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1948-01-22 第2回国会 参議院 本会議 第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十三年一月二十二日(木曜日) 午後三時十二分
開議
━━━━━━━━━━━━━
議事日程
第二号
昭和
二十三年一月二十二日 午後三時
開議
第一
國務大臣
の
演説
に関する件 ━━━━━━━━━━━━━
松平恒雄
1
○
議長
(
松平恒雄
君) 諸般の報告は御
異議
がなければ朗読を省略いたします。
—————
・
—————
松平恒雄
2
○
議長
(
松平恒雄
君) これより本日の
会議
を開きます。この際、新たに
議席
に就かれました
議員
を御紹介いたします。
議席
第百七十一番、
地方選出議員
、
長崎縣選出
、
門屋盛一
君。 〔
門屋盛一
君起立、
拍手
〕
松平恒雄
3
○
議長
(
松平恒雄
君)
門屋
君を
國土計画委員
及び
電氣委員
に指名いたします。
松平恒雄
4
○
議長
(
松平恒雄
君) 昨二十一日
山下義信
より、理由を附して
司法委員辞任
の申出がございました。許可することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松平恒雄
5
○
議長
(
松平恒雄
君) つきましては、
補欠
として
宇都宮登
君を指名いたします。 尚この際
議院運営委員補欠
として、
平沼彌太郎
君を指名いたします。
—————
・
—————
松平恒雄
6
○
議長
(
松平恒雄
君)
日程
第一、
國務大臣
の
演説
に関する件、
内閣総理大臣
より
発言
を求められております。これより
発言
を許可いたします。
片山内閣総理大臣
。 〔
國務大臣片山哲
君登壇、
拍手
〕
片山哲
7
○
國務大臣
(
片山哲
君) 第二回
國会
の開かれるに当りまして、私は
政府
を代表いたしまして、
施政方針
の大要を申述べ、時局に対する
政府
の態度を明らかにいたしたいと存じます。
昭和
二十三年は、我が國にとり正歴史的な一年たらんといたしておるのであります。本年こそ、我々は積極的な
経済建設
に進み、
無血民主革命
の
経済的基礎
を築き上げなければならないのであります。現
内閣成立以來約
八ヶ月、
政府
は当面の
経済危機
を突破することに主眼を置いて、
應急的施策
を講じて來たのでありまするが、來るべき一年においては、恒久的な
再建計画
の第一歩を踏み出し、
経済復興
、
産業建設
の年たらしめたいと
考え
ておるのであります。この
日本経済再建
の事業を成就してこそ、初めて
民主的平和國家
は
建設
せられるのであり、
日本民主化
の
経済的基礎
を確立してこそ、
名実共
に
國際社会
に復帰し得ると
考え
るのであります。この
意味
において、
政府
は正に本年を
建設
、
増産
の年として意義あらしむべく、
決意
を新たにして難局に処し、最善を盡したいと
考え
ておる次第であります。 我が
國現下
の
経済情勢
を見ますると、
危機
は未だ完全に去つたとは言えませんが、幸いに
連合軍司令部
の指導と援助により、又
國民諸君
の
協力
によりまして、
復興
が漸くその緒につき始めましたることは、
喜び
に堪えない次第であります。(「
ノーノー
」と呼ぶ者あり)我々は今後も更に
努力
を続け、
昭和
二十三年こそは、
日本民族再生
のための意義ある第一年度として、
國民待望
の
経済再建
への道に雄々しく発足する年といたしたいのであります。このために
政府
は全
國民
の救國の熱情に訴えまして、ここに画期的な
増産計画
を樹立し、如何なる困難をも踏み越えて、その必成を期したいと
考え
ているのであります。 第一に申上げたい点は積極的な
計画
であります。
復興建設政策
は相当長期に亘り、堅実にして面も合理的な
計画
でなければならないと
考え
ますが、差し当り
昭和
二十三年度をその第一年度とし、先ず
生産増強
の基盤を作り上げるべき
基礎産業
と
輸出産業
とに
傾斜重点
を置きまして、
増産計画
を強力に
実施
いたしたいのであります。この
再建
第一年度の
年間生産計画目標
といたしまして、
政府
が
考え
ております
数字
の大体は次のごとくであります。
石炭
三千六百万トン、
電力
三百十六億キロワット・アワー、鉄鋼、
普通鋼鋼材
百万トン、硫安九十万トン、セメント二百万トン、綿糸四億八千万ポンド、こういう
数字
であります。
政府
はこれによりまして、
鉱工業生産
においては、
昭和
二十二年度に比較いたしまして概ね四割以上の
増産
が逹成せられるものと
考え
ております。そうして
米麦
などの
主要食糧
につきましては、全
農家
が
各戸ごと
に從來の
通常生産高
に対して更に一割を
増産
するよう、
政府農家一体
となりまして
努力
を盡す
計画
を立てておるのであります。
政府
は、
右計画
が
國会
はもとより、全
國民的規模
において審議確定せられ、直ちに実行に移さるることを期待いたしまして、近く
各界関係專門家
の
代表者
の参集を請い、
経済再建促進
のための
会議
を提唱し、右の
計画
の
目標
が
関係者一同
のみずからの
目標
として確認せらるることを予期しておる次第であります。特に
石炭
の
増産
につきましては、
政府
は
組閣以來増
産を重点的に企画いたしておるのでありまするが、この際更に第一回
國会
を通過いたしましたる
臨時炭鉱管理法
を十分有効に
活用
いたしまして、
増産
第一
主義
を発揮するに遺憾なきを期したいと
考え
ておるのであります。現在においては、
出炭
は逐次軌道に乗り、昨年十二月は二百九十六万トンという
終戰後
の
最高記録
を打ち立てることができました。勿論これに満足せず、更に五ヵ年
増産計画
を立て、一段と
出炭増強
に邁進する
所存
であります。 更に
電力
につきましても、同様、先きに発表いたしました
電力危機突破対策要綱
を強力に推進いたしまして、
発電力
の
増大
に努め、又
生産増強
と不可分なる
関係
にありまする
輸送力
につきましても、
陸上海上
とも、損耗と
破壊
の程度が特に著しいものがありまするので、これを整備
充実
するのに十分の考慮を拂う
考え
であります。右のようにいたしまして、
鉱工業
全体の
生産
を画期的に
増大
することに多大の期待をいたしておるのでありまして、更にそれと共に
輸出振興
の
基礎
を固め、進んで
國民
の
消費資材
につきましても
増産
を図りたい
考え
であります。 次に
農業生産
についての
計画
でありまするが、
政府
はこれに
全力
を傾倒いたしまして、その
増産確保
に
努力
いたしたいと
考え
ております。即ち
政府
は
農業協同組合
の
生産部面
における
活用
を通じまして
農家経営
の
改善
を図り、これを以て
農業生産力増大
の
基礎
といたしたい
考え
であります。又
供米割当
の
合理化
を図る
措置
を早急に
実施
いたしまして、
供米
は
農民諸君
の
責任
、
供米
に対する
生産資材
及び
報奬物資配給
は
政府
の
責任
、こういうふうにいたしまして
責任
を分担し、
食糧難解決
に進みたいと
考え
ております。この
意味
におきまして
食糧供出制度
につきましては、これを根本的に
改革
いたす
考え
でありまして、近くその法案を今
國会
に提出して
責任供出制度
を確立する
方針
であります。尚二十二年度産米の
供出
は、各
方面
の御
努力
によりまして頗る順調に進捗しつつあることは、誠に感謝に堪えない次第であります。 この際ここに
中小企業
につきましても一言いたしたいと思います。
中小企業
は今後の我が
國輸出産業
の支柱となるものであるばかりではなく、現在の
國内経済情勢
から
考え
まするならば、
中小企業
に依存せざるを得ない
人々
はますます
増加
する
傾向
にあると思います。
中小企業
の
振興
は正に我が
國経済再建
の
中心命題
でありまするので、
政府
はこの際大いにその
振興策
を図る
方針
であります。 第二に、大体以上のような
生産増強
、
産業建設
の
計画
により、
政府
は
インフレーション
を抑止し、一段と
再建
を
促進
して行く
方針
でありまするが、かかる
計画
を
実施
して
増産目標
を逹成するためには、今後とも
インフレーション
に対して確乎たる
対策
を講じなければならないと深く
決意
をいたしております。今更申上げるまでもないことでありまするが、
インフレ
の
進行
の直接の
原因
は
通貨
の
増発
にかか
つて
おります。
通貨
の
増発
を抑えるためには、
政府
の
財政支出
を節減いたしまして、
産業
に対する
赤字的融資
を抑制いたしますると共に、
租税
の納入を
促進
し、預金の
増加
を図らなければならないのであります。もとより
敗戰國
として當然負担せねばならん
経費
も多額に上り、
産業資金
も度を越えて抑制いたしますれば、
却つて生産
の低下となり、
税金
の取立てにも限度がありますが、併し現在のごとき
通貨膨張
の
傾向
をいつまでも続けて行きまするならば、いつかは
破局化
するの危險があると思います。それで、どうしても我々は
インフレ
の
進行
の速度を弱めまして、遂にはこれを停止させるところまで持
つて
行かなければならないと
考え
ておるのであります。そのためには、先ず
財政支出
の切詰めと、
財政收入
の
増加
によりまして、実質的な
財政
のバランスを回復しなければならないと
考え
ております。即ち二十三年度
予算
におきましては、
政府
は
財政
の
規模
を
國民経済
の実力に合致させることを
根本方針
といたしまして、歳出については眞に
民主的國家再建
に必要且つ有効な費目のみに限定いたしますると共に、
行政機構
の
改革
、
行政整理等
によ
つて
、一ヶ年を通じての
收支
の均衡を
確保
いたしまするのみならず、進んで
財政收支
の時期的調整を
図つて
参りまする
方針
であります。
他方歳入
の面におきましては、
國民
の
租税負担
は、すでに相当高率に逹しておりまするが、滞納或いは未納の
税金
が巨額に上
つて
おりまする現状に鑑み、第一回
國会
において行われました
租税完納運動
に関する決議に基きまして、
目下國会
を
中心
といたしておりまする
一大國民運動
をば更に全國的に展開いたして、
國家再建
のために進んで
納税
を行うように、
國民
の
納税義務観念
の
徹底
を
図つて
行くべく非常に
努力
を拂うつもりであります。
政府
といたしましても
納税
及び
税務全般
に亘りましての
機構
の
拡充強化
、更に
税務運営方法
の
刷新等
を図りまして、
税務官吏
の
待遇
を合理的に
改善
いたしまする
半面
、その職責に対する自覚を喚起いたしまして、綱紀を粛清する
考え
であります。いわゆる
インフレ所得者等
の
脱税
に対しましては、
徹底
的に追究いたしまして、悪質な
脱税者
に対しましては、体刑を科する等、処罰を強化いたしますし、更に又
第三者通報制
を
活用
する等、万全の策を整えたいと
考え
ている次第であります。 税制の
改革
につきましては、
具体案
を追
つて
本
國会
に提出する
予定
であります。これにより
國民所得
の実情と、
経済事情
の変動に即應し、
勤労者大衆
の立場を十分に考慮した
措置
を是非とも講じたいと
考え
ておる次第であります。つきましては、大体の
方針
といたしまして、二十三年度に起きまして
勤労所得税
を軽減いたしたい
考え
であります。 次に
通貨膨脹
の
原因
とな
つて
おりまする
産業資金
の
貸出
につきましては、
復興金融金庫
の
融資
に対する監督を強化いたしまして、
現行
の
融資準則
による
融資規制
の
方法
に加えまするに、
物資割当
と
資金融通
との連繋を緊密にする
方法
を採り、極力
放漫貸出
を防止する
方針
を採りたいと
考え
ております。併しながら無差別に
産業資金
を抑制いたしまして、健全なる
産業活動
をも阻害することは絶対に避けなければならないのでありまして
政府
といたしましては、
金融機関
は飽くまで
産業
の
奉仕者
たるべしという
建前
の下に、
健全金融
を
確保
いたしたい
考え
であります。 尚
インフレ
の
破局化
を防止するためには、
通貨
に対する
信頼感
を
増強
することの必要なるは言うまでもありません。この
意味
において、
政府
は新円再封鎖のごときは絶対に行わないことを、この
機会
において明らかにいたしたいと存じます。 第三に
インフレ対策
の眼目は、帰着するところ、
物價
と
賃金
の安定を実現し、
家計
の
赤字
を解消することであります。このため
政府
は今後も一
般國民生活水準
を実質的に
確保
するために
努力
いたしまするはもとより、
実質賃金
を
充実
することに
全力
を盡し、
物價
と
賃金
の
惡循環
を断ち切りまして、
生産
の
増強
と相俟ち、一日も早く
國民生活
、特に
勤労者
の
家計
の安定を実現したい
考え
であります。
政府
は、まじめに働けば必ず食える。こういう体制を実現する
方針
の下に、
実質賃金
の一層の
充実
を図るため、次のような
方策
を行いたいと
考え
ております。 先ず主食につきましては、
一般配給
に
差支
のない限り、
現行
の
労務者加配米制度
を新たな見地から根本的に檢討いたしまして、
配給基準
の
合理化
及び
配給方法
の
刷新
を行いまして、嚴に実稼動に應ずる効率的な運用を
図つて
、
労働
の軽重に
應ずる必要量
の
配給
の
確保
をいたします外、
配給操作技術
の許す限り、米、麦、
小麦等重点主義
を採りまして、
加配米
の質及び量の
合理化
を行うと共に、
苛くも遅配
、欠配の生ずることのないように
配給
を
確保
したいと
考え
ておるのであります。次に魚類、
蔬菜等
の
生鮮食料
につきましても、
現行リンク制
を重点的に強化いたしまして、その
生産
を
計画
的に捕捉し、
正規配給
の格段なる
増加
を
図つて
参る
方針
であります。その他
食料品
、
衣料品
、
家庭燃料等
、
勤労者
の
生活必需品
につきましても、
國民生活
の
最低限維持
のための
供給確保
を図り、特に
重要産業労務者
に対しましては、
供給力
の
増加
によ
つて増加配給
の実現を期し、よ
つて
これらの
勤労者
に
重点配給
を行う
考え
であります。このために
政府
は
配給
の的確、迅速を図るため、
各種公團組織
を初め、
配給機関
の適切なる
運営
を図る外、
地域
及び職域の
生活
協同組合を育成、助長いたしまして、又
勤労者用物資
を確実に捉えまするために、特別に強力な新らしい
配給方式
を採用いたしたいと
考え
ておるのであります。 以上のような
方法
によりまして、できるだけ
公定價格
による
配給
を殖やしまして、
家計
中の
闇支出
をなくし、
重要産業
に働く
人々
の
実質賃金
を
充実
することにより、
物價
と
賃金
の安定を実現したい
考え
であります。
政府
といたしましては、
物價
と
賃金
の問題はこの
実質賃金
の
充実
に主力を注ぎまして、徒らに
貨幣賃金
を引上げて
物價騰貴
を誘発し、
物價
と
賃金
の
惡循環
を招くようなやり方を避ける
方針
であります。
現行物價体系
につきましても、この
角度
から愼重の檢討を加えまして、これを改訂するにいたしましても、その時期と
方法
を誤まらないよう、眞に
勤労者
の
生活
を擁護する
建前
に立ちまして善処したい
考え
であります。
勤労者諸君
におかれましても、
政府
の意のあるところを諒察して、積極的に
物價賃金
の
安定施策
に
協力
されると共に、その成果を暫らく見守るの
雅量
を是非とも持
つて
頂きたいと
考え
ておる次第であります。(「そんな
雅量
はないよ、」「言うだけじや駄目だよ」と呼ぶ者あり)最近
労働者諸君
の間に健全なる
労働組合運動
が澎湃として湧き起りつつあることは、
日本民族
の
再生
に漸くにして明るい
希望
がさしそめたものとして、誠に
喜び
に堪えないと
考え
ておるところであります。眞に
民族
と
國家
との將來を思う
諸君
の健全なる良識と聰明な
判断
によ
つて
、
経済
の
破壊
や
社会秩序
の
混乱
を企図するがごとき一部の
不健全分子
は遠からず挙げて清算さるべきことを期待して止まないものであります。 (
拍手
) 第四に、
政府
は
行政機構
の
改革
を断行いたしまして、
能率増進
の
徹底
を図り、
政治
上における
民主化
を実現いたしますると共に、
一般企業
の
健全化
を
促進
する手引といたしたいと
考え
ておるのであります。面してその
目標
は、
行政機構
の
簡素合理化
と、
行政事務
の
整理再建編成
とにあります。これは
中央
における
官僚的傾向
を拂拭いたしますると共に、各
官廳間
における
権限
の重複を排除し、
官吏
の
責任
の所在とその
明確化
を図ることを重点いたしておるのであります。更に又
地方自治
の精神に則りまして、これに関する
中央官廳
の
権限
は可及的に
地方
に委譲いたしますと共に、
地方
の
出先官廳
は
徹底
的に整理いたす
考え
であります。(
拍手
)各廳各省は以上の
措置
によ
つて人員整理等
も図る必要ありと思いまするから、数よりも
能率主義
を
徹底
し、
人員整理
を
予算
上及び官制上において行いたいと
考え
ております。(「賛成」と呼ぶ者あり)同時に
官吏
の
待遇
はできるだけ
改善
し、その
半面官紀
は
徹底
的に粛正いたす
方針
であります。(
拍手
)尚
行政機構
の相当思い切つた
根本的改革
を断行するため、
内閣
に官民より成る
行政機構改革審議会
を設置いたしまして、早い期間にその結論を得たいと
考え
ておる次第であります。
生産増強
のためとは言え、
行政整理
によ
つて
止むを得ない
失業者
の発生が予想されるのでありますが、
政府
は
失業
の
全般的情勢
に即應し、必要に應じて、
財政
上許す限り最大限の
経費
を割き、
失業
の
対策
に遺憾なからしむる
方針
であります。併し徒らに
失業手当受領者
を殖やすことのなきよう積極的に就業の
機会
を提供して、
労働力
の
吸収
、
活用
を図るべきは勿論であります。
政府
は先きに述べました
増産計画
と並行いたしまして、
國民職業安定方策
についても
計画
を立てつつありまするが、
農業方面
に
人口吸収
の余地の少いことを考慮いたしまして、
鉱工業部門
と
輸出産業
の発展とによりまして、その
生産力
を
増大
せしめて、これによ
つて失業者
を
吸収
する
方策
を樹立いたす
考え
であります。 第五に、その他
政府
は新
日本
建設
のために
文化対策
、
生活改善対策
を採ると共に、あらゆる
角度
からその
促進
を図りたいつもりであります。即ち
教育
の
刷新振興
のために、
財政
の許す限り六・三制の
実施
に進む
方針
の下に、
勤労青年
のための
定時制高等学校
を含む
新制高等学校
と
盲聾唖兒童
の
義務教育
を開始すると共に、
教育
の
地方分権化
を期したいと
考え
ております。更に
教育行政
の
民主化
のために、又
科学
、
藝術
を尊重し、
國民
の
文化水準
を高めるために必要な
具体策
を採る
予定
であります。特に
科学研究
の
振興
と
技術水準
の向上のためには、
研究者
並びに
技術者
の
方々
の自主的な意向を尊重しつつ、必要な
施策
を講じて行きたいと存じております。 更に
戦災都市
の
復興
を
促進
し、
庶民住宅
及び
重要産業労務者
の
住宅建設
に
努力
いたすつもりであります。殊に近來全國的に頻発した水害と災害の復旧に関しましては、今日これが十分なる
対策
を講ぜざるときは
國土
の
全面的荒廃
を招來する虞れがありますので、單に
應急的処置
に止まることなく、
恒久的名
いわゆる
治山水対策
を確立する
所存
であります。 海外特に
ソ連地域
に今日尚七十五万余の同胞が残
つて
おられますので、これらの
方々
及びその
留守宅
の方には深く同情を表し、その引揚
促進
につきましては、あらゆる
対策
を講じて参つたのでありまするが、思う通り進まなかつたのは遺憾であります。
政府
は今後更に各
関係当局
に当りまして、最大の
努力
を盡す
考え
であります。 更に又金のかからない
選挙公営
の
徹底
を本旨とする
選挙法
の改正を望んで止みません。
選挙
の
明朗化
は新
日本
のためにも最も必要なることを
考え
ておる次第であります。 第六に、
政府
は
講和会議
が一日も早く開催されることを
希望
いたしているのでありまするが、何よりも必要なることは、我が國としてなすべきことを
國民
みずからが先ず果すということであります。それは
政治
上の制度
改革
問題のみに限らず、
復興
のための
経済再建
につきましても、みずからなすべき
義務
を果し遂げなければならないと思
つて
おるのであります。徒らに世界に憐れみを乞うというがごときことでは、到底我らの
希望
は逹成せられないと思います。よ
つて政府
といたしましては、今後共積極的に
日本民主化
の
徹底
に進むと共に、
経済民主化
の
実施
により、我が
國経済
の
復興再建
に
全力
を注ぎ、以ていつでも
講和会議
に臨めるよう用意いたしたいと
考え
ております次第であります。 最後に
國会
を通じまして、全國の
勤労者
及び
農民諸君
に
一言希望
を申述べたいと存じます。
日本経済再建
の成否は一にかか
つて
諸君
の双肩にあると存じます。
社会秩序
の
混乱
と
再建経済
の
破壊
とを企図するがごときことは、
諸君
の採らざるところであると信じます。
諸君
の聰明なる
判断
と健全なる常識とに訴えて、その
努力
によ
つて生産増強
と
経済再建
が逹成せられることを希
つて
止まないものであります。
政府
は
諸君
の
建設
的な
運動
に対しましては、活なる成長を
希望
し、心からなる支援を惜まないものであるということを、この
機会
に明らかにいたしたいと思うのであります。(
拍手
) 更に又全
國民大衆諸君
にお願いをいたしたいのであります。私は
國民生活
安定を
政治
の究極の
目的
といたしております。これを逹成すべく
努力
しておりまするが、我らは今日何をさて置いても先ず
祖國
の
経済復興
を図らないことには、決して我々の
政治
の
目的
は逹せられないということを
考え
るものであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)即ち民主的に
國民大衆諸君
の御
協力
を得まして、ここに初めて
復興再建
が実現し得るものであることを信ずるものであります。
祖國再建
には高遠なる
政治理念
と
道義的観念
とを必要といたしまするは勿論でありまするが、私は更にこれに加えるに、乏しきを持ち寄り、力を出し
合つて経済的建設
に
協力
する
建前
が今
日程
要請せられる時はないということを深く信ずるものであります。(
拍手
)ここに第二回
國会
の議場を通じまして、切に
國民大衆諸君
の御
協力
をお願いいたしまして、私の
施設演説
を終る次第であります。 (
拍手
)
松平恒雄
8
○
議長
(
松平恒雄
君) 只今の
総理大臣
の
演説
に対し
質疑
の通告がございますが、この
質疑
は明日に譲り、本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松平恒雄
9
○
議長
(
松平恒雄
君) 御
異議
ないと認めます。明日は午前十時より開会いたします。
議事日程
は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十五分散会