運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1948-07-01 第2回国会 参議院 財政及び金融委員会 第47号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年七月一日(木曜日)    午後一時五十九分開会   —————————————   委員の異動 七月一日(木曜日)委員栗栖赳夫君辞 任につき、その補欠として紅露みつ君 を議長において選定した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○連合國占領軍管理下から解除され  た貴金属等に代るべき貴金属地金  の連合國占領軍に対する引渡に関す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○昭和二十三年六月以降の政府職員の  俸給等に関する法律案内閣送付) ○食糧管理特別会計法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○復興金融金庫調査に関する小委員  長の報告公認会計士法案内閣提出衆議院  送付) ○貿易資金特別会計法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) これより委員会を開会いたします。先ず本年予備審査のために付託に相成りました連合國占領軍管理下から解除された貴金属等に代るべき貴金属地金連合國占領軍に対する引渡に関する法律案並び昭和二十三年六月以降の政府職員俸給等に関する法律案、この両案を議題にいたしまして、政府より提案理由説明を求めます。
  3. 森下政一

    政府委員森下政一君) 提案理由を御説明申し上げます。  先ず最初の方の法律案でありますが、御承知のごとく、我が國の保有していた金、銀、白金等貴金属及びダイヤモンド等の貴石の大部分は、國有と私有とを問わず、連合國占領軍管理下に移されたのであります。その後、その一部は申請に基いて解除せられたのでありますが、最近になりまして、連合国最高司令官指令により、前に解除せられた貴金属等のうち一定のものについては、その代りとして等價の貴金属地金を、政府から連合國占領軍に対し引渡すことを命ぜられたのであります。この法律案は、この場合、その実行に伴う法律関係を明確にしようとしたものであります。  即ち、先ず第一に、以上のような指令があつた場合に、政府は、金資金の運用として保有する貴金属地金引渡して、これに充てることを規定したのであります。次に金資金は、引渡によつてそれだけの貴金属が減少するわけでありますが、先に解除を受けた者はそれだけの利益を受けたわけでありますから、その代償として、この貴金属地金價格に相当する金額を、金資金特別会計に納付させることとし、これに附随する必要な規定を設けたのであります。第三に、解除を受けた者に対しては、その解除前と同樣な関係法律上擬制する必要があります。それで、解除を受けた者が、その金額國庫に納付したときは、その貴金属地金は、その者が買受けて連合國占領軍引渡したものとみなすという規定を置いたのであります。  以上の三点がこの法律案目的の主なものでありますが、そのうち第一の金資金からの貴金属地金引渡の点につきましては、至急これを実行する必要がありました関係上、本年二月にポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する勅令に基いて大藏省令を制定しておりますので、この際これを廃止してこの法律に吸收いたしますと共に、所要の経過規定を設けたのであります。  以上の理由によりましてこの法律案提出いたしました次第であります。何とぞ御審議の上、速かに御賛成あらんことをお願い申し上げます。  次に昭和二十三年六月以降の政府職員俸給等に関する法律案について御説明申し上げます。  政府は、最近の経済事情、殊に物價乃至生計費の高騰による政府職員の困難な生活事情を改善するため、新物價との見合いにおいて三千七百九十一円の新給與水準を決定し、これに基く新給與を速かに実施いたすため、六月二十三日以來官廳職員労働組合國体交渉を行い、組合側了解を求めて参つたのでありますが、現在のところ交渉の進捗を見ず、このまま推移する場合には、会期も余すところ僅かしかない今國会に、新給與に関する法律を付議することは不可能となる虞があり、これでは政府職員生活に重大な影響を及ぼす結果となりますので、交渉の妥結を待たず、取敢えずこの法律案提出した次第であります。  次に、この法律案内容を御説明申し上げます。一、この法律は、認証官等他法律に特別の定のある者を除く一般政府職員に対し、職員総平均の月收三千七百九十一円の水準給與を、本年六月一日に遡及して支給することを定めたものであります。二、俸給につきましては、各職員職務の級を十五級に分類することは從來と全く同様でありますが、級別俸給額表從前に比し概ね二割程度を増額することといたしました。但し、経過的措置といたしまして、この法律施行の際、その職員の属する職務の級における俸給の幅の最高を超える者については、その職員の現に受けている俸給の一割五分程度の増額を目途として、新給與実施本部長の定めた俸給を支給することといたしました。三、扶養手当の額は、從來の二百二十五円を二百五十円に増額いたしました。四、勤務地手当及び特殊勤務手当並びに実施機関等は、すべて先に御承認を頂きました政府職員の新給與実施に関する法律の例によることといたしました。五、本年六月一日以降の分として、すでに支給された從前規定による給與は、この法律による給與の内拂とみなし、両者差額は、所得税法第三十八條第一項第五号の給與とみなして課税することといたしまた。  以上、この法律案につきまして立案の趣旨及び法律案の概要を御説明申し上げました次第でありますが、政府職員生計の実情をお汲取りの上、速かに御賛成下さいますよう希望いたします。  只今政府職員俸給等に関する法律案等について説明いたしましたものの中で、最後に申し上げました本年六月一日以降の分として、すでに支給された從前規定による給與はこの法律による給與の内拂とみなし、両者差額所得税法第三十八條第一項第五号の給與とみなして課税するとした点は、これを取消しいたします。右のように訂正いたします。
  4. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) それでは只今説明がありました法案について御質問がありますればこの際お願いいたします。
  5. 波多野鼎

    波多野鼎君 連合國占領軍管理下から解除された貴金属に関する法律案ですが、参考書が大分出ておりますが、皆法令や省令のようなものばかりであります。解除された貴金属数量とか、そういうものをどういうふうに使つたか、それから埋める金属はどこからどういうふうにして獲得しつつあるか、する予定であるかといつたような説明を少しして頂きたい。
  6. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) それでは説明員からの説明で御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 御異議ないと認めます。
  8. 藤本哲

    説明員藤本哲君) 御説明申し上げます。只今質問のありました点につきましては、連合國占領軍管理下から解除を受けた貴金属等種類につきましてはお答えできますが、計数につきましては、関係筋に発表してよろしいかどうかということを連絡に参つたのでありますが、関係部局が三箇所ばかりございまして、いずれの部局におきましてもはつきり発表してよろしいという返事が得られませんので、解除を受けた貴金属数量及び代り地金数量は申し上げかねます。つきましてはその種類だけを申し上げます。解除を受けましたものは、工業用ダイヤ、金、銀、白金白金網、金網、銀網白金属であるロジウム、イリジウム等であります。この代りとして日本政府から渡しました貴金属種類は金と銀であります。そうして割合から申しますと、白金、金に対しては金。銀に対しては銀でありまして、金の引渡しの方が多いのであります。尚これに伴いまして、政府から司令部に渡しました貴金属地金の債務につきましては、解除を受けた人からその代り金を取るという関係になりますが、現在價格と過去において解除を受けたときの價格が違つておりますので、これを現在價格引渡したものの代り金を取りますと、解除を受けた人が、過去において解除を受けて作りました製品の採算を、解除当時の價格において取つておりますから、解除を受けた者に対して非常に負担が掛かるわけであります。こういう点から三條におきまして解除した当時の債價格において取るという関係を定めております。現在價格解除当時の價格との間の開きは金資金負担になるのであります。
  9. 波多野鼎

    波多野鼎君 解除を受けた種類については、これを民間拂下げたわけでありますか。
  10. 伊藤隆

    政府委員伊藤隆君) 只今課長から申しましたように金、銀、ダイヤを持つておりました者が、占領軍から接收されまして、それに対して解除申請をいたしましたものについて、解除をして呉れたものが相当あります。ところが、解除した代りに、代りの例えば金であるとか銀であるとかというものを持つて來い、こういう指令がありましたから、つまり前に解除して使つてしまいましたけれども、接收された当時の現状回復金資金から補充してやつたという恰好であります。
  11. 波多野鼎

    波多野鼎君 ちよつと分りかねます……。
  12. 藤本哲

    説明員藤本哲君) 只今質問の、接收されました金属解除を受けまして、政府から代り地金を渡した経路を申し上げますと、終戰後政府が持つておりますもの、民間に持つておりますものは一應連合國占領軍におきまして大部分その管理下に帰したわけであります。その内容につきまして、特に國内工業用として必要なものにつきましては、直接接收を受けた人から大藏省に対して申請が出まして、これを大藏省から更に司令部に出しましてその解除を受けたということになるのであります。もう一つの形としては、そういう接收を受けた人でない人がやはり工業用に、例えば白金が必要なので、政府に対して管理下にある白金解除して頂いて、それを使わして貰いたいという希望がありまして、これにつきましても大藏省申請してその解除を受けて、こういう方に配給したわけであります。いずれもこれは特に管理下から解除されたものでありますから、それを保有するということはございませんで、工業用に使つております。これに対して爾後司令部の方からその代り地金要求されたわけでありまして、その代り地金終戰時現在においてありましたものは使えないので、経驗の後新らしい國内の新産金銀金資金特別会計において持つておりますその中から、司令部から要求されます都度渡しております。從つて渡します金銀というものは終戰後政府が買上げたものでありまして、全く終戰前のものと関係がない、こういう関係でありますから、こり法律におきまして、代り地金を渡した場合に代り金要求するということは、結局終戰後貴金属等司令部管理下に置かれた多くの人がありますのに、その一部の人だけがその解除を受け、これに対して政府代り地金を渡すということになりますと、解除を受けた人からその代り金を取り、他の者との均衡を図る必要からであります。
  13. 波多野鼎

    波多野鼎君 そうすると、こういうことですか。民間工業用に使うために接收された金の拂下げを受けて、分量が減つた、その減つたの政府が持つておる新産金で穴埋めをして行くというのですか。
  14. 伊藤隆

    政府委員伊藤隆君) さようでございます。
  15. 波多野鼎

    波多野鼎君 そうしますと、先程説明があつたように、金資金特別会計の方では安い價格で、個人が没收を受けたときの價格で以て金資金に納めるわけでありますか。價格の問題は……。
  16. 伊藤隆

    政府委員伊藤隆君) 價格の問題は第三條にございます。只今説明いたしましたように、全部接收せられて、接收せられたもののうち、工業用その他是非必要なものにつきましては、大藏省を通じて司令部から許可をして貰つて解除を受けた結果使つてしまつたわけであります。その解除せられたものの價格に相当するものを金資金收める、こういうことにいたします。
  17. 波多野鼎

    波多野鼎君 そうすると、金資金は相当赤字を出しますね。
  18. 伊藤隆

    政府委員伊藤隆君) 御承知通り金資金赤字を出す場合がありますが、併し金資金の実体を見ますと、金の値段は三回ほど変更がございまして、昔から持つておりますものも相当ございますので、大した赤字にはならない、こういうように考えております。
  19. 波多野鼎

    波多野鼎君 これはちよつと説明しにくいかも知れませんが、今になつて地金要求をして來る理由は何ですか。
  20. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  21. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 速記を始めて。それでは只今の御質疑はこの程度にいたしまして、次に、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案議題といたしたいと思いますが、本案につきましては、すでに質疑終了の御決議になつておりますので、直ちに討論に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 御異議ないと認めます。これより討論に入りますしが、御意見のおありの方はお述べを願いたいと思います。
  23. 石川準吉

    石川準吉君 この法案に対しまして修正案を提議したいと思います。その内容は、第四條ノ二の中の「七百億円」を「千二百億円」に改めたいと思うのであります。その理由は、先に政府委員の御説明を聞きますというと、四百億円を七百億円に改めたのは、現在の買入價格を主といたしまして、ただ数量の増加であるとか、或いは收買期間の短縮とかいうような意味合いから枠が拡張されたようでありますが、併しながら物價改訂に伴う主食糧の買入價格というものを、目下改訂審議中でありまして、これは現在價格の約二倍弱に想定されておるようであります。そうしますというと、この際にやはり右の改訂價格基礎としまして枠を決めて置かなければならんと思うのでありますが、昭和二十四年の一月末までには、約一千億程度が要る。それから更に賣却済の食糧代金が少し出るのでありますが、これが約一ケ月出ると見ますというと百五十億円要る。合せまして千百五十億要るのでありますが、これに多少の余裕をつけて、千二百億円ということにして、食糧買入限度においては差支ないと存じますので、この機会に訂正して置かれたらいいだろう、こういう氣組であります。
  24. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 他に御発言もなければ、討論は終結したものとみなして、直ちに採決に入りたいと思いますが、御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 御異議ないと認めます。これより食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案について採決をいたしたいと思います。先ず石川提出修正案議題といたします。本修正案を可とせられる方の御挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  26. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 多数と認めます。よつて石川提出修正案は可決せられました。  次に只今決定いたしました修正部分を除きました原案全部を議題といたします。修正部分を除いて原案に賛成の方の御挙手を願います。    〔総員挙手
  27. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 全会一致と認めます。よつて本案全会一致を以ちまして修正議決と決定いたしました。  尚委員長口頭報告につきましては、先例によりましてお委せを願いますことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それから委員長議院提出する報告書につき、多数意見者の御署名を附することになつておりまするから、本案を可とせられた方は順次御署名を願います。    〔多数意見者署名
  29. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 次に、復興金融金庫機構及び業務内容に関する調査につきましては、小委員会にお願いをしておつたのでありますが、小委員長から今日までの経過を御報告を願いまして、一應会期も切迫しておるのでありますから、報告議長宛に出したいと思います。
  30. 波多野鼎

    波多野鼎君 それでは復興金融金庫に関する調査小委員会の今までの経過を御報告申上げます。  この小委員会は我が國のインフレーションの要因としていろいろのが挙げげられております中に、インフレーシヨンの根源は、第一に政府財政支出の膨脹でありますが、その外に第二のものとしまして、復興金融金庫債券市中銀行消化が、最近の金融情勢によりまして困難なために、債券の大部分が日本銀行の引受によつて賄われまして、それだけ通貨が増発される、それが第二の大きなインフレーシヨンの原因であると言われるようになつたのであります。ところで、復興金融金庫の設立の趣旨は、我が國産業復興金融資金面から促進しようとするにあつたのでありますが、創立以來金庫融資につきまして、その融資額が非常に大きいということ、第二に産業の消長にその融資の及ぼす影響が非常に大きいということ、今申しましたように、それから通貨増発作用が大きいということ、こういうような点がいろいろの角度から問題とされておつたのであります。  そこで、この委員会におきましては、復金通貨増発における作用の比重が大きいという点に鑑みまして、金庫の貸出の機構及びその業務内容などについて調査をいたしまして、この金庫日本経済復興における役割をいろいろな角度から検討して、金庫の健全な運営を行わしめるという目的を以て、この小委員会が設置されることになりまして、本年二月の十二日に議長承認を経て小委員会の設置が本決まりになつたのであります。  この小委員会は、先ず金庫調査のための基礎的な資料を整える必要上、各委員から資料要求事項を小委員長提出して頂きまして、これらの調査事項專門調査員が整理いたしまして、小委員長大藏省銀行局並びに復興金融金庫にそれぞれ調査資料提出要求いたしたのであります。  調査事項は、先般皆さんの御手許にお配りいたしましたところで御承知通りでありますから、ここでは報告を省略さして頂きますが、他方におきまして、小委員会委員は十七名で、財政及び金融常任委員の中から選任いたしまして、初めは小委員長森下政一君を互選したのでありますが、同君が大藏政務次官に就任せられまして辞任されたに伴い、後任小委員長不肖波多野鼎が選任されたのであります。小委員会は二月十日に打合会を開きまして、第一回小委員会を二月二十六日、第二回を三月二十五日、第三回を五月二十一日、第四回を六月二十八日にそれぞれ開催をいたしまして、先に申し上げました復興金融金庫調査のための基礎的資料提出がいろいろな事情で遅れておりましたので、大藏省銀行局並びに金庫要求いたしまして、至急提出方を督促いたしておりましたが、いろいろな、特に復興金融金庫の方におきましては、御承知不当財産取引委員会提出する資料のために手が廻りかねておるというような関係がありまして、我々の要求した資料がまだ十分手許に参つておらないような事情でございます。小委員会といたしましては、こういう資料が整わない限り仕事を進めて行くということが困難でございますので、小委員会をどのように今後運営するかという点につきまして、先般委員だけで協議いたしました結果、大体次のような結論に到達したのであります。一つ意見としまして、閉会中も継続して小委員会活動をなすべきであるという意見も出ましたが、先ず他の意見としましては、閉会中は一應中止して、そうして第三回國会開催と共に新たに調査を開始した方がよいというもう一つ意見も出まして、いろいろ討議の結果、一應この小委員会は今会期終了と共に終了して、新らしい國会において再発足するという方がよかろうということに意見が一致したような次第であります。尚、この閉会中におきましても、復興金融金庫並びに銀行局要求しました資料、それの整備、督促、こういう点は小委員長がこれを行なつて、そうして次の小委員会活動のために資料を十分整えて置くということにまあ打合せができたのであります。以上甚だ委員会としまして活動が十分でなかつたのでありますが、以上の経過を御報告申し上げて皆さんの御了解を得たいと思う次第であります。
  31. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 只今小委員長から御報告がありましたのでありますが、参議院規則の七十二條によりまして「審査又は調査を終えたときは、委員長は、報告書を作り、多数意見者署名を附して、議院提出しなければならない。」ということに相成つておりまするので、調査報告書をこの場合提出したいと思うのであります。その内容につきましては、只今小委員長から御報告になりました趣旨のことを記載いたしますから、これは一つ委員長にお任せを願いたいと思います。如何でございます。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 御異議ないと認めます。然らばそれで以て報告書提出することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 御異議ないと認めます。やはりこれも御署名をすることになつておりますので、どうぞ御署名を願います。    〔多数意見者署名
  34. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) それでは公認会計士法案議題にいたしまして、御審議を願いたいと思います。本法案について御質問のおありの方は御質問願いたいと思います。本案につきましては衆議院において修正議決なつてお下るのでありまするが、その修正につきまして政府委員から説明を求めたいと思います。
  35. 伊藤隆

    政府委員伊藤隆君) 衆議院におきまして公認会計士法案中一部修正なつておりまするので、簡單に御説明を申し上げます。お手許にございます條文修正理由と両方ございますが、先ず第一に第二十五條の修正がございます。これは御存じのように公認会計士証明をいたします場合には証明範囲をはつきりさせる義務があるのでございまして、その証明をした効力の限界を明らかにいたしまして、公衆を錯誤に陷れないようにしようという趣旨規定でございます。  それから第二点の第三十二條第四項の修正でございますが、これは公認会計士懲戒の処分の場合におきまして、公認会計士懲戒を受けます場合に、釈明のための証拠を提出する機会を與えて聽聞をするというふうなことで、公認会計士並びに会計士補懲戒の場合におきまする権利を保護しよう、できるだけ弁護権を尊重したいという規定でございます。  それから第三は、第三十四條の第二項の改正でございますが、これも懲戒手続調書閲覧に関しまして、公認会計士懲戒手続進行中はこれは一般には公開しない。手続進行中は弁護権の行使のため必要な範囲においてのみ調書閲覧を許すようにいたしまして、一公認会計士の何と申しますが、信用の保持をいたしたいというのが三つの修正でございます。  それから最後の方に第五十七條第一項の「二年」を「三年」に、それから「五年」を「三年」に、それから第六十三條の「二十五年」を「二十六年」にといたしましことは、いずれも、一つ公認会計士になります場合に特別試驗というのがございまして、この特別試驗は二年間に限つて行うというのを一年延長いたしまして、三年間試驗を行えるようにいたしました。と同時に、五年間の経驗がないと試驗を受ける資格がないというのを、三年間の経驗でよろしいというふうに経驗年数を短縮いたしました。同時に、最後に、第六十三條の改正によりまして現在の計理士法が廃止になりまして、計理士という名前を使う期限は只今から二年間ということになつておりましたのを、昭和二十六年と改めまして、三年間計理士という名前仕事ができるというふうに修正をいたしましたわけでございます。
  36. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 他に御質問ございませんですか。御質問がございませんければ、本案質疑終了として御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それでは本案質疑終了したことにいたします。  それではこれより貿易資金特別會計法の一部を改正する法律案議題といたしまして、御審議を願いたいと思います。
  38. 中西功

    中西功君 昨日も問題になつたのでずが、端的に申しますと、今現に貿易資金特別会計において使用されておりますところの資金、即ちガリオア・フアンドによつて輸入された物資が放出されて、それを政府が賣つて得た資金なんであります。その資金貿易特別会計において使用されておるということは、これは政府委員説明なんかによつても明瞭にされております。問題はこの資金がどう使われておるかと、いうこともありますけれども、それよりもこの資金は明らかに政府資金、円資金であります。それで政府としてはこれだけの資金、円資金が入つておる以上、これをどう使うかについては、やはり一應は國会承認というふうなものも必要でありましようし、我々國会提出される予算書や或いはその他においても、その資金の措置については明確にされて置かなければいけないのではないかと思うのであります。ところが、資金運用計画の中にあると言われるだけでありまして、貿易資金特別会計の予算の中にも出て來ておりませんし、その他のところにも、どこにも出て來ていない。いわばこの三百億に近い金というものは一体宙に迷つておる。どこかにふらふらしておる。そうして結局は貿易資金は輸出産業を振興するという部面だけに特に使われておる。いわば赤字埋めをしておるという結果になつておると思うのです。私はこの問題については沢山言わないのですが、問題は、この会計の所属をはつきりして置いて貰わなければ困る。現にないわけです。ですから、商工大臣としてこういう問題をどうされるのか。今後イロア・フアンドとか何とかいろいろ來るわけですが、この問題とも、関連いたしますから、これだけははつきり早くどこかの会計に現わして置いて貰わないと、これは我々の負債になるものでありますから困ると思う。そういう趣旨なんであります。
  39. 水谷長三郎

    ○國務大臣(水谷長三郎君) 只今の御質問は、中西さんが先だつて予算総会でもお尋ねになつた点でありまして、私或いは貿易長官から御説明申上げましたことですが、或いはまだ御納得が行かなかつたのではないかと思います。これは私の考えを忌憚なく申しますと、普通の特別会計は足らないときには一般会計から貰う。余れば返すということになつて、直ぐにそれは予算に連なつておるのでありますが、この貿易特別会計は特別でありまして、貿易特別会計法の第一條及び第四條の規定によりまして、一般会計から区別をして、貿易資金の收入として組むということになつております。そうして是らないときには一般会計より貰うのでなしに、借入金でやつておるということになつておりますので、予算の方には普通の特別会計のように出て來ないということは、これは御了承の通りであろうと思うのです。併しそうであるからといつて、その貿易資金の使い方が放漫であつたり、或いは又正しくなかつたりしてはならないのでありまして、その点を中西さんは言つておられるのではないかと思うのです。従つてこの貿易資金特別会計というものがどのような径路を経て、どのように使われておるかということは、或いは貿易長官から御説明さしたいと思つております。
  40. 中西功

    中西功君 その点で、私は貿易資金特別会計の中にガリオア・フアンドの円資金が入つて來ないという、そのことを特別に不思議がつておるわけではないのです。問題は、その円資金がどこにも計上されていないということなんです。この資金は明らかに政府が取得した金なんでありまして、これは普通の場合の貿易から得た資金というふうなものとは違う。これは我々の、日本の借金となつて残つて行く金なんです。單に貿易の收支の結果、輸入して來た物の賣上代金であるといつて、これが普通の貿易関係として來るものなら問題はないと思うのですが、この資金は特別な資金だという点なんです。これは当然我々國民全体の負債になつて來る資金なんだから、それを何とか、例えばガリオア・フアンド特別会計とか、或いは何とかというような形で整理して貰わなければ困るのではないかという趣旨なんです。
  41. 水谷長三郎

    ○國務大臣(水谷長三郎君) この点に関しましては予算総会におきましてもその点をお聞きいたしまして、そのとき私は、或いは正確に覚えておりませんが、中西さんの言われることも尤もな点があるので、その点は大藏大臣その他関係各省と一つ相談をいたしまして、研究さして頂こうということになつておるのでありまして、只今の場合におきましても、中西さんの折角の御質問に対してそれはこうするんだということは、商工大臣一存では申しかねるのではないかと、このように考えております。
  42. 中西功

    中西功君 そういたしますと、そのガリオア・フアンドの資金については、今まで政府の方面では、この処置如何については殆んど問題が起らないということになりますか。
  43. 水谷長三郎

    ○国務大臣(水谷長三郎君) はあ。
  44. 永井幸太郎

    政府委員(永井幸太郎君) ちよつと私より大臣の説明を補充いたしたいと思います。先ず第一に申し上げたいのは、ガリオア・フアンドと外の輸入額に、ついて、別に何らか截然たる区別があるような観念に基いた御質問のように思いますが、ガリオア・フアンドとかいうことは、アメリカ政府部内の内部関係のことでありまして、我々日本側に対しましては、司令部より、これはガリオア・フアンドである、これは一般輸入であるということは決して明示されておらない、ただ想像しておるだけであります。つまり食糧輸入とその他の輸入会計を画然と区別するということはできないし、反する必要はないのであります。又先方の内部関係におきましても、どの商品を、どの品物をガリオア・フアンドでやるかということの、商品による区別もはつきりしていない。ガリオア・フアンドというものは向うに設けられてはおりますけれども、それは向うの内部関係であります。我々に対してはガリオア・フアンドで入れたものは特別な扱いをせよとも、一般の輸入品と同じ扱いをせよということも、ちつとも明示されておらないのでありますから、そういうような向うの方の内部関係のことを、何がどつちから出ておるかというようなことは、ちつとも忖度することはできないのであります。ただ向うから年二回会計檢査員が見えまして、あの会計の計算の承認を受けるのでありまして、ガリオア・フアンドで入れたものと、その他によつて入れたものとについて、日本側に対しては別に明示していないのであります。その点を御了解願いたいのと、普通輸入とガリオア・フアンドによつて入れたものとは、ただ我々が想像しているだけでありまして、その品物と一般の輸入品を別にするというわけのものではないのでありまして、すべてこの貿易資金特別会計で、輸入品は收入に入れ、輸出品の代價は支出に出すということが、貿易資金特別会計法にも明らかになつておるのであります。
  45. 中西功

    中西功君 僕には貿易廳長官の説明はおかしいと思います。それならば、そのガリオア・ワアンドであろうが、或いは又何フアンドであろうが、或いは又普通の單なる貿易であろうが、そういうことは日本の政府にとつては問題にならん、区別も付かんと、こういう話でありますが、それならば、政府としては、このガリオア・フアンドに対してどんなお考えを持つておられるか、これはもう貰つたものであつて、もう何ら日本政府としてこれには責任がないと考えられるのか、或いは將來において、これはどういうふうな処置がされると考えておられるのか、そういう問題がはつきりされておるならば、区別が付かんと言つて、付けんでもいいものだと言つてつて置くというのは、私は非常な不見識じやないかと思います。
  46. 永井幸太郎

    政府委員(永井幸太郎君) ガリオア・フアンドであるということを頻りに申されますですが、これはアメリカ政府が内部でガリオア・フアンドと名を付けておるのであります。アメリカ政府としては食糧であろうが、他の輸入品であろうが、等しく日本の輸入資金を使つたことになつておりまして、日本政府としては飽くまでも輸入品全部に対する代價が日本の会計において現われて來る、ただガリオア・フアンドに属しておりますものは、或いは講和会議或いはその他の機会において、アメリカ政府の考えによつて、どういうふうに処置しますか、それは分らんのでありますが、何らかの処置が講ぜられざる以上は、日本政府の借入金であるということは明らかであります。又日本政府といたしましても、すべて輸入品はガリオア・フアンドによつて入れたものと見るか、或いはその他の貿易資金特別会計の所属によつて入れたものと見るか、それは内部におきまして分けまして、今度アメリカ政府がどういう扱いをするかによりまして、日本政府が対処すべき処置を講ずるために、一應ガリオア・フアンドに属する輸入はこれだけであるという記録は取つておりますが、ただ、只今これを経理上別にするというようなことも予測しております。併し、いつ何どきでも、ガリオア・フアンドで受けたものは幾らであるというような明示を受けました場合に、日本政府としてのそれに対する十分なる用意と準備はいたしております。
  47. 中西功

    中西功君 どうもおかしい。さつきはよう分らんと言う、今度は十分それは分けることができますという話で……。
  48. 永井幸太郎

    政府委員(永井幸太郎君) よう分らんというのは、今後どれだけのものがガリオア・フアンドに属するかどうかということはよう分らん。過去のものを仕切、過去に來ているものの中で、ガリオア・フアンドはこれだけと、いうことは分つておる。併しその仕切の來るまでは、或る場合には同じ商品でもガリオア・フアンドによつて入れたものも、そうでないものもございます。つまり商品だけによつては分らんという意味であります。仕切の來たものは分つております。
  49. 中西功

    中西功君 だから仕切の來たものはよく分つておる筈であります。さつきはそんな話ではなかつた。とにかく自分の方は貰つておるんだから、この食糧がガリオア・フアンドになるか、その他のものか、よく分らん。よく分らんから、又分ける必要もないという話でありますが、今となつちよつと話が、答弁が変つて來る。私はそこに問題があると思う。と申しますのは、何ら日本政府において、この資金、こういう問題を自主的にどう考えるかという点が全然ない。ただ関係方面から、さつき言われたように一應会計検査員が來られて、何とも文句言われないから、これでよいと思つているというふうな考え方では非常に困ると思います。私が結論としてさつきのように指摘しましたのは、この資金は、一体本來どんな資金であるか、即ち我々としてこれを貰つてしまつて、もう責任がないなら、これは何とも言いませんが、だけれども、そういう性質もまだはつきり分らんというふうなことを、政府委員としても言われているとすれば、日本政府として余程考えなければならん。これをどうするかというようなことも、はつきり考えて置かなければならん。更にもう一つの点は、今のような会計方法で行きますと、この資金が全部貿易資金関係によつて使われる。即ち輸出の振興という面だけに使われておる。今日の日本の輸出は相当無理な輸出がなされている。即ち國内的には非常な高い價格で買上げられて、ドルでは非常に安い價格で賣られておる。この関係を通じて、或る場合には、いわばソシアル・ダンピングというようなものが行われて、日本の國費を投げ棄てておるようなものが現にあると思う。ところが、そういうふうなことをやつておれば、貿易資金会計は非常な赤字の筈であります。ところが、一見赤字でないように見えるのは、そういうガリオア・フアンドによつて、どんどん貿易資金特別会計に注ぎ込んでおるからであります。実質においては非常な大きな赤字であります。それをいわば今のような会計方式によつて、この赤字を隱蔽しておるというふうにもなると思うのであります。で、こういう資金を、我々としては、國会自身としては、こういうふうな資金を、この貿易資金を輸出の穴埋めにしてもよいと言う人は誰もいないし、僕らとしてはもう当然これは特別に経理して、それを貿易資金に使うなら使う、或いはその他の方に使うなら使うというふうにして置く方が、この問題の性質から考えて妥当だと思います。
  50. 永井幸太郎

    政府委員(永井幸太郎君) この貿易資金特別会計法第四條によりまして、輸入品の拂下げ賣上價格金額はすべて貿易資金特別会計の收入にするということに基いて、すべての輸入品を貿易資金特別会計法の收入に入れておるのであります。この提示の仕方は司令部とも打合せの上でやつておることであります。  それからガリオア・フアンドによつて輸入せられるもの、輸入せられた金額の輸入超過の分に対しましては、政府においても記録を取りまして、これがどういうふうに処置せられるか、如何なる処置をするかということによりまして、万全の処置が取れるような用意はあるわけであります。それで御了承を得たいと思います。
  51. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 他に御発言がなければこれより討論に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。貿易資金特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、御意見のおありの方はお述べを願いたいと思います。……別に御発言もないようでありますから直ちに採決に入ります。貿易資金特別会計法の一部を改正する法律案議題といたします。本法案を可とせられる方の御挙手を願います。    〔総員挙手
  53. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 全会一致と認めます。よつて法案全会一致を以て可決せられました。  次に公認会計士法案議題と致します。本案につきましてはすでに質疑終了と相成つておりますので、直ちに討論に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 御異議ないと認めます。只今より討論に入ります。御意見のおありの方はお述べを願いたいと思います。……別に御発言もないようでありますから直ちに採決に入ります。公認会計士法案議題と致します。本案を可とせられる方の御挙手を願います。    〔総員挙手
  55. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 全会一致と認めます。よつて本案全会一致を以て可決せられました。尚両案共委員長経過報告は例によつてお任せを願いたいと思いまするが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それから委員長議院提出する報告書につきましては、多数意見者署名をすることになつておりますので、本案を可とせられる方は順次御署名を願います。    〔多数意見者署名
  57. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  58. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) それでは速記を始めて下さい。それでは本日はこの程度で以て散会いたします。明日は午後一時から開会いたします。本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     黒田 英雄君    理事            波多野 鼎君            伊藤 保平君    委員            玉屋 喜章君            松嶋 喜作君            山田 佐一君            石川 準吉君           尾形六郎兵衞君            田口政五郎君            深川タマヱ君            星   一君            小林米三郎君            小宮山常吉君            高橋龍太郎君            渡邊 甚吉君            中西  功君   國務大臣    商 工 大 臣 水谷長三郎君   政府委員    大藏政務次官  森下 政一君    大藏事務官    (理財局長)  伊藤  隆君    貿易廳長官   永井幸太郎君   説明員    大藏事務官    (理財局長爲替    第二課)    藤本  哲君