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1948-01-31 第2回国会 参議院 治安及び地方制度委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年一月三十一日(土曜日)   —————————————   本日の会議に付した事件警察法施行に関する件 ○地方財政改革に関する件 ○議員派遣要求に関する件   —————————————    午前十時三十一分開会
  2. 吉川末次郎

    委員長吉川末次郎君) それより委員会を開会いたします。一昨日に引続きまして、竹田國務大臣並びに地方財政委員会事務局長より地方財政のことに関しましてお話がありました。それに対する質問を続行いたしたいと存じます。
  3. 小野哲

    小野哲君 前回財政委員会委員長から、地方財政委員会として当面の基本方針についての御説明がありまして、これに対して同僚議員からいろいろ質疑應答が行われたのでありますが、今は今日委員長に対して、地方財政委員会の基本的な態度と申しますか、こういうふうなことについて私の所見を申し述べて、委員長の御所見を承わりたいと、かように思うのであります。この地方財政委員会が、法律にもありますように、地方財政の自主権を確立して行くというところにあると共に、國家公益地方公共團体自治権の調和を計る、こういうふうな点を主眼といたしまして、いろいろの計画を立案すると、こういうことになつておるのは御承知の通りであります。ただこの地方財政が、非常に今日重要な問題となつております。今後の地方自治が確立するためには、何と申しましても地方財政自主性がはつきりと立てられるということが必要である。これは申し上げるまでもないのであります。その場合にこの地方財政委員会職能と申しますか、運営態度といたしましても、法律二條に揚げられておりまする五項目事柄についての計画を立案いたしますことは当然でありますが、地方財政を基盤として地方自治行政全般亘つて相当各種の基礎的な計画せ立案するための寄與ができるのではないか。こういうふうに考えられるのであります。そういう意味合いにおきまして、地方財政委員会運営いたします態度も、こういうふうな点をも考慮して運営されることが望ましいのではないか。勿論法律そのもの目的から申しますというと、そこまで参りますことは、或いは逸脱することになる虞れがあろうかと思いますが、地方財政の問題を取り上げるに当りまして、これを基礎として地方行政一般に関する影響のあるような問題につきましては、やはり地方財政委員会といたしましても十分な関心と、又これに対する研究を必要とする。そういうふうに私は考えるのであります。そういう意味合におきまして、地方財政委員長とされましては、そういうふうな態度を以てこの委員会運営されるようなお考えを持つておられるかどうか、この点を伺いたいのであります。  第二といたしましては、やはりこの基本的な態度と関連いたしまして、今後における我が國の地方自治制度というものが確立いたしますために、地方財政の面から考えまして、果して今日の地方自治体の形態なり、或いは運営方式なり、その他諸般の問題について相当改善を要する点があるのではなかろうか。譬えて申しますというと、府縣行政区域であるとか、その他地方財政を中心といたしまして、これが健全化を計りますめに、果して現状のままでようかどうかということを檢討する必要があるのではないか、前回に金庫の設定等一つの試案を事務局長から御説明がありましたが、これなぞも一つの確かに案でありまして、一種の共同基金制度を設けて、地方財政の自主的な健全化を計つて行くように自治的に持つて行くという制度が私は望ましいのではないか。そういたしますと、現在の都府縣における行政区域、大きさ、規模、そういうふうなものと地方財政の問題とを結びつけてやはり考えて行く必要があるのではないか。言い換えれば、地方財政としてはその固有の目的から申しますというと、或いは範囲を超脱しておる点があろうかと存じますが、地方財政委員会職能を通して我が國の地方自治体健全化を計つて行きますために一つの施策というものに対して寄與する使命を帶びさせるということも必要ではないか。こんなふうに考えられるのであります。これに対しまして、そういうふうな点にまでも地方財政委員長におかれましては一應お含みを持ちながらこの委員会運営されるような御意図があるかどうか。こういうふうな点を伺つて置きたいと思うのであります。要するに以上申し上げましたように、地方財政委員会本來の職能、機能というものが、結局我が國における地方自治行政というものに対して大きな寄與をする使命を持つておる。又法律に揚げられておりまする項目を通しましても、これらの問題を解決するために相当有力な基礎的な計画を立てますために活動し得るような余地があるのではないか。地方財政委員会成立ち等につきましては私も承知いたしておりますが、これができ上つた地方財政委員会運営いたしますための基本的な考え方、基本的な態度、こういうふうな点をこの際地方財政委員長伺つて置きたい、こように存ずるのであります。
  4. 竹田儀一

    國務大臣竹田儀一君) 只今小野委員から、何と申しますか、委員会に対して、好意ある御期待と御激勵のお言葉を頂いたことを誠に感謝いたす次第であります。この地方財政委員会等におきましては、只今お話のありました通り、第二條におきまして五項目事項を揚げまして、その五項目事項について審議をいたすことに相成つておるのでありますけれども、やはり地方財政の面のみから考えましても、農林省、厚生省、商工省、その他各省ともいろいろな協議を経なければ決定を見ないことも多々あるのでありまして、ただ單にこの五項目だけの審議に止めずして、自種地方財政委員会自主化の線に沿いましてこの五項目審議いたします途上には、各省とのいろいろな協議も必然的に起つて來ることと相成ります。從いましてただ單に五項目審議ということに止めずして、只今小野委員から示唆を賜わりましたように、各省との連絡というようなことにつきまして、各省との調査と申しますか、そういうことにつきまして十分に意見を闘わし、でき得る限りの地方財政自主化の線に沿いまして、建設的な意見を纏めて行きたい、かように考えておるのであります。  尚地方財政自主化という意に沿いまして、私或いは聞き損ないをいたしたのかも知れませんけれども、小野委員の御意見は、或いは府縣廃合というような大きな点も考慮したらばいいのじやないかというような御説のように拜聽いたしましたが、その意見はこの委員会に出たのであります。地方財政自主化健全化を図るのには、今日の交通機関が発達いたしました現状において、府縣は小さ過ぎるのじやないか。京都と大津は僅か十五分の汽車で連絡せられておるに拘わらず、二つ府縣が両立いたして、行政区劃は別にしておるということもおかしいのじやないか。又市町村にいたしましても、面目の問題がありますかどうか知りませんが、僅か百戸くらいしかない村でも独立して尚村を形成しておる。これは私の郷里の石川でありますが。瀬越村という村があります。そこには廣海、大家などという富豪がありまして、両家で村の経費を殆ど負担いたしております関係からいたしまして、その百戸しかない瀬越村が今日独立の村となつて残つておるのであります。この廃合の問題が始終石川縣においても問題になつておるような事情でありまして、市町村廃合によつて自然市町村財政自主化というようなことができるのじやないかというようなことも委員会に出たのであります。只今小野委員の仰せの府縣廃合、或いは市町村廃合というようなことによりまして、地方財政自主化健全化を図るというようなこともたびたび論議に上つておるのでありまして、そういうことを考慮決定いたしますことが地方財政委員会の権限に属しますかどうかは知りませんが、一つのやはり意見といたしまして、それぞれ関係方面折衝もいたしたいと考えております。ただ問題となりますことは、三月六日までにこの地方財政委員会法を出さなければならん関係といたしまして、そういう大きな問題まで完全なる解決をいたしまして提出いたしますことが、時間の関係上或いは不可能かと思いますが、時間の許します限り、時日の許します限りにおいて、でき得る限り暫定法でない地方財政の完全を期するための、でき得る限りの解決を念願して、そうして國会の御協賛を経るような運びにいたしたいと思います。  尚この委員会には学者実業家各界経験者等も十数名の顧問を任命いたしまして、あらゆる方県からの意見を徴することにいたしまして、すでに両回顧問会議を開きまして、御意見も徴しております。尚文書によりまして期日を決めまして、御意見をこの委員会の御提出を願うというようなことに相成つておるのあります。この各界経験者学者方面等相当活溌な意見もあるかと思いますので、そういう意見等も十分尊重いたしたいと存じておりますが、是非お願いいたしたいことは、この治安及び地方制度委員会の各位におかせられては、その方面の御意見も十分あると思いますから、この御意路のあるところを委員会等を通じまして、十分お述べを願つて、私共の地方財政委員会に何等かの寄與をいたすことのできますように、御鞭撻、御指導を得れば誠に仕合せと思います。先ずこの程度においてお答えいたすことにいたします。
  5. 小野哲

    小野哲君 只今竹田委員長から詳細な御意見を拜聽いたしたのでありますが、大体私から資問いたしたような心組みでもつてつて行きたいというふうな御意見で、誠に結構だと思うのであります。私は三月上旬までに成案を得られて、御提案の中に織込んで頂きたいという意味ではないのでありまして、勿論今日におきましても財政委員会論議の対象として、基本的な問題をお取上げ下さることは誠に望ましいことではありますが、当面の問題としての、或いは警察制度改革に伴う事項、或いは又教育制度改革に伴う財政負担の問題等急速に解決をいたさなければならない問題が沢山ありますので、この方面解決に全力を御傾倒願つて地方住民が安んじて地方自治体の健全なる運営寄與できるようにお願いすることは勿論でございますが、同時に財政委員会といたしまして、先程申上げましたような基本的な考え方をお持ち下さつて、我が國の今後における地方自治体の在り方というものに対しましても、十分なる御檢討を加えられることを切に希望いたしておりますので、只今委員長の御答弁を伺つて、私といたしましては了承をいたしておる次第でございます。
  6. 吉川末次郎

    委員長吉川末次郎君) 他の御質問ございませんか。ちよつと速記を止めて下さい。    午前十時四十七分速記中止    ——————————    午前十一時一分速記開始
  7. 吉川末次郎

    委員長吉川末次郎君) それでは速記を願います。それでは引続きまして警察法施行の問題につきまして、当局からの説明報告等をこの機会にして貰いたいと思います。資料があるそうですから、配付いたさせます。委員会で先ず最初に当局から聞きたいと大体思つておりますことは、法律実施に先立つて、数縣を選んで一月一日から実施はて縣がありますね。その府縣警察行政状況について、又第二番目には特に膝元である東京都の警察行政状況、或いは今後の計画というようなものについての概略、それから第三番目には、我々も先般観察したのでありますが、千葉縣における新警察法による警察行政のその後の状況、それから第四番目には、警察官募集に関して、関係方面からの指令及び実施状況、まあそれくらいのようなことが大体我々が話して貰いたいことの要目なんですが、又他の各委員から御要求があると思います。加藤内事局第一局総務部長
  8. 加藤陽三

    説明員加藤陽三君) 只今お尋ねになりました事項の中の第一点でございますが、警察法施行準備訓練状況は、昨年の十一月の下旬から、先ず千葉縣に第一着手として全縣に亘りまして準備訓練態勢に入ることにいたしました。それからその次には、警察管区本部の所在いたしまする予定府縣、即ち東京都と北海道、宮城縣大阪、廣島、神戸、この各府縣におきまして、昨年中に準備訓練態勢に入るようにということになつたのであります。その残余の縣につきましては、二月の十日までに準備訓練態勢を完了いたしまして、二月の十一日からは全部揃つて一齊に新らしい制度に基きますところの態勢が、一應にでき上るというふうになりまするように、私の方は指導して参つております。お手許に配りました資料について御説明いたしますと、先ず準備訓練の第一着手は、公安委員会委員選定でございまして、只今のところの進捗状況は、設置いたしますところの市町村設置予定数として、一番下の欄にございますが、合計千六百十ございます。市町村公安委員会設置せられることになるのでありまして、その中即に設置しておりまする、事実上公安委員会委員選任しております所が、千二百七となつております。委員会の数は眞中の欄にございます通り、千百八十八となつておりまして、若干の食い違いはございますが、この食い違いはこれらの市町村の中におきまして、組合警察設置するものがあるからでございます。現在組合警察設置することを予定いたしておりますものは資料の三枚目の紙に書いて附けておきましたが、千葉縣一つ神奈川縣二つ岐阜縣二つ大阪府に一つ兵庫縣に四つ、愛媛縣一つ佐賀縣一つ京都、福岡に一つ、こういう状況であります。  公安委員会委員にどういう方が選ばれているかと申しますと、第二枚目の紙に職業別調べを示してございます。この分け方が必ずしも十分なものでなかつたような氣もいたしますが、一應これによりまして御覧を願いたいと思います。即ち一番上の欄は会社重役であります。これが二百二十一名、会社從業員が百六十六名、團体役職員五十三名、商業百五十名、農業が一番多くございまして四百四十二名、その他自家経営者が二百二名、医療関係者が三百五名、宗教家が百九十五名、教育家が二十二名、無職者が百二十名、その他ということに、かように相成つております。年齢別にこれを調べて見ますと、各縣区々でございますが、二十七歳の人が一番若い人でございまして、一番高年齢者は七十八歳の人が出ておられます。平均年齢は大体四十四、五歳というところに落付いているようでございます。政党関係について調べて見ますと、これはまた報告が非常に少くて完全なものでありませんので余り價値がないかと思いますが、社会党が十一名、民主党が二十二名、自由党が十四名、分つておりますものはこういうふうになつております。大体において無所属の人が非常に多いように相成つております。婦人の公安委員只今のところは六名決定に相成つております。  大体公安委員会委員選任につきましては相当困難を感じたようでございますけれども、併しとにかく市町村といたしましてはいい人を選ぶという氣構えでやられたことは間違いないように我々は思つております。その選任につきましても、特に公安委員選任について揉めたというようなことは余り聽いておりません。矢張り市町村行政全般の問題がうまくいつておりますところは円滑に公安委員選任がいつております。そうでないところは公安委員選任につきましても問題が若干あつたというように報告を受けております。公安委員選任ができましたところから順次府縣警察部長と連絡いたされまして、一應公安委員会意見を徴しまして、現在の警察職員自治体警察職員の配置に振り替えつつありますが、これはまだなかなか進捗しておりませんが、そういうような予定で漸次できつつあるのでありまして、二月の十日までにはこれを全部終えるようにという指令を出してございます。この自治体警察設置いたします市町村選定につきましては、市の方は問題はございませんのですが、町村の方は人口五千以上の市街地町村ということになつておりまして、当初は二千十くらい予定いたされておつたのでありますが、結局各方面とも折衝の末、ここに記載いたしております千六百十ということに一應落着いたしたのであります。  東京都の実施状況でございますが、東京都の方も先程御説明いたしましたような趣旨で、二十三区の特別区の区域を除きましたあとの自治体警察は昨年中に全部公安委員選任を終え、必要なる体制ができております。唯二十三区の方はいろいろな事情がございまして、なかなか急速に進みませんのでありますが、これも遅くも二月の十日までには公安委員選任を終え、必要なる警察長以下の、一應仮のものを定めまして、新制度によつて決められた警察制度ができ上る予定でございまして、その方針で皆努力いたしております。一つの問題は警察法の五十一條乃至五十三条の解釈の問題でございますが、これも参衆両院委員会の方の御協力によりまして決定いたしましたので、今後はこの問題もなくなりまして、仕事は大変進むであろうと考えております。千葉縣の例についてというお話でございますが、千葉縣についての特別の報告は私受けておらないのでございまして、新聞等御覧になります通り、中山の競馬書の賭博の大檢挙というふうな相当規模警察事件が起りましたけれども、大体におきまして相協力いたしまして、恙がなくやつているのではないかというふうに考えております。  警察官増員募集に関する点でございますが、只今手許に向うからの詳細な資料を持つてつておりませんので、又次の機会にでも述べさせて頂きたいと思いますが、大体本年の六月末までに十二万五千の定員を充実いたす計画で、目下緊急増員募集計画を進めておりますが、第一次の計画によりますところの應募者はすでにそれぞれの学校に入学いたしております。大体只今状況によりますと、この緊急増員予定通り六月末までに完了するのではないかとこう考えております。増員の件につきましては又次の機会に述べさせて頂きます。
  9. 吉川末次郎

    委員長吉川末次郎君) この際只今加藤説明員説明に関連いたしましての御質疑並びに尚説明員説明以外の警察行政のその後の状況等につきまして、御質問等がありましたら御開陳を願いたいと思います。
  10. 岡元義人

    岡元義人君 この警察制度の問題が審議されておりますときに、この移管についていろいろ國内治安状況影響がありやしないかということが各同僚議員からも出たのでありますが、最近の日本の治安状況は全くそれを裏書するような非常に問題が頻々として起きているのでありますが、これにつきまして当局がこの移管関連性があるかという点についてお氣付きになつているかどうか一つこの点伺いたいと思います。
  11. 加藤陽三

    説明員加藤陽三君) これは全く個人的の見解でございまして、そのつもりでお聽き取り願いたいのでありますが、私は制度切り換えによりまする能率低下ということも、これはどうしても或る程度は免れないのでございます。けれども、現在の、殊に最近の兇悪事犯の頻発ということは必ずしも制度切り換えのみによるものではないと考えております。固より警察官自身も自分の身分が切り替わりになりますので相当動搖を來しておりましたことは事実でありますが、段々と今度の法律趣旨がよく分り、どうしてもこういうふうにならざるを得なかつたというふうな事情を了解いたしまして、又身分についても心配のないように現在の責任者責任を負つてやるというようなことも徹底いたしましたので、その面から來る能率低下ということは若干は免れませんけれども、そう重く解したものではないように思うのであります。ただ若干の程度はこれは問題になるのでありますが、年末から年始にかけまして相当、時期が極めて悪い時にこういうふうに改革にぶつかつたということは、なんといたしましても治安の面から申すと、これは致命的であつたと思うのでございます。お答になりませんでございますが、一應お答えいたします。
  12. 吉川末次郎

    委員長吉川末次郎君) 外に御質問ありませんか。
  13. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 この警察法予備施行予備施行と申しますか、千葉縣とかその他でやつて見られまして不備な点、不完全な点と感ぜられつつある点がありますかどうか。そのお調べができておつたらお答え願いたいと思います。  それから今ここに書き物を持つておりませんけれども、地方によりましては、府縣によりましては自治体警察を設けますのに、人口五千ということに囚われまして、市街地が二千くらいしかない所、殊に数個の島に亘つて一つの村の区域がありまして、そこに散在して五、六千の人口が漸くあるというようなところまで自治体警察を布かれておるというような例が廣島縣にあるようでございます。又ここに羽生委員がおられませんけれども、羽生委員の御出身の長野縣下伊那郡飯田あたりの松尾村というのですか、そこなんかも現にそういう状態で共産党側の人もそれに反対だというようなことで騒いであるというようなことも聞いておりますが、そういうところはどういうふうになつておりますか。まだその二ヶ所に限らず方々にそういう例があるようにも聞いておりますが、そういうのはどういうふうに処置なさるおつもりでありますか。それを承つて置きます。  それから組合警察自治体組合警察がここに出ておりますが、この外にも市と隣接の村と合併して貰いたいというような希望のところが方々にあるようでありますが、さういう希望を申請すれば許されることになつておりますか、これもお尋ねいたしておきたいと思います。それからこれは新聞で見たんですから眞僞は分りませんが、千葉縣でございましたか、或い町の公安委員を選んだところが、前科数犯の方がなつた、そういうのはどうなりましたか、思想犯らしいのでありますが、そういうなのは辞められたかどうか、それも序でに伺つておきたい。先ずそれだけであります。
  14. 加藤陽三

    説明員加藤陽三君) 法の実施の前提でありまするところの準備訓練段階におきましては、我々はこの法律の不備不完全ということよりも、でき上つた法を如何にして円滑に実施するかという点に重点を置きまして、專らその方面に頭の殆んど全部を使つて仕事をして実は参つておるにでありまして、抽象的に法律欠陷と申しますか、そういう面におきましては、御審議の際にいろいろ御質問なり御意見なりが出ました点以外に、私は頭の上で考えた不備不完全というものは、現在の段階においてはまだ出ていない、当時も議論された事柄は依然として論議余地のある問題として残つておる、こういうふうに見ておるのでございます。現在の問題は、公安委員は如何にやつておられるかということでございましたが、これも幸いにいたしまして國会の修正によつて公安委員は專門職でなくなつた。そうして常時勤務せんでもよろしいし、他の仕事を兼ねてもよいということになつたものでございますから、非常に選考が樂になりまして、而もよい人が選ばれるような状況になりましたことは、私共関係者の一人として非常に喜んでおるのでございます。その他の困難な点は建物の問題、警察官が今まで一人か二人しかおりませんでしたような駐在所に、六人も七人もの警察官が固定的に配置される、住宅がない、そこで遠方から通わなければならないというようなことになりまして、急に召集しようと思つても間に合わないというような技術上の困難な点、それから警察電話をどういうふうに分けて使いますかというような技術上困難な点が多々ございます。併し制度自体の不備不完全というようなところは、只今までのところは國会におきまして審議せられました途中問題にされました事項以外は、新らしいものは出ていないように思うのでございます。  第二点の市街的町村の認定の問題でございますが、これは当初は二千くらいに予定しておりましたものが千六百十に結局落ち着いたのでありますが、この千六百十の町村の中にも、嚴格に申しますとやはりまだ市街的でないと只今御指摘になりましたようなものも実はあるのでございます。併しこれは他との釣合い、他の町村との釣合いなど考えなければなりませんし、若し町村自体の自由なる意思にこれを委せますと、相当その自治体警察設置希望しないところが多数出て來るような情勢にあつたのであります。勿論中には進んで自治体警察を持ちたいという希望のところもございましたが、そうでないところの町村相当あるのであります。そこでそういうふうな情勢でありましたのでありますから、他の町村との均衡、人口の数、現状そういうふうなものから考えまして、御指摘になりましたような廣島縣や長野縣の例が出て來たのであろうと思いますが、この現在確定しておりますところは関係方面と完全なる了解の下にできておるものでありまして、これを動かすことはむずかしいと考えております。  第三点の組合警察の問題でございますが、現在は先程書類で御配付いたしましたところだけしか聽いておりません。まだ外に市と隣接の町村組合警察希望を持つておるという報告に接しておりませんが、これは私共の方針といたしましては、建前としては各種町村が別々に警察を持つておるのであるから、成るべく組合警察設置という方法によらないことにして貰いたい、ただ併しどうしても組合警察をやらなければならないような事情のあるところは、これは認める外はあるまい、こういう態度で臨んでおるのでございます。具体的な問題になつて來ませんと、どういうふうに扱うことになりますか、ちよつと申上げ兼ねるような事情がございます。千葉縣公安委員会委員で前科数犯の人が選ばれておつたのでありますが、これは当時御承知の通り十一月の終りに千葉縣では公安委員会委員選任をやつたわけでありますので、この法律の規定なり趣旨なりというものが関係者の方に十分に徹底していない向きもありましたので、実はこういうふうなことになつたのでありまして、この方は十二月二十一日に当該地方廳の勧告によりまして公安委員会委員を辞任しておられます。
  15. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 公安委員の勤務は專任でなくてよろしい、外の職業を兼務してもよいということになつたのでありますが、その建前で各町村でそういう一週間に二、三度出ればよいということに皆なつておりますか、或いは町村によつてはその三人なら三人、それを一週間ずつと出して置くというようなところもありますか、それを伺つて置きます。それから尚一昨日地方財政委員会委員長が出られた時にお尋ねしたのでありますが、新たに自治体警察が設けられる町におきまして、その自治体警察の廳舎、職員増員というようなことで金が要る、町村財政の上からいつて非常に涸渇しておるから出すことはむずかしい、だから寄附金による外はないというので、現に私この一月の中旬旅行して参りましたが、四苦八苦して、寄附金によらなければならんということを言つております。地方財政委員会委員長質問して見ますと、それはもう國家で出すことに固く約束した、今度この委員会から調査に出ますときによくその点……自治体警察を設けました事情を聽いて見たいと思います。これは國家の費用に全部よることに建前がなつておりましても、その予算ではとても廳舎を設け、器具を設けすることができないと、これまでの例から分つておる。予算は非常に單價が低い、実際の費用は非常に要るんだから、どうしても寄附によらざるを得ない、こういうふうになつて來るだろうと思います。それでこれは國家から全部出すということになつておるならば、予算をうんと取られまして、そういうことをさせないように一つ、して頂きたいということを強く希望して置きます。そうしませんと町村ではこの六・三制でうんと金が要る、寄附金をうんと取られる、今度は警察で又うんと寄附金を取られる。会社なんか隨分悲鳴を挙げて、又寄附だ又寄附だ、これではとてもやり切れないということになつて來ております。又警察法審議の時に申しましたように、寄附金を沢山出して呉れる人に、どつちかと言えば好ましくないような人が多く出すのでありますから、そういうことがないように一つ自治体警察の発足に当りまして、特に希望いたして置きたい点をちよつとお尋ねいたします。
  16. 加藤陽三

    説明員加藤陽三君) お尋ねの第一点の公安委員会委員の勤務の状況につきましては、私の方は詳細な報告を取つておらないのでありまして、正確に申上げることはできませんのでございますが、私らの聞き及んでおる範囲によりますと、連日出ておるということは私は少い、殆どないと申上げてよいようでございます。これらの事項も追々と……。只今選任の問題、それから警察官の配置換えの問題というふうな問題に忙殺されておりますので、手が廻れ兼ねておるのであります。追追とこういう問題につきましても調査をいたしまして委員会報告を申上げるようにしたいと考えております。  自治体警察財政の問題でございますが、これは私共の当初の考では、本年の四月から相当財政市町村の方に移讓せられまして、本格的に自治体警察の実を挙げて行きまするようになりますので、それまでの間は暫定的に、法律に今ございますように從來通りの負担方法でやつて行く。廳舎のような問題はこの暫定期間においては建築することが理由であろう。これは本格的に市町村が自分で財政支出をするようになりましてから考えて貰いたい。そのための財源も、地方財政の根本的の改革を今回やられることになつておりますので、併せてそれを考えて貰いたいとこう思つてつたのでございます。ところがその後財政委員会の方のお話を聞きますと、増員によりますところの警察員の恒久的の経費のごときは、これは当然財源に組入れなければならないけれども、廳舎の建築のような臨時費はどうも具合が悪いじやないかというようなお話がございまして、若しそうならばこれは國庫の方で補助金でも取るようにしたいという程度の話でございました。はつきりとこれを國庫の方で持つとかいうところまで話が進んでおらないように承知しておるのであります。寄附金の問題につきましては、警察法案を審議の際に、当委員会におきまするところの岡本委員の御意見は、十分に我々は拜聽しておるのでありまして、その御趣旨に副うようにやるつもりでございます。
  17. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 一昨日の地方財政委員会委員長のお答と少し喰い違つておるのでありますが、建物なんかについて特に私質問して見たのでありますが、それは國家から全額支出することになつておるからその御心配は決してありませんということを、明白に答弁なさり、それは速記録に明かに残つておると思います。そういうふうに要請合いでは困るのであつて、この点一つ内事局の方で御交渉になつて頂きたいと思います。立派に答弁なさておるから、全額出るように努力願いたいと思います。
  18. 加藤陽三

    説明員加藤陽三君) これは私が承知しておるだけで、或いは局長なんかの方と十分にお話合の上で委員長が御答弁になつたのではないかと思いますので、その点はつきりいたしまして又改めて私の方から責任のある答弁のできるようにいたしたいと思います。
  19. 岡元義人

    岡元義人君 私の質問も今岡本委員から話されましたのとやや関連性があると思いますが、地方財政の確立という期限がどこにおかれるかということが私の質問の要点でありまして、四月からというようなそういうようなお話もちよつと承りましたけれども、事実警察制度が四月からは到底、地方財源の現在の状態から不可能な状態にある。それでこの地方財政の確立という期限をば、一体どのくらいの時期に見当を附けておられるかということが、伺いたかつたのであります。  もう一点は地方町村自治体警察公安委員でありますが、これは現に起きておる問題でありまして、公安委員に実際なり手がない。どうしてもなり手がない。こういう場合におきまして、勿論その町村長が責任を持つべきであると思いますが、何らか解決がつくとは思いますけれども、そういう場合が、若しどうしても公安委員になり手がないというようなことがあつた場合には、当局ではどういう工合にお考えになつておりますか、一つ聽かして頂きたいと思います。
  20. 加藤陽三

    説明員加藤陽三君) お尋ねになりました地方自治財政確立の時期は、これは私の方といたしましては四月一日からということを希望しておるのでございますが、專ら地方財政委員会の方でおやりになることでございまして、私共の方としては四月一日から実施できるようにお取計いを願いたいという希望を申立ててありました。事務的にこれは警察のためだけに取急いで地方財政改革をやるというふうにも行かないであろうと思いますが、地方財政委員会の方でも我々の方の希望は十分御承知になつておると思うのであります。その時期は專ら向うで御決定になることに相成つておるのであります。  公安委員会委員がどうしても選任できないときにはどうなるかというお話でございますが、これはどうも我々といたしましては仕方がないのであります。その市町村長が法律によつて課せられておりますところの警察責任を維持するという仕事を果さない、こういうことでありますから、知事なり何なりが注意を促すということはございましようけれども、結局はそういうふうな町村理事者に対しまして町村民が責任を問うというふうなことになるのではないか。それによつて解決するのが一番穩当な解決ではあるまいかとこう考えております。
  21. 吉川末次郎

    委員長吉川末次郎君) 他に御質疑ございませんか。他に御質疑がなければ、警察行政に関する審議は一先ずこれで打切ることにいたしまして、尚次にこれ亦警察行政に関することでありますが、先般の会合におきまして御希望がありまして、警察大学及び警察官の養成所の視察をしたいというような御希望がありましたので、大体休会になりまして、今手続いたしておりまする地方への出張をいたします前に、來月早々警察大学及び警察官講習所の視察をいたしたい、こういうように思つておりますのですが、御希望の方はお申出を願いまして御希望の方全員お出でを願うようにいたしたいと思つておりますが、大体そういうようなために、警察大学が東京都下でありますが、大分遠くて時間も掛かりますし、両方分けまして、二日間それに費したいと思つておりますのですが、大体そういうような計画で宜しうございますか。それでは御異議がなければそのようなプランで、一つ具体的な日取等はこちらへ御一任願うようにいたしまして、手続を正式にいたすようにいたしたいと思つております。御異議がなければそのように取計います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 岡元義人

    岡元義人君 私前の委員会で途中から欠席いたしまして、非常に遅れまして申訳ないのでありますが、地方視察に九州の長崎、福岡、山口となつておりますが、あの山口は廣島の方にして頂きまして、できるならば九州の方に鹿兒島を入れて頂きたいと思つておりますのですが……。どうも遅ればせに勝手な申出をいたしまして、若しそういうことができますならば、万止むを得ないという事情でございましたならば、決して御無理は申上げませんが、日本の涯でございますからどうしても一つ入れて頂くことにお願いしたいのですが……。
  23. 吉川末次郎

    委員長吉川末次郎君) 御希望承わつておきまして、善処するようにいたしたいと思います。書類を実は議長の手許に出したものでございますから……それでは本日はこれにて散会いたします。御苦労さまでございました。    午前十一時四十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     吉川末次郎君    理事      中井 光次君    委員            村尾 重雄君            岡田喜久治君            鬼丸 義齊君            青山 正一君            岡本 愛祐君            岡元 義人君            小野  哲君            駒井 藤平君            阿竹齋次郎君            濱田 寅藏君   國務大臣    國 務 大 臣 竹田 儀一君   政府委員    総理廳事務官    (地方財政委員    会事務局長)  荻田  保君   説明員    総理廳事務官  加藤 陽三君