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1948-01-30 第2回国会 参議院 財政及び金融委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年一月三十日(金曜日)   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事補欠)の互選 ○復興金融金庫法の一部を改正する法  律案内閣送付)   —————————————    午後二時三分開会
  2. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) これより財政委員会を開会いたします。理事波多野鼎君辞任をされることになりましたので、その補欠を互選して頂きたいと思いますが、どういう方法でやつたらよろしうございましようか。
  3. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 只今理事補欠の指名につきましては委員長に一任する動議を提出いたします。
  4. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 只今動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕
  5. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) それでは森下政一君を理事にお願いをすることにいたします。  それでは本日は予備審査のために付託されておりまする復興金融金庫法の一部を改正する法律案議題にいたして御審議を願いたいと思います。先ず政府から提案理由説明を 求めたいと思います。
  6. 小坂善太郎

    政府委員小坂善太郎君) 只今本委員会予備審査のために付託になりました復興金庫法の一部を改正する法案につきまして提案理由を御説明申上げます。御承知のように復興金融金庫は当初百億円の資本金を以て発足いたしたのでありまするが、爾來経済界一般情勢によりまして産業資金の需要が極めて巨額に達するに伴ないまして、同金庫貸出額逐月増加の一途を辿りましたので、昨年四月一日これを二百五十億円に増額いたしました。更に九月に至りまして極ね本年一月までの所要資金見込みまして、これを五百五十億円に増額して今日に至つたのであります。この間、市中金融機関資金増加のとかく不円滑になりがちな傾向もありまして、又産業界復興金融金庫依存傾向は益々増加いたしまするとともに、各種公團資金を同金庫において一手に賄うことと相成りましたため、金庫貸出額は急激に増加し、昨年末貸出高は総額四百四十二億一千万円の巨額に達するに至つたのであります。もとより金庫の行ないまする貸出は、設立の趣意に則りまして、日本経済再建のために必要な資金であつて、他の金融機関等から融資することの困難とされまする資金の供給に限られておるのでありまして、石炭、鉄鋼、肥料、電氣等今日その再建を喫緊といたしまする基礎産業に対しまして重点的に融資されて参つたのであります。勿論政府といたしましては、これらの基礎産業再建とともに中小工業育成振興につきましても常に関心するところであつたのでありまして、金庫を通しまする中小金融につきましては積極的にこれを推進助長する方針参つたのでありまして、昨年末融資実績によりましても、いわゆる中小工業と目すべき三百万円未満の貸出件数二千三百二十件、金額にいたしますると十七億余万円に達しておりまして、公團及び石炭関係を除きまする一般産業融資に対しましては、件数において六六%、金額において一〇%を占める状況でございます。以上申述べました金庫融資によりまして産業界における資金難はともかくも緩和せられ、戰後における生産回復振興に大いに寄與して参つたと存ずるのであります。しかしながら一方におきまして所要資金の調達、殊に復興金融債券発行につきましては、前國会の本委員会におきましてもいろいろと御注意がございまして、その市中消化について全力を挙げておる次第でありまして、昨年十二月より好轉の傾向を見せておるのであります。今後政府といたしましても、インフレーシヨンの昂進の状況に鑑みましてこれら市中消化を更に一段に向上せしめますために諸般の対策を講じまするとともに、一方貸出に当りましては極めて嚴格な審議を盡し、いやしくも融資の放慢に流れることのないように十分の手段を講じておる次第でございます。今般提出いたしました復興金融金庫法の一部を改正する法律案は以上の諸種の事情を十分勘案いたしました上に、差当り本年度末までに必要といたしまする最少限度資金見込みまして資本金の増額を実行いたすためであります。即ち昨年末におきまして、現在の資本金五百五十億円は概ね当初の予想の通り九十億円程度の余裕を残すのみとなりましたので、本年度末までの貸出増加額見込みまして慎重檢討の上、この際百五十億円を増加して七百億円に資本金を増額することを適当と考えたのであります。尚この増資所要額見込を立てました際には、新たに設立を見ました食糧公團ほか四公團所要資金は、前回増資の際の国会の御意向もありまして、一応市中金融機関によつて調達することといたしまして除外しておるのであります。尚今回の増資に伴なう政府出資拂込につきましては、先に申上げましたような最近の債券消化状況及び今後の消化向上見通しも考慮いたしましてこの際増資分につきまして新たに政府拂込をとらないことといたしておるのであります。資本金七百億円というこの厖大金庫の運営につきましては、現に復興金融委員会における関係当局及び民間有識者の合議によりまして、経済界全般情勢十分考慮の上極めて慎重に行なつておるところでありますが、尚今後は融資分野の適正なる配分と、國民貯蓄の増強によりまして、努めて市中金融機関の活用を図り、以て復興金融金庫依存傾向を極力抑止いたしまするとともに、必要資金貸出最少限度に止めまして、他方復興金融債券消化のためには、更に万全の措置を講じたいと考えておるのであります。さきにも申述べました昨年末の金庫の余力は、約九十億円でありまするが、これは一月中の債券発行並びに債務保証増加によりまして、一月末には殆んど限度一杯となる関係上、本件増資の実行は、是非とも二月早々には実施される必要があるのであります。以上が復興金融金庫法の一部を改正する法律案を御提案申上げるに際しましての理由でありますが、何卒本提出になりまする際には速かに御賛成相成りまするようお願いいたす次第であります。
  7. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) それではこれより御質疑を願いたいと思います。
  8. 玉屋喜章

    玉屋喜章君 只今提案理由を承りましたが、金融機関がその復興債券を持つて、そうしてその金融機関がうまく消化できるときにはいいですが、金が逼迫したときにはその復興債券以つて日銀が割引して呉れるかどうか、それを承つて置きたいと思います。
  9. 小坂善太郎

    政府委員小坂善太郎君) お答えいたします。只今お話でございまするが、原則といたしましてはそれを日銀が割引というようなことをいたさないことになると思うのでありますが、非常にこういつた情勢変轉によりまして、いかにも緊急止むを得ざるような場合が生じました際には、考慮いたすということも、或いは考えられるかも知れないという程度に御了承願いたい。
  10. 松嶋喜作

    松嶋喜作君 世間で喧ましくいうインフレーシヨンというのは、本会議でも申しましたように一般会計特別会計赤字、それから復金貸出というようなことが主体をなしておるというわけでありますが、それにつきまして、政府赤字金融というものをこの復金融資によつておやりになる。税の拂えないものを、金を出して拂わせるようにする。こういうようにも新聞に出ておりましたが、赤字金融というものをおやりになるのかならんのか、これは前の大藏大臣の御説明では、何か非常に上手な説明はつきりしませんでしたが、これから赤字金融というものを復興金融金庫がおやりにならんのかどうか、先ずそれを初めにお伺いしたい。
  11. 小坂善太郎

    政府委員小坂善太郎君) 赤字金融と申しましても、大体大きく分ければ二つ意味があるのじやないかと思います。一つ國家において信用を造出するということが廣義赤字金融、もう一つ考えは、実際貸出を受ける側において、これを支拂う際に、融資を受けて直ぐにそれがペーする事業でないものに貸出すという場合の赤字金融ということが言えるのではないかと思います。復興金融金庫の場合でございますと、その設立の趣旨にもございますように、日本再建のために必要であるということと、又一般市中金融機関が賄ない得ないという情勢と、二つの問題を捉えて復興金融金庫貸出す使命を持つております。そういつた本來の、本質的な復興金融金庫性格から参るものといたしまして、差当り融資を受ける側においてペーしないような仕事に対しても、復興金融金庫はその仕事が維持、育成されていく上において、國家がこれを再建のために必要であると認めるものについては融資をいたすということに相成ると思うのであります。復興金融金庫はそういう筋合の貸出を行ないますが、それを以て復金赤字金融をしておるじやないかと言つて議論なさることも一つ考えかとも思いますが、私共といたしますると、全然將來見通しがなくて、ただその場当りの金融をしていくということが赤字金融であるのであつて、今、國家再建のために止むを得ざるものであるがために、金融機関が、將來独立して健全な企業になる得る、そのための金融をするのだということでありますと、現象的には赤字金融のような現象を呈しましても、本質的にはいわゆる赤字金融と異なる貸付となると考えております。勿論國家の今採らんといたしまする健全財政方針というものをこれは飽く迄私等は強行いたして、財政面からくるところのインフレをなくするようにいたさなければならんと思うが、一体すべての状態が健全になつたときに財政も健全になる。今遺憾ながら國家状態は健全なる状態であるとは言えないと思います。その際に、健全財政を強行いたしまる場合に、いろいろな面から無理が生ずる。その無理のよつてくるところが金融であるということになり勝ちでありまして、私共はできるだけそういつた状態を普通の状態にしないように努力はいたしますけれども、差当つての問題とすると、赤字金融をやつておるような形態をとるということに言われる場面もあるのじやないか。併しロングランにおいては決してそういうことにならないように努めたいと考えておるということを御了承願います。  更に納税の問題でありますが、納税のために特に金融をするということは私共は考えていないのでありますが、やはり運轉資金として納税をするために特にそれだけの不足がどうしても生ずるというものについては、これは極めて例外といたしまして國家再建に非常に必要な事業限つて金融をやるということも考えておる。これは決して金融自体が目的ではないので、その仕事を、生産を遅らせないようにするために、止むを得ざる措置というように考えて許している次第であります。
  12. 松嶋喜作

    松嶋喜作君 私のお尋ねしたい点は、その納税資金をお貸しになるかならんかというのも一つの大きな伺いたい点であります。今、次官のおつしやるようでは、ロングランという。ロングランに結末がつくものなら、國家金融の見地においては貸すということでありますが、今非常なインフレションが急速に進行するときに、將來から見て結局において國家金融であるから赤字でも貸すということでは、見解の相違になつて、議論しても始まりませんが、私は將來近い内において、大体において、租税の滞納をこの復金から賄うということになつては、非常な問題である。この点については一つ政府の方で、その無闇に貸さないということに了解してよろしいかということを、もう一遍念を押して置きたいと思います。
  13. 小坂善太郎

    政府委員小坂善太郎君) 復金側から特にそういうことをするということは、私ども 原則として止めたいと思う。ただ納税資金ということに考えまして、金融をするということになりますと、如何にも変でありますが、全般の今の経済状態を御覧になつて頂きますと、やはり凸凹経済状態なんであります。石炭の如きものにつきましても、やはり全般的に價格が特に低位に置かれておるとかいうような声も非常に聞くのでありまして、そういう状態であるために、現在の企業がペイしないというものについて、まあ企業について金融をする場合に、結局赤字の如き現象があるのであります。そういう企業において納税する場合に、非常に資金に困る場合において、全般運轉資金の問題としてこれを考えるということはあるかも知れませんが、今申しました通りに、原則としては復金から特に納税資金を貸すということは考えたくないというふうに考えております。
  14. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) それではこの場合復興金融金庫理事長北代理事長が見えておりますから、懇談会にいたしまして、いろいろ説明を聴いたらどうかと思いますが、御異議ございませんか。
  15. 松嶋喜作

    松嶋喜作君 そうすると、懇談会というと質問はやられるわけですか、話をお伺いするだけですか。
  16. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) いろいろ理由説明を聴きまして、それから懇談会を閉じまして、銀行局長も来ておりますから、いろいろ御質疑を願つたらと思います。
  17. 松嶋喜作

    松嶋喜作君 私の方は聴きたいことをお答え下さつて頂けば、別に……。
  18. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) いや、若し懇談会で今説明を聴かんで宜いということならば、政府委員がおられますから、質問を継続してよろしうございます。
  19. 松嶋喜作

    松嶋喜作君 同時に質問しても構わんのですか。
  20. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 理事長に対する質問もあるのですね。
  21. 松嶋喜作

    松嶋喜作君 両方です。理事長に対する質問は、(「懇談会でやつたらよい」と呼ぶ者あり)懇談会ではなく、この委員会ではいけませんか。
  22. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 説明だけを懇談会にして、質問委員会で、政府委員でなくても御承認を得て答弁して頂いてよいと思います。ただ説明懇談会の方がしよいということはあるだろうと思いますから……。
  23. 松嶋喜作

    松嶋喜作君 どちらでも……。
  24. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) それでは御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) それでは御異議ないと認めます。それでは速記を止めて……。    〔速記中止
  26. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 速記を始めて……。 御質疑の御継続を願いたいと思います。
  27. 松嶋喜作

    松嶋喜作君 復興金融金庫債務保証について伺いたいのですが、この債務保証はどういう場合におやりになるのか、その復興金庫で貸す、併し市中銀行にも、先程お話がありましたように金がない、なかなか貸し澁る、そのときに保証をなさるのでありましようが、一体どういう目標でどういう気持でこの保証をおやりになるのか、その点を一つ大藏当局にお伺いいたしたい。
  28. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 保証融資につきましては、先程もお話が出ましたように、私どもといたしましては、成るべく復金の直接貸しはできるだけ少くいたしたいというのが念願でありますので、できるならば融資斡旋当局側においても行いまして、一般市中金融機関から適正な産業資金が出ることが最も望ましいので、そういうものは斡旋勧奨をしておるのであります。ところが極力市中金融によるとしても、市中金融機関としてもなかなか現在のいろいろな客観情勢を勘案いたしまして、市中金融機関としては、自分の所の直接貸しにするのはちよつと自信がない。或いは將來危険性が……十分に納得できる程の危険性に対する懸念が拂拭できないという場合も相当ございますので、せめて金庫からの保証を付けて呉れれば自分の所から貸出し得るというようなものも相当あるような状況でございます。で、冒頭に申しましたように、政府といたしましても少なくとも直接貸しはできるだけ少くいたしたい。將來の態勢として、市中金融の方にできるだけ廻そうというところで、その間の繋ぎというような意味もございまして、只今できるだけ復金保証の方に力を入れておるような状況でございます。で、差上げました資料の中では保証融資の残高は僅少でございますが、これは保証融資は話が進んでおりまするもので緒に着いておりますものは昨年末で大体三十二億程度のものがあると記憶いたしております。それからこの一月から三月までの間の計画でございますが、大体十六億円程度保証融資の方に廻るのじやないかと考えておるわけでございます。
  29. 松嶋喜作

    松嶋喜作君 その市中銀行からの保証を受けたいという場合に、融資先についての調査、つまりこれは復金保証する程度のものか、それとも非常に危険なものであるかというような調査はどういうようになさいますか。
  30. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) これは二通り受け方があるわけでございまして、復金融資を持ち込んで参りましたものをふるい分けいたしまして、できるだけ市中金融の方に廻すというような受け方をしておるものが一つございます。それからいま一つは、市中金融機関融資先から融資の希望を受けました場合に、復金の方でこれはなんとか考えて貰いたいということで復金の方へ入つて参りますものと、二つの分け方があるわけでございます。現在のところはどちらかと申しますと、前者の方が多いと思うのでございますが、復金融資申込みがございました場合に、これは従来の取引関係その他から言つても、当然市中金融機関考えてもらうべきものじやなかろうか、役所の関係が出て参りますのは、例えば復金監事会等におきましても、これは関係各省その他の人間で構成しておりますことは御承知通りでありますが、そこでもいろいろ審議もいたしまして、恰もその場合におきましては、直接貸しと殆んど同様の扱い方融資先の是非を檢討するわけでございます。それから第二の入り方をして参りますものも、勿論復金保証をするということを決める以上は、その融資先なり、或いはそれが全体の資金関係から見てどういうような重要性であるかというようなことについて、十分審査をするわけでございます。で、復金監事会でも委員会でも一定の金額以上のものは、直接貸しであると保証貸しであるとを問わず、金額の大きなものにつきましては、監事会委員会議題としてこれを審査しておるような次第であります。
  31. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 ちよつと遅れましたので、提案理由説明を承わつておりませんので、 質問がとんちんかんになるかと存じますけれども、多分復興金融金庫増資は、今度滞納が非常に多うございますので、それを取立てるための納税融資の方に沢山廻さなければならないというような意味も相当含まれておるのだと想像してお尋ねするのでありますが、そういたしますと復金の方の資本金を廻す財源をどこからお求めになるのかということが私は分からないので、それをお尋ねするのが一つと、もう一つは、今年さえも利益がなくて税金が納められなくて困つているその人に、納税融資として金を貸して上げて、そうして而もそれは経営を閉ざしてはいけないから金を貸すのでございますが、來年、それでは、又税金を納めなければならない問題も待つているのに、そこの会社は今度はどういうふうにしてその貸した金を取立てられるのか、そのお見込が私にははつきり呑み込めませんので御説明願いたいと思います。
  32. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 納税資金の問題につきましては、先程もちよつとお話がでたのでございますが、実は今回の百五十億の増資の中には、納税のための必要な資金というものは見ておらないわけでございます。併しながら、先程も御議論がございましたように、然らば納税のための資金が全然出ないかと申しますと、これは率直に申しまして、はつきり出ないということは或いは申し上げ兼ねるかと思うのでございます。現に一例を申しますならば、現在石炭非常増産対策資金といたしまして非常に今問題になつております金が約三十億程の要求が石炭の業界から非常に熾烈にあるわけでございます。その中に約十億ぐらいの、石炭関係業者からの滞納金があるわけでございます。この扱い方をどうするかということについては非常に頭を悩ましておるわけでございますが、先程政務次官から答弁いたしましたように、或る程度その滞納税金をなし崩しにでも拂つて貰いまするためには、多少他の面においての赤字金融と申しますか、運轉資金と申しますか、その方からどうしても多少はそこを含んで出してやらなければならんという場合があり得ると思うのでございます。さような意味におきましては、納税資金という建前では出ないといたしましても、実際上は多少その中の一部が当面のところ廻るということは実際問題としてあり得るということになるかと思うのでございます。それから將來の税の拂えないような企業に対して金を出しまして、そうして回收がどうなるかというその次のお尋ねでございますが、これは只今まで復金懇談会で、委員長お話にもございましたように、非常にむずかしい問題でございまするが、率直に申しますると、この復金融資という問題の中には、現在の日本の当面しておりまするいろいろ複雑で困難な問題が総てここに露呈しておるというように考えられるわけでございます。これは復金性格から申しましても、或いは又現在の客観的な日本全体の経済状況から申しましても、どうも綜合的な対策に期待しなければならないようなむずかしい問題が具体的に、時期的に復金の上に現れたということが言えると思うのでございまして、例えば一つの例を申し上げますならば、價格改訂のずれというようなことがあると思うのであります。これらの問題は適正に、若し綜合対策からいつて價格の改訂が行われ得るといたしまするならば、その面においては、例えば現在は赤字でありましても、將來見込というものは、將來状況において更に明くなり、資金回收の面からいいましても回收が促進されるというようなことになつて來ると思うのでございまして、必ずしも現在だけを以て將來回收その他を律することはできない。我々といたしましては、できるだけ綜合対策が全体の立場によつて今少し促進されるように、この面から期待できるように考えております。
  33. 中西功

    中西功君 ちよつと資料を出して貰いたいと思うのですが、十二月中に政府は非常に厖大支拂いをしておるわけです、復金も入れてですね、八百億とか言われておるわけなんですが、それの内容を大体……今日じやなくてもいい、出して貰うことが一つです。それから第二番目には、十二月中に、ここでは六十億も出されたことになつておる、復金融資ですね、それを少し詳細に知りたいのです。それはできれば、いろいろの形の融資があると思うのです。まあ、さつき言われたような保証というふうなものもあるでしようし、普通の融資もあるでしようし、或いは又会社側のいろいろの理由による融資もあると思うのです。成るたけティピカルなものを幾つか挙げて貰いたい。その場合いわゆる貸付けた会社内容とよく考え合して、而も何故ここにそうゆうふうに融資する必要があるかということの当局側の判決と言いますか、理由というようなものも聞きたいわけなんです、それが二番目ですか、それから、先に深川委員質問に対する答弁の中で、石炭の中には大体三十億くらいの融資を必要としておる、而もその中で十億は滯納部分と目されるというわけなんですが、一体石炭鉱業に対しては價格調整金を初め今まで随分なされておると思うのです。そういうような全体の関連で何故こうゆう十億の滯納ができたか、一体この十億の滯納というものの責任が一体どういう結果から、誰の責任かということをはつきりさして貰いたいと思うのです。まあこれは今日私聞かなくて結構なんです、それでこの次の機会にその三つを、お願いいたします。
  34. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 只今の数字は資料で御報告いたします。
  35. 松嶋喜作

    松嶋喜作君 ちよつと今のに関連して……保証の方を少し詳しくお報らせ願いたい、それは、どの銀行保証したか、それからどういうそれが事業であるかというその保証の点、明らかに、これはよろしうございますね……。
  36. 中西功

    中西功君 もう一つ私にとつて非常に関心事なのは、先に復金理事長の方からお話がありました市中金融機関貸出しを澁るとかいうような問題なんですが、何故市中銀行貸出しを澁るのかとか、或いは実際に使えないか、この状況を少し、我々大衆にも分かるような何か資料を出して貰いたい。一口で私の意見を言えば、復興金融金庫が非常に過大な負担を受けておる一つの原因は、市中金融機関が役に立たないということから來ると思うのです。それで、何故そうゆうことになるのか、非常に大きな政府支拂いが実際にあるわけなんです、それは資金なんでしようが、その支拂いされたものは当然どこかに集つておる筈なんです、ところがそれが市中銀行に十分集つて來ないということがあるのでしようが、それにしても余り我々が見ておりまして、市中金融機関の能力がなさ過ぎるというか、又その貸出しなんかいろいろのものがある可能性があると思うので、その点をもう少し分るようにして貰いたい、ひとつお願いいたします。
  37. 山田佐一

    ○山田佐一君 只今の御質問に関連しておるのでありまするけれども、私この金融状況を見まするのに、戰時中の重点産業主義、戰後における傾斜生産、この問題から行きまして、私は融資の面がやはり生産第一主義、傾斜生産でこの重点産業になつたときには、どうも外観的に見て放漫な貸出しをするのではないか、そうして最も愼重であるべきその重点産業の工業は、経営が放漫に流れていわしないかという疑いは、独り私が思うのみならず國民全般が思つているのだろうと思います。つきまして、この融資先に対しましても、價格改訂のずれがある、そうして経営の波があるという復興金融金庫理事長の御説明であつたのでありますが、仮りに三井鉱産、これに三十億の融資ができておるのでありまするが、これは價格改訂によつて幾らくらいの保証があるか、價格改訂のずれで保証して來たならば、この三十億というものは直ちに消えるものであるかどうか、價格改訂は凡そ何トンを見て、一トン当り幾らの價格改訂があるか、資料がありますれば、もう少し明細にお知らせが願いたいと思います。又この復興金融金庫の債券を市中銀行に負担せしめるというお話でありますが、一方、社会党の党大会の決議では、軍事公債の利拂停止を党の決議といたしました。而うしておりましたならば、市中の金融機関が、今漸くにして金融機関再建整備で立ち上つて、そして新規の増資の株券を一般國民に持たせようとしておる。その場合に、又直ちに第二の公債の打切りがあるのじやないか、支拂停止と共に、公債價格の暴落或いはこれは廃止に等しいものが來るのじやないか、すると直ちに市中銀行の整理というものがあるのじやないかと非常に不安を感じておるのでありますが、その中に果してこの復興金融金庫の債券の應募者があるかどうか、その辺に対しても、もう少し明細の御説明が承りたいと思います。
  38. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 先ず石炭の問題でございますが、將來價格改訂、その他の詳細な点につきましては、実はまだはつきりしておらん点もございまするのでありますが、 大体昨年末におきまする石炭金融状況を極くかいつまんで取り敢えず御参考までにお答えいたしたいと思いますが、設備資金におきましては、一般企業費といたしまして全部で四十三億余円出ております。それから労務者の住宅というのが非常に大きいのでございまして、これが約四十二億ございます、合計八十六億余万円というものが設備資金になつておるわけであります。第二が運轉資金でございますが、運轉資金の中の、いわば價格改訂のずれ方を基礎にするものでございまするが、これが約三十二億円ということになつております。一般運轉資金としては、その外に二十三億余万円ございまして、なお又その外に坑木の関係運轉資金が四億円余あるわけであります。これを総計いたしますると百四十六億程度になつておるわけでございまして、これを復金の十二月末の諸貸付残高の四百四十二億円、その中から公團融資関係百三十五億を引きました一般融資額三百七億に対しまして、石炭関係融資残高が実に四・五割を占めておる、こういうよう状況でございます。  それから價格改訂のずれの関係に関連いたしまして、実は政府が補給金を出すべきものがありまして、なお補給金が現実に出ておらんというものが、あるのでございます。これは計算、その他が非常に細かいので、只今申上げますのは多少変るかと思うのでございますが、二十二年の四月から二十二年の七月分までの概算でも二十七億に上つておるような状況でございます。これらにつきましては本年度内に交付を現実にいたすべくいろいろ努力をしておるような状況でございます。  それからその次は復金債の消化の問題でございますが、御説の如く私どもといたしましては、何とかしてせめて金融機関再建整備は、関係方面の意向もございますので、既定方針によりまして、評價その他も既定方針で参りまして、三月三十一日には是非とも完了いたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。そういうような基礎状況を基にいたしまして、矢張り復金債の消化につきましては、純資金蓄積額のせめて一割だけは何が何でもやつて行こうというふうに考えておりますので、最近の資金蓄積の状況と、それから今後発行されます復金債の額等から申しますと、若し純資金蓄積額の一〇%が金融機関でこなれますならば、復金債総額の二割から三割の間が一應消化されるという目途がつくわけでございます。それからもう一つ附加えて申上げたいと思うのでございますが、実は今回の増資案は、当初事務的な案といたしましては、一應三百億の必要があるのでございます。三月末までにどうしても三百億くらいの増資が必要であるという結論が一應出たのでございますが、これを何とかして融資額を減らそう。又債券の消化を促進しようという両面の考慮からいろいろ考えまして、ぎりぎりのところ百五十億というような背水の陣を布いたわけでございまして、幾ら減りましても三月末のところでは、或いは二、三億の不足が出るのではなかろうかというような背水の陣を布いておる関係にあるのでございます。
  39. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 波多野農林大臣が丁度見えまして、理事をお辞めになりました御挨拶をされたいということでありますから……。
  40. 波多野鼎

    ○國務大臣(波多野鼎君) 長い間、財政及び金融委員会理事を勤めさして頂いておりましたが、甚だ十分その職責を盡し得なかつたことを残念に思つております。今回図らずも農林大臣の職を引受けざるを得なくなりまして、そちらの方に参りましたために、理事の職責は盡し得ないことになりましたので、この際辞任させて頂くことを申入れておきまして、皆様方の御了承を得ましたことを厚く御礼申上げます。今後ともよろしくお願いいたします。そのうち帰つて参りまして皆様方と一緒に働かして貰おうと思つております。(拍手)
  41. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 今の件は多少何か資料として数字など出して貰つた方がいいのではないでしようか。
  42. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 承知いたしました。
  43. 松嶋喜作

    松嶋喜作君 この復興金融金庫貸出金延滞調べというのを只今頂戴いたしましたが、この表を拜見いたしますと、住宅経営の外は割合延滞が少いように思うのでございますが、これはどういうわけでございますか。これで多いのか少いのか、私は少いような感じがいたしますが、住宅経営という以外には紡績が四千五百万円でございますが、これは一口というわけですか。又土木建築で一口で二万円というのはあまりに少いですが、この辺の消息はどうでございましようか。
  44. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 住宅営團等につきましては、現在の状況はここに揚げてあるだけでございまして、これは住宅営團は御承知のように閉鎖機関になりました関係もございますが、相当前から住宅営團に対する貸付をやつておりません。ですから貸出額それ自体が少いのでございます。それから貸出の残高はちよつとここに持つておりませんが、要するに住宅営團に対しまするものは復金から直接の貸出は止めておりまするので延滞の金も少い。先程申上げました石炭関係の労務者住宅というようなものは、企業体がやつておりますものに設備資金として各企業体に対して復金融資をいたしておるものであります。
  45. 松嶋喜作

    松嶋喜作君 それは説明になつておりませんが、現在の貸出に対するこれは総残高についての延滞という調べでございますね。この表は……。そういたしますと、土木建築請負業というのは相当の金が出ておるように聞いておりますが、それについて二万円だけの延滞でございますか。二万円というと余りに少いが、これはどういうわけですか。
  46. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 土建関係はいろいろ噂にはなつておるのでございますが、実はこの印刷物の中にあるかと思うのでございますが、土建に対しては貸さないことになつております。その点でちよつと附加えて申上げまするが、現在融資方針といたしまして、原則的に復興金融委員会、その他で決めて來ましたもの、或いは行政的に当局の通謀として融資方針の更に細部を示しましたものと、いろいろあるわけでございまするが、原則として融資対象としてはいないというものの中に、土木建築請負業というものが明記されてございます。昨年のかなり早い時期におきまして、時期を正確には忘れましたが、一時出ましたものがございますが、その後諸般の情勢に鑑みてこれは融資の対象から外すという決定をして頂きましたので、延滞金の少いのも残高が非常に少いからでございます。
  47. 松嶋喜作

    松嶋喜作君 そうしますと、この延滞というのはこういう意味は含んでおりませんですか。その期限が來てもう一度継続するということもあり得ると思うのであります。その継続したのは延滞の中に入るのか入らんのか。継続すればもう延滞ということでないですから、それは省いてあるのか。その継続というものは含まれておるかいないかということをちよつと伺いたい。
  48. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) これは大抵は元金が現実に延滞しておる残高を掲げたものでございますから、期限が來まして、更改を認めて繋がれたものは入つておりません。現実に現在これだけが延滞になつておるという表でございます。
  49. 松嶋喜作

    松嶋喜作君 そうすると、更改すればいつになつても延滞はできないということでございますね。そう取つてよろしうございますか。
  50. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) そういうことになつておるのです。
  51. 松嶋喜作

    松嶋喜作君 それじやちよつと本当のことは分かりませんね、この表では……。
  52. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) この表でははつきりいたしません。
  53. 山田佐一

    ○山田佐一君 紡績業の四千五百万円というのは、こんなのは継続すればいいのじやないですか。なぜこんなことをやるのですか。
  54. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) この下の摘要のところにございますように、大体が閉鎖機関の関係でございます。
  55. 中西功

    中西功君 この表の十一、中小事業融資状況表という中ですかね、ここで「一般融資」と「右の中、中小融資」ということになつておるのですけれども、この中小融資というのは中小企業への融資という意味なんですか。それとも金額が小さいという意味融資なんですか。
  56. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) ここに中小金融と書きましたものの定義は、企業資本金の百万円以下のもの、それから貸出金額が三百万円以下、こういうものをここにいわゆる中小金融として取上げたわけであります。
  57. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) それでは御質疑がありませんければ本日はこの程度にして、明日午前十時からいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) それでは本日はこの程度で散会といたします。明日は午前十時からお願いいたします。    午後三時十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     黒田 英雄君    理事            波多野 鼎君            伊藤 保平君    委員            下條 恭兵君            椎井 康雄君            玉屋 喜章君            松嶋 喜作君            山田 佐一君           尾形六郎兵衞君            深川タマヱ君            星   一君            石川 準吉君            小宮山常吉君            西郷吉之助君            高瀬荘太郎君            高橋龍太郎君            渡邊 甚吉君            中西  功君   政府委員    大藏政務次官  小坂善太郎君    大藏事務官    (銀行局長)  愛知 揆一君