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1948-07-04 第2回国会 参議院 厚生委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年七月四日(日曜日)    午後一時四十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○恩給法臨時特例案衆議院提出) ○生活保護法改正等に関する請願  (第七百七十八号) ○生活保護法による基準額引上げに関  する陳情(第三百号) ○生活協同組合法制定に関する陳情  (第十号)(第四百八号)(第四百  三十号) ○生活協同組合法制定反対に関する陳  情(第百三十三号) ○生活協同組合法案改正に関する陳情  (第五百五十六号) ○消費生活協同組合法案に関する陳情  (第五百六十八号)   —————————————
  2. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 只今より委員会を開会いたします。  恩給法臨時特例案について提案理由説明を求めます。
  3. 野本品吉

    衆議院議員野本品吉君) 只今議題となりました恩給法臨時特例案につきまして、その提案理由を御説明申上げます。  昭和二十一年十月恩給法臨時特例制定され、同年十月から施行されて今日に至つておりますが、これは恩給法所定恩給金額計算方法に対し例外的な取扱いを暫定的に定めたもので、公務員俸給増加に拘わらず、恩給金額從來金額程度据置かんとするものであります。その法文にも明白なごとくこの法律は取敢えず当分の間の法律として制定されたものであります。然るにこの法律制定後今日まで久しくそのままに放置されていますために恩給制度退職給與制度としての実を失い、ただ單にその名を止むるに過ぎない状態になりましたから、ここに二、三年來各方面からこの法律の撤廃、恩給制度改善を要望されるに至り、その叫びは年と共に大きくなつて参りました。國会に対しても毎回全國各地から請願及び陳情が殺到し、國会におきましては、その都度これを採択して政府にこの善処方を要望したのでありますが、未だにその実現を見るに至りませんことは遺憾に堪えないところであります。殊に新給與制度が実現されることになりましたにも拘わらず、依然としてこの法律を放置して恩給金額を依然として現状のままに据置くことは、眞に遺憾に堪えないところであつて、永年の間十年一日のどこくに公務に精勤して退職した忠実な公務員に対し、我々の全く忍び得ないところであります。よつて我々は国家公務員法に明らかにされた恩給制度の趣旨に鑑み、退職者が相應の生活を營み得るごとき恩給を給し得るように、恩給制度か改善することを目途とし、現行恩給法臨時特例改正を加えんとして本案の提出せんとするものであります。  その主なる点は凡そ次の諸点にこれを要約することができます。  第一点は一般恩給額計算に関する措置であります。現行恩給法規定によりますと、普通恩給扶助料、一時恩給、一時扶助料等一般恩給額公務員退職又は死亡当時の俸給額基礎として計算されることになつています。然るに恩給法臨時特例規定は、この取扱いに対する暫定的な取扱いとして、この計算方法に対して制限を設け、戰前における公務員俸給額程度仮定俸給を設けまして、これを基礎として、これらの恩給計算することにいたしております。今日の物價事情及び在職者給與水準に照らしまして、今後尚このよう恩給金額を据置くことは適当でないと思われますので、この制限を撤廃いたしまして、恩給法所定通り公務員退職又は死亡当時の俸給額基礎として、これを計算することといたそうとするのであります。  第二点は公務傷病者恩給に関する措置であります。現行恩給法及び恩給法臨時特例規定によりますと、公務傷病者に給せられる増加恩給及び傷病年金は、公務員等級の別及び傷病原因程度の別によりまして定額制となつておりますが、今回公務員俸給制度が根本的に改正され、又俸給の額も相当増額されましたのに照らしまして、このよう定額制として置くことは適当でないと思われますので、これを改めて増加恩給及び傷病年金は、傷病原因程度の別のみにより定めた率を退職当時の俸給額に一律に乘じて計算することといたそうとするのであります。この退職当時の俸給額に乘ずべき率は、恩給法臨時特例制定前の退職当時の俸給に対するこれらの恩給從來割合より悪くならないようなものを採用することといたしました。尚右のよう公務傷病恩給受給者であつて、妻、未成年の子、父母、祖父母等扶養家族を有する者につきましては、更にその生活上の負担を軽くする必要があると考えられますので、在職給における扶養手当制度に傚い、扶養家族加給制度を設け、その家族一人につき月額二百円を加給することといたそうとするのであります。  第三点は公務扶助料に関する措置であります。現行恩給法及び恩給法臨時特例規定によりますと、公務傷病のため死亡した公務員遺族に給する扶助料は、公務員等級の別及び傷病原因の別によりまして定められた一定率を普通の扶助料額に乘じて計算することになつておりますが、只今申上げました公務傷病恩給の場合と同樣の理由で、これを改めてこの種の扶助料傷病原因の別のみによつて定めた率を一律に第一点で申上げました公務員俸給そのままの額を基礎として計算いたしました普通扶助料に乘じて計算することといたそうとするのであります。又この割合恩給法臨時特例制定前の恩給法從來割合を下らないようなものを採用することといたしました。  尚右のよう扶助料につきましては、現行法及び恩給法臨時特例によりますと、遺族三人以上の場合にのみ遺族加給制度がありまして、基本扶助料公務員等級の別と遺族員数とにより定められた率を乘じて得た若干の金額を加給することになつておりますが、これを改めまして、只今申上げました家族加給と同じよう遺族一人について、月額二百円を一律に加給いたそうとするのであります。  第四点はいわゆる若年者及び多額所得者普通恩給停止に関する措置であります。現行恩給法規利によりますと、普通恩給を受ける者が四十歳以下であるときは、その年齢に應じて普通恩給の四分の一乃至八分の一停止することとなつておるのでありますが、今回この法律におきましては、普通恩給金額計算に対する制限を撤廃して、これを恩給法規定通り計算方法に復せしめました結果、普通恩給金額増加しますこと及び社会事情をも考慮しまして、この停止は更に強化するのが適当であると思われますので、傷病のため所得能力制限されるような者を除いて、四十歳未滿の者であれば恩給の全額を停止し、四十五歳未滿であれば恩給額の五割を、五十歳未滿であればそ三の割を停止することといたそうとするのであります。  次に現行恩給法臨時特例によりますと、普通恩給年額が千円以上で、恩給外所得が一万円を超える者については、所得額に應じて恩給の一割五分乃至三割を停止することとなつておりますが、この法律案によりまして、普通恩給が増額されることと、最近の物價事情の推移とを考え合せまして、恩給年額が一万五千円以上で恩給外所得が十五万円を超える者について、この割合恩給停止を行うことに改めようとするのであります。  第五点は災害補償との調節に関する措置であります。先般労働基準法施行に伴い、公務員公務のため傷害を受け又は病氣になり、その傷病が治つたとき、或いは公務のための傷病に起因して死亡したときは、一般勤労者と同じように同法に基く災害補償を受けることになりましたので、公務に起因する傷病のため退職し又は死亡した公務員につきましては、すでに災害補償を受けた傷病によつて公務傷病関係恩給又は扶助料を給せられるような場合も生ずることになりましたから、災害補償を受けた者に給するこの種の恩給につきましては、補償を受けてから六年間これに相当する部分の恩給停止して災害補償恩給との間におきまして適当な調節を行わんとするのであります。  第六点は現在の年金恩給受給者に対する措置であります。現在の受恩給者は甚だ少額の恩給を受けていまして、傷病者老齢者等は甚だしく困窮いたしておるものと想像されますので、このよう人々恩給をもできる限りこの法律施行の際に退職する類似の人々恩給金額程度にまでこれを引上げるべきであると思われますから、これらの者の受ける恩給金額に近く、而してこの者の受ける金額を超えない程度に増額することといたそうとするのであります。  以上の外、警察監獄職員又は義務教育制生校教育職員國庫納金取扱等、從前の恩給法臨時特例規定されました恩給法特例であつて、引読き存読せしめるのが適当であると考えられまする條項等をも併せて規定いたしたのであります。  甚だ簡單でありますが、以上がこの法律案を提出するに至りました理由であります。尚詳細なことにつきましては御質問に應じてお答えいたします。
  4. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 恩給法臨時特例案について御質疑ございませんか。速記を止めて。    〔速記中止
  5. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 速記を始めて。質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないと認めまして直ちに討論に入ります。本案について御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。御発言はありませんか……御発言もございませんから直ちに採決に入ります。恩給法臨時特例案を原案通り可決することに賛成の方の御起立を願います。    〔総員起立
  7. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 全会一致と認めます。よつて本案全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。  尚本院規則第百四條による諸手読委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないと認めます。  次に本院規則第七十二條によりまして、本案を可とされた方は順次御署名を願います。    〔多数意見者署名
  9. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 署名洩れはございませんか……署名洩れないと認めます。
  10. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 次に請願第七百七十八号、陳情第三百号を議題に供します。  請願第七百七十八号の紹洋議員草葉隆圓君の御紹介を願います。速記を止めて。    〔速記中止
  11. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 速記を始めて。請願第七百七十八号及び陳情第三百号は議院の会議に付して内閣に送付するを要するものと決定して御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないと認めます。議題に上つております請願及び陳情はそれぞれさように決定しました。
  13. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 次に陳情第十号、第四百八号、第四百三十号、第百三十三号、第五百五十六号、第五百六十八号について木村專門調査員説明を願います。速記を止めて。    〔速記中止
  14. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 速記を始めて。では以上の陳情取扱いは、生活協同組合法案の審議と睨み合して決定することにして、一時保留として御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないと認めます。ではさように決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十分散会  出席者は左の通り。    委員長     塚本 重藏君    理事            谷口弥三郎君    委員            河崎 ナツ君            中平常太郎君            三木 治朗君           池田宇右衞門君            草葉 隆圓君            中山 壽彦君            安達 良助君            木内キヤウ君            小林 勝馬君            小杉 イ子君            姫井 伊介君            山下 義信君            米倉 龍也君            千田  正君   衆議院議員            野本 品吉君   政府委員    厚生政務次官  赤松 常子君    総理廳事務官    (恩給局長)  三橋 則雄君