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説明員(
八木次郎君)
只今の御
質問についてお答え申上げます。一番初めて御
質問にな
つた九州の
ミハヘでありますが、これは
植物檢疫とは
関係ありません。明治三十年頃から発生しておりまして、それを一生懸命や
つてお
つたのでありますが、だんだん少く
なつた。ところが
戰時中放置したために、
病害虫の対する
対策或いは
藥剤の欠乏のために、今のような状態になりまして、三年程前から急速に出て來てのであります。
分布地域を殆んど
九州一円に拡が
つております。新らしい
土地、暖かい
土地に対してはまだ拡がる
可能性がありますので、私共としては
嚴重にこれの
調査について至急に
対策を建てようとしております。
それから
内地におる
病菌害虫と同じものが入
つております場合には、どうするかというような御
質問がありましたが、これは生態的の品種なんかありますので、
内地におるから
檢査は要らないというわけには行かないのであります。それで
嚴重に取織をや
つておりますが、
施行規則で、特に重要な
病菌害虫が取つ附いていないだろうと思われるものは、外すようにな
つております。それは前の
施行規則を見て頂けば分りますと思いますが、穀類などについては現在や
つておりません。これも重要なものがありましたか、直ぐ追加する予定であります。
それから特に
外國で
注意すべき
病害虫はどうかというお問に対しまして、現在
日本に入
つて來る
可能性がある、これだけは特別にやらなければいかんというものについては別表で禁止
地域を設けております。改廃に当りましてもこれは変えないつもりでおります。
それから
外國で特に
注意しておる
日本の
病菌、これに対しても常に情報を交換しております。
日本からアメリカへ行きましたジャパニーズ・カンカーとか「まめこがねむし「(ジャパニーズ・ビートル)、こういうようなものに対して向うで特別
要求をしておりますから、これに対しては十分対應する
檢疫を行な
つております筈であります。
それから
バイラスの
対策でありますが、これは昨年度から隔離
圃場というものを設けまして、それで
バイラスの発生する虞れのあるもの、馬鈴薯或いは豆類の特殊なもの、
バイラスが出そうなものについては、
檢疫所で
檢疫を一遍に済ませないで、隔離
圃場へ栽培して、その結果
バイラスが出なかつたら
輸入を認める、こういう
方法を行な
つております。今隔離
圃場は横浜で一ケ所しかまだ
作つておりませんが、経費ができ次第、又外の所へも設置したいと思
つております。
申落しましたが一番初め申されました
植物檢疫機関が弛緩しておつたために、或いは人員、施設がなくな
つておつたために、
戰時中或いは戰後恐るべき
病菌害虫が入
つたのではないかというお思がありますが、現に一、二の例があります。非常に困
つておりますので、そういうものについてもやりたいというので
法律を
改正しようとした大きな原因に
なつたわけです。
これはまだ十分に
対策はと
つておりませんが、アメリカで一番重要な問題にな
つておりました馬鈴薯のリングロット、こういうものは二、三週間程前に
日本に発生したという
報告を受けました。これは北海道であります。馬鈴薯の病害としてアメリカでは一番恐しいものである。G・H・Qの方からも、リングロットが
日本に入るかも知れないから十分に
注意して呉れと向うから警告を貰
つたのであります。
それから一昨年
輸入した豆類に
伴つて「よつもんまめぞうむし」というのが入
つて参りました。名古屋から入
つたのでありますが、そのときには名古屋の
檢疫所に人間がおりませんでしたし、設備もなかつたような
関係で、知らないうちに
食糧用として放出されてしまつた。ところが放出して分配せられた所が廣島から名古屋の間です。これは
植物檢疫官が氣が附いたのは、もうすでに入
つて配給を貰
つてからであつたというようにことであります。もうその他に格別重要なものが今入
つておるとは思いませんので、十分な
注意を促して
嚴重にや
つておりますから御了承願います。