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1948-10-09 第2回国会 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年十月九日(土曜日)    午後二時九分開会   —————————————   委員の異動 六月二十三日(水曜日)特別委員小林 英三君及び加藤常太郎君辞任につき、 その補欠として池田宇衞門君及び城義 臣君を議長において選定した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○請願及び陳情に関する件 ○派遣議員報告引揚者更生対策に関する件   —————————————
  2. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) それではこれより開会いたします。第二國会閉会になりましてから、その間におきまして在外胞引揚特別委員会といたしましては、引続いて請願陳情審査がありますので、そのまま委員会を継続いたしておつたのであります。その間におきまして七班に分れまして、北海道が一班、函館一班、舞鶴一班、又舞鶴第二班、東北班佐世保班博多班北海道班、その後におきまして又必要ができまして、九州班ができまして、八班の調査派遣のことがございましたが、各委員におかれましては盛夏の候、誠に僅かな休会の間を、家事擲つてこの方面に御盡瘁して下さいまして、各地におきまして定着後の援護の問題、その他あらゆる在外同胞の問題につきまして御視察調査なさつたことにつきまして、深甚なる謝意を表する次第であります。いよいよこの臨時國会に臨むに至りまして、諸般の調査報告をいたします都合がございますので、本日はそういうプログラムを以て議事を進めたいと存じます。  先ず最初に継続審査いたしておりました請願が五件、陳情が四件ございます。これを小委員会に付託いたしてありましたが、小委員長より御報告をお願いいたします。穗積小委員長
  3. 穗積眞六郎

    穗積眞六郎君 本日午後一時より小委員会を開きました。まだ審議未了でございました請願五件、陳情四件について審議をいたしましたその結果を御報告いたします。請願の第九百八十一号、日系大陸在留孤兒救済に関する請願、これは福岡材木町四十二、中西大善 この件につきましては、丁度紹介議員浅岡君が出席されましたが、浅岡君から請願趣旨の説明がありましたのでございますが、結局この中西氏が向うにおります二十一年の半ば頃までにも、二千余名の二、三才までの在留孤兒が非常に向うで多かつた。その後においてもこの孤兒達の状況は非常に悲惨なものがある。これに対して政府は何とか直接救うか、それとも中西氏を向うにやつて、そうしてその救済に当らすか、何とか方法を講じて、在留孤兒救済するようにして欲しい、こういう請願であります。これは審議の結果、小委員会として採択して本委員会心送ることになりました。それから第千四十号、第千百七十三号、第千百七十四号の三件は、在外胞引場促進に関する請願でございます。千四十号は小林正三外八千八十五名、千百七十三号は門司市議会議長栗原力太郎外八名、千百七十四号は日華学会内在外同胞帰還促進國協議会内浦野正孝、この三件につきまして、これは從來沢山採択いたしました請願と同様、この第四回目の冬を越させないで同胞帰還を完了して欲しい。それから只今までには帰還者の数が五万人と限られておるが、これを十六万人に増して欲しい。こういうような在來の請願と殆んど同趣旨でございます。三件とも審議の結果採択いたして、本委員会提出することになりました。ただ千百三十四号の引揚同胞に関する審議会設置に関する請願、これは少し受諾が遅れておりましたので、すでに対策審議会設置になりました今日でございまするので、これを議会に送付する要がないものと決定いたした次第でございます。  陳情の分に対しましては、第五百二十六号、第五百四十号、これは在外胞引揚促進並びに未復員者家族援護に関する陳情、並びに在外胞引揚促進に関する陳情でございまして、大体の趣旨請願に申述べましたと同じような趣旨でございますし、五百二十六号はそれに家族援護に関する件が載つておるのでありますが、これも前数回に亘つて採択したる陳情と同趣旨でございますので、審議の結果、採択して特別委員会に送るべきものと決定いたしました。  第五百二号の台湾引揚者に対する緊急措置に関する陳情、これは台湾引揚者会廣支部内奥田達郎から出ております。これは廣島市内だけでも十数万の台湾引揚者がおるのであるが、この財産関係並びに郵便貯金銀行預金等について速かに適当な処置を採つて呉れという陳情でございます。これは全体についてたびたびこういう陳情請願が出ておりますのと同趣旨でございますので、これを採択して特別委員会に送付することに決定いたしました。それから第五百二十九号、青島における居留民立替金返還に関する陳情、これは鈴木格三郎氏から提出されておるものでありますが、これも青島における居留民から政府に対して立替えた金を速かに返して呉れということでありまして、聯銀券と円との比率を円一聯銀券百かち二百というふうに考えられそうであるけれども、それは不当である。聯銀券十以内にして欲しい、こういう陳情でございます。これも今まで出た請願陳情と同趣旨でございますので、採択いたしまして特別委員会に送付することに決定いたしました。結局請願の中四件は採択し、一件はすでに済んでおることであるから、國会に送付する必要なしと決りました。陳情は四件共採択いたしまして、本委員会に送付すべしということに決つた次第であります。これを以て御報告を終ります。
  4. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 只今小委員長より請願陳情に関しまして審査の経過並びに結果について御報告がございました。右につきまして本委員会においてそれを付議いたします。只今の小委員長の御報告について御質疑がありますれば……なければ、そのまま御承認したものとして……
  5. 星野芳樹

    星野芳樹君 異議なし。
  6. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 小委員会相当愼重調査いたしましたから、この全部を一括して議題に供して御承認を得るようにお運びを願いたいと思います。
  7. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 只今矢野、それから星野兩委員から御賛成の御意見がございました。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) それでは請願の中千百三十四号を除く後四件、それから陳情四件全部、これは本委員会において採択し、本会議にこれを付議し、そうして内閣に送付すべきものと決定いたしまして、さよう取計らうことにいたします。それからその意見書につきましてお諮りいたします。請願の方の意見書につきましてちよつと読み上げます。    意見書  在外胞引揚促進に関する請願  請願者 浦和市高砂町一ノ六〇小林正三外八千八十五名提出   門司市議会議長栗原力太郎外八名提出   東京千代田區西神田二ノ二日華学会内在外同胞帰還促進國協議会内浦野正孝提出  右の請願は、終戰後三年を經たる今日、外地に抑留されている邦人を速かに帰還できるよう取計われたいとの趣旨であつて参議院、は願意は適切なものと思う。よつて内閣は鋭意これが実現に努力せられたい。ここに國会法第八十一條により別冊を  送付する。   昭和二十三年     参議院議長   松平 恒雄   内閣総理大臣芦田均殿とありますが、これはこのままにして置きますから、後は適当にいたしまして、そういう意見書を附して送付いたしてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  9. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) それではこの請願につきましてはさよう取計らいいたします。  次に日系大陸在留孤兒に対する意見書がございますので、それを読み上げます。  日系大陸在留孤兒救済に関する請願  請願者 福岡材木町二中大善   提出  右の請願は、終戦後日系父親離別して苦境に立ち至つた中國人母親のもとにいた子供の多くは、生活保護の道を失つて街頭をさまよい、浮浪の状態を呈するに至つている。彼らの前途は全く悲惨であつて、將來の日華親善関係一つの障害となることは明らかであるから、これら日系華孤兒救済策を講ぜられたいとの趣旨であつて参議院は、願書は適切なものなりと思う。よつて内閣は鋭意これが実現に努力せられたい。ここに國会法第八十一條により別冊を送付する。   昭和二十三年     参議院議長   松平 恒雄   内閣総理大臣芦田均殿  これはちよつと私、後で何でございますが、やはり中國人母親の分だけを助けるわけですな。そうですか。
  10. 穗積眞六郎

    穗積眞六郎君 それには父親失つてと書いてございますが。
  11. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 母と離別して父親をというのもございますわけですな。
  12. 穗積眞六郎

    穗積眞六郎君 これには父親を離れとこう書いてあります。
  13. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 それはそう限定しないでもいいと思う。実際僕が預つた子供もあるけれども、それは兩親共におつて、その子供を満人に預けて、それが浮浪しているというのもあるし、それらを一括してその請願を受諾するようにしたらいいと思います。
  14. 河崎ナツ

    河崎ナツ君 子供の問題を包括して頂きたい。
  15. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 意見書を付議しておりますので丁度よいのですが、今矢野委員から區別しない方がいいという御意見であります。小委員長の御意見を伺いますが、どうですか。
  16. 穗積眞六郎

    穗積眞六郎君 精神においては何にも區別する必要がない。つい私思い過ぎて、父親云々のことを余り詳しく御説明しなかつた。ですから、何もそう書いてあるのではありますが、特にそれを取立てて書くという必要もないのじやないかと思います。
  17. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) それでは矢野委員の御意見もありますし「父親」というのがおりますが、「父親」というのをのけたらどうですか。「親と離別」、「肉親と離別」というふうに……
  18. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 「日系孤兒」でもいいと思います。
  19. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 「日系孤兒」、「終戰後日系父親離別して苦境に立至つた中國人母親の下に」とありますが、「右の請願日系孤兒外地における浮浪」というようにやつたらどうですか。そういうふうに文意を変えたら如何ですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 委員長にお任せいたします。そういうようにやつて頂きます。
  21. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 御異議がなければ、そういうように修正いたしまして、本案を可決することにいたします。  陳情は、台湾引揚に対する緊急措置に対する陳情、廣島市稲荷町二〇、台湾引揚者会廣支部内奥田達郎提出、右の陳情は永年台湾産業文化の発達に盡してきた引揚者は、僅かの身廻品所持金だけで、祖國再建希望に燃えながら帰つて來たのであるが、衣食住共孤立無援で窮乏の極にあるから、これら引揚者の再起を容易にするために、接收された財産の補償へ預貯金の拂戻等の緊急措置を講ぜられたいとの趣旨であつて参議院は、願意の大体は妥当なものなりと思う。よつて内閣は鋭意これが実現に努力せられたい。ここに國会法第八十一條により別冊を送付する。  この意見書につきましてお諮りいたします。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) それでは御異議ないものと認めまして決定いたします。次に意見書は、在外胞引揚促進並びに未復員者家族援護に関する陳情新潟縣南魚沼伊米ヶ崎大字原虫野新田松田隆吉外一万五百四名提出、右の陳情は、平和國家再建のために在外同胞引揚促進を図られるとともに未復員者給與法改正して未復員者及び復員引揚者に対する待遇を改善されたいとの趣旨であつて参議院は、願意の大体は妥当なものなりと思う。よつて内閣は鋭意これが実現に努力せられたい。ここに國会法第八十一條により別冊を送付する。
  23. 岡元義人

    岡元義人君 その内容は今の未復員者給與法改正というどを要望して送るのですか。
  24. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 小委員会でお決めの通り……
  25. 岡元義人

    岡元義人君 決めたのですが、それに採択と、政府法案改正を要請するということは又別個に考えなければならないと思います。
  26. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 陳情の場合には一緒にやりまして、政府が善処することになつて、双方ともやることであります。それは御心配はありません。二つ三つ一緒ですが、取扱い方については別個の取扱い方はありますが、政府に要望することは構わないでしよう。
  27. 岡元義人

    岡元義人君 法案改正を要望するといふことは少しおかしくないですか。
  28. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 要望した陳情ならいいでしよう。
  29. 岡元義人

    岡元義人君 政府にですか……。それを委員会が取上げて、参議院からこれを政府に妥当だと言つてつて行くのは解釈が異つて來るのじやないか。だからその方の改正という点をば別に、取扱う必要があるのじやないか。
  30. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 それはしなくてもいいと思います。何となれば、政府提出法律案だから、そしてそれを我々が法律に協賛したのだから、これを改正する陳情書として綜合的にやつて差支えないと思う。必ずしも國会自体法律修正案を出さなければならんという事態ではないから、改正をして呉れということを國民から陳情したのを國会が、参議院が採択したのだから。
  31. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) それは未復員者給與法を將來改正して貰つてもいいという意向を持つているから、國会として拍車をかけていいと思います。政府にこの復員法を制定する意思がなかつたならば、我々はこれを取次ぐわけにはいかない……御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 御異議なければその通り決定いたします。次の意見書は、  青島における居留民立替金返還に関する陳情、  東京中央區銀座四ノ三教文館ビル山東協会内鈴木格三郎提出  右の陳情終戰当時青島総領事館の要請によつて民留民が立替えたいわゆる公館借上金返還を未解決のまま延引しておくとは政府に対する前居留民の信頼を根底からくつがえし影響するところが大きいから速かに善処されたいとの趣旨であつて参議院は、願意の大体は妥当なものなりと思う。よつて内閣は鋭意これが実現に努力せられたい。ここに國会法第八十一條により別冊を送付する。  これについて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 御異議ございませんければ、さよう決定いたします。  次の意見書は、  在外胞引揚促進に関する陳情二件  東京世田谷區赤堤二ノ四六八在外同胞帰還促進同盟世田谷支部内多々良潔外一名提出  右の陳情は今なほ外地に残る同胞は六十余万に達する現状であつてこれらの家族の心痛は言語に絶するものがあるから、全世界の人類愛に訴えて引揚が促進されるよう取計らわれたいとの趣旨であつて参議院は、願意の大体は妥当なものなりと思う。よつて内閣は鋭意これが実現に努力せられたい。ここに國会法第八十一条により別冊を送付する。  これは同胞六十余万とありますがこの万数はよろしいですか。
  34. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 よろしいです國民から來ているのだから……
  35. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) もう六十万はないと思うが。
  36. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 それは間違つてもよろしい。
  37. 穗積眞六郎

    穗積眞六郎君 前に出た陳情でも、そのまま取次いでいいのじやないかと思います。
  38. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) それが議会に反映する場合にはよろしゆうございますか。
  39. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 それに月日が入つておりますから。
  40. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 御意見ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) それでは御異議ございませんければ、全部この意見書案決定いたしました。それではこれにつきまして、調査報告書の作成、又それを本会議におきまして調査報告をいたしまするその要旨につきまして、委員長にお任せして頂いてよろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 中平常太郎

    委員中平常太郎君) ではそういうふうに取計らいます。それでは請願審査報告を終了いたしまして、これから政府の係官が見えておりますから、一應御紹介申上げます。水産資材関係長谷川資材課長が見えております。それから復金関係では杉山復興金融課長が、日の丸國旗配給関係で、繊維局製品課商工事務官楠岡氏が見えております。それから援護関係につきましては大宰総務課長並びに復員局の方からは復員局經理部長白井事務官が見えております。以上御報告申上げます。
  43. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 恐らくこれが第二國会継続委員会としては最終だと思ひます。各派議員諸君も御出席もありますから、第三回の國会において特別委員会を設けるということについての各派の御意向を承わりたいと思いますが、緑風会は総会において満場一致を以て第三回國会において特別委員会を設けるということを決議いたしまして、社会党、民主党、民主自由党その他の御意向を一應ここで承わつておきますれば、この最終特別委員会において、特別委員会意思決定して、そうしてこれを議長に要望するというような運びにして頂きたいと思います。この動議提出いたします。
  44. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 只今矢野委員から、第三回臨時國会における特別委員会設置必要性について動議を出しておられます。緑風会におきましてはすでに満場一致設置するということに決定いたしたそうでございます。他の党の方々おいでになつておりますが、どうか各党で御決定になつておりますことがありますれば、どうぞこの際御報告を願いますし、尚又その党に向つてどういう働き掛けをしたいという、御希望になつておる程度のことでもよろしうございますから、御意図をお漏らしを願いまして党の經過をこの際知りたいと思います。ちよつと御参考まで申止げますと、議院運営委員会におきましてこれが問題になつておりまして、この次の機会に決めようということで、今日は決らなかつたそうでございます。尚それはどういうわけかと申しますと、実は私忖度するところによりますと、やはり各派からのこの議院運営委員会構成分子方々が、まだそこまでのものができていなかつた党があるのではないかと思いまして、そういう方面社会党につきましても……
  45. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 そういう議院運営委員会におきまして決定を見ざるような熱意もないとすれば、尚更本委員会は強硬にその設置必要性を強調して、そうして議長並議院運営委員会に対しても、その設置の必要なることを強く要望するというような運びに行くべきだと私は思いますので、尚更この最終回と思われる特別委員会において、満場一致これの設置の必要を可決して頂きたいというところまで運ばせたいと思います。各派方々は全部お揃いですから、それを一々お聴きにならないでも結構だと思います。
  46. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 衆議院の方では、すでに特別委員会設置することに決定いたしましたのでございます。その議院運営委員会におきまして……参議院におきましても、もとより当然そうなると思いますが、只今矢野委員から仰せられた通り、この特別委員会においてまだ未復員者を五十万抱えており、援護が極めて不徹底な今日におきましては、どうしても引続いて特別委員会設置し、十分なる施策を、政府を激励してやらねばならん場合でございますので、この委員会におきまして設置するということの互いの決議と、そうして尚それの目的を達するように、各党各派において十分その運動をするという申合せとをしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) それではそういうふうに決定いたしまして、各党各派におきましては、どうか各部屋におきまして十分御運動、そうして都合よく実現するようにお取計いをお願いします。
  48. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 くどいようですけれど、本日の中に議院運営委員長たる木内君に対して、この申入れをして頂きたい。更に松平議長に対して本日の中にそれを要望して貰いたい。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  49. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) それでは、只今矢野委員のお話のように、私も参りますが、どなたか、理事の方がおられますれば、御一緒にどうぞお願いします。  それからこの閉会中に各地調査して下さいました事項につきまして、この際御報告をお願い申上げたいと思いますが、東北班は書面を以て報告なさつております。その外この間の前特別委員会におきまして御報告なさつておられるところもございますので、まだ御報告なさつておられんところは、この際御報告なさつたらどうかと思います。
  50. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 この報告は、詳細にそれぞれ文書を以ていたしますと、必要の場合においては、渉外課を通してすでにG・H・Qに対してこの報告は済んでおる分もあつて、G・H・Qから何かこれらの調査の結果、G・H・Qに対して要望することはないかというような、非常に友情溢るるような申出でさえあるくらいですから、これは最終の恐らく委員会でありまするが故に、一々詳細なる報告は思い切つてこれは割愛して、そして是非速急にこの第二回國会の延長たる特別委員会として、行政的措置政府関係官廳に取らしむるべき事項が多々ありますから、なるべく報告はこれを簡素にして、その報告の中にも常に政府を鞭撻し、政府をして直ちに行政措置を促がすべき方向に向つて、各自その報告の任に当られる方はやつて頂きたいということを私は希望として申し入れる次第であります。
  51. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) この報告は、いろいろ今日は沢山の問題もあるようですから、できますなれば、すでに前委員会におきまして御報告なつたところもあるのでありますから、どの班におきましても、班にはおいでなつ責任者がありましようから、その方から簡単でよろしうございますが、調査報告書として出して貰うことはできますまいか。
  52. 木下源吾

    木下源吾君 簡單だから口頭で一つ……
  53. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) ああそうですか、それじや又詳細なところは、調査報告書を作つて貰いまして材料にいたしたいと存じますから、是非欲しいのですが、では御報告を願います。
  54. 木下源吾

    木下源吾君 それでは北海道各地の班とし御報告申上げたいと存じます。只今必要あれば別でありますが、極く簡単に申上げたいと思います。北海道各地の班は、院議では期間を切つてありましたけれども、実際としては七月の十日に東京を出発いたしまして、九月の十五日ですか、それまでやつたわけであります。そこで先ず七月の十一日に、私と川崎氏と函館を振出しに各市町村の観察をしたのであります。七月二十二日に木内議員と落合いまして、これ又正式な視察日程を終えて、その後又必要ありと考えまして、先程申上げた期間まで北海道各地視察いたしました。そこで北海道市町村約七十四町村を調査したわけであります。それは何故そういう必要を感じたかといえば、実は北海道視察いたしましたところ、無縁故住宅建設が非常に遅れておる。これは國会予算の成立のためで、現実には五月から引揚げを開始しているにも拘わらず、予算が七月になつたという関係と、もう一つ政府がこの住宅建設の費用を当初予算に予定しておつた額面より半分以下に減つた、こういう実情のために末端市町村においては非常に計画が狂つておるようなわけで、從つて住宅建設という面においては、これはどうしても末端市町村の特別な協力なくしては実際の住宅問題を解決することができない、こういう実情を見たのであります。そこで各市村の理事者並び関係人々に、この予算の遅れた事情並びに予算の減額せられた実情をよく話して、住宅の緩和のためにできるだけ努力して貰うことを懇請して歩いたようなわけであります。  そこで調査の結果といたしましては、第一番に北海道における引揚者住宅の問題が一番の問題であります。二十三年度の無縁故住宅建設の遅れたということは、只今申上げましたが、更に無縁故にあらざるいわゆる有縁敢故と言いますか、これらの引揚者住宅は殆んど大部分が、すでに引揚げた人々の住居というものは、まあ一口にいえば、ひどいのは六疊間に十人もそれ以上もおるということやら、或いは馬小屋の一部を使用しておるというようなこと、そういうような実情で、住宅には非常に各市町村とも困つておる。このことが先ず第一番に取上げられなければならない、かように見て参つたのであります。そこでこの点については末端においてはいろいろ工夫をしておりますけれども、一番隘路になつているのが建築の制限、折角いろいいろ工夫しますけれども、資材等の割当を貰うということの困難、これが一番困難な事情になつていると思うのであります。先ず私の見た、又皆の要望では、引揚者に対しては一般の住宅の建築の枠ではなく、特別に引揚者住宅建設ということを法律の上においてこれを優先的に見て貰いたいということであります。無縁故住宅只今申上げるように、政府が建ててやるのでありますけれども、而もその予算が非常に少くて、そうして実際においては無縁故と言い、有縁故と言いましても北海道の場合は悉くが住居を持たないもの、たとえ縁故があつて住宅を、帰つて來ものが入る余裕がないものが大部分を占めているということであります。無縁故、有縁故の區別が、殆んど私共には、住宅に関す限りは、こういう區別があつても却て引揚者が困るのではないか、そういうように考えられるのであります。実際の実情を見ますというと、特に無縁故というものが予算関係住宅を制限せられているという今日の場合においては、殊更に引揚者に対して別な、つまり建築の方法を政府で講じてやらなければならん、かように考えております。この住宅関係ですが、引揚者住宅に対しては自力で建ち得るものは、今申上げたように、資材等の斡旋をすべし、又年賦償還ででき得るという見透しの付くまでは、これ又そういう方法を講ずる必要がある。どうしても政府が建ててやらなければならんという面においては、只今の無縁故住宅のような方法で建ててやるというやうなことが取られなければならないと、かように考えております。そこでこれらの問題はやはり急速に解決しなければ、北海道の場合引揚者が非常に困るということであります。更に住宅政府市町村に委託をして、そうして建築をしているのでありますが、この建築の場合において、敷地ということに対する考慮が一つもなされておらないということであります。そのために市町村においては、市町村自身において、何とか賄い得る土地があれば別といたしまして、そうでない限りにおいては引揚者の生産点と、つまり今で言えば生活する場所と住居というものとの関連、そういう考慮が一つも拂われない。近所には何も仕事がないのに一里も以上に離れたところに引揚住宅を建てている。引揚者が参りましても明日から仕事をしなければ生活をして行けないにも拘わらず、そういう仕事という面の考慮がないために非常に困難をしているような面もある。でこれは政府が敷地ということに対しての考慮を怠つているということだと考えられるのであります。この点などは至急に改善せられなければならない。かように考えている次第であります。尚この住宅建設でありますが、この建設に対しては、でき得るだけ引揚者を利用するとか、そういう方法で政府の支出する金を余すところなく引揚者住宅に使われるように一つ方法を講じて貰いたい。というのは市町村にはいろいろの制度があります。請負に出した場合においては、やはり請負師はその仕事をするについての税金というものも考慮しなければなりません。又請負師それ自体の利益も見るということになるのであります。そうなりますというと、我々の計算では凡そ二割乃至三割というものが、この予算の中から創られるということを我々は見て來ておるのであります。これらについては何とか一つ工夫して、一定の規格を示して、例えば木工所なら一定の規格で木材を挽いて、それには何も専門の技術がなくても、引揚者の手で建てられるように工夫せられるならば非常に結構だと思います。請負の場合でも流尻の溝一つ掘るにも今日では何百円も掛かります。それを引揚者に渡せば、それらは悉く皆自分でやり得ると我々は考えております。政府は本当に窮屈な予算を出すのであるから、これは本当に皆引揚者住宅にそのまま用いられるような方法を一つ考慮しなければいかん。こういうふうに見て参つのであります。  更にその次には、衣料その他の配給のことであります。これは引揚者では到底買得ない程高値なものであります。曾ての商工省関係の配給品というものは、具体的に言えば毛布一枚千何百円、蚊帳一つが二千五百円、こういうことでは引揚者は到底それを入手することができないのであつて、これらについては何とか一つ、折角引揚者にこれをやろうとするならば、價格を特別に安くするということが困難であるならば、別途の方法で引揚者が受取れるような途を講じて貰わなければならん。引揚者は欲しいのは欲しいのだけれども金がない。そのために金のあるものにこれを譲らなければならんということもある、又他面においては引揚者がなかなかこれを引取ることができないため配給店も非常に困つておる。一方では沢山の現金を寝かして品物を持つておらなければならんということで非常に困つておる。そのために引揚者と既存の業者達の間に感情上の問題もあり、民生委員諸君もこういうことでは困るという苦情もあります。さればと言つて、そういう配給の面倒を見てやらなくてもいいかというと、それは違うのであります。特に北海道は氣候の関係等もありますから、そういうことに十分留意して、配給品は一つ十分にやつて頂きたい。こういうふうに見て参つたのであります。  次は生業問題でありますが、この第一番に上陸地においてで、き得るならば、直ぐ希望に應ずる生業に就かれるような行き方を何とか採らなければいかん。上陸地で割当てられて、お前はどこへ行け、その場合には大体海か山かぐらいの程度で區別して、希望によつてやるようでありますが、上陸地の援護局で、どこそこへ行げけもうお前の希望は満たされるのだというように、こう話をされて、実際に行つて見るというと、それは何らそういうことが何もできておらないというので、例えて言うならば、函館から根室の果まで行つて、又、引返して再び函館に戻つて来ておるというような実際を我々は実際に見て來ておるのであります。これらについてはもつと計画的に生業に就き得るようなことをやつて貰はなければならない。殊に農業を希望するものに対しては、これはもう折角日本の食糧事情等から、本人達の自発的な希望で、どんなことがあつても、自分の食うだけのものは先ず作らなければならないというような希望で、農業を希望して参るけれどもが、いざ行つて見るというと、土地はないし、土地が仮にあつても、殆んどバラス原、或いは酸性土壌とか、濕地だとかいうようなことで問題にならない。こういうことで非常に皆失望しております。北海道の開拓のごときはこういう機会やこそ、現在残つておるような土地が、政府の考えておるような、つまり食糧増産その他の面に、この機会に利用されなければならないと考えておりますが、これは甚だ不十分であります。政府予算において、入植しておる者もあります。これは私が申上げるまでもなく、前年度來の待機中の人々であつて、樺太引揚者に対しては、この恩典はもう殆んど皆無だと言つても差支えありません。而も樺太から來ておる農業希望者は、樺太における寒地農業の本当の經験者でありまして、これを早くこの人達の望みを達してやらんことには、折角こういう希望を持つて来ておるにも拘わらず、一時収容的な所におつて、そうしていわゆる日傭いとか、或いは闇屋とかいうような、そういろ方向に入つてしまいますというと、再びこの農業等の困難な、ことに入ろうという眞面目な生業ができなくなるという傾向が非常に大きいのでありますから、こういう点は一つ十分に政府が考えて、できるならば計画的にそういうことが順調に進むように、一つつて貰わなければならない、こういうように見て参つておるのであります。
  55. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) ちよつと木下さん、発言中ですが、もう係官も見えておりますし、問題が多いのですが、この前九月十八日に報告なつたそうでありますが。
  56. 木下源吾

    木下源吾君 いや私報告いたしません。
  57. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 詳しくお伺いしたいのでありますが、大分問題もあるのでございますが、成るべく簡単に一つつて貰えたらと思います。
  58. 木下源吾

    木下源吾君 成るべく簡単にいたします。もう大体そこまでゆけば……そこで私は、生業の面については北海道農業に関する限りにおいては、もつと現地と密接な連絡を取らないと、実際の事情を見ますと、道路がない所に入つてつて、そうして配給物を一日がかりで取りに來て、翌日でなければ帰つて行かれないというような実情があります。道路を附けないで、そうして開拓入植させるというようなことは非常にこれは矛盾しておる。とにかく道路を早く附けてやるということが一番大切だ、こういうように見て参つておるのであります。この人々は頗る熱心でありましたけれどもが、今言うように非常に困難をしておる実情があるのでありますから、是非共この北海道農業の開拓と併せて、この人々希望を達してやるやうな方法を一つ考えて貰いたい。  漁業の面におきましては、どうもこの既得権との縄張が非常に邪魔をしておる。又或る所においてはよく引揚者の何を理解して、そうして開放してやつておる所もありますが、場所によつては既得権、例えば漁業権等において、又その他のすべての慣習的既得権、法律によらざる慣習的既得権等において惱んでおる。こういう点についても十分に一つ緩和するようにしてやらなければならん、こういうように考えられます。  資材面においては、やはり我々が希望したことく引揚者に対して、特に引揚者というような面には普及しておらないと思います。相変らず漁業会を中心といたしまして漁業会の旧勢力、古い人々が大部分資材を取つておる。そこで引揚者の場合は資材が当つておる所もありますが、大体金がなくて取れない。そこでこの金の工面のために、やはり古い者によつて殆んど実質は占められるというような実情を見て参つたのであります。この配給品を流すと同時に、それを取れるよろな方法を何とか考えてやらなければならん、こういう指導が必要だと思います。北海道には御案内の通り未開発地區の開発という一つの政策をやつておりますが、これをやるのにつきまして、資本家が会社を多数作つて、そうして例えば根室なら根室という町に会社を作つて置いて、そうして知床半島なら知床半島の未開発の開発をやるというような開発の面をやつておる所もありますが、これなどは引揚者を利用して、資本の力で引揚者の利益を取つておるというような面が見られるのでありまして、こういう点についてはもつと引揚者それ自体が、政府の政策の面に対して普通の利益だけは取られるように一つ考慮すべきだと考えます。このことについては他の面においてもあるのでありますが、引揚者の名義のみでやはりマーケットなどを建てて、そうして実際は引揚者は今日では何も利用されておらんというような面がありますので、一方において引揚者がそういう仕事を企てた場合においては、これをやり易いように一つ手引をしてやる、他面に、おいてはつまりそういう資本の力などにおいて、引揚者の折角の仕事が取上げられてしまうというようなことに十分に一つ留意を願いたい、こういうように見て参つたのであります。  大体これで終わりにいたしますが、住宅の問題はもうこの上もないこれは緊急の問題でありますから、できるならば引揚者住宅というものを、引揚者に関するところの無縁故とか有縁故とか、そういう区別を付けないで、引揚者住宅政府において何とか樹立させるような方法を一つ講じて貰いたい。これらについて例えば授産場の問題もありますが、私の考えることは引揚者の場合においては、市町村末端において、これが更生のための運営委員会というような組織を何とか持たれなければならんし、持つことにおいて非常に円滑ならしめるという例を多々見て参つて來ておるのであります。只今の有縁故、無縁故をなくした場合においても、これらのものを嚴密に困る者と困らない者とを区別するということは、運営委員会末端において、引揚者並びに民生委員或いは市町村の有志において持たれておれば、或る程度正確にそういう区別ができて、そうして運営の上において非常に劾果が上る、こういうように考えて見て参つたのであります。一つの例でありますが、授産場の或るところでやつておりましたが、ミシンを教えておつた、ところがこの運営委員会を持つておるために非常に成績がよろしい、そうでない場合においては、そこの町のミシンや或いは裁縫をやつておる者は、これに対して反対するような傾向かあるのでありますけれども、それらの人々をも運営委員会に加えて、そうしてその授産場を経営しておるという場合においては、これは非常に円滑に行つて、そうして成績が非常によく上つておるという実例を見て参つておるのでありまして、政府の機関或いは自治体の機関と、少くとも引揚者というものが対立するということのないために、そういう一つの組織、運営の方法で、これは別に予算等を伴うわけではありませんので、そういう点の指導が政府においてなされれば、政府の意図することも非常に樂に行く、そうして進んで行くと、かように考えておるのであります。そういう実情を見て参りましたから、ここへ附加えて置きます。いずれにしても政府住宅に対する資金、並びに北海道の特殊的な事情に應ずるだけの施設が行われておらないというように考えられる。尚大藏当局も参つておるようでありますから、この機会にお願いしますが、管財局所管の土地、建物等は、私の参りました当時においては、まだ國有財産法の実行が徹底しておらないようにも考えられたのでありますが、そのためでもあるかも知れませんが、とにかく管財局方面では引揚者であろうと引揚事業であろうと、そういうことには一向お構いなしに、何でもいいから高く賣りつければいいのだという傾向が各所において見られておるのであります。これなどは國有財産法にもありますように、できるだけこれらの引揚者に対する事業等に対しては、土地、建物等を安價に、或いは又貸す場合においても無料に近い、進んで提供するというように一つ御配慮を願いたい。このために各市町村において國有建物、國有土地の或るものが利用できないし、又利用しても高く賣りつけられるというような、非常に不安な状態を数ヶ所で見て参つております。この点については特に大藏当局において御留意を願いたい、かように考えます。  以上あらましの御報告でございますが、又必要に應じて詳細な点を申上げることにいたします。
  59. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 御苦労でございました。
  60. 河崎ナツ

    河崎ナツ君 木下さんの御報告に附加えて、私も御一緒に参りましたので申上げますが、もう一つの他の面の重要な面を私は痛感しておるのでございます。それにつきましては書いて差上げます。今日は時間がございませんから省略さして頂きます。
  61. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) ちよつとお諮りいたしますが、本委員会におきまして八班に分れました調査につきましての御意見など、尚且つ政府当局に向つて要望されるような事項も沢山包藏されてお帰りになつたと思いますが、これからそういうことについていろいろな御質問があると思いますので、この調査報告につきましては、全部ここで詳しく御報告願いますのが当然でありますが、以前打合会のとき御報告なつたということでございますので、この上は各行かれた方によりまして、簡単でよろしゆうございますが、文書を以て御報告に代えることができますまいか。この点お諮りいたします。    〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) そういうふうにすることにいたしましてよろしゆうございますか。
  63. 岡元義人

    岡元義人君 いろいろ御報告も非常に大事でありますが、最後の委員会でありまして、緊急に処置をしなければならん問題が沢山あるのであります。而ももう時間は迫つておりますし、而も内容は各代表が全國から集まつて、これを鶴首しているのであります。その点を進行して頂きたいと思います。
  64. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) それでは外にも重要事項が大分あるようでありますから、固よりこの報告も極めて重要でございますが、議会報告する都合がございまして、是非共簡單でよろしうございますが、要領を一つ書いて頂きまして、それぞれの責任者の方から調査報告書を出して頂くことにいたしましてよろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) それではそういうおつもりでどうぞお願いいたします。それでは次に商工省の繊維局繊維局長が見えておられますから、岡元氏がお急ぎのようでありますから、日の丸問題ですか……
  66. 岡元義人

    岡元義人君 簡單でありますから、政府当局に質問いたしますが、実は日の丸ができたというお話を承わりまして、これの配給方法について、私は一ヶ月程に二回訪ずれました。然るに今日に至つてまだ具体化されていないということはどういう実情でありますか。その点を明らかにして頂きたい。尚これは繊維局長の部屋でわざわざ繊維課の責任を以て、今日直ぐ援護局の方へこれをば移管するということをお約束した日から四十日経つております。然るに何ら中央に対する通知が行つていない。この点を簡單でよろしゆうございますから、はつきりした御回答を承わりたい。
  67. 楠岡豪

    ○商工事務官(楠岡豪君) 実は今日委員会があるという御連絡を受けまして、その内容は引揚者の登録の問題だということで、衣料課から出て参つたのであります。日の丸問題は繊維課の所管になつておりまして、お答えし兼ねると思いますが……
  68. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 そういうのがいわゆる國民から見ると、同じ繊維局の中に課があつても、それは便宜上のことであつて、若しもその要望があつたならば、それを責任を以て善処するように、專門の課の責任者にこれを傳えるというような態度が、私は民主國家のあるべき官吏の態度だと思いますので、所管が違うから全然分らんというようなことじや、実に私はそれがどこでもそうです。そういうことはあなた方のような若い官吏諸君が、いわゆる官廳のセクシヨナリズムを打開して行くというような意味においても挺身、大いに奮闘して頂きたいと私要望して置きます。
  69. 岡元義人

    岡元義人君 時間がありますから、直ぐあなたの方で連絡を取つて頂けませんか。製品課に……今日は最後の委員会でありますから、是非確答を承わりたい、確答できる筈なんです。もうすでに二ヶ月私が数度お伺いしておりましたから、確答できない筈はないのですから、直ぐ連絡を取つて頂きたいと思います。事務局からも連絡を取つて頂きたいと思います。
  70. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 事務局では製品課と言つておつたようです。
  71. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 その岡元委員意見賛成します。北海道、東北、九州を見て沢山の結論を持つておりますが、その全部について政府建設的な質問をしたいと思いますけれども、その時間がありませんので、一、二私は要望して、そうして善処して欲しいと思います。その一つは、これは北海道にせよ東北にせよ、九州地区にせよ、これは同じ傾向を持つておる、それは引揚者の結局立上るところの途は三つある、その一つは、金融の便を得ることと、資材の正しき割当を受けることと、それから職業の正しき斡旋を受けるということである。その他住宅問題、或いは衣服の問題等ありますけれども、その中國家の徒らなる援助のみを受けずして、みずから立ちたいというためには、絶対に金融の正しき処置を與えなければならない、然るに現内閣が潰れるような、あんな放漫なる融資をしておる復金が、一昭和電工に対して四十五億、三井に対して三十五億というような融資をしながら六百二十万家族を併せて三千万のその引揚者を立たしめる金融に対しては、実に処女の如き消極的な態度を取つておることは、実に政府として、私は合点の行かない態度であると思います。而もその復金の融資においては実に関門を多く作つて、そうして現金化するまでに、五十万円の融資を仰ぐには、すでに五万、十万、十五万という費用を使わなければできないというようなことは共通的の実情である、かかることでは断じて三千万の引揚者人々が立ち上がつて、以つて民主日本建設のために協力するというようなことは不可能であるので、須らくこれは厚生省においては援護局長官を初め、勿論大臣然り、又大蔵省はその担当責任者である銀行局長、その他復金課長、それから安本の方面においても、これに関連するところの金融の各責任者が、如何にして復金の融資をもつと金融の処置として、より合理的な簡素な方法によつて、これが本人に現金が一日でも、一時間でも早く交付せられるかというその方法について、必らず第三回國会には責任を持つて答弁のできるような具体的方法を検討して貰いたいと思う。これに対してそれぞれの関係のあるところの官吏諸公の答弁を求める。  第二は、庶民金庫の問題においても、本日は庶民金庫の責任者は來ておらない、出てないようであるから、これは残念ながらその責任者に向つて尋ねることはできないけれども、これも又復金と同様、現金化が尚複難であつて、この報告書の中にも書いてあるが、長きは二ケ月、三ケ月の長期になつて、漸くにして僅か七千円の生業資金が手に入るというようなまだ実態を示しておる。こういうことは実に親心のない処置であつて、我が特別委員会は、更に第三回國会でもこの特別委員会を新たに作つて、これらの二つの金融処置がもつと適当に、もつと早く、而もそれが一切温かい友情を持つて処置せられるような、一つの新たなる態度を作る必要があることを私は特別委員会の諸君にも訴えて置く次第である。それから物資の面において、殊に私は水産委員も兼ねておるので、特別に水産問題について関心を持つておる者であるが、引揚者は全く地盤と信用を失つた鉤一本持たず、綿糸一本も持たない素手の者である。併しその経験とその頭能というものは、以て日本水産を開発するのに、実に欠くべからざるところの有能の士が多数おる。例えば、鹿兒島縣の日置郡の湯元村におるところの、シンガポールにおいて活躍した有名な永福虎その他長崎縣、大分縣、鹿兒島縣、北海道等、その有力なる人々の数を列挙するに遑がないぐらいに多数の人々がおるのである。よし又そういう人がなくても、いわゆる縣において許可も得ないで、いわゆる鉤を以て生業とし、一家族五人、六人と育てて行くことのできるその一つの大事な資材というようなものも、これは若し農林省の資材調整事務所長が、これに対していわゆる友愛の精神があるならば、適当なる方法を以てこれに資材を割当てることができる筈である。幸いにもこの第二・四半期において既存業者のいわゆる必要なる綿糸と、それから新規事業の新なる枠を設けて、そうして農林省水産廳次長の名を以て通牒を各縣の農林省資材調整事務所長に向つてこれを発送しておるのであるが、その実態を調べて見るというと、十分その意を体して、新規事業者の中には、五月三十四日の通牒、二十六日の通牒、その他第二・四半期の通牒等を睨合せれば、当然その新規事業者の中に引揚者あり、戰災者あり、引揚者、戰災者に非ざる他の新規事業者も含むものであつて引揚者は全くの無一物なるが故に、すべての人と、いわゆる平等の原則に達するまでに、イクオールの線に達するまでに、そこまでに当然綿糸等の割当は、この新規事業の枠の中から配給すべきであるのにも拘わらず、まだ熊本縣において一玉も配給がなかつたし、大分縣においては逓信省の責任かも知れないけれども、これ亦何らその新規事業の中に一玉の割当もしていない。これらの如きは逓信省の事務澁滞とか、その他の特別の事故であるとかいうように弁疏することもできるけれども、若しそれ農林省に、折角新規事業の枠を設けるがごとき一つの友情ありとするならば、百尺竿頭一歩を進めて、何故に水産廳次長はその大分縣の要望のない、書類の到着しないのに対して、電報を以て、貴縣は一玉の新規事業も要望がないが、これにてよろしきや、という、僅かな電報料を奮発するだけの友愛の実を示さなかつたかどうか。これによつて何十人、何百人、何千人という人々が立つか立たないかというような、これは実に重大な私は問題であつて、これらの些細な点から観察いたしますというと、まだまだこの折角の新規事業の枠等の精神が、各地各所には十分に徹底していない憾があるのであります。この点長谷川資材課長の答弁を求めると共に、私は是非この新規事業の枠は、これを引揚者、戰災者、その他の新規事業と一緒にして、その中に入つて平等の線に一歩でも近付いて頂くというために、第三・四半期か、第四・四半期においても、この枠を飽くまで設けて貰いたいということを要望する。これに対する政府の所見はどうであるか。  それから更にこの問題について、結局実態なきところの水産事業に対しては割当ができない、これはもう当然である。併しながら縣の水産課の諸君が、その助成の氣持があり、更に農林省の資材調整所の主として水産課が、又助成の氣組みさえあるならば、船を買うその道筋、或いはその他の資材を蒐集するところのその方法等も、むしろこれを抑えて、そうして手を取つて歩かせるというような態度を以て、それに適当な資材を割当てて行くというような態度を取らなければならんのであります。然るに各縣の実態を示して見るというと、鹿兒島縣のごときは、某前代議士が公の席上において、いわゆる既存業者のその水産業を却つて侵略するから、引揚者等に対して特別の資材の割当をすることは不都合であるというようなことの放言を敢てしておる。或いは大分縣の水産資材調整事務所に対しては、某氏が五十名の既存業者を引連れて、そうして所長並びに水産課長に向つて、新しいその企業の枠の中に引揚者等を入れることは遺憾であるというような、多数を以てそれを拒否するような一つの態度も取つたやに私は承わつております。引揚者が断じて既存業者の諸君と摩擦を激しくして、そうして対立抗争をするというがごとき氣持は全然ないのである。若しそれ眞に、今動いておるがごとき一つの組合等の運動のごときことを眞似するならば、六百二十万、綜合して三千万の者が引揚特殊の民族として、そうして闘争、抗争の一つの手段に出でんや、必ずや多くの資材、資金、並びに職業を獲得することは断じて可能である。併しながら我々は少なくともこれらの諸君と兄弟の氣持を以て、断争としてこの態度を排撃しておるくらいである。そうして飽くまで友愛と協調の精神を以て、進んで勤勉をして、我が日本の独立國家の建設へ邁進せんというがごとき一つの指導理念を以て我々は行動しておる。この一つ引揚者の團体に対して、政府は大いに現在よりも、より以上の熱意と友情を以て資材、資金、職業の斡旋をするような態度を、根本的にここにもつと樹立する必要があることを、私は各所を視察して特に考えたのであります。若しそれ、これらのことが私の申上げるがごとき方向に向わない場合においては、國家の將來は実に由々しき事態を発生するであろうということさえも考えるくらいでありますので、今申上げました資材、資金、これらに関する関係の各官廳の各位は、よろしく良心的に御返答願いたいと思うのであります。以上。
  72. 岡元義人

    岡元義人君 今矢野議員のお話の中で、向うから報告書が、いわゆる逓信省の御指導によりまして、着かなかつたという場合においては、便法を以てこれに対する処置をば促すだけの誠意があつてはどうだというお話がありましたが、この点につきましては、七月十六日水産廳の資材課は、二十三年六月二十四日付通牒による報告書を至急送られたしという電報をやつております。この事実がありますから。
  73. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 はあ。
  74. 岡元義人

    岡元義人君 只今矢野委員から総体的のお話がありましたのですが、多少具体的の質問をして行きたいと思うのであります。
  75. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 僕の質問に対する委員長の……
  76. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 今附帯してとおつしやつたから言つちやつたけれども、あなたの方を先に。杉山復興金融課長がお見えになつておりますから、どうか願います。
  77. 杉山知五郎

    ○大藏省復興金融課長(杉山知五郎君) 只今矢野委員から御発言ありました御質問の点につきまして一言御回答申上げます。委員長、速記を止めて下さい。
  78. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  79. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 速記を始めて……
  80. 岡元義人

    岡元義人君 復金の生業資金のことについてお尋ねしますが、先達て第三・四半期に対しては、これは受付を中止するという通牒を出されつ放しになつております。これまでに各縣におきましては、恐らく百件に余る件数をすでに受付けてしまつておるのであります。実際の内容は……それで先日全國知事会議におきましても、地方自治体が長官の責任としても非常に困つた問題が起きている。簡單にただ通牒一本を以て受付を打切つて置くというような趣旨では、私は軽卒に過ぎるのじやないかと思う。苟もみんな或る程度までの準備をなして、そうしてただ肝腎なものだけには特融と雖も融通しておりますが、少くとも形を作り、そうしてその実体をば調査した上で、漸く何件かの中の何件かが採択になるという状態なのであります。これは全國に非常な迷惑を及ぼしている、今の状態でいると……これから速かに、とにかく打切るんでも結構です。打切るなら打切るで当然行政措置として先きを見越して、第二・四半期からこれを打切るという、そこに時間的余裕を與だることは絶対必要だと思います。今の第三・四半期に対しては全國全部準備ができている。速かにこれは、例えば第三・四半期の四半期より後は暫く見合わすという、そういうような趣旨なら結構でありますけれども、いきなり第三・四半期に対して受付を停止しろという、ああいう通牒を出されたということは私は非常に残念に思うのです。もう少し政府ともあろうものが、もつと先きまで見透して、こういうことをしたらどんなに困るかということを把握して貰いたいと思います。いろいろと折衝面もあると思いますが、先日も私荒木政務次官とこの問題について話を進めたときにも、とにかく今度まではこの通り行けないということはないのだから、やれるのだということをはつきりおつしやつたのです。で、速かに第三回に対しては何らかの手を打つて頂きたい。そうして別途に四半期なら四半期の後に対しては、何らかの方法を講ぜられるということを言つて貰う。今非常に地方は困つている。この間の全國知事会議にも問題にされているわけです。それ程地方では困つているのであります。今日委員会の開催を要請したのも、非常に地方が切羽詰つているから要請したので、私は銀行局長に来て頂いて、前後処置をこの委員会ではつきり回答を承わりたかつた。尚今委員長からお話も出ましたが、一般の引揚者といわゆる戰争犠牲者というものが、今度の不祥事件に対してどんな観念を抱いているかということはよく考えて頂きたい。私は復金特別融資関係で再三大藏当局にもお伺いして折衝に当つて來た本人ですが、私自身が情なく思つているのです。僅かに頂いたこの特融というのは三億円余りです。併しながら片方において、情実によつてああいう金融が行われておつたということは、非常にみんな誰が考えて見ても納得の行かないことなんです。六百二十万引揚者と一会社の融資と比べられて、本当の日本の再建ができるか、これは誰でも考える。事は非常に重大でありますから、復金課長は速かに第三回の通牒を今日明日中に検討して頂いて手を打つて頂きたい。これが私のお願いと又当局の意向を質して見たいと思う一点であります。
  81. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 復金金融課長にお尋ねいたしますが、第三・四半期の受付停止の問題は、まだ公には我々の委員会の方で答弁なさつたと思いませんが、岡元さん答弁なさつておらんでしよう。これは聽かれるものなら、私は公然と理由を聴きたいと思う。一体そういうことはどういうことが原因になつているか、どういうことからそういう問題が起きて來たか、どういう誤解をその筋に與えているか、その問題について十分答弁を願わないと我々は納得いかん。
  82. 岡元義人

    岡元義人君 勿論回答を得たいと思いますが、この点につきまして大臣、政務次官、事務局とに食違いがあるということを私達は知つております。誰がどういう方法であの受付を停止しろという指令が出たか、この点一つ明かにして頂きたいと思います。
  83. 杉山知五郎

    ○大藏省復興金融課長(杉山知五郎君) 速記を止めてください。
  84. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 速記を止めて……    〔速記中止〕
  85. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 速記を始めて下さい。
  86. 杉山知五郎

    ○大藏省復興金融課長(杉山知五郎君) 第二の御質問につきましては、御質問の調査関係がありまして、篤と復金の首腦部において、いういろいろ鹿兒島井上君の件につきまして調べたのでございます。それでこの前御指摘の通りに、金を岡元さんに出したとか、そういうような暴言を吐いた事実を認めた由でありまして、これは井上本人も又復金としても非常に遺憾の意を表する次第であります。この由を正式にお傳え願いたいということでございます。私共としても非常に遺憾だと存じますが、今後こういうことの起らないように、そういう方面に注意いたしている次第でございます。今回は特に穏便に済ませたいと思つております。
  87. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) それでよろしゆうございますか。
  88. 岡元義人

    岡元義人君 政府当局からも、そういうような通牒によつてお調べになつたと思ひますから、別に私からこの際余り何も申したくないのでございますが、何も実際にそういうことがなかつたということさえはつきりして頂けば、私結構なのであります。
  89. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) それからちよつと申上げますが、大藏省の主計局長河野氏が見えておりますが、お急ぎのようでございますから、この主計局長にお尋ね等のことがございますれば、この際お願いいたします。
  90. 岡元義人

    岡元義人君 実は関連して、今さつきの生業資金の問題でありますが、援護廳からは、田邊局長から御説明がございましたけれども、どうもこの一万円に、これをば引上げるという問題が起きてから、すでに相当な時日を経過しているのでありますが、地方の融資に対しましては全部日和見になりまして、ストップの形に全國がなつておる。これが一万円に値上るというので、それを待つてという状態なのであります。この点につきまして大藏当局が一体こういうことの実情がよく分つているのか。ただ單に先日私が伺いました範囲では、次長が出張中で、最後の決を取れないから、次長さえ歸つて來れば直ぐ解決が付く、こういうようなふうに聞いておつたのであります。それからすでに二ヶ月余り経過した。で地方では非常に困つているのですが、主計局はどういう工合に大藏省として考えておられるかということをお伺して見たいと思います。
  91. 田邊繁雄

    引揚援護援護局長(田邊繁雄君) この問題は先程お話しした通りでありまして、主計局の方では、全く我々の意見が一致して必要な措置を今取つておられ、努力もしておられるのですが、別に私が申上げることも主計局が申上げたことも同じだと思うのですが。
  92. 岡元義人

    岡元義人君 一体あとどのくらい掛かるのですか、見通しが付いていないのですか。
  93. 田邊繁雄

    引揚援護援護局長(田邊繁雄君) 一般調査が濟んでからという一應の何ですが、併し私の方では一般調査を待たずに、限度の引上げだけはお願いするという方針も努力しております。
  94. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) その他御質疑になることがございますか。時間がもうありませんから、簡単にどうぞ。
  95. 岡元義人

    岡元義人君 生業資金の問題は沢山あるのでありますが、日を改めてすることとして、水産関係について先程矢野先生の御質問がありましたから、この点について御回答願いたいと思うのでありますが、御回答願う資料を少しここに出したいと思うのですが、先日來新規着漁の枠を作つて頂きましたが、その実情を申上げますと、福岡縣におきまして七千八百五十四玉に対して三千六百玉、これは唯一縣だけ、要望に対して一〇〇%資材を配給したのば福岡縣だけでございます。佐賀縣におきましては三千二百三十五玉に対して僅か五十玉しか貰つておりません。長崎縣におきましては六千七百二十六玉の新規の枠に対しまして四千玉しか貰つておらんのであります。熊本縣の七千八百十八玉に対して二千玉、大分縣が零です。宮崎縣が四千五十四玉の新規の枠に対してたつた二人の引揚者だけに三百五十玉やつております。鹿兒島が五千二百二十七玉に対して千四百玉であります。その全部の配給資料を私ここに持つておりますが、唯遺憾に思う点は、資材課長にお伺いしたいと思いますが、この新規着漁業という枠がどういうものを一体本当に指しておられるか、これから先ず伺いたい。
  96. 長谷川善彦

    ○水産廳資材課長(長谷川善彦君) これは矢野議員が先日おいでなつたときにも一度お会いしてお話し申上げたのですが、新規著漁というのは、御承知の通り漁業には、網は一年間に半分は破れるので、その補修用と、それ以外の網とあるわけでありますが、私の方で考えておる新規着漁と申しますのは引揚者、戰災者を含む、その他をも含む本当の意味の新しく漁業を営もうとする者の枠を考えておる次第であります。
  97. 岡元義人

    岡元義人君 続けて質問いたしますが、災害復旧というようなものは今までは別に枠があつたと思ひます。新規着漁の中に災害復旧を含めますか、含めませんか、伺います。
  98. 長谷川善彦

    ○水産廳資材課長(長谷川善彦君) 災害復旧は一應含んでおらんと思います。
  99. 岡元義人

    岡元義人君 只今資材課長から明らかにされましたが、長崎縣の配給状況においては八千玉を、引揚者の七万貫要求という書類は水産廳資材課に提出されておりますにも拘わらず。その中から八千玉をば縣内災害復旧用として配つてしまつた。而もこれに対して私は警告を発した。これは災害復旧ということは別にある筈である。この八千玉は別に振替えるということを約束して私は歸つて來たのであります。ところが、この度正式の調査に行つて見たら、又その八千玉を災害復旧用に振向けてしまつておる。而も四千玉を既存のハエ繩、僅かに一玉か二玉を一千世帯に配つておる。私は資材課長に責任を追及したい。我々がここであれほど念願して特別委員会があなたにお会いして、折角これだけのものを作つたに拘わらず、私は全部の調査した資料をここに持つて來ております。現に新規の枠の中から引揚者が如何に要望しても呉れない。そうしてあなた方が作られた通牒を無視して災害者に配つておる。而も既存の業者に一千世帯にハエ縄業者としてこれを配つておる。これが本当の私は行政措置上、これで私は自分で見て來て、実際末端まで調べて、そうして曰く、引揚者等が闇に流しておると。闇に流すといつでも、初めてのことです。切符も手に入れたばかりです。どこに闇に流す時間的余裕がありますか。而も引揚者團体等は、ここに私は全部調査して参つておりますが、こういう誓約書を入れて、而もこういうような券まで発券して防止に努めておる。こういうことをした漁業会が今まであつたかどうか。これを檢討して頂きたい。そうして私は傳え聞いたところによりますと、資材課長は第三者向は中止すると言われた。今も申上げたように、数字の上から申上げても、あなたの親心がこの通りつておるかどうか、はつきり分つておる。而も九州全体が我々が行つて漸くこれだけ確保した。恐らく全國外の各縣においては、北海道からも報告がありましたが、取つていないということは確実である。靜岡縣にも私は参りました。他所の縣なんか我々議員が行つて、この通牒の趣旨をよく説明して、やつとこれだけなんです。外の縣は全國貰つておらんのです。それにも拘わらず、あなたが第三者向のこの間の約束を、いわゆる第三者向の新規着漁の枠を今度やらないということを申されたということを、私は非常に残念に思つておる。はつきりしたことを聽かして下さい。
  100. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 速記を止めて……    〔速記中止〕
  101. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) それでは速記を始めて……
  102. 木下源吾

    木下源吾君 そこで今度の農業、漁業用の資金ですね。最近あれはどういうように、こういう問題と連絡して発布されておるか。
  103. 長谷川善彦

    ○水産廳資材課長(長谷川善彦君) 金融の方面で考えられるのが二つありますが、復金の方で相当長期に金融を借りるということと、もう一つはいわゆる農業手形制度を作るということでありますが、手形の問題につきましてはやはり漁業の漁獲高の不確実性ということが問題になりまして、相当長い間もんだのでありますが、とうとうお流れになつてしまいました。最近やつと一月前に配給手形というのをやつと作つて頂いて、配給物資に関しまして手形制度を作つてつたのですが、結局やはり手形を振出す人に相当な信用力というものが、手形を振出し得る何と言いますか、能力になつて来るわけでありますので、私の考えでは余りこの制度にはマニラロープなり、漁網引取りには、早急には役立たないのじやないかというような感じがしております。
  104. 木下源吾

    木下源吾君 それではどういう金融方面を零細漁業者が用いればよいか、そういうことを研究しておりますか。
  105. 長谷川善彦

    ○水産廳資材課長(長谷川善彦君) いろいろ資本漁業と沿岸の小さな漁業と分けまして、資本漁業の方が有利でありまして、沿岸漁業の方が立遅れておるのでありますから、結局金融、これに対する裏附けは、どうしてもその人の金を返す信用力になつて参りますので、非常に農業とか、漁業とかいうことにつきましては、近代的な金融の対象にならないという考え方が、いわゆる金融專門家の間に強くございまして、我々の方では非常に弱つておるわけでありますが、最近になつて段々沿岸の漁業につきましても復金の金融もさして頂いておりますし、それからその人の金融の能力によりまして手形制度というものができております。段々改善されて行くのじやないかと思つております。
  106. 木下源吾

    木下源吾君 今のお話では、長期の資金を借るためには復金だというようなことであるが、早急に厖大なマニラロープを消化しなければならない、こういう場合において、申上げるまでもなく沿岸漁業者、零細漁業者というものは金がなくて引取れない。相当高價なものでありますから、これに対して政府では金融のことを先ず先に併せて考えでやらなければいかん。それに今の手形制度というものも信用あるものということになれば、そういうところで間違いが往々に出る。信用あるものが借りて、こういう制度を濫用するという虞れが十分にあるのです。これらについて早急に沿岸漁業者或は零細漁業者に対する金融の途を講ずるという方法を取つて貰いたいのです。今の消化するというあなた方の責任だけに重点を置いてやつたのでは、本当にこれが必要なものに入るということが私は到底望めないと思います。これについて十分おやりになるお考えがありますか。
  107. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) ちよつと速記を止めて……    〔速記車止〕
  108. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) それでは速記を始めて。
  109. 木下源吾

    木下源吾君 殊に第一回半期の七百万ポンドですが、あつた筈でございますね。全國で……これは殆んど現物化しておらない、現物化しておらんということは、別の言葉で行けば漁業家の手に入つておらないのです。まだですね。でこういうことを今併せ考えて見るときに、若し資金面において入つて行かんというようなことであるならば、これは由々しき問題であると思うのです。こういう点は十分に究明しなければならん。本日はもう時間がないというからなんですが、徹底的に究明して我々はこの資金の面においても、これは本当に沿岸漁業者、零細漁業者に入るようにしなければならんから、卒直にあなたから意見を聽きたいのです。
  110. 岡元義人

    岡元義人君 さつきの締め繰りを付けたいのですが、長谷川課長の肚も大体分りましたけれども、一年も一年半もしなければ現物北できないというお話でございましたが、今のところ引揚者等に行きました分は全部現物化してしまつております。今度の発券分に対してはまだやつておりません。先月までの二十二、・二十三の分は鹿兒島縣等はすでに一回貰いました。これも平田に私が行きまして特に二十は作つて貰いました。ですから引揚者は他の既存業者と違いますから、割当てて貰えばどんな手を打つてでも現物化しまして、それだけははつきり私申上げます。尚更にお伺いしたいのは、これはまだあなた、お聞きになつていないと思いますが、特別委員会委員として今度調査の中にあつたのでありますが、長崎の資材調整出張所長が、今度の割当の切符に対しまして、既存業者に影響するから、引揚者團体のロープの出荷は罷りならんということを、これは資材調整出張所長がはつきり言つた。よろしうございますか。連盟は厚生大臣が認めたたつた一つしかない連盟團体です。その連盟がいわゆる資材登録店を持つておるのです。であれば、当然この引揚者等のそういうような斡旋を、而も闇に流さないようにという親心からお世話しておるのは、これ亦当然なんです。それに対して所長が、既存業者に対して困るから、そういうことをして貰つちや困ると、はつきり言つております。それを先程の、私が議員として警告を発して、それにも肯んぜず、堂々と災害復旧用にこれを配布するなんてことは私、以ての外だと思います。速かに、これは私今日は委員会にお諮りいたしませんが、課長として責任者を呼ばれて爾今注意されたらどうかと思います。若しあなたの方でそういう措置ができないならば、私はこの事実を以て委員会に訴えたいと思います。だけれども、そこまで行かなくとも、本日はそれをば正直に自白しておられる、濟まなかつたということを言つておられるんです。併し私が一回わざわざそのために行つて來たんです。そうして尚それを踏みにじつて、こういうことを敢えてする、あなたの出先行政機関ですね。非常に残念なことだと思います。それで私が結論はあなたに一番お願いしたいことは、要するに一旦あなた方とお打合せいたしましたことは、その線に沿つて國会もその線に沿つて皆さんに指導しておるわけです。今更あなたの方で、この点を覆えされるようなことがあつたら議員の権威に関わるのです。だから、その点ははつきりして頂きたい。尚第三・四半期までやつて、次にやらないというこは結構であります。併しこの間の打合せの状態では、今度と、この次の点はこうしてやろうじやないかということに決つたのでありますから、そのように全部指導してございます。その点は一つよくお含みの上やらして頂くように切にお願いして置きます。
  111. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) ちよつとお諮りしますが、大分時間が経過しておりますから……
  112. 木下源吾

    木下源吾君 今の結論をもう一つ聴いて置かなければならんと思いますが……
  113. 長谷川善彦

    ○水産廳資材課長(長谷川善彦君) 長崎の件は、資材調整事務所というのは、私達の一番信用の置ける出先機関なんです。ですから、これは私その方の責任において事情を調べて、適当に一つ処置いたすように考えております。
  114. 木下源吾

    木下源吾君 その話はいろいろお聽きしておると、いわゆるクーポン式というものは、全くこれはもう漁業資材に対しては何らの効果を挙げておらないように思う。この配給をもつと適格にするために、そうして効果を挙げるために、どういう方法が外にあるか、それを一つお聽かせ願いたいと思います。
  115. 長谷川善彦

    ○水産廳資材課長(長谷川善彦君) ちよつと速記を止めて頂かないと何ですが……
  116. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  117. 中平常太郎

    委員長中平常太郎君) 速記を始めて……それでは大分時間も経過いたしましたから、本日はこれを以て散会いたします。    午後四時三十一分散会  出席者は左の通り    委員長     中平常太郎君    理事            山田 節男君            淺岡 信夫君    委員            太田 敏兄君            河崎 ナツ君            木下 源吾君            城  義臣君            岡元 義人君            藤野 繁雄君            穗積眞六郎君            矢野 酉雄君            細川 嘉六君            星野 芳樹君   政府側    大藏事務官    (主計局長)  河野 一之君    大藏事務官    (銀行局復興金    融課長)    杉山知五郎君    厚生事務官    (引揚援護廳援    護局長)    田邊 繁雄君    農林事務官    (水産廳資材課    長)      長谷川善彦君    商工事務官    (繊維局衣料課    勤務)     楠岡  豪君