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岩間正男君 どうも劔木次長の今のお言葉は、
文部省の全体の
意思を代表するものとして考えていいのですか。これは重大な問題と私実は聽いておつたのであります。現在の
文部省はそう考えておるというふうに受取
つていいのですか、……いいのでございますね。そういうことを前提としてお伺いいたしますと、どうも
文部省は、実に都合のいいときだけは
國会の決議という
ようなことを言いますが、併し
國会の
意思は実は無視されておる。何故かというと、第一回
國会におきまして、六・三制に関する費用の全額國庫負担という請願書が本院において採択された。そうしてそれは送付されておる筈です。これに対して、この
國会の
意思というものは何ら考慮されていないと実態が今明らかに
なつたわけであります。都合のいいときだけ、そういうときだけは
國会の
意思によ
つて決めると言
つて、都合の悪いときには、これを自分でそれじや選択をするという
ようなことであつたならば、
執行機関としての機能が完全に無視されておるという状態が曝露されておる。そういうことでは、今の
お話というのは根本的に矛盾があると思う。大体あのときの請願の
審議は、我々は小
委員会で扱つたのでありますが、請願の
審議ははつきりしておるのであります。そのとき六・三の建築費だけの問題か、それから
教員の給料までの問題かということが随分討議されたのであります。併しそのときはつきり給料も含めた問題であるというので、我々の意見を開陳した。その
ように同じ
ような、……今の
文部省の述べられた意見の
ような意見が或る
議員からも実は発表があつた。全額負担することはいかんじやないか。併し多くの
議員が殆んど一致した意見としまして、現在の
ような経済状態が確立しない、そうして父兄の生活状態が非常に破局に頻しておる面においては、
教育の
機会均等を確立するためには、全額國庫負担に
政府は努力しなくちやならない、こういう意向の下にこの請願書というものははつきりと決定されまして、本院の本
会議を通過しまして
政府に送付されたものと私ははつきり記憶しているのであります。そういう点からいたしまして、
文部省が若しそういう意向を以て
國会の意向を無視され、
文部省独自の見解であるという
ようなことで発表されるというのならば、これは重大な問題であるのじやないかと思うのであります。こういう点からしまして、これは現在における
文部省の財政獲得の力が足りないなら足りないと率直に言うべきだ。それなら我々もその足りないことによ
つて、六・三の建築予算におきましても、更に
教員予算におきましても、実にこれは
地方財政に多くの負担を負わしておるのであります。で、今
お話の根拠としましたところの
学校教育法が
実施されて、
地方負担という
ようなことが
原則的にや
つて來る。そうして財政の根拠は
地方委員会に仰ぐ
ような形にな
つて來るから、國庫の負担の方向をとることは採らないという
ようなことを言われたのでありますが、それは一つの机上論に過ぎないのでありまして、この
教育委員会法が今ままだ
実施されない。一万人以上、一万人以下並びに特別区におきまして二年延期をされるという
ような
実情に
なつた原因も実はそこにある。財政の裏附がないというところにあるのでありますから、その事実そのものが、現在におきましてどうしても國庫におけるところの全額補助ができなければ、高額な補助をしなければならないという根拠にな
つておるのであります。つまり
地方財政がまだ確立されていない。
只今地方財政委員会の方で非常に
地方財政の確立のために努力しておるけれども、これが又うまく行かなかつたというので、三名の
委員まで辞職しておる情勢がはつきりしている。
原則的に、いつでも
文部省の議論というものは、
原則的なものを机上プランの
ように持
つて來て押附けて、現状を無視するというところに実態が誤られて行く
実情があるのでありまして、そういう点から考えて
文部省は努力をした、その努力の跡が見えて、そして然る後、尚うまく行かないというのなら我々は納得するのでありますが、本院で取上げて、我々が熱心に討議し、決定したものが、その
ように軽軽して扱われておるということは、我我默視することができない状態だと思います。こういう点から今の請願に対する釈明を求めます。