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1948-07-03 第2回国会 参議院 文教委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年七月三日(土曜日)    午後一時三十八分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○学校教育法及び義務教育費國庫負担  法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付)   —————————————
  2. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) これから文教委員会を開会いたします。今日の議題の第一は、学校教育法及び義務教育費國庫負担法の一部を改正する法律案でございますが、これを議題にいたします。
  3. 岩本月洲

    岩本月洲君 只今法律案についての質疑打切つて討論採決に入つて頂きたいと存じます。
  4. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 御賛成のようであります。それでは本案に対する御質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 御異議ないものと認めます。それではこれから討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明かにしてお述べを願います。
  6. 岩間正男

    岩間正男君 私はこの義務教育費國庫負担法の第二條の今度の修正條項の中で、日直及び宿直手当の点でありますが、この点に対しまして反対を表明したいと思うのであります。その理由といたしますところは、日直宿直というのは、これは元來何ら法的な根拠を有しないところの、教育の言わば本務に属さないところの勤務なのであります。そうしてこれはまだ今まで御眞影がありましたときに、御眞影を奉護するというような立場から、教員の負担的な義務として、これは半ば強制的に行われておつたものであります。無論教員義務におきまして、これを了解して行なつて参つたのでありますけれども、併しすでに御眞影の奉護というものが必要がなくなつております今日におきまして、日直宿直というような制度はすでに古いところの制度でありまして、そうして又これは習慣的に行われたに過ぎないところの制度であります。こういうような現状におきまして、このような規定が堂々と法案の中に明記されますことは、日直及び宿直というものが、ともするというと義務付けられて、教員本務を離れたところの義務として今後行われるところと根拠を作るというような点で、どうしてもこれを法案に謳うべきものじやないと、こういうふうに考えられるのであります。当然これは労働基準法の施行されました今日におきましては、このような勤務は元來認められるべきものでなくて、これは管理者側が当然そのような、守衛のようなものを雇いまして、学舎を管理して行くというようなことに任ずべきものでありまして、教員が從來の習慣からやつてつた故を以て、その理由を以ちまして、そうしてこれがこのような措置を取られるということは、非常に現在の諸情勢から考えまして、必ずしも妥当な方向とは考えられません。從いまして私としましては日直及宿直という條項が若しできますならば、これはこの法案におきまして削除されて、その代りに超過勤務手当というような、基準法によつて認められておりますところのものを、はつきりとこれに謳うべきである、こういうような意見を有する者であります。今までの條來の例を見ますというと、隨分この日直並びに宿直義務的に行なつて参りましたために、御眞影奉護という建前からしまして、相当な災害の場合、例えば火急の火事の場合なんかに、この御眞影を相抱きまして、火中において何人かの人が犧牲になつて斃れたというような例も相当多いのであります。又大震災におきましても、そのような例が沢山あつたのでありまして、これは教員の非常な過重負担になるという点から、原則的にはすでに過去の一つの形体にしか属さないものであつて、私はこういうような反省からしまして、教員の又裕りのある、そうして十分に準備された、そうして元気を取り戻した形におきまして本務を十分にやるという建前からしましても、このような過重負担教育の実際義務を、教職を完全に果すという義務におきましても、非常にそういうような点から不完全なものがあるというふうに思われますので、そういうようないろいろな情勢から考えまして、私はこの法案に対しまして反対の意思を表明する者であります。
  7. 堀越儀郎

    堀越儀郎君 賛成であります。只今岩間委員が述べられました第二條日直宿直のこの問題でありますが、この條項においては、先ず日直宿直とは如何なるものかということを規定したものではなしに、現在習慣的に実施せられておる日直宿直費の一部を國家が負担するという意味にしか過ぎないものであります。その意味において、この條文は修正する必要はないと思うのであります。ただ岩間委員が言われましたように、慣行上行われているこの日直宿直を、教職員に課することを義務付けないように、將來文部当局としても十分考慮せられて、最も近い機会に、そういうことのないように、はつきりした明文を以て示されるように希望を添えまして、本案賛成をいたします。
  8. 岩本月洲

    岩本月洲君 討論をこれで終結して頂いて、採決に入つて頂きたいと思います。    〔「賛成」「まだ討論もある」と呼ぶ者あり〕
  9. 田中耕太郎

    委員長(田中耕太郎君) 今の動機につきまして、御賛成の……
  10. 岩間正男

    岩間正男君 採決の前に、動議採決の前に、動議に対して意見があります。
  11. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 動機はすでに……動機を出されるのは自由であります。
  12. 岩間正男

    岩間正男君 動機採決されるか、どうかということであります。
  13. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 動機につきまして御諮りいたします。
  14. 岩間正男

    岩間正男君 動機について意見があります。この文教委員会としまして、尚いろいろな討論の自由は御承知の通り委員にあつて、そういう希望が出ておるのでございますから、そういう議論を、これは何も長く時間を取るという意味でありませんで、十分に盡して頂きまして、そうして速記録に明記されまして、そうしてその上で採決に入つて頂くということが、最もこの本委員会の運営を民主的ならしめるものと思います。そういう意見がなければ、このまま採決して下さつて差支えないのでありますけれども、そういう意見の方がいらつしやるようでありますから、その意見を是非取上げて頂いて、又動議の方も御了解を頂きたいと思います。
  15. 岩本月洲

    岩本月洲君 動議者として申上げます。この問題はすでに質問のときからも、論を盡し切つておると私は考えております。只今討論を果そうとする方の議論も、十分にもうすでにこの委員会において盡されておると考えましたので、議事進行立場から採決に入ることの動機を出します。
  16. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) それでは討論打切りにつきましての、先程の動機採決をいたします。打切りに御賛成の方の御起立を願います。    〔起立者多数〕
  17. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 多数と認めます。討論はこれで終結いたしたものと認めます。それではこれから採決に入りたいと存じます。学校教育法及び義務教育費國庫負担法の一部を改正する法律案の可決することに賛成の方の御起立を願います。    〔起立者多数〕
  18. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 起立数多数と認めます。仍て学校教育法及び義務教育費國庫負担法の一部を改正する法律案は、多数を以て可決することに決定をいたしました。尚本会議におきまする委員長口頭報告内容は、本院規則第百四條によりまして、豫め多数意見者の承認を得なければならないことになつております。これは委員長において、本案内容、本委員会における質疑應答の要旨及び表決の解決の結果を報告することとしまして、御承認願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 御異議ないものと認めます。それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出いたしまする報告書につき、多数意見者署名をすることになつておりますから、本法案を可決することに賛成せられました方は、順次御署名をお願いいたします。    〔多数意見者署名
  20. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     田中耕太郎君    理事            松野 喜内君            柏木 庫治君            岩間 正男君    委員            梅津 錦一君            河崎 ナツ君            若木 勝藏君            小野 光洋君            左藤 義詮君            中山 壽彦君            安達 良助君            木内キヤウ君            高良 とみ君            仲子  隆君            安部  定君            岩本 月洲君            梅原 眞隆君            河野 正夫君            堀越 儀郎君            矢野 酉雄君            藤田 芳雄君   政府委員    文部事務官    (学校教育局次    長)      剱木 亨弘