運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1948-05-21 第2回国会 参議院 財政及び金融・労働連合委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年五月二十一日(金曜日)    午後二時十五分開會   —————————————   本日の會議に付した事件 ○政府職員の新給與實施に關する法律  案(内閣送付)   —————————————
  2. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) それではこれより財政及び金融勞働連合委員會開會いたします。本日は政府職員の新給與實施に關する法律案につきまして、昨日に引續き御審議を願いたいと思います。提案理由は昨日政府委員から説明があつたのでありますが、本日は今井給與局長が見えておりますので、全官公廳勞働組合といろいろの交渉經過等について詳細の説明を求めたいと思います。
  3. 今井一男

    政府委員今井一男君) それでは委員長のお言葉によりまして、今回この法律案を提出するまでに至りました經過につきまして、特に組合側との交渉關係を中心といたしまして、若干御報告申上げます。  只今手許にお配りいたしましたガリ版の刷り物の中で、組合に對する口頭申入事項昭和二十三年四月十日というのがございますが、二千九百二十圓ベース並びに體系に關しまする全官公廳各組合との交渉ば三月の半ばから始まりまして、半分ばかりの組合は話が付いたのでありますが、最後に四月十六日に妥結いたしました政府對組合間の正式な確認文書が、只今手許にお配りした組合に對する口頭申入事項、これがそれでございます。これには甲として確認事項、乙として覺書、丙として了解事項、この三つからなつております。これに政府側代表といたしまして官房長官組合側から、それぞれ代表資格におきまして調印をいたしました。もう一つ半ぺらのもので、西尾加藤兩大臣了解事項というのをお配りしてございますが、この印刷物は前の政府蜀組合了解覺書組合側調印いたしまするに當りまして、兩大臣個人資格において、組合側了解を與えられたということを文書にしたものであります。これは兩大臣が認め印を捺されまして、組合側に交付されておられます。これはその寫しでございます。この覺書によりまして二千九百二十圓を以ちまして、給與に關する限り、現段階における最終的解決ということになりまして、政府側組合側代表委員を以ちまして、四月二十日から二十七日まで新給與整備委員會という名を以ちまして團體交渉をいたしました。その際いろいろの問題が討議されたことは申すまでもございませんが、今回御審議を頂いております法律案につきましては、別にお手許にお配りしました政府職員の新給與實施に關する法律案要綱、これは二枚續きでございますが、二十三年四月二十三日という刷り物がございます。この要綱組合側に二日目か、三日目ありにお目に掛けして討議をいたしました結果、御了承を得まして四月の二十七日に法律案に關する限り、外の問題もございましたのですが、この法律案につきましては、この要綱に基いて文章の技術的な面につきましては政府側に一任する、こういう了解と相成つたわけでございます。ところがその後この法律案關係方面審議を經まして、若干變つたところもできたのでございますが、先週の土曜日に、全官公廳測からでき上つた、今回御審議を頂こうという法律案の中で前に團體交渉で決めたラインより逸脱しておるものがある、こういう抗議がございました。この問題につきまして、月曜日に會見をいたしまして、いろいろお話をしたのでありますが、結局この法律案國會に出すということについては異論がない。又字句そのものについて、政府側に一任した關係から、自分らの意圖違つた面になつた點については遺憾である。我々又全官公側としては、正常なる手續によつてこれに對する反對運動をする権利を留保すると、こういつたお話がございました。結局問題はこの要綱で協定いたしました事項と、今度でき上りました法律案とがどう食い違つておるかという點にあるのではなかろうかと思います。この法律案は申すまでもなく、前国會で御決定願いました二千九百二十圓の法律第十二號、この法律を承けておるものでございます。この法律は本文が三項に分れておりまして、申すまでもございませんが、第一項では本年一月以降の政府職員給與水準は二千九百二十圓にするということが謳われ、第二項といたしまして、その分配の方法臨時給與委員會報告書方針によるということが謳われ、第三項としてその二つの制約の下に二千九百二十圓を現實に支給する手續は別に法律で決める、この別に法律で決めるという前に御決定願いました法律によりまして、できました法律であります。從いましていわば二千九百二十圓の施行法みたいな性質のものでございます。この法文の問題になつております、殊に全官公で問題になつております點だけを摘記して取上げて申し上げます。第一條一項、二項、三項とございますが、二項、三項は實は原案にはございません。この要綱にも無論ございません。その關係方面審議經過におきまして挿入されました事項であります。特に問題になつておりますのは、その次の二十一條という規定でございます。欠勤等の場合の給與引き方であります。この二十一條には「法第十二號附則第七條規定は、職員が正式の承認なくして執務しなかつた場合について、これを準用する。」、かように規定してあります。法第十二號と申しますのは、只今申し上げました二千九百二十圓に決めました法律でございます。この點につきましては、組合側團體交渉をいたしました要綱の中には、何と書いてあるかと申しますと、十一には「俸給扶養手富勤務地手當支給方法については從前通りとする。」かように規定してあります。この規定を具體化したものが實はこの二十一條に相成つたわけであります。と申しますのは、この前の法律の附則で二千五百圓べース支給規定が書き加えられておるのでありますが、この二千五百圓のときの支給しました給與種類は、建前といたしまして、すべて暫定という言葉が頭に被せられております。即ち暫定俸給暫定扶養手當暫定勤務地手當、これは二千五百圓べースが全く假りのものでございましたので、そういうふうな文字を頭に被せられたのでありますが、今回の給與種類法律建前上、その頭の暫定という文字が取れましたので、すべて俸給扶養手當勤務地手當、かように規定したのでございます。從いましてこれを形式上の法律論から申しますと、給與種類は全然別個に相成るわけでございます。從いましてすべて支給手續もここに書きませんというと、支給手續に關する根據法規がなくなつてしまう。それで我々の考え方は、組合側團體交渉をしました際の線に沿いまして、從前通り、即ち二千五百圓ベースのときの通り、こういつた意味合におきまして第七條を準用したあけでございます。即ち現状に少しも變更を加えない、こういう考え方に出發しております。又この二千九百二十圓の法律第十二號をいう法律は、一應組合側承認を得ておるものでもあり、又承認を得る得ないに拘わらず、とにかく国會の議決を經まして、現在の我が國の根據法規なつております關係もございまして、そういたしました次第であります。本来でありますれば、實は改めて書く必要はないのでありますが、この給與の觀念が、形式上別になつた意味からして、止むを得ず書かなければならなかつたということに外ならないのであります。何ものをもプラスせず、何ものをもマイナスせずという建前であります。前回の御審議の際に、この第七條につきましては、参議院におきましても相當に御質問を受けました。併しながらその時詳細御説明申上げました通り、これは實體的に如何なる場合に引くかということを定めたものではございません。爭議の場合に引くとか、或いは選挙に行つた場合には引かないとか、こういつた實體的關係はすべて外の官吏俸給令なり、勅令、省令、閣議決定、通牒とかいうようなものによりまして實體は決まるのでございまして、ただ引き方を從來は日割計算としておつた、それを時間割計算に改めたというだけの規定でございます。これが一部組合側に誤解を受けている點は甚だ遺憾でございますが、とにかくこの規定によりましては、何も新しい實體は動かすことはないのでありまして、むしろ問題は實體規定をうするかということに相成るかと思うのでありますが、それはこれとは直接の關係はございません。なぜ時間割で引くようになつたかと申しますというと、この前御審議の際に申上げました通り、役人につきましても御承知の通り一般的に勞働基準法が適用されまして、一時間居残りすれば一時間分の超過勤務手常を附ける、こういつたことに相成りました關係上、今までのような、如何に長時間勤めても超過勤務手當は出さなかつた時代から飛躍をいたしました關係で、一方逆に一時間なら一時間、二時間なら二時間遅刻をした場合には、一時間分なり、二時間分なりその給與を減らす。こういつた建前は當然基準法の精神を受けまして取らなければならなくなつたことでありますので、關係方面の御指示を受けまして、かように規定したものであります。それをこの際そのまま使つたのであります。というだけのことでございます。  それからその次に、全官公の方で私共月曜日に抗議を受けました點は二十二條であります。この法律の二十二條の「薪給與實施本部長は、各廳の長又はその委任を受けた者が第十五條の規定により決定した職員の職務の級及び俸給が第十三條の俸給支給の原則に照し適當でないと認めたときは、各廳の長又はその委任を受けた者の行つた決定を更正し、又はこれらの者に對しその決定を更正すべき旨を命ずることができる。」こういうように想定しております。この規定團體交渉で決めた粋外といわれるのでありますが、この點私共全く言われることが納得できません。と申しますことは、この要綱の八のお終いに書いてございますが、これは要綱として組合にお目にかけて、組合の御承認を頂いたものであります。ここに「各職員の級及び俸給決定は各廳の長又はその委任を受けた者がこれを行うものとし、この決定については、新給與實施本部長にその更正決定の権限を與えることとする。」かように書きまして、これで御承諾を頂いたのであります。まあ或いは考え方が後で整つたのなら別でありますが、これと二十二條決定とはどうも常識的に考えまして少しも撃つたところはないと私は存じます。以上だけが全官公と月曜日の日に私共も會見しました際に受けた抗議でありますが、その外に昨日衆議院におきまして、財政金融委員會懇談會の席上、組合の一部の方が見えまして述べられた言葉の中には、他に二十九條も實は取上げられておるわけであります。この點も一言申上げて置きます。二十九條に「職員昭和二十三年一月一日以後において、既に支給を受けた法第十二號による暫定給與財務局及び税務署に在勤する政府職員に對する税務特別手富支給に關する法律昭和二十二年法律第百六十八號)による手當その他この法律による給與に相當する給與は、この法律による給與の内拂とみなす。」すべてこれは前に貰つたものはこの法律の差つ引の對象にする、こういう考え方でできておるのでありますが、この「財務局及び税務署に在勤する政府職員に封する云々」という、この法律を引つ張つたことがいかんという話ですが、實態として税務特別手當を昨年御審議願いました、國會で御決定願つた當時から、政府側組合側、この新らしい給與體系の際には、こういつた特別手當本俸に織込む、こういう建前で進んで來ておりますが、今囘これを本俸に入れることに相成つたのであります。從いまして、入れることにつきまして、組合側と別に何に本問題は生じておりません。入れることには反射はないのだが、止められる法律の際に自分らの方の法律の名前を書かなくてもよいじやないか。こう言われるだけの問題であります。併しながら條文の書き方としまして、「その他この法律による給與に相當する給與」としまして、結局この頭に、何といいますか、税務特別手當を引つ張つて來たというだけの問題であります。全く實態には關係のない問題でございます。これから同じく二十九條の第二項におきまして、「前項の規定により内拂金とみなされた金額が、この法律により受くべき給與の額を超過する場合においても、既に支給を受けた給與は、これを返還せしめないことができる。」これにつきまして組合側との團體交渉機會に、私共の示しましたところは、要綱の十五でございます。「既に支給された給與との調整につき規定する。即ち職員が一月一日以後既に支給を受けた給與で、この法律による給與に相當する給與は、この法律による給與の内拂とみなすこととする。但し、その内拂とみなされた金額の方が、この法律により受くべき給與の額より多い場合にも、その超過分は返還させないものとする。」とありますが、これが法文の方で「せしめないことができる。」と書いて、「ものとする」を「できる。」と憂えたことが氣に入らない。昨日こういりた話をせられまして、これは要するに國會から権能を頂く意味におきまして、政府といたしまして「できる」と書くことが法律用語例でございます。「できる」と書いただけのことでございます。これは全部返還させないことにする點は少しも方針は變つておりません。  以上が條文の細かい、組合側といわゆる意見の衝突と認められる點でありますが、根本的に遡りまして、問題として提起されております點は、この法律は、二千九百二十圓ベースなるものが、一月——三月に對する分である、かように組合側了解いたしますのに弱しまして、政府として新らしい水準が決まるまでの分、かように政府は考えております。その點の食い違いがあるやに見受けられます。その點から問題も出ておるようでありますが、併しながらその點は組合に封する口頭申入事項、先程お目に掛けました四月十日の抗議事項覺書という兩者に正式に調印いたしました、調印の方に、乃至は西尾加藤兩大臣個人資格で與えられました了解事項というものをお読み頂きますれば、いずれの判断によるべきかということが、大體御了解願い得るかという感じがいたします。外にもこの法律案につきましては申上げなければなりません點があるかも知れませんが、一應組合側との關係におきまして、問題となつております點だけ取纏めまして、一通り報告申上げます。
  4. 岩間正男

    岩間正男君 只今政府側説明がありましたが、主にこの説明の重點は、組合側との意見相違對立のような點に向けられておりますので、幸いに全官公代表傍聽に見えておるのですが、適當機會において組合側意見も聽取して、これからの審議参考にしたい。こういうふうに思いますので、この點をお諮り願いたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 如何ですか、只今岩間委員から、この場合政府經過説明があつたのであるが、組合側意見も聽いて見たらどうかというような御提案がありましたが、そうですね。
  6. 岩間正男

    岩間正男君 そうです。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  7. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 御提案があつたのですが、如何ですか。皆さんの御意見は。
  8. 原虎一

    原虎一君 どういう形でやるのですか、今日やるというのですか、證人、参考人としてやるのですか。
  9. 岩間正男

    岩間正男君 参考人という形で、成るたけ適當機會でできたら……、手續はどうなるか。
  10. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 今日おられますか。
  11. 中西功

    中西功君 いますね。
  12. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 御異議ございませんか。その點。
  13. 竹下豐次

    竹下豐次君 普通委員會が、委員以外の人の意見をお求めになるには公聽會を開くか、誰人として出て頂いて説明をして貰うかというようなお取扱にしないといけないと思います。若しおやりになるとすれば、どういう形でお取扱になりますか、或いはこれを一應閉じて懇談會の形としてでもお取扱になりますか。そうでないと委員會として正式にお取扱になるのはどうかと思いますが。——   (「そうですね」「休憩して」と呼ぶ者あり)
  14. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 如何ですか。竹下委員から懇談會形式にして意見を聽いたらどうかという御意見が出たのですが、さようにいたして御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 御異議ないようでありますから、それでは暫く懇談會に移ることにいたします。    午後二時四十一分懇談會に移る    ——————————    午後三時七分懇談會を終る
  16. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) それでは懇談會を閉じまして委員會に移ります。
  17. 栗山良夫

    栗山良夫君 先程今井局長が言われた中で、この法律案で根本的に組合食違いを起こしておる點は、組合の方は一月から三月までの、飽くまでも暫定のものであると了解しておるのに對して、政府の方は新給與が決まるまでの法律案であると解釋をしておる、こういう工合に言われたわけであります。その時にその證據書類として、組合に封する口頭申入事項、或いは西尾加藤兩大臣個人署名による了解事項、そういうものの中を謹めば、ひとりでに理由が分る、こういうような工合におつしやつたのでありますが、私共どうう讀んでもよく分らないのでありまして、よく分るところを一つ今井局長から御指摘を願いたい、こういう工合に考えております。
  18. 今井一男

    政府委員今井一男君) この政府組合側との正式の交換文書のところでは、これは覺書のところが一番問題でありますが、二千九百二十圓というものはへいつまでのものであるかということは一言も書いてないことは、これは謹んで字のごとくでございます。この覺書の五の新給與と申しますのは、二千九百二十圓のことを意味することは前後の關係から明瞭でありまして、當時も無論疑問はなかつたところであります。むしろ問題は、それよりは西尾加藤兩大臣覺書の一に「組合は二千九百二十圓水準を新給與決定するまでの暫定措置として受理する。」、結局新給與決定するのはいつかということが問題に相成ると思うのでありますが、政府組合側に正式に約束しましたのはこれだけでございます。その問いろいろ新聞或いはその他の場合に行き違いを生じた原因が多少ないでもないと思います。なかんずく率直に申しまして、當初まだ三月満か前の時代におきましては、いわゆろ物價改訂が四月に行われそうだという予定でございました關係から、四月からは水準も變るのじやないか、こういつたようなことが言われたことも、この問題と直接調達するということを別にいたしまして、そういつたことが言われたことはあつたかも知れませんが、組合との正式な交換文書はこの二つでございまして、結局こういつ問題の起りました最大の原因ということは、物價改訂がとにかく豫定より遅くなつたということに歸著する。その觀點の相違じやなかろうか、かように見ております。
  19. 栗山良夫

    栗山良夫君 今のお言葉はどうも含みがあるので、私共了解できないのでありますが、四月に行われるだろうという物價變更の問題までも含んで、そういう工合に四月から別な水準で行くのだというようなことが言われたかも知れんというような、非常に曖昧な言葉で以て、この了解事項口頭申入書によつて、三月までの打切りでないのだということを議員達了解しろ、こういう工合におつしやつても、ちよつと了解しかねるのであります。先程組合の方の方々のお話によりますと、團體交渉の過程において、何回となく西尾加藤兩大臣から、飽くまでも一月から三月までの暫定措置であるということが、繰返し言われておると述べられております。この點は若し必要とあるならば、西尾加藤兩大臣の御出席を求めて、そうして問題を明らかにしませんと、この根本的な食違いがあるのに封じて、後の審議を続けても、なかなか問題は進展しないと思いますので、その點でもう少し明快な、今井局長の責任において言われることを伺いまして、若しそれで霊さなければ、西尾加藤兩大臣の御出席を求めたいこういう工合に私は考えるのであります。
  20. 今井一男

    政府委員今井一男君) この問題につきましては、私も幾度閣議に列席をいたしておつたのでありますが、その席上一度も一—三月の暫定給與とするという方針が述べられたことはございません。從いまして私といたしまして、政府が一—三月の暫定給與確認したことは絶対にないと考えます。ただ先程含みのあるようなことを申上げたというような嫌いも或いはあるかも知れませんが、それは外の新聞だとか、何とかにおきまして、或いは私の存じない正式の場所以外の席におきまして、或いはそういつたようなことがあつたかも……それは私申上げるわけに行きませんが、とにかくあれだけ閣議幾度か再確認、再々確認されて進んだものであります以上、且つ又正式の文書がこうなつております以上、政府の態度はこの點でははつきりしておる、かように私は了解いたしております。
  21. 中西功

    中西功君 栗山君の質問の點についてちよつと補足的に申しますが、この前の法第十二號の審議の時に、私の記憶に間違なければ、加藤勞働大臣は、この二千九百二十圓ぺースでは食えないということを認めると共に、これは差當り一月から三月までの間だからというふうなことを、可なり強調されたと私記憶しております。で、それは速記録を私もつと見ようと思いますが、これは決して、軍に組合側との交渉の中でそういうことか言われただけじやなくて、我々議員にもそういうことが、とむかくも説明されたと私は記憶しておるのであります。これは後程もつとよく調べまして、大臣の方からはつきりしたことを聽きたいと思います。  序に私簡單な質問を申上げますが、私といたしましては、組合政府との間の見解相違というふうなことでなくて、もつと本質的なことを私は聽きたいと思つておるのであります。職階制の問題、その他澤山問題があると思います。それは併し非常に廣汎な問題になりますので、今日はそれを控えまして、今日問題になりました組合との相違の點について、後の方から少し質問いたします。  第一點は二十九條でありますが、「財務局及び税務署に在勤する政府職員に封ずる税務特別手當支給に関する法律」、この法律は實は政府が勿論提出したのでありますが、我々豫算委員會におきましても、小委員會を設けて、そうして當時千三百億の徴税が非常に問題になつておりまして、どうしてもこれを徴税しなければ財政が持つて行かないという見地から、豫算委員會でも小委員會を設けて、税務署員手當なり、或いは徴税費なりを増額するという企畫をしたと私は記憶しております。この法律はもともとできたのが、そういう見地からできたのでありまして、當時におきましても政府見解では、税務署職員にだけ特別な給與をするということはできないという見地つたと思うのであります。それにも拘わらず、それは税務職員に封する特別な俸給ではなくて、即ち一般の官吏水準を超えるというものではなくして、非常に持別なものである、即ち手當である、即ち業務上の手當であるという意味で私は了解したと思うのであります。その中に調査手當危險手帶並びに出張手當、そういうものを増額になつたと思うのでありますか、現實に問題になつております危險手當というのも、やはり業務上の手當だと思うのであります。だからこれは特筆して税務官吏にやるのが、この法律ができました趣旨から言つて當然ではないかと思うのであります。從つて私は全財の組合がどういうふうに誉つておかよく存じませんが、組合側の少くとも危險手當に關する見解の方が正しいのじやないかと、こう考えます。それが第難であります。  それから苦情庭理委員會でありますが、この苦情虚理委員會は、苦情のあるところだと思うのでありますが、この苦情處理委員會がなぜ問題になるかと顧しますのは、これが今一般的に言われておる紛争處理機關の匂いがするという點が問題だと思うのであります。それで一つは、この法律がもともと法案要綱によれば、二千九百二十圓の支総の實施に関する法律であるとするなぢば、苦情處理委員會當然解消しなければならん。その完了の時に解消する、極めて過渡的な、臨時的なものであるということになるわけでありますが、それに封ずる政府側の意向はどうか。それからもう一つの點は、この苦情を申込むのが個人の場合と、或いは全官公の各支部としての團體の場合があると思います。それで一瞬そういうふうた場合に、その團體ということになつたら、苦情處理委員會はどうなるか。こういう點を少しお聽きしたいと思います。それから二十九條の二項の「返還せしめないことができる。」これはまあ「する」というふうに改正して貰いたいという組合側の意向であります。でこの「できる」或いは「する」という問題については、極めてこれは曰く附きの問題でありまして、決して單なる法制技術的なことで済まされないところの現實の經験を私達は持つております。それは法十二號において、第二條だと記憶しますが、これはもう現實に非常に苦汁を富めております。あの時の今井給與局長説明におきまして、いやこれは軍なる法制的な手續、便宜的なものだという説明であつたのであります。併しその實體は、御存じのように、あの言葉によつて一部の組合には支給し、一部の組合には、條件を呑まない組合には支給しないというふうな差別が行われまして、これかあの會官公の争議を極めて悪化さしたことは、もう現實の事實だと思うのです。從つて又私たちも法十二號が上程されました時に、「できる」を「する」ということにするために非常に強調したわけでありますが、そういう古い經験、これはもう非常に大きな問題だつたと思うのです。ですから決してこれは軍に法律技術上の便宜的なものだというふうな説明では、私もう今じや呑み込めないと思う。ですからやはり誤解を起さないようにする政府に誠意があるならば、これはやはりそういう昔の經験もあるわけでありますから、「する」とはつきりすべきじやないかと思うのであります。それから政府見解がどうかよく分りません點は、この新給與實施本部が、四百二十圓の完全支給と共に消滅すると政府は考えるのか、考えないのか、まあそれをはつきりさして頂きたいと思います。これは苦情委員會と同じ關係であります。  それから一般的な問題でありますが、政府職員の新給與というふうに書いてあります。でこの新給與ということの意味を、やはりはつきりさして置かなければいけないと思います。なぜなら、この法案には、どこに二千九百二十圓ベースというものは確か出て來ないと記憶しておりますが、この新給與という言葉の魔術によつて、いろいろ今後造り繰りが行われるだろうと思う。例えば西尾加藤兩大臣了解事項におきましては、新給與という問題は、全然別のベースと考えております。即ち組合は二千九百二十圓水準を、新粉與が決定するまでの暫定措置として受け取る。こういう場合の新給與は明らかに二千九百二十圓よりも上廻つておる、こういう新給與なんであります。ところがこの法案で新給與と申しますのは、二千九百二十圓ベースだと思います。でありますから、その點はつまりさして置かないと、又當然將来においてもいろいろの問題が起つて來るだろうと思うのです。  それから時間、時間で差引く問題でありますが、これも實は局長よりも、加藤、西尾兩大臣に聽いた方がいいかと思います。我々に渡された争議に關係する組合政府との了解事項というふうなものの中で、私脱落しておる部分があると思います。脱落と申してはおかしいのでありますが、もう少しあると思います。それは組合側の要望する四ケ條の了解事項は、極めて困難であるが、兩大臣は、できるだけ努力するという了解事項の中で、確か勞働事議中の賃金は差引かないという項目がありたと私記憶しておるのであります。でこれが實際申しますと、直接、法十二號の第七條ですか、あれに關係して來ますし、又この政府案にも關係しておるのだと思うのです。それで私お聽きしたいのは、その了解事項の差引かないという問題が一鶴どうなつたのか。又西尾加藤兩大臣は、少くとも二百数十萬の日本の官公職員に射して、爭議を解決するに際して、こういうふうに約束をしておる、努力すると約束をしたあけです。どんな努力がなされたのか。今井給與局長が若しそれを知つておられたら説明して頂きたい、そう思います。
  22. 今井一男

    政府委員今井一男君) いろいろの點に亙つての御質問でありますので、或いはお答え漏れの點があるかも知れませんが、それは後程指摘して頂きます。順序が或いは違うかも知れませんが、法文の順序に從つて申上げますと、先ずこの第一條に、この法律は、例の二千五百圓のときの法律第十二號の本則第三項の規定に基く法律であるということがはつきり謳つてあります。即ち二千九百二十圓ベースというのは、實は今回の法律で決まつたものではありませんで、の前御決定を願いました三月の法律で二千九百二十圓の水準ががつしりと決まつたものであります。のみならず、その際にあの本則の第二項にありますように、それをどういうふうに分けるかということの原則も、給與委員會報告書の時に御決定を願つたのでありまして、ただそれを兵艦的にどういうふうに盛り込むかということを規定しようというのがこの法律に過ぎません。從いまして二千九百二十圓ベースが假りに動きましたならば、前回の法律も勿論當然效力を失うことに相成ります。と同時にそれの施行法に相當するところの今回の法律も、當然その效力を失うことに相成ります。これはもう法律建前上明白なことでめりまして、ただお話の新給與という言葉が、兩者の交渉の間に、たびたび時期的なずれがありました關係から、妙に使われておる點がございますが、この法律自身の觀點は、そこははつきりいたしております。その見地から一條の二項なども御覧を頂くと、餘程全官公の諸君などにも御了解が願えるのじやないかと考えられます。  それから實施本部と新給與苦情處理委員會關係でありますが、以上のような關係かち、二千九百二十圓の苦情慮理委員會、二千九百二十圓の實施本部と、かように御了承願わなければならんわけでありまして、從いまして二千九百二十圓の問題が片付けば、當然この兩方の機關とも店を仕舞わなければならんことに相成るだろうと思います。ただ實施本部の方につきまして、本來の切替も、恐らくどんなことがありましても、本月中には終了するであろうと豫想しておりますが、それが済みましても、各職員から苦情の申出がございます。それを實施本部の方で一應處理しなければなりません。その段階においては若干存續することと思いますが、それに對しましても、その期間はそんなに長いものではなく、無論この法律の二項に定める十二月までに及ぶことでないことは明瞭だと思います。苦情處理委員會につきましても同様であります。そう難山の問題が出るとも思われませんので、そんなに遅くまで仕事が延びることはあるまいと思います。ただその苦情處理委員會につきまして、團體等のお話が出ました。これは先程全官公の中島さんが言われました二十二條關係の誤解にも關連いたしますので一言申上げたいのでありますが、この法律規定並びに組合側との團體交渉の結論にも出ておりますように、個人々々、誰に幾ら給與をやるかということは、これは勿論政府側決定することであります。これは團體交渉で決めることは絶對ございません。ただそのやるところのプリンシブルを團體交渉で決めるに過ぎません。從いまして、そういつた職員の分を各省の長が決めた、それを實施本部長が更正決定することは、これは建前上當然のことでありまして、その舗全然そのことしかまだ二十二條にも決めておるわけでございませんので、全官公の中島君の意見は、その點非常な誤解があるのでありますが、同時に中西委員の御發言の中にもございましたが、これはその關係から團體交渉の對象にならない。個人別の要するに給與の決あ方の苦情を採上げて審議するものでありますので、勿論これは一人一人でなくて、ある職種別的に出る場合も想像されますが、これは飽くまで組合政府という關係ではございません。從いまして政府職員との關係、たかそれを虚理いたしますのに、政府といたしまして、政府一方限りで決めたのでは、使用主たる政府の立場において適當でないという考え方から、いわば民主的に、政府代表する者と、職員代表する者と、中立を代表する者とで合議體を作りまして、そこに決定権を任ぜる。で、これは飽くまで團體交渉の尻尾を纏めようというのではありませんので、すべてこの問題は個別の、個人的な、政府限りで以て決める権限のある問題についての助成機關であります。從つて組合或いは各組合の支部にある苦情虚理委員會との關連の生ずる場合は絶對にないと思います。あつてはならないと思います。そういつた問題は別の團體交渉で虚理すべき問題であります。從いましてこの新給與苦情處理委員會の問題は、中西委員の御心配になりました細事處理機關とは別個のものと御解釋願いたい。  それからその次に二十一條の欠勤の問題でありますが、事議中の給與につきましては、一昨年の十二月、官吏俸給令の改正が行われましたその時以來明文がございまして、事議の場合は給與を與えないということにはつきり規定してございますが、ただその際に引き方だけが、この前の法律以來時間割で引く、これは爭議等の關係よりはむしろ遅刻、早退等の關係を主にして決めたことは先程申上げました通りでありまして、一方にオーバータイムをつけながら一方如何に遅刻しても引かないということは触り非論理的であるので、そこを調整いたしますために、こういう法規に切替えて、これが今面改正されただけのものであります。尚、西尾、加藤繭大臣の個人的に、別に口頭の組合側に與えられました了解事項は、私間接には承知いたしておりますが、とにかくそういつた爭議の場合に、執務しない場合に、いわゆるノー・ウワーク・ノー・ペニイーの原則は、政府といたしましてもどうしても確立しなければならん建前でも断り、特に兩大臣が、當初から極めてこの問題の解決は困難であるというふうに考えられたかのように承知しておりますが、その後の御努力という黙は、私直接タツチしてわりませんから申上げかねますが、とにかく如何に御努力なさいましても、この問題の性質上、あらゆる角度から見まして、組合の要望に副うことは非常にむずかしいことだと考えておるのであります。  それから二十九條の税務特別手當の問題でありますが、この問題につきましては、要するにあの當時のべースが極めて低く、特に税務署のような種類の仕事をしておる職員には不適當だといつた見地から、國會の御承認を願いまして支給されることになつたものでありますが、そういつた見地から出ました關係と、もう一つは、今度の臨時給與委員會報告書にございますように、勤務條件に關係のあるもの、これは極力本俸に織込んで、特殊な手當は成るべく整理をする、こういつた建前で進むことに相成りまして、現に國鐵等におきましても、從來ありました敷十種類のいろいろな手當の中で、三分の二程度のものは艘止されまして、これは本俸に織込まれることに相成つております。そういつたものと調すを合せる意味におきまして、この手當本俸に織込むことに相成りましたので、税務署における危險手當というものは、極めて額といたしましては、微々たるものでございますが、これがやはり本俸に織込んだだけでは足るか足りないか、その點を又改めて檢討する蝕地があるかどうかといつた問題につきましては、私も一昨々日、月曜日に全官公との交渉の席上、これはとにかくそういつた角度で再檢討はしなければならんということを申上げまして、現在の職員諸君から不滿ながら了承するということで、お話が纏まつたような次第でありまして、一悪最終的な決定で、本格的の本俸が幾らになるかということが決まつた上で、更に檢討の蝕地があるものであるということは認めますが、一縣建前として、こういつた極く間に合せ的に作られました特殊勤務手當、その他從來から歴史のあります手當も、事、本法に織込みうる限りは本法で調整する。又その方が或る意味におきまして超過勤務手當等の基礎にもなりますし、退職手當の基礎にもなりますし、組合に射しましても決して不利な面ばかりではございません。そういつたことで話合も進んでおるのでありまして、私は實はこの點を、後になつて全官公からお採上げになつたことについては若干意外に思つておるわけでございます。尚同條の二項のできる、できないの問題でありますが、これは解釋の仕方によりまして、中西委員のおつしやるような御心配もあるかも知れませんが、大體本來から申しますれば、こういう性質の給與は當然引くべきであります。これはう一月一日に遡りまして、本俸が幾らと決められましたそれより高い給與を貰つてつた、これは引くべきが、財政法の建前財政の精神力ら申しますと當然なことと思います。それでその引くべきもの特に本來引くべきものであるが、特別に國會いろいろの事情を御勘案を願つて國會から政府に射しましてそれだけの豫算の膨脹をお認め願つて、返還させないような處置をお認め願うといつた意味合におきまして、できることと書いたわけでありまして、別に他意のないことをもう一度申上げておきたい思います。
  23. 中西功

    中西功君 もう一難二十一條の問題ですが、この時間的に引く引かんという點について、これは本質的に相當問題もあるところだと思うのであります。それは一應了承しまして、この組合側との協定事項と、この法律案の表現上の問題ですが、或いは又組合側のこの協定事項をどういうふうにして理解するかの問題でありますが、さつき今井局長の御説明では、の法律案は法第十二號と一體の法律案であつて、法第十二號は大腰原則を決めこれが實施を決めたんだ。こういう閥係で成り立つておる。そういう意味から言えば、この兩者はまあ一つ法律だということも言えることだと思うのでありまして、それは局長自身がはつきり言つておる通りだと思うのであります。それならば、私はむしろこの了解事項に關する政府側の理解の方が無理なんじやないか、こう考えるのであります。これは十一ですか、「支給方法については從前通りとする。」、問題の「從前通りとする。」、この「從前」の理解の仕方でありますが、若しこれが二つ法律が一瞬なものだというふうに我々は考えるなら、「從前」ということは常識的に考えて、少なくとも千八百圓ベースで受けておつた状態、これが「從前」であるというのがまあ普通常識で、誰もそう考えるのじやないか。この法律以前のものは皆「從前」だと、その中には二千五百圓の暫定支給についての不足も含まれるのだ、こういう解釋はできないと思うのであります。勿論こういう問題は解釋の仕方であるし、どちらが本営に常識的か、どちらがまあ、誰が考えても普通かという考え方だと思うのです。私はやはりどう考えても、今まで常職的にも大體私達も考えていた、例えばあの法第十二號は、主として二千五百圓ベースについて規定したものであります。そうしてこれは大體四百二十圓についての支給について決める、こう考えておつたので嵐うますが、勿論それは完全な意味の正しい考え方でないと思いますが、常識的によく我々も考えておつたし、一般の人もそういう考えがあつたと思います。いずれにしましても、そういうように理解してもこの兩君が二千九百二十圓が大體一體のもので、新らしい水準のものであるということについては曇りはないと思うのであります。それならば「從前通り」とい「從前」は、やはり普通考えて千八百圓べースというのが私適當じやないかと思うのです。それからむしろ政府はこういう規定を巧みに利用して二十一條、ここへ潜り込ませたというふうな感じがします。二十一條法律の善し悪し、それは私別の問題だと思うのであります。勿論私達としましては、先ず時間差の、時間で引くという問題、いやこれは少し反射であります。反封でありますが、それは一悪別にしましても、この十一のこの了解事項に基いてこの二十一條ができたと、こういうふうに考えます。それがまあ一點、それから私今日はやらないのでありますが、一つ今度できました職階制について、非常に根本問題があると思われますので、それについて若しできましたら資料を出して頂きたいと思います。それは戦争前、戦時中の日本の官吏の大體のクラス別の差、それと終戦後、特に千六百圓べースが生まれました當時の、いわゆる職階的な、何といいますか、少なくとも上と下との給料の差、それから新らしく政府で作られた、これは今は出ておりますから分りますが、その比較を一つ若し資料がありましたら出して頂きたい。これはお願いいたします。
  24. 今井一男

    政府委員今井一男君) 先程衆議院でも御質問が出たのでありますが、法律第十二號と、今度の法律との一體的の點でありますが、大體この前の法律第十二號は、實は法律といたしましては非常に先例のない形に、いろいろの關係から相成つておると思います。即も率直に申しますと、二千九百二十圓の水準と、それから體系の極く大雜把な見當を決めた部分、二千五百圓べースの假拂を決めた部分、二つから成つておりますが、一方を本法として、一方を附則として採上げておる。そこに今中西委員が仰せになつたような疑點も起つておるのではないかと思いますつ大體私が一體と申上げておりますのは、本法との關係でありまして、本法は第三項を受けて、この法律ができ上つておることは明瞭であります。私一應と申上げたところでありますが、ただ附則の第二條以下は、要するに二千五百圓べースを、本來から言えば法律を二本の形で出していいような内容でありますが、便宜一本に成つております。この二千五百画以下の分は必しも今回の法律と、その性質から申しましても一體と申すわけに参らんことは明瞭であります。特に暫定扶養手當暫定勤務地手當暫定俸給という言葉を使つております關係上、給與種類が別個に離れますので、どうしてもそれを規定しなければならん。例えば家族手當は二千五百圓も、今回も同じように二百二十五圓でございますが、今回の分に又改めて二百二十五圓というのを書かなければならん。書くのが面倒であるが故に附則第五條を準用するというような書き方をとつております。實は率直に言いまして、團體交渉の過程におきまして、私心全く官公交渉は最も長くやつておる一人であります。組合側が如何なることを不平を言い、如何なることに同意できるかということは相當考慮をしております。新給與整備委員會におきままして、いろいろとこの法律案につきまして、外の問題と等しく可なり議論を重ねまして、イエスはイエス、ノーはノーと答えたのでありますが、少くとも執務しない場合における日割計算時間割計算につきまして、未だ曾つて私は組合側から苦情を聞いたことがございません。少くともそれがそれ程大した問題でないということは利は承知しておつたのでありますつ勿論ストライキの場合引くのは困るとか、職場大會を勝手にやつても引くな、そういつた主張は聞いております。併しその點を決定する法律ではございません。單に時間で引くか、日割で引くかという問題だけを決める關係に過ぎませんので、從いまして從前の通りとすると書いて置きまして、組合の方にも特に疑義がない問題であると考えましたが故に、私共、外の問題と同じく、この法律案要綱の中で組合側から案が出たり質問が出たり、その他議論が出ました點は二三の項でありまして、後は大部分議論質問へ出なかつたのでありますが、そういつた意味におきまして、この點も疑問なく、若し疑義がありますれば、私共積極的に御説明をした筈であります。私は地域的の委員會におきましても、いろいろ委員會につきましても、要綱には書いてございませんが、そうして構成等は詳しく説明を申上げまして、團體交渉なものであるかどうかという點も御説明もいたしたのでありまして、若し時間割日割計算の覇が非常に問題になるものであるといたしますれば、私も必ずその時に申上げたと思うのでありまして、要するに組合側で問題にされておる爭議の場合に、引くべからずといつたような式の問題は、これは、この法律事項に直しましても、全然これは改正できないものでありまして、別の観點の法律をいじらなければ直せない問題でありますので、その意味から從前通りに支給するようことも、時間割にするとか、或いは月に何回拂うとか、昇給した場合は何日から昇給させるとか、或いは端数計算をどうするとか、こういうような手續關係、或いは扶養手當はどういつた範囲で支給するとか、こういう技術的な面を、すべて從前通りやるといつた意味合で御協議を願つたのでありまして、その點一つ御了承を願いたいと思います荷只今の資料の點はよく承りました。
  25. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) もう大分既定の時間に迫つておりますが。
  26. 岩間正男

    岩間正男君 それでは時間がございませんので、第二十一條の今の問題について、主として申上げたいと思うでありますが、結局この條項を挿入るか、どうかというような問題は、今度政府組合の間に取交されたところの法律案翼綱、この解離が果して正しいかどうかというような問題になつて來るのだと思うのであります。但し要綱の十一によりまして、俸給、それから扶養手當勤務地手當支給方法については、從前通りだとすると、この從前通りの解釋については、先に中西君の説もありましたので、これは省略いたします。ただこの條項が如何にも曖昧で、如何ようにも解離される。この鶏に掛かつているんだと思うのであります。組合了解する了解の範囲と、政府側のこれを了解しておる了解の範囲に、大きな齟齬があるように思うのであります。併しこうなつて來るというと、この了解の主剛的な解釋の問題ではなくて、文章の表現そのものが、どうかということが、非常に大きな問題になつて來ると思う。そのつまり表現の客觀性というものが、果してどつちに取ら君るかどうか。この點を私は申述べて見たいと思うのでありますが、この條項によりますと、俸給、それから扶養手當勤務地手當支給法法ははつきり謳つてあるのであります。ところが恐らくこれは從前通りにすると、假りに從前通りを、この前出されたところの法二號というふうに限正して考えられたとしても、この法十二號によりますというと、第三條には「暫定給與は、暫定俸給暫定扶養手當及び暫定勤務地手當とする。」というふうに謳つてありまして、第四條では暫定俸給のこと、第五條では暫定扶養手當のこと、第六條では暫定勤務地手當のことを謳つてあるのであります。ですから恐らくこの三軸は、假りに從前通りとするというような政府側見解に從つたとしても、この法律規定範囲から出るものではない。ところが、第七條に至りまして、「職員が執務しないときは、」というような七條規定があるのであります。若しも、この法律を適用するために、このような覚書を手交したと、交換したというならば、當然ここに俸給扶養手當勤務地手當、それとその後ろに「職員が執務しないときの支給方法については」ということを謳わなければ、これははつきりとした成文となすことはできないということは明らかであります。で、實にこのような見解からしまして、當然組合側がこれについては、全然その職員が執務しないという離は含まれていないんだというような解釋をするのは、この法文の表現の客觀性に從つて、當然の事實だと思うのであります。それを政府、これを大幅に可能な範囲内に解釋しまして補足的な、いわば特例的な、この執務しないときの場合をもここべ持つて來たというのは、非常な妥當性を決いておるというように考えられるのでありまして、この點はどうしても、事實をどんなに究明して見てもはつきりこの法案そのものが示しておる。更に今度の新らしい法案によつて見ましても、この點がはつきりしておる。で、これを見て來ますというと、やはり十三條によつて俸給を謳い、それからずつと來まして、やはり十八條で扶養手當のことを謳い、十九條で勤務地手當のことが謳つてある。そういうような點から言いまして、若しも政府が今解釋するようなものを含まれるのだつたら、給與に關する支給方法についてはという點を謳わなければ、それははつきりしないのであります。當然そうなるわけです。この點から考えまして、これは組合側解釋が事實に正しいのであつて政府解釋が、少くともこの條項に射しては十分な、何と言いますか、解釋の仕方について、その後何らかのものを附加えておるというふうに解釋されるのであります。以上は解釋の、お互いに交換されましたところの要綱の表現の客觀的な追究の仕方の WARPの衆議院議員情報一覧(50音順)から、これは申上げたのでありますけれども、更にこの條項については、どうしてもこれは入れなければならないというような必要から、これを力説されておるのでありますけれども、而も組合側は、このような時間割の計算に封しては、餘り今まで反對の声を聞かないというようなことを言われておる。併しながらこれは我々の聞いた範囲内におきましては、一番この問題に野して開心を寄せておる。というのは、この法令の實際の運用如何によつては、今後の組合運動を相當左右するところの雷要な問題がここに係つておる。この適用が正しくなされる場合はいざ知らず、これが非常に悪解され、又は都合よく一方的に解釋されて、そうして正式の謹言なくして、こういうようなものが組合運動のいろいろな場合において、殊に地方なんかのような官廳におけるところの通馬の仕方について、いろいろなそこに反封の、逆効果的な問題となつて、勞働問題を發生させておるところの事實は、ここで一々力説する暇がない程であります。こういう觀點からしまして、わざわざこのような問題をこの前の要綱から相當外れたところの解釋をし、そうして入れる必要、がどこにあるか。この點につきまして、政府は一體どのような、この前の要綱との關連において考えを持つておられるか。その點を承わりたいと思います。
  27. 今井一男

    政府委員今井一男君) 從前通りとすることについての御解釋につきまして、岩間委員の御見解につきましては拜承いたしましたが、御質疑に封するお答えにはならんかも知れませんが、この二十一條審議されました四月二十何日頃といつた際に、とにかく千五百圓べース支給方法、その支給につきまして時間割で引く。こういつたプリンシプルはすでに我が國において確立されております。すでに國會の可決を經まして法律として我が國に施行されております。のみならず私は率直に申しまして、先程申上げました通り時間割で引くか、日割で引くかについては、組合側からただの責も、私のように官公廳に接しておる者でも聽いたことがありません。又ございましても、少くと國會を通過して、法律としてすでに確立されておるプリンシプルが、そう憂えられるべきものでないということも間違いありませんけれども、又理論的に申しましても、とにかく一時間餘計働いて一時間貰うならば、一時間少く働けば一時間引かれるということは、これは理の當然だと思います。一言半句疑う餘地はないと思います。かように考えておいましたが故に、又組合側からも御異存がないと承知しておりましたが故に、又すでに國法となつて、そのとき我が國に施行されておる。而もこの法律第十號というものを、組合側として全面的に承認した上で團體文渉に入つたという建前から申しまして、私はこの「從前通りとする」という意味解釋につきましては、現行そのままというふうに解釋しておりましたし、少くともそう解釋することは、さ程無理でないのでないか、こう考える次第であります。若しこれが現状を少しで變えようということでありますれば、私としても必ず組合員に御ま意申上げるべきことにつきましては、十分確信がございます。特に組合運動等の關係で事蹟をするとか、或いは職場大會を開くとか、そういつた面におきましての引き方の問題は、これは繰返して申上げております通り、この法律を如何に變えましても、とにかくこの法律のカバーする範囲内ではございませんで、別個の規定で適用される。その別個の規定をどうするかとい、問題は、私は御議論があると思います。併しその際の引き方を日割で引くか、時間割で引くかということにつきましては、もうすでに我が國におきましても勞働基準法も立派に布かれた今日、もう議論の鯨地はないのじやないか、而もそれでありますが故に、この前國會でも御決定になつた。又それでありますが故に、組合の方から了承しておつたのであつて組合側は、どうも實體の問題と引き方の問題を混同しておられる點は、私も實はこの法案の開脚について月曜日に抗議を受けまして、初めて實はまあ承知して、大いに見當違いであるということを申したのでありますが、遂に御了解を得なかつたことは遺憾でありますが、如何にこの法律をお直しになつても、とにかく爭議のときに引くという原則や、執務しなかつたときに引くという原則を變えるわけには行かないのでありまして、單に時間割と日割だけの問題であります。この點をお答えしておきます。
  28. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 大體四時までになつておりますので。
  29. 原虎一

    ○原虎君 一つお聽きして置きたいですが、第一條の二行目にあります「政府職員の人事及び給與に閲する方針」という「人事は」、政府組合との折衝の間にはなかつたのが加わつたように承わつておりますが、政府解釋するこの「人事」の範囲、それからなぜ規定を置く必要があるかという點を伺いたいと思います。  それから今一つは、問題になつております二千九百二十圓ベース支給のための法律であうて、從つて一月から三月までだというのでありますが、そういう主張が組合からなされておるが、すでに三月、四月も過ぎておりまして、次の新物價艦系による新給與というもの等を考えますれば、假に元のこの制定をするための、組合側の意向でありました三月まで二千九百二十圓の支給だけの法律ということになりますと、そうすると、これを餘りごたついて長くなると、殘つている四百二十圓の支給がまだされていないのでありますから、早くする必要がある。そういう點から考えますれば、餘りこれを二千九百二十圓ベースだけの支給という法律に假に直したといたしますれば、その後の給與に對する法律を又作らなければならんのではないか、こういう考えができるのであります。そういう點について給與局長はどういうお考えを持つておられますか。その點を伺つて置けば、この次の議會に討議なんかする場合の非常に参考になると思います。
  30. 今井一男

    政府委員今井一男君) 御指摘の通り、この法律は千九百二十圓の水準を、臨時給與委員會報告書に基づいて配分することだけを決めた法律であります。從いまして二千九百二十圓のベースに變りますれば、當然別の法律を作らなければ支給することは不可能でございます。從つてその限りにおきまして、又改めていろいろな角度から議論をし、いろいろな角度から法律を作り上げなければならんと考えております。今各省給與につきまして佐久的な一つのものが片方に決まつており、ベースだけが片方では決まつておりますと、そういう手續は要りませんか、こういう恒久的な體系の方が、昨年來政府におきまして、まだ正式ではございませんでしたけれども、臨時給與法というような式のものを揃える考え方もあつたのでありますが、官公廳との話合の上、與えないことに現在なつております。從いましてすべてはその水準の下に、又いとはから掛らなければならんことになつております。  もう一つ政府職員の人事及び給與に關する方針の統一等々」という言葉は、要するに職階が決まりますと、それによりまして、どういつた程度の人を係長にする、どういつた資格の人、どういつた經験の人を課長にするということは、おのずからきまつて参ります。それが人事運用の方針の統一になる、そういう意味合でこの文句は書かれております。
  31. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 時間が参りましたので、本日はこれにて散會いたしたい思いますが、次はいつ連合委員會を開いたらよろしいでしようか……。ちよつと速記を止めて……。    〔速記中止)
  32. 黒田英雄

    委員長黒田英雄君) 速記を始めて……。それではよく勞働委員長と打合せまして、來週早い機會に開くことにいたします。それでは本日はこれにて散會いたします。    午後四時七分散會  出席者は左の通り   財政及び金融委員    委員長     黒田 英雄君    理事            伊藤 保平君    委員            木村禧八郎君            玉屋 喜章君            松嶋 喜作君            山田 佐一君           尾形六郎兵衞君            木内 四郎君            田口政五郎君            星   一君            石川 準吉君            九鬼紋十郎君            小休米三郎君            高橋龍太郎君            中西  功君   勞働委員    委員長     原  虎一君    理事            堀  末治君            栗山 良夫君    委員            赤松 常子君            天田 勝正君            山田 節男君            荒井 八郎君            竹下 豐次君            早川 愼一君            姫井 伊介君            穗積眞六郎君            松井 道夫君            岩間 正男君   政府委員    大藏政務次官  森下 政一君    大藏事務官    (給與局長)  今井 一男君