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政府委員(
脇阪實君) それは
税法の十二條に出ております。そうやりますというとどうなりますかというと、現在
事業所得が一人あ
つて仮に五万円の
所得といたします。
勤労所得の三万六千円の
所得者がある。こうしますと
所得全部で八万六千円になります。それにつきまして現在
課税しております。
合算をして而も
基礎控除は
一つしかありませんから、二万八千四百円の
課税であります。そうしますと三二%
課税になるわけであります。今度は二つ認めますから、
勤労所得の方には
勤労控除も合せますと二万円を引かれる。
事業所得の方が一万五千円、こうなりますので、今度は一万一千百円、
割合にすれば二一%、こういうように
改正をしましたのであります。そうするとそれは今
税率の
改正とか
基礎控除の
改正がありますので、それを全く止めまして、全然そういう点を見ずに今度の
税率で、そうして今度の
基礎控除で若し
基礎控除を
一つにした場合にはどうなるかと申しますと、一万五千六百円の
課税になる。そうしますとその
負担課税は一七%になります。これは
基礎控除を一万六千円にしまして、
勤労控除は十五万円を今度提案いたしとおりますものの上に立
つて基礎控除を
一つにしたらどうか、その場合には
各人について
基礎控除を認めますと、それが一万一千百円になります。そうしますと十二%八
軽減されて來ます。若しこれを
分割課税をいたしますと税額は一万百五十円、その
割合は一一%八になりまして、殆んど
分割課税したのと近いのにな
つておる。この
程度で
一つ我慢をして頂きたい、こういう
考え方であります。それからもう
一つの
勤労著が二人以上であります場合につきましては、特にそれについての特別の
規定は設けませんでしたが、この点についても
從來は御
承知のように
基礎控除が二つあるのであります。二人の場合は二つ、三人の場合は三つにな
つておりますが、その
基礎控除を大幅に上げましたのと上もう
一つは
勤労控除の問題が
從來はあつたのでありますが、即ち一人で六万円の
所得がありますと、五万円までしか
勤労控除がありませんから、一万円引つかかるのであります。今度は十五万円にしましたから、二人
共勤労の
基礎控除の利益が受けられる、こういうことに
なつたのであります。もう
一つはこれも
一般的でありますが、
從來は五万円のところから五十でありましたのを、二十万円のところから五十ということになりましたので、相当その点では
軽減されておるのではないか、かように
考えましたので、それを数学的に見ますと、
勤労所得者が二人ある場合には、
各人について
基礎控除を認めた場合、即ち現在や
つておりますのは、仮にその場合で申しますと、毎月六千円ずつ貰う人が二人あるといたしますと十四万四千円になります。ところが
各人について
基礎控除が認められますから、その
負担割合は二千八百円ということになりまして一四%であります。仮にこれを
分割課税をいたしまして、
各人が別々だというように
計算いたしますとどれだけだと申しますと、一万七千五百円ということにな
つて、一二・一%ということになるのでございます。二%ぐらい違うのでありますが、一人で
課税した場合と全然別個に
課税した場合と比べますと、非常に
分割課税にした場合に近いものでありまして、この
程度ならば
一つ我慢して頂けるのではないか、かように
考えました次第であります。