○山下義信君 遲くなりましたので、
只今までにどういう質疑應答がありましたかよく存じませんので、或いは重ねて觸れますことがありましたらばお許しを願いたいのでありますが、多くは申上げませんので、これは司法當局もようこの間の
事情は御
承知、私共も
承知、問題は
一つには
兒童のため如何にしたらよろしいかという大所高所からいろいろ心配をいたして行かなければなりませんこと。第二は苟くも國會の意思というものは、尊重しなければならんということであります。即ち本案の
審議に當りまして、國會において
政府と國會との間に質疑應答が交されまして、それらが記録の上に載
つておる。その
政府の言明せられたことが、果してその
通りに行われておるか、間違
つておるかということが重大であります。いろいろすでに印刷して頂いてある
速記録に、當院におきまする
關係委員會の
速記録に、それが極めて明白に現われておるのでありますが、政務次官におかれましても、これらの點は衆議院においてもお觸れにな
つておるのではないかとは存じますが、當院におきましては、特に著しくそれが具體的に出ておりまするのは、昭和二十二年十二月二日に開催をいたしました第一囘國會における決算司法連合
委員會におきまして、法務廰總裁、佐藤司法次官、佐藤法制長官が列席をいたしまして、
關係委員が質疑應答をいたしておるのであります。将來それは法務廰の設置法に關連をいたしまして、
少年矯正局で
取扱いますその範圍内、或いは将來
少年裁判所法ができた時には云々と、いろいろ計畫、規定などに關連をいたしまして、将來司法系統において取扱う
少年の限界をどこに定めるかという點が
審議せられまして、本院はいわゆる
厚生省の社會政策的に取扱う
少年までも司法省がそれをずつと取扱うのではないかと、そういうふうに取れるように、いろいろ條文に不明瞭な所があると申しましたら、法務總裁は、それはあなたの讀み違いである。そう
速記に載
つておるのであります。讀み違いである。大變なそれは誤解をしておる。法文はそうではない。全くあなたの仰しや
つたように、
虞犯少年は取扱わないということにな
つておる。こうおつしや
つた。これは讀み違いとは大變な失禮をいたしました。それならば結構でありますと本員が謝まりまして、
虞犯少年というのは、罪は犯す虞れのある一歩手前の
少年をいうのではない。司法省のいう
虞犯少年というのは、
實際は罪を犯しておる。や
つておる。
犯罪を犯しておるのだ。もうそのままいわゆる
犯罪少年として扱うていいのであるけれども、これを一應
虞犯少年として、或る
程度保護政策でや
つてみようかという
程度なので、いわゆる
犯罪少年のことだと、
虞犯少年だと
言つても内實は罪を犯してお
つて、それを刑罰に虞するかという、ただ
取扱いで一應
虞犯少年と見るのだ、まだ
實際に罪を犯さないところの、罪を犯す一歩手前の本當の虞のあるのは全部
厚生省でやるということが、全部ここで
速記に明白にな
つております。いろいろの、諸般の
關係でありまして、
政府におかれましても
少年法の御立案その他におきましては、そういう點について萬般の御考慮御苦心をしておることと十分諒察いたしておることでございますが、すでに國會の意思といたしまして、當院の本
會議に法務廰設置
法案の
報告に當りまして、決算
委員長がその旨を
報告に述べておるのであります。尚本員自身も念のために、
關係方面に參りましたときには、そういう
趣旨は明かに修正して置くのもよいけれども、
趣旨はよく分
つたから、その
通りを決算
委員長の
報告の時に附加えて、國會において言明して置くようにということでございましたので、その
通り當院は取運びました次第でございます。これら第一國會におきまして、
政府がその點を明らかにして
おいでになりますことが、今後現われます
法案の上に、固より、その
趣旨の下に御實行下されるとは存ずるのでございますが、當院におきまする
速記その他を十分
一つ御調査置きを願いたいと存ずるのであります。尚且つ私は尊敬する政務次官にお願いをして置くのでございまして、政務次官には誠に御苦勞樣でございますが、あなたは固より國
會議員で
おいでになるのでありまして、國會の意思を蹂躙し、國會に對する
政府の聲明を裏切るというような事柄が果して國會としてこれを看過し得られるや否やという重大なる問題であると私は存じまするので、その點どうか十二分に國會側の意思のありまするところが具現化するよう、一段の御努力をお願いしたいと存じまして、尚御所見が拜聽出來ますれば有難いと思うのでございます。