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1948-05-25 第2回国会 参議院 水産委員会 第6号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十三年五月二十五日(火曜日) 午前十時三十七分
開會
————————————— 本日の會議に付した
事件
○
水産物増産對策
に關する
漁業事業税
に關する件 —————————————
木下辰雄
1
○
委員長
(
木下辰雄
君)
只今
から
水産委員會
を
開會
いたします。今日の議題は
水産物増産對策
に關する調査につきまして、そのうちで最近問題にな
つて
おります
漁業事業税
に關する件について御討議願います。
青山正一
2
○
青山正一
君 本日の
委員會
の席上におきまして、こういうことを提言いたしたいと思います。
只今委員長
から申述べられました
原始産業税
である
税金
の問題についてであります。この提言は「
水産委員會今事業税説定
に相對する。」、
理由
を申上げます。この
理由
は先般の
委員會
の席上におきましても申上げた次第でありますが、
御存じ
のごとく、
漁業者
とい
うものは
戰爭中徴用
とか或いは戰災によりまして、
漁船
とか
漁具
その他いろいろな施設は殆んど失
つて
しまい、被害の大きなことはいろいろな
産業
中類例がないのであります。その上、
政府
の
補償金
及び
保險金
は悉くこれを妥結せられまして、その
再建復興
に當りまして、
復興金庫
とかその他の
金融機關
の援助を仰いで、辛うじて
漁船漁具
の調達をして、最近漸く
復興
の緒についているのであります。その
漁業經營
とい
うものは、
資材難
と
公定價格
による全
漁獲物
の
供出
によ
つて殆
んど利潤を生ずる餘地のない
赤字經營
であります。又精神的にも、安本からの
見え
ない非常な壓力
とい
うものが加えられまして、殆んど二進も三進も動けない
状態
にあるのであります。
漁業
は從來から
漁業税
とか、或は
特別漁業税
、
船舶税
、同
取得税
、
船税
、同
取得税
とい
うような幾多の重税、悪税に及んで來たのでありますが、最近
御存じ
のごとき苛酷極まる
所得税
を課せられたために、
經營
を抛棄する者すら
續出せん
とする傾向にあるのでありまして、この上新たにこの
事業税
を課さんとするがごときことは、今後の
漁業
の存立を否定せんとするものであります。で、この
原始産業税
である
漁業税
とい
うものを
絶對
に課さないように
一つ
お願いする
意味合
におきまして、この
提案
をいたしたのであります。以上
理由
を申述べます。
木下辰雄
3
○
委員長
(
木下辰雄
君)
只今青山
君から、
水産委員會
は
事業税
の
設定
に反對する
とい
う発議がありました。そうして
縷々提案
の
理由
を述べられましたが、これに對する
皆様
の御
意見
をお伺いしたいと思います。
千田正
4
○
千田正
君
只今青山委員
からの御
提案
至極御尤もと存じまするが、先般
農林大臣
の
説明
によります
とい
うと、
農業關係
における
事業税
とするところのものは、その
對象
とするものとしましては米、麥、豆の
主食
に對して
事業税
を賦課し、
果實
或いは蔬菜に對して
事業税
を課する、こういうアイデイアの下にこの
事業税
の
實施
を
圖ろう
としている
政府
の
意向
のように見受けられますが、
只今水産全般
に對しての反對を
我我
がやるか。或いは
配給統制
に對するところの特殊なるものに對しては
事業税賦課完全撤廢
を要求し、自由なるところの
方面
に對してはそれは當然課せられるべきものとして見られるべきか、この二つの問題がここに提起されるべきものと思いますので、この點十分なる御
審議
を願いたいと思います。
江熊哲翁
5
○
江熊哲翁
君
只今千田議員
から
農業方面
の
課税
問題と対比した
意味
において御
意見
がありましたですが、これは私は本
委員會
においても先日來二度ばかり、この
事業税
に對しては全面的な反對
意見
を申述べておりますので、
皆様
よく
御存じ
だと思いますが、本
委員會
においては、この悪税である
漁業
の方の
事業税
、殊に最近の
事業實態
は御承知のように
赤字續
きであります。この上この
事業税
を創設する
とい
うことは、支もこの
事業税
の
性格たる
や必らずやひどい苛斂誅求に陷るに相違ない
とい
うことが豫測されるのでありまして、本
委員會
としましては、全面的に
事業税
の創設に反對する
とい
うふうに決定して頂きたいと私うわけであります。その
意味
において、
事業税
反對の
意見
を開陳した次第であります。
木下辰雄
6
○
委員長
(
木下辰雄
君) 外にありませんか。
丹羽五郎
7
○
丹羽五郎
君
只今青山
君が提議しました
漁業事業税
に對することでありますが、私はこの
漁業
とい
うものは、
一般
國民
に非常に儲かるように考えられておる。實は
農業
と
漁業
との
生産高
の比を取
つた比較表
を見ましたが、
昭和
十五年の例でありましたが、
農業
におきましては、
病蟲害或い
は風水害
とい
うようないろいろな
自然的發生
において減産をしましても、七七%の收穫を得てお
つたの
であります。
漁業
に至りましては、殆んど
昭和
十五年は四五%の收穫率である
とい
うところを見ましても、如何に
漁業
は
一般農業
から見て行くならば
生産
が非常な
危險
な仕事であるか
とい
うことが、明らかに
統計
においてもしばしば出ておるので、この
理由
に基きまして、
かく
のごとき
漁業
に向
つて
又ここに
事業税
を賦課して行くならば、私は日本の
漁業
は壞滅をするものであろうと、かように考えまするので、今の
青山
君の提議に對して、私はこの
事業税
に對しては
絶對
に反對をして、我が国の健全なる
港業
の發達をさせる
とい
うことに
政府
は留意をして
貰ひたい
、かように考えております。
矢野酉雄
8
○
矢野酉雄
君
水産常任委員會
の
構成メンバー
を見ます
とい
うと、その中には、みずからその
水産業
に當
つて
非常な經驗の豊富の方もありますし、或いは
水産行政
に長年御盡力に
なつ
た方もありますし、みずから
漁業そのもの
に從事しなくても、いろいろな
業界
の樞要な役員として立
つて
おられる方もあると思います。そういうような
立場
からの主張は、最もそれぞれの
事業
の
眞實性
とい
うものを掴んで、そうして妥當な當然の要求
とい
うものがそこに必然的に現われるものでありますが、一面においては得てして我田引水最
所論
に流れることなきにしもあらずであります。私は純然たる
第三者的地位
に立つ者で、
年來日本
の
水産教育
の緊要なることを主張して來た一人でありますが、その公平無私な
第三者
的の
立場
からこの
漁業事業税
の問題を深く
祖國
の
現状
から大觀して見ますときに、これを課するが是か、或いはこれを全面的に否定するが是か
とい
うことを勘案いたしますれば、今
丹羽議員
もおつしや
つた
ごとく、
主食生産
に當
つて
おる
農業
とい
うものと、その
蛋白源
の
補給
の唯一なる
水産業
とい
うものは、これは正に車の兩輪の機能を發揮すべきものであ
つて
、
農業
においても
天候
その他の自然の制約を受けること大でありますけれども、これには
生命
の
危險
とい
うことは殆んどないのであります。同じその
國民榮養
の主たる
供給源
に立つ
生産業
において、一方
水産業
は、過般の或いは
鹿兒島
に起
つた
突風事件
のごとき、或いは
長崎地方
における
突風事件
のごとき、その他
年々歳々不慮
の自然の脅威によ
つて生命
を失い、乃至はその
生命
に次ぐ
漁船
、
漁業資材
を流失して、想像に絶するような莫大な損害を一瞬のうちに受ける
とい
うことは、これはしばしばであります。その
生命線
を侵されながらも、我が
祖國
の
現状
を大いに痛感して、そうして奮鬪して
祖國建設
に努めておるのが、私は我が
國水産業界
の
諸君
であると思うのであります。然るに一方
農業
に從事しておる者に對しては、
農業事業税
を全面的に課さない
とい
う
政府
は
根本的方針
を持しながら、片一方においては、それに劣らざる
主食補給
の資源を
生産
する
水産業
は、
生命
の
危險
に曝らされておる
とい
うこの
條件
に置かれておりながら、これに對してのみ
事業税
を課する
とい
うことは、どうしても
第三者
的公正なる
立場
から見ても、
國家
は
絶對
に公正なる
課税
の
原則
に準據していない
とい
うことに、私は税制の
根本的一つ
の
理念
とい
う
立場
から考えて反對せざるを得ないのであります。その
根本的原則
とい
うものに立
つて
、各種各樣の
專門的立場
から私はこの
事業税
とい
うものを否定する相當の
理由
があると思いますけれども、その點は各
委員諸君
の
專門的
御
研究
に俟つこと
とい
たしまして、私は
根本的原則論
として、
國家
が、
政府
がこの
漁業事業税
とい
うものを課することは不當なり
とい
う結論を主張する次第であります。
大畠農夫雄
9
○
大畠農夫雄
君 私も前
議員
の申されたように、
事業税
に對しては反對の意を表したい。特に全面的に反對したい、こういうふうに考える者であります。もともと
國民
の
納税義務そのもの
を拒否するのではありませんけれども、少くとも
納税
をするに當りましては、
國民
に對して公平なる
納税
せさせなければならん。にも拘わらず、特に
水産業者
に對しましては、如何にも他の
業者
に比較しまして非常に過重であります。これでは
國民
のいわゆる
納税
の
義務
の
公平觀
を失う。誠に現在までの
水産業
に對する
課税
においても
かく
の
通り
であります。例えば
特別漁業税
或いは
漁業權税
、
船舶税
又は
舟税
、
かく
のごとき
税金
が掛か
つて
いる外に、
一般業者
と同じように又更に
一般
の
税金
が掛か
つて
來るのであります。こういう點から考えますと、先ずこの点におきましても、すでにもはや
水産業者
に對しては
課税
をする餘裕を持たないにも拘わらず、この上更に今囘
政府
が目論んでおります新たなる
事業税
を課する
とい
うことにつきましては、特に
水産業
にのみ
ひとり税金
を過重過ぎる程掛ける、こういう結果になりまして、
納税賦課
の衡平
とい
うことを
失つて來
るのであります。ましてや
水産業
は、今日の
天候
によりましては明日の
漁獲
を豫想できない、こうい
つた
不確定なる財源に對しまして、それが國の歳入の源をなす
とい
うことにつきましては、
事業税
を課するその
根本
の
根據或い
は
理念
とい
うものを甚だ疑わざるを得ないのであります。現在の
工業
或いは
農業方面
から見ましても、若しも
水産業者
が船を持つ、
水産漁獲
の
目的
のために船を持つ、そのために
船舶税
或いは
舟税
として
税金
を課する
とい
うならば、
工業
におきましても物を
生産
する
目的
のために
機械
を買う、その
機械
に對し、或いは
農業者
が
農業生産
のために
機械
を買う、その
機械
に對しても
當然税金
を課さなければならんのであります。
工業者
のその
機械
とい
うようなものは、到底
船舶
或いは小さい舟
とい
うようなものに匹敵するような小さい
價格
のものではないのであります。又特に
國家
的に見ますれば、大きな
資材
を擁しておりますこういうものがありましても、
工業者
或いはその他
農業者
に對しましては何らの
税金
が掛けてない。ただ
水産業者
においてのみ船を持つから
船舶税
、
舟税
を掛ける
とい
うに
至つて
は、誠にその課するところの
根據
を掴むことができないのであります。現在の
水産業界
から見ましても、或いは世間でいうがごとくに、非常に
水産業者
は
收入
がある、
利益
がある、こういうふうに思われているかも知らんのでありますが、それは大きなる誤解でありまして、
水産局
におきまして簡單に
統計
を取りまして、その
收支
を見たときには、
底曳網漁業
におきましても、一艘について三
萬圓
とい
う缺損を生ずる
とい
うことを明らかに證明しているのであります。こういうふうに證明しておるその
水産業
に對しまして、尚
事業税
を課する
とい
うことになりますると、結局
政府
は何でもかんでも理窟を拔きにして取るのだ、こういう筆法で進む
とい
うことになりまして、結局これは
健全財政
を破壊するものである
とい
わなければならんのであります。
水産業者
が今かような
状態
にある、
借金
をして、尚且つその上に
借金
をしなければ
漁業
の繼續ができない
とい
う矢先に、どうしても
政府
はこの
水産業者
から取るとするならば、これは正に
水産漁獲
の減少、
減收
を目論むと同時に、インフレを助長して
國民生活
を必ず危殆に瀕させる政策に外ならないのであります。そういうことを考えるときに、先ず
政府
としましては特に
水産業者
のみを狙わずに、我々から申すならば、今申しましたように、
工業者
におきましても莫大な
利益
がある、而もその
利益
を擧げておる
工業者
が持
つて
おる
機械
についても何らの
税金
を課さず、或いは
山林業者
におきましても、年々勞せずして何億圓
とい
う大きな金が入
つて
来るその
樹大
に對しましても何らの
税金
も課さない。こういうふうな點を考えるときに、
ひとり水産業者
のみそう重い
税金
を計せられる
理由
はない。又
課税
すベきところの
根據
を
政府
は特に持つ
とい
うことは、甚だ私は
水産業
にとりましては、誠に酷であ
つて
、而もそれが一方に遍した
税金
である
とい
うことは、私が申さなくとも
國民
を齊しく分ることであろと思うのであります。こういう點から考えましたときに、どうしても今
囘事業性税
は小
産業
に對しましては全くの悪生である。
國民生活
から申しましても、特にこの税を課する
とい
うことは
國民生活
に大きな影響を來すのでありますがために、
絶對
に
水産業
に對しましてはこの税を課さない。こういうふうに私はいたしたいと存ずるのであります。こういう
意味
におきまして全然に
水産業
に對しまして
事業税
を課する
とい
うことは反對の意を表します。
千田正
10
○
千田正
君 先程から各
委員
の
事業
反對
とい
う御論に對しては私も全面的に賛成でありますが、先程私が申しましたのは、
農業
においては、
主食
に對する
事業税
の問題に對して
農林省
が米、麥、芋に對しては掛けない
とい
うふうような
方針
で進むようである
とい
うのに對して、
水産委員會
としてどういうふうに反対するか權威付けるものについての愼重なる御
審議
をお願いしたのでありますが、これは大分皆反對である
とい
うことは
皆さん
の御
意向
で十分分るのでありますが、反對の
理由
とするためには、少くともパーセンテーヂを擧げて……悪税である
とい
うことを證明するだけの
具體的
な
數字
を擧げて、これは反對す
ベきもの
であると私は信ずるのであります。
とい
うことは少くとも
水産委員會
は相當の權威付けられた
委員會
であるが故に、
政府
に對してこの
事業税
を反對する以上、は
政府
を納得させる、或いは反對の
理由
を明かにするだけの各
方面
との比較したところの、
水産事業税
は悪税である
とい
う
具體的
な
理由
を附してこれは反對すベきであると思いますので、
皆さん
の反
對理由
に對しては全面的に賛成しますが、特に差し加えまして
具體的方面
におけるところの
研究
を附して、この反對をされんことを要望する次第であります。
尾形六郎兵衞
11
○
尾形六郎兵衞
君
漁業
の
事業税
の問題につきましてはいろいろと御議論がありまするが、
原則論
としまして各
議員
の申される
通り
にこれは反對すベきだと思います。併し
千田
君がおつしやることも非常に御尤な點でありまして、先般の
委員會
におきましても
野溝國務相
が來まして、
縷々あれこれ
と
漁業税
を、結局
漁業
の
事業税
を掛けなければならない
とい
う
説明
をしております。それで單に我々が
水産常任委員會
で
漁業事業税
は悪税であるから反對だ、こういうことを言いましても、果してこれが通るか通らないか、この
實際
の効果を狙う
方法
が我が
委員會
は立てるベきであります。その
意味
におきまして
千田委員
の御
意見
は非常に私は御尤もだと思う。昨日配付になりました
漁業
に關する
地方税とい印刷物
で、
水産局企畫室
の作
つた
ものを見ますると、
農林省
におきましては、これに對して
修正意見
を持
つて
おる。その
修正意見
の(イ)は「
原始産業
の對しては純
所得税
とし、
外形標準主義
をとらぬこと。」、(ロ)「
供出代金
を
課税對象
より除外すること。」、こういうような
條項
を附けておりますが、今
千田議員
の申されるごとく、幸いここに
專門委員
も
おいで
でありまするので、
具體的
に現在の
漁業經營
の
實體
を明確に
一つ
書いたものを提出する、或いは
實效
を狙いまして、つまり
方法
によ
つて
はこの程度で止むを得ない
とい
うようなことで
一つ案
を練
つて
見たらどうか。單にここに反對論をしましても、
政府當局
がこれを
實施
する
意向
でありまする以上は、ここの
委員會
の決議
とい
いまするか、
意見
を活かすことは容易であるまいと思う。その
方法
を
一つ適當
に立てられるように私は希望したいと思います。
矢野酉雄
12
○
矢野酉雄
君
ちよ
つと質問したいが、
尾形
君、そうすると、君のはどういう
意味
ですか。
修正意見
ですか、それをはつきりして下
とい
。
千田
君の御
意見
は、これに
理由
は、もう
理論的理由
は明記するようにされたから、ここに
數字
なら
數字
の上から理窟附けをせよ
とい
う
意見
であ
つた
と僕は拜聽したのですが、
尾形
君の
意見
は
千田
君と
根本
的に違う。
修正意見
なら
修正意見
についての
所論
を述べて貰いたいと思います。
尾形六郎兵衞
13
○
尾形六郎兵衞
君 私は農林握の
水産局企畫室
で出しまして
一つ
の
修正案
をここに讀み上げて參考にしたい。
矢野酉雄
14
○
矢野酉雄
君 だとすれば、
尾形
君は
農林省
のそういう
説明
だけで、
根本
的の趣旨はどうする、
事業税そのもの
に對して……。
尾形六郎兵衞
15
○
尾形六郎兵衞
君
根本
的に現在の
漁業
は、私も
實際
や
つて
おりまするが、
實際
において
利益
は得ていない。非常に
景氣
がいいようでありまなけれども、殆んど
利益
を得ておりません。これは「
まぐろ
」
漁船
におきましても、
機船底曳漁業
におきましても、今年のごときは
チヤーター料
を拂うことに苦心しておる。「
まぐろ
」
漁業
も
水揚額
は多いが、殆んで經費に掛かります。
建造資金
の利息も拂うことは容易でない。で、ありますから、これに
漁業事業税
を課せられますことは非常な負擔であります。殊にここにありまするように、
政府原案
のごとく
純益金
の百分の十五
とい
うものを大體掛ける。尚「適宜
課税標準
に
外形主義
を採用し得るものとする。」、こういうような、
漸次率
を上げ得るような途まで講じておる
とい
うことになりますと、非常に
税金
が過重になりまして、
經營
をますます困難ならしむることは明らかであります。でありまするから、この
事業税
は全面的に相對すべきものだと思いますが、この反
對理由
を、
具體的
に、何人も、
第三者
も納得し得るような
具體案
を立てて
政府
に對して交渉して行きたい、こう思います。
木下辰雄
16
○
委員長
(
木下辰雄
君)
ちよ
つと
皆さん
にお諮りしますが、大
體各委員
の御
意見
は、
事業税
の
設定
には反對である。が、それに對しては、相當の
理由
を附して、或いは他と比較して反對の
理由
を明記すべきである
とい
うような御
意見
もあるようでございますが、
事業税
の
設定
には反對である
とい
うのは皆一致しておるようでありますが、(「異議なし」と呼ぶ者あり)本
委員會
においては、
青山
君の發議しました
漁業事業税
の
設定
に反對する
とい
うことについての表決を採りたいと思います。
贊成
のお方は御起立願います。 〔
起立者
多數〕
木下辰雄
17
○
委員長
(
木下辰雄
君) 多數と認めます。それでは
青山
君の發議は通過いたしました。それで本
委員會
は、反對の
理由
を十分附して、
委員長
から
政府
に通告の
手續
を取ります。 他に何か御
發言
がありましたら、幸い
西郷
君もお
見え
にな
つて
おりますが……。別に御
發言
がなければ、本日の
委員會
は閉會いたしたいと思いますが如何ですか。
千田正
18
○
千田正
君 あの
水産廳問題
の
關係
のことですが、これは大
體新聞紙上
にも發表しておられましたし、
設置
する
とい
うことに内定しておるやうに仄聞しておりますが、
實際
これは早急に實現するかどうか
とい
う點において、
政府
から確言して頂きたい
とい
う點を要望いたします。
木下辰雄
19
○
委員長
(
木下辰雄
君)
ちよ
つとその問題でこの間私報告いたしましたが、
おいで
にならなか
つた
委員
の方もあるようでありますから、一
廳水産廳設置
の、
政府
に對する折衝の
經過
を概略申上げます。 本月の初旬に
水産局長
から通知がありまして、
水産廳
の
設置
が非常に怪しい
とい
うような報告を受けましたので、直ちに
衆議院
において
參議院
との連合の
水産
の
懇談會
を開きまして、そこに
船田國務大臣
と
岡田總務部長
を呼びまして、
水産廳設置
に對する
意見
を聞いた。その
節岡田總務部長
は、
行政整理
をやらなければならん今日において、人員、豫算に膨脹を來す
水産廳
の
設置
には反對である
とい
う意思を表示した。それで各
委員
から猛烈な
意見
が出まして、
衆議院
においては、各
政黨
が黨議において
水産廳設置
を決定しておる、
參議院
においても大體同じような歩調で進んである。この際一體
政府
は
政黨全般
、
衆參兩院議員
の全部の
意向
を無視して
水産廳
の
設置
を拒否するのか
とい
うような質問が出ましたが、それに對して
船田國務大臣
は、閣議において決定することにしたい、自分は敢て不
贊成
をするものではない
とい
うような
答辯
がありました。それでその
委員會
の散會後、私共各
大臣
を歴訪いたしたのであります。けれども、いなか
つた
大臣
もありましたので、翌日も又、十一日でしたか、朝九時から
首相官邸
に詰め掛けまして、北村、苫米地、伊藤、
野溝
、それから
芦田首相
、西尾副
總理
、その他殆んど全部の
大臣
に會いまして、その問題について強硬に申込んだ、それに對して各
大臣
とも、
水産廳
の
設置
に反對する
大臣
は殆んどいなか
つた
。
ちよ
つと
速記
を止めて下さい。 〔
速記中止
〕
木下辰雄
20
○
委員長
(
木下辰雄
君)
速記
を始めて。
城義臣
21
○
城義臣
君 私は諸
先生方
のいろいろな御
意見
、特に專門の御造詣の深い
各位
の御
説明
を承
つたの
でありますが、途中でこの話を伺
つて
おりますので、實は他の
事業
との
比較檢討
も一應したい
とい
う
氣持
もあり、且つ又從前の
委員會
の
經過
についても、
專門委員
の方から、或いは
委員長
その他
各位
から
事情
を承
つた
上、決したい
とい
うような
氣持
で、一應保留
とい
うような
氣持
を持
つて
お
つたの
でありますが、
只今事情
を聽取いたしまして、つきましては本
委員會
の全面的な反對、乃至それに對していろいろな御
意見
が出ておりましたが、私も
事業税
を課することに對して反對だ
とい
うことを申上げます。
木下辰雄
22
○
委員長
(
木下辰雄
君)
只今城
君の
發言
で、この
水産委員會
の全員がこの
事業税設定
に反對する
とい
うことになりました。本日は
委員會
はこれを以て散會いたします。 午前十一時十四
分散會
出席者
は左の
通り
。
委員長
木下
辰雄
君 理事
尾形六郎兵衞
君
委員
青山
正一
君
大畠農夫雄
君
丹羽
五郎
君 川村 松助君 城
義臣
君 小畑 哲夫君 田中
信儀
君
前之園喜一郎
君 岩男
仁藏
君
江熊
哲翁
君 小川 久義君
矢野
酉雄
君
千田
正君
政府委員
地方財政政務次
官
西郷吉之助
君