○藤森眞治君
医療制度調査に関する小
委員に付託になりました
請願及び
陳情の中、六月十四日の
審議し決定を見ました
請願四件、
陳情六件、計十件について
審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
陳情文書表第三百六十二号、
らい療養所患者の
生活改善に関する
陳情、同じく
陳情文書表第四百四十号、これは鹿兒島縣國立療養所星塚敬愛園と群馬縣栗生樂生園からの
陳情で、略々同樣の
趣旨でありまして、これを一括して申上げますと、らい患者は再起の希望を失い、温かい肉親との絆を絶
つて終生この療養所において終らなければならない運命にあり、尚その上に結核を併発する者が多く、二重の病苦に悩む実情にありまして、その
死亡原因の六〇%が結核の併発によるものであることは統計を見ても明らかであります。然るに数多の同胞をこの病より救うべく、この耐え難き苦悩を堪えて療養所に一生を送る患者にと
つて、唯一の希望は所内の改善にあるので、一、食費の増額及び國立療養所における結核と「らい」との差別待遇撤廃、一、療養所の医師、看護婦の増員、一、入所患者の教育、一、所内の慰安
施設の確立、これらを実施さはたいとの
趣旨であります。右の
陳情の中、星塚敬愛園は去る三月上旬、厚生
委員数名が九州地方の厚生情況を視察の際にも当園の実状を視察しており、先に
委員会においての視察報告の中にも、本
陳情の
趣旨は十分報告されて、
政府よりも善処する旨の答弁がありましれが、更に今回この
陳情が出ておりますので、改めて
厚生省当局より実情を聽取しましたところ、國立療養所の中、特にらい療養所につきましては、その改善に鋭意努力しておるのでありますが、予算
関係が意のごとくならず、漸く本
年度に至りまして多少なりとも改善され、食費につきましては、
從來は結核患者は、一日十八円五十銭、らい患者については十五円五十銭でありましたが、本
年度は、結核患者もらい患者も同樣に一日二十六円四十銭に
引上げました。次に医師、
職員、看護婦の増員、慰安
施設等の諸点については、予算面に困難な事情があるため、現在遺憾の状態であるのが実情であります。又教育の点は、現在所内に教室を設け、患者の中から
資格のある者を教師としておりますが、設備の点で甚だ不完全であるという答弁がありました。本小
委員会としては、本
陳情の趣送旨は極めて妥当なものとして、議院の
会議に付して内閣へ送付すべきものと決定いたしました。
陳情文書表第四百四十一号、
らい患者保護法制定に関する
陳情、これは鹿兒島縣國立療養所星塚敬愛園よりの
陳情であり、数多の同胞をらいの感染から防衞するために、らい予防法が
制定せられておるが、同時に不幸にしてこの悲むべき病に悩み、終生療養所に隔離されるらい患者を安全に保護するために。らい患者保護法の
制定の必要があるとの
趣旨であります。これに対しまして
厚生省当局より
意見を聽取いたしましたところ、近々らい予防法が
改正されるので、そのときに是非
考慮いたしたいとのことで、本
陳情の願意の大体は妥当なものとしまして、議院の
会議に付して内閣へ送付すべきものと決定いたしました。
請願第八百十六号
國立長野療養所上田分院の
移轉に関する
請願、紹介議員は内村清次君であります。右の
請願は、國立療養所上田分院は、旧日本医療團の
施設でありまして、本分院は一般任宅を轉用したものなので、設備が極めて不完全である上に、一般民家と隣接しているので、感染拡大の危險性があり、又結核予防の本旨に添わないので、地元民側と病院側と協議の上、療養所として絶好の
條件を具備する上田市営の報恩寮の建物を中心として、速かに
移轉を実現せられ、地元民の生活安定、患者の完全なる療養生活を営ましめられたいというのが
趣旨であります。これに対しまして
政府当局より
意見を聽取いたしましたところ、この上田分院は旧日本医療團が、戰時中に十万床の拡充計画に基いて、民家を買收して軽症患者を收容するために設置したものであるが、昨年四月より國営に移管して
運営しているもので、設備、環境等について療養
施設としては適当でないことは了承するが、
移轉先の報恩寮は收容人員も極めて少く、且つこれを母体として新設拡充することは、現在の國情としては実現困難であるので、よく実情を調査して計画いたしたいととの答弁でありました。本小
委員会としても、本
請願の願意の大体は妥当なもの、あるのででできるだけ早い機会にこれが実現に努められるよう
政府に要求しまして、議院の
会議に付して内閣へ送付すべきものと決定いたしました。
請願文書表第五百十五号、
医業類似行爲者のあん摩、はり、きゆう
施術禁止に関する
請願、同じく
請願文書表第七百三十五号、これはいずれも紹介議員は小林勝馬君であります。この
請願の
趣旨は、
医業類似行爲者があん摩、はり、きゆう、柔道整腹営業法に定められた療法の類似の行為を行
つておるから、同法の
趣旨に反しないように、これを禁止されたいというのが
趣旨であります。これに対しまして当局に実情を質しましたところ、今までは
都道府縣廳において
取扱つて來たのでありますが、この方面の專門家がおらず、徹底しなか
つたので、今後は各
保健所單位に監督することとな
つたので、区域的に徹底すると思うとの答弁がありやした。本
委員会としては、本
請願の願意の大体は妥当なものとして、議院の
会議に付して内閣へ送付すべきものと決定いたしました。
請願文書表第七百十七号、
國民健康保險事業費國庫補助に関する
請願、紹介議員は島津忠彦君であります。
陳情文書表第四百三十六号、
陳情文書表第三百七十六号、
國民健康保險制度改革に関する
陳情。右の
請願、
陳情は、いずれも國民
健康保險に関するものであり、六月八日
委員会において御報告申上げれ
請願、
陳情と全く同樣の意味のものでありますので、本小
委員会としましては、前回同樣、議院の
会議に付して内閣へ送付すべきものと決定いたしました。
陳情文書表第四百四号、
藥務局設置に関する
陳情、右の
陳情も、前回御報告申上げましたものと同樣でありまするので、本小
委員会としては、議院の
会議に付して「内閣へ送付すべきものと決定いたしました。」
以上
簡單でありますが、
医療制度調査に関する小
委員会における
請願、
陳情の
審議の結果を御報告申上げました次第であります。