運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1948-07-04 第2回国会 参議院 司法委員会 第52号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年七月四日(日曜日)    午後二時五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件刑事訴訟法を改正する法律案内閣  提出衆議院送付) ○少年法を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○少年院法案内閣提出衆議院送  付) ○有限会社法等の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○商法の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付) ○昭和二十三年六月以降の判事等の報  酬に関する法律案内閣提出衆議  院送付) ○昭和二十三年六月以降の檢事等の俸  給に関する法律案内閣提出衆議  院送付) ○行刑問題に関する調査の件   —————————————
  2. 伊藤修

    委員長伊藤修君) これより司法委員会開会いたします。先ず緊急上程といたしまして、刑事訴訟法を改正する法律案議題に供します。本案の審議につきまして、かねて小委員会を開催しておりましたが、小委員会は前後五回に亘りまして愼重審議の結果、二十五ヶ條に亘りまして修正個所を決定いたしました次第でありますが、便宜これを読み上げることにいたします。    刑事訴訟法を改正する法律案修正案(A)  第三十四條を次のように改める。    主任弁護人は、裁判所規則の定めるところにより、弁護人の対する訴訟行爲は又は弁護人のする訴訟行爲について他の弁護人を代表する。但し、証人鑑定人通訳人又は飜訳人に対する補充尋問、第三百十一條第三項に規定する供述を求めること及び第二百九十三條第二項に規定する陳述については、この限りでない。  第三十八條第二項中「報酬」の次に「並びに訴訟記録謄写の実費の弁償を加える。  第四十條第一項を第二項とし、第一項として、次の一項へ加える。    弁護人は、弁護権の行使について、その目的を達するために必要な調査をすることができる。  第五十三條第一項中「何人も、」を「訴訟関係人又は閲覽につき正当な理由がある者は、」に改め、    第二項中「訴訟関係人又は閲覽につき正当な理由があつて」を削り、「保管者許可を受けた者でなければ、」を「保管者許可を受けなければ、」改める。  第六十條を次のように改める。    裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。   一 被告人が定まつ住居を有しないとき。   二 被告人罪証を隠滅する虞があるとき。   三 被告人が逃亡し又は逃亡する虞があるとき。    勾留の期間は、公訴提起があつた日から二箇月とする。特に継続の必要がある場合においては、具体的にその理由を附した決定で、一箇月毎に、これを更新することができる。但し、第八十九條第一項第一号又は第三号乃至第五号にあたる場合を除いては、更新は、一回に限るものとする。    五百円以下の罰金、拘留又は科料にあたる事件については、被告人が定まつ住居を有しない場合に限り、第一項の規定を適用する。  第七十三條中第三項を削る。  第二百一條中第二項を削る。  第二百三十七條第一項中「公訴提起「を「第一応の判決」に改める。  第三百四條第一項、第二項を削り、第三項を第六項とし、同項中「前二項」を「前五項」と改め、第一項乃至第五項として、次の五項を加える。    証人鑑定人通訳人又は飜訳人は、その取調を請求した者が、まず、これを尋問する。    請求した者以外の訴訟関係人は、前項尋問終つた後、裁判長に告げて、尋問することができる。    裁判長及び陪席裁判官は、必要があるときは、自ら尋問することができる。但し、陪席裁判官尋問するについては、裁判長にその旨を告げなければならない。    裁判所職権で取り調べる証人鑑定人通訳人又は飜訳人は、裁判長及び陪席裁判官が、まず、これを尋問する。但し、陪席裁判官尋問するについては、裁判長にその旨を告げなければならない。    檢察官被告人又は弁護人は、前項尋問終つた後、裁判長に告げて尋問することができる。  第三百四十三條前段中「その効力を失う。」を「これを取り消すことができる。」に改め、同條後段を削る。  第三百九十三條第一項中「必要があるときは、」の次に「檢察官被告人若しくは弁護人請求により又は」を加える。    刑事訴訟法を改正する法律案修正案(B)  刑事訴訟法を改正する法律案の一部を左の通り修正する。  第三十條の次の一項を加える。    何人も、被告人又は被疑者の同意を得て、弁護人を選任することができる。  第四十八條第三項を次のように改める。    公判調書は、各公判開廷の日から五日以内に、これを整理しなければならない。但し、公判を連日にわたつて開廷し、その他やむを得ない事情があるときは、この限りでない。  第五十條第二項中「公判期日公判調書が、次回の公判期日までに整理されなかつた」を削る。  第八十九條第二号を次のように改める。  二 被告人長期十年を超える懲役又は禁錮にあたる罪を犯したもので、前に同種に罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。  第八十九條第三号中「罪を犯したもので」の次に「且つ逃亡の虞が」を加え同條第二項として次の一項を加える。    裁判所は、適当と認めるときは、前項各号の事由があるときでも、保釈を許すことができる。  第百五條及び第百四十九條中「齒科医師、」の次に「藥剤師、」を加え、「本人が承諾した場合、」を「本人が承諾した場合及び」に改め、「その他裁判所規則で定める事由がある場合」を削る。  第百五十五條に次の一項を加える。    証人供述証人又はこれを第百四十七條規定する関係がある者の恥辱となり、著しくその名譽を傷つけ、その財産上に重大な損害を生じ、その他その権利を著しく害する虞があるときは、宣誓をさせないで、これを尋問することができる。  第二百十二條第二項第四号を削る。  第三百十三條中「檢察官被告人若しくは弁護人請求により又は職権で、」を「被告人又は弁護人請求により、」に改める。  第三百七十六條第二項中「又は檢察官若しくは弁護人保証書」を削る。  第三百七十七條中本文を次のように改める。    左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書にその事由があることの充分な証明をすることができる旨を記載しなければならない。  第三百四十四條中「第八十九條」を「第八十九條第一項」に改める。  第三百八十六條第一項第二号中「若しくは保証書」を削る。  尚治安及地方制度委員会委員鈴木直人君から次のような修正案提出されております。    刑事訴訟法を改正する法律案に対する修正案  刑事訴訟法を改正する法律案の一部を次のように修正する。  第二十條、第二十九條、第三十九條、第七九一條、第百九十九條、第二百二條、第二百三條、第二百六條、第二百十五條、第二百十八條、第二百二十四條、第二百二十五條、第二百二十九條、第二百四十一條、第二百四十二條、第二百四十六條、第二百八十五條、及び第四百八十七條中「司法警察員」とあるを「警察員に改める。  第三十九條、第七十條、第七十一條、第九十八條、第百八條、第百九條、第百二十六條、第百二十七條、第百四十一條、第百八十九條第二項、第百九十二條、第百九十三條第一項、第百九十六條、第百九十八條、第百九十九條、第二百十條、第二百十四條、第二百十八條、第二百二十條乃至第二百二十三條、第二百二十七條、第三百二十一條、第四百三十條及び第四百三十五條中「司法警察職員」とあるを「警察職員」に改める。  第三十九條、第二百二條、第二百十五條及び第二百二十二條中「司法巡査」とあるを「巡査」に改める。  第百八十九條第一項及び第九十條中「司法警察職員として」とあるを「本法に規定する警察職員としての」に改める。  第百九十三條第二項及び第三項を削り、第四項を次のように改める。  前項の場合において、警察職員は、檢察官の指示に從わなければならない。  第百九十四條を削る。  第百九十五條を第百九十四條とし以下順次繰り上げる。  第二百六十八條第二項但書を削る。  以上読み上げました個所についての修正を小委員会において決定いたしましたことを本委員会に御報告申上げます。  それではかねて大野委員より質疑にかかる部分、及び委員会の当初において質疑にかかる部分、二点があります。これに対する政府委員の御答弁をお願いいたします。
  3. 野木新一

    政府委員野木新一君) 先ず大野委員から御質疑になつておりまする天皇証人として適格性を有せられるかという点でございまするが、この点は、刑事訴訟法建前といたしましては、天皇証人としての適格性を有せられるものと存ずる次第であります。  次にこの刑事訴訟法案を実施いたしますにつきましての人員その他主な予算関係の概略の点について御説明申上げます。  先ず裁判所関係から申上げますと、以下申上げるところは大体最高裁判所事務局において概算せられて、私共に連絡ありましたところを申上げるわけでありますが、この訴訟法を実施しますと、大体今までの二倍の手数が要るということを一つ仮定的原則といたしまして、人員算出基礎としておるようであります。それによりますと、これを完全に実施して行くためには、大体判事七百九十五人、書記九百六十九人、事務官技官百五十人、雇、その他千二百人、合計いたしまして、その平年度、一年間の予算といたしましては、これが三千七百九十一円ベースを基礎にして考えまして二億八千九百三十八万円になります。そうして裁判所側といたしましては、この案を一月から実施するといたしますれば、差当つて一月から三月分までにつきましては、判事を百人、それから書記を八百六十四人、事務官技官百五十人、雇、その他千百人を増して、先ず出発しようと、そういうような目論見になつておるようであります。それから尚法廷関係はどうなりますかと申しますと、少くとも今までの程度のスピードで事件をやつて行くとすれば、今までの法廷の倍殖やすという計算を立てまして、高等裁判所において八法廷地方裁判所において百二十七法廷増設する。簡易裁判所現状通りでよろしい。大体そういうような計算でありまして、この金額は二千七百万円になるわけであります。  次に檢察廳関係について申上げますと、いろいろの関係を考慮いたしまして、檢事たる檢察官は、この際増員を見合せまして、副檢事以下で大体賄う、そういう方針を立てまして、これによりますと副檢事を百人、二級檢察事務官百二十人、三級檢察事務官千八十七人、雇員千六百三十人、傭員三百七十七人、この人件費が合計いたしまして、平年度二億千四百二十一万円になります。この計算基礎といたしまして仮定した法則は、檢察官立会が今までの約二倍になるだろうということが一つと、現在は一ケ月の中七日ほど立会に費している次第であります。平均いたしまして、それが大体一ケ月十四日ほどまるきり立会に費されまして、十四日間は捜査の方にはタッチできないということが一つ。それから第二に、默秘権を認めた等の関係におきまして、捜査のための処理能力というものは、現在よりも二割程減ずることになるだろうという、この二つを一應の原則として仮定いたしまして計算したわけなのであります。  それから次の大きな費目といたしましては國選弁護関係でございますけれども、これは昭和二十二年度における数字基礎といたしまして計算して見ますと、長期三年以上の事件人員数が十一万二千七百七十二名程に上つておりまして、一体平均單價が七百五十円というような予算の基準になつておるようでありまして、それによりますと合計八千四百五十七万九千円程になります。併し從來被告人の二一・六%程は私選弁護人を附しておりますので、それを考慮に入れて、それを差引きますと六千五百四十六万四千百四十六円ということになるわけであります。この一件平均單價をもつと上げれば、從つて一應殖えるということ、それから尚これは長期三年以上の法定といいますか、必要弁護人のみを推算したのですが、それ以下の事件におきましても、請求があれば、國選弁護人を付けなければならなくなつておりますのでこの点はこの推算には入つておりません。尚、昭和二十三年度現在の國選弁護人予算費用は千五百万円計上されております。それから刑事裁判官一人当り負担事件量はどうなつておるかという御質問に対しまして、最高裁判所事務局から得ました資料によつてお答え申上げます。これによりますと、例えば昭和二十二年の統計によりますと、刑事裁判官、これは第一審の区裁判所及び地方裁判所のことを先ず申上げます。その点御了承願います。元の区裁判所及び地方裁判所関係について申しますが、昭和二十二年度におきまして刑事裁判官の数が六百三十六人、裁判官一人当り受理人員負担数が八百四十九人、一人当り既裁人員負担数、既裁してしまつ負担数が七百三十六人、一人当りの未裁人員負担数が百十三人、既裁率というものが八六・七%ということになつておりまして、これをずつと前の例えば日華事変勃発当初の昭和十二年頃の数字を御参考のため、ちよつと申上げますと、昭和十二年におきましては刑事裁判官の数が五百九十五人、一人当り受理人員負担数が三百四十四人、一人当り既裁人員数が三百三十三人、一人当りの未裁人員負担数が十一人、既裁率が九六・七%ということになつておりまして、現在は例えば昭和十二年頃に比べますと、裁判官一人の負担量というものが非常に多くなつておるわけであります。これは例えば昭和二十二年、最近におきましては、事件数というものは例えば昭和十二年、戰前の平年時の事件数の約二倍になつておるというのに対して、判事の数がとても二倍になど殖えていないというところから來ておるのであります。只今申上げましたのは第一審裁判所でありますが、この高等裁判所関係も大体今申上げたように、昭和十二年、戰前に比べると、判事一人の負担量はずつと多くなつておる次第であります。それで先程の最高裁判所の立ては人員増加関係数字でありますけれども、これはやはり只今事件数基礎にして大体只今申上げましたような程度負担量が、而も事件進行工合は今までより遲くしないという建前で、要するにすべて手数が倍になるという原則を立てて推算した結果、そういう数字になつておる次第であります。以上で御答弁を終ります。
  4. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 他に御質疑はございませんか。
  5. 大野幸一

    大野幸一君 小委員会のときに國宗政府委員からお答えなつたようなことを、ちよつと速記録に取つて置いて頂きたい。それは只今單天皇証人適格があるというお答えだけであつたけれど、それに対する勾引の効力或いは宣誓違反或いは引いては僞証等のことについて、國宗政府委員から後刻でもよろしうございますから、後世のために御発言を願つて置きまして、後にいろいろな共産党の人達から又問題が起る場合もあると思いますから、速記録に取つて置いて頂くことをお願いいたします。
  6. 國宗榮

    政府委員國宗榮君) お答え申上げます。只今質問の、天皇証人適格の問題でありますが、天皇証人適格があるというふうに私は解釈をいたしております。但し天皇象徴たる御地位に鑑みまして、召喚を受けた場合にこれに應じなかつたときに勾引できるか、或いは又証言拒否に対しまする処罰規定の適用があるか、或いは僞証に対する処罰規定が適用あるか、こういう問題になりますると、刑法解釈上から申しまして、天皇象徴たる御身分に関しましては、刑法処罰対象にならないという法律上の解釈を今まで取つておりまして、從いまして証書拒否並びに僞証という点に関しましても、処罰はなし得ないものと考えております。それから更に召喚に應じられない場合には、これを公権力を以て勾引することができるか、この問題に関しましても、象徴たる御身分、その御地位に鑑みますれば、当然そのときに強制力を以てこれを裁判所に出頭せしめるということはできないものと考えております。
  7. 大野幸一

    大野幸一君 本員も御答弁については全幅の滿足の意を表しまして了解いたしました。
  8. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 他に御質疑がなければ質疑はこれを終了することに御異議はありませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 伊藤修

    委員長伊藤修君) では質疑は終了いたしまして、本案につきましては討調及び採決は明日午後一時からこれをいたしたいと思います。  次に少年法議題に供します。成るべく簡單に一つ速記がなくなりますから、速記がなければおやりにならないとおしつやるから……
  10. 星野芳樹

    星野芳樹君 この少年法について一つ質問があるのですが、それは、この少年法少年を非常に保護しておるという点は結構なのですが、少年法が滿十八才から二十才までに繰上げて適用されるという結果、第三條のごときは、その運用の結果むしろ犯罪防止という面の場合に、青年の思想的な活動を封殺する虞れがあることを恐れて質問する者であります。第三條に「次に掲げる少年は、これを家庭裁判審判に付する。」とありまして、その第二号に「次に掲げる事由があつて、その性格又は環境に照して、將來、罪を犯す虞のある少年」ということがあり、大人ならば、何ら問われないものを、この滿二十才以下の少年には次のようなものを家庭裁判所審判に付するとして、「保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。」とありますが、この正当な監督というのは、保護者と思想的の見解の相違というようなものは、全然、理由にならんと認めらるべきかどうか、その点。それから、「正当の理由がなく家庭に寄り附かないこと。」この場合、正当の理由というのは、ある種の思想的目的を以て、或いは文化研究とか、そういうような目的を以て、余り家に寄り附かない、そういう場合は、大体問題にならないと考えるか。この罪を犯す虞れのある少年とあるのだから、單に正当な監督に服さず、正当な理由がなくとも、それだけでは審判に付せられないとは言われますが、併しこういうことを保護者の方から提出するにも、理由にはならないか、或いはなるか。それから「犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入りすること。」とありますが、この犯罪性というのは、單に泥棒とか、掏摸の團体とか、或いは賣春的な傾向とか、そういうものであつて、これも思想團体とか労働問題とか、そういう問題と全然関係のないことを意味しておるか、不道徳な人と交際してというのは、往々地方の警察官などは、ちよつと進歩的な思性を持つと直ぐ不道徳な人と解したがるが、そういう虞れはないか。又いかがわしい場所というのも、單に刑事犯罪的のいかがわしい場所であつて、思性的な研究会とか、そういうものを全然指さないか、その点をはつきり伺いたい。
  11. 内藤文質

    説明員内藤文質君) 只今の第三條の第一項第二号に掲げてありますのは、我々はこれを非行少年と申しておりますが、この非行少年というのは、只今の御質問によりますと、思想的の犯罪との関連において、どういう意味を持つのか。こういう御質問の御要旨つたと思いますが、私共といたしましては、御承知のように少年犯罪につきましては、処罰という点よりも、むしろ犯罪予防という点を主として考えておるのであります。その処罰対象になる犯罪と申しますのは、結局予防という点から考えますというと、特に道義的の犯罪、いわゆる我々は專門的には、実質犯といわれておりまする犯罪につきまして、事を考えて行くべきだというふうに考えておりまして、只今の御懸念のように、非行少年の中に、思想的な傾向を持つ者を含ましめるということは、この全体の法案を御覽頂きますれば、存在しないのじやないか。そういう御懸念はないのじやないかというふうに、私共は考えるのであります。それから成人はかような非行について罰する規定がないのに、少年のみを何故に罰するか、何故にこういう強制的な処分を行うのかという御質疑でありますが、これは御承知のように各國とも、少年犯罪対策といたしましては先程申上げたように、処罰ということよりも、むしろ犯罪予防という点に主力を注いでおるのであります。それは、第一に、少年は教養の如何によつては、その性格矯正も可能なものである。つまり「矯めるなら若木のうちに」という諺もございますように、青年は非常に矯め易いという立場から、これに対しても、処罰を以て臨むより、矯正教育を以て臨むという方が適当であるということと、何と申しましても、青少年は次代の國家を担当する者として、特に教育対象として重要な立場にある。こういうことを考えて、各國とも予防的措置ということに重きを置いておるのであります。その意味におきまして、少年に対しては、特に愛の鞭を加える途を各國とも開いておるのでありまして、こういう立場から、非行少年について、保護処分をするということをこの法案においても規定いたしたのであります。大体御質問については、その程度でございます。
  12. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 少年法につきましてはお手許に配付してありますごとく、衆議院において修正されております。一應これを読み上げます。    少年法を改正する法律案修正案  第三條第二項中、「十八歳」を「十四歳」と改める。  第二十四條を次のように改める。  第二十四條家庭裁判所は、前條の場合を除いては、審判を開始した事件につき、法決をもつて、次に揚げる保護処分をしなければならない。   一 地方少年保護委員会の觀察に付すること。   二 教護院又は養護施設に送致すること。   三 少年院に送致すること。  2 前項第一号及び第三号の保護処分においては、地方少年保護委員会をして家庭其の他の環境調整に関する措置を行わせることができる。  第四十六條中、「(第二号(ロ)の保護処分を除く。)」を削る。  第六十三條第四項中、下段の次のように改める。     新 法  第二十五條第一項及び第二項第三号  第二十四條第一項第一号  第二十四條第一項第二号  第二十四條第一項第三号  さよう御了承願います。
  13. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 今丁度、厚生省の兒童局長が見えておるようでございますが、私の質問に対して御答弁が願えますか。
  14. 小島徳雄

    政府委員小島徳雄君) 時間の関係上、後でお答えいたします。
  15. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それでは質疑はこれで終了いたしまして、討論を省略することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それでは衆議院修正にかかる分を一括して問題に供します。衆議院修正を含む原案通りで御賛成の方は御起立を願います。    〔総員起立
  17. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それでは全会一致を以て、本案原案通り可決することに決定いたします。尚本会議における委員長口頭報告内容は、本院規則第百四條によつて、予め多数意見者の承認を経なければならぬことになつておりますがこれは委員長において本案内容委員会における質疑應答要旨討論要旨及び表決の結果を報告することにして御承認願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條によりまして委員長が議院に提出する報告書には多数意見者署名を附することになつておりますから本案を可とする方は順次御署名を願います。    〔多数意見者署名
  19. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 署名洩れはございませんか。ないと認めます。それでは休憩いたします。    午後三時十分休憩    ——————————    午後三時四十五分開会
  20. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 引続いて委員会を開きます。少年院法案議題にいたします。本法案に対して御質疑のある方はお願いいたします。速記を止めて。    〔速記中止
  21. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 速記を始めて。他に御質疑はありませんか……。それでは質疑はこの程度で打切りまして討調を省略して直ちに採決に入ることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 御異議ないものと認めて討調を省略いたします。では直ちに採決に入ります。本案に御賛成の方は御起立を願います。    〔総員起立
  23. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 全会一致原案は可決すべきものと決定いたしました。尚本会議における委員長口頭報告については委員長に御一任願います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 尚原案に賛成された方はれいによつて順次御署名を願います。    〔多数意見者署名
  25. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 次いで有限会社法等の一部を改正する法律案及び商法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。別に御発言もないようでございますから質疑を打切り討論を省略して直ちに兩案を一括して採決採決に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 御異議ないものと認めます。直ちに採決に入ります。兩案共原案に御賛成の方は御起立を願います。    〔総員起立
  27. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 全会一致兩案共原案通り可決せられました。尚本会議における委員長口頭報告については委員長に御一任を願つて置きます。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 尚原案に賛成せられた方は順次御署名を願います。    〔多数意見者署名
  29. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 次に、昭和二十三年六月以降の判事等の報酬等に関する法律案及び昭和二十三年六月以降の檢事等の俸給等に関する法律案を一括上程たします。別に御発言もないようですから、質疑を打切り討調を省略して直ちに兩案を一括して採決に入ることに御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 御異議ないものと認めます。では採決に入ります。兩案共原案に御賛成の方の御起立を願います。    〔総員起立
  31. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 全会一致兩案共原案通り可決すべきものと決定いたしました。尚本会議における委員長口頭報告については委員長に御一任願つて置きます。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 尚原案に賛成された方は順次御署名を願います。    〔多数意見署名
  33. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 最後に行刑問題に関する調査議題にいたします。速記を止めて。    〔速記中止
  34. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 速記を始めて。では本日の委員会はこれで散会いたします。    午前四時三十分散会  出席者は左の通り。    委員長     伊藤  修君    理事            鈴木 安孝君    委員            大野 幸一君            中村 正雄君            水久保甚作君            鬼丸 義齊君           前之園喜一郎君            宇都宮 登君            松井 道夫君            松村眞一郎君            宮城タマヨ君            星野 芳樹君            小川 友三君            西田 天香君   政府委員    檢 務 局 長 國宗  榮君    法務廳事務官    (檢務局総務課    長)      野木 新一君    厚生事務官    (兒童局長)  小島 徳雄君   説明員    法務廳事務官    (少年矯正局勤    務)      内藤 文質君