開会に当りまして、
片山総理
はその
施政方針
の
演説
に僅かに
引揚促
進の問題に軽く触れたのみでありまして、これら七百万の
厚生対策
につきましては何らの
方針
をも示されなか
つたの
であります。道義を説き、宗教を論じ迂遠なる理想を説かれる
片山総理
の
施政
に対して私は最も遺憾とするところであります。
日本人口
の一割を占めるこれら
犠牲者
と
家族たち
は如何なる
思い
にかられらか。あの
大臣
の
施政方針演説
を聽いて察するに余りあるものがあるのであります。
祖國再建
の道が困難であればある程、多年の
経驗
と優秀なる
技術
を持つたこれら
犠牲者
の多数を活用して、以てその成果を期すべきであります。
万が一
これら
犠牲者
を正常なる
國民生活
に復帰せしめることに失敗いたしましたならば、
日本
は禍根を永久に残すことは必定であります。私はここに第二
國会
において、
政府当局
は万難を排してこれら
犠牲者たち
に
希望
と力を與え、逞しき建設への協力に参加せしむべきであるということを強く主張したいのであります。(
拍手
) 先ず
厚生大臣
にお伺いいたしますが、先に準備されました
ソ連地区受入施設
は十分にできておりましたけれども、北海道、東北における
收容施設
は、
ソ連
よりの
送還
一時停止によりまして、すでに
引揚げ
て來たところの無
縁故者
の一万人に轉用当されておるのでありますが、現在では二万人だけとな
つて
おります。これは勿論最初の
計画
より無
縁故者
の遥かに多かつたりしてかような
けつかに
な
つたの
でありますが、
解氷期
を待
つて
、
引揚再開
に対する
受入態勢
の整備には万全の準備が必要であると思うのでありますが、これに対して
政府当局
の
回答
が願いたいのであります。 次は
終戰以來
三年目を迎えまして、
陸海軍
二十四万の者が未だに
生死
不明として今日に及んでおるのでありますが、これらの
大半
はすでに
送還
を完了いたしたと発表されたところの、
南方関係
の者でありまして、これらの
帰り
を待
つて
おりますところの
留守家族
の
心情
に及ぶとき、誠に同情に堪えない次第であります。中には許婚の者或いは再婚の必要のある者、又は
財産相続
の問題、今後の
生活方針計画
もあり、この上
政府
はこれらの
処置
を曖昧に放置することはでき得ない大きな社会問題とな
つて
おるのであります。如何に新らしい時代とはいえ、
始末
をつけるものは
はつきり始末
をつけてこそ新らしい感覚の政治も生まれて來ると思うのでありますが、
政府
は急速に
処置
をする意思があるか伺いたいのであります。 次は
生産資金
でありますが、先に
厚生大臣
は
佐々木議員
の
質問
に答えられて、一世帯七千円にしたいという旨の
説明
があ
つたの
でありますが、問題は七千円の
引上
よりも、一月、二月、三月の
生業資金
がブランクにな
つて
おることであります。すでに本月も終らんといたしておる今日、今尚この融資に対して明確にされずにおることは、誠に不安な氣持であります。
万が一
、かようなことはさらさらないとは
思い
ますが、
大臣
は極力この問題に触れないような態度が見えるのであります。勿論この
生業資金
は
復金
の一億円とは別個の性質のものでありまして、この際
金額
と
交付期日
を明らかにして頂きたいのであります。又
戰歿者葬祭料
は近く
引上げ
する
予定
とお漏らしがありましたが、先の関東大水害に殉職した警官には二十万円の金が贈られたと、
警視廳
で私
たち
は聞いて帰
つて
おります。併しながら現在
強制労働
に服してそうして帰る人にさえ僅か五百八十円しか與えられておらないのであります。これらの点を十分御考慮願いたいのであります。特に現在
引揚復員者
は
軍属
千円、將校五百円、
下士官兵
二百円
持帰り金限度
とな
つて
おりますが、先に通過いたしました未
復員者給與法
がこれらの
差別待遇
をなくしまして、一律に同じ
金額
が與えられるようにな
つたの
でありますが、新
憲法
の施行と同時に、速かにこれらの
差別待遇
をなくすべきは当然であると思うのであります。又
物價高
と睨み合せまして調整すべきは勿論であり、
一般引揚者
にいたしましても、
持帰り金
は今尚一千円で今日に至
つて
おりますが、これらの改正を速急に要望するものであります。又未
復員者給與法
は
軍人軍属
と
範囲
が限定されておりますが、
終戰直前應召
にな
つた者
は
事務手続
の
欠陷
により、又終戦後の
強制徴用者
の
留守家族
には何らの
手当
も
國家
は支給していないのであります。これ又、速かに何らかの
処置
を講ずべきであり、今日まで放置してあること自体が合点が行かないのであります。
戰爭
の
犠牲
は均等に負担するのが新
憲法
の
精神
でもあり、同じ環境にある者が片一方のみ救済されまして他方が救済されないようなことは、最も是正さるべきであると
考え
るのであります。又未
復員者給與法
の
支給額
は
國家
の情勢よりいたしまして余りにも低額に過ぎるものでありまして、これについて
引上げ
を考慮しありや、併せて
厚生大臣
にお伺いしたいのであります。 次は
外務大臣
にお尋ねいたしますが、
ソ連地区
に残
つて
おりますところの
同胞
の
送還
につきましては、
総理大臣
、
外務大臣
の御
説明
にも少しありましたが、勿論、
連合軍司令部
の絶大なる厚意に私
たち
は大きな
期待
を持
つて
おるのでありますけれども、
送還中止
になりました四ケ月間の二十万の
送還
は、
解氷
と同時に一月五万をプラスして頂いて、そうして
送還
して頂くよう、又
是非共
本年中には全部の
引揚
が完了して、四年目の冬を迎えることがないように
外務大臣努力
をば切望して止まないものであります。(
拍手
)(「同感」と呼ぶ者あり)
中共地区
の
残留同胞
につきましては、今尚
相当数
の婦女子を含む十数万の者が残されておると聞いておりますが、この際、その
数字
と帰還取計らいに関して
如何よう
なる
処置
が講ぜられておりますか、できるだけ詳細にこの際承わりたいのであります。 次に訓令に基きまして
外地出先公館
が
居留民
より借入れましたところの九億二千万円は、第一
國会
の陳情、請願におきまして、当然
処置
すべきとして採択されておるのでありますが、これは
政府
の
責任
において拂い出すべきものであり、いつ拂い出されるか。この点について明確に承わりたいのであります。とにかく
外務大臣
は、七百万の
引揚者
、
復員者
が
思い
もよらない
敗戰
という事実に遭い、
内地引揚
という事態におきましては、
外地
より
内地
の
受入態勢
に入るまでは杖とも柱とも頼む
親柱
であります。少くとも
所管大臣
に引継ぎ
更生
を見届けるまでの
義務
があると
考え
られるのでありますが、
内地定着
に至るまでの
更正対策
につき
親身
の
世話
が行き届いたかと申しまするのに、それは甚だ残念でありますが、
我我
は
外務大臣
の
親身
の
世話
は十分に行き届いていないというふうに解釈しておるのであります。七百万の
犠牲者
の
期待
は、現在の
國情
からいたしまして対外的にも折衝の少い現状であり、その揮い所のない
お家藝
の
外交手腕
を專ら彼ら
犠牲者たち
の
更生
の方に向けて頂きたか
つたの
であります。第一
國会
におきます
特別委員会
におきましても再三の
出席要請
をいたしましたが、これについても誠意が見せて頂けなか
つたの
であります。
引揚問題
につきまして最も
責任
のある
所管大臣
ということをば、この際お忘れないようにして頂きたいのであります。 次に
大藏大臣
にお伺いいたしますが、中
國地区
におきまして
強制留用
を受けた
技術者
の
作業賃金
五千円の
内地拂
と、東南アジアの
英軍下作業隊
は昨年六月以降の
作業
に対しまして
ポンド表示
のパーズナル・アカウント・カードを携行帰還いたしておりますが、このカードの
表示金額
は八万四千ポンド、邦貨に換算いたしまして一千七百万円とな
つて
おるのでありますが、これらの
支拂
に対して
如何よう
に
処置
されか。この際明らかにして頂きたいのであります。又
免税
の点につきまして、当初
帰還者
は
法的根拠
によりまして、一ケ年間の
免税特典
が與えられたのでありますが、この期間後に
帰つて來
た者は何らの
特典
にも浴していないのであります。これらに対しましては公平に
免税
の
特典
を與えるべきであり、
大臣
の
所信
をお伺いしたいのであります。尚先に
厚生大臣
に伺いましたるところの
生業資金
、
外務大臣
に伺いましたるところの
外地公館借入金
につきましても、
予算等
についてお知らせが願いたいのであります。 次は
逓信大臣
にお伺いいたしますが、
軍事郵便貯金通帳
は、他の
銀行預金通帳
と違いまして飽くまで
政府
の
責任
において
支拂
うべきものであることは勿論であります。併し目下のところ一千円までの拂戻しをした上
通帳
を
引上げ
られておる者が百三十一万八百六十七通に及んでおるのであります。これに対しまして第一
國会
の
特別委員会
におきまして、
引上
に対する
根拠
につき
質問
いたしました際に、
政府当局
は、
檢閲
の必要があ
つて引上げ
たという御
回答
でありましたけれども、
終戰三年
にもなりまして未だに
檢閲
が完了しないということはますます了解に苦しむところでありまして、他の
持帰り書類
と共に
許可範囲
に入
つて
おるにも拘わらず、而も何らの指示も與えず、
預り証
一本で
引上げ
て今日に及んでおることは誠に感心しないものである。私はここに
逓信大臣
の
責任
を追及すると共に、この
通帳
がいつ本人に返済されるやお伺いいたしたいのであります。尚仄聞いたしますに、
逓信省
におきましては、
終戰時
の八月十五日以前の分に対しては全額を拂い、その後の
貯金
は一千円まで拂戻し、
残額切捨
の
省議決定
の様子を伺
つて
おるのでありますが、九月二十三日前の
貯金
は当然全額拂戻しすべきだと思うのであります。この点と前者の
解決案
を以てするには、三十七億円の
一般会計支出
は当然支出せねばならんことになりますが、これらの
予算
について詳細に承わりたいと思うのであります。尚
郵便貯金
は非常に零細なる金をば丹念に
貯金
したものである。この
貯金通帳
を取上げられた
家族
には実に切実なものがあるということをば附言いたして置きたいのであります。 次に
労働大臣
にお伺いいたしますが、
失業保險法
、
失業手当法
は
労働者
四百五十万のみを対象とされておりますことは誠に遺憾に堪えない次第でありまして、先程述べました
通り
、
敗戰國民
の
誰か
が拂わねばならないところの
代償
として
労働
に服して
帰つて來
た者は、
國家
の
責任
において
考え
るべきは当然でありまして、これらの者は
帰つて來
た日から
失業者
なのであります。勿論これについては第一
國会
において、
大臣
はこれに代るべき何らかの
処置
を講ずる
予定
であるということを言明されましたが、本
國会
においてこれを実行する意思ありや、御
回答
が願いたいのであります。このことについては
船員保險法
についても同様でありまして、
厚生大臣
の
所信
も併せて伺いたいのであります。 次に
農林大臣
にお尋ねいたしますが、
一般引揚者
の中で、
農地調整法
によりまして、たまたま帰國して唯一の
生活手段
たるべき
自分
の所有する
田地
をば
頼み
の綱として
帰つて來
て見ますと、土地は
不在地主
として取上げられて、
生活
の道を断たれている者が多数に上
つて
おるのであります。これらは速かに
解決
すべきでありまして、中には夫を失い、多くの
子供
を抱えて、僅かに自己の
田地
を
頼み
の綱としている誠に気の毒な
人たち
が多数含まれておるのであります。
農地委員会
にそれぞれ
努力
を試みましても、なかなか
解決
は困難でありまして、この際根本的な
解決
より以外に途なき
状態
にあるということを強く指摘いたしますと同時に、はつきりしたお
考え
を伺いたいのであります。
最後
に住宅問題でありますが、この問題は
ひとり引揚者
のみではないが、中でも一番困
つて
おるのが
引揚者
であります。先日東京都四谷の
穴居生活者
の
録音放送
にもありました
通り
、二回までは優先的に抽籤を認めるが、三回目からは又白紙に還
つて申込
をせねばならないというような
事情
でありまして、いつに
なつ
たら住宅が貰えるのやら、又特に袖の下がものを言うと
言つて
おりましたように、実に切実なものがあるのであります。これらに対して具体的の
対策
をどのように進めておられるか。その
計画
をお知らせ願いたいと思うのであります。 以上で私の
質問
を終りたいと思うのでありますが、
最後
に一言附言さして頂きますが、
引揚者たち
は決して特別の取扱を要求しているのではないのでありまして、新
憲法
の
精神
に準拠いたしまして、
最低生活
の保障とその
権利
を強く主張するものであります。ややもすれば
引揚者
は
特別待遇
を要求するかのごとく誤解されていることは誠に残念であります。 以上の私の
質問
を通じて、
政府当局
におかれましては、これら七百万及びその親族、
家族たち
もやはり同じ血を分けた
日本人
であるということをお忘れなく、又この
國会
も、
政府
も、これら
戰爭犠牲者
の
犠牲
の上にた
つて
おるのだということをば強く銘記されて、今後の
施政
につき万遺憾なきよう切望して止まない次第であります。(
拍手
) 〔
國務大臣芦田均
君
登壇
、
拍手
〕
芦田均
8
○
國務大臣
(
芦田均
君)
岡元
君の御
質問
にお答えいたします。
海外引揚
の
同胞
を如何にして救援すべきかという問題は、
終戰以來歴代
の
内閣
か当面いたしました最も重大な問題の
一つ
でありまして、一昨年の秋から
引揚問題
の
具体的計画
が
たち
ました当時、私
自身厚生大臣
として
專ら引揚問題
の
解決
に苦心をいたした経験を持
つて
おります
関係
上、その後の経過についても詳細に
承知
しておるだけに、私の
責任
の重大なることを常に感じさせられておるものであります。
只今外務大臣
に対する
質問
の第一点は、
ソ連
に抑留されておる
同胞
の
引揚促
進について
政府
はどういう
処置
を採
つて
おるかという点であります。この問題につきましては、第一
國会
当時にも一二回この席から
政府
の採り
來つた措置
を簡単に
説明
いたしたのでありますが、その後冬期結氷の
ため
に三月末日まで一時
ソ連地区
よりの
送還
を停止するという
決定
が、
ソ連邦政府
において行われたのであります。その前後、
連合國司令部
がこの問題の
最善
の
解決
の
ため
に如何に多大の
努力
を拂われたかということは、当時対
日理事会
の席上における
アメリカ側
の
代表者
と
ソ連代表者
との間に交換された熱心なる討議の発表によ
つて
もご
承知
の
通り
であります。
爾來引続
き総
司令部
はこの
問題解決
の
ため
に絶えず
努力
をされておること、我々の常に感謝しておるところでありまして、この上とも
連合國側
の
最善
の
努力
によ
つて
この問題の
促進
を図る以外に、
差当り途
はないのであります。
日本政府
としてはその
努力
に十分に
期待
を置いてよろしかろうと
考え
ておる次第であります。
中共地区
におります
抑留者
の数は、
政府
の得ました
数字
によれば大体六万人内外ということにな
つて
おります。無論正確な
数字
を
調査
する
方法
が非常に乏しいのでありますから、正確なる
統計等
を取ることはむずかしいのでありますが、その中で
中共地区
に抑留されておる
技術者
、医師、
看護婦
、その他の
留用者
と称せられる
人々
は、最近比較的公正な
待遇
を受けておるしいう情報に接しておるのであります。これらの
地区
からの
帰還者
を一日も早く
内地
に送り還し得るように、いろいろの
方面
に
努力
しておりますが、
國民党政府
からの通報によりますと、
中共地区
を
國民軍
が奪回するに
從つて
、その
地域
からの
在留同胞
を
日本
に向
つて
送還
することに
努力
するということを通知して参
つて
おるのでありますが、何分御存じの
通り
、
中京地区
の政情は普通の國際的な法規を以て律することのできない
地域
に属しております
関係
上、
政府
の
期待
しておるごとく急速にこの問題を
促進
することができないような
状態
にな
つて
おるのであります。 第三は、
在外公館
及び
居留民國等
において、
引揚
の
ため
に必要な
資金
を民間から借入れた
借金
が未償還のままに残
つて
おるのが、九億何千万円という額に達しておるのであります。この
政府
の
借金
は、理屈から言いましても、当然一日も早く償還すべきが
政府
の
義務
であります。それが
ため
にすでに
相当
久しい以前から
関係筋
とも
話合い
をいたし、
大藏当局
、
外務省当局
の間にも種々の
具体案
を以て、今日まで
解決
に急いで参
つたの
でありますが、現在のところでは
在外公館
の
借入金
と
難民救済費
の
金額
及び使途の
明細調査
をいたしまして、その仕事もほぼ完了いたしております。
関係筋
との
話合い
が妥結に達することができれば、一日も早く償還いたしたいというので、目下それぞれ
事務当局
を督励いたしまして
促進
中であります。
最後
に
岡元
君の御
意見
として、
引揚者擁護
の問題は
政府
並びに
外務大臣
の
全面的責任
であることをよく記憶すべきだという御
意見
でありまして、まさにその
通り
であります。この問題については主なる三つの点を考慮しなければならんのが現在
政府
の立場であります。それは
戰爭
による
海外在留者
の
引揚げ
て來た後の
擁護
の問題は、
三木政府
のみの独自の
判断
では必ずしもその
通り
の施策が行われ得ないという特殊の
制約
があるという点が
一つ
であります。 第二の点は、御
承知
の
通り
に、
在外資産
の処分、
海外
に持
つて
お
つた動産
、不動産、
預金
、証券、これらの
在外資産
の
処置
は、
平和條
約の規定によ
つて
決定
されるのでありまして、それ以前に
在外資産
の問題を
日本政府
のみの独自の
判断
と
措置
によ
つて
処分することは、可なりの困難があるという点であります。更に
日本政府
の
一般原則
の問題といたしましては、
戰爭
の
ため
に
海外
において失つたる
資産
の補償を
内地
に残留しておる
同胞
の負担において、これを全部償還することが果たして適当なりや否やという問題も
解決
しなければならん問題として残
つて
おるのでありまして、これらの点が
引揚者擁護
の上に直接、間接の
制約
をなしておるということは、
岡元
君御
自身
も恐らく御
承知
のことと
思い
ます。重ねてこれらの点について、
國会
の御
了承
を得たいと
考え
ておる次第であります。(
拍手
) 〔
國務大臣
一松定吉
君
登壇
、
拍手
〕
一松定吉
9
○
國務大臣
(
一松定吉
君)
岡元議員
の私に対しまする御
質問
は、身元不明の
在外
の
同胞
に関しての何か
緊急処置
は
考え
ておるかどうか、それならばその点を明らかにせよ。それから
海外同胞
の
引揚
の
受入態勢
についての
考え
、並びにそれらの
人々
に対する
更生資金
の増額の問題、未
復員者家族等
に対する
給與
の
引上げ問題等
でありました。 第一の御
質問
の、
生死不明者
に対して何らか急速な手を打
つて
、そうしてその残
つて
おる
人々
の
財産
上の問題、或いは
結婚
の問題、或いは
生活
の
問題等
に適当な
処置
を講ずる必要があるのではないか、こういう御
質問
は、私御尤もだと
考え
るのであります。
自分
らの戸主になる人や、その家の主な人が
海外
に出て、それらの
人々
の
生死
がいつまでも不明であるということの
ため
に、各種の
権利
に対して未確定の
状態
を長く続けしむるということの
ため
に、各
方面
に幾多の支障のありますることは、
岡元議員
のお
考え
の
通り
でありまして、これは是非急速に適当な
処置
を取らなければなりませんが、
只今
の実情を申しますると、
ソ連地区
以外におりまする
人々
は、丁度でき得べき限り今それらの
関係事務当局
におきまして
調査
を急いでおりまして、一々判明しました
人々
は、それらの
家族
の人に直ちにこれを通報して、御
家族
の御心配を幾分でも軽減するというような
手続
を取
つて
おります。又將來も勿論さようなことに取計ら
つて
、少しでもそれらの方をお慰め申上げるということは当然な
処置
でありますから、そのことについて
手落
のないようにいたしますが、ただ遺憾な点は、
ソ連地区
に残
つて
おります
人々
の数が明確には分
つて
おりません。ただ七十万と言い七十五万ということにな
つて
おりますが、それらの点は詳細な
調査
が困難でありまする結果、それらの
数字
も、それらの
人々
の
氏名等
も明らかにな
つて
おらんのであります。こういうことが明らかになり、
從つてソ連地区外
の
方面
に住んでおりまする
人々
の
消息等
も、自然に明らかになるのでありまして、これは相
俟つて
これらのことを明らかにしなければなりませんので、
只今ソ連地区方面
の
在留者
の
氏名
とか人数だとかいうことが不明確の結果、他の
方面
におりまする
人々
の不明確なことも十分に
調査
ができないということを甚だ遺憾に思
つて
おります。併しながら
岡元議員
のお話の
通り
に、私も、これらの人の遺
家族
の
人々
の御
心情
を察しまするときには、本当に何とかして差上げたいと常にかように
考え
ておりまするのみならず、これらの多くの
人々
から
親展状
やその他の
方法
によ
つて
私の所に、何とかしてくれなければ困るじやないか、何とかしてくれなければ、こういうことがあるじやないかと
言つて
、本当に愬えて來る。その手紙を見る
度ごと
に、私は
断腹
の
思い
がいたしておるのであります。併しそういう点につきましては、今申上げるような
諸般
の
事情
の
ため
に思う存分にはできませんけれども、でき得べきだけ
努力
をいたして、そうしてそれらの
人々
の御
家族
に対しての御安心を得るように極力究明の
処置
を取
つて
おるということについてどうか御
了承
を賜わりたい。 然らば、これらの人に対して何か
法律
上の
処置
を取る必要がありはしないかというような御
質問
であつたように
思い
まするが、これは私あると思う。長くそれらの
人々
の行方が不明であるというような場合に、
権利関係
を不確実にして置くということはよくありませんから、例えば
失踪
の
方法
を取るとか何とかしなければならんが、併しそれは又そういう
処置
を取つたが
ため
に、後日に
至つて取返し
の付かないようなことができるのであります。例えば有夫の婦が、夫が長く帰らない、それが
ため
に
失踪
の宣告をして、そうして、
結婚
は解消した。それが
ため
にその残
つて
おる寡婦が他の人と
結婚
をした、
子供
ができた、後に夫が
帰つて來
たというようなことの
ため
に、非常な悲劇が起るというようなことが、これは勿論実際あることであり、又想像のできることでありまするから、そういう点につきまして、
法律
上の
処置
を急に取るということがよいか悪いかというようなことも、
政府
としては
考え
て見なければなりませんので、これらの諸点を睨み合せまして、後日に至
つて
困ることのできない事実を確めた上に
処置
を取るということが必要であろうと思うのであります。併しながら御
質問
の趣旨に随いまして、成るたけ取急いでそれらの人の状況不明者の処理をいたすということについて
努力
をいたすことをお約束申し上げます。 それから次には、
受入態勢
でありまするが、樺太の
引揚
無
縁故者
の
收容施設
につきましては、昨年十月に約一億円の
予算
を計上いたしまして、
予算
ではありません、國庫補助金を出しまして、そうして北海道や東北六縣に三万人の
受入態勢
を整える
ため
に家屋の建築をいたしたというようなことは、前議会において御
報告
申上げて置きましたが、その後この
引揚
が思うように捗らないのみならず、停頓するのを止むなきに至りました
外務大臣
の御
報告
のごとき実情の
ため
に、この無
縁故者
以外の
縁故者
でも、帰
つて
参りました時に、いろいろな
事情
の
ため
に
自分
らが入ることができないというような
ため
に、一時無
縁故者
の
ため
に建てた建造物の中に入
つて
頂いて、そうして暫くの困窮を凌いで頂いてお
つたの
でありまするが、併しながら段々無
縁故者
が
引揚げ
て來るというその数が多くなりまする結果、それらの人の
ため
に建てた家に、縁赦者の人を一時入れておつたということの
ため
に支障を來しておる実情でありまするから、成るたけそういうような方の
ため
には別に入る所を見出しまして、そうしてそういう
方面
に移轉して頂く、いわゆる轉用施設を整備しなければならんということにおいて、目下頻りに
計画
を進めておりまして、そういうことの支障を成るたけ少くいたしたいと、かように
考え
ております。(「四月に門に合いますか」と呼ぶ者あり)間に合いますまいが、間に合うように
努力
するということ以外に、今すでに置いておるものをとるというようなことはできませんから、できるだけ
努力
をいたしまして、成るたけ御
希望
に副うように努めるということにおいて
一つ
御
了承
を賜わりたいのであります。(「言うばかりではし方がないじやないか」と呼ぶ者あり) 次に、
生業資金
の問題でありまするが、これは尚第二次
生業資金
の残額が一億六千万円程ありまするから、これを頻りに放出することに努めておりまするが これ以外に私は五千円の現在支給いたしておりまする
金額
を、少くとも七千円までに殖やしたいということも、前議会で申上げて置いたのでありまするが、なかなかそれが
関係
方面
との折衝がうまく参りません結果、
大藏大臣
にもお願いをいたしまして、
復金
の方からこれを一時融通して頂くということにいたしまして、
復金
の方では一億円ぐらいは何とかしようということで、いろいろな
方面
において
只今
折衝いたしておりまするが、(「
大臣
それは違う」と呼ぶ者あり)それ以外に應急
措置
といたしまして三月までの繋ぎ
資金
として、今
金額
を申上げられませんが、
相当
多額の金を
関係
方面
に折衝いたしておりまして、それが許されることになりました曉には、三月までの繋ぎ
資金
というものは、その折衝の結果に基いた
金額
について、これを支出しようということでありまして、今
関係
方面
に頻りに交渉を続けておりまするから、余りこれの実現も遠くないと
考え
ておるのであります。(「何パーセント行渡りますか」と呼ぶ者あり)それはその
金額
の確定した上でないと今申上げられませんが、今私交渉しておる
金額
は持
つて
おりますが、それを今ここで申上げますることは、これらの折衝に支障を來そうと
思い
ますから、その点は
一つ
お許しを賜わりたいのであります。 それから未
復員者
の
給與
につきましての御
質問
でございまするが、これは私は勿論御
質問
の
通り
でありますから、これは改正しなければならんと
考え
ております。今までは帰郷旅費が三百円であります。これを
引上げ
て千円程に
引上げ
て見たい。それから扶養
手当
は扶養者一人について百五十円でありまするが、これを三百円、死没者に対しましては遺族の遺骨受取の
ため
の出張旅費二百八十円、埋葬費が三百円ということにな
つて
おりますけれども、この遺骨受取の旅費を六百円、埋葬費は五千円に、合計五千六百円に改正いたしたいと思
つて
今
努力
中でございまするが、これが未だ実現しない間においてこのことを確答申上げるということは、これは出過ぎるのでありますけれども、私の今
考え
てお
つて
現に折衝中の
金額
はこの
通り
であるということを一應御
報告
を申上げて置きます。要するにこれらのことは
努力
をいたしまして、そうして実現をして、それらの皆様のお困りの点を幾分でも軽くして差上げたいというような
考え
を持
つて
おるのであります。 それから
海外
残留の
同胞
者の中に船員も含まれておる実情でありまするが、これに対しましての保險給付はどうするかというような御趣旨の御
質問
であ
つたの
でありまするが、船員失業保險のこの点は、これは
只今
私の方の所管であります。十一月一日以降におきまして、船員保險の被保險者である資格を喪失したる人に対してはどうすればよろしいか、こういう点に対しましては
法律
に決めてありまする條件を具備いたしますれば、失業
手当
金を支給することができるということにな
つて
おりまするし、又その以前に船員保險の被保險者である資格を喪失いたした者でも、同じく一定の條件を具備いたしますれば、脱退
手当
等の保険給付ということができることにな
つて
おりますから、これらによ
つて
処理いたしたいと
考え
ておる次第でございます。(「
引揚者
の
家族
手当
を増額しろ」と呼ぶ者あり) 〔
國務大臣
三木武夫君
登壇
〕
三木武夫
10
○
國務大臣
(三木武夫君)
岡元
君の私に対する御
質問
は、
軍事郵便貯金通帳
の
引上げ
の問題と、軍事
郵便貯金
の今後の拂戻についての御
質問
であつたと
思い
ます。御指摘のごとく
軍事郵便貯金通帳
は一千円を拂戻しいたしました後は、これを
引上げ
ておるのであります。その理由は御
承知
のごとく、戰時中の混乱した事態から、現在の軍事
郵便貯金
の約半数は原簿に登記されてないものがあるのであります。
貯金
局において原簿に登記されておらないものが、かくのごとく多数でありますが
ため
に、その内容を
調査
いたす必要もございますし、又一千円を
支拂
つた後の残高の拂戻
方法
につきましては、これは
逓信省
の一存には参らないのでありまして、後程申上げたいのでありますが、これに対して拂戻の
方法
が
決定
いたしました後は、直ちにその
金額
を記入いたして
預金
者にこれを返還をいたすことにな
つて
、その期間中保管をいたしておるのであります。勿論旧
郵便貯金
法の第十六條、新
郵便貯金
法の第二十二條に、
通帳
の提出を求めることは
法律
的
根拠
を持
つて
おることであります。併しいずれにいたしましても、できる限り早くこの問題を
解決
いたす必要がございますので、現在大藏省、厚生省と頻繁に一千円の後の拂戻の
方法
について檢討をいたしておる次第であります。一千円と最初に決めました理由は、何分にも現地から
貯金
の
資金
が到着をいたしておりません。又軍人の
貯金
は大体一人一千円を以て
支拂
が完了するのではないか、こういうふうな当時の見解から、かように決めたのでありますが、今後
逓信省
といたしましては、できる限りこの拂戻の全額を多くしたい。こういう見地から
関係
各省と相談をいたしておるのであります。
岡元議員
の御指摘になりました終戰までの軍事
郵便貯金
は全額を
支拂
つて
、それから以後の軍事
郵便貯金
は棚上げするというふうに決まつたということは事実かというお話がありましたが、そういう案もあるのであります。第一案、第二案、第三案といろいろな案を立てまして、できる限り多くの
金額
を
支拂
いたいという見地から、いろいろな案を立て檢討いたしておりますが、これは
逓信省
といたしましても、この
貯金
者の今日のいろいろな
状態
を考慮いたしまして、できる限りこの問題の
解決
は速かにいたし、而も
諸般
の
事情
の許す限りできるだけ多くの拂戻をいたすように、
責任
を持
つて
努力
する
考え
であります。お答えいたします。(
拍手
) 〔
政府
委員小坂善太郎君
登壇
〕
小坂善太郎
11
○
政府
委員(小坂善太郎君)
岡元
さんからいろいろ御質疑がございましたが、私共平素
特別委員会
におきましていろいろとお
話合い
をいたしておりまして、常に御熱心な、非常に深く
考え
られた御態度に敬意を表しておるのでありますが、この問題につきまして更にこの場からいろいろお答え申上げたいと
思い
ます。 第一点は、
生業資金
の問題がございましたのでありまするが、我々といたしましてこの問題につきましては、
只今
厚生大臣
からもお話がございましたように、いろいろと
諸般
の困難なる情勢の中におきまして何とかいたしまして、幾らかでも余計に
生業資金
を差上げることができますように、
努力
をいたしておるのであります。從來までの経過を改めて申上げますると、
昭和
二十一年度におきまして、第一次
計画
といたしまして十億円、二十二年度におきまして、第二次
計画
といたしまして六億六千万円を
計画
いたしたのであります。昨年の十月の末までに、すでに通計いたしまして十三億五千万円の貸出を行
つたの
でございますが、更に十一月中に一億五千万円を貸付けました。更に又十二月中には、
特別委員会
の非常に御熱心なるお話もございまして、私共も誠にさようであると
考え
まして、一億六千万円を國庫から又貸付
資金
として支出して、この支出につきましては、特別な迅速なる
措置
を以て、都道府縣廳に対しましてこの配付方を通達いたしまして、それぞれ交付済にな
つて
おる次第でございます。併しながら
只今
御指摘のように一月二月三月分が差当り計上されておらないように見受けられるかも知れないのでありまして、この問題につきまして、仰せまでもなく
我我
としては十分
関係
方面
と
話合い
をするように
考え
まして、
只今
努力
中でございます。その
金額
につきましては、
只今
厚生大臣
からも
金額
はちよつと言えないというお話がございましたのでありますが、
只今
折衝の段階にありまして、この
金額
を申上げますことは却
つて
如何かと思うのでございます。この点は差控えさして頂きたいと思うのであります。 尚こういつた
生業資金
を差上げまする外に、又事業体として
一つ
の事業を営むようにな
つて
いらつしやる方々についても、今後特別にこれについていろいろと
政府
といたしまして心配いたさなければならないと
考え
ておるのでありますが、差当りまして、復興金融金庫から、提案の中小企業に対して金融をや
つて
おります商工組合中央金庫の活動がやや敏活を欠いておるように見受けられますので、商工中央金庫の機能を拡大強化いたしまして、敏活ならしめることに
政府
として特別の
措置
を取りまして、そうしてこれに対して特別の枠を差上げるというように
考え
ておる次第であります。この問題につきましては、更に詳細に亘りまして、
特別委員会
においていろいろ申上げたい、かように
考え
ておる次第であります。 第二点の、
引揚者
の持参金の
限度
の差別撤廃の問題がございましたのでありますが、これもすでにお答えがありましたので、私共としては簡単に申上げまするが、これ亦
関係
方面
の意向を十分に斟酌いたさなければならん
事情
もございまするので、それぞれ幾らかでもできるだけ御要望に副うように、私共として
努力
中でございます。 第三点といたしまして、英軍の
作業
隊、なかんずくビルマ
方面
からの
作業
隊の帰還されました方々が、
作業
報酬として発行されました個人の計算カードに対する
支拂
の問題がございました。この問題に関しましても、レートの問題もございまするし、又
関係
方面
の意向を十分に酌み入れなければならん現状でございますので、この問題につきましても
只今
のところ
計画
に申上げる段階に達しておりませんことを非常に遺憾に思うのでありますが、今後におきまして、できるだけ早い機会に明確に御答弁申上げるような
状態
を作りたいと
考え
ておる次第であります。 更に第四点は、
在外公館
借入の問題でございました。これにつきましては、
外務大臣
からすでにお答えがありましたところでありますが、我々といたしましては、これは当然に
政府
として
支拂
うべきものであるというように
考え
まして、このことを
関係
方面
と折衝いたしております。 第五点といたしまして、一般の
引揚者
の
免税
点の
引上げ
の問題がございました。戰災者につきましては、戰時中に戰時災害國税減免法によりまして、租税の減免がなされてお
つたの
でございまするが、この
法律
は、收戰後廃止にな
つたの
であります。
引揚者
に関しましては、
事情
は誠にお氣の毒であると
思い
まして、何とか特別の
措置
をもつと
考え
るのでありまするが、すでにこういつた
法律
がない以上、
引揚者
だけにつきまして特別に、
引揚者
なるが故に
免税
点の
引上げ
を行うということも、これは
諸般
の情勢から
考え
まして、困難な
事情
であるのであります。この問題に関しましては、そういつた
方面
からでなくして、むしろ積極的に
生業資金
その他の問題において考慮をして行くというようにしたら如何かという(「ない者から取れないじやないか」と呼ぶ者あり)……よく聴き取れませんでしたが……(「所得のない者から税金は取られませんじやないですか」と呼ぶ者あり)要するに税金というものは、所得のあ
つた者
について掛かるのでありまして、所得があつた場合にこの
免税
点を特に引き上げるということは、困難であるという
事情
を申上げたのであります。以上につきまして、簡單でございますがお答え申上げまして、我々といたしましては極力
努力
いたします。(
拍手
)
松平恒雄
12
○
議長
(
松平恒雄
君) 波多野
農林大臣
、米窪
労働大臣
、木村
國務大臣
は、
只今
出席不可能の由でありまして、後日答弁をせられる趣であります。
岡元義人
13
○
岡元義人
君 ここから簡單でございますから、お許し願います。(「壇上へ行け」と呼ぶ者あり)
松平恒雄
14
○
議長
(
松平恒雄
君)
質問
でありますか。
岡元義人
15
○
岡元義人
君 今の
質問
に対して……
松平恒雄
16
○
議長
(
松平恒雄
君) よろしうございます。簡單なら、その席でよろしうございます。
岡元義人
17
○
岡元義人
君 それでは申し上げます。
生業資金
の問題と
復金
の問題は明らかに別であるということをば指摘しておるのでありますが、
厚生大臣
にこの点についてお分かりがないのであります。この際もう一回改めて、別個の問題であるということをばはつきりして頂きたいのであります。(
拍手
) 〔
國務大臣
一松定吉
君
登壇
〕
一松定吉
18
○
國務大臣
(
一松定吉
君) 私のお答え申上げましたのは、いわゆる五千円の
生業資金
の問題を申上げたのでありまして、その点について、五千円では足りないから、これを二倍にせよとか、三倍にせよというような要求が今ありつつありますから、その点をこの機会に申上げたのでありまするが、そういうふうに二倍、三倍ということはできないから、私の
考え
としては七千円程にこれを
引上げ
たい、ついてはそれらの点を
関係
方面
に交渉しつつありますが、なかなか思うように行けないから、
大藏大臣
に、これに対して、
復金
の方から一億円程のものを融資して頂くという手筈をして、そういうことについて今(「それは根本的に違うじやないか」と呼ぶ者あり)そういう
方面
に
努力
をいたしておると、こういうことを申上げたのでありまして、今あなたの(「
厚生大臣
、それはしつかり
考え
なければいかん、根本的に違うよ」と呼ぶ者あり)一月、二月、三月分の
生業資金
の貸出については、
関係
方面
と鋭意折衝中であると、かように申上げたのであります。 —————・—————
松平恒雄
19
○
議長
(
松平恒雄
君) これより日程に入ります。日程第一、
賠償廳臨時設置法案
、日程第二、連絡調整事務局臨時設置法案(
内閣提出
、
衆議院送付
)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
松平恒雄
20
○
議長
(
松平恒雄
君) 御異議なしと認めます。先ず委員長の
報告
を求めます。決算委員長下條康麿君。 〔下條康麿君
登壇
、
拍手
〕
下條康麿
21
○下條康麿君 連絡調整事務局臨時設置法案外一件につきまして、決算委員会の審議の経過並びに結果につきまして御
報告
申上げたいと存じます。 この度の
戰爭
終結に伴いまして、連合國官憲との連絡の
ため
に、終戰連絡事務局が設けられたのでありまするが、爾來二年有余を閲しまして、連絡事務を大体各官廳と直接に取引いたしまして、今後はむしろ連絡調整という
方面
に重点を置くことが必要とな
つて
参
つたの
であります。加えまして連絡調整というような統轄的な機関でありますというと、外務省所管よりもむしろ
内閣
所管に帰しまして、
内閣
総理大臣
の管理の下に置くことが適当であるということに
考え
られますので、今回連絡調整事務局というものが設けられて、それは
内閣
総理大臣
の管理の下に置くということにいたす案にな
つて
おります。 それで、この連絡中央事務局は官房の外に三部が設けられまして、尚全國に連絡の
ため
の地方事務局並びに出張所が設けられることにな
つて
おります。又各官廳の今申したような連絡事務の
ため
の綜合調整の
ため
に、連絡調整委員会というものが設けられまして、その間の連絡を取ることにな
つて
おります。これに関連しまして、外務省官制中に一部改正を加えまして、特殊
財産
局と特別資料部というものが設けられることに相成
つて
おります。 賠償廳設置法案につきましては、これは今申した終戰連絡事務局の中に賠償部というのがあ
つたの
でありまするが、いよいよ賠償問題も本格的に処理を必要とすることにな
つて
参りましたので、今度は賠償廳というような独立のものを作りまして、そこで賠償実施の基本的事項の企画、立案、賠償実施に関する諸官廳の事務の綜合調整というようなことを取扱わせることに相成
つたの
であります。その長官は特に賠償事務の重要性に鑑みまして、
國務大臣
が当ることに相成
つて
おります。 この両案は密接な
関係
がありますので、決算委員会におきましては一括して審議いたしたのでありまするが、第一に問題になりましたのは、今行政整理を差控えております今日、幾分でも行政機構の拡張を図るような
処置
は適当ではないというような
考え
があ
つたの
でありまするが、これに対しましては、
政府
としては人員は別に増加しない、そして費用につきましてもまだ
予算
が決ま
つて
おらないけれども、極めて少額であ
つて
、決していわゆる拡張というような性質のものではないということでありました。 それから中央機関の出先機関を整理せよということが問題にな
つて
おる今日、いわゆる連絡事務の地方事務局というようなものを整理してはどうかというような
意見
もあ
つたの
でありますが、これにつきましては、むしろ今後におきましては、地方の機関を強化する必要があるということがその筋から要望されておるような現状であ
つて
、このままにして置きたいというような
考え
でありました。 尚その法文の体裁につきまして二つの問題がありまして、
一つ
は連絡調整事務局というものがあ
つて
その中に地方事務局と中央事務局というふうにな
つて
おります。官廳としては中央事務局並びに地方事務局が官廳でありまして、連絡調整事務局というものはないのであります。で、形におきまして連絡調整事務局ということが、如何にも法文の体裁上面白くないというような、役所内の名前が出ておるわけでありますから面白くないということが問題になりましたが、併し先例もありますし、一應こういうような書き方を認めたのでありますが、今後につきましては
政府
におきましても
相当
注意をして、こういうふうな取扱いを改めるということの言明が法制局長官からありました。 尚この賠償廳の組織の細目は、長官が決めるごとにな
つて
おりますけれども、これは部局程度のものではなく、極めて細目即ち課、その以下の程度でありまして、結局賠償廳の組織というものは、長官、次長の下に部局がなくて六つの課が設けられるという程度のものであるということでありました。若し部局を設けるようなことであれば、無論これは
法律
で決めるわけであります。そういう点につきまして法制局長官から弁明があつたことを申上げて置きます。 かような次第でありまして、決算委員会におきましては、二つの法案とも別に異論なく、適当な
措置
であると
考え
まして、可決いたしました次第であります。簡単でありますけれども、委員会の経過の御
報告
を申上げました。(
拍手
)
松平恒雄
22
○
議長
(
松平恒雄
君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の
起立
を請います 〔
総員起立
〕
松平恒雄
23
○
議長
(
松平恒雄
君) 統員
起立
と認めます。よ
つて
両案は全会一致を以て可決せられました。これにて本日の
議事日程
は終了いたしました。次会の
議事日程
は
決定
次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十六分散会