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1948-06-14 第2回国会 参議院 農林委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十三年六月十四日(月曜日) 午後一時三十一分開会 ————————————— 本日の会議に付した事件 ○
農業改良助長法案
(
内閣送付
) —————————————
楠見義男
1
○
委員長
(楠見
義男
君) それでは
只今
から
委員会
を開会いたします。本日は
農業改良助長法案
につきまして
予備審査
をいたしたいと思います。最初に
平野政務次官
から本
法案
の
提案理由
の御
説明
を伺うことにいたします。
平野善治郎
2
○
政府委員
(
平野善治郎
君)
只今委員長
からお話のありました
農業改良助長法案
の
提案理由
を御
説明
申上げます。
食糧
の
増産
を図るために、
農業
に関する
科学的技術
の
発達
及びその
成果
の速かなる
普及
を図ることは、極めて緊要なことでありますので、これが基底をなす
農業
に関する
試驗研究
並びに
技術知識
の
普及交換
に関する
機構
並びに機能を刷新することといたしまして、昨年
來連合軍最高司令部天然資源局
の
積極的助言
と
指導
の下に、種々
研究
を重ね、目下その成案を取進めておる次第であります。
農業
に関する
試驗研究
には一段と力を注ぐ必要がありますが、現在は
國立農業関係試驗場
、
大学
、
專門学校
、
都道
府
縣農業関係試驗場
、その他
民間機関
において行われておりまして、ややもすれば、これら各
機関
における
試驗研究
には、重複反復するものも少くなか
つたの
でありますので、この際これらの各
機関
の
有機的連絡調整
を一段と緊密にいたしますと共に、時勢の
要求
に應じ、
農業
の
発展
に即應して、最も適切な
試驗研究
を
能率
的に進進助長することとし、
一定
の
計画
の下に
研究助長
をいたしたいと思うのであります。又かかる
試驗研究
の結果に基く諸成績の
普及滲透
に関しましても
種々努力
が拂われ、最近におきましては特に
指導農業
を
中心
とする
普及方式
を採用して参りましたが、
農業会解体
後における諸情勢並びに
國家財政等
の点をも
考慮
いたしまして、今般組織的に
普及技術者
を
設置
し、これにより
技術普及
を図るところの
方式
を採用するところの
方式
を採用することになりました。この新
方式
の実施に関しましては、
農林省
並びに
都道
府縣等
が資金その他に面において最も緊密なる協力をいたすことによ
つて所期
の
成果
が発揮できるものと信ずるのであります。 以上申述べました諸
目的
を達成いたしますために、
國庫
の
助成
に関する
法律
を制定する必要があると認めましたので、本法の制定を
提案
することに
なつ
た次第であります。何とぞ
愼重御審議
の
上速
かに御可決あらんことをお願い申上げまして、
提案
の
理由
を御
説明
申上げます。
山添利作
3
○
政府委員
(
山添利作
君)
只今提案理由
の御
説明
がありましたが、それを若干敷衍する
意味
におきまして、差上げておきました
農業改良助長法参考資料
、この中のことにつきまして御
説明
をいたします。 この
農業改良助長法
には、
目的
は
一つ
でありますけれども、
二つ
の
部分
がある、
一つ
は
試驗研究
を
能率
的に且つ
日本農業
の
要求
するような形で行うということが
一つ
、その次には
試驗研究
によ
つて
得られました結果を、有効適切に
農業
の間に
普及
する、こういうことが
一つ
、この
二つ
の
部分
から成
つて
おるわけであります。
法律自体
といたしましては、これはただ
助成法
でありまして、別に珍しいことも何もありません。問題は、それよりもこの
法律
の裏にあ
つて
何を実際やるかということが大切なわけであります。で、その点について第三の
機構
というので、
農林省
(案)と書いて、
機構表
が
一つ
附いてございます。これをお開き願いたいと思うのであります。この
法律
の主たる
目的
でありまする
試驗研究
を
能率
的に進めること、並びに
府縣
における
農業改良
の
普及事業
を推進するための部局といたしまして、
農林省
に
農業改良局
というものが
設置
される予定であります。で、その一番右の方に
農業技術研究部
というのがございます。この
改良局
の中に
技術研究部
と
経済研究部
と、それから
普及部
、この
三つ
の部が置かれるわけでありますが、
試驗研究
につきまして、この
研究部
のところに書いてありますように、
試驗研究
をやるについて
プロジエクト・リーダー
というようなものを
設置
して、稻なら稻、その他の穀類或いは
芋類
、ここに書いてありますような、多分これは十九に分れていると思いますが、それらのことを担任する高級な
專門家
を
設置
する。この
プロジエクト・リーダー
は稻なら稻に関する
試驗研究
の企画、或いは実際行われる
試驗研究方法
の
指導
というようなこと、並びにその結果の取
纒め
ということ一切を担当するのでありまして、これは國の
試驗場
で行われる
試驗
、
府縣
の
試驗場
で行われる
試驗
、又
農林省
が
農林委託金
なり
補助金
なりを支出して行いまする
大学等
におきまする
試驗
、これらのものを一人の人が統一をして、そうして
能率
を挙げて行く。あつちこつちで無統制、或いは無
連絡
にや
つて
おるということでなしに、統一された
計画
で
試驗研究
を進める。重複を省いて最も
能率
のよいものにして行く、こういう
考え
であります。そうしてこの
農業技術研究部
でこのような
プロジエクト・リーダー
を置かれますと共に、そこで
綜合
的に、
日本
の
農業
の
経営
並びに
生産力
の
発展
上、どういうところに主眼を置いて行くかというようなことを
考え
て、
試驗研究
の
能率
を挙げて行こうというわけであります。これは本省における部の組織でありますが、國における
試驗場
はここに並べてありますような、現在でございまするものがあるわけでございますが、これがどういう形になるかということにつきましては、
目下研究
をされておりまして、具体的なことは決ま
つて
おりません。ただ國及び
府縣
を通じまして、固有の
意味
の
農業
並びに
畜産
を一体的に
考え
て行く、
從つて試驗研究
も大体そういうことを
綜合
的に
対象
にして行くという
考え方
でございます。
從つて
府縣
における
農事試驗場
、或いは
畜産
に関する
試驗場
というようなものがございますれば、これは
一つ
の
農業試驗場
という形にいたしまして、
農畜一体
の姿において
研究
をして行く、
從つて
今まで
飼料作物
というようなもの、それは余り取上げられていなかつた嫌いもあるのでございまするが、そういうようなものも十分取上げて行くということに相成るわけでございます。この
試驗場
につきましては、現在非常に沢山あるのでございまするが、
只今
申しますような
能率
を上げて行くという点から見ますると、若干これを整理してもよろしいという
考え方
もございます。そこで全國大体
農業
にはそれぞれ
地帶
があるわけでありまして、
北海道地区
或いは
東北地区
或いは
関東地区
、そういうような
地帶
がそれぞれあるわけでありまするが、そういうようなところを
綜合
的に
考え
て、
試驗研究
の場所を整理をして行こうという
考え方
がございます。これにつきましては、
連合軍
の方の
指導
によりまして、
目下研究
をされておる
段階
でございまして、的確にどういうふうにしたらよろしいという
結論
まで申上げる
段階
には到達いたしておりません。こういうことによりまして、
試驗研究
を
綜合
的に且つ
計画
的に
能率
よく進めて行こう、且つそれは
農畜一体
の姿において、又
北海道
とか九州とかいう地域の
立地條件
に即した
研究
をや
つて
行きたい、こういうアイデアを持
つて
おるのであります。 その次に、
農業経済研究部
というのがございます。その下に現在ございます
農業綜合研究所
も加わるわけでございますが、ここで
経済
的な
事柄
についての
研究
をいたす、
農業
の
技術
だけでなしに、その
経営
というものを
経済面
から取上げて
研究
をする、
両々相俟つて
この
農業
の進め方ということが明らかになると思うのでありますが、この
農業経済研究部
の方で取上げます
項目
は、もとより多岐に亘ることと思いますが、大体
三つ
の
分野
に分けて
考え
ております。第一は
農業経営
を
中心
とするところの普通のいわゆる
経済
的な
調査
であります。第二番目は社会的な
研究
と申しましようか、
農村
における自治でありまするとか、或いは
組合活動
でありまするとか、或いは
衞生
の問題、或いは
栄養改善
の問題というような、社会的な
部面
の
事柄
であります。第三番目は
自然科学
と
経済
との交流した
分野
の
研究——災害
の
研究
でありまするとか、或いは土地の
綜合利用
に関する
研究
でありまするとか、そういうような
三つ
の
事柄
になると思いますが、そういう
研究
を進めて行く筈にな
つて
おります。 それから
普及部
でありますが、これは地方にそれぞれ
機構
があ
つて
、そうしてこの
試驗研究
の結果等を
農民
の間に
傳播
して行く、こういうことになるのであります。これが
機構
に関する
説明
でございます。 その前に書いてございますが、
農業改良助長法関係予算
、
農業
に関する
試驗研究
の
経費
というのが八百万円ばかり上げてございまするが、これは現在
農林省
の
予算
の中で、
試驗研究
の
項目
として載
つて
おるものの
予算
を拾い上げたのであります。こういう
試驗研究
に関する
項目
は、現在はそれぞれの
農政局
なり
主管局
の
予算
に計上されておりまするが、これが
改良局所管
の
予算
になるという
部分
であります。 それから
補助金
につきましても、
府縣
の
試驗場等
でや
つて
おります
事柄
についての
参考資料
、それから
試驗場関係
の
経費
、これが上げてございます。それからBの
農業普及農業
に関する
経費
、法第三章に関する分、五億円ございます。この
予算
は
普及部
に属するのでありまして、その主たる
内容
は、
府縣
に大勢の
技術普及員
を
設置
する、そうして
普及事業
を行うということが、
内容
にな
つて
おるのでございまするが、これにつきましては、
内容
は後程申上げたいと思います。
簡單
に申しますれば、從來は
指導農場
を
中心
にして、この
農業技術
の
発展
と向上を図
つて
行く、又その
普及
に努めて行くという
制度
を採
つて
お
つたの
でございまするが、
指導農場
に関しましては、この四月一ケ月分の
経費
を以ちまして
國庫助成
を打切るということに相成りました。五月以降はここに書いてございまする
予算
で人員を
設置
し、そうして
普及事業
をや
つて
行くということにな
つたの
でございます。この
機構図
を一枚まく
つて
頂きますると、「
協同農業普及事業
に関する
都道
府
縣及びその地区
の
機構
及び
任務
の概要(案)」というのがございます。これが
府縣
における
農業改良普及事業
の骨組と申しまするが、それがやがてやや分り易くと申しまするか、書いてあるのであります。これをお読み頂ければ
簡單
に直ぐ分るのでありまするが、この骨子にな
つて
おりますところを申上げますると、各
府縣
の
地区
をそれぞれ
農業事情
を同じくするところの、
立地條件
をほぼ等しくするところの
地区
に分ける、五ケ所なり七ケ所なり或いは十ケ所程度の同じような
地帶
を取
つて一つ
の
地区
を
設置
する、その
地区
に数名の
技術員
を
設置
する、そうしてその中の一人が
地区責任者
である、他の
技術員
はそれぞれやはり
地区
内の村を一ケ村なり二ケ村なり分担をして受持つ、こういう
考え方
でありまして、その
地区
に三名なり四名なりの
技術者
が
設置
される、
技術員
だけのことを申しますれば、これが
農民
に直接接触いたしまして、
技術普及
に当る人でありまするが、その上に
專門家
を置く、米なら米、
果樹
なる
果樹
、或いはこの
農業改良普及事業
の
対象
は、ひとり狹い
意味
の
農業技術
だけでなしに、
農村生活
の
改善
という
部面
も含んでおります。
從つて栄養
の
改善
でありまするとか何とかいうことも含んでおるわけでありまして、
從つて対象
になる人から申しましても、
農家
の主婦、或いは
少年少女
というものも含まれておるわけでありまして、そういう
家事向き
或いは
青少年教育
ということも併せて行うのであります。そういう
事柄
の
專門家
も
府縣
若しくは
府縣
の更に廣い
地区
を担当する者として
設置
をされる、
府縣廳
にはそれぞれこれらの
仕事
について專門的な
指導
をする人が置かれる、こういう
機構
にな
つて
おります。そこで
府縣
も
將來
は
農業技術普及部
というものを
設置
することが予想されておりまするが、
差当り
の問題といたしましては
経済部
なり、
農林部
の中にこの
仕事
を担当する課なら課、セクシヨンを作るということでありまして、その下に
専門技術者
がおり、
末端
には
地区
の
技術者
がおると、こういう
関係
に相成ります。それから
委員会
が
設置
されるのでありまして、
農業技術普及委員会
という
名前
にな
つて
おります。
地区農業委員会
というのは恐らく
地区農業改良委員会
とでもしたらよいと思います。そういうものを
設置
することは市町村の議会におきまして、適当な人、即ち
本当
の
農民
であ
つて
かようなことに熱心な人を村から一名乃至二名を選ぶ、これは
農民
の数によりまして選ぶわけであります。その
人達
が、
地区
のそういう選ばれた
人達
が
地区委員会
を構成する。その
地区委員会
を構成するところの
委員
は
府縣委員会
の
農業代表
を選挙する。こういう構成にな
つて
おります。この
府縣
の
委員会
、又
地区委員会
はそれぞれこの
農業改良事業
に関する事項の
調査
、或いはそれについてのどういう方策を採つたらよいかというような権限を、アドヴアイスをするわけであります。特にこの重要な
任務
といたしましては、
府縣等
に置かれます
專門家
並びに
地区
に
設置
されます
普及技術員
は、この
委員会
の
選考
による。もとより形の上におきましては
府縣
の
吏員
でありますから、知事さんが任命されるわけでありまするが、実質上はこれらの
委員会
において
選任
をいたして行く、こういうことにな
つて
おります。同時に、同時にじやございませんが
選任
をするのでありまするが、それらの
普及技術員
又
專門技術員
はそれぞれ
一定
の
資格
を
要求
されるのでありまして、それらにつきましては、この
資料
の方に
都道
府縣
の
農業普及技術員
の
資格
及び
任用方法要綱
という
資料
が附けてございます。これも
將來
若干変ることがあるかも知れませんが、とにかく
地区技術員
にいたしますれば、原則として
甲種農学校
を出て三年以上まあ
農業
に関する
試驗研究
、或いは
教育機関
に働いた
経驗
がなくてはいかん。まあこういうような
一定
の
資格要件
があります。この
資格
を持
つた人
が
農林省
の定める基準に基いて
都道
府
縣ごと
に実施する
試驗
に合格しなければいかん。その
合格者
の
名簿
を持
つて
おりまして、その
名簿
に載せられた者からこの
府縣委員会
の方で人を選定して行く、且つさように選定されは人は
身分保障
を受ける。こういうようなことにな
つて
おるわけであります。併しながらこういう
委員会
を
設置
いたしまするとか、或いは
試驗
をいたしまするとかということは、到底本年の間に合いませんので、本年といたしましては、
差当り食糧増産技術員
という
名前
におきまして、
將來
これらの
試驗
に合格するような人を
府縣
の
吏員
として採用をして貰う。即ち
指導農場
で働いてお
つた人
であるとか、或いは
農業会
に働いたお
つた人
であるとか、その他の範囲からそういう人を採用する。そうしてその人はこの
会計年度
中に行われる
試驗
に合格し、且つ
農民
の方の
委員会
の
選考
を経て、正式の
普及技術者
ということに任命せられなければ、來年からはこの
仕事
に從事することができない。こういうことにな
つて
おるのであります。この
食糧増産臨時職員
は合計で六千五百名でありまして、二級官が千五百名、それから三級官が三千五百名、雇員が千五百名ということにな
つて
おります。先程の五億円の
予算
はこれを
中心
とする
経費
でございます。 尚
法律
の方でございまするが、
法律
に書いてありますことの
要点
は、
試驗研究
につきましては
個所数
を七十五ケ所に限定してあり。それから
普及
に関する
経費
につきましては九割を農地の
面積割
並びに
農業
の戸数割で按分で機械的に配付をしてしまう。後の一割はこれは
調整用
に
使つて
もよろしいという規定でありまして、即ち
法律
では
災害
があつたとか、
農業資源
の開発が遅れておるとかいうふうに書いてございまするが、畢竟するところ
農業
の地位から申しますると重要
府縣
であるけれども、いわゆる
財政
上貧弱な
府縣
がございます。さような
府縣
に交付をいたすことになるわけでありまして、この五億円に関する
予算
は本年は、
府縣
は
法律
上特に國の出す
予算
に対して更に附け足しをするということを
要求
されておりません。併し明年からは國が十億円出せば
府縣
は五億円以上出さなければならん。即ち國の出します分の二分の一以上を
府縣
が又負担しなければならん、こういうふうにな
つて
おります。尤もこの
調整用
に使い得るところの一割を交付しまする分につきましては、これは
調整
でありますから
府縣費
の負担は強制ではございません。これが
要点
であろうかと思うのでありまして、結局今までの
指導農業
を
中心
に
考え
ておりまして
制度
はこれを廃止いたしまして、
農業
と
畜産
、
蚕糸
は特性がありますから除きますが、
農業
と
畜産
について、これを一体的なものとして
試驗研究
を
能率
的に、又
日本
の
本当
の
農業
の
要求
に合うような形で
能率
的に行な
つて
行く。これを
農民
に
傳播
をして行く。それについては今のように
段階
的に
機構
を整え、そうして
末端
に相当の知識
経驗
あり、これらの
仕事
に適する性格を持つた
技術者
を
設置
をいたしまして、そうして
農民
の間の
啓発宣傳
をや
つて
行く。同時に又実地のデモンストレーシヨン、新らしい
品種
の
栽培等
を
農家
に
委託
をしてや
つて
見る、こういうような
仕事
をやりまして、
農業発展
のために効果を挙げて行きたい、こういう趣旨でございます。尚いろいろ細かいこともあるのでございますけれども、
試驗研究
の点につきましてはまだいろいろ申上げる
段階
に至
つて
おりません。
普及事業
のことにつきましては、又御
質問
に應じましてお答えいたしたいと思います。
楠見義男
4
○
委員長
(楠見
義男
君) それでは
只今
から質疑に入りたいと思いますから、どうぞ……。
松村眞一郎
5
○
松村眞一郎
君 先ず第一に伺うのは、どういう
意味
で
蚕糸業
はこの中に入
つて
いないのですか。
農業
を
日本
的にということが御
説明
の中にあるとしますと、
日本
の
蚕糸業
を閑却するということは
日本
の
農業
としては余程おかしいじやないかという
感じ
がするのです。それでアメリカからの
指導
ということが
説明
の中にありましたですが、
指導
を受けるという
方面
からは、或いは
蚕糸業
は
日本
の方が独特であるかも存じません。いろいろの御
考慮
もあつたと思いますけれども、特に
蚕糸業
だけを除いた場合に、
食糧農産物
の
関係
もここに生じて來るでありましようし、
工業産物
の
関係
も生じて來ると思います。
綜合
であるならば、
農家
全体について
考え
るのがいいのであり、
農民
の
生活
の
改善
というようなことが、第一條に書いてありますが、これは
蚕糸業
を除いて、
農民
の
生活
の
改善
ということも甚だ如何かというような
感じ
もするのです。殊に
緬羊
のようなものについて
考え
ますると、
農家
の
自家用繊維
がそれから取れるわけであります。そういうところの
関係
はやはり重大な
考慮
をしなければならんのであります。その点について何故
蚕糸業
は、
農業
を
綜合
的に
考え
る場合において除かなければならないかという
理由
を私承わりたいと思います。
山添利作
6
○
政府委員
(
山添利作
君)
松村委員
の御
質問
になりました点は、この
法案
の
立案過程
におきまして、最も問題にされた点であります。成る程
養蚕
と申しましても、これは
農業
の一部であり、等しく
農家
がや
つて
おる
仕事
であります。その
意味
から申せば、この
法律
の
意味
における
農業
の中に入れてもいいのじやないかということが一應
考え
られるのであります。又そうでなければ完全ではないのじやないかという御意見は御尤もであります。併し
蚕糸自体
から見ますと、これはちよつと樣子の
違つた点
があるのでありまして、
一つ
は
試驗研究
の点から見ましても、
蚕糸
の一番氣を付けなければならんとなる点は、何と申しましても、
輸出
が重点でございまするので、
海外
における
需要
、それから來るところの
生糸
の
改良
、そのことは又繭の
改良
、或いは
品種
の
選択改良
ということになると思いますが、どうもそちらの面から來る
要求
を
考慮
して、絶えず
研究
をしなければならん。又同じ
研究
をいたしますについても、
分野
が相当
絹織物等
との
関連
を持つた
方向
において廣く、又何といいますか
研究
をする
機関
におきましても、おのずからそこにいろいろな
方面
の協力的な
研究
が必要であるというような点の
特異性
が
考え
られるのであります。御承知のように、
蚕糸調査会
というものができまして、この蚕種、
生糸
の
改良研究
をや
つて
おるのでありまするが、そういうような
一つ
の
機関
も持
つて
、
綜合
的にや
つて
おるのでありますから、やはりこれは
試驗研究
の
分野
において、一應別にして置いた方がいいのじやないか、こういう
考え方
であります。それから
末端
における、
末端
と言うと語弊がありまするが、
農家
に対する
指導
についても、
蚕糸
におきましては特殊の何と申しますか、施設を
作つて
直接蚕を
飼つて指導
をいたしておるのでありまするが、この單なる人間の
技術者
を
設置
してやる、この仕組みの中には十分当て嵌まらないのじやないか、無論
蚕糸
は
蚕糸
としての設備を持つた独特の
技術者
を
設置
する必要があるが、それから又
製糸業者
との
関連
におきまして、何といいましてもこの
製糸
の方から
要求
して來る
養蚕
の
指導
ということもこれは無視できないのでありまして、やはりそういう
方向
という
事柄
もあるという点からいたしまして、やはりこの際はこの
法律
の中には含めないで、
蚕糸
は
蚕糸
としての
領域
を認めるという形で先ず
出発
をする方が適当ではないか、かような
結論
にな
つたの
であります。
松村眞一郎
7
○
松村眞一郎
君 今のお
考え
は、先ず、というのですから、やはりこれは
考え
得るという前提であるか、どういう
意味
ですか。先ず、というのは後では一緒にするという構想の下に行かれるのか、永久に
蚕糸
は別であるという頭で行かれるのか。どうも
只今
の御
説明
は、
輸出
に
関係
があるということで御議論にな
つて
おりますが、そうしますと、この
農業改良
というのは、
國内消費
のものについてのお
考え
に限
つて
おられますか。
事輸出
に関するならば、それは外であるというような
意味
に
考慮
されるのですが、例えば「はつか」というようなものになりますれば、相当
輸出
されるのでありますが、必ずしも普通の
食糧作物
とは違うのであ
つて
、
工藝作物
を
考え
ると、
輸出なり
や
輸入なり
や或いは
國内生産
なりやというようなことについては
理由
にならんと思います。例えば先程申しました
緬羊
のごときものも、大
部分
は
輸出
されておる。そういうものについてはどうお
考え
にな
つて
おるのですか。
貿易関係
は除外するという
考え
ですか、國内的のものだけを
考慮
して行くという
出発点
でありますか、どうですか。
山添利作
8
○
政府委員
(
山添利作
君) これは國内的なものだけを
考え
るということではありません、
輸出
農産物通じての問題であります。
生糸
の場合、即ち
養蚕
の場合におきましては、
海外
から來るところのその
要求
を特に
考慮
をして、一貫的な、
生糸
のできた製品から……
生糸
、それから繭、蚕の飼い方、
品種
と、かような一貫的な
海外
からの
要求
を反映したところの
研究
と
改良
が行われなければならん、その姿におきまして、相当
独特性
を持
つて
おるので、これはそういうものとしての見地から、一貫した
只今
ございます
蚕糸調査会等
の
研究
を続けて行くということが適切であろう、こういう
結論
であります。 それから
將來
はどうするのかということにつきましては、もとよりこの
法律
は、こういう形で進むのでありますから、
將來一緒
にするという
意味
ではございません。さればとい
つて
、
將來
それではいつまでも離れるというところの
結論
にも來ていないのだと思うのでありまして、これは新らしい
方式
をやるのでありますから、物はやりつつ
改善
して行くということが、私はいいのじやないかと思います。この
法律
もそういう
考え方
を採
つて
おると
考え
ておるのであります。
松村眞一郎
9
○
松村眞一郎
君
生糸
の場合は、大
部分
が
輸出
されるでありましよう。併しやはり
内地需要
のものもあろうと私は
考え
ます。
日本
人はすべて
生糸
は
輸出
するのである、國内には用がないというような
考え方
では、私は了解することはできない。ただ
生糸
については、いろいろな
機関
が別であるから、暫く別にやるというお
考え
であれば、これは
一つ
の
理由
になりましよう。併し特にこれを
輸出
品なるが故に除外するということについては、まだ十分了解いたしません。そういたしますと、
海外
の影響を多分に含んでおる
関係
のものは除外しよう、こういうように了解してよろしうございますか。
山添利作
10
○
政府委員
(
山添利作
君) そういうアイデイア、そういう
考え
といいますよりも、具体的に或る独特の
領域
があ
つて
、それはそれとして
研究
する方が適切であり、現状としてその方が都合がいい、こういうところから來ておるものであります。
羽生三七
11
○羽生三七君
農業
の
能率
的な
発達
や、
農業
における
科学
の
滲透
を図るためにこういう
法案
が出ることは、歓迎すべきことではありますが、一般的な問題について二、三疑義のある点をお伺いして置きたいと思います。 第一番には、ちよつと理屈に亘りますが、二千数百年の昔から、殆んど人糞尿というような
農業
から脱し切れなかつた
日本
が、今日の
段階
において、高度の
農業技術
を必要とすることは、もとより当然でありまして、尤も最近におきましては、脱穀或いは調製等におきましては、やや電化或いはその他
科学
化がされておりますけれども、
日本農業
全般といたしまするならば、恐らく非常な生産費のかかる又
科学
的な
技術
の遅れておる國であろうと思うのであります。こういう場合に私達は飽くまで
日本農業
を高めるために、その
科学
的な
技術
の
滲透
を図らなければならないわけでありますけれども、例えば第三條を見まするというと、農林大臣は、それぞれの
試驗場
における
研究
の
成果
について、その重複や反復を避け、結果の報告の形式を統一して
一つ
の
結論
を見出そうということにな
つて
おるわけであります。併しこれは戰時中にもちよつと聞いたのでありますけれども、或る特殊な
研究
家の
研究
が極めて優れたものであつたというにも拘わらず、それが一般的なものでないというような
理由
で葬り去られたということを私共よく聞いておるのであります。
從つて
私共はたとえそれが全國何十ケ所の
試驗場
の
綜合
的、統一的な
試驗
の結果でなくとも、或る一ケ所、或いは或る特定な個人の
研究
においてすらも、それが極めて重要な
成果
をもたらすものであるということが認定された場合に、それに対して十分な
助成
をする決意がなければならないと思うのであります。これも更に又理屈ぽくなりますが、恐らく原子エネルギーで世界の産業革命が行われようとしておる時代におきまして、非常な高度な、ややもすれば革命的で突飛に見えるような
研究
が一般的性格を持
つて
おらなくても、それ自分非常に高度な
研究
であるならば、それを全面的に取入れなければならないような場合もありますけれども、從來ややもすればそれが一般的、
綜合
的な
成果
をもたらしておらんということによ
つて
葬り去られた事例は、私は相当沢山あると思うのであります。そういう
意味
におきまして私達の期待しておることは、今申上げましたように、一般的でなく、或いはそれが統一的な
成果
を、
結論
を得られなくとも、それが有力な、革命的な
技術
として認定される場合においては、徹底的な
助成
を講じなければいけない。そういう
意味
におきましてこの参考案を見ますというと、
技術
の
普及
等については約五億の
予算
を組んでおりますが、いわゆる
技術
の
研究
費におきましては、僅かにその十分の一に過ぎない。私共はこれも戰爭中のことでありますけれども、
日本
の原子エネルギーの
研究
において、その
大学
の
研究
者がリユツクサツクを背負
つて
芋の買出に行きながら
研究
をや
つて
、逐に倒れたような事例も聞いておりますけれども、いつも
日本
ではそういう純正
技術
の
研究
に対する費用が少な過ぎるのであります。いわゆる行政費には非常な費用を掛けますけれども、
科学
的な
研究
に対しては、極めていつも微々たる
予算
しか出さない。今日行政整理といわれて
予算
節減が叫ばれておるときでありますけれども、恐らく
日本農業
に革命的な
技術
の
発達
がもたらされるならば、数千万や数億の
技術
研究
費の
予算
のごときは物の数ではないと思うのであります。そういうことが殆んど認識されておらない。恐らく又この
成果
の統一というようなことになりましても、一般的な常識的な範囲を出なくて、
日本農業
を革命するようなそういう
方向
へこの
技術
指導
を持
つて
行くということが、又再び置去られるようなことになるのではないかということを杞憂しておるのであります。尚又同じく第三條のうち農林大臣はそれらの
研究
の結果に基いてその最後の
方向
を示すことにな
つて
おりますが、一体農林大臣自体がどういう……例えば行政的な措置はできるでありましようけれども、農林大臣自体が
科学
的な
研究
を持
つて
おる、
研究
の能力をそんなに持
つて
おるわけではないのでありますから、どういう
機関
を通じて最後的な決定をするのであるか、これも我々の疑問とするところであります。尚こういう逐條的のことにつきましては、あとから承わりたいと思いますが、要するに今申上げた点は、一般的形式的な統一が得られない場合においても、たとえそれが一
研究
所、一個人であ
つて
も高度なる
研究
成果
が発表された場合においては、渡林省は敢然としてこれを採用し、且つこれに最大の
助成
を與える意思があるかどうかということを、先ず第一に根本的に承わりたいと思います。それで今の農林大臣の最後の決定を具体的にはどういう
機関
を通じてやるか、尚又前の松村議員の
質問
について同樣な見解を持
つて
おるわけであります。
平野善治郎
12
○
政府委員
(
平野善治郎
君)
只今
羽生議員からいろいろお話がありましたが、
日本
の
農業
が非常に原始的な方法を以て営まれておりまして、今回画期的な
科学
滲透
を來し、そうしてそれによ
つて
この
日本
の生産向上をやらなければならないというようなお説は御尤もだと思います。尚從來においてこの
研究
の結果において一方において立派なものができておつたにも拘わらず、これを國が採用しなかつたという事例があつたということにつきましては、我々もそういうことは今までも耳にしたのでありまして、第三條にあるこの結果報告の形式の統一に囚われて、若しも今後とも偉大なる革命的な立派なものができたときに、これを採用しなかつたり、助長しなかつたりしてはいけないという御意見には全く御同感でありまして、当局といたしましても結局そういうような
考え
は持
つて
おりません。
日本農業
を再建するために最も
科学
的であり、進歩的なものがすつかり分つた場合においては、このものを十分に育成し、
助成
し、そうしてこれを取上げる方針であります。尚農林大臣がこの決定をどういう
機構
で行うかという御
質問
につきましては
農政局
長から御
説明
をいたさせます。
山添利作
13
○
政府委員
(
山添利作
君) これは
参考資料
の図表にありますように、
農林省
に
農業改良局
が
設置
されて、
試驗研究
のことについては
農業技術研究部
、この
機関
が取扱うことにな
つて
おります。
北村一男
14
○北村一男君
試驗研究
につきましては、これは
府縣
の方と
連絡
を取らせるのでありますが、
普及事業
につきましては
委員会
を以てそれに
普及
させるということでありますが、この場合に
農業
協同組合を活用しまして
技術
の
普及
をされてはどうであるか、農林当局の御見解を承わりたいと思います。強いて又こういう
委員会
を作る必要がどうであるか、私はどうも納得しかねるのであります。 それから先程
農政局
長の御
説明
では、
農畜一体
の
綜合
経営
をする建前で、いろいろ
試驗研究
をなさるというような御
説明
があつたと覚えておりますが、然らば
日本
の
將來
の
農業
の
経営
形態について、何かお見通しを以けていらつしやるか、ただ
研究
した結果を
綜合
するつもりであるというのか、予め
経営
形態について見通しを付けて
研究
されるのか、こういう構想がありましたならば、ここに御披瀝願いたいのであります。 それから、これは私まだ
研究
しませんから正確に申上げることはできないのでありますが、この
法案
を見ますると、國で出す半額は
府縣
が負担しなければならんような
意味
合いにな
つて
おると思いますが、この場合において、地方
財政
においてこれだけやはり殖えるのであります。つまり負担が殖えて行くことに相成りますから、そういう場合においてこの
法案
の立案に際しまして、地方
財政
が膨脹する、その措置をどうするかというようなことをお
考え
に
なつ
たかどうか、お
考え
に
なつ
たら、どういうふうにお
考え
に
なつ
たかということを御披瀝を願いたいと思います。
山添利作
15
○
政府委員
(
山添利作
君)
普及事業
について協同組合を利用してはどうかという御意見でございまするが、協同組合は協同、自主的な組合として、それ自身
農業技術
の
改良
ということにも活発なる活動をして頂きたい、そういう
考え
を持
つて
おります。併しながら
制度
そのものと、協同組合とは形式的には直接の
関連
は何らないのでありまして、この
普及事業
は國とそれから
都道
府縣
とが
財政
的に協同をして、そうしてこの
普及事業
を進めて行こう。御承知のように協同組合は從來の農会と磯いまして、任意加入の團体であります。こちらの
普及事業
につきましては、協同組合員のみを
対象
にしてやるとか、或いは協同組合を
対象
にしてやるとかいうことではございません。一般の
農民
を
対象
といたしまして、政府の
仕事
をして
普及事業
をいたすのであります。併しながらその実質において協同組合と非常に連繋を取
つて
仕事
をするのでなければ
仕事
の効果も挙らないし、又実際上できないのであります。
技術
の上においては協同組合とは密接な
関連
を持
つて
、その間に又協力をして
普及事業
を進めて行く、かようなことにいたしたいと思
つて
おるのであります。 それから地方
財政
に関する負担でございまするが、次の年度といたしましては國が出します
普及事業
の半分以上を
府縣
が出すことになります。これは見掛け上から申しますると、それだけ増加を來すではないかということでありますが、実質から申しますると、今までは
指導農場
という形において、これも國が
助成
をしておりますと共に、
府縣
が相当又出しております。その
経費
が落ちてこちらの方に替るわけでありまするので、実質上の
府縣
の負担ということは、旧
制度
とこの
制度
と大差はなかろうと、こういうように
考え
ております。 それから
農畜一体
の
研究
をして行く、それについて
將來
の
農業経営
の構想を持
つて
おるかどうかということでございます。勿論これにつきましては、それぞれ
專門家
の間にも意見がございましよう。我々
農林省
の者といたしましても、漠然としておりまするけれども、それぞれアイデイアは持
つて
おります。併しながらそれらのことを予め決めた形で行くということではないわけであります。ただその
地区
の特性に應じて、こういうような
発展
をしなければならないだろう、こういうようなことに着目をして、その
立地條件
に應じて
研究
が行われ、又それに即するところの
普及事業
が行われなければならん、こういうことであります。現在の
経済
状況では、予定いたしましても、なかなか困難な点もございまするので、
段階
的に、この時期にはこうなり、この次にはああなりということを今
考え
ておるわけでありません。さような
方向
で行きたい、こういうように
考え
ておるのであります。 それから先程羽生さんの御
質問
の中にこういうちつぽけな
試驗研究
の
経費
ということがございましたが、今までの点は実はこの程度でございますが、これはこういう
機構
を作るのについて
試驗研究
費をどうするかというのは、これは來年度
予算
にならないとその全貌が出ないのであります。今年は取敢えず今まであるものをここに取上げておるわけであります。ちよつと珍らしい費用といたしましては、肥料に二百五十万円ございますが、これは理化学
研究
所の仁科博士に重窒素のことの
研究
をお願いしております。今後はこういうことが問題になると思います。
山崎恒
16
○山崎恒君 政府は曾て
指導農場
を
設置
して
日本農業
の
改良
発達
に資しようというような
計画
の下に、過去におきまして相当厖大な
予算
を
計画
し、これも相当進捗してお
つたの
でありますが、半ばにおいてこれを中止しなければならんというような状況に立至
つて
おるのであります。その身代りとして出た
法案
がこの
法案
と解してよろしいかどうか、それが
一つ
の
質問
の点でありますが、尚意見を附加えて多少
質問
を申上げたいと思いますが、大体におきまして今回のこの
法律
の
内容
全般から見まするというと、特にこの
試驗場等
を利用し、或いは
試驗
の結果を蒐集して、それに対する施策を講ずるというようなことも重点にな
つて
おるのでありまするが、現在まで行われたところの
指導
方法に鑑みまするというと、私共はそれによ
つて
日本農業
が特に
発達
助長できるかどうかということに疑問を持つのである。殊に從來は
農業会
等におきましても相当政府とタイアツプいたしまして
技術
陣営を、相当数の
技術
陣営を以て從來この
普及
等をしてお
つたの
でありまするが、すでに
農業会
は解体され、遂に
技術
陣営は破滅の止むなきに至
つて
おるような状態であるのであります。而して今回のこの
法律
によりまして大体
農業会
等の
技術
陣営はこれに吸收されるというような御
説明
であるのでありまするが、
技術
方面
のますます官僚化というようなことに重点を置かれるではなかろうかということが、懸念の
一つ
であります。同時に民間におけるところの
技術
の
指導
というものを今後どういう工合に民主的にこれを
指導
する方法を政府は持
つて
おるかどうかというようなことを、お
考え
がありましたならばお聽かせを願いたい、こう思うのであります。さような点を
考え
ますときに、特に曾て
指導農場
を縣或いは地方の
農業会
或いは
試驗場
三位一体の形におきまして
指導農場
を
設置
して
普及事業
を
計画
し、
普及
しつつあ
つたの
でありまするが、これが中絶した今日、現在
指導農場
が相当数に
設置
されておるのであります。この
指導農場
の利用方法を、如何に政府は利用されるか、この
指導農場
を
中心
として
計画
したところのものを如何に政府は利用するかという点、この点につきましては、相当地方各縣とも、費用を投じ、或いは寄附金等を募集しまして、設備も着々整えておつたというような状態にあるのでありますが、そうした利用方法等について、今後の
計画
、見通しというような点についてお聽かせ願いたいと思うのであります。以上
三つ
の点についてお伺いいたします。
平野善治郎
17
○
政府委員
(
平野善治郎
君) 今山崎
委員
からのお尋ねの点でありますが、
指導農業
の身代りのつもりでこの
法案
を出したかどうかということにつきましては、当局といたしましては
指導農場
が現
段階
において閉鎖をするのは止むを得ないということで作りましたのでございまして、この
法案
は又それと切離しまして、
日本農業
の
科学
的な
將來
の
指導
のために是非必要であるという
考え方
から立案しまして、御審議を願
つて
おる次第であります。尚今までの
農業
の
指導
方法においては不十分なものがあつたという御説でありまするが、私共もこの点は十分でなかつたということは認める者であります。
從つて
今後の
指導
におきまして、特にこの
法案
が実施されるときにおいて官僚化されて行くことが懸念されるという点でございまして、この御例念は御尤もなことだと思います。我々といたしましても、こういう
指導
が民主的に非常に下から盛り上つた、或いは横の
連絡
がスムースに行くような
機構
にして、
農民
と常に相喜んで協力ができるような組織にいたしたいつもりでありまして、これに
関係
するところの人に対して趣旨を徹底させたい、こういうふうに
考え
ておる次第であります。尚
指導農場
の今後のいろいろな利用、或いは活用についてどういうふうな対策を持
つて
おるかという点でございますが、折角あれまでに育成したものでございまするし、又
將來
とも
農業
の
改良
、或いは
指導
の上について、いい
意味
においてますますこれを活用するという精神には変りはないのでございまするが、目下これに対してはいろいろな事情が各
指導農場
によ
つて
異
つて
おる点もありますので、この個々の事情を取
纒め
ておりまして、近い中にその
方向
を決めまして、御発表申上げたいと存じております。
岡村文四郎
18
○岡村文四郎君 この
法案
は、或る面を見ますると非常にいいものだとも
考え
ますが、又或る面を見ますると非常に因つた点があると
考え
ます。そこでまだ
末端
のことまで議が纒ま
つて
おらんことでありまして、未熟であるようでありますから、余りに堀下げてお尋ねしても駄目でありますが、とにかく山崎
委員
のおつしやるような
日本
の事情でありまするが、ここに
法律
案として出ておりますものを見ますると、
科学
的に非常に高度の
指導
をしようという意図が多分に含まれております。そこで一應
資料
を見ますると、六千五百人ほど要る人間が
食糧
事務所の人間をそのままぴつたりと持
つて
行
つて
充てようかというようなふうにも見えます。そうでないかも知れませんが、数学の上から見ますとぴつたり合
つて
おります。私は
食糧
事務所の人員を調ベておりますが、それとぴつたり合
つて
おります。ところがあんな人間では何年経つたら一体ここにあるような高度の
指導
ができるかということなんであります。私はこの前にいろいろなものを見た時分に、非常なむずかしい
指導
なんで、一体この案に盛られておる、最高司令部の方で
指導
をしておるような
指導
者が現在のところでは
日本
には一人もいまい。恐らくないだろう。そういう
感じ
を持
つて
おります。大変結構なことで、これはそこまでやり得ればや
つて
もいいのでありますが、
農業
の
指導
というものは非常にむずかしいものであり、
考え
ようによれば
簡單
ではありますが、百姓と
一つ
心にな
つて
指導
をする
指導
員でなければ、絶対に現在の
日本
の原始的
農業
の
指導
はできんて言わなければならないのであります。そこで、
科学
的
指導
はこれは別でありますが、私の方で物理化学を應用する
農業
をや
つて
貰わなければ駄目だというので、三年掛かりにな
つて
物理化学の
研究
を應用して、
農業
研究
をいたしております。大体成功したものもありますが、本はシベリヤの麦の蒔き方を見て、
北海道
の帶廣であの麦の蒔き方をすることも
研究
して見たのであります。ところがこれは全然工合が違
つて
おるので、シベリヤの土地の凍り方と
北海道
の帶廣とは違いますので、これは不成功に終つた。他の方法によ
つて
研究
をして成功しました。又
北海道
の雪が非常に深いのでありますが、この雪の解かし方をどうすれば一体早く融けるかというのも成功いたしたのでありますが、これは
科学
者がやるのでありまして、百姓とがつちり手を組んでやるのでありますから、それでいいのでありますが、今までの
日本
の
農業
の
指導
者は、ここに挙げておられますような、何だか役人であるような、ないような、それから百姓と一緒に行けそうにも見えれば、とてもむずかしいとも
考え
られるようなものでは、余程議を練
つて
よろしくや
つて
貰わんと、私らはこれは非常に
経費
を掛けて
日本
の現在には効果は非常に少いのじやないか。それから養成所はどれだけの金を掛けて、どれだけの人員を養成すると思
つて
おられるかをお聽きしたい。それから
農業
協同組合の
指導
者と、別にこれはそうして行かんということにもな
つて
おらんようでありますが、又お互いにや
つて
行かんけりやならんのでありますが、現在の
指導農場
が非常に多額な
経費
を掛けて設備をして、そうして一年か一年半で駄目だということにな
つて
、その受持つた町村は国の
予算
が非常に少くて、段々
経済
が膨張して大きな迷惑を被
つて
や
つて
おりますのでありますが、それでも止むを得ないからや
つて
行きたいという個所もあるようであります。そこで協同組合でも、御承知のように
農家
個々が負担をして、協同組合としての
指導
者を養い、或いは養成をして行かなければならんのでありますが、この負担も、これは半分は地方の負担として持
つて
行くことになりますと、非常に過重な負担をすることになりはせんか。全部國が負担するということになれば、國民全体が負担をするのでありますから、これは又そこにゆとりもありましようが、そうでなくして、各市町村ではどうして一体協同組合の
技術者
が
指導
するその
経費
を見出そうかというので、非常に熱心に
考え
ておるようでありますが、これは負担金による以外に途がないということもはつきりいたしておりますので、その負担金たるや恐らく相当の負担金を取らなければ満足な
農業
の
指導
はできない実情にあります。そこへ持
つて
行
つて
又地方の負担が掛かりますと、非常な迷惑になり過重にな
つて
、堪えられぬようになりはせんかという疑義を持
つて
おります。その点どういうお
考え
か、お答えを願いたいと思います。
平野善治郎
19
○
政府委員
(
平野善治郎
君)
只今
の岡村
委員
のお尋ねでありますが、
日本
の
農業改良
指導
のために
二つ
の大きな……
一つ
は物理化学的な、
科学
者のような
分野
で以て
研究
を積まれること、もう
一つ
は
指導
の面におきまして、百姓と一体となりまして、
指導
をする面との両方を強化して、そうしてそれが適切に運用できるようにというお話でございまして、誠に御説には同感でございます。私共といたしましても、今回のこの
法案
を作成いたしまして御審議を願う趣旨もそこにございますので、
只今
まで行われなかつたようないろいろな物理的な化学的な
農業
の
改良
につきましては、こういう方々の
研究
を非常に期待し、これを育成して行きたい。一方において、実際の
農家
と密接に
連絡
をいたしまして、
指導
育成するのにつきましては、努めて民主的な氣持から
農家
の氣持と同じになりまして、その得たところの高度な
技術
、或いはその時に應ずるところの最善の方法を速かに
普及
したいと、こういう
考え
でおるのであります。 尚その
農家
の
指導
に当るところの人の数が
食糧
事務所の人員の数と同じであるから、その者は兼務ではなかろうかというようなお尋ねのように承わりましたが、これは全然別なのでございまして、その点御了承を願いたいと思います。 尚
指導農場
を今後どういうふうにこれを活用して行くかという御意見に対しましては、先程山崎さんのお尋ねにお答え申し上げました通り、個々のいろいろな
関係
がございますので、今それを取調べておりますので、早急にこれが活用について成案を得てお発表申上げたいと存ずるのであります。 尚
指導
者の育成の点でございますが、この所管につきましては、後程具体的なものを
農政局
長から
説明
をさせますが、地方
財政
のいろいろな負担、或いは協同組合が自分の
技術者
養成と、或いはこの
意味
の
指導
者との過重負担になるではないかというお話でありますが、この
法案
にある養成者がよく協同組合と……、協同組合は自発的なものでございますから、その自発的な組合のや
つて
おる一
指導
者とよく連繋をいたしまして、そつちの方のこの
指導
者が力を貸すことができますから、この
法案
ができまして、
指導
者が養成されて、それが
農家
或いは協同組合と密接な
連絡
が行く場合においては、却て協同組合の方の御負担には過重にならない、こういうふうに
只今
のところ
考え
ております次第であります。
木下源吾
20
○木下源吾君 それではお伺いしますが、この
法案
は
農業
一般に対する
農民
の
生活
の
改善
とか、或いは実用的な
農民
の幸福のためにというので
技術
的に限定されておるようでもないけれども、併しながら
提案理由
の
説明
によれば、
技術
方面
に重点が置かれておるように見えるのであります。そこで今日の
農業
によるところの
農民
の幸福、或いは
食糧
の
増産
等もいろいろ問題がある。それはもう御案内の通りであろうと思うのでありますが、土地改革のために一挙にして
農民
は商品生産という立場に置かれて参
つて
おるのでありますが、この商品生産と同時に、又他面には供出という制約された
制度
があるのでありまして、この商品生産と供出というような相矛盾せる問題を解決するためには、又それを解決することなくしては、
農民
の幸福は増大しないし、
増産
もしないと、こう私は
考え
ておるのでありますが、これを解決するためには、私はこれは論議の必要なく、要するに共同生産へ或いは共同
経営
にというような
方向
のみが、今後この矛盾を解決して、より
農業
の生産も増大し、
農民
の幸福も増すものなりと、こう
考え
ておるのであります。果して然らば
技術
の
指導
であろうと、何であろうと、かような線に副うての準備が整うておらなければいけないのではないか。そういう体制が整わなければいかんのではないか。根本的にいうならば土地改革をももう一歩進めなければいかんと私は思うのでありますが、現在の面だけにおいても土地のいわゆる分合等は当然これは施策として共同生産の面において行わなければならない。又共同生産の実を挙げんためには
綜合
的な
農業
を営むような体制を整えなければならない。例えば開墾に対しても從来のような單なる
農業
耕作者じやなくして、有畜、立体的な
農業
という
方向
が取られなければ共同生産ということの実は挙らんとこう
考え
るのであります。そこで
技術
の
指導
と言いますけれども、政府は單に在來の小農的な、在來の零細農的な
技術
面のみを
指導
するということにこれは
考え
ておられるのかどうか。それならばまあ別に問題はありませんけれども、
本当
に
農民
の幸福、
食糧
の
増産
、作物の
増産
を
考え
るならば、私は今申上げるような
方向
こそが正しく認識されて、こういう
法案
が立案されなければならんと、こう
考え
るのであります。
法案
の中を見まするというと、
連合軍
の施策によ
つて
というようなことが書いてありますので、これは我々この面から見れば一も二もなくこれは〇・Kなんですが、ただ政府は今日何か
一つ
のものを示唆されるというと、その面にばかり跡を追
つて
、全体というものへさつぱり創意工夫を凝らすという努力がないのではないか、こういうように
考え
られるのであります。若しもそういうような努力がおありになるならば、眞にこの
法案
の
目的
を達するために、
農民
の福祉、或いは
食糧
増産
のために、現在のままの
農民
の態勢では、そういう態勢では到底次への
段階
に
発展
することができないのだということは明瞭だと思うのであります。でありますから私のお尋ねしようとするのは
只今
申上げた
内容
からして、共同生産なり、或いは共同
経営
に、又今後の開拓等においても、そういう線において
農業
を進めて行くという條件を、この
技術
指導
の外にそういうことを準備しておられるのかどうかと、いうことをお尋ねしたいのであります。で若しそれを準備しておるとするならば、その精神に基いてこの
法案
が作られたのかどうか、こういうことをお尋ねしたいのでありまして、勿論そういうお
考え
もあるでありましようけれども、現われた点だけにおいてはそういうところに対する努力と熱意が非常に欠けておるようだ。これは今日の
農業
一般問題に対する根本的な問題に対しても非常に理解がなさ過ぎるように
考え
られるので、この機会に
一つ
あなた方の内部で御
研究
、或いはやろうとしておられる努力があるならばお示しを願いたい、かように
考え
るのであります。
平野善治郎
21
○
政府委員
(
平野善治郎
君)
只今
木下議員から御熱心なる御発言がございましたが、
農家
の
將來
の仕方につきましていろいろお話を承わりました。
日本
の
農家
を
只今
の費地改革で小さい仕組にいたしまして、これを
將來
農業
の立派な
発達
なり、或いは公共の福祉を増大することはできないのじやないかという御
説明
は御尤もだと思います。併しながら
只今
のところ土地の分合にいたしましても、或いは共同生産、共同施設、誠にこれは望ましいことでありまして、私共もかかることが速かに自発的なる意図の下に行われることを非常に希望して、その線に副うて
指導
は怠
つて
おらないつもりであります。尚開墾の立体的なこと、有畜費業を入れよというようなことにつきましても、その線に副うて
指導
を進めておる次第であります。ただ政府といたしましてしつかりした……どういうような方法で、どういうふうにするかという、そういう規則を
作つて
進めておるかということになりますと、
只今
まだ十分とは申上げかねるような状態でありまするが、できるだけ私共は家の諸君が、木下さんの仰せになるようなことを自発的にいろいろ
考え
る、或いはそういうふうに行くことを希望しまして、その線に副
つて
指導
を怠らないつもりであります。尚本
法案
が決して今までのような小農、零細農になるようなことを基礎にして、その
普及
徹底を図るというような
考え
は毛頭ございませんことを御了承願いたいと思います。
楠見義男
22
○
委員長
(楠見
義男
君) ちよつと申上げます。
委員長
としては大変恐縮でございますが、二時から始ま
つて
おる予定にな
つて
おります
予算
委員会
の方に速記を割愛することにな
つて
おりましたので、少し延びることにな
つて
おりますので、以後速記はございませんが、引続いて御審議を願いたいと思いますから、その点御了承を願いたいと存じます。速記は止めて下さい。 午後二時五十一分速記中止 —————・————— 午後三時二十四分速記開始
楠見義男
23
○
委員長
(楠見
義男
君) それでは速記を始めて下さい。本日はこの程度にて散会いたします。 午後三時二十五分散会 出席者は左の通り
委員長
楠見
義男
君 理事 羽生 三七君
委員
木下 源吾君 北村 一男君 柴田 政次君 平沼彌太郎君 小杉 繁安君 石川 準吉君 宇都宮 登君 岡村文四郎君 河井 彌八君 島村 軍次君 寺尾 博君
松村眞一郎
君 山崎 恒雄君 池田 恒雄君
政府委員
農林政務次官
平野善治郎
君 農林事務官 (
農政局
長) 山添 利作君