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1948-08-10 第2回国会 参議院 司法委員会青木事件に関する小委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年八月十日(火曜日)   ————————————— 昭和二十三年六月四日(金曜日)司法 委員長において、左の通り小委員を選 定した。            岡部  常君           前之園喜一郎君            水久保甚作君            中村 正雄君            西田 天香君 六月十日(木曜日)小委員長互選の結 果左の通り決定した。            岡部  常君   委員の異動 六月二十六日(土曜日)司法委員長に おいて、小委員を左の通り追加選定し た。            宇都宮 登君   —————————————   本日の会議に付した事件青木事件に関する調査の件   —————————————    午前十時二十七分開会
  2. 岡部常

    委員長岡部常君) これより司法委員小委員会を開きます。吉田寛一君、すでに御承知でございましようが、青木繁吉氏に関する刑事事件につきまして、國会として調査するために証人として來て頂いたわけであります。証人は御承知通り憲法並びに國会法等におきまして、正式の宣誓をして頂くことになつております。從いまして、それは特別法に定められました罰則の適用を受けるわけでございますから、さよう御承知を願いたい。  先ず宣誓をして頂きたいと思います。    〔総員起立証人は次のように宣誓行つた〕    宣誓書  良心に從つて眞実を述べ、何事もか  くさず、又、何事もつけ加えないこ  とを誓います。         証人 吉田 寛一
  3. 岡部常

    委員長岡部常君) 速記を止めて…    〔速記中止
  4. 岡部常

    委員長岡部常君) 速記を始めて…  先ず証人に大体の御経歴簡單に述べて頂きたい。弁護士関係の御経歴ちよつと……。
  5. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 日本大学法律部を出まして、大正九年に弁護士試験を及第しまして、爾來同年から大阪弁護士会の所属で弁護士会員として今日に至つております。
  6. 岡部常

    委員長岡部常君) 九年以來ですか。
  7. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 大正九年以來です。
  8. 岡部常

    委員長岡部常君) それでお住居はずつとやはり明石でございますか。
  9. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 住居はしばしば変わりましたが、只今明石におります。
  10. 岡部常

    委員長岡部常君) お年は幾つでございますか。
  11. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 明治二十七年十一月十五日ですから当五十五であります。
  12. 岡部常

    委員長岡部常君) この事件青木氏との関係はどういうご関係でございますか。
  13. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) これはいつか忘れましたが、私が関係しました船舶の遭難の事件で、多分訴訟関係人に、依頼者でありませんが、訴訟関係人になつておられたのが、先方が私を知つた切つかけだと思います。
  14. 岡部常

    委員長岡部常君) 大分長いこと……
  15. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) さようでございますね、支那事変の後先かと思いますが、それからその後の何年か経つて後でしたが、私の大阪事務所へ尋ねて参りまして、何かと法律上の話や、世間話をしてお帰りになりました。ちよいちよい上京の都度、私の事務所お立ち寄りになつております。そういうことから知り合いになりました。
  16. 岡部常

    委員長岡部常君) 何か事業関係はございませんか。
  17. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 事業関係は一切ございません。
  18. 岡部常

    委員長岡部常君) やはり法律顧問というような恰好に……
  19. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 法律顧問という恰好ではないのであります。ただ私も暫く衆議院の末席を汚しておりましたが、あの頃関西汽船会社との間に、少しいざこざがありました。そういうときに先方の方と斡旋をしたりするようなことで、又知り合いが深まつて行つた、こういうことになつております。事業関係はございません。法律のことはめつたにありませんけれども、何か相談を受けたことはございます。正式に訴訟代理人などになりましたことは、この度が初めてだろうと思います。
  20. 岡部常

    委員長岡部常君) 今回の青木氏の事件弁護人となられました経緯を伺いたいのであります。
  21. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) それは昨年の幾月頃でありましたか……。
  22. 岡部常

    委員長岡部常君) 何月頃……。
  23. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 一、二月頃だと思います。昨年一月頃でありましたか、私当時國民協同党に属しておりました。そうして私が属しておりましたので、同氏も紹介してくれんかということで、紹介してあげました。前にも衆議院に立候補したことがあつたはずです。この度も参議院か衆議院かに立候補したい、こういうようなお話がありましたので、紹介してあげました。何か諸般の準備があつたと思います。そんな後、先に検挙されたというようなことが起りまして、私も忙しいものでしたから、その儘にしておりましたが、程なくあちらへ來ることを求められまして参りました。日は忘れましたが、丁度警察に拘置されておりました。その際私は存じませんでしたが、青木君の息子さんの友人の西村さんという弁護士高知から見えておりました。そうして一緒に警察で面会しまして、事件経緯を聞いて、それが切つかけであります。
  24. 岡部常

    委員長岡部常君) そうですか、西村君の紹介で……紹介というわけじやなく……。
  25. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 西村君の紹介でなく、西村君も偶然にそういう意味依頼を受けておつたと思います。参りましたら西村君もおりまして、西村君と同道して八幡浜警察署へ参りまして、そうして青木本人に会いまして、一応事情を聞いたということが経緯であります。
  26. 岡部常

    委員長岡部常君) 本件は私らが見ただけでも相当長く掛つておるように思いますが、審理については、どういうふうな見方をしておられますか、弁護人として……。
  27. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 私の観察でございますか。
  28. 岡部常

    委員長岡部常君) はあ。
  29. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 最初は私も割に簡單青木君から事件の概要を聞いておりましたし、体が同君が自由になりまして、いろいろと聞けば聞く程いろいろなことが材料に出て來まして、どうもどこに中心があるやら、又どんな経緯から検挙されることになつたのか、最初はちよつと五里霧中のような状態にありました。だんだんと聞いて見たり何かしておりますと、縣廳との経緯が相当深刻になつております。縣廳との経緯ということは、あれは漁業権の株の問題でありました。その間に底曳網漁業についての契約書ですが、そういう契約書の問題を繞りまして、大分いざこざがございました。そういうことで言うことを青木君は聞かんし、結局はその契約書軍政部の方へも報告せられたり、遂に縣廳もそういう契約書を廃棄するに至つた。つまりそれは縣水産業会底曳網漁業主体になつて、そうして業者はその事業担当者になる。何か水産業会指示に從わないような場合には、極端なときには、船まで無償没收せられるとかいうような、ちよつと普通の対等の契約には想像されんような條項もありましたので、そんなことを青木君は指摘して、縣廳との間のいざこざがだんだんに火の手が上りましたようなことがあつたり、そんなこともあつたらしいのです。それから事件と申しますのは、物價統制令違反事件がありました。それから食糧管理法違反事件、その後漁業法違反などがくつ附いて参りました。そこでその物價統制令違反とか、食糧管理法違反というのが、やはり漁業許可との経緯、それから水産業会水産業会と申しますのは、八幡浜水産業会支部があります。又その支部水産業会の分身といいますか、出店のようになつております。その倉庫が價格違反巣窟だというような青木見解でございまして、その巣窟に手を入れずに、わしの方をやろうとすることが、政治的な圧迫の手じやないだろうか、こういう意見も出しております。それはともかくとして、そういう事情を、あれを開き、これを聞きしておりますと、随分と縣廳との間に、水産業会との間の経緯は、ちよつとあの人の事業の上から見たら非常に重大な、深刻なことで数年を経過しておつたのであります。それでちよつと前置が長くなりましたけれども、そんなことで、さて公判になつて見ますると、水産業会検挙せずして、わし検挙するのは、これはどうかと、こういうことの疑義が提出されました。それから水産業会が闇の主体であるということを、いろいろな点から明らかでないかというようなことがありましたり、そういう辺が大分問題になつております。併し最初の頃は左程ではなかつたのですけれども、ちよつと前後しましたけれども、私もちよつと調べて見ましたら、昨年の三月二十八日に第一回の公判をやつております。それから本年の五月十七日に第十五回ですか、十五回目の公判だろうと思います。公判期日が指定されましたのはその間二十二回ございます。二十二回程でございまして、十五回程公判をやつておりますが、最初二、三回はそれ程その点は深刻じやございませずに、ただ價格違反の点は全面的に否認して、併し市場に出さなんだのはどうもこれが食糧管理法違反であります。市場というのは縣水の八幡浜支部であります。それはどういうわけかと訊問になつて來ますと、それは市場が闇の巣窟じやありませんか、こういう青木君の主張になつて來たのであります。それで闇の巣窟の方をもつとも検挙しないで、その闇の中へ私も共同で闇をやれというような、若し出しておれば結果になりますので、私はどうもその中へ入り得ませなんだということが何と言いますか、行爲の動機と言いますか、或いは意思と言いますか、こういう面が問題になつて参りまして、勢い市場の正体というものが具体的に問題になり、市場と言いますと、水産業会でありますが、縣水産業会の問題になり、そうするとあの市場へ果たしてそんなに大げさになんですね、いわゆる價格統制違反行つたのかどうかという眞相を明らかにせねばいくまいというようなことになつて参りましたというようなことで、どうもその市場問題がだんだんと中心的なふうに事件審理されて行きましたので、勢い証人が拡まつて行きます。しまいにはその他一体何故市場が闇をやつて價格違反をやつておるかどうかについてはいろいろと証人間に意見の相違もあつたようでありますけれども、普通は皆常識ではやつてつたようなことを言つてつたものでございますが、そういうことを青木君が頻り法廷で述べておりました。というようなことで、証人範囲もだんだん拡まつて行つた。まだ沢山ありまけれども、そういうようなことが事件が紛糾するに至りました元であります。どうも私はそう観察しております。
  30. 岡部常

    委員長岡部常君) 先程何か軍政部関係からというようなことをちよつとおつしやいましたが、その……何かその水産業会に対する指令でもあつて変わつて來たというようなことをお考えになつたのでありますか。
  31. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) それは青木被告が第一回準備書面とか称する表題で公判の当日に代えまして出した書類があるのでございます。多分その中に記載されておつたと思うのであります。その漁業権下付鑑札経緯從つてこの縣水産業会と当業者との契約経緯、その契約書が封建的な契約書で、一方的な契約書ということを青木が非難しまして、その非難しました経緯契約書写しですか、写しを添えて何か軍政部の方へ行つて言つたということが準備書面には書かれてあります。本人からもそういうことを言つておりました。そのことでございす。
  32. 岡部常

    委員長岡部常君) それはご本人のお考えで、そういう事実が実際あつたかどうかということは確実ではございませんね。
  33. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) そうその辺の……。
  34. 岡部常

    委員長岡部常君) 想像でございますな。
  35. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) さようでございますね。
  36. 岡部常

    委員長岡部常君) 公文書であるとかいうようなことではないのでありますね。
  37. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 何がです。
  38. 岡部常

    委員長岡部常君) 軍政部と縣の関係とかいうものがはつきりしておりませんね。
  39. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 軍政部と縣の関係は存じません。ただ青木軍政部の方に申し出ましたこと、これは書面にも言つております。それから軍政部がどういう指示をなさつたかどうか、それは存じません。まあそんなようなことで、いろいろ事情はありまして、私の観測材料はございますけれども、そんなようなので、外形相当遅延したように見えますけれども、併し検事法廷訴訟促進を求めました。我々も勿論それは同意でありました。ただそれがためには法廷で問題の重点はここだと被告言つておる重要な関連性のある証拠はできるだけ調べて欲しいという希望はずつと持つておりました。
  40. 岡部常

    委員長岡部常君) 被告自分関係する範囲についてはどういうふうな考えを持つておりますか。
  41. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) はんいというのは犯罪意思ですか。
  42. 岡部常

    委員長岡部常君) いや、そうじやない。とにかく他の方面に手が延ぶべきで、検挙の手がそちらに及ばなかつた自分だけがやり玉に挙つておるというふうに聞こえましたけれども、あなたのおつしやるところでは……。
  43. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) ちよつと私の申しようが足りませなんだ。青木みずからは、その言うところによれば、縣の水産業会がむしろ違反行爲をしておるという主張をいたしました。それから沢山の八幡浜漁業者検挙されましたのです。青木検挙されなかつたのです。逆であります。青木はされずに他の者は皆されたのです。そこで青木は價格におきましても、或いはその他におきましても、問題に疑義があれば諸官廳へ申出るとか、質すとか、私の観測ですけれども、そういう性格もあり傾向もあるのです。つまり問題があれば小首傾けておるのではなしに、直ぐ諸官廳へこの問題はどうなりますか、これはどういうふうにお考えになりますか、どうすればよいかということを言つて行きます。そんなようなことを自分はしておつた從つて自分で天地に恥じない行動をしておつたつもりだが、自分検挙して水産業会検挙しないのはどういうわけか、こういう意味であります。他の業者というのは検挙されたのです。水産業会検挙がなかつたのは、青木郡の他の……
  44. 岡部常

    委員長岡部常君) 私の他のというのは水産業会も含めて言うのですが、水産業会が罰せられんで、自分が罰せられた。
  45. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) そうでございます。
  46. 岡部常

    委員長岡部常君) それは全く見当違いだというのですか。
  47. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 青木主張はそこを力説いたしました。
  48. 岡部常

    委員長岡部常君) 或る点は認めておるのではございませんか。
  49. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 或る点とは……
  50. 岡部常

    委員長岡部常君) ここの起訴されておるという事実は認めておるのではありませんか。
  51. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) さようでございます。市場へ出さなかつた事実は認めております。それから價格違反である点は否認しております。それから漁業鑑札のなかつた事実も争つておりません。漁業法違反の問題は別の問題ですけれども、別に西日本物産株式会社というのがございます。それとの間に、当該漁業との間に船を賃貸中だという弁解をしております。事実については概畧はそんなようなことであります。
  52. 岡部常

    委員長岡部常君) これは申すまでもなく私共検察官でもなし、裁判官でもありませんから、事実について認定をするというようなことはありません。裁判もできません。検察もできませんが、実情調査のために或る程度お聞きしておるようなわけなのです。あの事件の調書の中に信認金というのが出ておりますですがね。あれはあなたのお考えではどんなものでございましようか、今まで現れたところでよろしゆうございます。
  53. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 私ら弁護人弁護人として信認金の性質を弁護人同志検討したことがあるのです。その際の大体の結論でしたが、青木君の信認金と称しているのは恐らくこういう構想だろうというふうに考えましたですが、あれが外國のスタンダードでなしにライジングサン石油会社の油を約四十年取り扱つて來ておるのだそうです。非常にそういう取引の嚴重なことを知つております。そこでその際は何でも信認金ということが普通に用いられるのだそうでありまして、信認金ということにして置けば間違いないと言いますか、いろいろな意味におきましてそういうので、信認金という名で何程かの金を入れさしておいた。だからこれはまあ私の弁護人立場からの見解ですけれども、やはりああいう青木君のような商賣の仕方の人でないとちよつと分りにくい面、理解しにくい面があるのではないか。例えばこういうことが問題になつておりましたのですが、特定の問題でありましたが、判事の方でも信認金ならばそれならば二万円とか、十万円とか、きちんとした額が一応考えられるが、普通の世間保証金でもそうではないか、端数の出る信認金というものは代金の意味じやないかというように一応疑いを持つて質問が出たように記憶しております。一応そういうふうにも考えられますけれども、やはり青木の気持は從來の自分の商賣をしておつた、それからまあ一種の保証金みたように扱つたのじやないかと弁護人としてはそういうふうに見ておるのでございます。
  54. 岡部常

    委員長岡部常君) 何でも記録の上では信認金、何十何銭まで出ているところがありますね。それからもう一つ魚代信認金とちやんと明記したところもあるのでありますね。そういうふうなことも御承知でございましようが、そのライジングサンあたりのやり方ではやはりそんな端数が出るのでございましようか。
  55. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) それは知らんのであります。知らんのですけれども、あの人の商賣の仕方がそういう特異性を帯びた経歴を持つておりますから、何でもそういう辺の信認金扱い常識のようにもちよつと説明したことがありました。青木はそれでやはり信認金というものを、そう端数がどうというふうにむずかしく考えなかつたのだろうと思います。
  56. 岡部常

    委員長岡部常君) それは参考にお伺いしたいのですが、信認金というものは向うでは何と言つておりますか、英語では。
  57. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) よく知りません。
  58. 岡部常

    委員長岡部常君) お聞きになりませんか。
  59. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) はあ。
  60. 岡部常

    委員長岡部常君) そうですか、青木君が最後に判事忌避をいたしましたんですね。あれはあなた方弁護人は御相談の上でおやりになつたのでございましようか。
  61. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 相談した事実はございません。
  62. 岡部常

    委員長岡部常君) あなたはどういうふうにお考えですか、あれを……。
  63. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) あのときは実は青木知事が予め出頭が二、三回できなかつたあとを受けて、期日に又出て來ないだろうというような、そういうことがあつたのだろうと思うのです。それで私共…。
  64. 岡部常

    委員長岡部常君) それは予め出て來ないだろうという噂でも伝わつたというのですか。
  65. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) さようでございますね、只今ちよつと忘れましたが……。
  66. 岡部常

    委員長岡部常君) 何でもあれを、事実上は三回召喚がありましてそれに応じなかつたわけでありますが。
  67. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 三回でございましようか、四回でございましようか、三回でございますか。
  68. 岡部常

    委員長岡部常君) 三回ですね。
  69. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) さようでございますか。
  70. 岡部常

    委員長岡部常君) それはまあ忌避申立書にも書いてございます。
  71. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) さようでございますか、何でも……。
  72. 岡部常

    委員長岡部常君) その知事とのもつれでございますか、知事証人出頭というようなこと、それに関連して感情問題でもあるのですか。
  73. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 弁護人出頭させなかつた事情を申上げたのであります。そんなことで出て來ぬというようなことに大体決つたのじやないかと只今私記憶してありますが、はつきりいたしません。それで私共無駄になつてはいけませんので、出頭を取止めてまつたのです。そのときに、何でも四月の五日でございますか、五月の五日頃でありましたか、十何回目の公判で……。
  74. 岡部常

    委員長岡部常君) 実は高松で西村弁護人から伺つたのですが、あれは弁護人相談を受けなかつた西村君は受けなかつた。あなたはお受けになつたかどうか念のためにお伺いしたわけです。そのとき、西村君は自分関係しておれば忌避申立をしなかつたという感想を述べておりましたが、あなたは如何ですか。
  75. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 実は私も西村君も何ですね、裁判は円満にやりたい。ですからその前にですね、五日の法廷で何日の日か忘れましたが、河合久事件がございました。その事件のありましたときに、裁判所に態度が非常に理解できないような状態につきまして忌避申立があつたのです。ありましたのですけれども、これは西村君と私と中に入りまして、それでまあ裁判所へも話をして検事とも相談して、円満に進行することを図つたのです。ですから何かよくよくな事情でなければ、私共は成るべく円滑に審議をあれして欲しい。そういうような協議をしたと思います。
  76. 岡部常

    委員長岡部常君) そうですか。
  77. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) これは終始変わつておりません。これはなかなか権利義務について青木君は嚴格に考える質ですから、まあその辺が事が非常にむずかしくなる場合も生じますが、成るべく弁護人立場から円満に審理が進められることを終始希つてつたのは事実です。
  78. 岡部常

    委員長岡部常君) いや、私共見ましても、弁護人高知明石市と両方に分れて相当遠隔の地におられるということで、弁護人も随分御迷惑になるのじやないか、長くなると……それで無論促進にご協力になつておるとは思うのです。一体この過延の事由の根本はどこにありましようか。
  79. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) やつぱりこれは水産業会検挙の手が延びなかつたこと、水産業会がいろいろな統制問題の責任があるということの青木君の主張ですね。これはやはり相当深刻でございますので、それがはからずも法廷において、私共に言わしても、やはり水産業会が事前に起訴になる前に一応取調べがあつたりして然るべきじやなかつたかと、やはり弁護人立場から見てもこれは弁論する側から見ましても、そういう観測はできます。ですから平たく申しますれば、やはりまあもつと突くところは突いてお調べになるところはお調べになりというふうにしたら問題が少なくて済むのじやないか、それが唯一とは申しませんけれども、やはり次々と問題が起りますのは、そんな大きな事実がちよつと逃げた恰好、歯が抜けたようになつております。それが一つ原因になつているのじやなかろうか、そこを端なくも被告人は相当深刻に申延べておりますものでございますから、つい裁判所も、そこは事重大として愼重にお扱いになつたのだろうとそう思います。裁判所自身起訴がありましてからどういうふうになつたか、実は十二月の二、三、四とやつた筈です。公判があつた筈です。その公判記録以後、私まだ、記録ができておりませんので見ておらんのですが、最近の裁判所側感想從つて分らんのですけれども、裁判所自身も相当面倒な事件だから止むを得ずというような見解じやなかつたかと思うのでございますがね、今日に至りましては、非常に停滞、遅滞というようなふうにちよつと考えられますけれども、相当汗かいて勉強して、二十二、三回の中に弁護人はどんな遠隔地ども弁護人差支で延ばしたのは一回しかない筈です。裁判所差支のために四、五回くらいは変更しております。検察廳差支で一回くらい延ばしております。弁護人も遠方の地で連絡も不便でありますけれども、一ぺんしかなかつたのです。それ程言わば勉強しておりますから、空気としましては相当調べるだけ調べて貰いたい。併し、できるだけ速やかににどんどんやつて貰いたいというようになつておりましたがね。だから非常に全体として遅延しているというふうには当時は考えておりませんでございました。
  80. 岡部常

    委員長岡部常君) ときにあれでございますね、先程ちよつと軍政部の話も出ましたのですが、青木氏はGHQと何か連絡しておられるようなこともときどき漏らされるようですが、あなた御覧になつたところでは、どういうふうな連絡がございますか。この本件に関してで結構です。
  81. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 特定な方に対してか或いはその責任の方に対してか、それはちよつと分りませんけれど、やはり相当重要な事実はしばしば英文で何か出していなさるようです。
  82. 岡部常

    委員長岡部常君) そういう程度でございますね、あなたの御承知範囲では……
  83. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) ええ。それで会つて來たこと、そのお名前等もよく聞きます。あちらの駐在なさつておる方、それから東京の方なんかも聞きますが、東京の方はよく知りませんけれども……。
  84. 岡部常

    委員長岡部常君) それから先程ちよつと國協党の関係のお話がございましたね、青木氏が昨年衆議院議員に立候補いたしましたのはバツクで立たれたのですか、國協党党員として立たれたのですか。
  85. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) その筈と私承知しております。
  86. 岡部常

    委員長岡部常君) 本件には國協党には全然関係はございませんか。
  87. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) ございません。前後何の関係もございません。
  88. 岡部常

    委員長岡部常君) それから愛媛縣知事青木氏が証人に出て喚問に出なかつた。先程から話題になつておりますが、その証人申請ということも一体どこに重点があつたのでございますか、水産業会との関係……。
  89. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 弁護人側としましては、一体この縣の鮮魚の價格行政ですね、その眞相はどんなふうですか、つまり十割とか百割とか公定價格以上の取引が事実行われておるというような多分証言があつたかと思いますが、價格行政の眞相を明らかにしたい。それから水産業会の、知事は監督者というような立場と見るのでございますが、それに対してもどういうふうに從來見て來ておられるのかというような点やら、それから青木被告が情報を軍政部の方へ提供するというようなことがとかく官憲方面から問題視されて、そういうことが漁業鑑札下付について支障になつておるというような主張法廷でもしております。果たしてそういう情報を提供するというようなことが知事において何か不満な事実でも本当にあるのかというような辺も併せて明らかになりましら、事件が一層明瞭になつてくるのじやないか。こういうのが弁護人としてその辺を明らかにして欲しいというふうに考えておりますのです。併し私共の訴訟上の重点は、やはり價格統制違反の件について、縣の鮮魚における價格行政はどういうふうにしておつたかという、これが中心でありましたですね。
  90. 岡部常

    委員長岡部常君) 青木氏が公判調書などについて大分欠点を挙げられておるようですが、私共調べた所によりますと、書記などは相当良い人をすぐつれてやつておるように受取れたのでございます。弁護人はどういうふうにお考えですか。
  91. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 実はその点、頭を悩ましました。弁護人も……まあ青木被告は一言しましたごとくに、権利義務関係が相当きちんと行く質ですから、言うた精神が少し取違えられたりしますると、非常に不愉快にあの人は思いますのです。まあ自分で重要な弁解だと思つたことが漏れたりするようなことがありましたら、非常にそれを気にしますので、それで速記者を雇い入れることを弁護人は提案しまして、裁判所もそれを許可されまして、それで、松山で速記者を二人入れるというところまで準備して見たのですが、どうも他に訴訟外の少し事情がございまして、その目的を達せられなかつたのです。そんな事情もありまして、実に苦心した点なんでございますが……。
  92. 岡部常

    委員長岡部常君) 速記者は入れなかつたのでございますか。
  93. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 入れることにしましたのですけれども、つまり……。
  94. 岡部常

    委員長岡部常君) 人が得られなかつた……。
  95. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 適当の人がなかつた
  96. 岡部常

    委員長岡部常君) 裁判所の了解の下に入れるということになつてつたのですか。
  97. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 性格にするために始終問題になりますので、事明らかに正確にしまするために、速記者を入れることの許可を得たのです。それでその方も準備をやつてつたけれども、大阪ならばあつたのです。経費上大変でございますし、松山からならば人が得られない。新聞社関係ならばあるのです。
  98. 岡部常

    委員長岡部常君) 新聞社関係の人か何かを連れて法廷に行つて速記をして、それが新聞に出るというようなことを聞いておりますが……。
  99. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) それは別問題であります。
  100. 岡部常

    委員長岡部常君) 本当の速記者でない人を入れる計画しておつたのですか。それは裁判所の許可を得ておるわけでないのでございますね。
  101. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) それは我々の始終弁護人らに関係なく、土地の新聞社の記者が自分の新聞編集上お書きになることと思います。我々の企画しましたのは、専門の速記者をこういうふうにして入れまして、そうして法廷の一部始終一切の発言をそこに記録して貰う、そんならば間違がない、こういう点だつたのです。
  102. 岡部常

    委員長岡部常君) 計画だけで実行に移らなかつたわけでございますね。分りました。
  103. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) それはつまり人を得られませなんだので……。
  104. 岡部常

    委員長岡部常君) 今のお話のありました新聞は八幡浜新聞でございますね。
  105. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 八幡浜新聞、八幡浜民報。
  106. 岡部常

    委員長岡部常君) 御本人の機関新聞じやございませんか。
  107. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 御本人といいますか……。
  108. 岡部常

    委員長岡部常君) 青木氏の、或いは会社のですか。
  109. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) そういう関係はございますかね。
  110. 岡部常

    委員長岡部常君) 御承知にならないのでございますか。
  111. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 懇意なことは懇意なようですが、その辺ははつきりいたしませんが、懇意のようですが、松井という人ですか、松井と思います。
  112. 岡部常

    委員長岡部常君) その関係はよくご存じございませんのですね。
  113. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) 詳しく分かりませんのですが、余程親しいことは事実なようです。
  114. 岡部常

    委員長岡部常君) それじやどうもご苦労さまでした。
  115. 吉田寛一

    証人吉田寛一君) さようでございますか、誠に至りませんで……。    〔証人青木繁吉君着席〕
  116. 岡部常

    委員長岡部常君) 本日お出で願いましたのは、すでによく御承知の、あなたに関する刑事事件に関しまして、國会として、証人としてお出でを願つたわけであります。それで御承知でありましようが、憲法その他の法令によりまして、國会における証人というものが決まつております。それで証人宣誓をして頂きたいと思います。これは、宣誓をなさいますと、特別法に決まつております、違反しますと制裁を受けるということになつておりますから、その点御承知おきを願いたいと思います。先ず宣誓をして頂きたいと思います。    〔総員起立証人は次のような宣誓を行なつた〕    宣誓書  良心に從つて眞実を延べ、何事もか  くさず、又、何事もつけ加えないこ  とを誓います。         証人 青木 繁吉
  117. 岡部常

    委員長岡部常君) 青木繁吉君、お年、それから職業をお尋ねいたします。
  118. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 六十三才でございます。
  119. 岡部常

    委員長岡部常君) 職業は……。
  120. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 会社の役員であります。
  121. 岡部常

    委員長岡部常君) 何会社でございますか、名称を仰しやつて……。
  122. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 太陽石油株式会社と青木商事株式会社取締役であります。
  123. 岡部常

    委員長岡部常君) こちらに來て頂きました訊問の点についてちよつと申上げておきますが、つれは先程も申しましたように、憲法によりますもので、これは國会としての働きの一つであります。勿論御承知のように國会は行政府でもありませんし、又裁判所でもありません。今問題になつておりまする裁判事件、それに干与するわけには行かない。検察に干与することもできないし、又裁判所に干与することも、これはできないのでありまして、その点は予め御承知おきを願いたいのであります。我々は検察に喙を挿むことは、行政に対する容喙になりますし、又裁判所に内容に触れて、或いはその審理については我々は手を触れることはできません。これは三権分立の当然の帰結でありますから、そういう点に触れませんで、國会國会としての働きで、憲法第六十二條の「両議院は、各々國政に関する調査を行い、これに関して、証人出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。」この條章によりまして、國政に関する調査という、大きい意味の國政としてですね、見るのであります。で検察の当否を云々するとか、或いは裁判をどうするというようなことは無論できませんので、この結果といたしましては、國会本來の力としては、何かするかも知れません。併しこれは我々司法委員会、或いは小委員会のできるところではございませんので、これは國会としては院議によつてやるより外はないわけなのであります。その点予め御承知を願います。検察のことにもお聽きしますけれども、それをどうしろと指図は無論、裁判官の審理を動かすということも無論これはやつてはいけませんし、やれませんし、やつてはいけないことですから、その点はどうぞよろしく御承知を願いたいと思います。  今回のあなたに関する事件でございますね。これは概括的に事件と申しておきます。これはもうよく分つております。私らもすでに調べておりますから、一々挙げませんが、時間を取りますから申上げません。この事件について検挙されたわけですね。どういうことで検挙されたか、ごく簡單一つお願いいたしたいと思います。
  124. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 私が検挙せらるるに至りましたことは、私の方で、戰時中すでに日本の食糧が行詰る。こういうことが私共の脳裡に離れておりませなんだ関係上、陸上の食糧はもう行詰つてしまつておる関係上、漁業の方でできるだけの食糧増産に寄与したい。そういう意味の下に、而も私の方に客船の小さい古いものがありますし、それから又当時いろいろの資材のストックもありましので、そういうことによりまして、幾分でも食糧事情の緩和に貢献したいというので、戦時中からすでにそういう考えを持つておりましたばかりに昭和十八年だと思います。確か相川知事が愛媛縣に來られました折に、相川知事の代人になる人が我々のところへ参りまして、そうして是非君のところの船やら何やらで漁業をやつて呉れんかな、こういうことで私ども始めたのが漁業なんであります。
  125. 岡部常

    委員長岡部常君) 漁業の初めがそれなんでありますね。それはあれでありますね、今回のはそのお仕事の中どういうことが問題になつたのでありますか。
  126. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) それで実は私の方でそういう業会へ入りまして、そうして戦争中におきましては、漁業権を得なければいけない関係になつてつた。ところが相川知事の時代には私どもに知事そのものから人を以て特にやれとこういうような話でありましたから問題がありませず、著手しまして、直ちに操業に入ろうというばかりに丁度雲澤知事に迭りまして、それから引継いで土肥知事に迭りましたが、その間に知事が迭りますと、手の裏を返したごとく君には漁業権は与えておらん。それだから漁業をやつて貰うことはできない。
  127. 岡部常

    委員長岡部常君) それは相川知事のときに許されて……。
  128. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 口頭で向うからやつて呉れということで……。
  129. 岡部常

    委員長岡部常君) それでいつ始めたのです。
  130. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) それで始めましたのは、相川知事が迭られまする前後であつたと思います。
  131. 岡部常

    委員長岡部常君) それで始められてそれがいつまで続いたのです。
  132. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 始めまして、それがずつと終戦まで続いたのであります。
  133. 岡部常

    委員長岡部常君) そういう沿革があるのでありますね。そこは分りました。その先を……。
  134. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) それで、そういうような関係で実は終戦後におきましても、その途中におきまして知事との関係が紛糾しておりまして、漁業鑑札知事が迭りますと、与えておらんからやつてはいかんというので、我々はそんなことをいわれては困るという中に、軍の方から是非一つ協力して呉れんかというようなお話がありまして、軍の方に協力をしておりましたが、御承知の通り終戦になりました。そこで軍の方の仕事をします場合には漁業鑑札がなくてもよかつたのであります。結局軍の方の仕事をするには鑑札は要らんから、鑑札がなくてもよいのだから俺の方の仕事を協力して……。
  135. 岡部常

    委員長岡部常君) 軍というのは何処です。
  136. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 廣島の曉部隊です。相当な協力をしておりました。ところが終戦になりますと、軍は解体になりますし、食糧事情は益々緊迫して來ると、こういうことで、我々は当時の豊島知事に是非引継いで我々は一層強力に食糧増産に資したいのだ。聞けば軍政部の方からいろいろ資材も貰えるということも新聞に出ておるから、一つ是非そういうようなものを貰つて我々に分けて貰うわけにいかないか、こういう話をしたのであります。そうすると大変に立腹して、君の方は歴代の知事というもの、縣の言うことを聞かないので、今君のところに漁業をやらせるなんということは以ての外のこつちや、直ぐ止めなければ警察権を以て差止めるというようなことで、只今申上げましたように、漁業権鑑札については引続いてやつておりまして、只今申上げましたような関係であります。当時日本は食糧は非常に緊迫しておりましたばかりでなく、又脇の人々にやれといつてもなかなか設備その他の関係で到底その日の増産をするということはできないという緊迫しておつた時代であります。そこで私どもは軍政部の方へ実はこうこういうような事情になつておりのだが、何か御支援を願うわけに行くまいかと、こういうことで愛媛軍政部ちようどその当時係がアドレスト大尉でありまして、陳情して行きますと、それは以ての外だ、決してこれは止める必要はない。やれ。自分の方から縣の方へ紹介してやるからと、こういうお話でありました。そこで、ちようどそういうお話で、五、六日の中に話がありまして、豊島知事は、当時篤農であります熊野徳治郎、これは経済部長でありまして、これが八幡浜の方へ参りまして、君のところの方の鑑札をやるのだから一つ仕事を大いにやつて呉れと、こういうお話でありました。それで直接私の方へ話がありませず、何でも水産業会八幡浜支部の山下の使いの人を通じまして通知して参つた。何かその間に曖昧なような関係で、実は私の社員か誰かに通知して來たような話でありまして、どうも私合点が行かんので、やれというて來ておることは來ておるが、はつきりしませんからというと、その翌日旁々縣廳に参りまして、実はほのかにそういうことを聞くのだが、実際において我々全努力をしてやつてもよいということを豊島知事に話をした。そうしたら今まで我々の方としましてもごてごてしておつたものは一切水に流そうじやないか、君の方でもやつて呉れ、我々の方でもやりたい。こういうような話をして誠にこういうような終戦になつて來ると我々の方でも実は縣といろいろな関係で協力して呉れないか、いろいろの漁業ばかりでなしに海運や石油の問題に関しましても……。
  137. 岡部常

    委員長岡部常君) そういう行爲が許されたわけなんですか。
  138. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) そうです。
  139. 岡部常

    委員長岡部常君) それで、それはいつまで続きましたか。
  140. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) それはいつまでではなくて、やつて呉れ。やりましよう。ということでその日は丁度そういうような挨拶旁々で済みまして、そうして数日経ちますると、君の所に鑑札をやるから取りに來い。実はこういう手紙が來ました。ところがその手紙の出し主もやつぱり水産業会が出し主になつておりますので、どうも合点がいかんなと思いましたけれども、私まあ代人をやつたのであります。やりましたところが、丁度当日縣の水産課長、それから又水産業会の人々がおりまして、君の所に鑑札はやるんだが、併し水産業会の手を通じて届出て貰わなければならん。こういうことになつて來ますと、そうしますと、私の方で行つておりまする代人は何も水産業会から社長が貰うて來いという話はなかつたので、又我々もそういう話をしていなかつたので、それで一応契約書なんかは持つて帰りまして、私にどういうようにしようかとこういう話であつたのであります。ところが私はそれは話が違う。実は我々が前の相川長官の時分にも話しておつた。どうもいろいろの人が間に入つておると、自分らは非常に働き甲斐がないから直接やらなければいかんのに、今になつても又ぞろ水産業会というものが入つて來るというようなわけでいけないし、又この契約書というのは全然誰が責任を持つてやるのやら殆ど掴みどころのない契約書なんだから、こういうような契約書には自分としては絶対に調印しないと、こういうことで実は会社の内部の意見が二つに分れましたが、そういうこうに決つたのです。そういうことで縣の方でも又熊野経済部長が、実は我々は直接貰う筈であつたの水産業会から貰わなければいかん、そこでやはりそういうような封建的な我々の性分に合わんような契約書を突きつけられても、あれへ調印しなければやらせないもんか、又直接呉れるものならというので、せつせつと掛け合いしたのであります。そうしますというと、待つて呉れ、その中に期待に副い得るようにやるから仕事はやりよつて呉れ、こういうような話で正式の鑑札を貰いに行かずに済んだのです。そうしてその後青木知事の代になりまして、それで、どうもこういうような鑑札も持たんということでやるということは実は心苦しい話で、早く解決して貰いたいと思いますけれども、なかなか水産業会というものが戦時中におきましても又戰後におきましても、有力なる背景を握つておるので、知事そのものも却つて困らすのだ。その中に善処して貰えるのだろう、こういうので我々は好意を持ちまして、そう言うつておるものを無理に取らないともいえず、そのまま豊島知事は迭りましたので、今後青木知事になりますと、このまま放つておいたら又豊島知事が中間において、又この人は心配をしておるに違いない。何も決裁せずに他に転勤したのでありますが、又青木知事に心配かけてはならないとこういう考えに下に、私と私の忰と山下の三人が参りまして、実はこうこうこういうわけで前の豊島知事とは話ができている。ところがどうも鑑札を得るということになりますと、今までずるずるになつている。これは我々も甚だ息苦しい。あなたが新任されたのだから別に今までの人がどういう契約を結んでおろうとも、それを楯にとつてどうしようとは思わない。あなた自身の立場で、良心に基いてやつて下さい。若しいけなければいかんという理由を書いて貰つたら……。そもそもこの鑑札を貰うということは軍政部紹介によつて貰うことになつている。我々もいながら手を引くというわけには行きません。そういうことがいけないというなら、あなたの独自の立場で、我々はこりがいかんとは言わん。それから水産業会の手を経なければいかんか、又そうでなくても呉れるか、うちの方は水産業会の手を引いて貰うということは……はつきりいかんということを申上げて置きました。今日イエスかノーかを一つ聞かして貰いたい、そういう最後案の話をしました。同時にあの知事は、よくわかつた、それは君の要求するところは僕から直接呉れということでなく、その通りやります。よくわかつた、こういう話だつたのであります。それは誠にどうもありがたい。よろしく頼むということで実は別れて來たのです。
  141. 岡部常

    委員長岡部常君) 水産業会知事との交渉、あなたと先方の交渉は大体分りましたが、結局この事件はやはり水産業会が出荷機関ですが、指定出荷機関になつて、それを経ないでというところが起訴の一点になつておりますね。
  142. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) ええ、一点になつております。そういうような関係で、実は知事との問題はそうなつております。丁度そういう話は昭和二十一年の漁期が四月までと、それから又昭和二十一年の十月から始まるのであります。ところが十月から始まりました場合に、我々の方はずつとその間引続きまして食糧増産に努力しておりましたばかりに、どうも水産業会の松山或いは八幡浜、宇和島あたりの市場における取引が、公定價格がありますに拘わらず、カヴァーとか奨励金、こういうような取引が行われている、こういうことを脇の者から聞きます。併しどうも我々知つている範囲でもありましたが、同時に初めの中は漁期が休みになつたばかりでありましたから、まあ大したことはないとこう思いましたが、十月からそういう時期に入るに從いまして、そういうようなカヴァーとかいろいろな奨励金とかいうようなことが日により人により変つて、そうして殆ど自由價格みたようになつておりましたので、私の方としましてはその当時に、口頭ではありましたが、警察の方へもどうも八幡浜の魚市場では本当の公定價格があるものやら、ないものやらわからない。これは一体あの石油というものは、連合軍から貰つている石油は、そういうような石油をどういうような方法にしてあなた方は分けているということに御関心を持つているか、こういうことを確か十月の頃だつたと思いますが、電話でこれは警察の方に聞いたのであります。それは満足に聞けません。ところが誠にどうもカヴァーとか或いは奨励金というものがひどくなつて來ますし、又値段がどんどん違つておりますが、一向それが隠れて秘密にやつて、いるようでもありませんし、市場で堂々とやつておりますから、同時にマル公では引合わんという業者からの意見もありますししたもんですから、実際のところ私どももこれには何か知事が行政措置によつて内諾でも与えているのではないか、又そういうようなことにおいて、実際において生産をしているものも話合ができておれば、何にも我々はそれが悪いという必要もなし、又自分らの漁業も同時に丁度私の方の機械が悪くて、かたがた自分らも態度を決めなければならんものですから、それは丁度十一月の末頃だつたと思いますが、八幡浜警察署の次席の角田、それから検察廳検事、これに電話を掛けまして、署長がおりますれば私みずから行く、又検事さんがおりますればみずから行つて、そういうような事情がどんなことになつておるかということを伺いもし、我々の考えておることも言いたいと思いまして、聞きましたところが、署長も又検事の方も同時に病気でありまして、何遍電話を掛けましてもまだ來ておらん、こういうことであつた。これは行つてもいけないと思いまして、私は次席の角田刑事に実はこうこう自分考えておると言いました。その内容は当時私が登記に参りますと、いろいろの関係でGHQのESSへ始終参ることになつております。又参りましたら、当時ダイヤモンドさんだと思いましたが、地方の状況を一つ調べてくれ、こういうことでありました。行つて聞かれたら、我々はそういう合点の行かん取引があるということについては言わんということにはいきません。併し土地々々としてもそれぞれの事情である。縣は縣としてそれぞれの事情があろうと思います。決して我々は出し抜けに自分だけの考えを持つてGHQに報告するということは当局の方に御迷惑をかけてもいけませんし、又我々の考え違いは責任を持たなければならんかと思いますので、その電話を掛ける折に、こうこうして近いうちに東京に行かなければならん。そうしたらGHQの確かダイヤモンドさんだと思いますが、聞かれたら言わなくちやいかんが、どうも市場でやつておるところの合点のいかん取引については、あれは行政措置のものか、或いはマル公があつて……ただ併しながらそんな簡單なものか、その辺も実は如才なく私共に聞かしてくれ、マル公でやれんか、我々の味方になつてGHQに行つて、実は地方ではこういうような関係になつておるから、こういうように認められるのが当然だということにして、及ばずながら我々も責任の任に当たりたい。実はこういう肚に……それを聞いた折の我々の心境というものは何も我々は自分の損得とか、又当局を苦しめるという意味がなくして申上げたのです。ところがそれに対して聞いておきますということで、それには必ず署長にも又檢事さんにも伝えておいてくれ。その折に実はこういうことを言つて呉れと附言しておいた。実は自分としては知事にも檢事正にも十分言うことは知つておる。けれども地元々々としてはそれぞれの立場から申し上げまして、その人に言わずして、あなたを通じて申上げて置くから、署長並びに檢事君に病気が治つたらくれぐれも伝えて呉れ、こういうことを繰返して申上げておいたのです。ところが当時すでに八幡浜市場におきましては、どんどんカヴァー、或いは奨励金というものが日毎に上つて來まして、もう底止するところを知らないような値段になりまして、社会一般からはどんどん非難が上つて來た。こういうことになりまして、又軍政部或いはGHQ等からも一体漁業関係はどないになつておるかというような……。
  143. 岡部常

    委員長岡部常君) そのことに関連したしまて、公定價格違反というようなことに関連しまして、あなたの商取引の中に信認金という制度があるようですね。あなたの取引の中の信認金という、あれはどういうものですか。
  144. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) あれは当時そういうような……。
  145. 岡部常

    委員長岡部常君) カヴァーなどとは違いますか。
  146. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) あれは市場におきましてそういうようなどうしても合点の行かない取引が行われております。只今の話に及びますが、我々がそういうことを言つておるにも拘わらず、何らそれに対して私共警察も、それから檢事局も何も言わずにそのまま放任せられまして、日々相場がどんどん上つてきよる。そういうことであります。これには我々ができた魚を市場に出すということは思いもよらんことだが、自分の方で市場を開設しよう。こういうわけでその前後におきまして市場を開設するとしますれば、担当眞面目に、そうして使えるところの仲買人も要るのじやないか、それで若し仲買人が、我々に開設の許可があつて……どうしても許可して貰わなければならんという私は決意を持つてつたのであります。その市場に対して信任をおいておりませんから……若しそういうふうに市場を開設する場合には、私は大体脇に石油の業をしております。その石油の業をしております関係上、外國商館あたりの方との取引におきましては、必ず信認金というものを入れまして、或いは一ヶ月か二ヶ月というような取引の該当予定額によりまして、それに相当するところの信認金を入れて、そうしてその受渡しというものは、信認金の限度におきましては日々計算するというようなことを何しない。
  147. 岡部常

    委員長岡部常君) 信認金制度というものは市場設置に関連しているものですか。
  148. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 当時市場設置に関連する信認金の額におきましては、当時私はそういうふうに警察並びに檢事局の側も聞いておりますけれども、一向我々の方には返事をして呉れない。ところが日本全國各地におきましては、どんどんそういうような公定價格以外の價格が常識みたいになつておりますので、まあ当時といたしましては、早もう議会においてマル公は撤廃せられるという噂が立つてつたのであります。そこで我々の方としては信認金を貰うとしても、相当の額を撤廃せられるというのであつたならば貰つて置かなければならない。若し、マル公を撤廃しなければそれ程要らない、その状況が分らんものですから、その額につきましては何ぼ入れなければいかんということは決めております。
  149. 岡部常

    委員長岡部常君) その額の決め方はどういうふうに……大分細かく刻んであるところもあるようですが……。
  150. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 決してあれは、向こうから持つて來たもので我々の……。
  151. 岡部常

    委員長岡部常君) 買主の方から……。
  152. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 持つて來たもので、我々の方から要求したものではないのでございます。見当としましては、二十万円、三十万円入れる、併し場合によつて價格が上つてそれが認められることがあつたら四十万円でも五十万円でも入れて貰わなければならん。それよりも向うさんができるだけのものを持つて來るということにおいて、内入れといたしまして貰つて置く。
  153. 岡部常

    委員長岡部常君) それから信認金という制度は何か本業としてやつておられる石油会社ライジングサンですか、何かの商習慣にあるということも聞いておりますが……
  154. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) それは永年我々取引しておりまするに、先ず取引を開始するということになりましたら、向うさんとして無論身許を調査し、同時に信認金を、保証金といいますか信認金といいますか、代金の未拂い、その他取引に対する不都合をせないというところの保証金或いは信認金というものを入れる。こういうことで……
  155. 岡部常

    委員長岡部常君) それは保証金というものと同じでございますか。
  156. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 同じでございます。
  157. 岡部常

    委員長岡部常君) そうすると、それは大体千万円なら千万円とかというような大まかなものじやないのでございますか。
  158. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) それは必ずしも何ぼということは我々ライジングサンあたりと取引いたしましても、そのときの状況、そのときの取引高によりまして、向うがこれはいらんと言うたときには返しておりますし、取引が少なくても將來大いに発展してやらせなければならんという場合には、取引が少なくてもどんどん入れる。こういうような状態にあります。
  159. 岡部常

    委員長岡部常君) 金高の決め方については慣習もないのですね、一定の法則というものは……。
  160. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 法則というようなそんなことは……。
  161. 岡部常

    委員長岡部常君) ありませんか。
  162. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 別に我々は向うさんの営業規則の何條に基いてどうするというような、そんなに堅苦しいものじやない。その当人の自由意思と、そのときの場合によりまして從い、それを応用したというような関係でございまして、決して仲買人の取引におきましても、向うが十万円で入れることが、十万円の價値はこつちは取引しておらんものですから、いかんというならば、こつちは取引しておらんものですから、別に何ぼ持つて來るということは、三十万円の信認金を持つて來いというならば三十万の信認金を入れても、果して能率的に使うか使わんかということは、こちらの考えにあります。何ぼを入れるということは……。
  163. 岡部常

    委員長岡部常君) あなたのお使いになつ信認金というのは魚代信認金云々という名目も混つておりましたですね、それが非常に細かく何円何十銭まで入つておるというものですが、如何にもそういう大まかな信認金でなく非常に細かい計算、やはりカバーということになるのじやないかというふうに思わせる点がありましたら……その点はあなた御承知でございますか。
  164. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) これは私丁度会計の方は見る折もありますし、見ん折もありますが、当時向うから仲買をしておる者なんかにも、我々が市場をするということにつきまして、全力を注いで信認金を幾ら入れたいというふうな関係で、或いはそういうような端たの金も出ておるように思いますが、併しそれでも決して起訴状なり公訴状なりにはそういうような信認金という名目の下に、後日闇の取引で精算するという意図をしたというようなことを書いておりません。これは以ての外のことでございますから、丁度我々は……。
  165. 岡部常

    委員長岡部常君) 分りました。それから遡つてですが、結局今まで承つたところによりますと、漁業許可というものは、正式の許可というものはないわけでございますね。
  166. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 正式の許可というものは…。
  167. 岡部常

    委員長岡部常君) 受ける段取に至らなかつたわけですね。
  168. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 契約は先程言つておりましたように、知事との間におきましていかなければ早速返して呉れということで、イエスかノーかを聞きましたときに、よく分つた。こういうような話になつておりますから、分つたという意味におきまして、或いは知事におきまして何か文句を言われるかも知れませんけれども、併しそれには條件がついておる。若しあなたの方でいかんことならば、それについていかんということの一つの理由を書いて貰つて、そうして却下して貰つたら、我々翌る日からやろうとは言わない、但しそれは我々は軍政部紹介によつて始めておるのだから、その書類を向うへ添付して挨拶するからそれで済む筈でございました。こう言つておりましたから、若しそれが許可できんものならばできんと言つて來られん限りには承諾したという私は解釈をしております。
  169. 岡部常

    委員長岡部常君) あなたのおつしやるところによりますと、戰時中に曉部隊から許されたから、それが戰後のどさくさのときに緊急処置として又軍政部の了解を得て続けておつた。そういうことになりますね。
  170. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) そうです。
  171. 岡部常

    委員長岡部常君) 分りました。この事件が非常に私ら見まして、遅延しておるように思いますが、どうしてこんなに遅延したのでしようか、あなたのお考を……私共実は調べております。それから又いろいろの方面から伺つて大体私らにも外貌は分つておりますが、あなたのお考は、一体どうしてこんなに遅れるのでしよう。
  172. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 大変どうも要点をお聽下さいまして感謝いたしますが、我々も何らいかんものを我々無理からやろうとは言つておらない。從つて青木知事の代にならずに、而もそれが本省に移管せられた。傍のものはどんどん下つておる。何かこれには深いところの慾得よりももう一つ超越したところの思想信念がなければ、我々はこういう目に遭うものじやないということを考えておつたのです。ところがそれは我々の考だけで、証拠として握ることはできない。ところが昭和二十二年の七月の十二日の折に当時私東京へ参りまして、水産局長とも数回会いまして、知事は呉れなければ呉れないで不許可の理由を添付して貰つたらどうか。あなたの方に廻つて來て、外のものはどんどん許可が下つておるけれども、我々の方には許可が下らないということは我々としても心外千万で、同時にあなたの方でもいかなければいかないというようなことを言つて貰いたい。こういうことを交渉いたしましたところ、青木知事から副申で取つたらいいじやないか。併しそれは今までもないことであります。それはすでに前年の問題である。今になつてから副申が要るとか何とかということは我々を困らすだけの問題じやないか、こういうようなことの話をしておりましたところが、当の藤田水産局長は、君の方は日本人でありながら連合軍の方へ情報なんか出しておるじやないか、そういうような出しておる者に青木知事鑑札をやらんということは無理からんことで、自分も同様に思う。こういう話がありました。そこで私も何をか申しません。あなたがそういうようなお考えならば、あなたのお話は打切りましよう。こういうことで私は席を起ちまして、直ぐその足で農林大臣の平野さんにお目に掛ろう、こう思いまして、大臣室を訪問いたしましたが、來客か何かありまして、正次という秘書に会いましてそのことを懇々申上げました。それからその日でありましたか、翌日でありましたか、その点平野農林大臣にも、我々の遅れておるのは実はかようなことを藤田水産局長から言われておる、これでは我々としては如何にどんなに言つて見たところが、これの事業のみでなく、すべての問題に対しても我々やつて行けない。併し内閣もできて早々のことであるし、我々内閣の責任とまでは言いませんが、あなたからもよろしく一つ御善処を願いたい。こういうことで……。
  173. 岡部常

    委員長岡部常君) その点も実は記録承知いたしておりますが、あなたが御想像になつておりまする何か政治的の大きな力とかが左右されておるとか、そういうふうなことは何かあなた事実をお認めになりましたですか。
  174. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) その事実はですな、結局それより前に、五月の月に來ましてた折に、実は我々鑑札が非常に、脇の者はどんどん下がつておるに拘わらず、我々にだけ呉れんものですから、農林省へ行きまして、小林事務官がその係でありましたから、実はこうこういう関係でどうしても問題が解決が付かない。あなたどないに考えておるか。こういう話をしたら、君はどうも縣の方と仲が悪いじやないか、自分ら農林行政に携つておる者として、GHQから干渉を受けることはない。ドイツと違つて我々は無條件降伏じやない。こういう実はお話が出たのです。それで自分は、どうもこれはただの普通の慾得や何かの問題でなくて、あの手この手で、言われておるのは一知事だけの考えでない。こういうことに非常に深く関心を持ちましたと共に、これは一事務官だけに言つたつても始まらん。こういうことで笹山農林次官にお目にかかつて、実は我々のこの漁業問題については甚だ遺憾に思うておる点があるが、どうだろう。こういうことを聞きましたところが、のつけさまに、日本の政府はまだ存在しておりますよという話。そこで、これはどうしても我々は話して見ても……。
  175. 岡部常

    委員長岡部常君) それも承知しております。
  176. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 分らない。こう思いまして、月を変えて翌々月に來ました折に、藤田水産局長からその言明を聞かれましたものですから、もう私共は万事これで分つてしまつた、何を言うことがあろう。これが我々の考えにありますと共に、我々が勾引されましたことについても、我々は先程申上げましたように、事件の起らん前に、あの検挙の始まりましたのは昭和二十二年の一月の十六日に検挙が始まつて、その検挙の始まらん前の前年の十一月に、我々はすでに注意をしておる。我々は何らのそれに返事も得ずして、そうして一月の二十五日から、水産業会から鑑札を借りると申しますか……、証人と申しますか、事業担当者の人々が勾引されましたけれども、私は当時勾引を受けておりませんでした。ところが一ヶ月いたしまして、丁度二月の二十四日、我々参議院に立候補するべく手続に縣廳に行つておりましたところが、今度聞きますと、こういうような話がありました。それ以上どんな政治圧力がありましたかどうかということは皆様の御想像に委せたいと思つております。そういうような経緯であります。
  177. 岡部常

    委員長岡部常君) 結局まあ客観的に見ますと、もつと軽く早く済みそうな事件が長くなつた。率直に言えばそうなつておりますが、その最後の裁判停止になりしたのは、あなたが判事忌避をしておられますですね。あの忌避申立書も見ておりますのですが、あのことについては弁護人とは御相談になりましたですか。
  178. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) あれは弁護人とは相談しません。私独断でやりました。というのは、前に私を昭和九年の自分に、これ又非常な政治的背景がある問題でありましたが、重油の関税問題が起こりまして、どうしても当時、これ又水産業会の前身の水産会と当時言われておりました。重油を輸入いたします折に、名目は自分の名目にいたしまして、そうして、輸入するものに対して関税の免除を受けます折には水産会が名義主になりまして、我々は油屋としましてその油を扱つておりました折に問題を起しました。そうしてどうしても当時のその衝に当つておりますところの行政官廳の者を証人に呼ばなければいかんという場合に、弁護士では若しその間うまく徹底しませなんだ折には判事忌避の問題にまでなつて、人様にお頼みすることは、忌避そのものが重大なもので、弁護士さんの一身に関してもいけないという関係で、私が、独断でやりました例がありました。今後も……。
  179. 岡部常

    委員長岡部常君) 弁護人にも迷惑がかからんというお考えで……。
  180. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) そうです。若し忌避申立がなりませなんだときは、弁護士が懲戒処分に遭う場合もあるかと思つて、それで全然あの問題につきましては…。
  181. 岡部常

    委員長岡部常君) 弁護人と申しますと、弁護人は土地の弁護人が一人も立つておられないで、松山の弁護人は立つておられんで、それで高知とか明石とか、大分交通にしても通信にしても不便なところの弁護人を選んでおられますが、あれはどういうわけですか。
  182. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) あれは前の関税事件の折にも政治的背景、いろいろの状態のありました事件で、又今度の事件も、丁度我々が市場に出さなかつたということは、我々に犯意ありと認めらるべきものか、又水産業会がそういうような出すべからざるような行爲をしておつたということは、政治的に非常な関係がありますし、殊に新憲法によりまして、政党と政治の関係が深いものでして、かたがた弁護士をせられております土地の人々は、大概いずれかの党派に属しておりますので、十分な活動もお願いする方が無理だろうという関係で、特に縣外の人を……。
  183. 岡部常

    委員長岡部常君) それに西村さんあたりは前から関係があるのですか。
  184. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) そうです。西村弁護士は私の忰と学校が一緒でありまして、友達であります。
  185. 岡部常

    委員長岡部常君) 吉田さんはどういう関係……。
  186. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 吉田先生は戰時中におきまして、私大変財閥会社と私の方の経営しております石油会社の合同につきまして圧迫を受けました。どうしてもうまく当局に話して貰えるべき有力な人がありませなんだが、丁度当時吉田先生が代議士をしておられました。その人にそういう関係一つ当局と交渉して貰えないかということをお願いしたら、大変忠実に我々の立場を説明して下さつたような関係で、爾來先生を我々信任いたしまして、今日まで参つております。こういうような関係であります。
  187. 岡部常

    委員長岡部常君) その代議士という問題が出ましたから序でに伺いますが、あなたは昨年参議院議員に立候補したいというのでと、さつきおつしやいましたが、その外衆議院議員に立候補されたのですね。
  188. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) その前年の衆議院に立候補いたしました。
  189. 岡部常

    委員長岡部常君) 昨年は立候補しませんか。
  190. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 昨年も立候補いたしました。
  191. 岡部常

    委員長岡部常君) それは政党は國協党でございますか。
  192. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) あれは政党は、私は昭和二十一年の折は全然なかつた、無所属でございました。二十二年も我々は無所属で出るつもりであつた。ところがGHQあたりの構想を聞きますと、どちらかの政党に入らないと都合が悪い。こういうような何もありましたので、國民協同党に籍は置きましたけれども、別に深い関係がありまして置いたというのではなく、丁度吉田さんも……。
  193. 岡部常

    委員長岡部常君) 形式を整える……。
  194. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 形式を整えるだけのことでありました。爾來、その初めから今日に至りましても、政党人としての活動は全然ないのでございます。
  195. 岡部常

    委員長岡部常君) そうですか。これは立入つたことを伺いますが、それでは大体想像も付きますが、この事件には、他の関係においては、政党関係は全然ございませんか。
  196. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 全然ないのです。又そういう人々には、他の弁護人も何ら関係なしでございます。
  197. 岡部常

    委員長岡部常君) あなたに何でも、何か相手があるのじやおりませんか、相手の方……。
  198. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 相手も何もありません。
  199. 岡部常

    委員長岡部常君) 政党的の色は全然ございませんか。
  200. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 何もございません。漁業関係におきまする青木知事関係は、知事そのものに対するところの政党関係は、これは私から申上げられません。皆様の御判断に委せます。私自身の立場には政党関係は何もなければ、依頼も願つておりませんければ、又我々はそういう機会も何も持つておりません。
  201. 岡部常

    委員長岡部常君) これもまあ相当立入つたことをお聞きすることになりますが、まあ今回の事件でもそのような承りますが、まああなた非常に公共的なことをお考えになつて、はたの何か公でないようなことでもあると、それを非常に気になされて告発するというようなことも随分なさるように伺つておりますが、現在何かそういう事件ございますでしようか。
  202. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 実は私ども今関係しておりますのは、戰前及び戰時を通じまして私どもの思想は、何と申上げてよいか、先程申上げておりましたように、外國商館あたりと長い間二十ヶ年も三十ヶ年も取引をしております中に、日本の経済なら経済、或いは又政治の組織におきましても、日本のよい所もありますが、又向うさんの方を習つてもよい所があるんじやないか、こういうような社会的の見方とか或いは人生観の置き方が違う点がありましたので、そういうような関係で私の現在いろいろ……。
  203. 岡部常

    委員長岡部常君) 今繋属しておるのはどんな事件がございますか。
  204. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 知事に対しましては事情を諮つたが、我々に漁業鑑札を呉れたということと、そうして我々の関係したものを拘禁しておる。それから一つは石油の問題につきまして、当時終戦後におきまして、水産業会とか農業会とかいうようなものは皆追放し、又そういうようなものに重要資材であるものを扱わせるということはしない。こういうようなことを我々終戰におきまして、今まで取引しておりました関係や又いろいろな情報及びGHQの情報を聞いております。ところがそういうわけで昨年の十一月から水産業会が石油なんかというものを扱えんことになり、それに対して絶えず当局としては陳情をしておる。ところが陳情の途中だという名目の下に扱つております。而もその扱い方が我々の使つて行かなければいかんところの日常の漁業用の石油まで引括めてやらされる、こういうようなことで実に手続とか損得というような問題において、思想の根本においてどうもそういうような拔くべからざるところの思想があるのじやないか、こういうものはどうしても根本的に直して行かなければならないのじやないか。
  205. 岡部常

    委員長岡部常君) 思想的のものは分りましたが、具体的の事件は幾つくらい……。
  206. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 具体的の事件として出しておりますのは七つか八つであります。
  207. 岡部常

    委員長岡部常君) 名前は覚えておりますか。
  208. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 覚えておるのもあります。覚えてからないのもあります。
  209. 岡部常

    委員長岡部常君) 繋属中ですね。從前そういうようなことでやられたのは……。
  210. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 從前そういうようなことにつきましては、昭和十年に八幡浜の港湾土木問題から端を発しまして、非常に統制が紊乱しておりまして、その時分にはそういう事態を放任しておるということは、我々町民なり又市民なり將來を思いやられる、こういうように感じました故に告発しました。それ以外には別に私人の小さいことについて何も……いろいろ問題を出しておりますけれども、皆公の問題に関する告発だけでございます。
  211. 岡部常

    委員長岡部常君) ときに、あなた、先程頂きました八幡浜の新聞、これはあなたの機関新聞ですか。
  212. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 機関紙というのじやありません。松井というのはずつと前から意見やら「うま」が合いまして、戰争中に合同せられまして、新聞も出すわけにいんかが、何とか応援して呉れんか、こういう話がありましたので、それで一つ君たちの新聞を認める意味においてもできるだけの応援をしようというので、どこまでも松井独立の新聞であるということには間違いありません。
  213. 岡部常

    委員長岡部常君) あなたの新聞じやないのですか。
  214. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 我々の新聞じやありません。応援しております。
  215. 岡部常

    委員長岡部常君) これは月三回発行でございますね。この頃は大体この事件か多いそうじやありませんか。大変どうも御後援になつておりまして、あなたの機関紙であるように取れますのです。松井氏は懇意な関係なのですか、そうして後援をしておられるのですね。
  216. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) そうです。何も我々の方も松井氏もそういうことを卒先して書きたいとか書くとかいうことについて、日刊新聞なりその他の新聞が眞に事件事件としてどの事件でも、刑事事件はGHQの方針としてはそういうようなものは大いに新聞に出すということを聞いておりますに拘わらず、どうしても本当のことを書いておらないものですから、それですから特にそういうようなことになつております。
  217. 岡部常

    委員長岡部常君) これは何部くらい出しておりますか。
  218. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 千部くらいでございます。殊に官廳方面とか何とかいう所に出ております。
  219. 岡部常

    委員長岡部常君) いろいろ御主張もあろうと思いますが、これは被告であるあなたに、証人に聞くのは無理かも知れませんが、一体これは司法機関とか検察局或いは裁判所裁判所の中でも判事或いは書記ですね、そういう方の取扱い方についてあなたはどういうふうにお考えになりますか。殊にこの遅延ということに関してですね、そういう諸機関の働き方についてどういう所に欠陥があるからこういうふうに遅延するのだ。そういうふうにお考えになる点がありますか。
  220. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) これは私も又立派なご質問を受けまして感謝いたしまするが、一判事とか検事とかいう区々たる関係で遅れておるとか何とかいうのではありませんで、もつともつと上の方から口で言うか或いは謎でもかけますか知らんが、何者かの連絡と申しましようか、意思の通ずるところがありますか、それによつてかように大変遅れておる。それでそのよつて來るところのものは、先程申しておりましたように、國家の一水産行政の最高長官であるところの藤田局長でさえそういうことを言つておる。それから又農林次官でさえそういうことを言つておりますばかりに、地方におきます検事とか判事とかいう者が、青木事件を扱つて見たところが、扱いようの如何によつて自分らの地位に関係して來やしないか、それが本当の皆さんの考えじやないかと思います。我々に関係をしておりますところの判事とかいうものも……本当の私の肚としましては、そういうところをとやかくやつて見たところが、ああいう人々もやはり人間は人間に相違ない話である。もつともつと大きいところの國家なりそれぞれの上の人が敗けた今日の日本というものに対して、どういうようなことによつて國民を指導し、又どこへ導いて行かなければならんかということが一番の問題じやないか、それが決まらない限りには、恐らく我々の裁判におきましてもしぶしぶながらやりまするから、本当の眞相も分らなければ、本当の立派な裁判は我々はできないということを私はこの席上で申上げることができますのを非常に幸福に思います。現に私どもが市場に出さなかつたということから起つておるところの関係に伴いまする大本外十八名の事件、これは何と言つて見ましたところが、我々の考えておりますところは、法律的に考えても実際の上から考えて見ましても、水産業会が知らんというのではなくて、水産業会一つの手段としてああいうような奨励金とか又カヴァーとかいうものをやらして、又そういうことを知事がやらしたということは、知らんということは我々に言えんようになつております。そういう関係になつておりますけれども、それだけの背景を持つておりますれば、前の岡検事正、これはどういうことを我々に言われておるかと言いますと、我々が衆議院に立候補すべき前の三十三日間拘引せられ、他の関係しておつた者は四十日も五十日も拘禁されておつた。何らの法律関係によらずに拘引しておつたのですから、私は岡検事正に山下というものを通して、一体何で我々を不法に拘禁をせられるか、我々が拘引せられておつたことは適法によつて拘引せられておるなら文句は言わない。ところが不法に拘引せられておつた。我々自分関係人であるから何か自分の利益のために言われるように考えられるが、決して我々はそういうことはない。何が故にそういうことをせられるか、こういうことを言つたばかりに、岡検事正曰く、あなたでしようが、知事に向つてむずかしい手紙を出したのは……こういう話です、当時我々にどういうことを言われたかというと、我々が拘禁せられておつた折に、西村弁護士がいろいろ我々の弁護のために訪問したところが、青木という男は起訴から拘引せられておるにも拘らず立候補しておるのは実に怪しからん。不謹慎極まるということを聞きましたので、我々は非常に心外だ。我々監獄にぶち込まれておつても、如何なる圧迫を受けておつても、それに兎や角言おうが、立候補する。最初我々は二十四日に拘引せられまして、その時は起訴状が出ておらなかつたらしい。ところが三月六日に起訴状が出まして、我々はぶち込まれておつて分らなかつたが、どうも十日も経つたの起訴起訴か、どういうものになるかということを拘留所で考えておりました折に、我々の弁護士警察の調室におりましたので、それはどういう理由によつて起訴せられておるかという書類を弁護士に見せて呉れと言つた。それで拘禁を解かれた後で弁護士はどういうことを言われたかというと、起訴することはないけれども、その起訴の原因であるところの書類は……判事曰く、検事局の方に貸しておるから、こういうことで第一回の起訴におけるところの起訴理由の原因というものは我々の弁護士に示さずして、次の追起訴ということで、三月二十四日に後の追起訴が起こりました。それでいつ頃でありましたか、その間に弁護権の侵害をせられておる。こういう関係があるから、我々もその点については甚だ遺憾に堪えないと思います。
  221. 岡部常

    委員長岡部常君) その点が不法拘禁だとおつしやるんですか。
  222. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 私に対する不法拘禁とは申しませんが……。
  223. 岡部常

    委員長岡部常君) 不法拘禁というのは三原幹作或いは高橋順一郎……。
  224. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 外の人のです。
  225. 岡部常

    委員長岡部常君) あの事件については不法拘禁です。これは手続上……あなたの拘禁はいいんですか。
  226. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) そういうような拘禁をしておいて、我々がやつてもいないことを我々から闇で買うたということで聽取書や始末書を拵えております。そこが問題になつております。
  227. 岡部常

    委員長岡部常君) もう一つ伺いますが、証人大分沢山申請されて、これは裁判所大分多く容れておるように思いますが、あれはあれ以外にあなたは申請なすつたのが沢山ございますか。
  228. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) まだ順次事件の進行に伴いまして、岡検事正とか、それからいろいろそういうような人も正式に書類を出そう、こう思つておりましたが、大体三月二十八日私は拘引せられとおつて、拘引から直ちに公判に廻された折に、これはその事件は一地方の画策した事件ではない。中央にも関係者があるだろうと思いますが、差当り、岡検事正、青木知事、こういうような人が皆証人として……。
  229. 岡部常

    委員長岡部常君) それは何名くらいですか。
  230. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 水産業会の幹部から二十名くらい。
  231. 岡部常

    委員長岡部常君) いや、後残つて申請をして却下させたのもありましよう。
  232. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 却下ということまで決定しておりません。
  233. 岡部常

    委員長岡部常君) 決定はしていないが、そうすると大体申請はされておる……。
  234. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) まだ申請したのもありますし、申請漏れもあります。
  235. 岡部常

    委員長岡部常君) 申請漏れは……。
  236. 青木繁吉

    証人青木繁吉君) 岡検事正、藤田水産局長は証人として申請いたしております。
  237. 岡部常

    委員長岡部常君) それではこれで終ります。    午後零時十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡部  常君    委員            宇都宮 登君            水久保甚作君            中村 正雄君   証人    弁  護  士 吉田 寛一君            青木 繁吉君