運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1948-07-02 第2回国会 参議院 通信委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年七月二日(金曜日)    午後二時八分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電信電話料金案内閣提出衆議院  送付) ○郵便法等の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 深水六郎

    委員長深水六郎君) それでは只今から通信委員会を開きます。
  3. 千葉信

    千葉信君 御提案いたします。当委員会に対しても提案がございまして、昨日大体採択ということに決定いたしました郵便年金簡易保險積立金運用再開に関する請願がございましたが、その請願の趣旨に從つて、私共は大体通信省におけるこれの再開ということを希望いたした次第でございますが、一應これを政府送付する場合に、これと附帶いたしまして、当委員会決議として、できるだけ早い機会に、これの実現を要望したいということについての当委員会決議を行いたい、かように存ずる次第でございます。それからもう一つは、郵便年金郵便貯金の第二封鎖打切の問題が当面の問題として出ておりますが、これに対しまして、当委員会としては、できるだけ第二封鎖打切をやらないということについての決議案を、当委員会として政府にお願いいたしたい、かように存じまして提案をいたす次第でございます。
  4. 深水六郎

    委員長深水六郎君) 只今千葉君から動議が出ました積立金再会に関する決議と、それから貯金年金の第二封鎖の解除についての決議についてお諮りいたしますが、今日の日程には載せてありませんけれども、この両問題を議題に供することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 深水六郎

    委員長深水六郎君) 御異議ないと認めます。この決議を作りましても、これは委員会として外部に表示するというわけにも法律上参りませんので、ここで作りましたのは、通信委員会としては、こういう決議をしたのであるというのを参考までに大藏省逓信省に送ることになりますが、そういうふうにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 深水六郎

    委員長深水六郎君) 御異議ないと認めます。それではこの通信再開と第二封鎖の問題に関する決議の文章については、委員長理事にお委せ願えませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 深水六郎

    委員長深水六郎君) それでは御異議ないと認めます。それではそういうふうに、別途委員長理事において起案いたしまして、又御報告申上げます。それからちよつと御報告申上げますが、ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  8. 深水六郎

    委員長深水六郎君) 速記を始めて下さい。それでは郵便法等の一部を改正する法律案及び電信電話料金法案議題といたします。質疑のある方は御発言を願います。
  9. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 数字について尚一つ質疑して置きたいのですが、先般この委員会に配布されました資料及び政府当局からの説明によりますと、大体逓信事業では、昨年度において六万人近くの予算上の定員につきまして節約又は保留、差止をやつた、そうして結局において四十二万五千という数字從業員の数がなるという御説明があつたように記憶するのであります。ところが本院の予算委員会に配布されました、これは大藏省から配布されたものと思われます資料によりますと、これは各月別に数字が出ておつたのであります。そうして今日それを初めて見たのでありますが、本年度におきまして結局四十四万幾らという数字になつておりますが、それは何か数字の食い違いがあるのでしようか、その事実を御説明願いたい。
  10. 大野勝三

    政府委員大野勝三君) 只今お尋ねになりました点は、恐らく大藏省の方から提出されました資料は、損益勘定のみでなく、建設勘定人間も併せて計上されたものと考えます。直接料金関係のありますのは、御承知の通り損益勘定人間でございますので、当通信委員会において御説明申して参りましたのは、常に損益勘定人間を対象に御説明申上げて來ましたので、そういう関係で御指摘のような若干の相違が出て來たのだろうと考えます。
  11. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 分りました。
  12. 深水六郎

    委員長深水六郎君) 外に御質疑の方はありませんか……。ちよつと政府委員に伺いますが、この値上によつて増收確保年度内、或いは平年はどれ程になるのでしようか、又年度内收支予定はどういうふうになつておりますか。
  13. 大野勝三

    政府委員大野勝三君) 年度内收支の見込は、結論的に申しますと、損益勘定におきまして結局六十億二千六百万円の赤字となりますので、この六十億二千六百万円を一般会計から繰入れて頂くことになるわけでございます。これまで御説明申上げておりましたのは、繰入額が五十億ということに申上げておつたのでございますが、その後施行期日ズレ及び運賃その他の関係で、本法案を七月十日施行ということに仮定いたしまして計算をいたしました場合には、只今申上げましたような六十億、一千六百万円という赤字、即ち繰入れになるのでございます。この法案が成立いたしましたといたしまして、今年度の増收額は凡そ百八十九億前後であつたと考えます。
  14. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 鉄道運賃が変更になりましたが、それによつて逓信省管内経費節約ということも当然起つて來ると思います。これについてはどの程度になつておりますか、又郵便車などの借料などにも相当影響があると思いますが、これはどういうふうになつておりますか、御説明を願いたいと思います。
  15. 大野勝三

    政府委員大野勝三君) ちよつと資料を取寄せてから申上げます。
  16. 深水六郎

    委員長深水六郎君) 資料を取寄せてから御返答があるそうですから……
  17. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 はい。
  18. 深水六郎

    委員長深水六郎君) その間に外の御質疑の方がございましたら……。政府委員ちよつとお伺いしますが、この法律は七月十日から施行するということになつておりますが、郵便爲替法或いは振替貯金法が二十六日に公布されて、この効力が発生するのは二十日過ぎということになつておりますが、その間に効力関係ズレがあるんですが、そういう点はどういうふうにお考えになつておるのですか。
  19. 大野勝三

    政府委員大野勝三君) 御指摘の場合におきましては、当該の関係法律効力を発生いたしたときまでは、事実上において、この法案のそれに該当する條項が眠つておるような形になろうかと考えます。
  20. 深水六郎

    委員長深水六郎君) ちよつと冒頭に申し忘れましたが、この両法案施行期日は七月十日に修正議決されて來ておりますから、その点御承知願います。  外に御質疑の方はありませんか。別に……
  21. 大野勝三

    政府委員大野勝三君) 先程の油井委員からの御質疑でありますが、実はちよつと計算が細かくなりまして、正確にお答えいたし兼ねるのでございますが、大体を申上げますと、鉄道運賃関係影響を受けます部分は、主として通信事業におきましては、物件費集配逓送費関係でございますが、この集配逓送費が、運賃の三倍半値上、そうして予定通り六月十五日施行といたします場合に、総額におきまして二十五億余りでございました。これが七月十日施行と仮定いたしますれば、二十五日ズレて参りますので、その日にちのズレだけのものが軽減される勘定になるわけでございます。そういつた運賃施行期日ズレ、それから旅客運賃の倍率の訂正その他を考え合せまして、結局通信会計といたしましては、五十億の赤字が六十億二千六百万円ということに相成つた次第でございます。不十分でございますが、この程度でお答えをいたさせて頂きたいと思います。
  22. 深水六郎

    委員長深水六郎君) 外に御質問はございませんか。別に御質疑がなければ、討論に入りたいと思いますが、如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 深水六郎

    委員長深水六郎君) それではこれから討論に入りますが、この電信電話料金法案及び郵便法等の一部を改正する法律案を一括して討論することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 深水六郎

    委員長深水六郎君) 御異議ないと認めます。それでは両法案併せて討論に入ることにいたします。御意見のある方は、賛否を明かにしてお述べを願いたいと思います。
  25. 千葉信

    千葉信君 私はこの法案反対をいたします。その理由といたしましては、通信事業は、一般会計から特別会計に改変されました当時に、それ以來一年に八千万円という巨額の歳入を常に一般会計に繰入れて、甚大なる寄與をいたして参りました。而も現在の状態は、極端な戰災を受けまして、その復興もまだ完全でない状態でございます時に、この独立採算制を強行するということが、そもそも私は反対なのでございまして、今度の通信料金の値上が、その戰災復興等に対して、大衆負担において行われようとしているということについて、それから又もう一つは、インフレをますます助長するものであるという立場から、私はこの法案反対を表明いたします。
  26. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 民主党といたしましては、この法案改正について賛意を表するものであります。只今千葉委員からお話がありましたが、独立採算制という建前で行くと言つても、先程政府委員から説明があつたように、六十億余の巨額赤字を出す。その赤字補填には、いずれ國民一般所得税或いはその他の負担によつて賄われるということになる見解からいたしまして、当然これは或る程度の値上ということは止むを得ないと思われるのであります。又戰前におきまして、相当の黒字を一般会計寄與したというようなお話もありますが、戰後における現在の日本状態からいたしましては、あらゆる部面において赤字続出というような形になつておるのであります。ひとり通信会計だけが独立採算制を離れて、國民負担によるところの一般会計補填をこの際荷つてはならないというような説に対しては、我々同意することはできないのであります。当然これは或る程度改正は止むを得ないと存じまして、賛意を表する次第であります。
  27. 大島定吉

    大島定吉君 民主自由党は、本案原案反対の意を表するのであります。その理由につきましては、千葉さんよりお話しがありました通り、今回の大幅値上は國民の声を無視したばかりでなく、官業独占立場からいたしましても、極下位にあつて、他の物資の高騰を抑制すべき性質のものであると同時に、一面大衆課税インフレ助長の一助ともなる、かように考えます。併しながら現下の財政上考えまするときに、私はこれが修正として、全般において二倍半の値上を認めまして、本原案には反対の意を表する者であります。
  28. 大野幸一

    大野幸一君 同僚社会党議員千葉君が反対の意思を表せられたために、私も同じ社会党員として、私も同調のように誤解されてはいかんから申上げて置きます。私は本案に対して賛意を表します。それは心ならずも賛意を表するのでありまして、民主党代表者賛意とは異なつております。独立採算制が当然とは考えられません。大衆負担になる結果であるということも承知しております。併しながら現下押詰つたこの日本において、予算一環をなすところの、総予算一環をなすところの本予算は、與党三派において協定せられたものであります。そういう意味におきましても四倍というの重いようでありまするが、まあ今回に限つて我々は落涙の結果、本予算を通過せしめる誠意より、ここに賛意を表する次第であります。
  29. 水橋藤作

    水橋藤作君 私もこの法案には反対の意を表するのであります。只今まで千葉君及び民主党委員の言われた方面と違つた立場からの反対の意を表するのであります。それは四倍の値上によつて増收を図れないという私は見解を持つておるのであります。現在の郵便料金の値上に、今日でもすでに便利屋相当営業しておる現実なのでありまして、それに今回四倍も上げるとするならば、郵便の或いは爲替、或いは電報、これは延いては通信事業の大きな破壊を來たすのじやないか、かように考えるのであります。それと、もう一つは先だつて公聽会をやりまして、賛成の人がいないんであります。殆んどが反対なんであります。我々は委員会を持つたのは、何故委員会を持つたか。皆さん大衆の声を十分聽き、そしてそれを採入れて、そうしてこの予算に対して、値上に対して相当我々は資料にし、又その公聽会皆さんの希望を十分汲入れなければならんと、かように考えております。そういう意味からと、それから通信事業破壊である。段々と便利屋が殖えて、そうして、百円の電報爲替を送るのに百円切手を貼る、或いは雑誌を買うのに、雑誌より以上の切手を貼らなければならない。一貫目郵便物を持つて大阪まで行くとするならば正当の收入になる。而も帰りに又品物を持つて來る。大きな会社が盛んにこれを行なうようなことになるんじやないか。延いてはそういう意味から通信事業の大きな破壊を來たす。而も減收になる。決して増收にならんこういう見通しを持つのであります。が故に、四倍等の大きな値上は反対するのであります。
  30. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 私はこの両案に対しまして賛成の意を表します。もとよりかかる法案に規定されておりますような急激なる料金引上は、これは賛意を表するわけには行かないのであります。この急激なる料金引上が、一般物價に対しましても非常に大きな影響を及ぼすことにつきましては、十分に戒心しなければならないと考えるのであります。併しながら一面この両案を否決することによりまして、受ける影響、特に通信事業におきまして財源がなくして、復興或いは拡張の施設が殆んど不可能になり、又從業員に対するいろいろの施設も、これによつて不可能になるということを考えますると、現下の一般的な経済情勢から判断いたしまして、これは積極的に賛意を表するわけに行かないのでありますか、今申上げましたような意味におきまして、この際はこれは賛成せざるを得ないというような考であります。縷々政府からの説明によりまして、逓信事業におきましては、昨年度におきましても、相当事業合理化乃至事業増收について施策を講ぜられまして、これに対しましては十分ではありませんが、若干のその間誠意を認め得ると思うのでありますが、併しこれを以て我々は満足するものではないのでありまして、今後政府におきましては、経費が足りなくなれば直ちに料金引上で糊塗すればいいというような、安易感に捉われることなくして、もつと積極的に事業合理化及び増收の途を図られまして、今後は十分通信事業が、政府の意図するような物價の軌道に早く乘ることを企画せられるように希望いたしまして、この案に賛成するものであります。
  31. 深水六郎

    委員長深水六郎君) 外に御意見ありませんか……。別に御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めて、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 深水六郎

    委員長深水六郎君) それじや御異議ないと認めます。  それではこれから採決に入ります。郵便法等の一部を改正する法律案、及び電信電話料金法案を一括して議題に供します。両案共原案通り可決することに御賛成の方の御起立を題います。    〔起立者多数〕
  33. 深水六郎

    委員長深水六郎君) 起立多数と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。尚本会議における委員長口頭報告内容は、本院規則第百四條によつて、予め多数意見者の承認を経なければならんことになつておりますが、これは委員長において、本法案内容委員会における質疑應答要旨討論要旨及び表決の結果を報告することとして、御承認願うことに御異議ありませんか。    〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
  34. 深水六郎

    委員長深水六郎君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書には、多数意見者署名を付することになつておりますから、本案を可とする方は順序次署名を願います。    〔多数意見者署名
  35. 深水六郎

    委員長深水六郎君) 御署名洩れはございませんか……、ないと認めます。本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     深水 六郎君    理事      水橋 藤作君    委員            大野 幸一君            鈴木 清一君            千葉  信君            大島 定吉君            重宗 雄三君            鈴木 順一君            油井賢太郎君            井上なつゑ君            尾崎 行輝君            新谷寅三郎君            鈴木 直人君            堀越 儀郎君            藤田 芳雄君   國務大臣    逓 信 大 臣 冨吉 榮二君   政府委員    逓信政務次官  五坪 茂雄君    逓信政務次官  下條 恭兵君    逓信事務官    (総務局長)  大野 勝三君    逓信事務官    (郵務局長)  小笠原光壽君    逓信事務官    (電務局長)  中山 次郎君