○
天田勝正君
中西委員の
質問の点を除きまして極く簡單に質疑いたします。農家に
課税する場合におきまして、或る
一定の標準を設けるこういうことは必ずしも惡い面ばかりではないのでありまして、いい面もあるのでありますから、かような標準を持たれるということには別に反対はいたしません。ただ御承知の
通り農家はその土地土地によ
つて非常に收穫も違い、
所得もえらい違いがあるわけなのでありまして、こうしたことについては極く数多くの細分をいたして地域的に、つまり換言いたしますれば関東地方とか東北地方とか、そうしただけの細分法でなくして、更に関東ならば沖積層の土壤のところはどうであるか、洪積層の土壤のところはどうであるかという工合に、又作付の種類によ
つて違うとか、いろいろとこうした細かい細分をして標準を設けませんと、その適正が期せられないわけでありますが、この標準を作られる場合にどのくらいの個所について実際に調べて標準を作られたのかどうか。それから
農業所得のこの
計算の場合におきまして、私は直接
税務署に参りませんが、代理の者をや
つたところによりますと、中間生産物も悉く
所得の中に入れている。中間生産物というのは、勿論藁であるとか桑葉であるとか、こういうものでありますが、農家に取
つては藁とか桑葉というものは中間生産物でありまして最終生産物として金が懷ろに入るという筋合のものではないわけであります。こうしたものを一々中間生産物まで
所得に加算されますると、厖大な
所得ということにな
つて、それが要するに非常に農家に対する税が重いという声が出る元なんであります。
從つて桑を育てるということは、繭を取
つてこれを賣
つた場合に、これは
所得と見る。或いは藁でも、決して全部
所得と見るなという
意見ではないのでありまするが、これは叺にして賣
つたとか、繩にして賣
つたとかということであれば、初めて
所得になるのでありまして、これがただおいた場合には堆肥の原料になるというだけなんであります。若しこれを中間生産物も今のように
所得と見るという場合には、堆肥代というものを、厖大に今度に差引の方に見なければならん、こういうことが起きて参りますので、この中間生産物は絶対に今後は
所得と見なして貰いたくない希望でありますが、すでに過ぎたことを咎めるわけではありません。現在これから
課税される点については、どのようにお
考えにな
つておられるか。それから農家の
所得の中心というのは、何とい
つても米價であります。勿論今日は関東地方においては、
收入総額が、米價が一番重きをなしておるという意味ではありません。農産物を決定する中心が、何とい
つても米價であるという意味でありますが、そこでこの米價というものは、過日の新聞発表を見ますると、他の物價の改訂に当
つては、生産費を基準として、これを改訂するけれども、米價においては依然としてパリティ
計算を用いるのだということで、この
委員会の御
答弁もさような趣旨であ
つたと思います。このパリテイ
計算に対する
答弁は私は満足いたしておりませんが、仮に國家の現状からいたしまして、パリティ
計算を採用する、といたしましたならば、農家に対して、米の供出を二月末日なら末日という工合に、期限付きでこれを指定いたしております。然らばその基礎となる。パリテイの七十一品目なり、今年は更に数を殖やしてとるそうでありますがそうした基準にな
つた品物も、やはり農家の米の供出日までに必ず農家の手許に入るという
計算でなければ、如何に
計算が上手でも成り立たないということになると思うのであります。これは安本の
政府委員に質すべき筋合でございますが、私はここでお聞きしたいのは、こうした一方は生産費
計算によ
つて物價が決定され、一方はパリティ
計算によ
つて決定されて、又闇値等は順次高進して行く。そうすると一年一度の
收入によりまして値上りの品物を買わなければならないという、農家の家計というものは非常に苦しくなりますし、再生産に非常に苦しみが出て來るわけであります。こういう点について、
課税上どのように
考えておられるかということであります。もう一点は、先程來私も
中西委員も述べた点でありますが、いろいろその衝に当
つておりますれば、やはり國家財政として
一定の基準までは徴收しなければならない、こういうふうにお
考えになるのは尤もでありますが、
農民に相当
徴税の公平を期するという点でありますが、その公正を期するという扱いを委しても、さしたる
間違いは起きないという実例は私はかねての農地調整法に基いた一筆
調査の点でも
経驗したのでありますが、あれに基いて各町村とも、所によ
つては一ケ村今までの申告よりも百何十町歩も余計に、要するに闇土地があ
つたというような所もありますけれども、私共の村では一反一畝もそうした闇土地がなか
つた。又去年などのこの米收の
調査に当りましても、むしろ食糧事務所の人の査定よりも、村の人にやらした方が余計にな
つた。こういう例もあるのでありまして、相当責任を持たせれば、まだまだ
農村の方達は相当眞面目に、そういう御心配になるような点はないと思うのでありまして、こういう点については、やはり重ねて十分民主的な機関を利用されるようにして貰いたいということを要望し、決して
法律を改正しろ云々ではありませんが、この運用にと
つて、隣りの家がどうであるとか、こういうところが
農村の納税の氣持を非常に阻害するのでありますから、やはり
部落單位に、相当廣範囲にお委せ願うというような点を、更に考慮して頂きたい。最後のは別に
質問ではございません。以上お伺いいたします。