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證人(
菊地甚一君) はい、最高裁判所の刑事課長岸盛一氏から依頼がありまして、東京
拘置所で二回その
被告人に会いました。診察をいたした結果がこの診断書であります。それで裁判所の知りたいところは、
本人に拘禁性の精神
異状があるかどうかということを先ず知りたいということでありましたので、その点を説明の中に加えて置きましたが、多少拘禁の影響を及ぼしておることはありますが、精神の
異状というものはないというように説明したと
記憶しております。それからその次には、身体の方が拘禁に耐えられるかどうかということを知りたいということでありましたので、その説明は、これは私の專門じやないのですけれども、関連しておることですから、若干の説明を加えたのです。当時
相当な不眠症を持
つておりました。それから栄養状態が非常に衰えておりました。それから胃の
病氣を訴えておる等の
理由によりまして、尚これは私ども外來で行
つた、外から行
つた医者が見ただけではよく分らん、これは精密な檢査を要する意味において、然るべき設備のあるところでよく診察を受けた方がよかろうというような意味を説明に加えて置いたと思います。大体以上であります。