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1948-04-26 第2回国会 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第6号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十三年四月二十六日(月曜日) 午後二時二分
開會
—————————————
委員
の異動 四月七日(水曜日)
特別委員中西功
君 辭任につき、その補缺として
細川嘉六
君を
議長
において選定した。
—————————————
本日の會議に付した事件 ○
議員派遣
に関する件 ○
引揚同胞對策
に関する
決議案
に関す る件
—————————————
中平常太郎
1
○
委員長
(
中平常太郎
君) それではこれより在外同
胞引揚問題特別委員會
を開きます。
政府委員
として出席された方を御紹介いたします。
外務省管理局長倭
島
英二
君、それから
管理局引揚課長高野藤吉
君、それから
復員局
の
経理部長遠藤武勝
君が見えております。 かねて
諸君
と共に、最も
國民
が關心の的でありました、未
復員者
の
復員
が、
ソ連
の
好意
によりまして、五月から正式に開始されることに相成りました。第一船が五月六日に
函館
、
舞鶴
に入港することに相成
つて
おりますので、誠に我々は待望の問題が、いよいよ毎月積極的に
實現
することに相成
つたの
であります。 つきましては、
受入態勢
につきましては、
政府
におきまして、十分現在執り行
つて
おることは間違いないと存じますが、暫く寒さの間休止してお
つたの
でありまして、いよいよ始まりますにつきましても、相當考慮を拂
つて
おるとは思いますが、我々
議會
人といたしまて、果してそれがうまく行
つて
おるかどうか、又うまく行
つて
おれば、
ソ連
の方におきましても、多々ますます毎月送還する人数を増加したいという
希望
もあるやに承
つて
おります。そういう關係もありますので、
我我
も、でき得るならば、どうしてもこの四回目の冬を越させたくない、どうしても
結氷期
までに全部の
復員
を完了したい、これが
國民
の切なる血の出る所願でございます。それによりまして、果してどの
程度受入態勢
ができておるのかどうかということを
調査
するために、
議員
の
派遣
をいたしたいと思います。丁度
衆議院
の方も、この問題につきまして、
議員
を
派遣
するということでございます。
我参議院
におきましても、
函館
と
舞鶴
と、この両
受入地
に對しまして、
實態
を
調査
するために、
議員
の
派遣
をいたしたいと存じますが、先ず
派遣
するや
否や
につきまして、御
協議
をして頂きます。
竹中七郎
2
○
竹中七郎
君
只今
の御
提案
になりました、
議員派遣
の點につきまして、私は全幅的に
賛成
するものであります。
ソ連
の方からいろいろな疑問の點は
日本
の
受入態勢
が本當にできておるかどうか、そして、この冬を越させないためには、一ケ月約七萬の
方々
をお迎えしなければならんのでありますが、さような
態勢
ができておるかどうかということでこれは私たちも非常なる疑いを持
つて
おるのであります。特に最早三年になりまして、
現地
その他の
國民
の方にもやや熱が冷めておるんじやないかという感を深くする者でありますが故に、私は
是非派遣議員
が出まして、その
實態調査
をいたしまして、本當にできておるかどうかということも、我々の目で見、そして、
引揚
に對して、お還りになる
方々
に御満足を與えたいと、かような熱意を持
つて
おりますが故に、
委員長
におかれましては、どうか
函館並び
に
舞鶴
に、三名ずつの
議員
を
派遣
する、その
期日
につきましては
委員長
におきましてお計らい願いたいという
動議
を提出いたします。
淺岡信夫
3
○
淺岡信夫君
只今
の
動議
に
賛成
するものであります。それで同時にこの
受入態勢
という問題と、もう
一つ
は昨年の十一月以來ストツプしておつたこの
引揚
が再開されるということにつきまして先ずこの
國會
から、
衆議院
、
参議院共
に、この出迎えに行くということも、その中に含んで置いて頂きたいと思います。これが非常に意義あることではないかと思います。
中平常太郎
4
○
委員長
(
中平常太郎
君) 御尤もです。
只今竹中委員
から御
賛成
がありまして、
淺岡委員
からこれにつきまして、
賛成
の
意見
がいざいましてそうしてこの
動議
が成立いたしました。この點につきまして、
議員
を
派遣
するや
否や
につきまして、御
異議
がございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中平常太郎
5
○
委員長
(
中平常太郎
君) 御
異議
ないものと認めまして、
議員
を
派遣
することに決定いたしました。つきましては、
竹中委員
の
提案
になりましたのは、
舞鶴
三名、
函館
五名とな
つて
おります。これを
委員長
の方に
指名
をお任せにな
つて
おりますが、
委員長
から
指名
申上げてよろしうございますか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中平常太郎
6
○
委員長
(
中平常太郎
君) それでは
委員長
から御
指名
申上げます。
舞鶴方面
を視察願う方は、
細川
君、
淺岡君
、
北條
君、この五名、
函館
の方は、星野君、
竹中
君、それから
委員長
として、私が一緒に行くことにいたします。 それから
日数
は五月二日から五月八日の間一週間でございます。丁度五月六日に入港いたしますので、その前日にそれぞれの
適當
な
土地
へ行
つて
置く必要がありますから、五月二日から五月八日の七日間ということにいたします。それで
期日
はよろしうございますか。
北條秀一
7
○
北條秀一
君
議員派遣
の件でありますが、
只今委員長
から言われました、五月二日から八日まで、一週間でいいかどうかということは、これは、
北海道
の方は多少餘裕を見なければならんのじやないかと思いますが、
皆さん
に一應御相談願いたいと思います。
中平常太郎
8
○
委員長
(
中平常太郎
君)
舞鶴
の方は割合
日数
も
餘計要らん
と思いますが、
北海道
の方は、
交通事情
が大變困難なものでございまして、豫定
通り
に歸ることは困難なことが澤山あるのでございます。それで
只今
豫定しておりますのは、五月二日から五月八日ですが、これでよろしうございますか。
千田正
9
○
千田正
君
北海道方面
に冬季と
違つて
今はいいと思いますがね。
中平常太郎
10
○
委員長
(
中平常太郎
君) それでは大體五月二日から五月八日までということに決定いたしましてよろしうございますか。
北條秀一
11
○
北條秀一
君
函館
はやはり二日間ぐらい延した方がいいと思います。というのは船が入りますのは五月六日でしよう。七日におそらく上陸すると思います。そうすると直ぐその日に歸
つて
こなければならない。ですから八日に向うを立
つて
も、こつちへ歸
つて
くるのは十日ということになる。二日から十日ということに
一つ
……
中平常太郎
12
○
委員長
(
中平常太郎
君)
只今北條
君から、
函館
の方へ行くのは、五月二日から五月十日までの九日間としたいという
希望
が出ましたが、それでよろしうございますか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中平常太郎
13
○
委員長
(
中平常太郎
君) 御
異議
がないようでありますから、
函館
の方へ行くのは九日間ということに決定いたします。それでは
手續
きを履みまして
議會
の承認を求めることにいたします。
淺岡信夫
14
○
淺岡信夫君
實は先月の十五日の
参議院
の
特別委員會
においていろいろ議された問題で、その
委員會
の
意向
を持ち、更に
衆議院
、
参議院
から成
つて
おります
同胞救援議員連盟
の歸還
促進
部長
という立場において、三月に
ソ連大使館
に参りまして
チエトロフ
さんにお目にかか
つたの
であります。そのときの
模様
は
特別委員會
の
懇談會
にも申しましたし、
同胞救援議員連盟
に御報告申上げたのでありますが、とにかく十二月から三月まで、この
引揚問題
が一應停止されたということに對し、
日本
全
國民
が非常に言語に盡し得ないくらいの
眞劍
な氣持を以て、成行を注視していたのであります、たまたま私が
ソ連大使館
に参りましてチェトロフさんに御
面會
をして、その
實情
を縷々訴えたのでありますが、
チエトロフ
さんは昨年十二月十九日に
共産黨
の
徳田書記長
その他の
方々
が見えたときの、
ソ連
の
キスレンコ少将
との
會談
の
模様
を申しまして、とにかくこれに對しては四月から再開するものと了承して貰いたい、それから人員の點については、これは一昨年の
米ソ協定
に基きその
協定
の
範囲
を超えないものと了承して頂きたい、それから六月に
現地解放
をするという問題に對しては、それはただ單なる噂にすぎないのだ、ということに了承して頂きたいということであ
つたの
であります。そこで先月の十四日を期して全國的に行われました
引揚促進
のいろいろな
模様
なり、それからその
決議
文なり、毎月十六萬、或いは二十萬還して頂きたいという閣議の
決議事項
を、そのままそこに披瀝いたしたのであります。それに對しては
チエトロフ
さんはとにかく本國に要請して、成る
たけ貴意
に副うようなふうに
努力
写るということを申されて今日に
至つたの
であります。甚だ情ないことでありまするが、四月の再開は終に期せられずして、この五月早々に
引揚
が再開せられるということに
なつ
たことは誠に慶賀に堪えないのでありまするが、先般
共産黨
の
中西議員
が行かれまして、そうして
ソ連當局
の
責任者
と言われたときの
模様
を、
中西議員
から
伺つたの
であります。ところが
中西議員
としましては、とにかく七萬五千ずつ還すような御
意向
なんだ、そうすれば八ケ月でこの
引揚
は完了するのだ、ところが
日本
の
政府
は嘘ばかりい
つて
いる、第一その
調査
の結果によると、四
萬人
を乗せる
そこそこ
の船しかないじやないか、或いはその他
受入施設
、そうした
態勢
が整
つて
いないというようなことを聞いて、實は私
唖然
としたのであります。と申しますることは、とにかく昨年十一月八日に私が當時の
日本自由黨
を
代表
いたしまして、
緊急質問
に立ち、この
受入態勢如何
というような問題に對しまして、
政府當局
に
はつ
きりとした
答辯
を、
國會
を通じてして頂きたいということを申入れたのであります。 一方十月二十九日の第四十四
囘對日理事會
におきましては、
シーボルト議長
が
提案
された。その
提案
によりますと、四十八時間以内において御確答あれば十三
萬餘
、更に一月以内にこれに對して答えられるならば十六萬還す、
配船
その他の
用意
をするということを申されたのであります。更に遡
つて
一昨々年の十二月十九日の
ミラー参謀長
とテレヴイヤンコ中將との
米ソ協定
基いて、毎年六十萬ということにな
つたの
でありまするけれども、そのとき
ミラー参謀長
は三十六萬還す
配船
の
用意
をするというようなことを、御
提案
に
なつ
たということも私共了承いたしたのであります。 ところが
中西議員
が最近におきまして
ソ連
御
當局
にお會いに
なつ
た際に、
日本政府
は嘘ばかりい
つて
おる、四萬を乗せる
そこそこ
の
配船
の
用意
しかないじやないか、その地の
受入態勢
がな
つて
ないじやないか、こういうようなことでは毎月七萬五千還す、或いは八ヶ月以内で
引揚
を完了する云々というようなことを聞かされて、誠に私
唖然
としておるのであります。常時の
中西議員
と
ソ連當局
とのこの
會談
の
模様
をこの
委員會
において詳細に伺わして頂いて、そうして
委員會
の質疑、更にこれに對して
政府當局
の責任ある御
回答
をこの
委員會
を通じてして頂きたい、こう思うのであります。
中平常太郎
15
○
委員長
(
中平常太郎
君) それでは
中西議員
は
委員外議員
でございますので、この際
發言
をして頂いて御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中平常太郎
16
○
委員長
(
中平常太郎
君) それでは
中西
君、そういう経緯につきましてお話しを願います。
中西功
17
○
委員外議員
(
中西功
君) では概略を報告します。私達は
引揚促進
全
國協議會
の
代表
の方にたのまれてお伴をしたわけでありますが、四月中に二囘行きました。
最初
は四月八日と記憶しますが、そのときは、四月中に
引揚
を再開されたいこと、
残留邦人
の動静や
名簿
を明かにしたいこと等について、こちらの
希望
を述べておいたのでありますが、第二囘目はその返事を聞くという形で参つたわけであります。このとき
引揚促進
全
國協議會
の
代表
及び
家族
の
人々
から、澤山の事柄について
ソ連當局側
に
質問
があり、それに對して一々
返答
があつたわけでありますが
ソ連側代表ヂネラロフ
氏は
最初次
のように述べた。 即ち「
はつ
きり申上げたいことは、
ソ連當局
としては
日本人
の送還の
促進
について
努力
しており、又今後も
努力
する。
ソ連政府
としては昨年一年間に六十萬の
協定額
を一萬以上超過して遂行した。
ソ連
としては今後も
努力
するが、併しこの
促進
は
ソ連政府
の意思だけでは決定され得ない。
ソ連側
としても
假收容所
の
收容能力
や
輸送能力等
の問題もあり、
日本側
の
受入態勢
にも問題がある。
日本側
の
受入態勢
について言へば、
日本政府
の
努力
が一方的であり且つ
引揚者
に對する
援護措置
が全く不十分である。例へば
既引揚者
の四〇%が就職を得ていないで、
住宅
問題も極めて憂うべき状態である。又
引揚者
に對する
旅費手當
、
補給金
、
生産資金等
も全くな
つて
いない。
引揚協定
がなされたとき、
日本政府
として
引揚者
に對して、十分な
救済的措置
をとることを要請されているはずである。これら一切に對して
日本政府
がその
努力
を改善することが、
引揚促進
の極めて重要な要件である……。」以上がその要旨でありますが、私はここで
淺岡議員
の言われた、私の言葉の
誤解
を
はつ
きりと訂正しておきたい。
ソ連側
としては
日本側
の
努力
が一方的であること、又
引揚機關
に
スキヤンダル等
があること、
受入態勢
が不備であること等は指摘しましたが、具体的に
日本側
の
輸送
上の
受入能力
が月四
萬人
そこそこ
であるとは申されなか
つたの
であります。それはあとで申しますように、我々
共産黨
の獨自の
調査
によ
つて
判明したものでありまして、この點を
誤解
なきようお願い致したいと思います。 尚これに引續き
家族代表
や
引揚促進
會代表等
から、
日本側
の
受入態勢如何
に拘わらず、とにかく早く歸して頂きたいのだとの切なる
要望
が述べられたが、それに對してはよくその
事情
を本國にお傳へするとの
回答
があり、又本年は一月から四月までの
間輸送
が中止されたが、本年中に六十萬を締して貰うわけには行かないかとの
質問
に對しては、その
實現
のために
ソ連側
としては、
努力
することを
確約出來
るとの
回答
がありました。 尚その他「
ソ連當局
は、病人や
技術
のないものは先に歸し、健康なものや
技術
のあるものは遅らせているのか、」「もつと
通信
が出來ないか」等々
質問
もありましたが、最後に総括的に次の四つを私の方から出しました。 一、
残留邦人
の
生活状況
の正しいニュースが欲しい。 二、
ソ連
からの
通信
を、もつと
確實
に届くようにして欲しい。 三、
日本
に家や
職業
があり、
家族達
がそれを締して貰えば助かるというような人を、優先的に歸して貰えないか。 四、
ソ連當局
として何を
日本人
に
要望
するか。これに對して
大要次
のような囘答がありました。
邦人
の
抑留生活
について、とかくの噂がある、その
生活状況
の
實態
を正確に製表してほしいと言う
要望
に對しては、詳細な資料は、
大使館
に
準備
して置くから見に來てくれ、又
通信
が十分でなく
ソ連
から相
當來
ているにも拘わらず、實際受取
つて
いない者が多い。そして
通信
して貰えるようにして、それがうまく届くようにしてほしいという
要望
に對しては、
ソ連當局
としても何とも言えない。この冬も相
當來
ているし、それは
日本郵便局
に渡してあるから
諸君
の方で隘路を見附けてよく處置してほしい。
ソ連
は
日本側
の
受入態勢
が不十分であると言うが、
家族
は何としても早く歸してほしいと考えている者には、優先的に歸してもらえぬかという
要望
については、それはできない。
ソ連
としては一定の
引揚計畫
によ
つて
歸しているので、要求
通り
すれば公正が保てなくなるし、收拾できないことになるからと言うにあり、
日本側
も了承した。その他小さい問題について多々あつたが、
結論
として
気候條件
によ
つて
、過去四ケ月間停止された
引揚
を、
協定
の一ケ月五
萬人
、八ケ月四十
萬人
とせず、一年六十
萬人
として八ケ月間に歸してほしいとの申入れに對しては、
ソ連側
はそのようにできるだけ
努力
すると答えた。これによれば月七
萬円
五千歸
つて
くることになり、ここのことは保證すると言つた。この點が我々の會見の最大の收獲であつたと思
つて
いる。
ソ連側
において
引揚者團體及び日本政府
への
要望
として、 一、
抑留者
の
生活
については取
越苦勞
をしてくれるな。 二、誤報を信用して
却つて促進
を阻害することのないよう。 三、
引揚者
を十分保護してほしい。
ソ連當局
としては
引揚船等
のことにはふれなかつたが、
共産黨
が
舞鶴
、
函館
を調べた結果としては、
佐世保
は何らの
受入準備
がなされていない。
舞鶴
の
引揚者
の
収容能力
は三千人しかなく、
函館
には
収容所
はなく、檢疫等で三日くらい止められ今年は五日くらいとなる
模様
で、實際は
舞鶴
の三分の一の
能力
しかないということが判つた。これは
収容所
の
能力
問題である。
引揚援護院
において、主食のことで問題があり、二千人分ずつを積込んでいるが、これは
援護院調査部
がや
つて
いる。この
役人達
は軍部の將官上りが多く、全く官僚的で腐敗している。二千人分を積込んで二千五百人分を
帳簿面
に記載し、その差を横領するようなことがある。
引揚關係
に從事する職員は少く、
從つて
過勞である。これに封して過般
政府
に對し組合より
改善方
を要求したが、未だに
返答
に接しない。
輸送船
の
船員
は、
援護院
の
調達部
に積込む食料で苦しめられ、且つ給與惡く、戰爭の
デマ等
が飛び、
船員
は不足している。
引揚港
において支給する三百圓は問題にならない。家に歸るまでに本當に裸にな
つて
しまう。
結論
としては
引揚
に對する
豫算職員
の不足である。二時間半に亙
つて
會談
したが、
家族
の
人々
は懇談して心持がすうつとした、
ソ連當局
の
好意
も分るような氣がするとい
つて
おりました。尚私達と
引揚團體代表
との
懇談會
で、
代表
の
人々
は共産党の
調査
を聞けばゆゆしき問題である、
國會
でもう一度
調査
されたい、
日本側
に落度はないかどうか、もう一度
調査
する要がある、という
結論
に達したわけであります。
中平常太郎
18
○
委員長
(
中平常太郎
君)
中西
君の代りに、
細川嘉六
君が
特別委員
になられましたので、御紹介申上げます。
細川嘉六
19
○
細川嘉六
君 どうぞよろしく。
淺岡信夫
20
○
淺岡信夫君
只今中西
君より詳細なる報告を聞きまして、非常に明るい氣分に
なつ
た次第ですが、併し
只今
の説明は
ソ連當局
の
見解
ばかりでなく、
共産黨
の
意見
も多少あるようでありますが、もう一度お伺いします。
ソ連當
との會見顛末の結果は、月七萬五千人の
引揚げ
は
確實
でありますか。
中西功
21
○
委員外議員
(
中西功
君)
ソ連當局
の
見解
は、七萬五千を
歸すよう萬金
の
努力
をするということで、七萬五千を歸すよう
準備
されるものと我々は感じました。
淺岡信夫
22
○
淺岡信夫君
もう一度くどいようですが、月七萬五千人歸すのですか、どうですか、
はつ
きりその點をお尋ねします。
中西功
23
○
委員外議員
(
中西功
君) 七萬五千の
引揚
は、
ソ連
のみにてはできぬのであ
つて
、少くとも
ソ連側
についてはそのように
萬全
を盡す
意味
でありましよう。我々の
交渉
は全く個人的に行われたものでありまして、
交渉
の價値は不明であります。故に
政府要路者
及び
國會等
より正式に
交渉
に行くようにされるべきだと思います。
北條秀一
24
○
北條秀一
君 一六十九萬生存しているという確證はありますか。
中西功
25
○
委員外議員
(
中西功
君)
生存者名簿
は、なかなか調整がむずかしい、
技術
的にできないとのことです。
倭島英二
26
○
政府委員
(倭島
英二
君) 一般に知られていることと
事實
との差異があるのでありますから、ここで二、三申上げます。先ず第一に
日本政府
は
GHQ
の
指令
に
從つて
、
交渉
はできません故、
GHQ
を通じてすべてをや
つて
います。次に
受入態勢
のことでありますが、昨年十二月十二日の
司令部
の覚書により、
函館
、
舞鶴
の
收容能力
は、
舞鶴
四萬五千
函館
三萬計七萬五千を收容できるよう、十日以内又は四月一日以降いつでも
用意
せよとの命令がありましたので、
政府
はこれを
準備
しました。恐らくこれは爾
收容所
の
最低能力
であります。現在
舞鶴
は一日一萬一千、
函館
一日六千二百計一萬七千二百人、月に五十一萬六千人、これを四日間碇泊しているものとして計算して、月に十二萬九千人の
收容能力
がございます。
佐世保
は
指令
になか
つたの
でここに
準備
しておりません。併し
佐世保
港の
能力
は一日二萬、一ケ月六十萬、實際には十五
萬人
であります。以上を合計すれば、一ケ月二十七萬九千人の
受入能力
を有しているわけであります。次に船舶で現在
用意
されているものは、
樺太向
にて一萬四千五百人、シベリヤ向四萬五千百人、月二航海するものとしまして、十二萬一千人三航海するものにいたしますれば、十八萬一千五百人であります。次に食糧でありますが、これは毎月諸物資を餘して歸りて來ている有様であります。
細川嘉六
27
○
細川嘉六
君
只今政府
の説明したことは古いことで、昨年
一松厚生大臣
が述べたことと同じである。
中西
君の
發言
は重要であります、よく
調査
する必要があります。
倭島英二
28
○
政府委員
(倭島
英二
君) 月七萬五千人の
引揚
がありましても、その
範囲
では
準備
は萬事できております。
北條秀一
29
○
北條秀一
君
受入態勢
は逐次改善されつつあることは
事實
であります。
引揚港
からの三百圓の
旅費
の支給はあまり少額ですから、今次より七百二十圓を加え千二十圓を支給するよう
政府
に要求している次第であります。
中平常太郎
30
○
委員長
(
中平常太郎
君) 次に
引揚同胞封策
に關する
決議案
を議題に供します。
北條秀一
31
○
北條秀一
君 それでは
決議案
を朗讀いたします。
引揚同胞野策
に關する
決議
敷百萬の
海外同胞
が本図に歸還し得たことは、
連合國當局
の絶大なる同情によつたものであることを
日本國民
は深く感謝し、更に七十餘萬の
海外殘留同胞
を本年
結氷期
までに、
是非
とも歸還完了せしめられるよう
連合國當局
に懇請してやまないのである。 しかしてれこれら
引揚同胞
が速かに正常なる
国民生活
に復歸することは、國内の現状からして決して容易なことでない。彼等は家も
土地
も
職業
も失い、殊に多年
海外
にあつたために本國に人的關係少く
從つて信用
もまた薄いために、就職することも
企業
を起すことも容易なことではない。これを本図にいた
國民
と同じように待遇したならば、それは非常に大きな
差等
がつけられる結果になることは明らかである。
從つて
この
差等
を出来る限り少くし、速かに彼等を自立更生せしめることは絶対に必要であり、又
連合國
の
好意
に副う所以である。 よ
つて参議院
は
引揚同胞更生
のため次の如き
判策
を積極化すべきことを決意し、
政府
もまたこの
決議
に副い善處せられんことを要請してやまない。 一、
引揚同胞対策
を合理的に處理するために強力なる
審議機關
を設置すべきである。 二、今後の
引揚者復員者
に對しては歸還の日より一カ年
間各種
の税金を免除すべきである。 三、
引揚者復員者
の智識と
技術
を活かし且つ彼等の
希望
を達せしめるために、
機會
を均等にし
門戸開放
の政策をとる必要がある。これがため
動勢希望者
には
職業
を、
事業經營希望者
には
資金資材
と
企業權
を、
就農希望者
には
土地資金
と農具を、計畫的に配當する
措置
を講ずると共に、これら
引揚者復員者
に對する
社會保障的制度
を設けるべきである。 四、
引揚者
の大部分は
住宅
を持たないから、これらに
住宅
を與うるために、
餘裕住宅
並びに
國有建物
の
解放等
の處置を講ずべきである。少くとも二十
萬戸
の
住宅
を緊急に建設する必要がある。 五、
引揚者
が
海外
において喪失した財産については、
戰爭犠牲負擔
を公平化する原則に基き、
國家
は出來る限りの方途を講ずべきである。 六、遺
家族
、
留守家族
に對してはその
實状
に即して、
援護
を積極的に行うべきである。 右
決議
する。
細川嘉六
32
○
細川嘉六
君
審議機關
とはどういう
意味
でありますか。
北條秀一
33
○
北條秀一
君
中央勞働委員會
に準ずるような組織で
戰爭犠牲者
を處理するようなとの
意味
で、現在の
引揚援護院
は
緊急援護
をその任務としておるのに反して、これは定著
援護
のための
機關
にしようとする
意味
であります。
引揚
第一船が入港する前にこの
決議案
を上程して頂きたいと存じます。
穗積眞六郎
34
○
穗積眞六郎
君 第三項中「今後の」とあるは「これらの」とした方がいいと思いますが。
北條秀一
35
○
北條秀一
君
原案通り
の方がよいと思いますので「これら」と、もとのように訂正します。
中平常太郎
36
○
委員長
(
中平常太郎
君) ではお諮り致しますが、
決議案
を提出することに御
異議
はございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中平常太郎
37
○
委員長
(
中平常太郎
君) それでは
皆さん異議
ないようでありますから、これを小
委員會
にて字句の
訂正等
がありますれば、もう一度審議して頂きまして、小
委員
を選定いたしたいと思いますが、その
指名
を
委員長
に一任させて頂けますか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中平常太郎
38
○
委員長
(
中平常太郎
君) それでは私から
指名
致します。
北條
君、
紅露
君、
山田
君、
淺岡君
、
千田
君、
細川
君の六君にお願いたします。では本日の
委員會
はこれにて散會いたします。 午後三時四十三
分散會
出席者
は左の
通り
委員長
中平常太郎
君
理事
山田
節男君 淺岡 信夫君
北條
秀一君 星野 芳樹君
委員
太田 敏兄君 木内キヤウ君
紅露
みつ君
竹中
七郎君 田村 文吉君
穗積眞六郎
君
細川
嘉六君
千田
正君
委員外議員
中西
功君
政府委員
外務事務官 (管理局長) 倭島
英二
君
復員
事務官 (
復員局
經理部 長) 遠藤 武勝君
復員
事務官 (
復員局
付) 森田 俊介君 説明員 外務事務官 (
引揚
課長) 高野 藤吉君