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松嶋喜作君 今回
證券取引法が改正されまして、新らたなる
法律案が出ました。この内容は我が國にと
つては畫期的のことであります。現下の
情勢を以てすればいろいろな
方面から
巨額の
證券が
民衆化せられるというときに
當つて、この
法律の成立しますことは誠に機宜に適した處置で、一日も早くこれを通して實現に移して頂きたい、誠に結構な
立案でありまするが、併し機構だけではうまく行きませんので、
我我はこの
運営が完全に行くことを望む者であります。どの點が
運営について非常に重大な
意義を持つかということは、この
持株整理委員會、
閉鎖機關、或いは
日本銀行等において處分するところの
株式は二百数十億に達すると思います。更に
企業再建整備法、過度の
經濟力集中排除法等によ
つて更に三百億乃至五百億の
證券を
民衆化せなければならん、結局五百億乃至七百億の
證券を急速に
民衆化せなければならんということであります。そこで現實にこの經済界を見ますと、
持株整理委員會から
巨額の
株式を
入札に付する、これは現實の問題でありまするが、この
入札に際しましては、個々の
民衆が
行つてこれを落札するのではありませんので、先ず相當な有力な
證券業者が
行つてこれを
入札する。そうして落して
民衆の
希望があるところに配分する、こういうことであります。従いましてその
入札するについては、先ず金を
支拂つて物を
受取つて、そうしてそれを
希望の向きに渡す、こういうことであります。「りんご」や「みかん」を商人が賣入れて、そうして
市場に捌くのと少しも変りはありません。そこで
證券業者はこの額の
株式を
入札して、そうして引受けてこれを
市場に賣渡す、その
實際問題としては、相當な
資金が要ります。この
資金については、有力な株を擔保にして融通を受ける、こういうことになります。これは
アメリカのレギユラー・ウエイという
理想の
方法を實現せんとするにつきましても、
アメリカにおきましても株でそういうことをやるという
ようなことが認められておるわけであります。この
證券民主化について一番大事なことは、
證券金融ということを
圓滑にや
つて頂きたい、こう思うのでおります。然るに今の
状態は必ずしもそうではありません。非常に
窓屈なやり方であります。もとよりこれについては
當局の、
投機に流れ易いからその弊を除去するという
ような御心配もある
ようでありまするけれども、
實情に即してはいません。少し極端に流れておると思います。そこで物を持
つて行つて金を借りる、立派な
株式を持
つて行つて金を借りるということは、
投機を助長するものでも何でもありません。この點について
大蔵大臣はさ
ような行過ぎをさせない
ように、又積極的には
投機にあらざる眞面目な
金融について行過ぎのことのない
ようにして頂きたいと思うのでありますが、この點について
一つ大蔵大臣の御
意見を伺いたいと思うのであります。