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証人(
青木繁吉君) ええ、一点にな
つております。そういうような
関係で、実は
知事との問題はそうな
つております。丁度そういう話は
昭和二十一年の漁期が四月までと、それから又
昭和二十一年の十月から始まるのであります。ところが十月から始まりました場合に、我々の方はずつとその間引続きまして食糧増産に努力しておりましたばかりに、どうも
水産業会の松山或いは
八幡浜、宇和島あたりの
市場における取引が、公定價格がありますに拘わらず、カヴァーとか奨励金、こういうような取引が行われている、こういうことを脇の者から聞きます。併しどうも我々知
つている
範囲でもありましたが、同時に初めの中は漁期が休みに
なつたばかりでありましたから、まあ大したことはないとこう思いましたが、十月からそういう時期に入るに從いまして、そういうようなカヴァーとかいろいろな奨励金とかいうようなことが日により人により変
つて、そうして殆ど自由價格みたようにな
つておりましたので、私の方としましてはその当時に、口頭ではありましたが、
警察の方へもどうも
八幡浜の魚
市場では本当の公定價格があるものやら、ないものやらわからない。これは一体あの石油というものは、連合軍から貰
つている石油は、そういうような石油をどういうような方法にしてあなた方は分けているということに御関心を持
つているか、こういうことを確か十月の頃だ
つたと思いますが、電話でこれは
警察の方に聞いたのであります。それは満足に聞けません。ところが誠にどうもカヴァーとか或いは奨励金というものがひどくな
つて來ますし、又値段がどんどん違
つておりますが、一向それが隠れて秘密にや
つて、いるようでもありませんし、
市場で堂々とや
つておりますから、同時にマル公では引合わんという
業者からの
意見もありますししたもんですから、実際のところ私どももこれには何か
知事が行政措置によ
つて内諾でも与えているのではないか、又そういうようなことにおいて、実際において生産をしているものも話合ができておれば、何にも我々はそれが悪いという必要もなし、又
自分らの
漁業も同時に丁度私の方の機械が悪くて、かたがた
自分らも態度を決めなければならんものですから、それは丁度十一月の末頃だ
つたと思いますが、
八幡浜の
警察署の次席の角田、それから
検察廳の
検事、これに電話を掛けまして、署長がおりますれば私みずから行く、又
検事さんがおりますればみずから行
つて、そういうような
事情がどんなことにな
つておるかということを伺いもし、我々の
考えておることも言いたいと思いまして、聞きましたところが、署長も又
検事の方も同時に病気でありまして、何遍電話を掛けましてもまだ來ておらん、こういうことであ
つた。これは行
つてもいけないと思いまして、私は次席の角田刑事に実はこうこう
自分は
考えておると言いました。その内容は当時私が登記に参りますと、いろいろの
関係でGHQのESSへ始終参ることにな
つております。又参りましたら、当時ダイヤモンドさんだと思いましたが、地方の状況を
一つ調べてくれ、こういうことでありました。行
つて聞かれたら、我々はそういう合点の行かん取引があるということについては言わんということにはいきません。併し土地々々としてもそれぞれの
事情である。縣は縣としてそれぞれの
事情があろうと思います。決して我々は出し抜けに
自分だけの
考えを持
つてGHQに報告するということは当局の方に御迷惑をかけてもいけませんし、又我々の
考え違いは
責任を持たなければならんかと思いますので、その電話を掛ける折に、こうこうして近いうちに東京に行かなければならん。そうしたらGHQの確かダイヤモンドさんだと思いますが、聞かれたら言わなくちやいかんが、どうも
市場でや
つておるところの合点のいかん取引については、あれは行政措置のものか、或いはマル公があ
つて……ただ併しながらそんな
簡單なものか、その辺も実は如才なく私共に聞かしてくれ、マル公でやれんか、我々の味方にな
つてGHQに行
つて、実は地方ではこういうような
関係にな
つておるから、こういうように認められるのが当然だということにして、及ばずながら我々も
責任の任に当たりたい。実はこういう肚に……それを聞いた折の我々の心境というものは何も我々は
自分の損得とか、又当局を苦しめるという
意味がなくして申上げたのです。ところがそれに対して聞いておきますということで、それには必ず署長にも又檢事さんにも伝えておいてくれ。その折に実はこういうことを
言つて呉れと附言しておいた。実は
自分としては
知事にも檢事正にも十分言うことは知
つておる。けれども地元々々としてはそれぞれの
立場から申し上げまして、その人に言わずして、あなたを通じて申上げて置くから、署長並びに檢事君に病気が治
つたらくれぐれも伝えて呉れ、こういうことを繰返して申上げておいたのです。ところが当時すでに
八幡浜の
市場におきましては、どんどんカヴァー、或いは奨励金というものが日毎に上
つて來まして、もう底止するところを知らないような値段になりまして、社会一般からはどんどん非難が上
つて來た。こういうことになりまして、又
軍政部或いはGHQ等からも一体
漁業関係はどないにな
つておるかというような……。