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1948-05-27 第2回国会 参議院 農林委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年五月二十七日(木曜日)    午前十時三十九分開會   —————————————   本日の會議に付した事件 ○農地開發營團の行う農地開發事業を  政府において引き繼いだ場合の措置  に關する法律の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それでは只今から委員會開會いたします。本日は前囘に引続きまして、農地開發營團の行う農地開発事業政府において引き繼いだ場合の措置に關する法律の一部を改正する法律案議題といたします。大體前囘で質疑の重要なものは終了したと思いますが、尚殘つておる質疑につきましては、この際やつて頂き、それが濟みますれば、本日この法案の採決に入りたいと思いますので、そういうふうにお運び願いたいと思います。  それから尚この採決が濟みましたあとで、一應委員會を閉じて、懇談會形式で、最近農業協同組合の問題について、御承知のようにいろいろ關係方面との折衝その他復雜な問題がございますので、後程これらの問題を中心にして御懇談を願いたいと思つております。農林省からも協同組合部長が見えておりますので、この點豫め御報告申上げて置きます。  それではこれから審議に入ります。
  3. 北村一男

    北村一男君 この三條の、「政令の定めるところにより、農林省職員を増置することができる。」と、こういうことを書いてございまするが、實は決算委員會におきまして、政令官廳職員の増置をするというようなことを認めることは、まだ國家行政組織法が進んでありませんが、今の豫備審査的の間におきましても、政令に委ねるということについて非常な論議があります。それでこの政令というのはどういうことでありますか、それを伺いたいと思うのであります。
  4. 伊藤佐

    政府委員伊藤佐君) 只今お尋ねでございますが、本來から申しますると、現在これは法律によらないで政令でできるのであります。併しながら、形式上ではございますけれども、人を殖やすことになりまするので、法律にして議會の御協贊を經た方が適當ではないかと、こういう意味合で出したものでありまして、現在の法制上から申しますと、これは政令でできることになつております。
  5. 北村一男

    北村一男君 私は、その現在の法律で、政令でできるか否かということでなしに、それは今局長の御意見ですが、今はできるが、大體今申上げた行政組織法のときにも去年の勞働省の設置の場合におきましても、それから前の政務次官設置の問題に對しましても、やはり政令でさようなことをやることがよろしくないというような意見が、壓倒的に多かつたという空氣を御紹介申したわけでありまするが、そういう精神からいたしまして、只今できるということで御提案になつたと思いますが、この政令内容を伺いたい、こういことなのでございます。
  6. 平野善治郎

    政府委員平野善治郎君) 今の北村委員の御質問でございまするが、農林當局といたしましては、政令でやるということが今できますけれども、併しながら國會の御意思を非常に尊重いたしまして、この法律案を出したわけであります。本來ならば、行政組織法ができてからこれを行うことが適當でありまするけれども、只今この措置開拓事業圓滑にするために非常に急ぎますので、この法律として御審議を願つておる次第であります。  その政令内容につきましては、現在嘱託として、實際臨時職員として使つておりまするところの人々を、農林事務官として總計九百二十八人、事務官では農林專任の人が、一級が一人、二級においては五十八人、農林技官の方では、專任の二級の人が二百六十五人、あとは三級事務官竝びに抜官として任用したい、こういう内容であります。
  7. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 ちよつとお尋ねしたいと思います。今日年度別開墾實績を御配付になりまして、よく数字は分つておりますが、大開墾というのは機械開墾のことだろうと思います。小開墾というのは各自入植者のやつたことだろうと思いますが、國營事業を現在より規模を大きくして大々的におやりになるような御計畫か、現在の營團から引受けた程度のものを維持する程度でおやりになるのか、一應伺いたいと思います。
  8. 伊藤佐

    政府委員伊藤佐君) 只今お尋ねの大開墾と申しますのは、これは一團地の面積が五十町歩以上の所を指しております。それから小開墾と申しますのは、五十町歩以下でありまして、國營でやつておるものが大開墾、或いはそれ以外のものは小開墾という區別ではございません。從いまして、大開墾の中には、府縣でやつて參りましたもの「或いは町村でやつて參りましたもの、或いは農業會でやつて參りましたもの、こういうふうなものがいろいろ混つております。  それから第二番目のお尋ねの點は、我々といたしまして田、今後はできるだけ、國營でやる開墾は、非常に地區が大きいとか、或いは又技術的に非常に困難であるとか、又そういうような地區は非常に資材資金を要するのでありますが、そういつたような地區でありまして、國が直接見た方が能率が上るというふうな所に限つてつております。現在の營團から引き繼ぎました五百數十地區も、これはできる限り都道府縣の方に移管いたしまして、從いまして今後人間も機會あるごとにそちらの方へ移管したい、こういうふうに考えております。
  9. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 大開墾、小開墾はお話の通りだと思いますが、實は私は本來未開墾の五十町歩以下纒まつた所は國家でやるべきであるというような考えを、元々持つておる者でありますが、それはなぜそういうことを考えるかと申しますると、開墾事業は、常に申上げまするように、非常に困難であり、今入植させる方々は經驗のない方が非常に多いので、満洲から歸られた方は別でありまするが、そうでないと、非常に無駄も多いし、又入植の工合が悪いから、そうすることが一番よいと思つておりまするが、なかなかそういうわけには豫算關係から參りませんので、現在やりつつあるような形式でやつてつたのでありますが、例えば北海道で、企業家開墾と申しますか、會社その他がやつておりまして、一時それが全部中止になつてあすこ機械が隨分澤山あつて、今度連合軍に見付けられて、非常にお叱りを蒙むつて、それを直して使うことになつてやらしておるようでありますが、私は、地方費にそういう豫算がなければこれはなかなかむずかしいことで、機械を直すその修繕料として、貸し賃を取つて、そうして修繕をして貸すようなことになつておるようでありますが、これは豫算關係でどうなるか分りませんが、貸し賃を取つて貸すのも結構でありますし、それをあながち悪いとは申上げませんが、もう少し折角機械を据えてあすこに放つて置くわけには參りません。國の方でなんとか手を打つてそれを有利に使い得るように地方廳に指示してやることがいいのではないか、御承知通りトラクターその他のものはどこでも使えるものではありません。北海道は樹林が非常に多い、ので非常に傷む、そして直ぐその場に修繕工場がありませんので、非常に澤山修繕しなければならん機械が遊んでおるというようなことがあります。出來得るならば前申しましたように、本省の方で豫算をお取りになつて、何らかの形でこの機械を十分に修繕をして使うことを地方廳に命じて、その經費を貸し賃を取るという形でなくして行くことの方が、成績が上りはしないかということを考えておりますが、その點についてお飼いいたします。  それから表を見ますと、割合に現在の離脱者は少いようであります。一%八九ということで、私共考えておりましたものから考えますと、一割餘りというような成績を見ております。そこで問題は離脱をする人間に貸したところの金は、元々私は国家が助成する積りで貸すものでありますから、決して取れない金が出ても不思議に思つておりません。これは當然だと考えますが、何とか無理に防ぎ止めるわけには參りませんか。要するに助成をして、そして離脱者の出ないように食い止めるという方法と、それから國が金を出す以上は、その金は十分こういうことがあり得るという積りでおられなければいかんと思います。現在一割八歩九厘に對して貸與して取れなくなつた金は、一體なんぼあるのか分りましたらお答え願います。
  10. 伊藤佐

    政府委員伊藤佐君) 最初のお尋ねは、北海道機械が相當遊んでおる。それを連合軍に見付けられて修理して貸せと言われたという點でございますが、これは御承知通り相當今機械餘力がございます。連合軍から貸せというのは、連合軍が何らか特殊の目的を以て貸せと命じておるのでありまして、現在この點につきまして折衝しておりますが、我々の方といたしましては、北海道開拓に必要な最少限度は是非とも確保する。そうして尚餘力があれば、かなりこれは餘力があると思いますが、その分はお貸してよろしい、こういう方針を散つております。それから賃貸料のことでありますが、これは昨年までは實は無料で貸しておりました。併し無料で貸すということにつきましてはいろいろ利害得失がございます。それで今年度からはこれは非常に安い賃貸料でございますが、耐用年數も相當長く見まして、普通の賃貸料の二分の一乃至三分の一程度にいたして貸す。それで一方その貸し賃開懇費の中に込めておりますので、結局出す、入らずということになります。但し使つておりまする際に必要のありました修繕費開拓の方で出す。修繕料も出さないということになると極めて無責任の行き方になります。その點は修繕はして貰う。但し使用料は一方で開懇費の中に見込で、プラス、マイナスなしという形にしております。  それから最後に離脱者の點でございますが、この離脱者の計數につきましては、實はまだ私の方で、各縣のものを全部調べたものがございません。この點につきましては何れ調べまして何らかの方策を講ぜんければならんと思つておりますが、現在までのところは比較的昭和二十年或いは二十一年度に入つた人が多いのでありまして、二十年度のものに對しましては、當初貸付の制度がございませんでした。從いまして計數的にはまだ分りませんが、現在までに實際貸付を受けてそうして離脱した人というものは、割合に少いのじやないかというふうに思つております。
  11. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 外に御質疑ございませんか。
  12. 北村一男

    北村一男君 私前囘にも開懇反省期に入つているのじやないかというお尋ねをいたしまして、開拓局長も或る程度これを是認なされたかのように承知いたしております。そこで重ねて申上げますが、地方におきましてはいわゆる農地委員會の許可による小開懇によつて、これはいろいろの觀方がございまするが、或る觀方をすれば山林獲得運動、又或る觀方をすれば非常な行過ぎた開懇ということになりまして、非常な弊害を起しておりますることは、先般林業委員懇談會において、殆んど全國的にそういう陳情がなされている事實を以ても、證據立てることはできると思います。そこで開局局といたされましては、先程も私、局長ちよつとお願い申したのでありますが、でき得る限り早くこの弊害の多い地方を調査なされて、これを是正する。それからこれも先刻委員長の御經験を承わつたのでありまするが、農林省の省令とか通牒とかいうものは、今少しく權威あらしめるような特段の措置を講じて頂きたい。こういうことを希望いたしまして本案に賛成するものでございます。
  13. 平野善治郎

    政府委員平野善治郎君) 只今北村委員からの御意見御尤もな點が多いのでございまして、開拓が行過ぎを呈しまして、山林獲得運動或いはその他の非常に本來の目的に反するような形を呈していることにつきましては、御趣旨に副うよう早急に調査をいたしまして適當措置を講じたいと存じます。尚又農林省令地方參透徹底につきましては、更に一段と留意をいたしまして御趣旨に副いたいと思つております。
  14. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 大體御質疑も終了したようでございますから、これから討論に入りたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)御意見もないようでございますから、直ちにこれから農地開發營團の行う農地開發事業政府において引き續いだ場合の措置に關する法律の一部を改正する法律案、本件を議題といたしまして採決に入りたいと思います。本案に御賛成の方の起立をお願いいたします。    〔総員起立
  15. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 全會一致で可決せられました。尚例によりましてこれを本會議委員長口頭報告に當りましての内容その他については、前囘及び本日の質疑應答の大要を披露いたしたいと存じますので、お任せ頂きたいと思います。それから後で多數意見者と言いますか、例の署名をお願いいたしますから、これもどうぞよろしくお願いたします。    〔多數意見者署名
  16. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それでは委員會はこれで散會いたします。    午前十時五十九分散會  出席者は左の通り。    委員長     楠見 義男君    理事      羽生 三七君    委員            木下 源吾君            太田 敏兄君            門田 定藏君            北村 一男君            柴田 政次君            西山 龜七君            石川 準吉君            宇都宮 登君            岡村文四郎君            河井 彌八君            寺尾  博君            徳川 宗敬君            藤野 繁雄君            松村眞一郎君            山崎  恒君            廣瀬與兵衞君   政府委員    農林政務次官  平野善治郎君    農林事務官    (開拓局長)  伊藤  佐君