○
尾形六郎兵衞君 我が國の
水産業は世界に冠たる大
産業でありまするが、そういう大きい
産業であります場合に十分に発展ができなかつたという原因がさまざまありますけれども、特に
行政部門においてその大きい
仕事を負担する上に甚だその規模が小さい、その性質を異にせる
農林省の中に
水産局が隷属しておる。これが根本的な
一つの誤まりじやないかと、こういうことを言われておつたのであります。我々も
選挙へ出ましたときから
水産業の
政治力獲得ということを目指してや
つて來たわけでありまするが、漸くにしまして今回
水産廰の設置、
農林省の
外廓團体として
水産廰ができるということは非常に喜ばしいこととこう思
つております。現在は
行政整理の最中なのでありまして、思う程の大きいものにはならないのでありますけれども、とにかく
農林省の中に外局としてそういう
機構ができるということは、非常に
業界のために喜ぶべきものだと、こう思
つております。この際これを主宰する
長官というものは極めて重要なものであります。今までのように何回も
局長が変るとか、或いは
繊維局長をした人が
水産局長に
なつたり、常に素人が役所の都合のために
局長の椅子に坐るというようなことになりますと
仕事がうまくいかん。どうしましても私が
水産業の大勢に通じ、又それに対する経綸、抱負も十分ある、且ついい意味における
政治力を多分に持つた
民間人をこの
長官に登庸して貰いたいという熱烈なる
希望を持
つております。この参議院の
水産常任委員会におきましても、相成るべくは
各位の
賛成を得まして、それを
委員長から
一つ政府に通告して貰いたい、こういうことをお諮りしたいと思います。
第二点は、先般
水産廰設置の問題で
芦田総理と面会したのであります。その時にこういう新らしい
機構を持つということも
國民の
輿論であると同時に、
行政整理をせよというのも
國民の
輿論であると、ここに
二つの
喰違つた要望があるんだがこれを如何にして解決すべきかということを
芦田総理が
我我に言われたのであります。私共思いますのに、今
政府の
出先官廰を
整理するということは、非常な
地方の熱望でありまして、先般東北の各知事が集つな折には、各
参衆両院の
議員に向
つてこの
要望を傳えなければならない、或る
新聞のごときはこれに
賛成しない人はこの次の
選挙において援助しないというようなことの記事が見えます。私はそういう
空氣に恐れをなすものではありません。ありませんが。現在の各縣にあります
資材調整事務所というものが、実は
政府の
一つの有力なる
地方出先機関でありますので、これがなくとも
十分仕事ができる。や
つておりますことを見ますると、全然
水産に知識のない人が多く集
つておる。そうして民主主義的なやり方だというわけであります。業者を集めて
資材をどうして分けるかということをお互いに相談しようというようなことをや
つております。ああいうことならば、今までの各縣の
水産課で十分できる。敢えてああいう
出先機関を設ける必要は私はなかろうと確信します。でありますから、この際
芦田総理の言に見るごとく、何か
整理せいという
お話でもあるし、又我々もこの際
一つの
資材調整事務所というものは必要なかろう、むしろ各縣の
水産課にあの
仕事をさせて、若し人員が少なかつたならば、その
方面で充実してやることができるということを確信しておりますので、この件につきましても
各位にお諮りをした上で、
各位の御
賛成を得まして、これも
政府に進言して貰いたい。この
二つの件につきまして
一つ委員長からお諮りをお願いしたい、こう思います。