○中西功君 この
政府職員の
俸給等に關する
法律案、これと、それから第一囘
國會で我々が何囘かに亙
つて審議いたしました
政府職員の
俸給等に關する
法律案と比較いたしますと、非常に違
つておると思うのであります。即ち當時千八百圓竝びに千六百圓の差額二百圓を
支給するというふうなときの
法律案は非常に
簡單でありまして、こういうふうな附則は全然付いていなか
つたのであります。ところが、この度は附則が付いている。而も仰々しい附則が澤山付いておるというところが非常に特徴でありまして、前、千六百圓と千八百圓の差額を、
政府が
支給するというときには、御存じのように、當時官公廳勞組は千八百圓を認めていなか
つたのであります。併し、ともかくも
政府として一應決めておることだから
政府の一方的な責任においてこれは
支給するというふうにして無
條件に
支給して來ておると思うのであります。我我も又そういうふうにして、
政府の態度に對して當時贊意を表したと思うのでありますが、ところがこの度は衆議院の
豫算委員會における
審議におきましても、可なり
條件の問題が問題になり、非常に曖昧な状態に
なつたというだけでなくしてこの
法律案においてはこういう附則が非常に澤山設けられて、結局これ程
條件はないというかも知れないが、併しこれ程澤山
條件が附いているわけであります。私は第一、
加藤勞働大臣に
最初一つお聽きしたいと思いますのは、さつき
木村委員に對する勞相の見解では、二千九百二十圓のベースの是非について自分は言
つておるんじやない。恰もこのベースの問題については自分にも異議があるというふうな口振りではありますが、若しこれが昨日の衆議院における答辯のように暫定的のものであ
つて、四月になれば新しい
物價體系と共に變えるんだ、こういうふうな
考えでありましたならば、何故に第二條、即ち二千五百圓の
暫定給與を
支給するというふうなことをするかどうか、若し四月から勞相としてもう一度これを徹底的に
檢討し直すという
考えがあるならば、この際二千五百圓だけや
つて、あとをなにか特別の
給與として取
つて置くというようなことは必要はないと思います。よろしく即時二千九百二十圓を
支給すべきだと思うのであります。併しそういうふうに四月において再
檢討すると言
つておるが、實は四月において再
檢討するのは、むしろべースよりも職階制による
給與體系、これをやるというふうな下心があるから、結局こういう第二條が出て來るんだろうと思いますし、本當に二千九百二十圓のべースを
檢討するということが十分に勇氣があるのかどうか、その點ではこの二條があることによ
つて非常におかしいと思うのであります。更にこの第二條の「
支給することができる。」即ち
支給するということでなくしてそこに尾鰭が附いておる。「
支給することができる」。ここに非常に曖昧さがある、
條件があるとかなんとか言いますが「
支給することができる」ということにして、非常に曖昧な態度、
最初加藤勞相が衆議院
委員會で言つたように、而も後でそれを取消したわけでありますが、
最初言つたようなことがここの言葉の中に浸み出ておると僕は思うのであります。これに對する加藤勞相の御
意見を第一お聽きしたいのであります。更に序でに申しますが、第四條の先の
木村委員の質問にもありましたが、これは國鐵勞組自身でさえが現在一律に十七割とすべきだ。即ち一、二、三の區別をなくすべきだ。そうでなければ
組合間の摩擦を激化させる、千六百圓から千八百圓のときにも一律に
支給したのであります。これは本當の暫定的であるという氣持があるならば、當然こういうふうなややこしい職階的な或いは
勞働時間的ないろいろややこしいことを言わずに、ここで暫定
支給として十七割を全部一律にすべきが本當だと思うのであります。こういうふうなことにも
組合間の摩擦や、そうしたものをむしろ喜んでおるような點が現われておると私は思うのであります。更に第七條に至
つては先の波田野
委員から言われましたように、これは非常に問題があると思うのであります。勞調法の第四十條に對する違反の問題、或いは
勞働組合法十一條の
規定に對する違反の問題ということになりますが、この勞調法に關してはいろいろ問題があつたと思うのであります。
加藤勞働大臣は曾て野にあつたときに、この勞調法に對しては相當猛烈な反對運動をせられたと私たちは記憶しておるのであります。殊にさつき第三十八條を引用して、官吏、即ち現業以外の行政に携わる者はストライキ權がないというふうなことを
一つ引用されて、そうしてこの第七條が
合理化されたように伺
つたのでありますが、加藤勞相自體の
從來の
主張からして、
日本の
勞働組合が遲ておる特殊な状態、即ち
勞働者自體の
生活が世界の水準から見て非常に貧困化している。そういうところから従來の慣習として、
日本の
勞働者はストライキ、爭議をして資本家から取る、爭議費用も取るというようなことをして來ておると思う。それが最近に至
つてその當然の權利さえも奪われようとしていると思うのでありますが、そういうふうなことは永い間
勞働運動をやられた加藤勞相自身はよく知
つておられる。
日本の特殊の
事情から來ておることも知
つておられることと思う。現在それをなくするということは、
日本の
勞働者に對する
一つのいわゆる攻撃であるということを知
つておられると思うのでありますが、尚
加藤勞働大臣が本當に従來の自分達が言
つて來た
主張からして、或いは又曾
つて弊調法に
日本の
勞働者と共に反對して來た立場から見て、この第一條の
規定が本當に正しいと
考えるかどうか、その點をはつきり言
つて頂きたい。それが第三點であります。
最後は、昨日衆議院でいろいろその
條件の問題が問題に
なつたと思うのです。結局において私たちまだその
條件がどういうふうな
具體的な
條件かということを、それに對する
政府側の意嚮というものがはつきりしないのです。例えば技術的な點で遲れることがあるかも知れんというふうなことが言われるのでありますが、この技術的な點ということが問題なのです。技術的な點ならば國鐵も全遞も同じなのであります。みんないわゆる技術的な點ということならば、これは
給與を一應ここで決つた場合に早速それを個人のもの並みに
算定し直すということが結局、技術的な問題だと思うのでありますが、それならば國鐵も全遞も同じなのであります。實際に單に技術的なことというのはそういうことかどうか、そうして單なる技術的なことで遲れることがあるという意味なのか。それとも全遞が受けない、國鐵が受けたというような差から來る遲延の問題なのか、この點を
最後にもつとはつきり我々に聞かしてもらいたい。以上四點は加藤勞相のはつきりした答辯を求めたいと思います。