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政府委員(
鈴木俊一君) 百七十六條の
改正は、現在の
議会の
違法議決に対する
再議、或いは違法の
選挙に対する再
選挙の
規定があるのでありますが、その前の方に、新らしく第一項乃至第三項として三つの項を加えるのでありまして、これはいわゆる
一般的な
地方公共團体の長の
拒否権を
規定いたしたのでございます。違法でありまするとか、或いは收入支出についてバランスが合わず、
從つて執行できないような
議決を
議会がしたとか、或いは必要な事務に属する経費を削除、減額したといつたような場合におきましては、現在
規定があるのでありまするが、その他の何ら違法でない、又今申しましたような特別の
事項に該当いたさないような
議会の
議決でありまして、
條例の制定、改廃、或いは
予算に関するものがありました場合におきましても、その
内容につきまして、長が
異議があります場合におきましては、その
議決の日から十日以内に
理由を示してことを
再議に付することができるというのであります。そうして
再議に付しましても、尚その
議決が前と同樣に
議会が
議決をいたしましたならば、その
議決は
確定をすのでありまするが、ただその二回目の
議決につきましては、
出席議員の三分の二以上の
同意がなければいけないというふうにしてあるのであります。
確定いたしましたならば、長は直ちに
條例であれば、その告示の
手続、
予算をあれば、それを
執行する
手続を取らなければならんのであります。
それから百九十三條の
改正は事務的な
改正でございまして、
選挙管理委員会の
書記の
制度につきまして、百七十
二條の
一般の知事の
補助機関である吏員の
規定を準用しておりのでありますが、その項目の中で、第二項の
任免権の
規定を準用することをいたしておりませんので、
任免の所在が果して長の場合のごとく、
管理委員長が
自己の
補助機関である
書記を、
選挙管理委員会が
任免し得るや否や、明瞭でございませんので、百七十
二條の第二項も併せて準用いたしまして、
選挙管理委員会の
委員長が、
選挙管理委員会の
書記は
任免できるというふうにいたそうというのであります。現在そういうふうにいたしておるのでありまするが、明瞭を欠きまするので、第二項も準用するようにいたした次第であります。
それからこれは
正誤に差上げてありますが、二百
七條は費用のでありまして、
公聽会に
証人が
出席をいたして参りました場合の実費の弁償の
規定に、新たに二百十
七條第三項という、今回加わりました
分担金の
徴收の
條例を作ります場合に、
公聽会を開かなければならんという
規定がありますので、その場合に出て参ります
証人に対する
給與のことを
規定いたしたのであります。それが二百
七條の
正誤の中に加えてありまする
改正案の
趣旨であります。
それから二百三條は先程申も上げましたように、
腐敗防止という見地から、
條例で定めました特に重要な
財産又は
営造物については、
選挙人の
一般投票に付して、その
過半数の
同意が得られなければ、その独占的な
利益を與えるような
処分、或いは十年を超える
期間に亘る独占的な
使用を許してはならない、又そこまで
重要性は持
つていないでも、尚相当重要な
財産、
営造物の独占的な
利益を與えるような
処分、或いは十年を超える
期間に亘る独占的な
使用の許可は、
出席議員の三分の二以上の者の
同意がなければ、これを行うことはできないというふうにいたしたのであります。この例といたしましては、例えば東京都が都電を賣拂
つてしま
つて、
特定の会社に
経営をさせる、或いは、賣拂わないでも、十年以上の
期間に
亘つて経営権を委託するというような場合におきましては、やはり恐らくは
一般投票で決めるべきものであろうと思うのであります。そこまで至らないでも、相当重要な
営造物、公会堂を賣拂うというような場合におきましては、やはり三分の二以上の
同意を得るようにすることが適当であろう。これは一つの例になるのではないかと思うのであります、これから但しそういうようなことは、國なり
公共團体に対する場合におきましては、これは適用しない、私の法人なり、私人に対する場合にのみ適用するというのであります。それからその
投票の
方法を以下に
規定してございますが、長が
特定の
財産を
処分したい、或いは
特定の
財産についての独占的な
使用権を設定したい、こういうような通知がありましてから六十日以内に
選挙人の
一般の賛否の
投票に付すのであります。その
投票の
方法は大体
選挙の
方法を準用いたしておりまして、特例は
政令で書くようにいたしております。尚その
投票は、外に若しも
選挙でありますとか、
解散投票、或いは解職の
投票があれば、それと同時に行うこともできるというようにいたしてあります。
投票の結果が判明すれば、
選挙管理委員会がこれを長に通知して公表するというわけであります。