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委員外議員(
尾形六郎兵衞君) 大体
請願書に書きました理由で明瞭なことでありますが、実はこの
放水路を新たに
開鑿するという結果、あの海岸に及ぼします
影響が非常に大である、
水産業者に及ぼします
影響が非常に大であります。それで
地元の
漁業家並びに
附近の、その
川口に沿いまする農村においては、非常にそれに対して
心配をいたしておるのでありますが、先般來私を介しまして、
開鑿して貰いたくないという陳情をしておるのであります。
御承知のごとく駿河湾というのは、
水産業にとつて極めて重要な場所でありまして、ここで獲りまする
漁獲高は年に
時價にして八十億万円程度に達する。而も
京濱都市並びに関東、
関西方面の各
消費地に向つて、多量のお魚の供給をしております。それでその
開鑿の側になります
川口の内側は、その
附近で最も優良なる
漁場でありまして、この
附近は
専用漁場二十八件、
特別漁場が百十九件、及び
定置漁場が二十二件、その他の
許可漁業が約五十件もあります。これらの
漁場が
開鑿によつて受ける打撃は非常に多いのであります。尚
遠洋漁業に要しまする「いわし」等の餌を、あすこで生実に入れて取つておくのでありますが、その餌は三崎港を根拠といたします
遠洋漁村に主として供給しております。これも殆んどできなくなるということでありまして、
水産業の立場からいたしますと、非常に重大であります。
地元では
開鑿した方がいいという意見、或いは現在やつておりまする内務省の
計画の
工事を完成すれば、敢て今後の洪水の虞れはない。而も現在八〇%
計画の
工事は進捗している。その間にまだ
被害を見たところがない。もう二〇%を完遂しますれば、殆んど
心配がなくなるだろうという見方をしております。私は専門でないのではつきり分りませんけれども、この点は
十分一つ御研究の上に、この
計画に対して各位の御決定を與え下さるようにお願いいたします。