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1948-01-23 第2回国会 参議院 本会議 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年一月二十三日(金曜日)    午前十時九分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第三号   昭和二十三年一月二十三日    午前十時開議  第一 國務大臣演説に関する件   (第二日)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 諸般の報告は御異議がなければ朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) これより会議を開きます。議員木下盛雄君には昨年十二月十八日に逝去せられ、議員堀内到君には同月二十一日逝去せられました。誠に痛惜哀悼至りに堪えません。両君に対しまして議長はすでにそれぞれ弔詞を贈呈いたしました。つきましてはこの際、木内四郎君及び赤木正雄君より発言を求められました。よつて許可いたします。木内四郎君。    〔木内四郎登壇拍手
  4. 木内四郎

    木内四郎君 木下盛雄君は私と同縣でありまして、明治三十七年長野縣下伊那郡松尾村に生れたのであります。同君は十余歳にして、すでに身を実業界に投じまして、蚕糸業纖維関係事業軽金属鑄造事業等関係いたしまして、生前には特殊絹織纖維関係会社組合及び信濃惠商事株式会社等の社長、理事長等を勤めました外、日本軽金属鑄造組合理事長及び軽金属鑄造工業組合理事長等の要職に在つたのであります。即ち夙に実業界において成功されました立志傳中の人でありましたが、更に志を政界に向けまして、昨年春十三万余の選挙民の支持を得て、本院の議員となられたのであります。一度参議院議員となるや、政界の経験が極めて浅いにも拘わらず、その鋭い政治感覚と、万事に積極的而かも迫力ある態度と、更にその逞しい実行力とによりまして、着々その政治的地歩を築いて來られたのであります。又我々運営委員の同僚といたしまして、第一回國会を通じまして、参議院機能発揮に多大の貢献をせられ、議院運営委員会におきましては、欠くべからざる一人であつたのでありまして、將來必ずや大いになすところあるべき有爲の人材であつたことは、衆目の一致するところであります。然かるところ不幸病魔の侵すところとなりまして、四十四歳の若さを以つて十二月十八日長逝せられましたことは、誠に哀悼痛惜至りに堪えません。故人は我が國の経済再建に全身全霊を打込み、殊に廃墟の中から祖國を再建するためには、資本を尊重することが絶対に必要であるということを常々力説しておられたのであります。  今や木下君は在りません。併し同君の霊は、必ずやこの議事堂の周辺において我々を譲り、又我々に協力せられるものと確信いたします。我々は故人の志を継ぎまして、参議院機能発揮努むるは勿論、更に経済再建祖國復興事業を完遂して、その霊に應えることを誓いまして、ここに同君の霊前に手向の言葉を捧げたいと思う次第でございます。    〔拍手起る〕
  5. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 赤木正雄君。    〔赤木正雄登壇拍手
  6. 赤木正雄

    赤木正雄君 堀内到君は熊本から選出されまして、第一の國会におきまして、國土計画最初委員会におきまして、一番最初に登院されたのは、実に堀内君でありました。あの円満な御人格と多年に亘る御経驗を以て、あらゆる場合に、誠に妥當穩健な指示を我々一般に示されたのであります。昨年の夏、一度少し心臓が惡いというかどで、御帰郷されましたが、間もなくこちらに御登院されました。その際に堀内君は、自分郷里の方にあらゆる事業を持つておるが、こういうふうに國会が忙しくては、とても郷里事業責任を取ることはできない。從つて自分は今度帰つた際に、あらゆる責任の地位を去つて來た。こういうことを私に申されました。この一言を見ましても、如何に立派な御人格であつたかということは、我々は推察するに十分であります。昨年の十二月におきましても、亦來る國会には、一しよに手を携えて大いに働きましようと、あつく握手をして私は別れたのであります。  十二月の二十一日、私は宮城縣災害地を、雪を分けて見ておりました。その際に、はからずも同君の御逝去を、新聞紙上に知りまして、誠に驚いたのであります。この國事多難の際に、同君のような熱意のある立派な方をなくしたことは、誠に遺憾でありますが、我々は同君の志を継いで、どこまでも同君の遺志のあるところを、この國会において伸ばしたいと思います。これを以て、私は同君に心からの御弔詞を述べることといたします。    〔拍手起る〕      ——————————
  7. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) これより日程に移ります。日程第一、國務大臣演説に関する件 (第二日)、順次質疑を許します。松嶋喜作君。    〔松嶋喜作登壇拍手
  8. 松嶋喜作

    松嶋喜作君 私は日本自由党を代表して、片山内閣施設方針に対し、いささか私の私見を加えつつ、若干の質問を行いたいと存ずるのであります。私が質問をいたしたいと思う点は、大体次の四項目であります。その第一は、政府政治責任についてであります。その第二は、目下最も緊要な経済再建インフレ防止対策についてであります。その第三は、國際経済復帰への見通しとその努力に対してであります。最後に、勤労者の中における不良分子の排除と國民の安定ということについてお伺いいたしたい。私の質問は、大体以上の四点にまとめて見たいと思うのであります。  ここに私共の観点から、片山内閣の過去の業績と現在の実態とを見ますると、三党連立内閣としての政府政治的立場は、完全に行き詰つたと思うのであります。同時に政策的破綻も亦歴然たるものがあると申しても断じて間違いないと思うのであります。(拍手)たとえば、これを政党的立場から申しても片山内閣主体的背景は、社会党にあると思いますが、今日までの政府施策において、社会党立党以來、或いは総選挙において公約した政策の中、一体何が実行されたでありましようか。殆んど何も実行されていないではありませんか。それに対して片山首相は再三その理由連立性と四党政策協定に歸せしめ、それを以て言い逃れとされておりまするが、四党政策協定は過般の石炭國管案によつて実質的には破棄されたものであると私は思うのであります。  この四党政策協定も数日前の社会党大会において破棄を決定しております。そうすると片山内閣が今日まで國政運営基調として來たところの政策的立場は、今後如何なる政策基調として行くのか、この点はつきりと片山首相よりお伺いしたいと思うのであります。同時に又、社会党党大会における四党政策協定破棄に対して、政府は如何なる識見と態度を取らんとするのでありますか。若しここに新たな政策的基本方針が、政府によつて單連立内閣であるという理由のみによつて無視せられるということであるなれば、片山内閣は完全に社会党から遊離し、政党内閣としての意義を失うのであります。而も、この政府與党政策関係は、政治道徳に関する問題であります。私の私見を似ていたしますれば、凡そ政治に対する道義とは、政党は掲げたるところの政策を忠実に実践するにあるということであります。又議員といたしましては、選挙に際し國民と公約したる線に沿つてこれが実現を忠実に努力するという点にあると確信する者であります。然るに現内閣は、連立内閣の名の下にその基本的政策を明確にせず、曖昧模糊としているのみならず、栗栖大蔵大臣は僅か半歳の中に三度党籍を変更しておるではありませんか、(笑声)これは余りに外國にもその例を見ないと私は思うのであります。(拍手)(「ひやひや」と呼ぶ者あり)片山首相は、曾て自分英國労働運動を範として政治を進めたいとおつしやいました。英國労働党首領マグドナルド氏は、曾て挙國一致連立内閣を組織いたしました際に一應労働党を離脱して政治家の履むべき道義を示したと思うのであります。片山社会党班内閣選挙前の公約を実行せられないのみならず、四党政策協定破棄した今日尚平然として、昨日の首相施政方針演説においても一言もこの政策協定破棄の問題に触れることのなかつたことは、政治道義の高揚であると組閣当初に高調されました片山首相としては、誠に遺憾千万であると私は思うのであります。(拍手)而も尚この政策根本を匡すことなく、新たに五ケ年計画というに至つては、ただ唖然たるを得ないものがあります。私の考えを以ていたしますれば、政策実現失敗し、更に新たなる政策の構想をせんとするときには、一應國民自己存立信頼性確かむるのが本筋ではないかと思うのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)殊に日本経済再建産業復興の諸政策実行に当つては果断と適正を欠き、未曾有且つ破局的なる経済危機を招來し、同時に惡性インフレは激化の趨勢を示しております。これは言い換えると、政府政策の行詰りを証拠立てているものであると思うのであります。(拍手) この現実は何よりも政党責任ある政治なり、政策なるものが実行されなかつたのであります。詰り連立内閣の無能と弱体性はここに歴然としたのであります。すでにかくのごとき事態に立ち至つたからには、國民政治的批判に訴え、政治の更新を策すべきであると思うのであります。もつと露骨に申しますなれば、議会を解散して、信を國民に問うか、或いは又、自己失敗を虚心坦懐に認め総辞職をするかというにあるのであります。この点に関して首相の所信如何でありましようか、一つ明確に御答弁を願いたいと思うのであります。(「質問の第一陣だ、しつかりしろ」と呼ぶ者あり)  次にお尋ねいたしき点経済再建インフレ防止に対する対策でありますが、言うまでもなく、これは現下極めて重大なる問題であります。昨日総理の施政方針演説において、政府も亦この重大性を認識し、ここに対策重点を指向されたことは、その熱意は一應諒とするものであります。この経済再建インフレ防止とは不可分の関係に立つのであります。インフレ防止のためには生産増強を前提とすること、これ亦経済の常識であります。この経済再建根本方針として長期計画を立て、その第一年度として、基礎産業輸出産業傾斜重点を置き、経済基礎確立を図る方針を明かにされておるのであります。先ずその生産目標を明示されておるのであります。これは現在の経済危機の実情に照し当然のことであります。併し(「嘘はないぞ」と呼ぶ者あり)要はその実施如何実効如何であります。これを從來片山内閣政策について見ても、経済危機突破のため経済緊急対策発表、呼号したが、その挙げた八項目実効を挙げたものは殆んどないのではないかと思うのであります。ただ賃銀、物價の全面的な改訂についてはこれを実施したが、これも千八百円ベースは崩壊し、物價体系また新たに改訂するの外なき段階に陥つたのであります。その施策失敗に帰したことは明らかであります。これを要するに、安本を中心とする政府経済再建施策は机上のプランに堕した傾向顕著でありまして、これが経済危機を深める一つの大なる原因となつておると思うのであります。(順助に代れ」と呼ぶ者あり)而も、今回の政府発表生産目標についても実効の挙るや否や頗る疑はしいのであります。何んとなれば、増産基礎である石炭について、十二月には幸にも二百九十六万トンという出炭を見たのであります。毎年十二月という月は増産の月であります。殊に今回特別の調査團の御協力によりまして非常な増産が出たのでありますけれども、これがこの調子で円滑に進むとは保証し難いのであります。更に増産目標逹成のためには、石炭以外に莫大なる資金資材の適正なる配給の保証の伴わん限り安心できないのであります。一体かかる配給計画の立案が詳細にできておるかどうか、この点政府の御方針を伺いたいのでありま  次に生産増強と不可分にあるインフレ防止対策の問題であります。これを財政金融方面より少しお伺いいたしたいと思うのであります。皆さんも御承知のように、二十二年四月一日より昨年十二月末日までに日本銀行劵増発されたことは一千三十一億八千五万四千円であります。この大なる増発は何によつて起つたかと申しますると、一般会計及び特別会計赤字であります。この赤字によつてこれが殖えたのであります。言い換えますると、この日本銀行兌換劵増発というものは財政赤字、つまり財政の操作によつてできたということを申上げても過言ではないと思うのであります。詳細の数字は省略いたします。  尚歳入面について見まするに、歳入の主なる役を演じておりまするものは、租税收入であります。二十二年度租税收入は、この年度末までに、一千三百三十八億円を徴收するということになつておることは皆さんも特に御承知のことであります。併しながら昨年四月より十二月までに四百四十億乃至四百五十億を徴收しておると思うのであります。そうして十二月一ケ月間には六十億円しか入つていないのであります。そういたしますると八百二十八億円というものがこの一月から三月までに徴收しなければならん総額であります。政府租税完納國民運動を展開され、又税務の御当局もなみなみならん御苦心を続けておらるることは、私共よく承知しておるのでありまするけれども、十二月に六十億円しか徴收できなかつたこの度合を以て見ますれば、一月から三月までに幾ら徴收いたしましても、三月末には五百億円以上の未納が残ると私は思うのであります。更にこれ以上であるかも知れません。併しよく行つても尚五百億円という金額年度末に残るのであります。これは恐らく從來の例に見まする通り日銀の引受となり、延いては日銀劵の発行が増加すると思うのであります。そういたしますれば、三月末における日本銀行劵発行総額は少なくとも二千七百億円に逹すると思うのであります。或いはそれ以上であるかも知れません。かかる滞納の原因がいずれにあるかを考慮する必要があると思うのであります。その一大原因税制自体欠陥があると、思わるるのであります。今日の税制は限界点以上のものであり、又頗る不公平のものであると思うのであります。その一例を示せば、会社が一割の配当をせんとするに当りましては、少くとも資本金の五割の收益を挙げなければならんと思うのであります。資本金の五割の收益を挙げるということは容易のことではありません。凡そ不可能であると思うのであります。又税が不公平である。眞面目に働く者は眞面目に税を申告し、そうして納めているが、闇利得者は一向に拂つていない。かような不公平な制度は根本的に改正し、そうして生産者の意欲の高揚するように税金を改正して頂きたいと思うのであります。  昨日も片山首相は税の改正について触れておられまするけれども、ただ勤労階級の税を軽減するということでありまして、税の根本改正ということには用意あるように聞えまするけれども、企業の実体が育成いたしまするように、会社が成立つように、法人税その他について改正をさるるところの用意があるかどうか、具体的に大藏大臣の所見を伺いたいのであります。  更に歳出の面を見まするに、問題は終戰処理費であると思うのであります。本年度撤去費を含めまして約六百八十億円という終戰処理費が必要であると思うのであります。年末にも百億円以上の支拂があつたのであります。これが支拂に関しては大藏当局もその内容等を嚴重に檢査されておる筈でありまするけれども、この支拂についてはとかくの噂を聞くのは誠に遺憾であります。その一々の例を聞き及んでおりますけれども、ここでは申しませんが、とにかく政治資金に流用せらるるというような噂は政界浄化が叫ばれておりまする今日、誠に遺憾であると思うのであります。次に終戰処理費は六百八十億という厖大な金額に上つております。これは金額自体において重大な意義であると思うのでありまするけれども、更にこの資金によつて操作されるところの資材、即ちセメント、石炭鋼材等物資面においては相当重大な影響があると思うのであります。その影響につきまして商工大臣の御答弁を願いたいと思うのであります。尚おいでにならなければ後刻伺うことにいたしたいと存じます。  続いて金融面についてお伺いいたしたいのであります。金融の要諦は有効適切なる面に資金流れを確保するということであります。このために資金調整法融資準則等がありまするけれども、大きな流れを見るときに、眞に適切有効なる方面流れておるかどうかということを憂えるのであります。近頃復金融資につきましてとかくの批評があるのは誠に遺憾であります。復金融資の大部分財政支出、殊に歳入不足の余波を受けたものではないか、即ちこの点でもインフレ促進政府財政運行によつて生じて來るということが言えるのであります。復金金融に対して政治的考慮の織込まれていないかということは方々で心配をしておる者があるのであります。金融機関政治或いは政府の干渉があるということは非常にその金融機関の危險性をはらむということは明瞭であります。これは外國におきましても政府或いは政治金融機関に干渉いたします場合には、その銀行は日ならずして倒産したという例があります。独のゼーハンドルング銀行、或いは又佛のカイ・ヂスコント等はその好適例であります。そこで復金が今後政府に干渉せらるることなく眞に公平道義に基く金融をなす場合融資先を公開すべきであると思うのであります。眞に道義に基く公平なる金融であれば、その融資先金額、その時期等を発表させ、そうして眞に天下の信用を得るということが肝要であると思うのであります。この点に関して大藏大臣は左様なことをなさしむる用意があるかどうか、この点伺いたいのであります。尚この投資につきましては事業監督ということが肝要であります。昨日も片山首相はこの点を力説されましたが、私は寧ろかようのことは遅きに過ぎる、もう少し早くやるべきであつたと思うのであります。一段嚴重なる監督をすることが緊要のことと思います。  次に戰時公債利拂について一言したいのであります。社会党は一月十九日党大会において四党協定破棄し、戰時公債利拂停止を決定いたしました。又民主党はこれに対しまして、公債利子支拂うべしということを主張しております。若しこの公債利子を停止することによつてこのインフレ防止を抑圧し得る、公債利子を停止することによつてこのインフレ防止に大いに役立つと考えているようでありましたなれば、それは大なる誤算であります。最早インフレの高進いたしました今日、三十一億くらいの戦時公債利子支拂停止いたしましたところで、このインフレは毫も抑止されるものではないのであります。(「インフレ停止に役立つ」と呼ぶ者あり)その意味財産税或いは戰時損失補償を切捨てましても、なんらこのインフレ抑止に貢献しなかつたことに鑑みまして、私はさほど重大なる影響を、インフレ阻止に役立つものでないと思うのであります。かようななまやさしいことでは到底このインフレを抑止することは夢想もできません。併し社会党の主張する利子支拂停止は、社会党政府政治問題、つまり政府社会党との意見が違うという場合におきましては重大なる意義があるということは申すまでもありません。社会党がこの利子を停止する、民主党はこの利子支拂えという、この民主党出身大藏大臣公債利子支拂に関していかなるお考えをお持ちでありましようかお伺いたい点であります。  次に國際問題でありまするが、時間もありませんから簡單に申上げますが、我々が敗戰後無事にこうやつていられることは、誠に進駐軍のお蔭であります。ここに國民の一人としてマッカーサー元帥に深甚なる敬意を表するものであります。更に外國貿易により、又クレヂットの設定によりますます援助を受けなければならぬと思うのであります。今日の状況では貿易の進展を見ることはできない。政府は先に消費を抑止して外國貿易を振興すると、緊急対策で申しましたが、これも亦空念佛であります。アメリカのバイヤーが参りまして、日本の品物をどつさり買おうと企てたのでありまするけれども、今日のこの高物價では到底バイヤーも手の出しようがないのであります。今進行しておりまするところの貿易なるものは、國庫の負担において貿易廳の調節によつて辛うじて行われているものであることは皆さんもご承知通りであると思うのであります。今日の物價高は過去十年間の孤立経済と不自然なる統制によつて國際的考慮を拂うことなく非常なる高水準の物價であるのであります。この高物價水準を引下げるのではなくては、到底我が國の貿易は進展しないのであります。ここで企業の大整理を断行し、又人員の整理を行う必要があるのであります。この意味におきまして政府におきましては、外國の物價水準と我が物價水準がおよそ水平可能なるような程度にまでこの行政整理企業整備を断行する御決意があるかどうかということを伺いたいのであります。  私は最後一言いたしたいことはインフレの高進に伴い、國民の生活は一段と窮迫し、種々の不安なる混乱が起るかも知れんと思うのであります。この情勢下におきまして、資本家勤労者も一体となつて日本再建に邁進すべきであると私は固く信ずるものであります。即ち資本家資本家立場において、又勤労者勤労者立場においてお互いにその正当なる権利と義務を主張して、日本再建國民生活安定の実を挙げたいと常に念願しておるものであります。ところがこの勤労大衆の中に名を勤労者に藉り、善意なる勤労者を毒するいわゆる経済の破壊又社会的秩序混乱を企図する一部不健全分子のあることはにがにがしく思つておる次第であります。ところが昨日の首相演説において、この不健全分子の清算を期待すると述べられておりますが、單なる期待のみでなくして、政府みずから強力に社会秩序混乱を取締るべきであると思うのであります。政府はこれに対していかなる積極的の御用意があるか、これを伺いたいのであります。以上私は屡々私の所信を述べつつ政府のお考えを質しましたが、これに対し片山首相を始め関係各閣僚は誠意ある御答弁をなされんことを切望して止みません。(拍手)    〔國務大臣片山哲登壇
  9. 片山哲

    國務大臣片山哲君) 松嶋君から政治道徳政策遂行についての御質問がありましたので、先ずその点をお答えいたしたいと思うのであります。政府國民大衆並びに諸君にお約束いたしておりまする政策遂行には、万遺憾なきを期してその実行に当つておるのであります。この内閣のできまするときの経過は諸君も御承知通りでありまするが、四党政策協定は後に三党政策協定となりまして、政府はその線に沿うて政策実行を挙げておるのであります。今問題となつておりまするのは、特に社会党で論議いたしておりまするのはこの三党政策協定の中の一部分であります。十中の八九と申して宜しい大部分の九項目に亘りまする事項につきましては、政府といたしましては大体これを守つて、その線に沿うて今日まで進んで参つたのであります。即ちその中の一項目の但し書の中に二つありまする、二つの中の一つであります。一つ即ち松嶋君も先程例に挙げました公債利子の打切り問題が、社会党において論議の焦点となつておるのでありまして、その他の項目につきましては、大体協定の線に沿うて進んでおるのであります。政府は決してこれを実行しなかつたとか、或いは嘘を言つたとか、そういうような政治道徳を云々されるような事項はないと考えておるのであります。その中の問題となつておりまする点につきましは、では、具体的に提議がありましたときに、その提議に基きましてよく協議をいたしまして、実行に移す問題を考慮いたしたい、かように考えておる次第であります。党の政策実行することには十分努力いたしておりまするが、何分今日の複雜なる経済情勢危機的情勢に鑑みまして、それぞれ全部的に行うわけに行きませんので、順を遂うて行いたいと考えておる次第であります。尚松嶋君の御質問公債利息の打切り問題でありまするが、社会党におきましては財政金融委員会決議として、社会党大会決議事項になつておりまする中にはこういうふうになつておるのであります。「新円の再封鎖、通貨切下げ等通貨信用を毀損する一切の施策を避け、通貨信用を維持し似て日本経済の再建に邁進すべし。」こういうふうな財政金融問題に関する大会の決議がありまして、今お述べになりました御言葉の中にありましたかと思いまするが、打切り問題等につきましては積極的な意見の決議はないわけであります。そういうわけでありますから、この問題について政府はどう考えておるかというような御質問がありましたが只今のところにおいては、公債の利息打切り問題は考えておらないということをお答えいたして置く次第であります。尚その他の財政経済、産業問題については担当各大臣より御答弁をいたします。(「行政整理のことはどうか」と呼ぶ者あり)    〔國務大臣栗栖赳夫君登壇拍手
  10. 栗栖赳夫

    國務大臣(栗栖赳夫君) 松嶋議員の御質問に対し簡單にお答えしたいと思います。  先ず第一はインフレ防止についての御尋ねであります。これは刻下において最も重大であり、政府としても全力を盡してこれに努めておる問題でありまして、御説の通りに、このインフレ財政方面から多大の資金が放出され、物資と通貨との間のアンバランスから生じておる次第であります。そこでこれは前國会において御審議を得、そうして御決議までも頂戴しておりますように、この健全予算を忠実に実行するということが先ず第一であると思うのであります。政府はその線に沿いまして、一面においては歳入の確保、他面においては支出の節約、はみ出しをしない、こういう面に全力を盡しておる次第であります。歳入の確保におきましては、最も大きな面は御指摘のように税收入であります。これは追加予算が諸般の事情によりまして昨年の十一月の末に成立いたしまして、これが税の取立てその他に働きますのは遂にこの一月に亘るというような特殊的の事情がございますので、この辺も十分酌みまして、短い期間に國民の皆様から多額の税を納めて頂く、こういうことになるわけであります。そこでその趣意を國民に十分徹底して頂く、そうして協力して頂くという意味において、この両院の御決議にも從い、國民運動を展開しておるのであります。そういたしまして、これに應じまして政府としては一月の三十一日までに歳入の所得税の申告、決定申告でありますが、それと非戰災者に関する税、その他の申告をして貰うと同時に納めて頂いておるのであります。そうして尚所得税の申告については更正決定をも各地の税務署で徹夜をいたしておりまして、大部分は発送し、納めて頂くということに極力全力を盡しておる次第であります。そうしてこれには税務官吏につきましてもいろいろな点で事務の刷新をいたします。それと同時にその特殊性をも十分認めまして、日夜この納税完遂に努力いたしておるような次第でございます。  尚その次に税制改正についてお話がありました。法人税の問題であります。これはこの法人税が地方税の営業税との関係において、非常な高率な税が掛つておるというような場合もありますし、又資本を拡充して経済再建に資さなければならない、こういう点もございますので、二十三年度の予算につきましては、財政の許す限りにおいてその軽減にも努めたい、こう考えている次第であります。法人税の軽減、勤労所得者に対する軽減は、両方から考えたいと、こう思つている次第であります。  それから支出の節約でありますが、その中について終戰処理費支拂のお話がありましたのでございます。これは実は地方廳、復興院、大藏省が嚴重なる査定をいたしまして、それに從つてつているのであります。その支拂につきましても尚通貨が好ましからざる方面流れんために、わざわざ必ず取引銀行の口座に振込ますということをいたしているのであります。そうしてこの業者は多くは借入金で以て賄つておりますから、振込みました資金はこの借入金の返済に充当しているのであります。そうして資金の余裕が出ますので、更に融資準則という嚴重なる準則に從つて、そうして新たな貸出もするということになつているのであります。その間に政治資金の流用というようなことは毛頭いたさんようにいたしております。金融の点でありますが、金融も亦赤字金融とか漫然たる赤字金融のごときものをして放漫の出資をすることは、これは好ましくないことであります。この際嚴に融資準則を励行いたしているわけであります。  復金融資についてのお尋ねがございました。これは復金委員会、各方面の権威者を集めておりまする委員会で決定をいたしまして、更に復金その他の機関にかけて決めているのであります。その貸出について政治的考慮が織り込まれるということは毛頭ないことをここに断言いたす次第であります。尚松嶋議員も永年金融の御経驗者であります。私も同様に、而も同僚として永くいたしておりましたのでよく存じておりますが、金融の独立性、自立性、これに政治の千興ということが好ましくないということは、十分考えておりますので、そういうようなことをいたさせないように努めている次第であります。それから復金融資先の公表でありますが、これは非常な大きな内訳にもなりますので、これなどは諸般の事情とも睨み合わせ、特に必要がある場合には公表ということも許す範囲で考慮もいたしたい、こう考えている次第であります。それから融資先の監査でありますが、これは日本金融については松嶋議員御存じの通り、戰前においては相当嚴重にいたしておつたのでありますが、戰時中は査定その他で疎かになつた時代もあります。復金につきましては、殊に監査というようなことが大事だということに考えまして、すでに中にそういうような機構もできて、監査をも続々実行させている次第であります。今後においてもこの辺は十分監査を実行いたしまして、そうして貸出資金は的確に貸出先の所に行くということを監査し、或いは経営の指導ということもいたすようにいたしたいと考えております。  公債利子の点については総理の説明がございました。私はこれに触れんことにいたします。苟くも預金、通貨信用ということについては、大藏大臣といたしまして、全力を挙げてこれを維持確保し、更に増進するということを固くここに申上げたいと思う次第であります。(拍手)〔「党籍変更の説明を願います」、「必要なし」、「必要あり」と呼ぶ者あり〕
  11. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 商工大臣は只今G・H・Qに行つておられるそうで、後刻出席の上答弁せらるる趣きでございます。下條康麿君    〔下條康麿君登壇拍手
  12. 下條康麿

    ○下條康麿君 私は緑風会を代表いたしまして、極めて中正な立場におきまして、政治に関する一般問題について片山総理大臣にお尋ねいたしたいと思います。  終戰後すでに二年有半を経過いたしました今日、國家の再建は誠に心細い現状にあるのであります。御承知通り戰爭による破壊の後の建設も、各方面殆ど遅々として進まない状態でありまして、食糧、住居、衣料は申すに及ばず、原料、燃料等各般の資材の欠乏は、再生産を困難ならしめております。又インフレ高進下におきまして、生活物資の價格の騰貴は、勤労者の給與の下落を意味しておるのでありまして、一部闇関係者を除きましては、一般大衆の生活は極めて困難に陥つておりまして、到る処に利潤分配に関する闘爭が展開され、國民生活は今や非常に切迫した状態に立至つておるのであります。誠に悲しむべきことでありまするが、所在に治安保持が十分でないということは一般に知られておるところであります。(拍手)誠に憂慮に堪えない次第であります。今にして國民が起ち上り、國家の現状を認識し、この眞相を究明して一大勇猛心を似てこれに対処しなかつたならば、我が日本は遂に崩壊の深き淵から救われることがないと思うのであります。(拍手)  この破局を救う方策はいろいろあろうと思いまするが、國家の運営を掌るこの政治の面の刷新が最も中核的、根本対策であると思うのであります。若し政治が誤まつたならば、又若し政治が貧困であつたならば、そこに國家の発展も、國家の維持存続もないのであります。政治の当面の局に当る者は政府であります。政府は常に國会の開会劈頭におきまして、施政方針と称して政府の持ついわゆる政治理想を示すのであります。常にそれは立派なものであります。現に昨日片山総理がお述べになつ施政方針演説も誠に結構なものであります。併しながら、かような施策が羅列されましても、実はなかなか行われておらない。昨年第一回國会において片山総理がお述べになつたところを仔細に点檢いたしましたが、その解決されたものは、例えば食糧問題とか、貿易再開、或いは外資輸入のごときものは、多くは自主的ではなく、外部的理由によるものであります。昨日片山総理が政治の目標であると述べられた國民生活の安定、インフレ克服のごときものは、その実績から見ますると、まだその結論に逹しておらないのであります。昨日片山総理は経済危機突破應急対策は一應終つたかのようなお言葉を述べておりました。二十三年こそは恒久的復興再建の年たらしめたいというような御発言があつたように思うのでありますが、実はその應急の緊急危機突破もできておらないのであります。(拍手)成る程片山内閣は先程お話があつたように連立内閣であつて、二人三脚どころか、三人六脚で歩行にも御困難なような御事情は重々お察いたします。(拍手)併し今片山総理がお述べになつた御答弁のように、ただ理想はなかなか実行できない、漸を遂うてやるというような極めて暢氣なことでは、今日の場合は相成らんのであります。(拍手)我々の眼前には刻一刻迫る破局があるのであります。断乎所信の実現を図る時期であると思うのであります。先程お話があつたように、政府当局者は、或いは政局を担当されてから、又在野時代にいろいろお述べになつたところがあります。例えば社会党は社会主義政策実現を目途としておる。然るに過去八ケ月の実績におきまして、どこに社会主義的政策実現がありましようか。例えば先般問題になりました石炭國菅案のごときものは、生産手段即ち資本の私有を認めます以上は、これは眞実の社会主義政策ではありません。勿論社会主義政策に対する是非の論は別といたしまして、一旦社会主義政策実行すると約束したからには、万難を排して、少くとも八ケ月の内にはこれを実現して國民の公正なる判断に俟つべきものであると思うのであります。(拍手)若しそうでなければ政党が野に在つて政策を研究し、朝に立つてこれを具現するいわゆる政党内閣制度は、これは成り立たないことになるのであります。曾て私は新憲法が貴族院において審議されました折に、一体この議院内閣制というものは、いろいろ長所もあるが又短所もある。例えば議会の多数党が内閣を組織いたしますと、事実立法権と行政権とが一体となりまして、三権分立の趣旨に反し、横暴となる虞れがある。曾てイギリスの哲人が言うたことがあります。この立法権と行政権とを一人の人が掌握するぐらい人間にとつて最も大なる誘惑はないと言つたことがありますが、私はこの意味を以ちまして、曾て貴族院におきまして議院内閣制度に対して修正の意見を述べたことがあります。併し今の内閣を見ると、形は成る程議院内閣制度でありますが、内閣自体並びに内閣とその基盤の政党との関係が常にしつくり行かず、私の心配したような短所は発揮しないが、同時に議院内閣制度の長所も発揮できない。常に内閣が強力な施策を推進し得ないということを如実に示したことが、正に國民の期待に反するものであると思うのであります。(拍手)昔の國家は大空からぶら下る。近代の國家は地上に発生すると言われております。これは、今日一般民衆の基盤の上に國家が築かれ、政治がこれら一般民衆の信頼の上に存することを明らかにした言葉であります。今からでも遅くない。政府はあらゆる事情を克服し、所信に忠実に、断乎即時これを実行して、國民の信頼に應えなければならないと思います。この点については先程御答弁がありましたけれども、私は非常に深い疑いを持つておるのでありまして、重ねて片山総理大臣の御決心を承わりたいと存ずるのであります。  次に現在我が國はあらゆる方面におきまして、誠に重大でありまして、眞に緊迫した状態にあると思うのであります。從いまして局に当る者は、政府の官吏、公吏、民間の企業家、勤労者と言わず、その最大の能力を発揮すべき場合であると思うのであります。然るに現状はどうでありましようか。國民はその職場々々におきまして、果して最大の能力を発揮しておりましようか、國が今や亡びるか否かの瀬戸際におきまして、國民が怠けるという法はないと存じます。事実このままでは誠に憂慮に堪えないと思うのであります。私はこの際國民が一切頭を切替えて、心構えを一新して、如何なる方面におきましても、改めて公共的精神を以て事に当る決心をしなければ、この難局を突破できないと思うのであります。凡そ人間は如何なる方面におきましても、公共的理念を重んじ、單に利益のみによつて動くようなことは誠に好ましくないことでありまして、これは革正しなければならないと思うのであります。片山総理は昨日官紀を徹底的に粛正するとお述べになつておりますが、官公吏に公に奉ずるの理念を強化することは、明治維新以來今日程その必要を痛感することはないのであります。(拍手)これと共に我が緑風会が綱領に掲げておりますように、企業家、資本家と雖も産業を私的経営と見ず、その公共的性格を十分認識し、勤労者亦勤労を愛好し、これを社会奉仕と考え自己の勤労を亨樂し、相率いて社会公共のために勤労に從事するようにしなければならんと存ずるのであります。かくて私は社会全体が同胞愛に結んで、共存共栄の心持を以て業務に親しむような社会の実現ありたいと思つております。即ち経営や労務に対する心構えを改め、全く新たなる勤労倫理観の確立が必要であると思うのであります。政府は官紀の振粛を從來のごとく掛声だけに終らせず、断乎これを敢行いたしまして、官公吏に対する公共理念の発揮を一段と強化し、これと共に各般の指導方法によりまして、社会一般にもこの点の普及徹底が必要であると思うのであります。片山総理の今後の心構えを承わりたいと思うのであります。  更に國家の財政の現状を見ますると、誠に恐れおののく外はないのであります。歳出は二千百億以上に上つております。その歳出を賄うべき租税收入は、本年度内に取るべき分で尚未納の分が実に九百億、昨年十一月末現在の滞納も百億に上つておりまして、政府は現に月々の支拂に窮し、大藏省証劵の限度を拡張して漸くその辻褄を合さんと苦心しておる状態であります。一体國家の財政的支出は國家の規模と國運の消長によつて決まるものであります。すでに敗戰の結果厖大なる地域を喪失し、官民各般の施設も戰災に罹り、加うるに生産施設の賠償撤去もありますし、更に國民の生活水準も昭和五年頃を基準とするようでありまするから、國家の財政支出もこれに伴つて縮小しなければならんと思うのであります。然るに國家活動を処理する行政機構は、陸海軍関係を除きましては戰時中と余り変らない状態であります。世帯が小さくなつたので用事も少かろうと考えられるに拘わらず、実に官吏の数のごときは逐年増加の傾向を示しております。雇傭人等を除きまして、一級、二級、三級官吏だけについて見ましても、現在五十一万人ありまして、昭和七年に対しましては七倍、昭和十二年に対しましては三倍以上、昭和二十年の終戰時に対しましても二倍の数になつております。勿論今日俄かに各般の監督行政を止めまして、全般的に放任するということはできないことは勿論であります。併しながら余りにも官廳の組織が複雜であり、その事務が煩瑣に過ぎておると思うのであります。最近或る公益團体の建築がその許可に六ヶ月を要し、而もその間、書類が甲から乙へと廻つておる中に紛失したという事実があります。かようなことでは國家再建の上に大いなる支障があると思うのでありまして、もつと監督を緩和し、手続きを簡素にし、現実に仕事ができ上るように重点を置く必要があると思うのであります。昔アダム・スミスが國家活動を、國防と、裁判と、個人の力を超えた公共の事業に限ると述べたことがあります。私は今日の場合、國家活動をアダム・スミス程狹くすることは考えておりません。併しながら現在の國家活動は余りにも廣く、却つて國民の平和的経済活動を大いに節約しておることは爭うべからざる事実であります。(拍手)これはまだ戰時中の惰性が拔け切らぬこともありましよう。又好ましからざる傳統がなかなか断ち切れないこともあろうと存じます。更に官業についても考え方を変えなければなりません。例えば國鉄のごとき、交通監督行政と企業の経営とは分離して、その企業の経営についても独立採算制を採るという必要があると思うのであります。かような措置をしないで置いて、ただ賃金の値上を試みても、國民は決してその値上に納得しないのであります。結局行政整理につきましても、先ず國家活動の規模を限定して、その枠の中で、從來のような役所式ではなく、ぴしぴしと事が決つて行くような方式を採用いたしまして、新らしき構想の下に行政機構の大改編をするを必要と認むるのであります。(拍手)  先程申述べましたように、最近の租税收入大藏当局と税務官吏の非常なる努力にも拘らず、極めて不成績なのであります。その原因はいろいろあると思いまするが、國民の自主的予算申告納税制度のごときものが我々にはまだ慣れない制度でありまして、それに原因があると思いまするが、併しながらそれと共に租税の賦課が今や限界点に逹し、いわゆる担税能力を超えるものではないか。勿論この限界を理論的に決めるということは極めて困難なることでありまして、或いは租税総額國民所得との比率というふうなことも考えられまするが、とにかく現実の問題としてここに九百億に逹する巨額の未納があるという事実は、確かに租税が相当重いということを裏書きするものでなくて何でありましようか。昔或る人が言つたことがあります。租税を徴收する祕訣は、恰も鵞鳥の毛を一本々々抜くようにすべきものであるというております。それは鵞鳥の毛は一本や二本抜いても、鵞鳥が痛みを感じないのであります。然るに我が國現在の徴税は、鵞鳥の毛をかなり沢山抜くわけであります。勿論敗戰の今日でありまするから、相当な苦痛は我慢しなければならんのでありまするけれども、毛を抜き過ぎて鳥を殺しては相成らんのであります。事実借金をして税を納めるとか、或いは税を納めれば個人なり社会が潰れるというような話も聞いております。これを強いてやれば、惡質者は別といたしまして、善意の未納者は虎よりも恐ろしい苛斂誅求を受けることに相成るのであります。それには税制改正も必要かと思いまするが、根本的には國民の租税負担を軽減することが必要であると思います。幸いに政府も勤労所得税を軽減したいと言われておりまするが、そのためには、第一に前に申したような行政整理の徹底的断行ということが必要となつて参るのであります。(拍手)然かるに從來この行政整理と申しますと、大体泰山鳴動鼠一匹でありまして、効果は挙つておらない。僅かな機構いじりと、結局予算の天引に終つておる実情であります。今回は國家非常の場合でありまするから、本腰で、大手術で、お腹を切開するような心構えでやつて頂きたいと思うのであります。(拍手)これには恐らく相当な犠性が必要と思いまするが、私は片山総理がこの点に関して非常な勇氣を揮つて、國のためにお盡しになること望んでおりまするが、(拍手)お考えを伺いたいと思うのであります。以上が私の質問の要旨であります。何とぞ率直明快なる御答弁を片山総理から伺いたいと思います。(拍手)    〔國務大臣片山哲登壇
  13. 片山哲

    國務大臣片山哲君) 只今下條君がお述べになりました御意見は、政策を強力に遂行しなければならない。勤労の精神を十分に尊重しなければならない。行政機構を思い切つて改革しなければならない。こういう三点に帰着せられると思うのでありまするが、趣旨においては同感であります。私も昨日申上げました通り、思い切つた行政機構の改革と、又勤労者が本当に生産増強に協力して貰う建前を早く作つて、本当に國民全体として勤労の精神を尊重するという建前にしたいということを心から念願いたしておるのであります。  こういう政策遂行するにつきましては、ただ羅列した作文に終らしめないで、これを実行面に移さなければならないということも御尤もであります。これにつきましても政府は懸命の努力を拂つて、ただ單に机上の空論に終らせないように努力いたしております。何分今日の情勢は難時中の難事とも言うべき困難な情勢でありまして、理想現実にはまだ程遠いことを感ずるのであります。例えば政党政治でありまするけれども、理想論でありまする二大政党対立ということは、我が國の今日の現状においては直ちに実現という段取にはまだ進まないと思います。当分は連立内閣制で行かなければならないのではなかろうかと私は考えておるのであります。そういたしますると、一つ政党政策を全面的に遂行するわけには行きません。他の政党政策と睨み合わせまして、調和を図つて行かなければならないのでありまして、これは現下の情勢上止むを得ない事柄であろうと思います。社会党といたしましても、掲げておりまする政策を十分に遂行いたしたいと思いまするが、社会主義と申しましても幅の廣いものでありまして、直ちに全部を國有にするとか、私有を嚴禁するとかいうような根本問題に触れなくても、社会主義の持つところの生産増強或いは分配の公平を期するための政策は十分に行つて行けるのであつて、又行かなければならない。かように考えておるのであります。情勢と睨み合せまして、最も適切な、最も有効な政策をどんどんと実行いたしたいと考えておる次第であります。私は、決して現下の状勢を樂観いたしておりません。誠に心配すべき、憂慮すべき状態でありまするが、併しただどうもしようがないと言つて、そのまま諦らめておるべき時では決してありませんから、勇を鼓して、思い切つた政策を断行するための生産増強対策を立てたい。これにつきましては、組閣直後立てました緊急対策を止めてしまうということではなしに、緊急対策の上に立つて、増強対策を採りたい。生産増強対策を採つて、両々並べて進んで行きたいと、かように考えておるのであります。  こういう意味でありまするから、決して先の緊急対策はもうでき上つて、それでこれは止めてしまつて、別の線で増強政策を採ると、こういうような意味では決してないのであります。この点十分に御了承賜わつて、今まで採りましたるところの物價体系を更に補強して進んで行くのである。インフレ防止政策を更に強化いたしまして進んで行かなければならないのである。労働者の生産性を向上するために、労働運動の健全なる発逹を心より念願して、心から労働者が一生懸命働いて貰う体制を早く作り、國民全体もこれに対して深い理解を持つ。こういうような建前で進んで行かなければならないと考えておるのであります。  こういう意味から申しまして行政機構も改革するのでありまして、ただ單に今日の行政機構が余りに複雜である。余りに官僚的であるからという意味でなしに、國家観念につきましても、先程下條君がいろいろ該博な御意見をお述べになりましたが、これも今日の民主國家というものは國民のために働かなければならない國家である。國民の幸福を増進する國家でなければならない。即ち官吏は國民の公僕である。公僕という観念に徹して國民のために働く。こういう意味を行政機構の中に織り込んで行かなければならないと考えて、官紀の粛正、綱紀問題につきましても断乎たる処置を採りたいと考えておるのであります。昨日も申しましたように、近くこの問題につきましては諸君の御協力を得まして、相当大きな審議会を組織いたしまして、一日も早くよき結果を得たいと、かように考えております。又二十三年度の予算に間に合うように、できるだけの行政整理もやつて行きたい。二つの線で、両々相俟つて、行政機構につきましても眞に民主的な、民主國家、文化國家にふさわしい建前で進んで行きたい。こういう所信を持つておるのであります。どうかこれらの点につきましても諸君のよき御意見を御発表下さいまするならば、政府といたしましても十分に考慮いたしまして、眞の文化國家建設のために努力いたしたいと考えておる次第であります。これを以てお答えに代えたいと存じます。(拍手)    〔國務大臣水谷長三郎君登壇拍手
  14. 水谷長三郎

    國務大臣(水谷長三郎君) 止むを得ない用件のために遅刻いたしまして相済みませんですが、私の不在中になされました松嶋さんの我が國における企業の整備、産業の合理化に対する政府の見解という問題に関してお答えをしたいと思います。  我が國におきまする産業復興の鍵は、何と申しましても石炭、電力、鉄鋼等の基礎産業の確立と、繊維工業を大宗とするいわゆる輸出産業の振興にかかつておりますことは、今更申上げるまでもないところでございまするが、又同時にこのことは、我が國の産業経済を常に世界経済の一環として考えなければならないということであります。殊に將來講和條約が締結されまして、國際市場への参加が実際に認められました暁を考えまする場合、一層その感を深くするものでございます。このように考えますときに、國内におけるインフレーシヨンの進行を防止する上から申しましても、又海外におきまする市場の確保という点から申上げましても、何としても各種企業の経営の合理化、技術の向上、品質の改善、能率の増進を図りますことが最も肝要でございまして、このことなくしては、到底競爭の激しい國際市場へ乘り出すことは不可能に近いと考える次第でございます。特に戰時中におきまするいわゆる水膨れ資産を包容しておりまする各種企業の経理面における健全化を図りますことは、先ず何よりも大切な根本條件でございまして、企業再建整備法の運用によりまして、目下着々その目的の逹成に努めておるのでございまするが、更に進んで資材資金、輸送等の逼迫しております現状におきましては、積極的に各種企業の合理化を断行しなければならないと考えておるのでございます。政府におきましても目下長期経済計画の策定と並行いたしまして、企業の合理化の基準等について折角檢討しておるのでございまするが、要は企業整備と申しましても、企業の合理化と申しましても、その方法をどうするかという点が最も大切でございまして、戰時中行われましたような政府の一方的な強制的手段は絶対にこれを避けなければならないのでございまして、特に労働問題とは密接なる関係を持ちますので、これらの点を十分考慮いたしまして、労資双方の協調に基盤を置いた現実に即する方法によらねばならないと信じておる次第でございます。併しながら企業の合理化を徹底して行います以上は、或る程度の過剰労働を生ずることも亦止むを得ないことと考えるのでございますが、これに対しては労務者の配置轉換、土木工事その他の公共事業への吸収、失業手当失業保険等の制度の活用等、極力これが対策を講じまして、常に相互間の均衡を保ちながらこの問題を処理して参りたいと考えておる次第でございます。  要するに健全なる企業形態の下に我が國産業の再建を企図しなければならないのでございまするから、國民全体が我が國産業経済の実態を率直に認めまして、目前の利害のみに囚われることなく、恒久的な見通しの下に、官民一致の協力によりまして、できるだけ速かに本問題を解決して参りたいと考えておる次第でございます。  尚一言石炭の見通しについて御質問があつたのでございますが、昨年十二月の出炭は二百九十六万トンで、計画に対し一〇二%余の上廻りを見たのでございまして、これはお話のように関係筋の絶大なる支援によることは勿論でございまするが、又同時に労資双方の並々ならぬ協力によるものでございまして、特に労働者諸君の休日返上までして働いて貰つたその涙ぐましい努力に対しましては、商工大臣として心から感謝感激する次第でございます。新年に入りましてもその努力はますます続けられておるのでございまして、本年度三千万トンの目標はほぼこれを逹成し得ると考えておるのでございますが、更に進んで二十三年度増産目標は、昨日総理が申上げられました三千六百万トン確保のためには、万般の施策を講じて、万遺憾なきように善処したいと考えておる次第でございます。又石炭配給計画につきましても、先に申上げました線に沿いまして立案し、実行して参りたいと考える次第でございます。御答弁いたします。(拍手
  15. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 森下政一君。    〔森下政一君登壇拍手
  16. 森下政一

    ○森下政一君 昭和二十三年が我が國に取り、正に歴史的な、画期的な一年たらんとしておる。この一年は恒久的な経済再建計画の第一歩を踏み出すものであり、経済復興、産業建設の年たらしめたいという、昨日の片山総理大臣の誠に希望に満ちた御言明にも拘わらず、私は來る三月乃至五六月までの期間にかけて、我が國の経済は恐らく深刻なる経済危機に直面するのではないかと憂慮するものであります。その理由として、例えば次のごときことが予想されるのであります。敗戰に基く我が経済規模の一大縮小の結果、当然起るべき各種事業の縮小整理の波が、企業再建整備法、財閥解体、独占禁止法等に基く事業整理と、この時期において相前後して波紋を投ずるであろうこと、國民の多くは終戰後長くたけのこ生活を続けて参りましたが、今やその質草に枯渇して最後の窮迫した段階に追い詰められたこと、闇撲滅運動の進展、料理屋営業の停止などはその過程において少なからぬ失業者を生じましたが、当初暫らくの間は從來の儲けに依存して何とかして暮して行けましたけれども、今やかかる行き方も行き詰りの段階に逹し、事業整理行政整理等の結果、労働の配置轉換至難の部分が少なからぬ数を数え、それらが失業郡として放出せられる情勢に迫られつつあること、新規人員採用の中止で、未曾有の就職難の形で失業者を累加せしめる情勢にあること、これらを綜合的に考察するとき、経済危機の襲來が憂慮されるのでありまするが、更にこれにも増して経済危機の中心的原因を成しますものは、金融の異常な逼迫に基く事業界の深刻極まる難局の襲來、物價高に伴う賃金値上運動に対する企業者側の抵抗の強大化と、從業員整理及び労働強化等に対する労働者側の重大抵抗との結果、大規模にして且つ複雑なる労働不安の脅威、即ちこの二つであります。  これら各般の事情は相互に拍車を加え、経済危機を一層深刻ならしめ、その結果として生活難の加重と、これを起因とする社会不安が、やがて犯罪増加の傾向を誘発するに至るであろうとひそかに憂慮するものであります。恐らくはその経済危機の様相は、一年前のいわゆる三月危機におけるがごとく、原料、資材の欠乏に基く経済活動の麻痺の脅威ではなく、主として労働不安、事業金融難、この二つを中心とする苛烈廣汎なるものと予測せざるを得ないのであります。インフレの克服が経済再建の至上命令として現内閣に課せられたる重大使命であり、対日平和会議を目前に控え、日本自体はもとよりのこと、占領軍の立場からも、日本経済の一應の安定が大局上政治的にこの際何よりの急務であり、且つ又平和会議と前後して貿易の本格的再開の日が近き將來に迫りつつあつて、その時期以前において、日本経済の一人立ちが極力早くできるために、貿易の正常化が急速に準備せられねばならんと思うのでありまするが、このことはインフレの急速な克服が何よりも強く要請せらるることとなり、この際インフレ克服は断乎これを強行しなければならない段階にあることと考えるのであります。而も昨日総理大臣が声明され、大藏大臣も繰返し言明されたるがごとくに、新円再封鎖を回避する。通貨信用保持のために新円再封鎖のごときことは断じて行わぬ。さような途を選ぶ限りにおきまして、インフレの克服は摩擦の甚大なるに怯ゆることなく、相当の出血を覚悟して切開手術を断行するの外、途なしと思うのであります。周知のごとく終戰後の我が経済は、インフレというからくりによりまして、これまで長く多大の食い込みを続け、根本國民経済の衰弱を犠牲に供して、敗戰に伴う当然の経済苦痛を当面的にできるだけ回避する政策を採つたのでありまするが、断乎この際インフレを克服せんとするならば、必然に敗戰に伴う経済的苦痛に直面しなければなりません。即ちインフレを克服するがためには、赤字金融は徹底的にこれを抑圧すべきは勿論、インフレ的仮裝利益の結果、外形上は赤字金融を示さず、事業資金の形を呈するものについても、その実質上は資産食込み補給の赤字金融であるものが多い実情に鑑みまして、事業資金そのものと雖も極力これを制限して、企業の実質的食込みを絶無化する施策を強化しなければならんと思うのであります。かくて事業金融は從來に比し更にますます緊迫化し、殊に今後枠外事業金融は特別に嚴重にならざるを得んのであります。一方又インフレ克服のためには、現に税收不成績のため政府支拂超過巨額を算し、ために日銀劵の一大膨脹を來しつつある部分につきまして、三月までの期限において、滯納税收の完納励行を期さなければならないのでありまして、現に政府は昨今これに着手しつつあるのであります。面して若し約一千億に伴い税收不足に基く政府支拂超過額が一挙に解消せらるるとしまするならば、一般金融はために更に大逼迫に直面するわけで、それだけ銀行等の事業金融能力は、甚しく縮小を來す虞れが多分にあるのであります。この金融逼迫の圧力の下に、インフレ克服のためには事業界の大整理が敢行せらるるでありましよう。即ち從來のインフレ的仮裝利益による実質的には食込みである赤字経営を一掃せしめ、以て事業の自立的経営を確立し、新円引上げその他のコストの昂騰を、從來のインフレ的プロセスのごとく物價高に轉嫁せしめず、産業合理化、過剩人員整理などによるコストの低下によつて吸收せしめて、物價昂進を阻止し、將來事業存立の見込乏しきもの、乃至規模の縮小、設備の切捨て等を要するものは、この際その整理を断行せしめ、以て事業自立の基礎を作らしむることなどは、この際必須のプロセスとなるのであります。(拍手)  金融機関から資金借入の余地がある限り、只今申しますような事業整理をこの際敢て断行し得るごとき経営者は、恐らく極めて寥々たるものであります。蓋しこの際かような整理を断行せんとするならば、從業員との間に一大摩擦を生ずることは必至でありまして、そのために自己の地位の顛落する危險が甚大であります。從つて抵抗の極めて強い整理を断行するよりも、抵抗の極めて薄弱なる資本を犠牲にして、借金政策で食い込み経営を続けながら当面を彌縫せんとするのが滔々たる世相であります。(「その通り」と呼ぶ者あり)事実そこに我が戰後インフレの重大禍根があつたのでありまして、この際インフレを断乎克服せんとする限り、そこに大きなメスを揮わなければならないのであります。昨日総理大臣はインフレを断乎克服しなければならんと申され、赤字金融の根絶を強力に言明されたのでありまするが、金融引締めの圧力によつておのずから事業界に整理が強行されるに至るでありましよう。無論この場合、眞の意味における生産金融、なかんずく重点産業のそれは飽くまでも確保すると片山総理は申されましたが、その手心の必要は言うまでもないといたしまして、実際においてはその眞僞の判定は相当困難でありまして、特にインフレ的仮裝利益によつて帳簿上は何とでも粉飾し得られる実情におきましては、勢い玉石混淆の一大金融圧迫に陥る可能性が少くないと思うのであります。これを要するに、事業界は三月乃至五六月の期間において極度の金融難に襲われ、その圧力に堪え得ずして、一方には破産、閉鎖、解散、休業、縮小等が続出し、一方には過剩人員整理が強行せらるるに至るであろうと考えるのであります。更に又次にインフレ克服の強行に伴い、労働不安の脅威は、賃金引上要求と人員整理乃至労働強化反対の形において襲來すること必至と言わねばなりません。インフレ克服対策当然の帰結として、從來の食込み経営を一掃せざるを得ない結果、國民生活は少なからぬ耐乏生活に直面せねばなりませんが、恐らく労働者はその組織力に訴えて、賃金引上を強く要求する可能性が大であり、かかる場合、從來においては業者側はその要求を比較的容易に受諾し、妥協する情勢にありましたが、この度は金融引締めの結果、労働者の要求を容れる余地がもはやなくなつておるのであります。強いてこれを容認すれば、事業経営は不可能となる絶対絶命の地位に追込まれて参りました結果、自然労働者側の要求に強く抵抗せざるを得ないこととなり、労働爭議が少なからず苛烈化すべき基因がここに潜在し、経営者側としては労銀引上げがたとえ止むを得ない場合でありましても、その経理上、賃金引上を生産増大とリンクせしむるか、賃金の値上を過剩人員の整理による経費切詰めと結びつけざるを得ないこととなりまして、労働者側が最低生活維持の必要を強く叫べば、経営者側は事業の経営能力の限度と金融逼迫とを理由にこれを拒否するというわけで、爭議は長期化し深刻化せざるを得ない情勢になると考えるのであります。かくて事業界は経営上の行杞憂窮地に陥りつつあるのであります。金融逼迫に鞭たれて事業の縮小、設備の淘汰、休業、閉鎖等の続出が、労働者側に取つては人員整理、人員解雇の一大脅威でありまして、三月乃至五六月頃までの期間において大きな労働不安時代を形成する虞れが多分に存すると考えます。さればとて賃金ベース及び物價体系を改訂し、賃上乃至マル公の再度引上をするといたしましても、これは事態を毫も改善するものではなく、問題の解決となるものでもなく、根本においては否むしろ事態を更に惡化せしめながら、インフレ克服に不可避の支出を若干引延ばしたに過ぎないのであります。(「その通りだ」と呼ぶ者あり)  以上申述べました予想が單に私の杞憂に過ぎないとするならば、誠に仕合せでありますが、金融逼迫の情勢はすでに現実に相当深刻な観があります。やがてこれに伴う事業整理と、更にこれに随伴して起る労働不安の脅威は、恐らくは不可避的の現象と思うのでありまするが、政府はこれに対してその所見を如何にされるでありましようか。総理大臣にお伺いすると共に、若しかくのごとき憂慮すべき現象が現われることを予想さるる場合において、労働大臣はこれに対処すべき如何なる御用意をお持ちになつておるか。私は先ずこの点について御所見をお伺いいたしたいと思うのであります。  昨年片山内閣成立の当初、國民は新政府に対して多大の期待を寄せたのであります。我が國において初めて國会の指名による首班の率いる政府が成立し、これからの政治はこれまでの政治に比して、遥かに明朗な、遥かに民主的な政治が行われ、國民生活に密着してこれと遊離せざる政治が行われるであろうことに、大多数の國民が希望を繋いだと思うのであります。爾來八ヶ月に及ぶ片山内閣施策と業績は、誠に残念ながら必ずしもこの期待に完全に副うものではなく、必ずしもこの希望に應うるものでもなく、今や國民大衆は際限なく昂進するインフレの波浪とこれに伴う物價の騰貴にさいなまれ、生活の困苦はいよいよ深刻なるものがあり、加うるに現下の政情不安が將來に対する信頼を薄からしめつつあると思うのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)組閣当初、政府経済緊急対策項目を掲げ、次いで経済実相報告書を公けにし、我が國の経済の実情を國民に訴え、その病的実態を認識把握せしむることに努めて、その病状打開のために経済緊急対策を誠実果敢に実行することを約束し、廣く國民に対して、國の経済の主体をなす國民対策それ自体の主人公となつて、みずからの選出した政府を通じ且つそれを励ましながら、一人々々が直接自分の事として対策の成功に協力することを要請したのであります。國民政府のこの熱意に應えるべく、首相の要望する容易ならざる耐乏生活を忍ぶ決意に決して吝かではなかつたのであります。長い戰爭の期間を通じて、ただ一途に信頼をかけ、その言うところに全面的に協力しながら、遂に政府に欺瞞され通した國民が、今又重ねて新内閣に希望を繋ぎ期待をかけましたのは、この内閣こそは我が國に初めての、國民の、國民による、國民のための政府なりとして、その言うところを信頼し、その施策に協力することによつて経済は立直り、少しずつにもせよ、その生活が樂になるであろうという、前途の光明を望むひたむきな國民感情の現われに外ならなかつたと思うのであります。然るに現実は果してどうであつたか。新経済対策の実施によつて十月には各家庭に黒字が生れると聞かされて耐乏生活を隱忍した國民大衆の台所は、十月も過ぎ年も越えた今日も依然として赤字に悩み、たけのこ生活も、もはや最後の段階に逹し、生活の困難はいよいよ深刻であり、大幅な公定價格の改訂が結局闇値の飛躍を招來したに止まり、約束された流通秩序は確立されず、公定價格によつて生活必需物資の最低基準量が政府責任において配給さるるということも、その時期は未だ今日到來せず、從つて実質賃金の充実は果されず、インフレと眞正面から取組んだ筈の政府の下においてインフレは進行して止まるところを知らず、いわゆる健全財政も、豊かなる闇所得を看過して、收支の均衡が最も安易なる途を選んで、曰く、煙草の値上、酒の特價販賣、通信料金、鉄道運賃の値上等、國民大衆の負担によつて保たれるという現実の姿を顧みまするときに、今日の苦しい生活がいつになつたら樂になるのか。その希望と期待が動揺したといたしましても、誠に道理あることと言わなければならんと思うのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)(拍手)もとより首相が繰返し述べられまする通り、この内閣ができたからと申しまして、一度に経済状態がよくなり、國民生活が樂になると思うことは早計であります。併しながら施策八ヶ月に及んで、僅かにもせよ國民生活好轉の兆くらいは現われて、國民をして希望を失わしめず期待を繋がしめるところがなければならんと思うのでありまして、これをもし時期尚早にして厖大なる望みとは、恐らく何人も言い得ないと思うのであります。私は現内閣が、二十三年度が長期建設計画の第一歩を踏み出す年であり、経済復興、産業建設に歴史的にも画期的な年たらんとしておると、誠に希望に満ちた言明をなしまする前に、願わくば第二の経済実相報告書とでも申すべきものを國民の前に公けに展開いたしまして、既往八ヶ月間に亘る施策の功罪を大胆率直に政府みずからこれを國民に説明するだけの良心的な態度を要求したいと思うのであります。(「その通りだ」と呼ぶ者あり)(拍手)  私は昨日の総理大臣の演説におきましても、経済再建はその緒についたというお言葉を耳にいたしたのであります。先刻來の同僚議員質問に対する御答弁におきましては、もとより経済危機は今日打開され盡したとは思つていない。困難なる段階にあるというお言葉もございましたが、経済復興がその緒についたというお言葉を承わりまするときに、お互い國民大衆勤労大衆の生活困難に喘ぐ実情と思い合せて見まするときに、何となく割り切れぬものの残るのを感ぜざるを得ないのでありまして、昨年経済白書を公けにされ、緊急経済対策、これをこの病的な、否、疾患に陥つておる我が日本経済再建に対する処方箋として提示された、あの誠に頼もしい、あの誠に希望を繋ぐに足る、良心的だと思われましたところの態度に艦みましても、私は過去八ヶ月間における政府のなしたるところが、果して國民に約束し、なさんとしたことをよくなし得たのであるかどうか。面して当時の病的経済状態が今日いか程に打開されておるか。或いは或る面においては惡化し、或る面においては予想以上に好轉したか。それらの点を明瞭にされてこそ、然る後に二十三年度に対する輝かしき希望を声を大にして声明されて然るべしではないかと考えるのであります。この点につきまして和田安本長官からのお答えを頂きたいと思うのであります。  健全財政の堅持はインフレ克服の必須要件であります。二十三年度におきましても徹底的に健全主義を貫徹する。これは首相の言明でありまして、もとより当然のことと考えます。先ずその健全性は、本質的には歳出の縮減によつてこれを確保するのが建前でなければなりません。然るにややもすれば、インフレに際しましては歳出節約の余地が非常に限られ、予算の健全性が主として非常手段による歳入の飛躍的増大によつて賄われんとする傾向が強いのであります。第一回國会において議決せられた追加予算が、一應健全財政を一貫したものであり、赤字を克服して收支の均衡を図つたに拘わらず、國会の嚴しき批判を受けたのは、この少からざる無理を犯したところに、却つて側面から破綻を生ずる脆弱面を持つ懸念が少くなかつたがためであります。財政の健全化とは、申すまでもなく、單に歳出入のバランスが取れるというばかりでなく、歳出そのものが國民経済力と均衡の取れたものでなければなりません。國民経済力に不均衡な過重の税負担によつて賄われた財政收支の均衡は、ただに少からぬインフレ的弊害を内藏するのみならず、計画通りの税收が果して実現できるか否かに少からぬ危險を伴うものであります。物價の著しき騰貴に反し、國民大多数の所得は僅かな増加に止まり、その実質的担税力は物價高のために逆に減少しておることを考慮するならば、それだけこの税負担の圧迫が尋常でないことを知らなければなりません。事実我が國民の税負担はすでに担税力の極限に逹し、すでにその埒を越えておると言うも過言ではないのでありまして、且ついわゆる闇所得の捕捉困難なるもの多きため、その税負担が闇にあらざる所得に偏重し、いよいよその徴税を困難にし、予算申告の不成績、滞納税額の巨額に逹することなどのため、折角の健全予算が、予算面は赤字なしでありながら、実際には毎月赤字日銀劵膨脹の因をなす虞れがあるのであります。殊に捕捉困難なる闇所得、最も負担力の豊富なる闇所得を看過して、酒、煙草、入場税の増大、その他の間接税、又は鉄道運賃、通信料金引上等による税收の増大は、一方においてそれだけ國民生活に重圧を加え、他方折角政府が断行せんとする勤労所得税軽減を無意味に終らしめ、特に煙草の値上に至つては、一般の闇價格水準を心理的に引上げる惡作用を伴うものであります。即ち担税力の極限を超えては、予算面での黒字が実質面のインフレの惡化となり、却つて破綻を招く危險を伴う。かように考えるのでありまして、勢い捕捉困難なる闇利得の獲得に対して、ただに徴税機構の強化のみならず、捕捉的新税を創設する等の万全の租税対策を講ずべきであると考えるのでありまして、單に易きについて收入を図り、收支の均衡を図るべきではないと思うのでありますが、この点に関して大藏大臣に勇猛果敢なる闇所得捕捉の施策ありや否や。御所見をお伺いいたしたいと思うのであります。(拍手)    〔國務大臣片山哲登壇
  17. 片山哲

    國務大臣片山哲君) 森下君が最も熱心に現下の時局を憂えられました点については、共鳴いたしますます々が多いのであります。私も今日の情勢を極めて深刻に、且つ又戰爭の被害がか程までに激甚であるということをつくづく感ずるのであります。それはただに日本のみならず、世界挙げて戰爭の予想外に大きな被害、激甚なる損失、而も経済的な損失について今日まざまざと考えさせられておると思うのであります。特に我が國における産業の損失と申しまするか、生産力の発展がこれによつて阻止されました点につきましては、十分に考えて行かなければならないと思うのであります。時局を担当いたしておりまする政府といたしましては、何とかしてこれを乗切つて行かなければならない。これを乗切るための対策を立てて行かなければならないということの責任を痛感いたすのであります。組閣当初、経済緊急対策を立てまして國民に耐乏を求め、且つ又インフレを克服し、マル公を設定いたしまして、賃金ベースも定めて、國民に難きを強いて、そうして乗切りに協力を願いたいということを求めたことがその一つ対策でありました。今日においてはもう乗切れたというふうに安心しておるのではありませんが、第二段階といたしまして、積極的インフレを防止するのにはどうしても生産力の拡充を図つて行かなければならない。どうしても國民の産業発展への協力を求めて行かなければならない。そうして國民の協力によつて闇を撲滅して、且つ又國民の生活を安定せしむるためにマル公配給を確定して行かなければならない。こういうような問題につきまして積極的な対策を立てて行かなければならないと考えるのであります。(「前と同じだ」と呼ぶ者あり)そういう意味におきまして、昭和二十三年度増産の年にしたい。生産力拡充こそはインフレを防止するの対策である。通貨の膨脹はインフレ原因となるのであるから、この問題につきましても政府といたしましては、できるだけの対策を立てて行かなければならない。あらゆる積極的な対策を立てまして、時局乗切りの踏み出しをいたしたいと考えまして、昨日の施政方針演説にこれを織り込んだ次第であります。決してすでに建設はその緒についたということを以て安心をいたしておるわけではないのでありまして、緒につかんとしつつあるというゆえんは、耐乏生活と危機乗切りの緊急対策の上に立つて、二十三年度こそは更にその乗切りを積極化いたしまするために増産の年としなければならない。こういう意味でありまして、國民の協力を心から求めておるような次第であります。政府といたしましては、この対策によりまして、この困難なる時局をどうしても乗切つて行かなければならないと考えておるのであります。非常に難事でありまして、且つ又全國民の心からなる理解を仰いで行かなければならない。こういうことを考えまして、ことに施政方針に盛りましたる案を諸君にお示しいたしまして、諸君の心からなる御理解を求めようと考えておる次第であります。(拍手)    〔國務大臣米窪滿亮君登壇
  18. 米窪滿亮

    國務大臣(米窪滿亮君) 森下さんの私に対する御質問に対しましてお答えいたします。お言葉の通り、今後数ヶ月の間に我々が予想し得る経済不安並びに労働不安のことを考えますと、私も誠に深憂に堪えないのであります。経済不安が原因になり、或いは結果になり、労働不安と経済不安とが丁度あざなえる繩のごとくになつて行くことは、賃金と物價との惡循環が端的にこれを物語ると同様だと私は考えるのであります。從つてこれは労働問題を解決するがためには、経済不安の問題をも解決しなければならないということになるのでございます。從つて今日私共が予想し得る、いわゆる何月になるか知りませんが、近い將來において起り得ることが予想される労働不安というものについては、大体において二つに分けられるだろうと思うのでございます。即ちその第一は、インフレーションの速度を止めることに我々が成功するかしないか。從つてこれによつて勤労階級の最低生活費をできるだけ保障ができるかどうかということから生じて來る労働不安、更にその他に第二の労働不安としましては、森下さんもお述べになつたように、各種の法規、或いは行政整理企業整備等から生じて來るところの失業者の続出、これから起つて來るいわゆる労働攻勢というものが予想されると思うのでございます。從つて政府といたしましては、インフレーションを抑止する方策としましては、先程総理大臣が述べたような決意の下に、各種の施設を講じて参る積りでございまするが、労働省としましては、この点については何と言つても生産の増強が起らなければ、金融その他資材の点もありまするが、生産性の昂揚が起らない限り、いわゆる勤労者の生活必需品の増強が起らない限り、インフレを抑止するということがなかなか困難であるのでありまして、私就任以來この点に特に留意いたしまして、各種の経済復興会議を中心としまして、昨年の十一月頃からしていわゆる生産復興運動なるものが起つておるのでありまして、政府はこれがために若干の予算を計上し、更に本年度もこの方針を強化して参りたいと考えております。更にこの賃金と物價との惡循環につきましては、いかに名目賃金を上げましても、一方において生計費が膨脹して行く。即ちインフレーションが止らずして、そうして、生計費の大部分が闇買という部分である以上は、到底労働者の実質賃金は上るものではない。この点において私としましては、今後のこの物によるところの生活の保障、即ち今日までに採られた傾斜生産重点主義の加配米、労務用物資の配給を、今後は実質賃金の裏附という主義を多分に織り込んだ配給制度にこれを改善して行きたいと考えておるのでございます。一方アンチ・トラスト法、経済力集中排除並びに企業整備等の原因によつてつて來る失業者の続出に対しましては、正確な数字はここで申上げる資料を持つておりませんが、大体において今日のいわゆる勤労者の一割程度ではないかと考えておるのでございます。從つて大体百万ぐらいだという、極くこれは大ざつぱな推定ですが、官公吏並びに民間の企業者について百万人くらいと見ておりますが、その中の半分、五十万人というものは、政府は公共事業、主として電源開発或いは道路の開築或いは輸出産業等の公共事業を起すこと、並びにその他の失業諸施策によつてこれを吸収して、残るところの五十万人を現在すでに顕在しておるところの失業者と合せて、これを失業保険或いは生活保護法等の施設によつてその生活の困難を援助して参りたい。こういう工合に考えておるのでございます。政府はこれらの失業対策としまして各種の施策を考慮しておりまするが、事直ちに予算との関係が生じて來るのでございまして、ここではつきりと具体的なことを申上げられないのでありますが、一方において公共職業安定所の効率的な運営並びに職業補導の強化と相俟つて、そうして、是非ともこの失業対策の万全を期して参りたいと、こういう工合に考えておる次第であります。甚だ簡單でありまするが御答弁いたす次第であります。(拍手)    〔國務大臣和田博雄君登壇
  19. 和田博雄

    國務大臣(和田博雄君) 片山内閣ができました時に緊急経済対策を立てまして、その当時の経済の実情を國民の前に明白にしますために、経済白書を出したわけであります。爾後八ヶ月間経済対策もいろいろな面において行われて來ましたし、その実績等につきましても我々の方で十分に調査いたしておるのであります。私は適当な機会にそれらの功罪を率直に國民の前に出すと同時に、日本の現在の経済の段階がどういう段階にあるかということについての第二の経済白書を出すことを私共は今計画いたしておりまして、是非これはお出ししまして公平な御判断をお願いいたしたい。そうしてその基盤の上に立つて今後の五カ年の経済計画なり或いは國民が直面しておりますインフレーションに対して、いろいろの政府の打つべき手に対する御協力なり御批判をお願いいたしたい。かように考えております。(拍手)    〔國務大臣栗栖赳夫君登壇
  20. 栗栖赳夫

    國務大臣(栗栖赳夫君) 森下議員のお尋ねの闇利得者に対する課税についてお答えいたしたいと思います。この健全財政を貫く上においても、闇利得者に対する課税を徹底化して行くということは極めて大切でありまして、全くお説の通りであります。これは一般國民の犠牲において自己のみの利益を図ろうというものでありますので、政府としてはこれが税追求の徹底化を図つておる次第であります。(拍手)新税をこれに対して起すかというお話がありましたが、これはすでに第一回國会においてお答えもいたしたように、税の複雜なる制度を拵える。所得税の制度の上に更に特別課税をするというようなことが却つて脱税の因となるというような点もありますので、所得税によりまして更に高率の課税をして行く。こういうことにいたして進んでおる次第であります。そうしてこれが徹底の方法としましては、國民の間に納税完遂、闇利得者に対する課税の追求を徹底いたしまして、税務官吏の調査及び第三者通報制等をも極力進めて参りますと同時に、税務官吏の身の保護等をも更に考えまして、そうしてこれをいたすつもであります。実は申告が過小になつておるとか或いは申告漏れである者に対しては、これを徹底して随所に利得の所在を突き止めまして課税をいたしており、過小な申告に対しては、今回の最終の申告に際して更正決定をいたして追求いたしておる次第であります。尚その間に差押えであるとか滞納処分或いは惡質なものとしてこれに嚴重なる制裁を加えること等は現にいたしつつあるのでありまして、これは新聞でも御案内のことと思う次第であります。(拍手
  21. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。明日は午前十時より開会いたします。議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十八分散会