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山田佐一君 そういうことが何だか世情と輿論に媚びるという
状態があるのではないかと思うのですが、常識的に
考えて見て、
實收の五千圓や一
萬圓で今日の物價高のときにやれるわけがないと思います。
月俸二萬五千圓が
無税であ
つても、私はできないと思います。今日街を走
つておりますタクシーの
運轉手に聞いて見ても、一日千圓の
實收は誰に聞いて見てもあると言う。そうすると、二十五日働くとして二萬五千圓、この人は
無税ではないが、殆んど
無税に近い二萬五千圓である。一國の
總理ともあろうものが、一個の
盲動車の
運轉手と同じような
俸給を差上げて置くということは、
國民としても禮を失することではないか。或いは一
般國民との
權衡においてのお取扱はあるかも知れないが、一應表面的な
生活の
維持できる
俸給を差上げるということが
國民としての禮ではないかと思います。
ただ安く
月給を取るということが、外の組合に對してというような變なところへ気兼ねをするよりは、正々堂々と取るべきものは取る。又
國民といたしましても、一國の
總理大臣でありまするから、これを
月俸十
萬圓や十五
萬圓差上げても、私は決して多過ぎるということはないと思います。
當局はもう少しこれを出直して見て、もつと上げて見るというような
勇氣はないのですか。