○國務大臣(
鈴木義男君) そのことにつきましては、今どうも
記憶がはつきり出て來ませんので、いつであ
つたかということは申上げ兼ねるのでありますが、いつか余程前のことですが、
高瀬君が
衆議院の二階の
廊下で、私と
通り違います時に、
鈴木さん、
平野氏の問題は何とかならんか、こういう
ような話があ
つたのですが、私立止ま
つて、誠にお氣の毒だが、どうもあちらの方でも睨んでおるのでね、という
ようなことを
言つたように
記憶いたします。それで
高瀬君は、一体どんなものなんだというふうに聽いた
ように
記憶いたしますが、それはどんなふうな処罰を要求するのか、こういう
ような
意味に私は取
つたのであります。別に
裁判などは無論私は干与したことはなし、
裁判の結果などは予断も、予見などもできるものではありませんから、ただ檢察当局として、何かどのくらいのことにするのかという
ような
意味を聽かれたと思
つたので、併し私は何もその当時は別に具体的な求刑の
内容とか、そういうことを知
つてお
つたわけじやなし、報告を受けてお
つたわけでもないのですから、ただ私が扱
つておる他の、あの種嘘記
事件のものと比較いたしまして、大体の見当が付きますものですから、
高瀬君はそれをはつきり聽いたかどうか分りませんが、まあ一年ぐらいのところかなあというくらいなことを申したわけであります。それは全く私のその時における
一つの推測に過ぎないのでありまして、決してそれが檢察当局の決ま
つた方針でもなし、何ら根拠のあるものではないのであります。で、私は弁護士としての経驗もありまするから、どうしてもああいうふうな、この
政治的な
意味を持ちました
事件におきましては、一審ですぱつと助かるということはむずかしいものでありますから、まあ一審ではそんなところを云われるかも知れんが、二審にでもなれば助かるかも知れん、こういう
ようなことを、極く
高瀬君を信用して、友人として心安だてに申したのでありまして、それが私の
法務総裁としての正式の発言であるというふうに
高瀬君も取らなか
つたと信じますし、私もそういう
意味で云
つたつもりはないのであります。
裁判の
内容、結果等については、
只今も予見いたしておりませんし、その当時も何ら予想したことはないのであります。それが実情であります。