○
政府委員(
藤田巖君)
只今いろいろお話のございました中で、
水産局としてお答えいたします分を私から申上げようと思
つております。
生鮮食料品の
対策についての御
質問でございますが、昨年の十二月十五日以來実施いたしております
生鮮食料品の強化の
緊急具体措置につきましてやりました結果につきましては、これはいろいろの点が出て來ておると考えておりますが、私共といたしましては
資材を確保するという
意味におきまして、私共の
資材確保を主張する
立場というものが非常に強くなり、又
資材をどうしても
水産に流さなければならないというところの
必要性、或いはその認識というものが各
方面に持たれたということは、
一つのよい結果であつたと考えております。その結果、
お話のでございましたように
対策を裏付けいたします物資につきましては、尚不十分の点は沢山あるのでありますが、段々と
増加をいたして
参つております。今後この
対策をどうして行くかということにつきまして、現在私共の方でも研究をして、閣議でもかけられておるのでありますけれども、現在の
日本の
事情といたしまして、
生鮮食料品の全面的な
統制撤廃ということにつきましては、これは実行はできないのでありまして、やはり從來の
生鮮食料品に採
つておりますところの
統制的な措置の線に沿いまして、その惡かつた点を改善し、そうして尚一層
実情に即した
方式に改めなければいけないというふうなことで現在研究をしておるのでありますが、私共といたしましては、少くとも從來の措置を根本的に、大体
原則的にはこれを継続をして行くというような場合には、どうしてもこれの裏付けとなるところの
資材が必要である。
資材の裏付けなくして
統制ということは到底できないというふうな
立場は強く取
つております。從
つて私共といたしましては、
水産に必要なる
資材の需要量が確保できなり限り、我々といたしましてはその
統制的措置についての責任を持つことができないというふうな
立場で強くこれを主張しておるわけであります。今度の
対象につきまして、私共の考えております点は、この裏付けとなりますところの
資材を確保したいという点に重点を置いておりますことを御了承置き頂きたいと考えます。
尚
高級魚の
價格統制の
撤廃の問題につきましては、物價廰の長谷川
部長からお答えがあることであろうと考えております。
それから
引揚者の
対策の問題でございますが、これにつきましては私共も從來方針を決定いたしまして、外地その他から引揚げて來られた人達につきまして、特にそれが
水産上の抜能或は経験を持
つておられるような方達には、できるだけ
水産方面の生業に就かれる機会を與えたいというふうな
趣旨からいたしまして、許可方針その他についてもこれを十分に
考慮をいたして、優先的に取扱
つております次第であります。尚
お話のございました
資材の
方面でございますとか、或いは資金の融通につきましても、できるだけの
考慮を私共といたしましては
拂つておるつもりであります。今後共、この種の
引揚者の救済については遺憾のないように
処置して参りたいとかように考えておる次第であります。
それから
公海に関する定義の問題につきまして、講和條約の締結の際に起ります問題、或いはその後に起ります問題について、
日本の
立場からいたしまして十分に
連合國側の理解を得て行く、或いは認識を深めて行く問題につきましての御
質問でございましたが、この点につきましては私共も全然同感に考えております。これは想像ではつきりはいたさないのですが、私は講和條約が締結をされ、
日本が言わば独立國としての地位を確保して、國際
國家の一員として参加を許されるというふうなことの時期が参りました場合に、
公海において
日本人はどこでも魚を獲ることが許されるかどうかという問題があるのであります。私の懸念が中
つておらなければ幸いでありますけれども、私はそういうふうな場合には國際的な
漁業については、恐らく國際的な協約というものが
関係國間に起り、その協約の規定によ
つて日本の
漁業も約束した範圍においてこれがやり得るというふうな事態になるのじやないだろうかと考えております。公然自由にどこでも
公海ならばやれるというふうな時期は恐らく当分は來ないのじやないかというふうに考える。從
つて問題は
公海の範囲を三浬に決めるとか、六浬に決めるとか、十二浬に決めるとかいうふうな問題ではなく、
公海であ
つても果して
日本が遠い地域の
公海に出て行けるかどうかということが、先ず第一の問題だろうと思う。そして仮にそれが出て行くにいたしましても、その近接をしておりますところの國との承諾なくしては、これはやはり行えない事態だろうと思います。仮にその近所で操業をいたしました場合に、領海侵犯その他の問題で船が拿捕されるとか、いろいろな問題が起りました場合に、
日本の現在の実力といたしまして、これは解決をすることが非常に困難な問題があろうと思います。どうしても
関係國間の了解の下に出漁する、こういうふうな状態にならざるを得ないというふうに私共は考えております。かそういうふうな前提を置きまして、私共といたしましてはいろいろの調査もし、準備もし、尚そういうふうな点に対する
日本側の
立場というものについては、できるだけこれを
連合國側によく
お話をいたしまして、勿論
敗戰國でありますからして、
日本の主張を通すということはできないと思いますけれども、講和條約締結されます際に
連合國側で決められます場合に、
日本の
立場というものを十分に認識をされて決めて頂くということが必要でありますから、そういうふうな
事情を十分に
説明をして行くということに重点を置きまして、現在いろいろ準備もし、又外務省
方面とも相談をしておるのであります。そういう点につきましては將來とも十分注意をいたしまして遊んで参りたいと思
つております。
それから
干拓の問題につきましては、これは
水産局の
立場といたしましては、從來とも開拓局に対していろいろ話をしておるのであります。私共といたしましては、蛋白質の給源というものの必要が非常に痛感せられております現在であります。その土地なり水面というものを如何に利用することが
國家的に見て最も合理的で、又最も
効果的であるかというふうなことによ
つて、その土地なり水面の利用を考えなければならないというふうなことを話しておるのであります。從
つてその水面を
干拓をして畑地にし、それによ
つて農作物を收穫することが、果して合理的であり
効果的であるか、その水面をむしろ
水産業の
方面においてこれを利用することの方が、魚獲物その他に面においてより合理的であり、或いは
効果的であるかという、いろいろの判断をいたしまして、これを決定しなければならないということを主張いたしております。
干拓に予定をされます場所は、実際問題といたしましては、
水産方面でも例えば稚魚の繁殖地でありますとか、産卵地でありますとか、重要な場所が多いのであります。そういうふうな
意味合からいたしまして、私共といたしましては、そういうふうな場所が
干拓として潰されることについては、相当反対を唱えて來ておるわけであります。從
つてこの問題については、
干拓の予定地を決定いたします場合に、そういうふうな綜合的な判斷をする必要上、開拓局と
水産局とよく協議をして決めるということに了解をつけておるわけでありまして、いろいろ具体的な場所についても、現実に起
つておる問題のことにつきまして、青山さんからも
お話がございましたことも十分了承いたしております。そういうふうな具体的な事実につきましては、先程申し上げましたような
意見から、
水産上どうしてもそれが必要であり、それが
干拓による利益よりも更に大きな利益を挙げ得るという場所につきましては、私共としては極力これを残すように折衝を続けて行きたい、こういうふうに思
つております。